(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022131767
(43)【公開日】2022-09-07
(54)【発明の名称】玩具銃、ホップ生成部およびホップアップ調整部
(51)【国際特許分類】
F41A 21/16 20060101AFI20220831BHJP
F41B 11/00 20130101ALI20220831BHJP
F41B 11/89 20130101ALI20220831BHJP
A63H 33/18 20060101ALI20220831BHJP
【FI】
F41A21/16
F41B11/00
F41B11/89
A63H33/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021030889
(22)【出願日】2021-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】592153584
【氏名又は名称】株式会社東京マルイ
(74)【代理人】
【識別番号】100134430
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 卓士
(72)【発明者】
【氏名】岩澤 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】岩澤 茂
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA28
2C150CA13
2C150DH03
2C150EB19
2C150ED02
2C150ED70
(57)【要約】
【課題】少ない部品点数でホップアップの調整を実現すること。
【解決手段】少ない部品点数でホップアップの調整を実現するため、発射された弾が通るインナーバレルと、インナーバレル内の弾に当接して弾に回転を与える突出部を有するホップ生成部と、突出部の近接位置においてホップ生成部に対して付勢可能であり、ホップ生成部における付勢領域を変えることで、突出部が弾に与える摩擦力を調整可能なホップアップ調整部と、を含むことを特徴とする玩具銃。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発射された弾が通るインナーバレルと、
前記インナーバレル内の弾に当接して弾に回転を与える突出部を有するホップ生成部と、
前記突出部の近接位置において前記ホップ生成部に対して付勢可能であり、前記ホップ生成部における付勢領域を変えることで、前記突出部が弾に与える摩擦力を調整可能なホップアップ調整部と、
を含む玩具銃。
【請求項2】
前記ホップ生成部は、前記インナーバレルのユーザ側端部に配置された筒状部材であって、前記突出部は、前記筒状部材の上側内面から下方に突出して弾に当接する請求項1に記載の玩具銃。
【請求項3】
前記ホップアップ調整部は、前記ホップ生成部に当接する当接部を有し、前記当接部が前記ホップ生成部に対して前後または左右にスライドすることにより、前記摩擦力を調整する請求項1または2に記載の玩具銃。
【請求項4】
前記玩具銃の外部から前記当接部を前記ホップ生成部に対して前後または左右にスライドさせるための操作部をさらに備えた請求項3に記載の玩具銃。
【請求項5】
前記ホップ生成部は、弾性部材からなる請求項1~4のいずれか1項に記載の玩具銃。
【請求項6】
前記ホップアップ調整部は、前記インナーバレルの外周面にクリッピングするクリップ部を備えた請求項1~5のいずれか1項に記載の玩具銃。
【請求項7】
前記ホップ生成部は、チャンバパッキンの一部であり、前記インナーバレルと、前記弾に向けて気体を噴射するノズルとの間に配置される請求項1~6のいずれか1項に記載の玩具銃。
【請求項8】
発射された弾が通るインナーバレルと、
前記インナーバレル内の弾に当接して弾に回転を与える突出部を有するホップ生成部と、
前記突出部の近接位置において前記ホップ生成部に対して付勢可能であり、前記ホップ生成部における付勢領域を変えることで、前記突出部が弾に与える摩擦力を調整可能なホップアップ調整部と、
を含む玩具銃に用いられるホップ生成部。
【請求項9】
発射された弾が通るインナーバレルと、
前記インナーバレル内の弾に当接して弾に回転を与える突出部を有するホップ生成部と、
前記突出部の近接位置において前記ホップ生成部に対して付勢可能であり、前記ホップ生成部における付勢領域を変えることで、前記突出部が弾に与える摩擦力を調整可能なホップアップ調整部と、
を含む玩具銃に用いられるホップアップ調整部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具銃、ホップ生成部およびホップアップ調整部に関する。
【背景技術】
【0002】
上記技術分野において、特許文献1には、止めネジ37の螺入量を調整して弾性摩擦部材35の銃腔管19内への突出量を調整するホップアップ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献に記載の技術では、部品点数が多く、製造効率が悪かった。
【0005】
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明にかかる玩具銃は、
発射された弾が通るインナーバレルと、
前記インナーバレル内の弾に当接して弾に回転を与える突出部を有するホップ生成部と、
前記突出部の近接位置において前記ホップ生成部に対して付勢可能であり、前記ホップ生成部における付勢領域を変えることで、前記突出部が弾に与える摩擦力を調整可能なホップアップ調整部と、
を含む。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明にかかるホップ生成部は、
発射された弾が通るインナーバレルと、
前記インナーバレル内の弾に当接して弾に回転を与える突出部を有するホップ生成部と、
前記突出部の近接位置において前記ホップ生成部に対して付勢可能であり、前記ホップ生成部における付勢領域を変えることで、前記突出部が弾に与える摩擦力を調整可能なホップアップ調整部と、
を含む玩具銃に用いられるホップ生成部である。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明にかかるホップ生成部は、
発射された弾が通るインナーバレルと、
前記インナーバレル内の弾に当接して弾に回転を与える突出部を有するホップ生成部と、
前記突出部の近接位置において前記ホップ生成部に対して付勢可能であり、前記ホップ生成部における付勢領域を変えることで、前記突出部が弾に与える摩擦力を調整可能なホップアップ調整部と、
を含む玩具銃に用いられるホップアップ調整部である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、少ない部品点数でホップアップの調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態に係る玩具銃の構成を示す断面図である。
