(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128907
(43)【公開日】2022-09-05
(54)【発明の名称】洗浄消毒装置
(51)【国際特許分類】
A61B 1/12 20060101AFI20220829BHJP
【FI】
A61B1/12 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021027377
(22)【出願日】2021-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲政
(72)【発明者】
【氏名】志保田 裕司
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161GG05
4C161GG07
4C161GG08
4C161GG09
4C161JJ11
(57)【要約】
【課題】蓋部の裏面部に付着した液滴によって洗浄消毒装置の外観が汚れることを防止できる洗浄消毒装置を提供する。
【解決手段】洗浄消毒装置10は、医療器具を収容する洗浄槽13と、閉じ位置で洗浄槽13の開口部13aを密閉し、開き位置で開口部13aを開放し、取り付け部43を支点とし、回動可能に設けられた蓋部16と、を備える。蓋部16の裏面部は回収ガイド60を備え、蓋部16が開き位置にある状態において、蓋部16の裏面部のうち取り付け部43が配置される下端側に、蓋部16の裏面部から装置本体11の上面部に向かって落下する液滴を受ける液滴受け部64を有する。回収ガイド60は、液滴受け部64で受けた液滴を液滴受け部64よりも下端側となる案内位置66に誘導する。案内位置66の下端側には、誘導された液滴を洗浄槽13に向かって案内する排水ガイド70を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療器具を収容する洗浄槽と、
前記洗浄槽内に収容された前記医療器具の洗浄及び消毒を行う装置本体と、
閉じ位置で前記洗浄槽の開口部を密閉し、開き位置で前記開口部を開放する蓋部であって、基端側に前記装置本体に取り付けられる取り付け部を有し、前記取り付け部を支点とし、前記閉じ位置と前記開き位置とで回動可能に設けられた蓋部と、
を備え、
前記蓋部が前記閉じ位置にある場合に前記洗浄槽に対向する前記蓋部の裏面部に設けられた回収ガイドであって、前記蓋部が前記開き位置にある状態において、前記蓋部の裏面部のうち前記取り付け部が配置される側となる下端側の領域に配置され、前記蓋部の裏面部から前記装置本体の上面部に向かって落下する液滴を受ける液滴受け部を有し、前記液滴受け部で受けた前記液滴を前記液滴受け部よりも下端側となる案内位置に誘導する回収ガイドと、
前記蓋部の裏面部に設けられ、前記回収ガイドにより前記案内位置に誘導された前記液滴を前記洗浄槽に向かって案内する排水ガイドと、を備える、
洗浄消毒装置。
【請求項2】
前記装置本体は、前記洗浄槽の底面より高い一次受け部を有し、
前記一次受け部は、前記排水ガイドにより案内された前記液滴を前記洗浄槽に案内する案内面を有する、
請求項1に記載の洗浄消毒装置。
【請求項3】
前記案内面は、前記開口部の開口面に対して、前記洗浄槽側に10°以上傾いている、
請求項2に記載の洗浄消毒装置。
【請求項4】
前記案内面は、前記蓋部が前記閉じ位置にある場合に、前記蓋部に隠れる位置に設けられる、
請求項2又は3に記載の洗浄消毒装置。
【請求項5】
前記蓋部は、前記開き位置にある場合に、前記開口部の開口面に対して、開き角度が70°以上80°以下である、
請求項1から4のいずれか1項に記載の洗浄消毒装置。
【請求項6】
前記回収ガイドは、前記液滴受け部で受けた前記液滴を前記案内位置に向かって誘導する傾斜面を有する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の洗浄消毒装置。
【請求項7】
前記蓋部は、前記洗浄槽の内外で気体を流通させる通気路と、前記通気路を通過する気体から臭気を消臭する消臭フィルタと、を備えるフィルタ装着部を有し、
前記フィルタ装着部は、前記蓋部の裏面部から垂直方向に突出したフィルタ装着壁部を有し、
前記フィルタ装着壁部は、前記蓋部が開き位置にある場合、前記取り付け部と反対側の面が、前記液滴を前記回収ガイドに案内する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の洗浄消毒装置。
【請求項8】
前記排水ガイドは、前記液滴の案内方向に対して両側に、一対のガイド部を有する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の洗浄消毒装置。
【請求項9】
前記一対のガイド部の間隔は、前記洗浄槽の幅より狭い、
請求項8に記載の洗浄消毒装置。
