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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127767
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】媒体検出装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/14 20060101AFI20220825BHJP
   G07D 11/22 20190101ALI20220825BHJP
   G01V 8/12 20060101ALI20220825BHJP
【FI】
B65H7/14
G07D11/22
G01V8/12 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021025934
(22)【出願日】2021-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 貴
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 智之
(72)【発明者】
【氏名】阿部 剛
【テーマコード(参考)】
2G105
3E040
3E141
3F048
【Fターム(参考)】
2G105AA01
2G105BB17
2G105CC01
2G105DD02
2G105EE01
2G105HH04
3E040AA01
3E040FG12
3E141AA01
3E141FG12
3F048AA06
3F048AB03
3F048BA05
3F048BB09
3F048BB10
3F048DA06
3F048DC13
3F048EB21
(57)【要約】
【課題】媒体を検知するための検知光を搬送路に向けて発光する発光部及び検知光を受光する受光部を有するセンサを備える媒体検出装置において、簡素な構成で広範囲に亘って媒体を検出する。
【解決手段】媒体検出装置の一例である紙幣検出装置1は、媒体の一例である紙幣Bを検知するための検知光Lを搬送路101に向けて発光する発光部11及び検知光Lを受光する受光部12を有するセンサと、発光部11によって発光された検知光Lを、搬送路101を挟んで反対側に反射する複数の反射部の一例であるプリズム21~25とを備える。複数のプリズム21~25は、搬送路101を挟んだ一方側に2つ以上配置され(プリズム21,23,25)、搬送路101を挟んだ他方側に上記一方側よりも1つ少ない数配置され(プリズム22,24)、発光部11及び受光部12は、搬送路101の上記他方側に配置されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を検知するための検知光を搬送路に向けて発光する発光部及び前記検知光を受光する受光部を有するセンサと、
前記発光部によって発光された前記検知光を、前記搬送路を挟んで反対側に反射する複数の反射部とを備え、
前記複数の反射部は、前記搬送路を挟んだ一方側に2つ以上配置され、前記搬送路を挟んだ他方側に前記一方側よりも1つ少ない数配置され、
前記発光部及び前記受光部は、前記搬送路の前記他方側に配置されている
ことを特徴とする媒体検出装置。
【請求項2】
前記発光部と前記搬送路との距離は、前記受光部と前記搬送路との距離よりも長い
ことを特徴とする請求項1記載の媒体検出装置。
【請求項3】
前記センサは、前記発光部によって発光された前記検知光が前記複数の反射部において反射されて前記受光部によって受光されるまでの前記検知光の経路に応じて前記検知光の強弱が調整可能である
ことを特徴とする請求項1又は2記載の媒体検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発光素子から照射される光が、薄い媒体のように透過率の高い媒体でも媒体有りを検出できるようにするため、搬送媒体の透過率に応じた回数、搬送媒体を透過するように発光素子、反射部材、及び受光素子が配置された媒体検出装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-160152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、紙幣の通過を検知するために、紙幣の搬送路に向けて検知光を発光し、搬送路において検知光が遮断されずに受光部が受光するか否かによって紙幣を検出する紙幣検出装置がある。
【0005】
このような紙幣の検出に関して、図4を参照しながら第1参考技術について説明し、図5を参照しながら第2参考技術について説明する。
