(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022134167
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】レジスタ
(51)【国際特許分類】
B60H 1/34 20060101AFI20220908BHJP
【FI】
B60H1/34 611B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021033121
(22)【出願日】2021-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】特許業務法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】長橋 怜
(72)【発明者】
【氏名】川合 伸治
【テーマコード(参考)】
3L211
【Fターム(参考)】
3L211DA14
(57)【要約】
【課題】偶数枚の下流側フィンを備えつつも高い美観を発揮可能であるとともに、操作感に優れたレジスタを提供する。
【解決手段】本発明のレジスタ1は、送風ダクト11、第1~5上流側フィン13a~13e、第1、2下流側フィン17a、17b及び操作ノブ19を備えている。第1、2下流側フィン17a、17b同士は、共通の第2揺動軸心X2周りで一体に揺動する。操作ノブ19では、基部19aが第1下流側フィン17aに取り付けられることにより、操作部19cが第1下流側フィン17aと第2下流側フィン17bとの間に位置する。操作部19cには、厚さ方向の中央に位置する中心点Cが規定されるとともに、中心点を通って風の流通方向に直線状に延びる仮想の基準線Lが規定される。このレジスタ1では、左右方向から操作部19c及び第2揺動軸心X2を見た際、基準線Lと第2揺動軸心X2とが重なっている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状に形成され、内部を風が上流側から下流側に向う流通方向で流通する送風ダクトと、
第1方向に延びる板状をなし、前記送風ダクト内に設けられた上流側フィンと、
前記送風ダクト内において、前記上流側フィンよりも前記流通方向の前記下流側に設けられ、前記第1方向に直交する第2方向に延びる板状をなすとともに、前記第1方向に所定の間隔を有して接続された偶数枚の下流側フィンと、
前記上流側フィン及び前記各下流側フィンを操作可能な操作ノブとを備え、
前記送風ダクトは、前記流通方向の前記下流側の端部に位置する送風口を有し、
前記上流側フィンは、前記第1方向に延びる第1揺動軸心周りで前記第2方向に揺動可能であり、
前記各下流側フィン同士は、前記第2方向に延びる共通の第2揺動軸心周りで前記第1方向に一体に揺動可能であり、
前記各下流側フィンのうち、前記送風口における前記第1方向の中央を挟んで対向する一方の下流側フィンは特定フィンとされ、前記送風口における前記第1方向の中央を挟んで前記特定フィンに対向する下流側フィンは隣接フィンとされ、
前記操作ノブは、前記特定フィンに取り付けられた基部と、
所定の厚みを有して形成され、前記基部に接続されて前記特定フィンと前記隣接フィンとの間に位置する操作部とを有し、
前記操作部には、厚さ方向の中央に位置する中心点が規定されるとともに、前記中心点を通って前記流通方向に直線状に延びる仮想の基準線が規定され、
前記第2方向から前記操作部及び前記第2揺動軸心を見た際、前記基準線と前記第2揺動軸心とが重なっていることを特徴とするレジスタ。
【請求項2】
前記下流側フィンは2枚である請求項1記載のレジスタ。
【請求項3】
前記送風口は車室に臨み、
前記第1方向は前記車室の上下方向であり、前記第2方向は前記車室の左右方向であり、
前記隣接フィンは、前記特定フィンの上方に配置され、
前記操作部は、前記基部から上方に延びて前記特定フィンと前記隣接フィンとの間に位置している請求項2記載のレジスタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレジスタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の
図4及び
図5に従来のレジスタが開示されている。このレジスタは、送風ダクトと、5枚の上流側フィンと、4枚の下流側フィンと、操作ノブとを備えている。送風ダクトは、略矩形の筒状に形成されており、内部を風が上流側から下流側に向う流通方向で流通可能となっている。また、送風ダクトは、送風口を有している。送風口は、送風ダクトにおいて流通方向の下流側の端部に位置している。
【0003】
各上流側フィンは、それぞれ第1方向に延びる板状をなしている。各上流側フィン同士は、第1方向に直交する第2方向に等間隔で配置された状態で送風ダクト内に設けられている。各上流側フィン同士は、第2方向で互いに連結されている。
【0004】
各下流側フィンは、それぞれ第2方向に延びる板状をなしている。各下流側フィン同士は、第1方向に等間隔で配置された状態で送風ダクト内に設けられている。ここで、各下流側フィンは、送風ダクト内において各上流側フィンよりも下流側に設けられている。各下流側フィン同士は、第1方向で互いに連結されている。なお、同文献において、第1方向は具体的にはレジスタの上下方向であり、第2方向はレジスタの左右方向である。