【請求項10】
前記蓋部の裏面部の外周部には、前記洗浄槽の前記開口部を密閉するパッキンを有し、 前記回収ガイドは前記パッキンと一体的に設けられる、
請求項1から9のいずれか1項に記載の洗浄消毒装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄消毒装置に係り、特に内視鏡等の医療器具を洗浄消毒する洗浄消毒装置に関する。
【背景技術】
【0002】
使用済みの内視鏡を洗浄及び消毒する洗浄消毒装置が知られている。洗浄消毒装置の洗浄槽には、内視鏡が、その挿入部を巻き回した状態で収容され、供給された洗浄水や消毒液が貯留される。洗浄槽の上部開口部は、洗浄槽外に洗浄水や消毒液が飛散するのを防止するために、蓋で覆われるようになっており、蓋はヒンジを介して装置本体に開閉自在に取り付けられている。
【0003】
洗浄処理中は、洗浄槽内において、洗浄液及び水の噴射が行われ、それに伴う水流も生じるので、蓋の裏面部には、水、洗浄液及び消毒液の液滴が付着する。そして、洗浄処理後に蓋を開くと、蓋の裏面部に付着した液滴が、洗浄消毒装置の上面部に落下し、濡れたり、液滴が乾燥したりして、上面部に汚れが残ることがあった。
【0004】
例えば、下記の特許文献1には、医療器具を収容する洗浄槽と、洗浄槽の開口部を開閉するトップカバーと、を有し、トップカバーを電動アクチュエータにより開閉する洗浄消毒装置が記載されている。トップカバーのカバー本体の下面には、横リブが配置されている。この横リブは、その両端部が、中央に向かうに従って後方に後退するように傾斜している。これにより、トップカバーが開いて、その前端を上方に向けて起き上がったときに、カバー本体の下面を伝って前方から後方に流れ落ちる液滴をカバー本体の幅方向中央に流して、洗浄槽内に向かって液滴が落下するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された横リブは、洗浄槽の開口に沿わせたリブ形状であるため、液滴をガイドするのに十分な傾斜は取れていなかった。また、トップカバーの開角度が前傾であるため、横リブに伝った液滴は、トップカバーの中央に案内される前に、トップカバーから落下することがある。トップカバーが開いた状態においては、トップカバーは、洗浄消毒装置の上面部の後方側に位置するため、横リブから落下した液滴は、洗浄槽ではなく、洗浄消毒装置の上面部に落下する場合がある。そのため、洗浄消毒装置の上面部が汚れることが懸念される。また、上面部に落下した液滴は、上面部から側面部に伝わり、側面部も汚れることが懸念される。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、洗浄消毒装置の蓋部の裏面部に付着した液滴によって洗浄消毒装置の外観が汚れることを防止し、日ごろの手入れを容易に行うことができる洗浄消毒装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的を達成するために、本発明に係る洗浄消毒装置は、医療器具を収容する洗浄槽と、洗浄槽内に収容された医療器具の洗浄及び消毒を行う装置本体と、閉じ位置で洗浄槽の開口部を密閉し、開き位置で開口部を開放する蓋部であって、基端側に装置本体に取り付けられる取り付け部を有し、取り付け部を支点とし、閉じ位置と開き位置とで回動可能に設けられた蓋部と、を備え、蓋部が閉じ位置にある場合に洗浄槽に対向する蓋部の裏面部に設けられた回収ガイドであって、蓋部が開き位置にある状態において、蓋部の裏面部のうち取り付け部が配置される側となる下端側の領域に配置され、蓋部の裏面部から装置本体の上面部に向かって落下する液滴を受ける液滴受け部を有し、液滴受け部で受けた液滴を液滴受け部よりも下端側となる案内位置に誘導する回収ガイドと、蓋部の裏面部に設けられ、回収ガイドにより案内位置に誘導された液滴を洗浄槽に向かって案内する排水ガイドと、を備える。
【0009】
本発明の一形態によれば、装置本体は、洗浄槽の底面より高い一次受け部を有し、一次受け部は、排水ガイドにより案内された液滴を洗浄槽に案内する案内面を有することが好ましい。
【0010】
本発明の一形態によれば、案内面は、開口部の開口面に対して、洗浄槽側に10°以上傾いていることが好ましい。
【0011】
本発明の一形態によれば、案内面は、蓋部が閉じ位置にある場合に、蓋部に隠れる位置に設けられることが好ましい。
【0012】
本発明の一形態によれば、蓋部は、開き位置にある場合に、開口部の開口面に対して、開き角度が70°以上80°以下であることが好ましい。
【0013】
本発明の一形態によれば、回収ガイドは、液滴受け部で受けた液滴を案内位置に向かって誘導する傾斜面を有することが好ましい。
【0014】
