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特開2022-129335全天球カメラを使った自撮りを含むパラグライダー飛行の撮影装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022129335
(43)【公開日】2022-09-05
(54)【発明の名称】全天球カメラを使った自撮りを含むパラグライダー飛行の撮影装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/56 20210101AFI20220829BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20220829BHJP
   G03B 37/00 20210101ALI20220829BHJP
【FI】
G03B17/56 D
G03B17/56 A
G03B15/00 D
G03B15/00 W
G03B37/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021068678
(22)【出願日】2021-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】521158299
【氏名又は名称】寶田 善文
(72)【発明者】
【氏名】寶田 善文
【テーマコード(参考)】
2H059
2H105
【Fターム(参考)】
2H059BA15
2H059CA02
2H105AA02
2H105AA06
2H105AA07
2H105AA25
2H105AA28
2H105BB02
2H105BB06
2H105BB07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】離陸、上空飛行、着陸の一連のパラグライダーの飛行において、操縦装置であるブレークコードから手を離すことなく自撮りを含めた全方位の撮影をすることのできる安全な撮影装置を提供する。
【解決手段】全天球カメラを自撮り棒の先端に取り付けます。自撮り棒の先端にはカメラ控え紐が2本取り付けられています。その2本のカメラ控え紐の他端にはそれぞれカラビナ小が取り付けられています。そのカナビラ小はパラグライダーパイロットが乗るハーネスの腰の辺りの左右両端の取付け具に取り付けられます。自撮り棒は引き延ばせるように二段で出来ています。
自撮り棒の他端はピボット付き回転台座にピボットを中心に回転できるようにピン留めします。そのピボット付回転台座は自撮り棒取付け板に回転できるようにピン留めします。
【選択図】図-5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自撮り棒の先端に全天球カメラを取り付けます。そのすぐ近くの自撮り棒の先端にカメラ控え紐を2本取り付けます。カメラ控え紐の他端にはそれぞれカラビナ小が取り付けられています。そのカラビナ小はハーネスの腰部左右両端に取り付けられた取付け部に装着されます。自撮り棒の他端はピボット付き回転台座のピボットにピン留めされています。自撮り棒はピボットを軸として扇の様に動かすことが出来ます。自撮り棒は二段で引き延ばして使用するように出来ています。
【請求項2】
腹部に沿う部分と膝に沿う部分からなる折れ曲がった自撮り棒取付け板を作ります。膝に沿う部分は中央の部分が膝と膝の間に入り込むように一段低く段差が付けられています。膝の上に乗せたときに位置が定まり安定します。段差を付けたことにより自撮り棒をその段差の分だけ長くすることが出来ます。また自撮り棒取付け板の強度を上げることが出来ます。自撮り棒取付け板の両端上部にはそれぞれカラビナ中がベルトで取り付けられています。そのカラビナ中はハーネスの腰部左右両端に取り付けられた取付け部に装着されます。カラビナ小を取り付ける所よりは少し下にあります。
【請求項3】
自撮り棒はピボット付回転台座のピボットにピン留めされています。ピボット付回転台座は自撮り棒取付け板にピン留めされています。その両方の動きは自由には動きませんが、手で軽く押せば動かせる程度に調整して締め込まれています。パラグライダーの飛行、パイロットの操縦に、自撮り棒取付け板や自撮り棒や全天球カメラが上手く追従して動くようにしています。
