(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133774
(43)【公開日】2022-09-14
(54)【発明の名称】昇降式駐車装置
(51)【国際特許分類】
E04H 6/06 20060101AFI20220907BHJP
【FI】
E04H6/06 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021032654
(22)【出願日】2021-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】516313900
【氏名又は名称】株式会社日本パーキングシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100189717
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 貴章
(72)【発明者】
【氏名】遠山 恒幸
(57)【要約】
【課題】昇降チェーンホイールから下段パレットの載置面までの寸法を小さくし、下段パレットに載置可能な車両高さを高くできる昇降式駐車装置を提供すること。
【解決手段】本発明の昇降式駐車装置は、それぞれの下段パレット10の下面には、前側と後側にそれぞれ揚上アーム50を設け、それぞれの揚上アーム50の両側に、一対のバランスチェーンホイール42を配置し、それぞれの揚上アーム50の片側に、昇降用チェーンホイール35を配置し、一方のバランスチェーンホイール42Laの外側に、昇降用チェーンホイール35を配置し、昇降用チェーンホイール35の昇降用チェーンホイール上縁35LUを、一方のバランスチェーンホイール42Laのバランスチェーンホイール上縁42LaUより低くしたことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地表面から掘削したピット内は、第1ピットと、第2ピットとに区分され、
前記第1ピットと前記第2ピットの上方には、前記第1ピットと前記第2ピットとに跨ってレールがそれぞれ設けてあり、
前記第1ピット及び前記第2ピットにはそれぞれ下段パレットを配置し、
前記第1ピット又は前記第2ピットの上方には上段パレットが配置され、
前記上段パレットは、横行ローラを備えて、前記レールに沿って、前記第1ピット及び前記第2ピットの上方で横行動作を行え、
それぞれの前記下段パレットは、それぞれ昇降機構及びバランス機構を備え、
前記昇降機構は、
昇降用モータと、
前記昇降用モータによって駆動される駆動軸と、
前記駆動軸に設けられる昇降用スプロケットと、
前記昇降用スプロケットの回転によって移動する昇降用チェーンと、
前記昇降用チェーンの移動によって昇降する昇降用チェーンホイールと
を有し、
前記バランス機構は、
バランスチェーンと、
一対のバランスチェーンホイールと
を有し、
前記昇降用スプロケット、前記昇降用チェーン、前記昇降用チェーンホイール、前記バランスチェーン、及び前記バランスチェーンホイールを、いずれの昇降動作状態でも前記地表面以下の位置とした
昇降式駐車装置であって、
それぞれの前記下段パレットの下面には、前側と後側にそれぞれ揚上アームを設け、
それぞれの前記揚上アームの両側に、一対の前記バランスチェーンホイールを配置し、
それぞれの前記揚上アームの片側に、前記昇降用チェーンホイールを配置し、
一方の前記バランスチェーンホイールの外側に、前記昇降用チェーンホイールを配置し、
前記昇降用チェーンホイールの昇降用チェーンホイール上縁を、一方の前記バランスチェーンホイールのバランスチェーンホイール上縁より低くした
ことを特徴とする昇降式駐車装置。
【請求項2】
前記昇降用チェーンホイールの昇降用チェーンホイール回転中心を、一方の前記バランスチェーンホイールのバランスチェーンホイール回転中心より低くした
ことを特徴とする請求項1に記載の昇降式駐車装置。
【請求項3】
一方の前記バランスチェーンホイールのバランスチェーンホイール回転中心を、他方の前記バランスチェーンホイールのバランスチェーンホイール回転中心よりも高くした
ことを特徴とする請求項1に記載の昇降式駐車装置。
【請求項4】
前記昇降用チェーンホイールの昇降用チェーンホイール回転中心を、他方の前記バランスチェーンホイールのバランスチェーンホイール回転中心より低くした
ことを特徴とする請求項1に記載の昇降式駐車装置。
【請求項5】
前記第1ピットと前記第2ピットとの間には、前側と後側にそれぞれ中間固定柱を有し、
前記第1ピットの壁側には、前側と後側にそれぞれ第1固定柱を有し、
前記第2ピットの壁側には、前側と後側にそれぞれ第2固定柱を有し、
前記下段パレットを、前記第1ピットに配置する第1下段パレットと、前記第2ピットに配置する第2下段パレットとし、
前記昇降機構を、前記第1下段パレットを昇降動作させる第1昇降機構と、前記第2下段パレットを昇降動作させる第2昇降機構とし、
前記第1昇降機構が、
第1昇降用モータと、
前記第1昇降用モータによって駆動される第1駆動軸と、
前記第1駆動軸に設けられる第1昇降用スプロケットと、
前記第1昇降用スプロケットの回転によって移動する第1昇降用チェーンと、
前記第1昇降用チェーンの移動によって昇降する第1昇降用チェーンホイールと
を有し、
前記第2昇降機構が、
第2昇降用モータと、
前記第2昇降用モータによって駆動される第2駆動軸と、
前記第2駆動軸に設けられる第2昇降用スプロケットと、
前記第2昇降用スプロケットの回転によって移動する第2昇降用チェーンと、