本発明の一形態によれば、蓋部は、洗浄槽の内外で気体を流通させる通気路と、通気路を通過する気体から臭気を消臭する消臭フィルタと、を備えるフィルタ装着部を有し、フィルタ装着部は、蓋部の裏面部から垂直方向に突出したフィルタ装着壁部を有し、フィルタ装着壁部は、蓋部が開き位置にある場合、取り付け部と反対側の面が、液滴を回収ガイドに案内することが好ましい。
【0015】
本発明の一形態によれば、排水ガイドは、液滴の案内方向に対して両側に、一対のガイド部を有することが好ましい。
【0016】
本発明の一形態によれば、一対のガイド部の間隔は、洗浄槽の幅より狭いことが好ましい。
【0017】
本発明の一形態によれば、蓋部の裏面部の外周部には、洗浄槽の開口部を密閉するパッキンを有し、回収ガイドはパッキンと一体的に設けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、洗浄消毒装置の蓋部の裏面部に付着した液滴によって洗浄消毒装置の外観が汚れることを防止し、日ごろの手入れを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】蓋部が開き位置にある状態の洗浄消毒装置の上面部の図である。
【
図3】蓋部が開き位置にある状態の洗浄消毒装置の正面図である。
【
図4】蓋部が開き位置にある状態の洗浄消毒装置の側面図である。
【
図6】回収ガイドの断面を含む蓋部の要部概略断面図である。
【
図7】排水ガイドの断面を含む取り付け部付近の概略断面図である。
【
図8】蓋部の裏面部に付着した液滴を洗浄槽に戻す経路を説明する図である。
【
図9】別の実施形態の洗浄消毒装置の蓋部の液滴を洗浄槽に戻す経路を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面にしたがって本発明に係る洗浄消毒装置について説明する。
【0021】
図1は、洗浄消毒装置の外観図である。
図2は、蓋部が開き位置にある状態の洗浄消毒装置の上面部の図である。
図3は、蓋部が開き位置にある状態の洗浄消毒装置の正面図である。
図4は、蓋部が開き位置にある状態の洗浄消毒装置の側面図である。
【0022】
図1及び
図2に示すように、洗浄消毒装置10は、箱状の装置本体11を備えている。装置本体11の上部には、使用後の医療器具を収容し、洗浄液や消毒液が供給される洗浄槽13が設けられている。医療器具としては、例えば、内視鏡を挙げることができる。洗浄槽13は、上部が開放された水槽であり、例えば樹脂やステンレス等の耐薬品性に優れた材料で形成されている。装置本体11には、洗浄槽13の開口部13aを覆う蓋部16が設けられている。
【0023】
装置本体11は、シャーシ(不図示)を有しており、シャーシには、洗浄槽13及び蓋部16の他、洗浄消毒処理を行う洗浄消毒機構(不図示)が設けられている。洗浄消毒機構は、洗浄液及び消毒液を洗浄槽13に供給するための配管、ポンプ電磁弁、さらに、消毒液を貯留するタンク等からなる。シャーシの外周は、前面パネル17、側面パネル18及び上部パネル19からなる外装部材によって覆われており、それぞれが、洗浄消毒装置10の前面部、側面部、及び、上面部を構成する。
【0024】
洗浄槽13は、前方部分(前面パネル17側の部分)の底面には、内視鏡が載置される略円形のネット21が配置されている。ネット21は、内視鏡と底面との間に液体が流れ込む隙間を作り、洗浄槽13に供給される液体が、内視鏡の外表面に接触する面積を増加させる。
【0025】
ネット21の中央には、内視鏡から取り外された、送気送水ボタン及び吸引ボタンなどの小物部品を収容する小物洗浄かご22が配置されている。小物洗浄かご22の近傍には、噴射ノズル23が配置されている。噴射ノズル23は、上方に位置する蓋部16に向けて水を噴射する。温度センサ24は、洗浄槽13内に貯えられた液体の温度を測定する。
【0026】
内視鏡は、被検体内に挿入される挿入部及びユニバーサルコードが巻き回された状態で、小物洗浄かご22の周囲を取り囲むようにして、ネット21上に載置される。ユニバーサルコードの一端には、プロセッサや光源装置に接続するためのコネクタが設けられている。内視鏡を洗浄槽13に収容する際には、コネクタには、防水キャップが取り付けられる。
【0027】
洗浄槽13の後方部分(取り付け部43側の部分)には、底面に、廃液口26が設けられており、側面には、液面センサ27が設けられている。廃液口26は、洗浄槽13から使用済みの水、洗浄液及び消毒液を排出する。液面センサ27は、例えば、電極式レベルセンサであり、洗浄槽13内に貯えられた液体の液面位置を検出する。
【0028】
洗浄槽13の後方部分には、洗浄槽13の底面よりも一段高いテラス部13b、13cが設けられている。各テラス部13b、13cは、洗浄槽13の後方部分の2つの角にそれぞれ設けられており、上方から見ると、略三角形状をしている。一方のテラス部13bには、気密試験ポート28が設けられている。気密試験ポート28は、内視鏡の挿入部及びユニバーサルコードの外皮と内蔵物の隙間に圧縮エアを送り込み、外皮に液体が進入する小さな孔や亀裂が生じていないかを試験するためのポートである。気密試験ポート28は、図示しないチューブを介して、ユニバーサルコードのコネクタに設けられた気密試験用の口金と接続される。