【請求項4】
自撮り棒取付け板の膝に沿う部分の下側にシートボードフックが取り付けられています。機体立ち上げ時にはカラビナ中で腰から吊り下げられています。機体が立ち上げられて飛行に移るときには膝の上に乗りながらハーネスのシートボードに自撮り棒取付け板のシートボードフックが引っ掛かります。自撮り棒取付け板の自重で重力方向に下向きに押し付けられ、フックでシートボードの前に引っ掛かり、左右は両膝に挟まれて、上下、前後、左右の位置が決定されます。しかりと固定されているというのではありません。
【請求項5】
カラビナ中で吊り下げられていた自撮り棒取付け板はパラグライダーが安定飛行に移ったとき、まず自撮り棒取付け板のシートボードフックがハーネスのシートボードに引っ掛かり3点が安定して、柔軟な面を形成します。その安定した柔軟な面上にはピボット付き回転台座が取り付けられていて、そのピボットには自撮り棒が取り付けられています。自撮り棒の先端にはカメラ控え紐が2本取り付けられていてその他端にはカラビナ小がハーネスの取付け部に取り付けられています。カメラ控え紐が取り付けられた自撮り棒の先端とハーネスの取付け部に取り付けられたカラビナ小とで、3点が安定した柔軟な面が形成されます。その2面をピボット付き回転台座に取り付けられた自撮り棒が柔軟につないでいます。それに依って飛行に合わせて柔軟に動いて追従するカメラ支持台が形成されます。結果として、自撮り棒の先端に取り付けられた全天球カメラでの自撮りを含む全方位での撮影が上手く行えます。
【請求項6】
この撮影装置はカラビナ小、中をハーネスに装着していれば、カメラを収納した状態でも、自撮り棒を伸ばしてカメラを出した撮影状態でも離陸、上空飛行、着陸が可能です。カメラを収納した状態で離陸しましたが、飛行中に撮影したくなったので上空で自撮り棒を出し、伸ばしてカメラの電源を入れて撮影を始めることもできます。その反対の、撮影状態で離陸したが、何らかの事情で撮影をやめてカメラを収納して飛行し着陸という事にも対応できます。ただし、その場合はブレークコードから手を離して各々の操作をする必要がありますので十分飛行環境に注意する必要が有ります。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
近年ビデオカメラが進歩し全天球カメラとか360度カメラという全方位が撮影できるカメラが手ごろな価格で手に入るようになって来ました。従来の広角カメラでは、パラグライダーで飛行している姿を自撮りするとパイロット本人の全姿だけをかろうじて撮影できる程度で、機体の上の端からパイロットの足先まで撮影することは不可能でした。しかし、全天球カメラを使用すると機体の上の端からパイロットの足先までだけでなく周りの景色も同時に撮影することが出来ます。自撮りだけでなく周りの景色も同時に撮影出来ているという事です。パラグライダーで飛行しながら自撮りをするという事はカメラをパイロットの前に固定して後ろに向けて写している事になります。しかしこのカメラは全方位を撮影することができるので、前後も左右も上下も同時に撮影出来ているということです。
通常自撮り[図―1]とは、自撮り棒の先にカメラを撮影者に向けて取り付け撮影しています。
広角カメラだと撮影用の自撮り棒が写ってしまいますが、全天球カメラはこの自撮り棒が映らないように撮影プログラムが設定されています。その為パラグライダーでの飛行を全天球カメラで撮影[図―2]すると機体とパイロットが空に浮かんで撮影できます。しかも前も左右も上下も同時に撮影出来ています。パイロットは飛行終了後に自分の気に入る映像を取り出し編集することが出来ます。
【発明が解決しようとする課題】
パラグライダーの飛行中に自撮りをします。パラグライダーは高台の離陸場で機体を立ち上げ両手でブレークコードを操作しながら前進し離陸します。離陸完了後、高度を確保して安定飛行に移ります。自撮り棒に取り付けられたカメラを取り出しスイッチをONにし自撮り棒を伸ばし自撮りをします。自撮りが終了したら自撮り棒を縮めカメラのスイッチをOFFにし収納します。この後、着陸場上空に飛行し高度処理をして着陸します。