前記第2昇降用チェーンの移動によって昇降する第2昇降用チェーンホイールと
を有し、
前記バランス機構を、前記第1下段パレットをバランスさせる第1バランス機構と、前記第2下段パレットをバランスさせる第2バランス機構とし、
前記第1バランス機構が、
第1バランスチェーンと、
一対の第1バランスチェーンホイールと
を有し、
前記第1下段パレットの下面に設ける前記揚上アームを第1揚上アームとし、
前記第1揚上アームに配置する一対の前記第1バランスチェーンホイールを、前記第1固定柱側に配置される第1駆動機構側バランスチェーンホイールと、前記中間固定柱側に配置される第1反駆動機構側バランスチェーンホイールとし、
前記第1昇降用スプロケット、前記第1昇降用チェーンホイール、及び前記第1昇降用チェーンを前記第1固定柱の幅内に配置し、
前記第2昇降用スプロケット、前記第2昇降用チェーンホイール、及び前記第2昇降用チェーンを前記中間固定柱の幅内に配置し、
前記第1昇降用チェーンホイールを、前記第1昇降用スプロケットよりも前記第1下段パレット側に配置し、
前記第2昇降用チェーンホイールを、前記第2昇降用スプロケットよりも前記第2下段パレット側に配置し、
前記第1昇降用チェーンの第1昇降用チェーン端末クロス金具を、前記第1昇降用チェーンホイールよりも前記第1下段パレット側で前記第1固定柱の上端部に配置し、
前記第2昇降用チェーンの第2昇降用チェーン端末クロス金具を、前記第2昇降用チェーンホイールよりも前記第2下段パレット側で前記中間固定柱の上端部に配置し、
前記第1バランスチェーンの一端を固定する第1バランスチェーン端末クロス金具を、前記第1固定柱と前記第1駆動機構側バランスチェーンホイールとの間で前記第1ピットの底面に配置し、
前記第1バランスチェーンの他端を固定する第1バランスチェーン調整ボルトを、前記中間固定柱の上端部に配置し、
前記第1バランスチェーンを、前記第1駆動機構側バランスチェーンホイールの上縁、及び前記第1反駆動機構側バランスチェーンホイールの下縁に係合させる
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の昇降式駐車装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体駐車場として利用される昇降式駐車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地表面から掘削したピットに対して、上段パレットと下段パレットとを昇降動作させる昇降式駐車装置が既に用いられている。
一般的には、昇降式駐車装置は、ピット内に配置した固定柱の上部に昇降用スプロケットを設け、下段パレットに昇降用チェーンホイールを設けている。昇降用スプロケットと昇降用チェーンホイールとには昇降用チェーンが配置され、昇降用スプロケットを駆動して昇降用チェーンを巻き上げることで、下段パレットを上昇させる。
しかし、この従来の構成では、昇降用チェーンホイールは昇降用スプロケットよりも高い位置に上昇させることができない。特に、上段パレットが横行可能な昇降式駐車装置では、昇降用スプロケットを地表面以下に収めなければならない。
従って、下段パレットの上昇時において、昇降用チェーンホイールから地表面までに所定の高さ寸法が必要となる。
すなわち、昇降用チェーンホイールから下段パレットの載置面までに所定の高さ寸法が必要となり、この高さ寸法は、下段パレットの着床時において、ピット内底面から下段パレットの載置面までの寸法に影響し、その結果、下段パレットに載置可能な車両高さが低くなってしまう。
ところで、特許文献1には、下段パレットに設けた昇降用チェーンホイールを、昇降用スプロケットよりも高い位置に上昇させる構成が開示されている(
図1(B)参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、上段パレットに別の昇降用チェーンホイールを設けており、上段パレットが横行することはできない。
【0005】
本発明は、昇降チェーンホイールから下段パレットの載置面までの寸法を小さくし、下段パレットに載置可能な車両高さを高くできる昇降式駐車装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明の昇降式駐車装置は、地表面Tから掘削したピットP内は、第1ピットPLと、第2ピットPRとに区分され、前記第1ピットPLと前記第2ピットPRの上方には、前記第1ピットPLと前記第2ピットPRとに跨ってレール22がそれぞれ設けてあり、前記第1ピットPL及び前記第2ピットPRにはそれぞれ下段パレット10を配置し、前記第1ピットPL又は前記第2ピットPRの上方には上段パレット20が配置され、前記上段パレット20は、横行ローラ21を備えて、前記レール22に沿って、前記第1ピットPL及び前記第2ピットPRの上方で横行動作を行え、それぞれの前記下段パレット10は、それぞれ昇降機構30及びバランス機構40を備え、前記昇降機構30は、昇降用モータ31と、前記昇降用モータ31によって駆動される駆動軸32と、前記駆動軸32に設けられる昇降用スプロケット33と、前記昇降用スプロケット33の回転によって移動する昇降用チェーン34と、前記昇降用チェーン34の移動によって昇降する昇降用チェーンホイール35とを有し、前記バランス機構40は、バランスチェーン41と、一対のバランスチェーンホイール42とを有し、前記昇降用スプロケット33、前記昇降用チェーン34、前記昇降用チェーンホイール35、前記バランスチェーン41、及び前記バランスチェーンホイール42