【0006】
図4は、第1参考技術におけるプリズム221を用いた紙幣Bの検出を説明するための図である。
【0007】
図4に示す紙幣検出装置201は、紙幣Bを検知するための検知光Lを搬送路101に向けて発光する発光部211及び検知光Lを受光する受光部212を有するセンサと、検知光Lを反射するプリズム221とを備える。
【0008】
発光部211と受光部212とは、紙幣Bの厚さ方向D2に搬送路101を挟んだ片側(図4の下側)に配置されている。
【0009】
プリズム221は、紙幣Bの厚さ方向D2に搬送路101を挟んで発光部211及び受光部212とは反対側(図4の上側)に配置されている。プリズム221は、発光部211から入射する検知光Lを紙幣Bの搬送方向に直交する幅方向D1に屈折させた後、厚さ方向D2に屈折させることによって、受光部212に向けて反射させる。
【0010】
これにより、搬送路101の幅方向D1の2箇所で検知光Lを通すことができるため、紙幣Bを2箇所で検出することができる。
【0011】
しかしながら、搬送路101において検知光Lが通る2箇所以外では紙幣Bを検出することができず、図4に示すように幅狭の紙幣Bを検出することができない。
【0012】
そこで、プリズム221の数を2つにし、発光部211と受光部212とを搬送路101を挟んで厚さ方向D2の反対側に配置することによって、搬送路101の幅方向D1の3箇所で検知光Lを通すことも考えられる。この場合、発光部211と受光部212とが搬送路101を挟んで厚さ方向D2の反対側に位置することによって、発光部211と受光部212とをケーブル等で接続するのが困難になるなど、構造が複雑化する。
【0013】
図5は、第2参考技術におけるラインセンサ301を用いた紙幣Bの検出を説明するための図である。
【0014】
図5に示すように、紙幣Bの幅方向D1に長いラインセンサ301を配置することによって、幅方向D1の広範囲に亘って紙幣Bを検出することができる。しかしながら、ラインセンサ301は高価であり、特に装置内に複数箇所に配置するのが困難である場合が多い。
【0015】
本発明の目的は、媒体を検知するための検知光を搬送路に向けて発光する発光部及び検知光を受光する受光部を有するセンサを備える媒体検出装置において、簡素な構成で広範囲に亘って媒体を検出することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
1つの態様では、媒体検出装置は、媒体を検知するための検知光を搬送路に向けて発光する発光部及び前記検知光を受光する受光部を有するセンサと、前記発光部によって発光された前記検知光を、前記搬送路を挟んで反対側に反射する複数の反射部とを備え、前記複数の反射部は、前記搬送路を挟んだ一方側に2つ以上配置され、前記搬送路を挟んだ他方側に前記一方側よりも1つ少ない数配置され、前記発光部及び前記受光部は、前記搬送路の前記他方側に配置されている。
【発明の効果】
【0017】
前記態様によれば、媒体を検知するための検知光を搬送路に向けて発光する発光部及び検知光を受光する受光部を有するセンサを備える媒体検出装置において、簡素な構成で広範囲に亘って媒体を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】一実施の形態における紙幣取扱装置の入出金モジュールの内部構造を示す右側面図である。
図2】一実施の形態における紙幣検出装置を示す図である。
図3】他の実施の形態における紙幣検出装置を示す図である。
図4】第1参考技術におけるプリズムを用いた紙幣の検出を説明するための図である。
図5】第2参考技術におけるラインセンサを用いた紙幣の検出を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態に係る媒体検出装置について、紙幣検出装置1を一例として、図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1は、一実施の形態における紙幣取扱装置100の入出金モジュールM1の内部構造を示す右側面図である。
【0021】
図1に示す紙幣取扱装置100は、媒体取扱装置の一例であり、上から順に、入出金モジュールM1、リサイクルモジュールM2,M3,M4、補充モジュールM5、回収モジュールM6、及び不良媒体回収モジュールM7を備える。これらのモジュールM1~M7は、上下方向に積層されて連結され、図2に示す紙幣B(媒体の一例)を他のモジュールに受け渡すように搬送することが可能である。
【0022】