パラグライダーを操縦するブレークコードから手を離している時間はカメラを取り出し撮影し収納するまでの間です。この間は片手もしくは両手をブレークコードから離した状態になっています。撮影中、ブレークコードから手を離している間に気流が荒れた場合などには慌ててブレークコードを握り直さなくてはならず、危険回避に遅れを取るかもしれません。
[図-3]は飛行中に従来の方法で全天球カメラを使用し撮影をしているところです。手でカメラを撮影する場所に保持しなくてはならず、片側のブレークコードは持てていません。
【解決手段】
離陸、上空の飛行、着陸においてブレークコードから手を離すことなく操縦をしながら自撮りを含めた全景の撮影が出来る装置を提案します。
[図-4]はこれから提案する撮影装置の使用例です。この撮影装置は飛行中に腹部と膝を利用して柔軟にしかも安定してカメラを適した撮影位置に維持することが出来ます。そして両方の手はブレークコードを持ち続けパラグライダーを操縦し続けることが出来ます。
[図-5]のように腹部から腰に沿うように、そして腰から膝に沿うように二つの面を有する自撮り棒取付け板(6)を製作します。板の両端の上部には、パイロットが装着して機体から吊り下げられるハーネスの取付け部に取り付けられるようカラビナ中(7)が短いベルトで取り付けられています。自撮り棒(2)の先端の全天球カメラ(1)が取付けられた場所のすぐ近くに取り付けられているカメラ控え紐(3)の他端に取り付けられたカラビナ小(4)はカメラを安定して保持するためにカラビナ中(7)が取り付けられた所より少し上のハーネスの所定の場所に取り付けられます。
[図-6]はその実施例の写真です。ハーネス側のカラビナの取り付け部は全天球カメラが飛行中に良好な場所に維持されるように取り付けられていなくてはなりません。カラビナ小(4)の控え紐の長さと、カラビナ中(7)の短いベルトの長さは同様の理由で定められなくてはなりません。
[図-7]はハーネスを装着したパイロットが自撮り装置をカラビナで装着したところです。自撮り装置はカラビナ中(7)、カラビナ小(4)がそれぞれ2個づつハーネスの腰上部辺りの左右両端で吊り下げられています。離陸時の操作、行動を妨げることはありません。自撮り棒は二段で出来ています。撮影をするためには二段目を引き出し延長し、2本のカメラ控え紐を張った状態にします。カラビナ大(15)に機体のライザーを繋げば離陸の準備完了になります。
[図―8]は撮影装置を自撮り可能なように展開した図です。自撮り棒は二段目まで引き延ばされています。カラビナはそれぞれ腰の辺りの定められた位置に繋がれます。シートボードフック(9)はハーネスのシートボード(14)に引っ掛かります。両手はブレークコードを離すことなく操作しながら離陸、飛行へと進んで行けます。
[図-9]は撮影装置を収納した図です。飛行中撮影している状態から撮影装置を収納できることを示しています。撮影装置を収納した状態から飛行中に撮影装置を展開して撮影を行い、そして行っていた撮影を中止して撮影装置を収納出来ます。撮影装置を出したまま離陸、上空飛行、着陸が出来ます。それとともに収納した状態で離陸し飛行中であっても装置を展開して撮影し、終了して収納ということが出来ます。
[図―10]は離陸方向に向風1~5m/s程度のときに用いる機体立ち上げ方法です。後ろ向きに風上に向かって進み機体を立ち上げ、反転して前向きになり前進して離陸します。全天球カメラを撮影状態にして機体を立ち上げるときに、撮影状態にされているカメラ、撮影装置はライザー(11)、ライン(12)を邪魔することは無く、反転前進するときにはライン、ライザーは上方に引っ張られている状態で頭上にあるので支障なく離陸することが出来ます。
[図―11]は離陸方向に微風追風~向風3m/s程度の時に用いる機体の立ち上げ方法です。前向きに風上に向かって進み機体を立ち上げ、更に前進して離陸します。全天球カメラを撮影状態にして機体を立ち上げるときに、撮影状態に設定されているカメラ、撮影装置はパイロットの前、ライザー(11)、ライン(12)は後方にあるので支障なく離陸することが出来ます。
[図―12]は機体の立ち上げが完了し、更に前進してこれから離陸しようというところです。離陸し安定した飛行状態が[図―4]です。