を、いずれの昇降動作状態でも前記地表面T以下の位置とした昇降式駐車装置であって、それぞれの前記下段パレット10の下面には、前側と後側にそれぞれ揚上アーム50を設け、それぞれの前記揚上アーム50の両側に、一対の前記バランスチェーンホイール42を配置し、それぞれの前記揚上アーム50の片側に、前記昇降用チェーンホイール35を配置し、一方の前記バランスチェーンホイール42Lの外側に、前記昇降用チェーンホイール35を配置し、前記昇降用チェーンホイール35の昇降用チェーンホイール上縁35LUを、一方の前記バランスチェーンホイール42Lのバランスチェーンホイール上縁42LaUより低くしたことを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の昇降式駐車装置において、前記昇降用チェーンホイール35の昇降用チェーンホイール回転中心35LCを、一方の前記バランスチェーンホイール42Laのバランスチェーンホイール回転中心42LaCより低くしたことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1に記載の昇降式駐車装置において、一方の前記バランスチェーンホイール42Laのバランスチェーンホイール回転中心42LaCを、他方の前記バランスチェーンホイール42Lbのバランスチェーンホイール回転中心42LbCよりも高くしたことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1に記載の昇降式駐車装置において、前記昇降用チェーンホイール35の昇降用チェーンホイール回転中心35LCを、他方の前記バランスチェーンホイール42Lbのバランスチェーンホイール回転中心42LbCより低くしたことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の昇降式駐車装置において、前記第1ピットPLと前記第2ピットPRとの間には、前側と後側にそれぞれ中間固定柱1Cを有し、前記第1ピットPLの壁側には、前側と後側にそれぞれ第1固定柱1Lを有し、前記第2ピットPRの壁側には、前側と後側にそれぞれ第2固定柱1Rを有し、前記下段パレット10を、前記第1ピットPLに配置する第1下段パレット10Lと、前記第2ピットPRに配置する第2下段パレット10Rとし、前記昇降機構30を、前記第1下段パレット10Lを昇降動作させる第1昇降機構30Lと、前記第2下段パレット10Rを昇降動作させる第2昇降機構30Rとし、前記第1昇降機構30Lが、第1昇降用モータ31Lと、前記第1昇降用モータ31Lによって駆動される第1駆動軸32Lと、前記第1駆動軸32Lに設けられる第1昇降用スプロケット33Lと、前記第1昇降用スプロケット33Lの回転によって移動する第1昇降用チェーン34Lと、前記第1昇降用チェーン34Lの移動によって昇降する第1昇降用チェーンホイール35Lとを有し、前記第2昇降機構30Rが、第2昇降用モータ31Rと、前記第2昇降用モータ31Rによって駆動される第2駆動軸32Rと、前記第2駆動軸32Rに設けられる第2昇降用スプロケット33Rと、前記第2昇降用スプロケット33Rの回転によって移動する第2昇降用チェーン34Rと、前記第2昇降用チェーン34Rの移動によって昇降する第2昇降用チェーンホイール35Rとを有し、前記バランス機構40を、前記第1下段パレット10Lをバランスさせる第1バランス機構40Lと、前記第2下段パレット10Rをバランスさせる第2バランス機構40Rとし、前記第1バランス機構40Lが、第1バランスチェーン41Lと、一対の第1バランスチェーンホイール42Lとを有し、前記第1下段パレット10Lの下面に設ける前記揚上アーム50を第1揚上アーム50Lとし、前記第1揚上アーム50Lに配置する一対の前記第1バランスチェーンホイール42Lを、前記第1固定柱1L側に配置される第1駆動機構側バランスチェーンホイール42Laと、前記中間固定柱1C側に配置される第1反駆動機構側バランスチェーンホイール42Lbとし、前記第1昇降用スプロケット33L、前記第1昇降用チェーンホイール35L、及び前記第1昇降用チェーン34Lを前記第1固定柱1Lの幅内に配置し、前記第2昇降用スプロケット33R、前記第2昇降用チェーンホイール35R、及び前記第2昇降用チェーン34Rを前記中間固定柱1Cの幅内に配置し、前記第1昇降用チェーンホイール35Lを、前記第1昇降用スプロケット33Lよりも前記第1下段パレット10L側に配置し、前記第2昇降用チェーンホイール35Rを、前記第2昇降用スプロケット33Rよりも前記第2下段パレット10R側に配置し、前記第1昇降用チェーン34Lの第1昇降用チェーン端末クロス金具37Lを、前記第1昇降用チェーンホイール35Lよりも前記第1下段パレット10L側で前記第1固定柱1Lの上端部に配置し、前記第2昇降用チェーン34Rの第2昇降用チェーン端末クロス金具37Rを、前記第2昇降用チェーンホイール35Rよりも前記第2下段パレット10R側で前記中間固定柱1Cの上端部に配置し、前記第1バランスチェーン41Lの一端を固定する第1バランスチェーン端末クロス金具44Lを、前記第1固定柱1Lと前記第1駆動機構側バランスチェーンホイール42Laとの間で前記第1ピットPLの底面に配置し、前記第1バランスチェーン41Lの他端を固定する第1バランスチェーン調整ボルト43Lを、前記中間固定柱1Cの上端部に配置し、前記第1バランスチェーン41Lを、前記第1駆動機構側バランスチェーンホイール42Laの上縁、及び前記第1反駆動機構側バランスチェーンホイール42Lbの下縁に係合させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、昇降用チェーンホイール上縁をバランスチェーンホイール上縁より低くすることで、下段パレットの上昇時に、下段パレットを地表面の高さまで引き上げることができ、昇降チェーンホイールから下段パレットの載置面までの寸法を小さくし、下段パレットに載置可能な車両高さを高くできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施例による昇降式駐車装置の主要構成を示す側面図