【0005】
各上流側フィンは、それぞれ上下方向に延びる第1揺動軸心周りで左右方向に揺動可能となっており、各下流側フィンは、それぞれ左右方向に延びる第2揺動軸心周りで上下方向に揺動可能となっている。また、各下流側フィンのうち、送風口における上下方向の中央を挟んで対向する一方の下流側フィンは特定フィンであり、送風口における上下方向の中央を挟んで特定フィンに対向する下流側フィンは隣接フィンである。
【0006】
操作ノブは、基部と操作部とを有している。基部は、特定フィンに取り付けられている。操作部は、所定の厚みを有する略矩形のブロック状に形成されている。操作部は、基部に接続されており、特定フィンと隣接フィンとの間に位置している。
【0007】
このレジスタでは、レジスタの操作者が操作部を指で摘まみつつ、操作ノブを操作することにより、各上流側フィン及び各下流側フィンを操作可能となっている。すなわち、操作ノブによって、各上流側フィンを各第1揺動軸心周りで揺動させることができるとともに、各下流側フィンを各第2揺動軸心周りで揺動させることができる。こうして、このレジスタでは、送風口から流出する風の向きを操作者が所望する方向に変更させることができる。
【0008】
また、このレジスタでは、操作部が基部に接続されて特定フィンと隣接フィンとの間、すなわち、送風口における上下方向の略中央に位置している。これにより、このレジスタでは、操作部、ひいては、操作ノブを送風口における上下方向の略中央に位置させるに当たって、特定フィンと隣接フィンとの間に下流側フィンをさらに設ける必要がない。換言すれば、このレジスタでは、各下流側フィンを上下方向に等間隔で配置しつつも、上下方向の中央に下流側フィンが存在するように、下流側フィンの枚数を奇数とする必要がない。
【0009】
こうして、このレジスタでは、下流側フィンを偶数である4枚としつつも、送風口における上下方向の略中央に操作部が位置することにより、美観が高くなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、上記従来のレジスタでは、各下流側フィンがそれぞれ異なる第2揺動軸心周りで揺動する。つまり、このレジスタでは、4枚の下流側フィンに応じて、4つの第2揺動軸心が存在する。また、このレジスタにおいて、操作部の厚さ方向の中央に中心点を規定するとともに、この中心点を通って風の流通方向に直線状に延びる基準線を規定する。そして、このように中心点及び基準線を規定した状態で、このレジスタについて、左右方向から操作部及び各第2揺動軸心を見た際、基準線は、各第2揺動軸心のいずれとも重なることがない。
【0012】
このため、このレジスタでは、操作者が操作部を摘まみつつ、操作ノブによって各上流側フィン及び各下流側フィンを操作した際、各下流側フィンは、基準線、ひいては、操作部の中心点とは重ならない位置にある各第2揺動軸心を揺動の中心としてそれぞれ上下方向に揺動することになる。この結果、レジスタでは、操作ノブによって各下流側フィンを上下方向に揺動させた際、操作者が違和感を覚え易い。
【0013】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、偶数枚の下流側フィンを備えつつも高い美観を発揮可能であるとともに、操作感に優れたレジスタを提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のレジスタは、筒状に形成され、内部を風が上流側から下流側に向う流通方向で流通する送風ダクトと、
第1方向に延びる板状をなし、前記送風ダクト内に設けられた上流側フィンと、
前記送風ダクト内において、前記上流側フィンよりも前記流通方向の前記下流側に設けられ、前記第1方向に直交する第2方向に延びる板状をなすとともに、前記第1方向に所定の間隔を有して接続された偶数枚の下流側フィンと、
前記上流側フィン及び前記各下流側フィンを操作可能な操作ノブとを備え、
前記送風ダクトは、前記流通方向の前記下流側の端部に位置する送風口を有し、
前記上流側フィンは、前記第1方向に延びる第1揺動軸心周りで前記第2方向に揺動可能であり、
前記各下流側フィン同士は、前記第2方向に延びる共通の第2揺動軸心周りで前記第1方向に一体に揺動可能であり、
前記各下流側フィンのうち、前記送風口における前記第1方向の中央を挟んで対向する一方の下流側フィンは特定フィンとされ、前記送風口における前記第1方向の中央を挟んで前記特定フィンに対向する下流側フィンは隣接フィンとされ、
前記操作ノブは、前記特定フィンに取り付けられた基部と、
所定の厚みを有して形成され、前記基部に接続されて前記特定フィンと前記隣接フィンとの間に位置する操作部とを有し、
前記操作部には、厚さ方向の中央に位置する中心点が規定されるとともに、前記中心点を通って前記流通方向に直線状に延びる仮想の基準線が規定され、
前記第2方向から前記操作部及び前記第2揺動軸心を見た際、前記基準線と前記第2揺動軸心とが重なっていることを特徴とする。
【0015】