[図―13]は安定した飛行状態でのパイロット(17)とハーネス(10)と撮影装置を表したものです。パイロットはハーネスを装着した状態でカラビナ大(15)でライザーに連結されています。ライザーは機体とハーネスをカラビナで結びつける部分です。膝の上に乗るような形で撮影装置が取り付けられています。
[図-14]は自撮り棒取付け板の膝から下で隠れた部分を断面で見えるようにしています。膝で隠れたところにはシートボードフック(9)と呼んでいますが、ハーネスのシートボード(14)の先端と自撮り棒取付け板の一番下のシートボードフックが離陸時の[図―12]の状態から離陸完了[図―4]したの状態になるときに、シートボードの先端にシートボードフックが引っかかるように設定されています。前後上下は引っかかった状態で左右は両ひざに挟まれて固定されその場所で安定するようになっています。2個のカラビナ(7)とシートボードフックで3点が決められ一つの安定した面が定められます。その面上に取り付けられているピボット付き回転台座(5)により柔軟に支えられた自撮り棒は2段目まで引き延ばされています。自撮り棒の先端に取り付けられたカメラ控え紐と2個のカラビナ小(4)による3点でもう一つの安定した面が定められています。2つの面は固く固定されているのではなく、柔軟に動く自撮り棒に支えられて、揺れ動くように設定されています。その為、揺れ動くパラグライダーの動きに逆らわないように、上手に追従出来るように意図されて設定されています。
[図―15]は実施例です。自撮り棒(2)はピボット付き回転台座(5)に取り付けられていますので、図に書かれた2つの矢印の方向に回転することが出来ます。その動きは摩擦抵抗で回転方向の動きが減衰するようにされています。左上は小物を入れるポケット。右上は現在地、高度、上昇速度、対地速度を表示できるGPSバリオメーターです。左下と右下にはイマージェンシーキット(例えばツリーラン脱出キット)などが収納されています。自撮り棒は2段目まで引き出されていて、カメラ控え紐もピンと伸ばされた状態になっていて、撮影可能な状態になっています。カラビナ小、中(4)、(7)はそれぞれハーネスの決められた場所に繋がれます。
[図-16]は実施例の写真です。全天球カメラが二段目まで延ばされた自撮り棒の先端に取り付けられています。カメラの近くの自撮り棒の先端に2本のカメラ控え紐が取り付けられています。その先にはカラビナ(4)が取り付けられていてハーネスに設定された取付け部に取り付けられます。シートボードフック(9)が自撮り棒取付け板の下側奥に見えています。2個のカラビナ中(7)がハーネスに設定された取付部に取り付けられます。シートボードフックがハーネスのシートボードに引っ掛かり3点で支持された安定面を作り出します。柔軟性を持たせて固定されているので自撮り棒取付け板も先端のカメラもパラグライダーの動きとパイロットの操縦に追従することが出来ます。GPSバリオメータは角度を変えることが出来るようになっていて、引き起こされています。
[図―17]は2段目まで伸ばしている自撮り棒を縮め、ピボット付き回転台座のピボットを中心にカメラをパイロットの方へ引き寄せ自撮り棒固定台に置けばカメラは収納出来ています。飛行中でも撮影装置を収納出来ます。
[図―18]は自撮り棒を出したままでの着陸です。通常の着陸操作を行えば安全に着陸することが出来ます。
[図―19]は着陸場からサーマルが揚がりいろいろな方向から風が吹き込んでいる様な不安定条件での着陸です。自撮り棒を収納してより安全な着陸を心掛けるのもいいでしよう。
以上により本案による全天球カメラを使用した自撮りを含む撮影装置を使用すれば、撮影装置を展開し撮影している状態で離陸、上空飛行、着陸が安全にできることが理解できるでしょう。撮影装置で撮影しながら操縦装置であるブレークコードから手を離すことなく操縦し続けることが出来ます。
撮影しながら上空を飛行中に撮影を中止して撮影装置を収納することが出来ます。撮影予定が無く撮影装置を収納して離陸、上空飛行中に、予定を変更して撮影装置を展開して撮影を始めることも出来ます。その後撮影を中止して撮影装置を収納することも出来ます。ただし、これ等の場合はブレークコードから手を離さなくてはならないので、飛行環境に注意を払う必要があるでしょう。
この撮影装置を取り付けるハーネスは製造メーカーごとにかなり異なるので、本願の中では取付け部を設置するとしか言及していません。場所は腰上部左右両端としています。