【0029】
また、テラス部13bには、内視鏡の洗浄及び消毒に用いる液体を洗浄槽13内に供給する供給ポートが設けられている。供給ポートには、洗浄槽13内に向けて屈曲された洗浄液供給ノズル29a及び消毒液供給ノズル29bが設けられている。これらのノズル29a、29bは、洗浄槽13内に貯えられる液体の液面よりも高い位置に配置されている。
【0030】
洗浄液供給ノズル29aは、洗剤タンク及び水道栓に、切り替えバルブを備える管路を介して接続されている。洗浄液供給ノズル29aは、切り替えバルブの切り替え動作によって、洗剤タンク及び水道栓の一方と選択的に連通し、洗浄槽13内に水又は洗剤を供給する。使用後の内視鏡に付着している体液や汚物は、水と洗剤とが混合された洗浄液により洗い流される。消毒液供給ノズル29bは、消毒液タンク内に貯えられている消毒液を洗浄槽13内に供給する。病原菌やウイルスは、消毒液により殺滅、不活化される。
【0031】
テラス部13cには、内視鏡の送気送水チャンネル、吸引チャンネル及び鉗子チャンネル内の洗浄及び消毒に用いられるチャンネル洗浄ポート32が設けられている。チャンネル洗浄ポート32には、送気送水チャンネル用カプラ及び吸引チャンネル用カプラが設けられている。各カプラは、図示しない接続チューブを介して、内視鏡に設けられた送気送水ボタン及び吸引ボタンのそれぞれの装着口と接続される。チャンネル洗浄ポート32は、水、洗浄液、消毒液、アルコール、及び圧縮エア等の液体及び気体を、送気送水チャンネル、鉗子チャンネル及び吸引チャンネル内に供給する。
【0032】
装置本体11の前面パネル17は、側端部がヒンジを介してシャーシに取り付けられており、開閉自在となっている。前面パネル17内には、図示しない収納トレイが設けられている。収納トレイには、洗剤タンク及びアルコールタンクが収納されている。洗剤タンクには、内視鏡の洗浄に使用される洗剤が貯えられている。アルコールタンクには、内視鏡の洗浄及び消毒後に、鉗子チャンネル等の各チャンネル内に流されるアルコールが貯えられている。前面パネル17には、各タンク内の液体の残量視認用の透明窓33が取り付けられている。
【0033】
また、収納トレイには、消毒液(例えば、過酢酸、グルタールアルデヒド(GA:glutaraldehyde)、オルトフタルアルデヒド(OPA:ortho-phthalaldehyde)など)の濃縮液を貯えた供給ボトルが交換可能に収納される。供給ボトルは、シャーシに備え付けられた消毒液タンクに接続され、濃縮液を消毒液タンク内に供給する。濃縮液は、消毒液タンク内において水によって希釈されて使用される。
【0034】
符号34は、洗浄履歴情報が印字されたプリントを排出する排紙口である。洗浄履歴情報は、例えば、洗浄を実施した日時、洗浄担当者名及び洗浄した内視鏡のIDなどの情報である。洗浄履歴情報が印字されたプリントは、内視鏡の洗浄消毒結果の確認及び管理等に用いられる。
【0035】
上部パネル19の前端部には、操作部36が設けられている。操作部36には、各種の操作指示を入力するための操作ボタン37、各種表示を行うディスプレイ38、及び、ディスプレイ38に表示される操作画面を操作するための操作キー39が設けられている。操作ボタン37は、例えば、洗浄又は消毒の開始を指示するスタートボタン、緊急停止を指示するためのストップボタンを含む。ディスプレイ38は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)であり、洗浄消毒処理のメニューを選択する選択画面及び各種設定を行うための設定画面を含む操作画面を表示する他、洗浄消毒処理の進捗状況、残り時間、及び、トラブル発生時の警告メッセージ等を表示する。
【0036】
上部パネル19は、洗浄槽13の開口部13aを露出する開口19aが形成された枠形状をしている。洗浄槽13の開口部13aの上端には、洗浄槽13の垂直に立ち上がる側面と直交し、水平方向に延設された周縁部13dが形成されている。周縁部13dと上部パネル19は、両者の境界から気体や液体が漏れる隙間が生じないように接合されている。上部パネル19の開口19aの内縁には、液体が重力の作用によって洗浄槽13に向かって流れるように、洗浄槽13の開口部13aに向かって傾斜した斜面19bが形成されている。
【0037】