本発明のレジスタでは、偶数枚の下流側フィンのうち、特定フィンと対向フィンとが送風口における第1方向の中央を挟んで対向する。また、操作ノブが基部と操作部とを有しており、操作部は基部に接続されている。そして、このレジスタでは、基部が特定フィンに取り付けられることにより、操作部が特定フィンと隣接フィンとの間に位置する。これにより、このレジスタでは、下流側フィンを偶数枚としつつも、操作部を送風口における上下方向の略中央に位置させることができる。
【0016】
また、このレジスタでは、各下流側フィンが共通の第2揺動軸心周りで第1方向に一体に揺動可能である。つまり、各下流側フィンが第1方向に揺動する際の揺動の中心は共通である。さらに、操作部は、厚さ方向の中心に位置する中心点と、この中心点を通って流通方向に延びる仮想の基準線とが規定されている。
【0017】
そして、このレジスタでは、第2方向から操作部及び第2揺動軸心を見た際、基準線と第2揺動軸心とが重なっている。これにより、このレジスタでは、操作者が操作部を摘まみつつ、操作ノブによって各下流側フィンを操作した際、各下流側フィンは、基準線、ひいては、操作部の中心点と風の流通方向で重なる位置にある第2揺動軸心を揺動の中心として第1方向に揺動する。こうして、このレジスタによれば、操作ノブによって各下流側フィンを操作した際に、操作者は、ほぼ違和感を覚えることがない。
【0018】
したがって、本発明のレジスタは、偶数枚の下流側フィンを備えつつも高い美観を発揮可能であるとともに、操作感に優れている。
【0019】
下流側フィンは2枚であることが好ましい。この場合には、構成を簡素化できるため、レジスタを低コスト化することができる。また、このレジスタでは、下流側フィンが風の流通を妨げ難くなるため、送風口から流出する風の圧力損失を抑制できる。
【0020】
送風口は車室に臨み得る。また、第1方向は車室の上下方向であり、第2方向は車室の左右方向であり得る。さらに、隣接フィンは、特定フィンの上方に配置され得る。そして、操作部は、基部から上方に延びて特定フィンと隣接フィンとの間に位置していることが好ましい。このような構成であれば、上記の作用効果を好適に発揮できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明のレジスタは、偶数枚の下流側フィンを備えつつも高い美観を発揮可能であるとともに、操作感に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、実施例のレジスタが設けられたインスツルメントパネル等を示す正面図である。
【
図2】
図2は、実施例のレジスタを示す正面図である。
【
図3】
図3は、実施例のレジスタを示す斜視図である。
【
図4】
図4は、実施例のレジスタを示す分解斜視図である。
【
図5】
図5は、実施例のレジスタに係り、
図2のA-A断面を示す断面図である。
【
図6】
図6は、比較例のレジスタを示す正面図である。
【
図7】
図7は、比較例のレジスタに係り、
図6のB-B断面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。
【0024】
図1に示すように、実施例のレジスタ1は、車両のインスツルメントパネル3に設けられている。インスツルメントパネル3は、車室CR内に配置されている。これにより、レジスタ1も車室CR内に位置している。
【0025】
本実施例では、
図1~
図3に示す実線矢印によって、車室CR及びレジスタ1の上下方向、左右方向及び前後方向を規定している。上下方向は、本発明における「第1方向」の一例である。また、左右方向は、本発明における「第2方向」の一例である。これらの上下方向、左右方向及び前後方向は、互いに直交する関係にある。そして、
図4以降では、
図1~
図3に対応して、上下方向、左右方向及び前後方向を規定している。
【0026】
インスツルメントパネル3は、車室CRの前方に配置されており、車室CRの左右方向に延びている。また、インスツルメントパネル3には、レジスタ1の他に、ステアリングホイール3a等が設けられている。また、車室CR内において、インスツルメントパネル3の後方には、車両の運転者が着座する運転席5と、同乗者が着座する助手席7とが設けられている。これらの運転席5及び助手席7は、レジスタ1及びインスツルメントパネル3と前後方向で対向している。
【0027】
レジスタ1は、インスツルメントパネル3に対して4つ設けられており、インスツルメントパネル3の左右方向に所定の間隔を設けて配置されている。各レジスタ1は、いずれも同一の構成である。
【0028】
図2~
図4に示すように、レジスタ1は、送風ダクト11と、第1~5上流側フィン13a~13eと、第1連結アーム15と、下流側フィンユニット17と、操作ノブ19とを備えている。
【0029】
送風ダクト11は樹脂製である。送風ダクト11は、レジスタ1がインスツルメントパネル3に設けられることにより、インスツルメントパネル3内に配置されている。送風ダクト11は、略矩形の筒状に形成されており、内部を風が車室CRの前方側から後方側に向う流通方向で流通可能となっている。つまり、車室CR及びレジスタ1の前後方向が本発明における「流通方向」となる。より具体的には、車室CR及びレジスタ1の前方側が風の流通方向の上流側となり、車室CR及びレジスタ1の後方側が風の流通方向の下流側となる。なお、送風ダクト11を金属製としても良い。