【各部分の番号】
1 全天球カメラ 11 ライザー
2 自撮り棒 12 ライン
3 カメラ控え紐 13 ブレークコード
4 カラビナ小 14 シートボード
5 ピボット付回転台座 15 カラビナ大
6 自撮り棒取付け板 16 機体(キャノーピー)
7 カラビナ中 17 パイロット
8 自撮り棒固定台
9 シートボードフック
10 ハーネス
【図-1】
【図-2】
【図-3】
【図-4】
【図-5】
【図-6】
【図-7】
【図-8】
【図-9】
【図-10】
【図-11】
【図-12】
【図-13】
【図-14】
【図-15】
【図-16】
【図-17】
【図-18】
【図-19】
【手続補正書】
【提出日】2021-06-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
動画や静止画において自撮りという撮影方法があります。その自撮りをパラグライダーの飛行中に行えば、有名な素晴らしい景色の中を自由に飛行する自分を映像の中に納められ、一生の思い出を作れます。
全天球カメラとか360度カメラという全方位を撮影することが出来るカメラが有ります。このカメラで撮影すると自撮りだけでなく周りの景色、すなわち前後・左右・上下が全て撮影出来ます。飛行終了後に全天球カメラの映像専用のソフトで、感動する動画や静止画を探し出し編集することが出来ます。
本発明はパラグライダーで飛行しながら全天球カメラをパイロットの前に保持して撮影することが出来る構造を持っています。離陸から上空の飛行そして着陸まで、カメラに触れることなく操縦装置であるブレークコードを操作し続けられます。カメラに注意を削がれる事無く安全な飛行が出来る自撮りを含む撮影装置です。
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
パラグライダーは、高台の離陸場で機体を立ち上げ両手でブレークコードを操作しながら前進し離陸します。離陸完了後、高度を確保して安定飛行に移ります。通常はここから自撮り撮影を始めます。自撮り棒に取り付けられたカメラを取り出し、自撮り棒を伸ばし、カメラを自撮りの位置に保持し撮影をします。撮影が終了したら自撮り棒を縮め収納します。この後、着陸場上空に飛行し高度処理をして着陸します。カメラで自撮りしている間は、どうしてもパラグライダーを操縦しているブレークコードから手を離してしまいます。この間は片手もしくは両手をブレークコードから離した状態になっています。撮影中、ブレークコードから手を離している間に気流が荒れた場合などには慌ててブレークコードを握り直さなくてはならず、危険回避に遅れを取るかもしれません。安全に飛行しながら自撮りしたいと思います。
【解決手段】
【0003】
図―15に示しています。
パラグライダーの離陸、上空の飛行、着陸においてブレークコードから手を離すことなく操縦をしながら自撮りを含めた全景の撮影が出来る装置を提案します。
全天球カメラ(1)を自撮り棒(2)の先端に取り付けます。自撮り棒の先端にはカメラ控え紐(3)が2本取り付けられています。その2本のカメラ控え紐の他端にはそれぞれカラビナ小(4)が取り付けられています。そのカナビラ小はパラグライダーパイロット(17)が乗るハーネス(10)の腰の辺りの左右両端の取付け具に装着します。
自撮り棒は二段で出来ていて引き延ばして使用します。自撮り棒の他端はピボット付き回転台座(5)にピボットを中心に回転できるようにピン留めされています。そのピボット付回転台座は自撮り棒取付け板(6)に回転できるようにピン留めされています。回転できるように取り付けられた、自撮り棒とピボット付き回転台座と自撮り棒取付け板は、自撮り棒が自由に回転しない様に摩擦抵抗でその動きが減衰するようにピンで締付けられています。
自撮り棒取付け板は、膝に沿う部分と腹部に沿う部分があり、角度をつけて作られています。自撮り棒取付け板の膝に沿う部分は中央部分が膝と膝の間に入り込むように、一段低くなるように作られています。その為、膝に挟まれる形になるので自撮り棒取付け板は安定します。その一段低くなった分だけ収納できる自撮り棒の長さが長くなりますし、強度を上げることも出来ます。ピボット付き回転台座が取り付けられているところは膝に沿う一段低くなった部分です。自撮り棒取付け板の腹部に沿う部分の上部両端にはベルトでカラビナ中(7)が取り付けられています。自撮り棒取付け板はカラビナ中でハーネスの腰の辺りの左右両端の取り付け具に装着します。