【
図3】同昇降式駐車装置の昇降機構とバランス機構を示す要部構成図
【
図4】同昇降式駐車装置の主要構成を示す正面図と要部拡大図
【
図5】同昇降式駐車装置の下段パレットと揚上アームを示す要部構成図
【
図6】同昇降式駐車装置の下段パレットと揚上アームを示す要部構成図
【
図7】同昇降式駐車装置の主要構成の位置関係を示す正面図
【
図8】本発明の他の実施例による昇降式駐車装置の主要構成の位置関係を示す正面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態による昇降式駐車装置は、それぞれの下段パレットの下面には、前側と後側にそれぞれ揚上アームを設け、それぞれの揚上アームの両側に、一対のバランスチェーンホイールを配置し、それぞれの揚上アームの片側に、昇降用チェーンホイールを配置し、一方のバランスチェーンホイールの外側に、昇降用チェーンホイールを配置し、昇降用チェーンホイールの昇降用チェーンホイール上縁を、一方のバランスチェーンホイールのバランスチェーンホイール上縁より低くしたものである。
本実施の形態によれば、昇降用チェーンホイール上縁をバランスチェーンホイール上縁より低くすることで、下段パレットの上昇時に、下段パレットを地表面の高さまで引き上げることができ、昇降チェーンホイールから下段パレットの載置面までの寸法を小さくし、下段パレットに載置可能な車両高さを高くできる。
【0010】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による昇降式駐車装置において、昇降用チェーンホイールの昇降用チェーンホイール回転中心を、一方のバランスチェーンホイールのバランスチェーンホイール回転中心より低くしたものである。
本実施の形態によれば、昇降用チェーンホイール回転中心をバランスチェーンホイール回転中心より低くすることで、下段パレットの上昇時に、下段パレットを地表面の高さまで引き上げることができ、昇降チェーンホイールから下段パレットの載置面までの寸法を小さくし、下段パレットに載置可能な車両高さを高くできる。
【0011】
本発明の第3の実施の形態は、第1の実施の形態による昇降式駐車装置において、一方のバランスチェーンホイールのバランスチェーンホイール回転中心を、他方のバランスチェーンホイールのバランスチェーンホイール回転中心よりも高くしたものである。
本実施の形態によれば、昇降チェーンホイール側のバランスチェーンホイール回転中心を他方のバランスチェーンホイール回転中心よりも高くすることで、昇降チェーンホイールから下段パレットの載置面までの寸法を更に小さくできる。
【0012】
本発明の第4の実施の形態は、第1の実施の形態による昇降式駐車装置において、昇降用チェーンホイールの昇降用チェーンホイール回転中心を、他方のバランスチェーンホイールのバランスチェーンホイール回転中心より低くしたものである。
本実施の形態によれば、昇降用チェーンホイール回転中心を他方のバランスチェーンホイール回転中心より低くすることで、昇降チェーンホイールから下段パレットの載置面までの寸法を更に小さくできる。
【0013】
本発明の第5の実施の形態は、第1から第4のいずれかの実施の形態による昇降式駐車装置において、下段パレットを、第1空間に配置する第1下段パレットと、第2空間に配置する第2下段パレットとし、昇降機構を、第1下段パレットを昇降動作させる第1昇降機構と、第2下段パレットを昇降動作させる第2昇降機構とし、第1昇降機構が、第1昇降用モータと、第1昇降用モータによって駆動される第1駆動軸と、第1駆動軸に設けられる第1昇降用スプロケットと、第1昇降用スプロケットの回転によって移動する第1昇降用チェーンと、第1昇降用チェーンの移動によって昇降する第1昇降用チェーンホイールとを有し、第2昇降機構が、第2昇降用モータと、第2昇降用モータによって駆動される第2駆動軸と、駆動軸に設けられる第2昇降用スプロケットと、第2昇降用スプロケットの回転によって移動する第2昇降用チェーンと、第2昇降用チェーンの移動によって昇降する第2昇降用チェーンホイールとを有し、バランス機構を、第1下段パレットをバランスさせる第1バランス機構と、第2下段パレットをバランスさせる第2バランス機構とし、第1バランス機構が、第1バランスチェーンと、一対の第1バランスチェーンホイールとを有し、第1下段パレットの下面に設ける揚上アームを第1揚上アームとし、第1揚上アームに配置する一対の第1バランスチェーンホイールを、第1固定柱側に配置される第1駆動機構側バランスチェーンホイールと、中間固定柱側に配置される第1反駆動機構側バランスチェーンホイールとし、第1昇降用スプロケット、第1昇降用チェーンホイール、及び第1昇降用チェーンを第1固定柱の幅内に配置し、第2昇降用スプロケット、第2昇降用チェーンホイール、及び第2昇降用チェーンを中間固定柱の幅内に配置し、第1昇降用チェーンホイールを、第1昇降用スプロケットよりも第1下段パレット側に配置し、第2昇降用チェーンホイールを、第2昇降用スプロケットよりも第2下段パレット側に配置し、第1昇降用チェーンの第1昇降用チェーン端末クロス金具を、第1昇降用チェーンホイールよりも第1下段パレット側で第1固定柱の上端部に配置し、第2昇降用チェーンの第2昇降用チェーン端末クロス金具を、第2昇降用チェーンホイールよりも第2下段パレット側で中間固定柱の上端部に配置し、第1バランスチェーンの一端を固定する第1バランスチェーン端末クロス金具を、第1固定柱と第1駆動機構側バランスチェーンホイールとの間で第1ピットの底面に配置し、第1バランスチェーンの他端を固定する第1バランスチェーン調整ボルトを、中間固定柱の上端部に配置し、第1バランスチェーンを、第1駆動機構側バランスチェーンホイールの上縁、及び第1反駆動機構側バランスチェーンホイールの下縁に係合させるものである。