【0030】
図3及び
図4に示すように、送風ダクト11は、第1周壁部11aと、第2周壁部11bと、第3周壁部11cとを有している。第1周壁部11aは、前後方向に延びる略矩形の環状をなしており、送風ダクト11における前方側、つまり、風の流通方向の上流側に位置している。第2周壁部11bは、第1周壁部11aの前端と接続している。第2周壁部11bは、第1周壁部11aから前方に離隔するにつれて、次第に大型化する略矩形の環状をなしている。第3周壁部11cは、第2周壁部11bの前端と接続している。これにより、第3周壁部11cは、送風ダクト11における後方側、つまり、風の流通方向の下流側に位置している。第3周壁部11cは、前後方向に延びる略矩形の環状をなしている。ここで、第3周壁部11cは、第1周壁部11aよりも大型に形成されている。これらの第1~3周壁部11a~11cにより、送風ダクト11は、前方側に比べて後方側が大きい略矩形の筒状をなしている。
【0031】
また、第3周壁部11cは、送風口110を有している。送風口110は、第3周壁部11cの後端、すなわち、送風ダクト11における下流側の端部に位置している。送風口110は、第1~3周壁部11a~11cと同様、略矩形の環状をなしている。
図1に示すように、送風口110は、レジスタ1がインスツルメントパネル3に設けられることにより、車室CRに臨んでおり、運転席5及び助手席7と対向している。
【0032】
図4に示すように、第1周壁部11aには、第1周壁部11aを上下方向に貫通する5つの上流側挿通孔111が形成されている。一方、第3周壁部11cには、第3周壁部11cを左右方向に貫通する下流側挿通孔112が形成されている。つまり、下流側挿通孔112は、各上流側挿通孔111よりも風の流通方向の下流側に位置している。ここで、下流側挿通孔112は、第3周壁部11cにおいて、上下方向の中央に位置している。
【0033】
第1~5上流側フィン13a~13eは、それぞれ上下方向及び前後方向に延びる略矩形の板状に形成されている。第1~5上流側フィン13a~13eは、レジスタ1の左方から右方に向かって、第1上流側フィン13a、第2上流側フィン13b、第3上流側フィン13c、第4上流側フィン13d及び第5上流側フィン13eの順で等間隔に配置されている。つまり、第1~5上流側フィン13a~13eにおいて、第3上流側フィン13cは、左右方向の中央に位置している。
【0034】
また、第3上流側フィン13cには、左右方向に貫通する開口132が形成されている。このように、開口132が形成されることにより、第3上流側フィン13cには、開口132の前方側で上下方向に延びる柱部133が形成されている。
【0035】
また、第1~5上流側フィン13a~13eには、それぞれ第1揺動軸130と連結軸131とが設けられている。第1揺動軸130は、第1~5上流側フィン13a~13eの上下方向に延びている。連結軸131は、第1~5上流側フィン13a~13eの上方に向かって延びている。連結軸131は、第1~5上流側フィン13a~13eにおいて、第1揺動軸130よりも前方に配置されている。
【0036】
第1連結アーム15は、左右方向に延びる板状に形成されている。第1連結アーム15には、5つの連結孔151が形成されている。各連結孔151同士は、第1連結アーム15の左右方向に等間隔で配置されている。
【0037】
第1~5上流側フィン13a~13eは、それぞれ連結軸131を連結孔151に挿通している。これにより、第1~5上流側フィン13a~13eは、左右方向に等間隔に配置されつつ、第1連結アーム15によって互いに連結されている。
【0038】
そして、このように、第1連結アーム15によって互いに連結された状態で、第1~5上流側フィン13a~13eは送風ダクト11内に設けられている。これにより、
図2及び
図3に示すように、第1~5上流側フィン13a~13eは、送風口110内、ひいては、送風ダクト11内において、上下方向に延びている。また、第3上流側フィン13cは、送風口110内において、左右方向の中央に位置している。
【0039】
また、
図5に示すように、送風ダクト11内において、第1~5上流側フィン13a~13eは、それぞれ第1揺動軸130を上流側挿通孔111に挿通させている。これにより、第1~5上流側フィン13a~13eは、第1揺動軸130の軸心を第1揺動軸心X1として、第1揺動軸心X1周りで左右方向に揺動可能となっている。ここで、第1~5上流側フィン13a~13eは、第1連結アーム15によって互いに連結されていることから、第1~5上流側フィン13a~13eは、第1揺動軸心X1周りで左右方向に一体で揺動することになる。
【0040】
下流側フィンユニット17は樹脂製である。
図2に示すように、下流側フィンユニット17は、第1下流側フィン17aと、第2下流側フィン17bと、第1接続壁17cと、第2接続壁17dと、左第2揺動軸17eと、右第2揺動軸17fとで構成されている。
【0041】