蓋部16は、例えば、プラスチックで形成された略矩形状の板状体で形成された蓋部本体41と、蓋部本体41の洗浄槽13と対面する裏面部の外周部に取り付けられたパッキン42とからなる。蓋部16は、基端側に取り付け部43を有し、装置本体11に取り付けられている。蓋部16は、取り付け部43を支点として、洗浄槽13の開口部13aを覆って閉じる閉じ位置と、開口部13aを開放して露出させる開き位置と、の間を回動可能に設けられている。取り付け部43は、装置本体11に設けられた回動軸82(
図7参照)を中心に回動する。
【0038】
蓋部16は、モータ(不図示)によって電動で開閉される。開閉の操作指示は、フットスイッチ44の踏み込み操作によって入力される。フットスイッチ44は、前面パネル17の下方に配置されており、ペダル形状をしている。蓋部16が閉じているときにフットスイッチ44を踏み込むと蓋部16が開き、開いているときに踏み込むと閉じる。蓋部16の閉じ位置は、蓋部16が水平方向とほぼ一致する位置である。また、蓋部16の開き位置は、フットスイッチ44により、蓋部16が開いた状態であり、
図4に示すように、開口部13aの開口面に対して蓋部16の開き角度αが70°以上80°以下の位置である。すなわち、蓋部16の閉じ位置を基準として、蓋部16の開き角度が70°以上80°以下で開いた状態である。開き位置における蓋部16の開き角度を70°以上80°以下とすることで、蓋部16に付着した液滴の拭き取りを容易に行うことができる。また、後述するネット46の手入れを容易に行うことができる。
【0039】
蓋部16の表面は、清掃がしやすいように、細かな凹凸の無い緩やかな曲面で構成されている。蓋部16の裏面には、前方部分にネット46が設けられている。ネット46は、蓋部16が閉じたときに、洗浄槽13の底面に配置されたネット21と対向する位置に配置されている。ネット46は、洗浄槽13に収容された内視鏡を上方から押さえつけて、内視鏡を液面下に沈める。
【0040】
蓋部本体41は、洗浄槽13内の様子を外部から視認できるように、例えば、透明又は半透明のプラスチック材料で形成される。パッキン42は、ゴムなどの弾性材料で形成されており、洗浄槽13の開口部13aを気密及び水密に密閉する。パッキン42は、洗浄槽13の周縁部13d及び上部パネル19の開口19aの内側面と圧接して、洗浄槽13に供給された液体が外部に飛散すること、さらに、消毒液の臭気が外部に漏れることを防止する。
【0041】
図3に示すように、蓋部16の基端部分には、消臭フィルタ49(
図7参照)が交換可能に装着されるフィルタ装着部51を有し、蓋部16の裏面部に突出して設けられている。フィルタ装着部51は、蓋部16の裏面から垂直方向に突出したフィルタ装着壁部51bと、フィルタ装着壁部51bと連設し、消臭フィルタ49の下面を覆うフィルタ装着底部51cが設けられている。フィルタ装着底部51cにより、洗浄槽13内の液体が消臭フィルタ49に飛散しないようにしている。フィルタ装着底部51cには、スリット51aが形成されている。消臭フィルタ49は、上方からスリット51aを覆うようにフィルタ装着部51に装着される。
【0042】
また、フィルタ装着部51の蓋部16の表面には、消臭フィルタ49を覆うフィルタカバー52が開閉自在に設けられている。フィルタカバー52には、スリット52a(
図1参照)が形成されている。フィルタ装着部51のスリット51a及びフィルタカバー52のスリット52aにより、洗浄槽13の内部と外部を連通し、洗浄槽13の内外で気体を流通する通気路が形成される。消臭フィルタ49はこの通気路の途中に配置される。消臭フィルタ49は、通気路を通過し、洗浄槽13内から外部に排出される気体の臭気を消臭する。消臭フィルタ49は、例えば、スポンジ状の多孔質材料に、活性炭などの消臭剤を担持させたものであり、通気抵抗が大きいものが用いられる。
【0043】
洗浄槽13の開口部13aは、パッキン42によって密閉される。このため、蓋部16が閉じられている状態において、洗浄槽13の液体が廃液口26から排出されるときには、通気路を通じて、外部から洗浄槽13内に外気を取り入れることができる。また、蓋部16が閉じ位置から開き位置への回動を開始する回動初期においては、パッキン42によって開口部13aが密閉されているので、その状態で蓋部16が開き方向に回動すると、洗浄槽13内が負圧になる。パッキン42による開口部13aの密閉が解除されるまでの間、通気路を通じて外部から洗浄槽13に外気が取り入れられる。これにより、洗浄槽13の内外の気圧差が解消されて、蓋部16が開き方向に回動することができる。
【0044】
図3に示すように、蓋部16の蓋部本体41の裏面には、その前方部分の両脇に、突き当て部54が形成されている。突き当て部54は、蓋部16が閉じたときに、洗浄槽13の周縁部13dと当接して、蓋部16の閉じ位置を規定する。突き当て部54は、パッキン42が周縁部13dと当接するように、その高さが決められている。
【0045】