本実施の形態によれば、下段パレットの横幅を広くできる。
【実施例0014】
以下本発明の一実施例による昇降式駐車装置について説明する。
図1は本実施例による昇降式駐車装置の主要構成を示す側面図である。
本実施例による昇降式駐車装置は、地表面Tから掘削したピットP内に、一対の前側の固定柱1と一対の後側の固定柱1とを配置している。
下段パレット10は、前側の一対の固定柱1と後側の一対の固定柱1とで囲まれる空間に配置され、固定柱1に対して昇降動作する。
ピットPの上方には、上段パレット20が配置される。上段パレット20は、横行ローラ21を備え、ピットPの前側及び後側の上方にそれぞれ設けたレール22に沿って横行動作を行える。
後側の固定柱1には昇降用モータ31を設けている。昇降用モータ31によって駆動される駆動軸32は、前側の固定柱1と後側の固定柱1との上部に設けている。
なお、本実施例では、下段パレット10の上方に地下中間パレット15を有している。地下中間パレット15と下段パレット10とは、4本のパレット支柱2によって連結されている。従って、地下中間パレット15は、下段パレット10とともに昇降動作を行う。
また、本実施例では、上段パレット20の上方に第2上段パレット25を有している。第2上段パレット25は、4本の地上支柱3によって支持されており、横行昇降動作を行う。
【0015】
図2は同昇降式駐車装置の主要構成を示す正面図である。
地表面Tから掘削したピットP内は、一方の第1ピットPLと、他方の第2ピットPRとに区分されている。
第1ピットPLと第2ピットPRとの間には、前側と後側にそれぞれ中間固定柱1Cを有し、第1ピットPLの壁側には、前側と後側にそれぞれ第1固定柱1Lを有し、第2ピットPRの壁側には、前側と後側にそれぞれ第2固定柱1Rを有している。
第1ピットPLは、第1固定柱1Lと中間固定柱1Cとで第1空間が形成され、第2ピットPRは、第2固定柱1Rと中間固定柱1Cとで第2空間が形成される。
第1ピットPLには第1下段パレット10Lが配置され、第2ピットPRには第2下段パレット10Rが配置される。
第1ピットPL又は第2ピットPRの上方には上段パレット20が配置される。
上段パレット20は、横行ローラ21を備えて、レール22に沿って、第1ピットPL又は第2ピットPRの上方で横行動作を行える。
【0016】
図3は同昇降式駐車装置の昇降機構とバランス機構を示す要部構成図である。
第1下段パレット10L及び第2下段パレット10Rは、同一構成であるため、下段パレット10として以下に説明する。
下段パレット10は、昇降機構30及びバランス機構40を備えている。
下段パレット10を昇降動作させる昇降機構30は、昇降用モータ31と、昇降用モータ31によって駆動される駆動軸32と、駆動軸32に設けられる昇降用スプロケット33と、昇降用スプロケット33の回転によって移動する昇降用チェーン34と、昇降用チェーン34の移動によって昇降する昇降用チェーンホイール35とを有している。
なお、昇降用スプロケット33、昇降用チェーン34、及び昇降用チェーンホイール35は、下段パレット10の前側と後側とに設けている。
駆動軸32には、昇降用モータ31の駆動を伝達する駆動用スプロケット36を設けている。
昇降用チェーン34は、一端を昇降用チェーン端末クロス金具37に取り付け、昇降用チェーンホイール35の下縁で係合し、昇降用スプロケット33の上縁で係合し、他端を昇降用スプロケット33の下方で固定している。
【0017】
下段パレット10をバランスさせるバランス機構40は、バランスチェーン41と、一対のバランスチェーンホイール42とを有している。
バランス機構40は、下段パレット10の前側と後側とに設けている。
一対のバランスチェーンホイール42は、駆動機構側バランスチェーンホイール42aと、反駆動機構側バランスチェーンホイール42bとからなる。
バランスチェーン41は、一端をバランスチェーン調整ボルト43に取り付け、ロッド棒45の上縁で係合し、反駆動機構側バランスチェーンホイール42bの下縁で係合し、駆動機構側バランスチェーンホイール42aの上縁で係合し、他端を昇降用チェーンホイール35と駆動機構側バランスチェーンホイール42aとの間の下方でバランスチェーン端末クロス金具44に固定している。
【0018】
昇降用モータ31を正回転させることで、駆動用スプロケット36及び駆動軸32を介して昇降用スプロケット33が正回転する。
昇降用スプロケット33が正回転すると、昇降用チェーン34は昇降用スプロケット33によって巻き上げられ、昇降用チェーン端末クロス金具37から昇降用スプロケット33までの昇降用チェーン34が短くなるため、昇降用チェーンホイール35は上昇し、昇降用チェーンホイール35の上昇とともに下段パレット10が上昇する。