第1下流側フィン17aは、下流側フィンユニット17における下端に位置しており、左右方向及び前後方向に延びる矩形の板状をなしている。第2下流側フィン17bは、第1下流側フィン17aの上方であって、下流側フィンユニット17における上端に位置している。第2下流側フィン17bは、第1下流側フィン17aと同様に、左右方向及び前後方向に延びる矩形の板状をなしている。これらの第1下流側フィン17aと第2下流側フィン17bとは、上下方向に間隔を設けつつ、互いに平行に延びている。
【0042】
第1接続壁17c及び第2接続壁17dは、それぞれ上下方向及び前後方向に延びる板状をなしている。第1接続壁17cと第2接続壁17dとは、互いの間に第1下流側フィン17a及び第2下流側フィン17bを配置しつつ、互いに平行に延びている。第1接続壁17cは、第1下流側フィン17aの左端と、第2下流側フィン17bの左端とに接続している。一方、第2接続壁17dは、第1下流側フィン17aの右端と、第2下流側フィン17bの右端とに接続している。
【0043】
これらの第1接続壁17c及び第2接続壁17dにより、第1下流側フィン17aと第2下流側フィン17bとは一体化されている。そして、第1下流側フィン17a、第2下流側フィン17b、第1接続壁17c及び第2接続壁17dにより、下流側フィンユニット17は、送風口110よりも小型の矩形の環状をなしている。
【0044】
左第2揺動軸17eは、第1接続壁17cに一体に形成されており、第1接続壁17cから左方に向かって延びている。右第2揺動軸17fは、第2接続壁17dに一体に形成されており、第2接続壁17dから右方に向かって延びている。これらの左第2揺動軸17e及び右第2揺動軸17fは、それぞれ第1、2接続壁17c、17dにおいて、上下方向及び前後方向の中央に配置されている。これにより、下流側フィンユニット17では、左第2揺動軸17e及び右第2揺動軸17fが同軸をなしている。
【0045】
下流側フィンユニット17は、送風ダクト11内において、第1下流側フィン17aが第2下流側フィン17bよりも下方に位置する状態で、送風ダクト11内に配置されている。これにより、送風ダクト11内において、下流側フィンユニット17は、第1~5上流側フィン13a~13eよりも後方側、つまり、風の流通方向の下流側に配置されている。
【0046】
そして、下流側フィンユニット17は、送風ダクト11内において、左第2揺動軸17e及び右第2揺動軸17fをそれぞれ下流側挿通孔112に挿通させている。これにより、第1下流側フィン17a及び第2下流側フィン17bを含め、下流側フィンユニット17は、左第2揺動軸17e及び右第2揺動軸17fの軸心を第2揺動軸心X2として、第2揺動軸心X2周りで上下方向に揺動可能となっている。つまり、第1下流側フィン17aと第2下流側フィン17bとは、共通の第2揺動軸心X2周りで上下方向に揺動する。
【0047】
ここで、下流側挿通孔112は、第3周壁部11cにおいて、上下方向の中央に位置している。また、下流側フィンユニット17において、左第2揺動軸17e及び右第2揺動軸17fは、上下方向及び前後方向の中央に配置されている。これらのため、左第2揺動軸17e及び右第2揺動軸17fが下流側挿通孔112に挿通されることにより、第2揺動軸心X2は、送風口110における上下方向の中央を通ってレジスタ1の左右方向に延びることになる。
【0048】
そして、下流側フィンユニット17において、第1下流側フィン17aと第2下流側フィン17bとは、送風口110における上下方向の中央、つまり、第2揺動軸心X2を挟んで上下に配置されることになる。これにより、送風口110の下端から第1下流側フィン17aまでの上下方向の間隔と、送風口110の上端から第2下流側フィン17bまでの上下方向の間隔とは、等しくなっている。換言すれば、このレジスタ1では、第1下流側フィン17a及び第2下流側フィン17bは、いずれも送風口110における上下方向の中央には位置していない。また、送風口110における上下方向の中央に位置する第1、2下流側フィン17a、17bとは別の下流側フィンも存在していない。
【0049】
図4及び
図5に示すように、操作ノブ19は、基部19aと、接続部19bと、操作部19cと、第1爪部19dと、第2爪部19eとを有している。操作ノブ19は樹脂製である。
【0050】
基部19aは、操作ノブ19における下部に位置している。基部19aは、前後方向及び上下方向に延びているとともに、第1下流側フィン17a及び第2下流側フィン17bよりも短い長さで左右方向に延びている。基部19aには、収容空間190が形成されている他、切欠き191が形成されている。収容空間190は、基部19aの内部に位置しており、基部19aの左右に開口している。収容空間190は、第1下流側フィン17aを収容可能に、第1下流側フィン17aよりも僅かに上下方向及び前後方向に大きく形成されている。
【0051】
切欠き191は、基部19aの後端から収容空間190に向かって延びており、収容空間190と接続している。このように切欠き191が形成されることにより、基部19aにおいて、後端から収容空間190までの間は、上下方向に分割されている。
【0052】
接続部19bは、基部19aの前端で基部19aと一体化されている。接続部19bは、基部19aから前方に傾斜しつつ上方に向かって延びている。なお、接続部19bにおける左右方向の長さは、基部19aにおける左右方向の長さと等しくなっている。
【0053】