ところで、本実施形態の洗浄消毒装置10は、蓋部16の裏面部に付着した液滴によって洗浄消毒装置10の外観(主として洗浄消毒装置10の上面部)が汚れることを防止するために、後述する回収ガイド60、排水ガイド70、及び一次受け部78を備えている。以下、各部の構成について説明する。
【0046】
図5は、蓋部16の裏面部の基端側の拡大図である。
図6は、回収ガイドの断面を含む蓋部の要部概略断面図である。
図7は、排水ガイドの断面を含む取り付け部付近の概略断面図である。
図8は、蓋部16の裏面部に付着した液滴が裏面部を伝って洗浄槽に戻される経路を説明する図である。
【0047】
図5に示すように、蓋部16の裏面部には、回収ガイド60が設けられる。回収ガイド60は、蓋部16の裏面部のうち、取り付け部43が配置される蓋部16の基端側の領域において蓋部16の幅方向(蓋部を回動させる回動軸82(
図7参照)の軸方向に平行な方向)の両側から中央部にかけて配置される。すなわち、回収ガイド60は、蓋部16が開き位置にある状態において、蓋部16の裏面部の下端側の領域における蓋部16の隅部付近から下側の縁部に沿って配置される(
図3及び
図5参照)。この回収ガイド60は、蓋部16の裏面部に配置されるパッキン42と一体的に設けられており、蓋部16の裏面部の下端側の外周縁に沿った方向に延在するように形成されている。
【0048】
回収ガイド60は、蓋部16の裏面部を伝って移動した液滴を回収し、回収ガイド60よりも下方位置である案内位置66に設けられた排水ガイド70に向かって誘導する。回収ガイド60は、蓋部16が開き位置にある状態において、蓋部16の裏面部から下方(装置本体11の上部面が配置される側)に向かって落下する液滴を受ける液滴受け部64を有する。液滴受け部64の断面形状(回収ガイド60の長手方向(延在方向)に直交する断面形状)は、
図6に示すように、U字状の溝形状となっている。すなわち、液滴受け部64は、上方に向かって開口する溝形状(「樋形状」ともいう。)を有しており、回収ガイド60の長手方向に沿って延在している。なお、液滴受け部64を構成する溝形状は、U字状に限らず、半円形状、V字状、矩形状等の種々の断面形状を取り得る。
【0049】
液滴受け部64の形状(溝深さ又は溝幅等)は、蓋部16が開き位置にある場合に蓋部16の裏面部から下方に向かって液滴を受けることができるものであれば特に限定されないが、液滴受け部64で受けた液滴が液滴受け部64から溢れることなく案内位置66に導くことが可能な程度にその形状が定められていればよい。
【0050】
回収ガイド60は、液滴受け部64で受けた液滴を案内位置66に向かって誘導する傾斜面68を備えている。この傾斜面68は液滴受け部64の底面部に相当する。すなわち、蓋部16が開き位置にある状態において、液滴受け部64の底面部は下方側に位置する案内位置66に向かって傾斜した傾斜面68により構成されている。これにより、液滴受け部64で受けた液滴は、傾斜面68(液滴受け部64の底面部)に沿って案内位置66に誘導される。
【0051】
このような液滴受け部64を有する回収ガイド60によれば、蓋部16が開き位置にある状態、すなわち、蓋部16が開口面に対して前傾しており、開き角度αが70°以上80°以下の角度で位置する場合であっても、蓋部16の裏面部から下方に向かって落下する液滴を、液滴受け部64で受け止めることができ、後述する排水ガイド70に向かって誘導することが可能となる。
【0052】
排水ガイド70は、蓋部16が開き位置にある状態において回収ガイド60の最下端の位置となる案内位置66に接続される。具体的には、この案内位置66において回収ガイド60の一部が切り欠かれた切り欠き部72が形成されており、この切り欠き部72が形成された位置に排水ガイド70が連設されている。なお、本実施形態では、蓋部16の幅方向(蓋部を回動させる回動軸82(
図7参照)の軸方向に平行な方向)の中央部に排水ガイド70を設けた構成を一例として示したが、この構成に限定されず、蓋部16の幅方向の任意の位置に排水ガイド70を設けてもよい。この場合、排水ガイド70が設けられる位置が案内位置66となり、その案内位置66に上記切り欠き部72が形成されて排水ガイド70が連設される。
【0053】
排水ガイド70は、回収ガイド60によって案内位置66に誘導された液滴を洗浄槽13に向かって案内する。本実施形態では、装置本体11は洗浄槽13の底面よりも高い位置に設けられた一次受け部78を有しており、回収ガイド60によって誘導される上記液滴は、洗浄槽13に直接的に案内されるのではなく、一次受け部78を介して洗浄槽13に間接的に案内されるように構成されている。
【0054】
排水ガイド70は、案内位置66に形成された回収ガイド60の切り欠き部72から下方に向かって傾斜した排水面74を有する。排水面74の先端側(切り欠き部72が設けられる側とは反対側)の下方位置には、上述した一次受け部78が配置される。
【0055】