下段パレット10の上昇によって、バランスチェーンホイール42は下段パレット10とともに上昇する。バランスチェーンホイール42が上昇すると、ロッド棒45と反駆動機構側バランスチェーンホイール42bとの間のバランスチェーンホイール42は短くなり、バランスチェーン端末クロス金具44と駆動機構側バランスチェーンホイール42aとの間のバランスチェーンホイール42は長くなる。従って、下段パレット10の上昇動作に伴うバランスが維持される。また、バランス機構40を下段パレット10の前側と後側とに設けることで、下段パレット10の上昇動作に伴う捻れをなくすことができる。
【0019】
昇降用スプロケット33が逆回転すると、昇降用チェーン34は昇降用スプロケット33によって巻き下げられ、昇降用チェーン端末クロス金具37から昇降用スプロケット33までの昇降用チェーン34が長くなるため、昇降用チェーンホイール35は降下し、昇降用チェーンホイール35の降下とともに下段パレット10が降下する。
下段パレット10の降下によって、バランスチェーンホイール42は下段パレット10とともに降下する。バランスチェーンホイール42が降下すると、ロッド棒45と反駆動機構側バランスチェーンホイール42bとの間のバランスチェーンホイール42は長くなり、バランスチェーン端末クロス金具44と駆動機構側バランスチェーンホイール42aとの間のバランスチェーンホイール42は短くなる。従って、下段パレット10の降下動作に伴うバランスが維持される。また、バランス機構40を下段パレット10の前側と後側とに設けることで、下段パレット10の降下動作に伴う捻れをなくすことができる。
【0020】
図4は同昇降式駐車装置の主要構成を示す正面図と要部拡大図である。
図4(a)は、ピットP内の主要構成を示し、
図4(b)は
図4(a)のB部拡大図、
図4(c)は
図4(a)のC部拡大図、
図4(d)は
図4(a)のD部拡大図、
図4(e)は
図4(a)のE部拡大図である。
図4では、第1ピットPL内の第1下段パレット10Lは降下した状態にあり、第2ピットPR内の第2下段パレット10Rは上昇した状態にある。
図4(a)に示すように、昇降機構30として、第1下段パレット10Lを昇降動作させる第1昇降機構30Lと、第2下段パレット10Rを昇降動作させる第2昇降機構30Rとを有しており、バランス機構40として、第1下段パレット10Lをバランスさせる第1バランス機構40Lと、第2下段パレット10Rをバランスさせる第2バランス機構40Rとを有している。
【0021】
図4(b)及び
図4(c)に示すように、第1駆動軸32L、第1昇降用スプロケット33L、第1昇降用チェーンホイール35L、第1昇降用チェーン端末クロス金具37L、及び第1昇降用チェーン34Lは、第1固定柱1Lの幅内に配置している。第1駆動軸32L、第1昇降用スプロケット33L、第1昇降用チェーンホイール35L、第1昇降用チェーン端末クロス金具37L、及び第1昇降用チェーン34Lは、第1昇降機構30Lを構成する。第1昇降用チェーンホイール35Lは、第1昇降用スプロケット33Lよりも第1下段パレット10L側に配置している。第1昇降用チェーン端末クロス金具37Lは、第1昇降用チェーンホイール35Lよりも第1下段パレット10L側で第1固定柱1Lの上端部に配置している。
図4(c)に示すように、第1バランスチェーン41Lの一端を固定する第1バランスチェーン端末クロス金具44Lを、第1固定柱1Lと第1駆動機構側バランスチェーンホイール42Laとの間で第1ピットPLの底面に配置している。
図4(c)及び
図4(e)に示すように、第1バランスチェーン41Lは、第1駆動機構側バランスチェーンホイール42Laの上縁、及び第1反駆動機構側バランスチェーンホイール42Lbの下縁に係合させている。
図4(d)に示すように、第1バランスチェーン調整ボルト43L及び第1ロッド棒45Lは、中間固定柱1Cの幅内で、第2昇降用スプロケット33Rより上方に配置している。
なお、第1バランス機構40Lは、第1バランスチェーン41L、一対の第1バランスチェーンホイール42La、42Lb、第1バランスチェーン端末クロス金具44L、第1バランスチェーン調整ボルト43L及び第1ロッド棒45Lで構成されている。
【0022】
また、
図4(d)及び
図4(e)に示すように、第2駆動軸32R、第2昇降用スプロケット33R、第2昇降用チェーンホイール35R、第2昇降用チェーン端末クロス金具37R、及び第2昇降用チェーン34Rは、中間固定柱1Cの幅内に配置している。第1駆動軸32R、第1昇降用スプロケット33R、第1昇降用チェーンホイール35R、第1昇降用チェーン端末クロス金具37R、及び第1昇降用チェーン34Rは、第1昇降機構30Rを構成する。第2昇降用チェーンホイール35Rは、第2昇降用スプロケット33Rよりも第2下段パレット10R側に配置している。第2昇降用チェーン端末クロス金具37Rは、第2昇降用チェーンホイール35Rよりも第2下段パレット10R側で中間固定柱1Cの上端部に配置している。
図4(e)に示すように、第2バランスチェーン41Rの一端を固定する第2バランスチェーン端末クロス金具44Rを、中間固定柱1Cと第2駆動機構側バランスチェーンホイール42Raとの間で第2ピットPRの底面に配置している。
図4(d)及び
図4(f)に示すように、第2バランスチェーン41Rは、第2駆動機構側バランスチェーンホイール42Raの上縁、及び第2反駆動機構側バランスチェーンホイール42Rbの下縁に係合させている。
図4(f)に示すように、第2バランスチェーン調整ボルト43R及び第2ロッド棒45Rは、第2固定柱1Rの幅内の上端部に配置している。
