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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022134746
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】検知部取付構造及び作業機械
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/24 20060101AFI20220908BHJP
【FI】
E02F9/24 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021034110
(22)【出願日】2021-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高安 和也
(72)【発明者】
【氏名】福本 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】芳賀 菖
【テーマコード(参考)】
2D015
【Fターム(参考)】
2D015GA03
2D015GB06
2D015GB07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】作業性を向上することができる検知部取付構造及び作業機械を提供する。
【解決手段】検知部取付構造は、作業機械の側面側及び後面側を含む少なくとも2箇所に設けられ、作業機械の周囲を検知する複数の検知部41、42と、作業機械のフレームに支持され、複数の検知部41,42の少なくとも2つを取り付け可能な第一取付部材100と、を備え、第一取付部材100は、フレームに対して作業機械の側面側及び後面側を含む少なくとも2箇所で取り付けられている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械の側面側及び後面側を含む少なくとも2箇所に設けられ、前記作業機械の周囲を検知する複数の検知部と、
前記作業機械のフレームに支持され、前記複数の検知部の少なくとも2つを取り付け可能な第一取付部材と、を備え、
前記第一取付部材は、前記フレームに対して前記作業機械の側面側及び後面側を含む少なくとも2箇所で取り付けられている
検知部取付構造。
【請求項2】
前記複数の検知部の少なくとも2つは、
前記作業機械の右方を撮像する右カメラと、
前記作業機械の後方を撮像する後カメラと、であり、
前記右カメラ及び前記後カメラのそれぞれは、前記第一取付部材よりも車体内方に配置されている
請求項1に記載の検知部取付構造。
【請求項3】
前記第一取付部材は、平面視で湾曲する曲げ部を有し、
前記複数の検知部の少なくとも1つは、前記曲げ部に取り付けられている
請求項1または2に記載の検知部取付構造。
【請求項4】
前記複数の検知部は、前記作業機械の左方を撮像する左カメラを含み、
前記フレームに対して着座位置とチルト位置との間で移動可能なチルトフロアに支持され、前記左カメラを取り付け可能な第二取付部材を更に備える
請求項1から3のいずれか一項に記載の検知部取付構造。
【請求項5】
前記第二取付部材は、前記チルトフロアに対して複数箇所で取り付けられている
請求項4に記載の検知部取付構造。
【請求項6】
前記左カメラは、前記第二取付部材よりも車体内方に配置されている
請求項4または5に記載の検知部取付構造。
【請求項7】
前記複数の検知部は、鉛直方向において1m以上2m以下の高さ範囲に配置されている
請求項1から6のいずれか一項に記載の検知部取付構造。
【請求項8】
前記第一取付部材は、前記複数の検知部の少なくとも2つのうち一方が取り付けられる部分と他方が取り付けられる部分とを橋渡す橋渡し部を備える
請求項1から7のいずれか一項に記載の検知部取付構造。
【請求項9】
鉛直方向に沿って延び、前記第一取付部材と前記フレームとを連結する連結部材を更に備える
請求項1から8のいずれか一項に記載の検知部取付構造。
【請求項10】
前記複数の検知部の少なくとも1つと前記フレームに設けられた制御部とをつなぐ配線を更に備え、
前記配線は、前記フレームに対して着座位置とチルト位置との間で移動可能なチルトフロアを避けて配置されている
請求項1から9のいずれか一項に記載の検知部取付構造。
【請求項11】
作業機械の周囲を検知する複数の検知部と、
作業機械のフレームに対して着座位置とチルト位置との間で移動可能なチルトフロアに支持され、前記複数の検知部の少なくとも1つを取り付け可能な取付部材と、を備える
検知部取付構造。
【請求項12】
フレームと、
前記フレームの上方に設けられたキャブと、
請求項1から11のいずれか一項に記載の検知部取付構造と、を備える
作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検知部取付構造及び作業機械に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベル等の作業機械(作業車両)としては、車両の周辺に存在する障害物を運転者が視認できるように、車体後方や車体側方に複数のカメラを設けたものが知られている。
例えば、下記特許文献1には、複数のカメラとして、上部旋回体の右側側面下部に設けられて上部旋回体の右後方を撮像するカメラC3と、上部旋回体の後方に配置されるカウンタウェイトの後方下部中央に設けられて上部旋回体の後方を撮像するカメラC4と、上部旋回体の左側側面下部に設けられて上部旋回体の左後方を撮像するカメラC5と、を備えた構成が開示されている。