紙幣取扱装置100は、例えば、紙幣Bの入出金を行う。そのため、紙幣取扱装置100は、紙幣入出金機ともいえる。なお、媒体としては、紙幣Bに限られず、帳票、伝票などの他の媒体(シート状の紙葉類)であってもよい。また、媒体としては、通帳などの複数枚の紙葉類分の厚さを有するものであってもよい。
【0023】
入出金モジュールM1には、紙幣Bを出金するための出金部M1aと、紙幣Bを入金するための入金部M1bとが顧客側(図1における左側)に突出するように設けられている。
【0024】
入出金モジュールM1の内部には、紙幣Bを搬送する複数の搬送ローラや搬送ガイドや鑑別部などが配置され、搬送ローラや搬送ガイドによって形成される図2に示す搬送路101に沿って紙幣Bが搬送される。また、入出金モジュールM1の複数箇所には、紙幣Bを検出するための紙幣検出装置1が配置されている。図示はしないが、紙幣検出装置1は、リサイクルモジュールM2,M3,M4、補充モジュールM5、回収モジュールM6、及び不良媒体回収モジュールM7にも配置されているとよい。但し、紙幣検出装置1は、紙幣取扱装置100において少なくとも1つ配置されていればよい。
【0025】
リサイクルモジュールM2,M3,M4の内部における前部及び後部のそれぞれには、例えば紙幣Bをフィルムで挟んで巻き付けて収容する図示しないリサイクル紙幣収容部が配置されている。このリサイクル紙幣収容部は、フィルムを巻き出すことによって、フィルムで挟んで巻き付けられた紙幣Bを排出することが可能である。このように、リサイクルモジュールM2,M3,M4においては、紙幣Bがリサイクル可能となっている。
【0026】
補充モジュールM5は、出金に利用される紙幣Bを収容する。
【0027】
回収モジュールM6は、入金された紙幣Bのうちリサイクルされない紙幣Bを収容する。
【0028】
不良媒体回収モジュールM7は、例えば、金庫内の仕切りの開口部から金庫内の下部のスペースへ向かうように紙幣Bを紙幣取扱装置100の下方に搬送する。
【0029】
なお、上述の紙幣取扱装置100の構成はあくまで一例であり、媒体取扱装置としては、例えばATM(Automated Teller Machine)、BRU(Bill Recycle Unit)、CD(Cash Dispenser)、TCR(Teller Cash Recycler)などの任意の構成を採用することができる。
【0030】
また、本実施の形態における紙幣検出装置1は、紙幣取扱装置100に限らず、媒体の一例である用紙に印刷を行う印刷装置、媒体の一例である、投票券、投票用紙、紙幣Bなどを搬送する公営競技用投票機、媒体の一例である通帳を発行する通帳発行プリンタなどに配置されていてもよい。
【0031】
図2は、一実施の形態に係る紙幣検出装置1を示す図である。
【0032】
図2に示す紙幣検出装置1は、紙幣Bを検知するための検知光Lを搬送路101に向けて発光する発光部11及び検知光Lを受光する受光部12を有するセンサと、発光部11によって発光された検知光Lを、搬送路101を挟んで反対側に反射する複数の反射部の一例であるプリズム21~25とを備える。
【0033】
発光部11及び受光部12を有するセンサは、例えば、分離型の透過型フォトセンサであり、検知光Lが紙幣Bによって遮蔽されたか否かによって紙幣B(例えば紙幣Bの通過)を検出するためのセンサである。
【0034】
発光部11と受光部12とは、紙幣Bの厚さ方向D2に搬送路101を挟んだ両側のうち片側(図2の下側であるため、以下では適宜「下側」と記す。)に配置されている。なお、搬送路101は、例えば、平板状の搬送ガイド、搬送ローラなどによって定められる紙幣Bの搬送経路であるが、平板状の搬送ガイドが用いられる場合には、この搬送ガイドには検知光Lを通す孔や切り欠きなどが設けられる。
【0035】
厚さ方向D2において、発光部11と搬送路101との距離(隙間)G1は、受光部12と搬送路101との距離(隙間)G2よりも長い。
【0036】
また、発光部11及び受光部12を有するセンサは、発光部11によって発光された検知光Lが複数のプリズム21~25において反射されて受光部12によって受光されるまでの検知光Lの経路に応じて検知光Lの強弱(例えば、光の振幅)が調整可能である光変調センサであるとよい。ここで、検知光Lの経路に応じた検知光Lの強弱は、例えば、経路の長さ、経路に介在するプリズム21~25の数や材質などの検知光Lの減衰に影響を与え得る要素に基づいて調整されるとよい。
【0037】