なお、第2バランス機構40Rは、第2バランスチェーン41R、一対の第2バランスチェーンホイール42Ra、42Rb、第2バランスチェーン端末クロス金具44R、第2バランスチェーン調整ボルト43R及び第2ロッド棒45Rで構成されている。
第1下段パレット10Lの下面には第1揚上アーム50Lを設け、第2下段パレット10Rの下面には第2揚上アーム50Rを設けている。
【0023】
図5及び
図6は同昇降式駐車装置の下段パレットと揚上アームを示す要部構成図である。
図5(a)は揚上アームを取り付けた状態での下段パレットの正面図、
図5(b)は同下段パレットの平面図、
図5(c)は同下段パレットの側面図、
図5(d)は
図5(c)の要部拡大図、
図6(a)は下段パレットの正面図、
図6(b)は揚上アームの正面図、
図6(c)は揚上アームの上面図である。
第1下段パレット10L及び第2下段パレット10Rは同一構成であるため、下段パレット10として、第1揚上アーム50L及び第2揚上アーム50Rは同一構成であるため、揚上アーム50として以下に説明する。
下段パレット10は、両側にパレット端部立ち上がり10Xを形成し、一対のパレット端部立ち上がり10Xの間にパレットタイヤ踏み板10Yを形成している。パレット端部立ち上がり10Xの下面には第1補強部材11を設け、第1補強部材11の下部には第2補強部材12を設けている。
揚上アーム50は、駆動機構側バランスチェーンホイール42a及び昇降用チェーンホイール35を支持する一方支持部材51aと、反駆動機構側バランスチェーンホイール42bを支持する他方支持部材51bと、一方支持部材51aと他方支持部材51bとを連結する連結部材52とで構成される。
揚上アーム50は、下段パレット10の前側と後側とにそれぞれ設けている。
図6(a)に示すように、駆動機構側バランスチェーンホイール42aは下段パレット10より内側に配置し、反駆動機構側バランスチェーンホイール42bの一部は下段パレット10より外側に位置する。
【0024】
図6(a)に示すように、パレットタイヤ踏み板10Yの下面と第2補強部材12の下面とは同一平面とし、
図6(b)に示すように、揚上アーム50は、一方支持部材51aの上面(下段パレット10との当接面)、他方支持部材51bの上面(下段パレット10との当接面)、及び連結部材52の上面(下段パレット10との当接面)は同一平面としている。
【0025】
図7は同昇降式駐車装置の主要構成の位置関係を示す正面図であり、
図7(a)は第1下段パレットが上昇した状態を示し、
図7(b)は第1下段パレットが降下した状態を示し、
図7(c)は第1固定柱の下端を示し、
図7(d)は
図7(c)の上面図を示し、
図7(e)は第1下段パレット及び第2下段パレットが上昇した状態を示している。
図7(a)及び
図7(b)に示すように、第1昇降用スプロケット33L、第1昇降用チェーン34L、第1昇降用チェーンホイール35L、第1バランスチェーン41L、及び第1バランスチェーンホイール42Lは、いずれの昇降動作状態でも地表面T以下の位置としている。
なお、一部しか図示していないが、第2昇降用スプロケット33R、第2昇降用チェーン34R、第2昇降用チェーンホイール35R、第2バランスチェーン41R、及び第2バランスチェーンホイール42Rについても、いずれの昇降動作状態でも地表面T以下の位置としている。
また、
図7(a)及び
図7(b)に示すように、第1昇降用チェーンホイール35Lの第1昇降用チェーンホイール上縁35LUは、第1駆動機構側バランスチェーンホイール42Laの第1駆動機構側バランスチェーンホイール上縁42LaUより低くしている。また、第1昇降用チェーンホイール35Lの第1昇降用チェーンホイール回転中心35LCは、第1駆動機構側バランスチェーンホイール42Laの第1駆動機構側バランスチェーンホイール回転中心42LaCより低くしている。また、第1駆動機構側バランスチェーンホイール42Laの第1駆動機構側バランスチェーンホイール回転中心42LaCは、第1反駆動機構側バランスチェーンホイール42Lbの第1反駆動機構側バランスチェーンホイール回転中心42LbCよりも高くしている。また、第1昇降用チェーンホイール35Lの第1昇降用チェーンホイール回転中心35LCは、第1反駆動機構側バランスチェーンホイール42Lbの第1反駆動機構側バランスチェーンホイール回転中心42LbCより低くしている。
【0026】
このように、第1昇降用チェーンホイール上縁35LUを第1駆動機構側バランスチェーンホイール上縁42LaUより低くすることで、第1下段パレット10Lの上昇時に、第1下段パレット10Lを地表面Tの高さまで引き上げることができ、第1昇降用チェーンホイール35Lから第1下段パレット10Lの載置面までの寸法を小さくし、第1下段パレット10Lに載置可能な車両高さを高くできる。
また、第1昇降用チェーンホイール回転中心35LCを第1駆動機構側バランスチェーンホイール回転中心42LaCより低くすることで、第1下段パレット10Lの上昇時に、第1下段パレット10Lを地表面Tの高さまで引き上げることができ、第1昇降用チェーンホイール35Lから第1下段パレット10Lの載置面までの寸法を小さくし、第1下段パレット10Lに載置可能な車両高さを高くできる。
また、第1昇降用チェーンホイール35L側の第1駆動機構側バランスチェーンホイール回転中心42LaCを第1反駆動機構側バランスチェーンホイール回転中心42LbCよりも高くすることで、第1昇降用チェーンホイール35Lから第1下段パレット10Lの載置面までの寸法を更に小さくできる。