自撮り棒取付け板の下側にはシートボードフック(9)がパイロットの乗るハーネスの座面となるシートボード(14)の先端に引っ掛かるように配置されています。機体を立ち上げ前進し離陸してパイロットがハーネスのシートに座るという一連の離陸動作の中で自動的にシートボードにシートボードフックが引っ掛かる構造になっています。前後・上下は引っ掛かった状態で左右は両膝に挟まれて保持されその場で安定するようになっています。
2個のカラビナ中(7)とシートボードフックによる3点で一つの安定した面が定められます。その面上に取り付けられているピボット付き回転台座(5)により自撮り棒は柔軟に支えられます。その自撮り棒の先端に取り付けられたカメラ控え紐の取付け点と2個のカラビナ小(4)による3点でもう一つの安定した面が定められます。2つの面は柔軟に動く自撮り棒に支えられて揺れ動くように設定されています。自撮り棒は回転の動きを摩擦抵抗で減衰するように取付けられています。揺れ動くパラグライダーの動きに逆らわないように追従し、収束する構造を持っています。
パイロットはハーネスを着けてカラビナ小、中をそれぞれ2個ずつ所定の場所に装着します。自撮り棒を二段目まで引き延ばし、カメラ控え紐をぴんと張るように自撮り棒の位置を整えると撮影装置の装着完了です。機体を装着すれば離陸準備完了です。
本発明による全天球カメラを使用した自撮りを含む撮影装置を使用すれば、撮影装置を展開し撮影している状態で離陸、上空の飛行、着陸が安全にできることが理解できるでしょう。撮影装置で撮影しながら操縦装置であるブレークコードから手を離すことなく操縦し続けることが出来ます。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図-1】 通常の広角カメラを使った自撮りです。カメラを手で保持しているため、この場合だと左のブレークコードのハンドルから手が離れています。
【図-2】 全天球カメラを使った自撮りを含む撮影装置の自撮り映像です。全天球カメラで撮影すると機体とパイロットが空に浮かんでいる様に撮影出来ます。しかも前も左右も上下も同時に撮影出来ています。パイロットは飛行終了後に自分の気に入る映像を取り出し編集することが出来ます。撮影中も両手はブレークコードのハンドルを手に持ったまま機体を操縦し続けています。
【図-3】 飛行中に従来の方法で全天球カメラ(1)を使用し自撮り撮影をしているところです。手でカメラを撮影する場所に保持しなくてはならず、片側のブレークコード(13)は持てていません。
【図-4】 本発明が提案する撮影装置の使用例です。この撮影装置は飛行中に腹部と膝を利用して柔軟にしかも安定してカメラを適した自撮り撮影位置に保持します。両方の手はブレークコードを持ち続けパラグライダーを操縦し続けています。
【図-5】 腹部に沿うように、膝に沿うように二つの面を有する自撮り棒取付け板(6)を製作します。板の両端上部にはカラビナ中(7)が短いベルトで取り付けられています。カメラ控え紐(3)の他端に取り付けられたカラビナ小(4)はカメラを安定して保持するためにカラビナ中(7)が取り付けられた所より少し上に位置するハーネスの取付け具に装着されます。
【図-6】 実施例の写真です。ハーネス側のカラビナの取り付け具は全天球カメラが飛行中に良好な場所に維持されるように取り付けられていなくてはなりません。カラビナ小(4)の控え紐の長さと、カラビナ中(7)の短いベルトの長さは同様の理由で定められなくてはなりません。
【図-7】 ハーネスを装着したパイロットが撮影装置をカラビナで装着したところです。カラビナ中(7)、カラビナ小(4)がそれぞれ2個ずつハーネスの腰上部辺りの左右両端の取付け具に吊り下げられています。離陸時の操作、行動を妨げることは有りません。自撮り棒は二段で出来ていて撮影をするためには二段目を引き出し、2本のカメラ控え紐を張った状態にします。カラビナ大(15)に機体のライザーを繋げば離陸の準備完了になります。