操作部19cは、接続部19bの上端で接続部19bと一体化されている。これにより、操作部19cは、接続部19bを通じて基部19aと接続されている。操作部19cは、接続部19bから前方に向かって延びている。
【0054】
操作部19cは、中実をなす略矩形のブロック状をなしている。ここで、操作部19cにおける上下方向の最大の長さ、すなわち、操作部19cにおける厚さの最大は、第1厚さT1に設定されている。そして、操作部19cは、前方に向かうにつれて、第1厚さT1よりも徐々に薄くなる形状をなしている。また、操作部19cにおける左右方向の長さは、基部19a及び接続部19bにおける左右方向の長さと等しくなっている。なお、操作部19cの厚さは適宜設計可能である。
【0055】
また、
図5に示すように、操作部19cには、中心点Cと、仮想の基準線Lとが規定されている。中心点Cは、操作部19cにおける厚さ方向の中央に位置している。基準線Lは、中心点Cを通って風の流通方向、すなわち前後方向に直線状に延びている。
【0056】
図4に示すように、第1爪部19d及び第2爪部19eは、基部19aの後端に一体で設けられており、基部19aから後方に向かって延びている。より具体的には、第1爪部19d及び第2爪部19eは、基部19aから後方に向かうにつれて、上方に上り傾斜している。また、第2爪部19eは、第1爪部19dと左右対称の形状であり、基部19aの左右方向の中央を挟んで第1爪部19dと対向している。なお、第1爪部19d及び第2爪部19eの形状は適宜設計可能である。
【0057】
図5に示すように、操作ノブ19では、基部19aが第1下流側フィン17aに取り付けられている。基部19aを第1下流側フィン17aに取り付けるに当たっては、切欠き191を上下方向に広げるように基部19aを弾性変形させつつ、第1下流側フィン17aに対して基部19aを前方から接近させる。そして、切欠き191から収容空間190内に第1下流側フィン17aを進入させている。ここで、収容空間190は、第1下流側フィン17aよりも上下方向及び前後方向に大きく形成されている。このため、基部19aは、第1下流側フィン17aに取り付けられた状態で、第1下流側フィン17aに対して左右方向に移動可能となっている。なお、基部19aは、第1下流側フィン17aに取り付けられることにより、弾性変形によって、切欠き191を上下方向に広げる前の状態に復元する。このため、第1下流側フィン17aが切欠き191を通じて収容空間190から脱出することはない。
【0058】
このように、基部19aが第1下流側フィン17aに取り付けられることから、このレジスタ1では、第1下流側フィン17aが本発明における「特定フィン」となっている。そして、第2下流側フィン17bは、送風口110における上下方向の中央を挟んで特定フィンである第1下流側フィン17aに対向する関係にある。このため、第2下流側フィン17bは、本発明における「隣接フィン」となっている。
【0059】
また、基部19aが第1下流側フィン17aに取り付けられることにより、操作ノブ19では、第1爪部19dと第2爪部19eとが第3上流側フィン13cに向かって延びるとともに柱部133を挟持する。こうして、第1爪部19d及び第2爪部19eを通じて、基部19aが第3上流側フィン13cに連結される。
【0060】
さらに、基部19aが第1下流側フィン17aに取り付けられることにより、接続部19bは、第1下流側フィン17aから前方に傾斜しつつ上方に向かって延びる状態となる。そして、操作部19cは、上下方向において第1下流側フィン17aと第2下流側フィン17bとの間に位置している。
【0061】
より詳細には、このレジスタ1では、左右方向(
図5では、レジスタ1の左方向)から操作部19c及び第2揺動軸心X2を見た際、基準線Lと第2揺動軸心X2とが重なっている。つまり、操作部19cの厚さ方向の中央である中心点Cは、第2揺動軸心X2と前後方向で重なっている。
【0062】
このように、操作部19cは、第1下流側フィン17aと第2下流側フィン17bとの間において、上下方向の略中央、ひいては、送風口110における上下方向の略中央に位置している。ここで、「上下方向の略中央に位置する」とは、上下方向において正確に中央に位置する場合の他、製造時の公差に起因して上下方向の中央から僅かに上方又は下方にずれて位置する場合を含む概念である。
【0063】
以上のように構成されたレジスタ1は、
図1に示すインスツルメントパネル3に設けられることにより、送風ダクト11内を風が送風口110に向かって流通する。そして、送風口110から流出した風が車室CR内に向かって流通する。この際、車両の運転者や同乗者であるレジスタ1の操作者は、操作部19cを指で摘まみつつ、操作ノブ19を操作することにより、送風口110から車室CR内に向かって流通する風の向きを所望する方向に変更することができる。
【0064】
具体的には、操作部19cを指で摘まみつつ、第1下流側フィン17aに対して操作ノブ19を左右方向に移動させることにより、操作ノブ19は、第1爪部19d及び第2爪部19eを通じて、第3上流側フィン13cを第1揺動軸心X1周りで左右方向に揺動させる。ここで、第3上流側フィン13cは、第1連結アーム15を通じて第1、2上流側フィン13a、13b及び第4、5上流側フィン13d、13eと連結しているため、第1~5上流側フィン13a~13eは、第1揺動軸心X1周りで左右方向に一体で揺動することになる。こうして、このレジスタ1では、送風口110から車室CR内に向かって流通する風の向き左右方向に変更することができる。