また、第1昇降用チェーンホイール回転中心35LCを第1反駆動機構側バランスチェーンホイール回転中心42LbCより低くすることで、第1昇降用チェーンホイール35Lから第1下段パレット10Lの載置面までの寸法を更に小さくできる。
【0027】
なお、図示は省略するが、第2昇降用チェーンホイール35Rの第2昇降用チェーンホイール上縁は、第2駆動機構側バランスチェーンホイール42Raの第2駆動機構側バランスチェーンホイール上縁より低くしている。また、第2昇降用チェーンホイール35Rの第2昇降用チェーンホイール回転中心は、第2駆動機構側バランスチェーンホイール42Raの第2駆動機構側バランスチェーンホイール回転中心より低くしている。また、第2駆動機構側バランスチェーンホイール42Raの第2駆動機構側バランスチェーンホイール回転中心は、第2反駆動機構側バランスチェーンホイール42Rbの第2反駆動機構側バランスチェーンホイール回転中心よりも高くしている。また、第2昇降用チェーンホイール35Rの第2昇降用チェーンホイール回転中心は、第2反駆動機構側バランスチェーンホイール42Rbの第2反駆動機構側バランスチェーンホイール回転中心より低くしている。
また、図示のように、第1昇降用チェーンホイール35L、第1駆動機構側バランスチェーンホイール42La、及び第1反駆動機構側バランスチェーンホイール42Lbの外径は、同一径としており、第1昇降用スプロケット33Lよりも小さくしている。
【0028】
図7(b)及び
図7(c)に示すように、第1固定柱1Lのベース板1LX、及び中間固定柱1Cのベース板1CXには、開口部4を形成している。開口部4は、第1昇降用チェーンホイール35L又は第2昇降用チェーンホイール35Rの下方位置に形成している。
このように、第1昇降用チェーンホイール35L又は第2昇降用チェーンホイール35Rの下方位置に開口部4を形成することで、第1下段パレット10Lや第2下段パレット10Rの降下位置をピットP底面に近づけることができる。
【0029】
図7(d)に示すように、第1ロッド棒45Lは、第1下段パレット10Lが上昇した状態における第1反駆動機構側バランスチェーンホイール42Lbの第1反駆動機構側バランスチェーンホイール回転中心42LbCよりも高い位置に設けている。すなわち、第1ロッド棒45Lの上縁は、第1反駆動機構側バランスチェーンホイール回転中心42LbCよりも高くし、第1ロッド棒45Lの中心は、第1反駆動機構側バランスチェーンホイール回転中心42LbC以上の高さであることが好ましい。
第1バランスチェーン調整ボルト43Lは、第1ロッド棒45Lよりも高い位置に配置し、第2駆動用スプロケット33Rの上方で、第2下段パレット10Rが上昇した状態における第2昇降用チェーンホイール35Rに至らない位置に配置している。
また、第2昇降用チェーン端末クロス金具37Rは、第2昇降用チェーンホイール35Rよりも高い位置で、中間固定柱1Cの幅内で、第2昇降用チェーンホイール35Rと第2駆動機構側バランスチェーンホイール42Raとの間に配置している。
以上のように本実施例によれば、下段パレット10に載置可能な車両高さを高くできるとともに下段パレット10の横幅を広くできる。
【0030】
図8は本発明の他の実施例による昇降式駐車装置の主要構成の位置関係を示す正面図である。なお、上記の実施例と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
図8に示す実施例では、第1バランスチェーン端末クロス金具44Lの配置を変更している。
図8に示すように、第1バランスチェーン端末クロス金具44Lは、中間固定柱1Cの幅内で、第2昇降用スプロケット33Rよりも第1下段パレット10L側に配置している。
そして、第1バランスチェーン端末クロス金具44Lが第2昇降用チェーン34Rに干渉しないように、第2昇降用スプロケット33Rの下方には、第2昇降用チェーン34Rを規制するガイダー5を配置している。
このように、ガイダー5を設けることで、第2昇降用チェーン34Rが第1バランスチェーン端末クロス金具44Lに接触することを防止することができる。
【0031】
なお、
図1及び
図2では、地上2階の昇降横行式駐車装置を示したが、地上3階以上の昇降横行式駐車装置に適用できる。例えば地上3階の昇降式駐車装置では、地上2階のパレットは、地上1階と地上2階との間を昇降動作するとともに地上2階で横行動作し、地上3階のパレットは、地上1階、地上2階、及び地上3階の間を昇降動作する。また、例えば地上4階の昇降式駐車装置では、地上2階のパレットは、地上1階と地上2階との間を昇降動作するとともに地上2階で横行動作し、地上3階のパレットは、地上1階、地上2階、及び地上3階の間を昇降動作するとともに地上3階で横行動作し、地上4階のパレットは、地上1階、地上2階、地上3階、及び地上4階の間を昇降動作する。
また、本実施例のように下段パレット10が4本のパレット支柱2を備えて第2下段パレット10Rを有していることが好ましい。
また、本実施例で説明した昇降式駐車装置は、横方向に2つのピットPを備えたもので説明したが、横方向に3つ以上のピットPを備えてもよい。
また、これらの実施例で説明した昇降式駐車装置を、縦列方向(入出庫方向)に複数配置して用いることができる。この場合には、縦列方向には各パレットは移動せず、地表面Tに位置するパレット間を車両が自走する。
なお、本実施例において説明した昇降用チェーンホイール35及びバランスチェーンホイール42は、チェーンホイールの一つであるスプロケットを含むものである。