【図-8】 撮影装置を自撮り可能なように展開した図です。自撮り棒(2)は二段目まで引き延ばされています。カラビナはそれぞれ腰の辺りの定められた取付け具に装着されます。シートボードフック(9)はハーネスのシートボード(14)に引っ掛かります。
【図-9】 撮影装置を収納した図です。飛行中、撮影している状態から撮影装置を収納出来ることを示しています。カメラ(1)、自撮り棒(2)を収納しなくてはならない場合は、速やかに行えます。
【図-10】 離陸方向に向風1~5m/sec程度の風の強さの時に用いる機体立ち上げ方法です。後ろ向きに風上に向かって進み機体を立ち上げ、反転して前向きになり前進して離陸します。撮影装置はライザー(11)、ライン(12)を邪魔することなく、反転前進するときにはライン、ライザーは上方に引っ張られている状態で頭上にあるので支障なく反転前進離陸することが出来ます。
【図-11】 離陸方向に微風追風~向風3m/sec程度の風の強さの時に用いる機体の立ち上げ方法です。前向きに風上に向かって進み機体を立ち上げ、更に加速前進して離陸します。撮影装置はパイロットの前、ライザー(11)、ライン(12)は後方にあるので支障なく離陸することが出来ます。
【図-12】 機体の立ち上げが完了し、更に加速前進してこれから離陸しようというところです。この間自撮りを含む撮影を行いながらブレークコードから手を離すことなく操縦を行うことが出来ます。
【図-13】 安定した飛行状態でのパイロット(17)とハーネス(10)と撮影装置を表したものです。膝の上に乗るような形で撮影装置が取り付けられています。パイロットはハーネスを装着した状態でカラビナ大(15)でライザー(11)に連結されています。ライザーは機体とハーネスをカラビナで結びつける部分です。
【図-14】 自撮り棒取付け板(6)の膝から下で隠れた部分を断面で見えるようにしています。膝で隠れたところにはシートボードフック(9)と呼んでいますが、ハーネスのシートボード(14)の先端と自撮り棒取付け板の一番下のシートボードフックが離陸時の図―12の状態から離陸完了した図―13の状態への一連の離陸動作でシートボードの先端にシートボードフックが引っかかるような構造になっています。前後・上下は引っかかった状態で左右は両ひざに挟まれて保持され、その場所で安定するようになっています。
【図-15】 図は実施例です。自撮り棒(2)はピボット付き回転台座(5)に取り付けられていますので、図に書かれた2つの矢印の方向に回転することが出来ます。その動きは摩擦抵抗で回転方向の動きが減衰するようにされています。右上は小物を入れるポケット。左上は現在地、高度、上昇速度、対地速度を表示できるGPSバリオメーターです。左下と右下にはエマージェンシーキット(例えばツリーラン脱出キット)などが収納されています。自撮り棒は2段目まで引き出されていて、カメラ控え紐もピンと伸ばされた状態になっていて、撮影可能な状態になっています。
【図-16】 実施例の写真です。シートボードフック(9)が自撮り棒取付け板の下側奥に見えています。2個のカラビナ中(7)がハーネスに設定された取付け具に装着されます。シートボードフックがハーネスのシートボードに引っ掛かり3点で支持された安定面を作り出します。GPSバリオメータは角度を変えることが出来るようになっていて、引き起こされています。
【図-17】 飛行中に急な天候の悪化などで自撮り棒を収納しなくてはならないときがあります。2段目まで伸ばしている自撮り棒を縮め、ピボット付き回転台座のピボットを中心にカメラをパイロットの方へ引き寄せ自撮り棒固定台に置けば、カメラは短時間で収納出来ます。
【図-18】 自撮り棒を出したままでの着陸です。通常の着陸操作を行えば安全に着陸することが出来ます。
【図-19】 着陸場からサーマルが揚がるなど、いろいろな方向から風が吹き込んでいる様な不安定条件での着陸です。図―9、図―17に示したように自撮り棒を収納してより安全な着陸をすることが出来ます。
【各部分の番号】
【0005】
1 全天球カメラ 11 ライザー
2 自撮り棒 12 ライン
3 カメラ控え紐 13 ブレークコード
4 カラビナ小 14 シートボード
5 ピボット付回転台座 15 カラビナ大
6 自撮り棒取付け板 16 機体(キャノーピー)
7 カラビナ中 17 パイロット
8 自撮り棒固定台
9 シートボードフック
10 ハーネス