【0065】
また、操作部19cを指で摘まみつつ、操作ノブ19を上下方向に移動させることにより、下流側フィンユニット17が第2揺動軸心X2周りで上下方向に揺動する。つまり、第1下流側フィン17a及び第2下流側フィン17bが第2揺動軸心X2周りで上下方向に一体で揺動する。こうして、このレジスタ1では、送風口110から車室CR内に向かって流通する風の向き上下方向に変更することができる。なお、このような操作ノブ19の左右方向の移動と上下方向の移動とを同時に行うことにより、このレジスタ1では、送風口110から車室CR内に向かって流通する風の向き左右方向及び上下方向に同時に変更することができる。
【0066】
そして、このレジスタ1では、操作ノブ19において、基部19aが第1下流側フィン17aに取り付けられることにより、操作部19cが第1下流側フィン17aと第2下流側フィン17bとの間に位置する。つまり、操作部19cは、第2揺動軸心X2の前方に位置して、第2揺動軸心X2と前後方向で重なっている。こうして、このレジスタ1では、送風ダクト11内において、第1~5上流側フィン13a~13eの下流側に第1下流側フィン17a及び第2下流側フィン17bの2枚を設けつつも、操作部19cを送風口110における上下方向の略中央に位置させることが可能となっている。
【0067】
また、このレジスタ1では、基部19aを第1下流側フィン17aの左右方向の中央に位置させることにより、操作部19cについて、第1下流側フィン17a及び第2下流側フィン17bにおける左右方向の中央、ひいては、送風口110における上下方向及び左右方向の略中央に位置させることが可能となっている。
【0068】
さらに、このレジスタ1では、操作部19cを送風口110における上下方向の略中央に位置させつつも、操作者が操作部19cを指で摘まみつつ、操作ノブ19によって第1下流側フィン17a及び第2下流側フィン17bを操作した際にほぼ違和感を覚えることがない。この作用について、比較例のレジスタ100との対比を基に説明する。
【0069】
図6及び
図7に示すように、比較例のレジスタ100についても、実施例のレジスタ1と同様、送風ダクト11、第1~5上流側フィン13a~13e及び操作ノブ19を備えている。ここで、比較例のレジスタ100では、下流側フィンユニット17に換えて、第3下流側フィン21と、第4下流側フィン22と、第2連結アーム23とを備えている。
【0070】
第3下流側フィン21及び第4下流側フィン22は、左右方向及び前後方向に延びる板状をなしている。また、第3下流側フィン21には、左右方向に延びる第3揺動軸21aが設けられており、第4下流側フィン22には、左右方向に延びる第4揺動軸22aが設けられている。
【0071】
第2連結アーム23は、上下方向に延びる板状に形成されている。第2連結アーム23は、第3下流側フィン21及び第4下流側フィン22の右側に配置されており、第3揺動軸21a及び第4揺動軸22aの右側が挿通されている。これにより、第2連結アーム23は、第3下流側フィン21が第4下流側フィン22下方に位置する状態で、第3下流側フィン21と第4下流側フィン22とを上下方向に連結している。
【0072】
比較例のレジスタ100では、第2連結アーム23によって、第3下流側フィン21と第4下流側フィン22とを上下方向に連結した状態で、第3下流側フィン21と第4下流側フィン22とがそれぞれ送風ダクト11に設けられている。これにより、比較例のレジスタ100においても、第3下流側フィン21と第4下流側フィン22とは、送風口110における上下方向の中央を挟んで上下に配置されている。
【0073】
そして、第3下流側フィン21は、第3揺動軸21aの軸心を第3揺動軸心X3として、第3揺動軸心X3周りで上下方向に揺動可能となっている。また、第4下流側フィン22は、第4揺動軸22aの軸心を第4揺動軸心X4として、第4揺動軸心X4周りで上下方向に揺動可能となっている。この際、第2連結アーム23によって互いに連結されていることから、第3下流側フィン21と第4下流側フィン22とは、上下方向に一体で揺動することになる。
【0074】
また、比較例のレジスタ100では、操作ノブ19において、基部19aが第3下流側フィン21に取り付けられることにより、操作部19cが第3下流側フィン21と第4下流側フィン22との間に位置している。これにより、比較例のレジスタ100においても、操作部19cが送風口110における上下方向の略中央に位置している。
【0075】
比較例のレジスタ100においても、操作部19cを指で摘まみつつ、操作ノブ19を上下方向に移動させることにより、第3、4下流側フィン21、22を上下方向に揺動させることが可能となっている。また、実施例1のレジスタ1と同様、比較例のレジスタ100においても、操作部19cを指で摘まみつつ、操作ノブ19を左右方向に移動させることにより、第1~5上流側フィン13a~13eを左右方向に一体で揺動させることが可能となっている。