なお、発光部11が発光する検知光Lを強めた場合には、検知光Lが紙幣Bを透過し、紙幣Bの通過を検出できなくなるおそれがある。その場合には、発光部11と搬送路101との距離G1を長くすることによって、紙幣Bの通過を検出しやすくするとよい。或いは、発光部11と1つ目のプリズム21(又は複数のプリズム)との間の検知光Lが搬送路101を跨ぐ領域では紙幣Bの通過が検出されないものとして、紙幣検出装置1が配置されるとよい。
【0038】
また、発光部11が発光する検知光Lを弱めた場合には、受光部12が検知光Lを受光しにくくなるおそれがある。その場合には、受光部12と搬送路101との距離G2を短くするとよい。
【0039】
プリズム21~25は、発光部11によって発光された検知光Lを、搬送路101を挟んで反対側に反射する複数の反射部の一例である。この反射部としては、2つのミラーからなるものなどであってもよい。但し、反射部としてプリズム21~25を用いることによって、2つのミラーを用いる場合と比較して、プリズム21~25に例えば45度の斜面が予め形成されていることで、検知光Lを反射させる角度の調整が不要になる。
【0040】
プリズム21~25のうちプリズム21,23,25は、紙幣Bの厚さ方向D2に搬送路101を挟んで発光部11及び受光部12とは反対側(図2の上側であるため、以下では適宜「上側」と記す。)に配置されている。また、残りのプリズム22,24は、発光部11及び受光部12と同じく、搬送路101の下側に配置されている。このように、搬送路101を挟んで発光部11及び受光部12とは反対側の上側には2つ以上のプリズム21,23,25が配置され、発光部11及び受光部12とは同じ側の下側には、上側よりも1つ少ない数のプリズム22,24が配置されているとよい。この関係を満たすのであれば、プリズム(反射部)の数は、3つ以上の奇数の任意の数とすることができる。
【0041】
プリズム21は、搬送路101の下側の発光部11から入射する検知光Lを紙幣Bの搬送方向に直交する紙幣Bの幅方向D1に屈折させた後、厚さ方向D2に屈折させることによって、搬送路101の下側に検知光Lを反射する。
【0042】
プリズム22は、搬送路101の上側のプリズム21から入射する検知光Lを紙幣Bの搬送方向に直交する幅方向D1に屈折させた後、厚さ方向D2に屈折させることによって、搬送路101の上側に検知光Lを反射する。
【0043】
プリズム23は、搬送路101の下側のプリズム22から入射する検知光Lを紙幣Bの搬送方向に直交する幅方向D1に屈折させた後、厚さ方向D2に屈折させることによって、搬送路101の下側に検知光Lを反射する。
【0044】
プリズム24は、搬送路101の上側のプリズム23から入射する検知光Lを紙幣Bの搬送方向に直交する幅方向D1に屈折させた後、厚さ方向D2に屈折させることによって、搬送路101の上側に検知光Lを反射する。
【0045】
プリズム25は、搬送路101の下側のプリズム24から入射する検知光Lを紙幣Bの搬送方向に直交する幅方向D1に屈折させた後、厚さ方向D2に屈折させることによって、搬送路101の下側に検知光Lを反射する。
【0046】
これらのプリズム21~25を用いることによって、受光部12が受光する検知光Lは、プリズム21~25の数よりも1回多い6回、搬送路101を跨ぐことになるため、幅方向D1の6箇所で紙幣Bを検出することができる。
【0047】
ここで、プリズム21~23が内部で幅方向D1に屈折させる光路の幅W1は、プリズム24,25が内部で幅方向D1に屈折させる光路の幅W2よりも短い。このように、光路の幅W1,W2が異なるプリズム21~25を組み合わせることによって、幅方向D1の任意の位置で紙幣Bを検出することができる。
【0048】
なお、発光部11が発光する検知光Lの方向、受光部12が受光する検知光Lの方向、及びプリズム21~25が反射する検知光Lの方向は、紙幣Bの幅方向D1と搬送方向とに直交する厚さ方向D2に完全に一致する方向でなく、厚さ方向D2に対して傾きを有していてもよい。また、プリズム21~25が内部で屈折させる検知光Lの方向は、紙幣Bの幅方向D1に完全に一致する方向でなく、幅方向D1に対して傾きを有していてもよい。
【0049】
以上説明した一実施の形態では、媒体検出装置の一例である紙幣検出装置1は、媒体の一例である紙幣Bを検知するための検知光Lを搬送路101に向けて発光する発光部11及び検知光Lを受光する受光部12を有するセンサと、発光部11によって発光された検知光Lを、搬送路101を挟んで反対側に反射する複数の反射部の一例であるプリズム21~25とを備える。複数のプリズム21~25は、搬送路101を挟んだ一方側に2つ以上配置され、搬送路101を挟んだ他方側に上記一方側よりも1つ少ない数配置され、発光部11及び受光部12は、搬送路101の上記他方側に配置されている。