例えば、下記特許文献2には、複数のカメラとして、上部旋回体の左後方に設けられて油圧ショベルの左側方を撮像する左後方カメラと、上部旋回体の右後方に設けられて油圧ショベルの右後方を撮像する右後方カメラと、上部旋回体の後部略中央に設けられて油圧ショベルの後方を撮像する後方カメラと、を備えた構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2016/174977号
【特許文献2】国際公開第2016/047806号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の場合、カメラC3は上部旋回体の右側側面下部に設けられ、カメラC4はカウンタウェイトの後方下部中央に設けられ、カメラC5は上部旋回体の左側側面下部に設けられている。
特許文献2の場合、左後方カメラは上部旋回体の左後方に設けられ、右後方カメラは上部旋回体の右後方に設けられ、後方カメラは上部旋回体の後部略中央に設けられている。
これら特許文献1及び2では、各カメラを所定位置に設置する場合、それぞれ異なる取付部材を介して車体に取り付ける必要がある。カメラの設置数に応じて取付部材を要するため、作業性を向上する上で改善の余地がある。
【0005】
そこで本発明は、作業性を向上することができる検知部取付構造及び作業機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る検知部取付構造は、作業機械の側面側及び後面側を含む少なくとも2箇所に設けられ、前記作業機械の周囲を検知する複数の検知部と、前記作業機械のフレームに支持され、前記複数の検知部の少なくとも2つを取り付け可能な第一取付部材と、を備え、前記第一取付部材は、前記フレームに対して前記作業機械の側面側及び後面側を含む少なくとも2箇所で取り付けられている。
【発明の効果】
【0007】
上記態様によれば、作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る油圧ショベルの側面図。
図2】実施形態に係る油圧ショベルの上面図。
図3】実施形態に係るキャブのチルト動作を右後方から見た斜視図。
図4】実施形態に係るキャブがチルトアップした状態を左上方から見た斜視図。
図5】実施形態に係る右サイドカバーの開閉動作を示す後面図。
図6】実施形態に係る土砂カバーの開閉動作を右後方から斜視図。
図7】実施形態に係るカメラの配置を示す上面図。
図8】実施形態の係るカメラの配置を示す後面図。
図9】実施形態に係る第一取付部材の周辺を右後方から見た斜視図。
図10】実施形態に係る第一取付部材を左前方から見た斜視図。
図11】実施形態に係る右カメラを含む周辺を右後方から見た斜視図。
図12】実施形態に係る後カメラを含む周辺を右後方から見た斜視図。
図13】実施形態に係る連結部材を含む周辺を右前方から見た斜視図。
図14】実施形態に係る右カメラ及び後カメラの配線束の配置を説明するための斜視図。
図15】実施形態に係る左カメラを含む周辺を左前方から見た斜視図。
図16】実施形態に係る第二取付部材を右前方から見た斜視図。
図17】実施形態に係る左カメラの配線の配置を説明するための斜視図。
図18】実施形態の変形例に係る第一取付部材の周辺を右後方から見た斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態においては、作業機械(作業車両)の一例として油圧ショベルを挙げて説明する。例えば、実施形態の油圧ショベルは、歩行者が通る道路等の工事現場などで使用される小型油圧ショベルである。
【0010】
<作業機械>
図1に示すように、作業機械としての油圧ショベル1は、自走可能な下部走行体2と、下部走行体2上に旋回自在に設けられた上部旋回体3と、上部旋回体3に対して屈曲起伏自在に動作する作業機4と、を備える。以下、油圧ショベル1の前進方向、後進方向及び車両幅方向を「車両前方(車両前後方向一方側)」、「車両後方(車両前後方向他方側)」及び「車両幅方向」と称する。車両幅方向は、「左側(車両幅方向一方側)」又は「右側(車両幅方向他方側)」と称する場合もある。油圧ショベル1が前進する方向に対して右手を右側、油圧ショベル1が前進する方向に対して左手を左側と称する。油圧ショベル1が水平面に配置された状態の上下方向、上方及び下方を単に「上下方向」、「上方」及び「下方」と称する。
【0011】
図2に示すように、作業機4は、上部旋回体3の車両幅方向中央に対して右側にオフセットして配置されている。図1に示すように、作業機4は、ブーム10、アーム11、バケット12、ブームシリンダ13、アームシリンダ14及びバケットシリンダ15を備える。ブーム10の基端部は、上部旋回体3に対して回転可能に連結されている。ブーム10の先端部は、アーム11の基端部に対して回転可能に連結されている。アーム11の先端部は、バケット12に対して回転可能に連結されている。例えば、ブームシリンダ13、アームシリンダ14及びバケットシリンダ15は、不図示の油圧ポンプから吐出された作動油によって駆動する油圧シリンダである。
【0012】