また、排水ガイド70は、排水面74の両側部(蓋部16の幅方向の両側の端部)から上方に折り曲げて形成された一対のガイド部76を有する。すなわち、一対のガイド部76は、排水面74を挟んで互いに対向する位置に配置されている。
【0056】
このように排水ガイド70は、排水面74と一対のガイド部76とを備えており、これらにより、回収ガイド60により案内位置66に誘導された液滴を洗浄槽13に向かって案内する(本実施形態では一次受け部78に案内する)排水路を構成する。すなわち、排水ガイド70は、平坦な傾斜面からなる排水面74だけでなく、その両側に排水路の側面部を構成する一対のガイド部76を備えているので、回収ガイド60で回収された液滴が、排水ガイド70の両側部から飛散することを防止することが可能となり、液滴が洗浄消毒装置10の上面部に落下することを効果的に防止する。
【0057】
排水ガイド70により構成される排水路の先端側(液滴排出側)の幅は、基端側(液滴流入側;切り欠き部72側)の幅よりも狭い幅に構成される。すなわち、排水面74は、上記基端側から上記先端側に向けて徐々に幅が小さくなるように形成されており、一対のガイド部76は排水面74の形状に合わせて傾斜して設けられている。換言すれば、一対のガイド部76は、案内位置66から一次受け部78側に向かって、一対のガイド部76の幅が狭まるように設けられる。これにより、回収ガイド60により案内位置66に案内された液滴を、洗浄消毒装置10の上面部に飛散させることなく、排水ガイド70により一次受け部78に確実且つ効率的に案内することができる。
【0058】
一次受け部78は、装置本体11における洗浄槽13よりも後方部分(取り付け部43側の部分)において、排水ガイド70の直下に配置され、且つ、洗浄槽13の底面より高い位置に設けられる(
図2及び
図7参照)。この一次受け部78は、排水ガイド70により案内されて排水ガイド70の先端側から排出された液滴を一旦受けてから洗浄槽13に案内する案内面80を有する。この案内面80は、装置本体11の後方側から洗浄槽13側に向かって低くなるように傾斜して設けられている。なお、本実施形態における案内面80は、洗浄槽13の開口部13aの開口面に対して、洗浄槽13側に角度βが10°以上傾いて設けられており、上記液滴をより効率的に洗浄槽13に導きやすくできるように構成されている。これにより、一次受け部78で受けた液滴が洗浄槽13に向かって自然に流れやすくなるので、一次受け部78に液滴を残りにくくすることができる。
【0059】
なお、本実施形態では、一次受け部78が上記案内面80を有する構成を示したが、排水ガイド70の先端側から排出された液滴を一旦受けてから洗浄槽13に案内することができるものであればよく、例えば、排水ガイド70の先端側から排出された液滴を一旦貯留して洗浄槽13に流す容器状のバッファ槽であってもよい。
【0060】
上記の如く構成される一次受け部78は、蓋部16が閉じ位置にある状態において、蓋部16に隠れる位置に配置される。一次受け部78を蓋部16から隠れる位置に設けることで、仮に一次受け部78が汚れたとしても、蓋部16を閉じることで、洗浄消毒装置10の外観が汚れることを防止することができる。また、液滴が洗浄消毒装置10の側面に流れることを防止でき、側面を汚すことを防止することができる。
【0061】
さらに、排水ガイド70からの液滴を一次受け部78で受けた後、洗浄槽13に案内することで、内視鏡の漏水検知運転の確認を容易に行うことができる。漏水検知運転は、洗浄消毒装置10の洗浄槽13を用いて、蓋部16を開けた状態で、貯水状態の洗浄槽13に浸かった内視鏡に内圧を加えることにより、内視鏡から気泡の発生がないか確認する試験である。具体的には、まず、洗浄槽13に内視鏡をセットし、蓋部16を閉じた状態で洗浄槽13内の貯水を行う。この洗浄槽13を貯水する際に、蓋部16の内側に液滴が付着する。洗浄槽13内を貯水した後、蓋部16を開き、蓋部16を開けた状態で内視鏡に内圧を加え、漏水検知運転を行う。漏水検知運転を行っている際に、蓋部16に付着した液滴が洗浄槽13内に落ちると、水面が揺れ、気泡の発生が確認しにくくなる。一次受け部78に液滴が落下するようにすることで、気泡の発生の確認を容易に行うことができる。
【0062】
次に
図8を用いて蓋部16の裏面部に付着した液滴が洗浄槽13へ戻る経路について説明する。矢印84は、液滴の移動経路を示す。内視鏡の洗浄処理中は、洗浄槽13内において、水、洗浄液及び消毒液の噴射が行われ、それに伴う水流も生じるので、蓋部16の裏面部には、水、洗浄液及び消毒液の液滴が付着する。洗浄処理後、蓋部16を開き位置に移動させる。
【0063】
蓋部16を開き位置に移動させることで、蓋部16の裏面部に付着した液滴は、蓋部16の裏面部を伝って、蓋部16の下端側、すなわち、開き位置において、取り付け部43の方向に移動する。