【
図2】第1実施形態に係るホップアップ調整部の構成を示す斜視図である。
【
図3】第1実施形態に係る玩具銃の構成を示す断面図である。
【
図4】第1実施形態に係る玩具銃の構成を示す断面図である。
【
図5】第2実施形態に係る玩具銃の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0012】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての玩具銃100について、
図1を用いて説明する。
【0013】
図1に示すように、本実施形態にかかる玩具銃100は、インナーバレル101と、ホップ生成部102とホップアップ調整部103とを備える。
【0014】
インナーバレル101は、発射された弾130が通る筒状部材であって、その後端(ユーザ側端部)に、ホップ生成部102を接続するための接合部111を備える。
【0015】
ホップ生成部102は、インナーバレル101内の弾130に当接して摩擦力を与える突出部121を有する部品である。
【0016】
ホップ生成部102は、インナーバレル101と、ノズル120との間に配置される。弾130はノズル120から噴射される気体の圧力によって発射され、突出部121との摩擦力により回転する。
【0017】
ホップアップ調整部103は、突出部121の近接位置においてホップ生成部102に対して付勢可能であり、ホップ生成部102における付勢領域122を変えることで、突出部121が弾130に与える摩擦力を調整可能な構成となっている。弾130に与える摩擦力が変わることにより、矢印140方向の回転数が変わり、結果として弾道や飛距離を調整できる。
【0018】
ホップ生成部102は、インナーバレル101の後端(ユーザ側端部)に配置された筒状部材であって突出部121は、筒状部材の上側内面から下方に突出して弾130に当接する。
【0019】
ホップアップ調整部103は、ホップ生成部102に当接する当接部131を有する部品である。ホップアップ調整部103がホップ生成部102に対して前後または左右にスライドすることにより、ホップ生成部102における付勢領域122が変わり、突出部121が弾130に押圧された場合の変形の程度が変化し、弾130に与える摩擦力を調整できる。
【0020】
ここで、本実施形態では、ホップ生成部102は弾性部材からなるが、ホップアップ調整部103の位置によって形状が変化するものではなく、あくまでも、弾130から受ける押圧力に対する抵抗力が変わることにより、結果として弾130に与える摩擦力が変わる。突出部121は、クッション性を有しているため、弾の大きさの微妙な違いに依存せず、一定の回転数を与えることが可能となり、ホップアップを安定させることができる。
【0021】
ホップアップ調整部103は、インナーバレル101の外周面にクリッピングするクリップ部132を備える。
【0022】
図2は、ホップアップ調整部103の斜視図である。ホップアップ調整部103は、当接部131と、クリップ部132との間にブリッジ233を備えている。
【0023】
図3は、ホップアップ調整部103を
図1の位置から前方(玩具銃の銃口側)にスライドさせた状態を示す断面図である。
【0024】
ホップアップ調整部103がホップ生成部102に対して前側(玩具銃の銃口側)にスライドすることにより、ホップ生成部102において、付勢領域322が図の位置となる。これにより、突出部121が弾130に押圧された場合の変形の程度が小さくなり弾130に与える摩擦力が大きくなる。ひいては、弾130により大きな回転数を与えることができる。
【0025】
図4は、ホップアップ調整部103を
図3の位置からさらに前方(玩具銃の銃口側)にスライドさせた状態を示す断面図である。
【0026】
ホップアップ調整部103がホップ生成部102に対してさらに前側にスライドすることにより、ホップ生成部102において、付勢領域422が図の前方位置(突出部121の真上)となる。これにより、突出部121が弾130に押圧された場合の変形の程度がより小さくなり弾130に与える摩擦力が大きくなる。ひいては、弾130により大きな回転数を与えることができる。
【0027】
本実施形態では、インナーバレル101の後端(ユーザ側端部)であって、ノズル120との間にホップ生成部102を取り付けたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0028】
また、本実施形態では、ホップアップ調整部103を前後にスライドさせてホップアップを調整したが、本発明はこれに限定されるものではない。ホップアップ調整部103をインナーバレル101に沿って左右に回すことにより、ホップ生成部102に付勢する付勢領域の面積を変化させ、ひいては弾130に与える摩擦力を調整してもよい。
【0029】
本実施形態の構成によれば、非常に少ない部品点数で、ホップアップ調整を実現できる。これにより、そもそもスペース的に大きな制約がある小型銃であってもホップアップ調整が可能となる。例えば、従来の多くの小型銃では、複数の部品を搭載できないため、固定ホップアップとなっていたが、それでは成形品頼みになりホップアップ量に個体差、ロット差が出てしまっていた。そして、ホップアップがうまく行われないと飛距離が出ないという問題があった。また、ホップアップの調整ができなければ重さの異なる弾にも対応できなかった。本実施形態によれば、これらの問題を全て解決できる。
【0030】
本実施形態のホップアップ調整機構は、エアコッキングガン、電動ガン、ガスガンなど、動力や仕組みを問わず、あらゆる玩具銃に適用可能である。
【0031】
玩具銃100の外部からホップアップ調整部103をホップ生成部102に対して前後または左右にスライドさせるための操作部や開口部を備えてもよい。
【0032】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態に係る玩具銃500について、
図5を用いて説明する。
図5は、本実施形態に係る玩具銃500の断面図である。本実施形態に係る玩具銃500は、上記第1実施形態と比べると、ホップ生成部502が傾斜面523を有する点で異なる。その他の構成および動作は、第1実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0033】
ホップ生成部502が傾斜面523を有しているため、ホップアップ調整部103を前方(玩具銃の目標物側)にスライドさせた場合に、より強い下向きの付勢力をホップ生成部502に与えることが可能となり、より強い回転力を弾130に与えることが可能となる。
【0034】
[他の実施形態]
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の技術的範囲で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の技術的範囲に含まれる。