【0076】
ここで、比較例のレジスタ100では、第3、4下流側フィン21、22が異なる第3、4揺動軸心X3、X4周りでそれぞれ揺動する。そして、第3下流側フィン21が第4下流側フィン22下方に位置するため、第3揺動軸心X3は、送風口110における上下方向の中央を挟んで第4揺動軸心X4の下方に位置している。このように、比較例のレジスタ100では、第3下流側フィン21及び第4下流側フィン22のいずれについても、送風口110における上下方向の中央に配置しておらず、また、第3揺動軸心X3及び第4揺動軸心X4のいずれについても、送風口110における上下方向の中央に位置していない。
【0077】
このため、比較例のレジスタ100では、
図7に示すように、左右方向(
図7では、レジスタ100の左方向)から操作部19c及び第3、4揺動軸心X3、X4を見た際、基準線Lは、第3揺動軸心X3及び第4揺動軸心X4のいずれとも重なることがない。
【0078】
これにより、比較例のレジスタ100において、第3下流側フィン21は、操作部19cの中心点Cよりも上方に位置する第3揺動軸心X3を揺動の中心として上下方向に揺動し、第4下流側フィン22は、操作部19cの中心点Cよりも下方に位置する第4揺動軸心X4を揺動の中心として上下方向に揺動する。この結果、比較例のレジスタ100では、操作者が操作部19cを指で摘まみつつ、操作ノブ19によって第3下流側フィン21及び第4下流側フィン22を操作した際に違和感を覚え易くなっている。
【0079】
これに対し、実施例のレジスタ1では、操作ノブ19を上下方向に移動させることにより、第1下流側フィン17a及び第2下流側フィン17bが共通の第2揺動軸心X2周りで揺動する。そして、実施例のレジスタ1では、左右方向から操作部19c及び第2揺動軸心X2を見た際、基準線Lと第2揺動軸心X2とが重なる関係にある。
【0080】
これにより、実施例のレジスタ1では、操作者が操作部19cを摘まみつつ、操作ノブ19によって第1下流側フィン17a及び第2下流側フィン17bを操作した際、第1下流側フィン17a及び第2下流側フィン17bは、基準線L、ひいては、操作部19cの中心点Cと前後方向で重なる位置にある第2揺動軸心X2を揺動の中心として上下方向に揺動する。この結果、実施例のレジスタ1では、操作者が操作部19cを指で摘まみつつ、操作ノブ19によって第1下流側フィン17a及び第2下流側フィン17bを操作した際に、ほぼ違和感を覚えることがない。
【0081】
したがって、実施例のレジスタ1は、第1下流側フィン17a及び第2下流側フィン17bの2枚の下流側フィンを備えつつも、高い美観を発揮可能であるとともに、操作感に優れている。
【0082】
特に、このレジスタ1では、下流側フィンユニット17が第1下流側フィン17aと、第2下流側フィン17bの2枚の下流側フィンを有している。これにより、このレジスタ1では、下流側フィンユニット17が4枚や6枚の下流側フィンを有している場合に比べて、下流側フィンユニット17の構成を簡素化することが可能となっている。これにより、このレジスタ1では、低コスト化も実現している。
【0083】
また、このレジスタ1では、下流側フィンが第1下流側フィン17a及び第2下流側フィン17bの2枚となることにより、第1下流側フィン17a及び第2下流側フィン17bが風の流通を妨げ難くなっている。これにより、このレジスタ1では、送風口110から流出する風の圧力損失を抑制できる。
【0084】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0085】
例えば、実施例のレジスタ1では、上下方向を本発明における第1方向とし、左右方向を本発明における第2方向としている。しかし、これに限らず、左右方向を本発明における第1方向とし、上下方向を本発明における第2方向としても良い。つまり、送風ダクト11内において、第1~5上流側フィン13a~13eが左右方向に延び、第1下流側フィン17a及び第2下流側フィン17bが上下方向に延びる構成としても良い。
【0086】
また、実施例のレジスタ1では、第1~5上流側フィン13a~13eの5枚の上流側フィンを備えているが、これに限らず、上流側フィンの枚数は適宜設計可能である。この際、上流側フィンの枚数は偶数でも奇数でも良い。
【0087】
さらに、実施例のレジスタ1では、第1下流側フィン17a及び第2下流側フィン17bの2枚の下流側フィンを備えているが、これに限らず、下流側フィンの枚数は偶数であれば適宜設計可能である。
【0088】
また、実施例のレジスタ1は、インスツルメントパネル3に設けられているが、これに限らず、レジスタ1は、車室CRの天井等に設けられても良い。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、車両の空調装置等に利用可能である。
【符号の説明】
【0090】
1…レジスタ
11…送風ダクト
13a~13e…第1~5上流側フィン(上流側フィン)
17a…第1下流側フィン(下流側フィン、特定フィン)
17b…第2下流側フィン(下流側フィン、隣接フィン)
19…操作ノブ
19a…基部
19c…操作部
110…送風口
C…中心点
CR…車室
L…基準線
X1…第1揺動軸心
X2…第2揺動軸心