【0050】
これにより、プリズム21~25は、3つ以上の奇数配置されるため、搬送路101の幅方向D1の4箇所以上で検知光Lを通すことができるため、紙幣Bを4箇所以上で広範囲に亘って検出することができる。これにより、紙幣Bを確実に検出することができる。また、検知光Lが4回以上搬送路101を通るため、透明部分を有する紙幣Bなどを検出しやすくすることもできる。
【0051】
また、発光部11と受光部12とが厚さ方向D2に搬送路101を挟んだ片側(上記他方側)に位置することによって、発光部11と受光部12とをケーブル等で接続するのを容易にし、ケーブルの複雑な引き回しなどを回避して紙幣検出装置1を簡素な構成にすることができる。
【0052】
よって、本実施の形態によれば、紙幣検出装置1(媒体検出装置)において、簡素な構成で広範囲に亘って紙幣B(媒体)を検出することができる。
【0053】
また、本実施の形態では、発光部11と搬送路101との距離G1は、受光部12と搬送路101との距離G2よりも長い。
【0054】
そのため、距離G1を距離G2と比較して長くすることによって、3つ以上のプリズム21~25において検知光Lを反射させるために検知光Lを強めても、発光部11と1つ目のプリズム21との間において、わずかに検知光Lが減衰することで紙幣Bの通過を検出しやすくすることができる。また、距離G2を距離G1と比較して短くすることによって、受光部12が検知光Lを受光しやすくすることができる。
【0055】
また、本実施の形態では、発光部11及び受光部12を有するセンサは、発光部11によって発光された検知光Lが複数のプリズム21~25において反射されて受光部12によって受光されるまでの検知光Lの経路に応じて検知光Lの強弱が調整可能である。
【0056】
これにより、例えば、検知光Lの経路の長さ、この経路に介在するプリズム21~25の数や材質などの検知光Lの減衰に影響を与え得る要素に基づいて、検知光Lの強弱を調整することによって、紙幣Bの検出精度を高めることができる。また、検知光Lの強弱が調整可能であることによって、発光部11や受光部12やプリズム21~25に紙粉などの塵埃がたまって紙幣Bの検出精度が落ちてきた場合に、検知光Lを強くすることによって紙幣Bの検出精度を高めることができる。
【0057】
図3は、他の実施の形態に係る紙幣検出装置2を示す図である。
【0058】
図3に示す紙幣検出装置2は、プリズム24,25を省略し、3つ目のプリズム23が反射する検知光Lを受光部12が受光すること以外は上述の図2に示す紙幣検出装置1と同様にすることができる。そのため、詳しい説明は省略する。
【0059】
紙幣検出装置2では、プリズム21~23のうちプリズム21,23は、紙幣Bの厚さ方向D2に搬送路101を挟んで発光部11及び受光部12とは反対の上側に配置されている。また、残りのプリズム22は、発光部11及び受光部12と同じく、搬送路101の下側に配置されている。そのため、本実施の形態においても、搬送路101を挟んで発光部11及び受光部12とは反対側の上側には2つ以上(2つ)のプリズムが配置され、発光部11及び受光部12とは同じ側の下側には、上側よりも1つ少ない数(1つ)のプリズムが配置されているため、上述の関係を満たすといえる。なお、発光部11は、プリズム21~23の数が3つで図2に示すプリズム21~25よりも少ないため、図2に示す例よりも、発光する検知光Lを弱めるとよい。
【0060】
本実施の形態によっても、上述の一実施の形態の効果、すなわち、簡素な構成で広範囲に亘って紙幣B(媒体)を検出することができるなどの効果を得ることができる。
【0061】
なお、本発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でのその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素を適宜組み合わせてもよい。このように、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において発明の種々の変形や応用が可能である。
【符号の説明】
【0062】
1,2 紙幣検出装置(媒体検出装置)
11 発光部
12 受光部
21~25 プリズム(反射部)
100 紙幣取扱装置
101 搬送路
B 紙幣(媒体)
D1 幅方向
D2 厚さ方向
G1,G2 距離
L 検知光
M1 入出金モジュール
M1a 出金部
M1b 入金部
M2~M4 リサイクルモジュール
M5 補充モジュール
M6 回収モジュール
M7 不良媒体回収モジュール
W1,W2 幅
図1
図2
図3
図4
図5