図8に示すように、フィルタ装着部51を有する場合は、フィルタ装着壁部51bに伝わった液滴の一部は、そのまま、フィルタ装着底部51cを伝って下端側に移動し、回収ガイド60に回収される。また、フィルタ装着壁部51bに伝わった液滴の他の一部は、フィルタ装着壁部51bを伝って、蓋部16の幅方向に移動する。幅方向に移動した液滴は、フィルタ装着壁部51bを伝って、回収ガイド60に回収される。または、パッキン42に案内されて、パッキン42を伝って回収ガイド60に回収される。
【0064】
回収ガイド60で回収された液滴は、回収ガイド60に設けられた液滴受け部64で受け止められる。そして、液滴は、液滴受け部64を伝って案内位置66に移動する。液滴受け部64は、溝形状で構成されているため、蓋部16が開き位置にある状態において、回収ガイド60から液滴が溢れることを防止することができる。
【0065】
案内位置66に誘導された液滴は排水ガイド70に流れ込み、排水ガイド70の先端側から洗浄消毒装置10の上面部に設けられた一次受け部78に排出される。一次受け部78は、開口部13aの開口面に対して傾斜した案内面80を有するので、一次受け部78に落下した液滴は洗浄槽13に流れ込む。
【0066】
このように、本実施形態の洗浄消毒装置10によれば、蓋部16の裏面部に回収ガイド60及び排水ガイド70を備えたので、蓋部16の裏面部に付着した液滴を回収ガイド60及び排水ガイド70により一次受け部78を介して洗浄槽13に案内することができ、洗浄消毒装置10の上面部に液滴が落ちることを防止することができる。したがって、洗浄消毒装置10の蓋部16の裏面部に付着した液滴によって洗浄消毒装置10の外観が汚れることを防止することができ、日ごろの手入れを容易に行うことが可能となる。
【0067】
なお、本実施形態では、好ましい態様の一つとして、排水ガイド70に案内された液滴を一次受け部78に案内する態様を示したが、本発明はこれに限定されず、排水ガイド70に案内された液滴を直接洗浄槽13に案内することで、洗浄槽13に戻してもよい。排水ガイド70から直接、洗浄槽13に戻すことで、液滴が洗浄消毒装置10の上面部に落下することがないため、洗浄消毒装置10の上面部が蓋部16の裏面部に付着した液滴によって汚れることを防止することができる。
【0068】
<別の実施形態>
図9は、別の実施形態の洗浄消毒装置の蓋部の液滴を洗浄槽に戻す経路を説明する図である。
【0069】
図9に示す洗浄消毒装置110は、消臭フィルタを配置する消臭フィルタ装着部を有さない点で、上記の実施形態と異なっている。消臭フィルタ装着部を有さない場合は、蓋部116の裏面部は、略平坦に形成されている。したがって、
図9に示すように、蓋部116の幅方向の側部に付着した液滴は、蓋部116の裏面部を伝って、回収ガイド60に案内され、上記実施形態と同様に、案内位置66に誘導される。
図9に示す洗浄消毒装置110においても、回収ガイド60は液滴受け部64を有するため、回収ガイド60から落下することなく、案内位置66に液滴を誘導することができる。また、蓋部116の幅方向の中央部に付着した液滴は、蓋部116の裏面部を伝って、案内位置66に誘導される。
【0070】
案内位置66に誘導された液滴は、排水ガイド70に誘導され、上記の実施形態と同様に、排水ガイド70から一次受け部78に誘導され、洗浄槽13に液滴が戻される。
【0071】
このように、別の実施形態においても、蓋部116に付着した液滴が洗浄消毒装置110の上面部に落下することなく、洗浄槽13に戻すことができるので、洗浄消毒装置110の上面部が蓋部16の裏面部に付着した液滴によって汚れることを防止することができる。
【符号の説明】
【0072】
10 洗浄消毒装置
11 装置本体
13 洗浄槽
13a 開口部
13b テラス部
13c テラス部
13d 周縁部
16 蓋部
17 前面パネル
18 側面パネル
19 上部パネル
19a 開口
19b 斜面
21 ネット
22 小物洗浄かご
23 噴射ノズル
24 温度センサ
26 廃液口
27 液面センサ
28 気密試験ポート
29a 洗浄液供給ノズル
29b 消毒液供給ノズル
32 チャンネル洗浄ポート
33 透明窓
34 排出口
36 操作部
37 操作ボタン
38 ディスプレイ
39 操作キー
41 蓋部本体
42 パッキン
43 取り付け部
44 フットスイッチ
46 ネット
49 消臭フィルタ
51 フィルタ装着部
51a スリット
51b フィルタ装着壁部
51c フィルタ装着底部
52 フィルタカバー
52a スリット
54 突き当て部
60 回収ガイド
64 液滴受け部
66 案内位置
68 傾斜面
70 排水ガイド
72 切り欠き部
74 排水面
76 ガイド部
78 一次受け部
80 案内面
82 回動軸
84 矢印
110 洗浄消毒装置
116 蓋部