上部旋回体3は、下部走行体2に対して旋回可能に連結されたキャブベース20と、キャブベース20上に設けられたキャブ21と、上部旋回体3の右側後部に装着された右サイドカバー22(図3参照)と、上部旋回体3の右側前部に装着された土砂カバー23(図3参照)と、上部旋回体3の後部に装着されたリアカバー24と、上部旋回体3の骨格となるフレーム25と、油圧ショベル1の周囲を検知するための検知部取付構造40と、を備える。図2の上面視で、上部旋回体3の左右側部及び後部は、車体外方に向かって湾曲する形状を有する。
【0013】
図2に示すように、キャブ21は、上部旋回体3の左側に配置されている。図3に示すように、キャブ21の下方の空間には、例えば、エンジン、油圧ポンプ等の各種装置27が設けられている。キャブ21は、矢印TU方向(チルトアップ方向)及び矢印TD方向(チルトダウン方向)に回動可能とされている。以下、キャブ21が矢印TU方向に回動する前の初期位置を「着座位置」と称する。以下、キャブ21を着座位置から矢印TU方向に所定の回動角度だけ回転させた位置を「チルト位置」と称する。オペレータは、例えば油圧シリンダやクレーン等の操作用動力を用いることにより、キャブ21を矢印TU方向に回動させる。これにより、各種装置27の上側が露出する。
【0014】
リアカバー24は、矢印B1方向(開き方向)及び矢印B2方向(閉じ方向)に回動可能とされている。例えば、各種装置27の点検(例えば、エンジン点検)や整備を行う場合、オペレータは、リアカバー24を矢印B1方向に開ける。
【0015】
図5に示すように、右サイドカバー22は、矢印D1方向(開き方向)及び矢印D2方向(閉じ方向)に回動可能とされている。キャブ21の後部右側方の空間には、バッテリ、ラジエータ、オイルクーラ等の各種装置28が設けられている。例えば、各種装置28の点検や整備(例えば、清掃)を行う場合、オペレータは、右サイドカバー22を矢印D1方向に開ける。
【0016】
図6に示すように、土砂カバー23は、矢印F1方向(開き方向)及び矢印F2方向(閉じ方向)に回動可能とされている。キャブ21の前部右側方の空間には、燃料タンクや作動油タンク等の各種タンク29が設けられている。例えば、各種タンク29の補給を行う場合、オペレータは、土砂カバー23を矢印F1方向に開ける。
【0017】
図1に示すように、キャブ21は、水平に沿って延びる天板30を備える。天板30の前側下部には、モニタ31が設けられている。例えば、モニタ31は、タッチパネル等の入出力装置である。モニタ31は、複数のカメラ41~43(図7参照、図1では後カメラ42及び左カメラ43を図示)によって取得された画像を結合して表示可能である。
【0018】
なお、モニタ31は、複数のカメラによって取得された油圧ショベル1の周囲状況を俯瞰画像及び単カメラ画像として表示可能であってもよい。また、モニタ31は、エンジンや油圧ポンプ等の状態を含む各種情報を表示可能であってもよい。例えば、モニタ31は、エンジン水温、油温、燃料の残量等の機械ゲージ表示、機器の異常等を示す故障情報表示、オペレータが各種設定を行うためのユーザーメニュー表示等を表示可能であってもよい。
【0019】
キャブ21の後部には、ランプ32が設けられている。ランプ32は、複数のカメラによって障害物(例えば人)が検知された場合に発光する。例えば、ランプ32は、油圧ショベル1と障害物との距離に応じて発光レベル(警報レベル)を変えてもよい。
【0020】
キャブ21の後部には、ブザー33が内蔵されている。ブザー33は、複数のカメラによって障害物(例えば人)が検知された場合に発音する。例えば、ブザー33は、油圧ショベル1と障害物との距離に応じて発音レベル(警報レベル)を変えてもよい。
【0021】
<検知部取付構造>
図7に示すように、検知部取付構造40は、油圧ショベル1の周囲を検知する複数(例えば本実施形態では3つ)のカメラ41~43(検知部)と、3つのカメラ41~43のうち2つを取り付け可能な第一取付部材100と、残りの1つを取り付け可能な第二取付部材200と、を備える。
【0022】
<検知部>
3つのカメラ41~43は、油圧ショベル1の右方を撮像する右カメラ41と、油圧ショベル1の後方を撮像する後カメラ42と、油圧ショベル1の左方を撮像する左カメラ43と、である。右カメラ41は、油圧ショベル1の右側面側に設けられている。後カメラ42は、油圧ショベル1の後面側に設けられている。左カメラ43は、油圧ショベル1の左側面側に設けられている。例えば、各カメラ41~43は、CCD(Charge-Coupled Device)である。なお、各カメラ41~43は、ワイドダイナミックレンジ機能を有してもよい。
【0023】
図7の上面視で、右カメラ41、後カメラ42及び左カメラ43のそれぞれは、上部旋回体3の外周縁よりも車体内方に配置されている。図7の上面視で、右カメラ41及び後カメラ42のそれぞれは、第一取付部材100よりも車体内方に配置されている。図7の上面視で、左カメラ43は、第二取付部材200よりも車体内方に配置されている。
【0024】
図7の上面視で、各カメラ41~43の水平方向の視野範囲AH(水平画角AH)は、例えば100°以上180°以下となっている。隣り合うカメラ(右カメラ41及び後カメラ42、並びに後カメラ42及び左カメラ43)の水平画角AHはオーバーラップしているため、油圧ショベル1の左右側面側及び後面側を好適に撮像することができる。
【0025】
図8の後面視で、各カメラ41~43の高さ方向の視野範囲AP(垂直画角AP)は、例えば、60°以上140°以下となっている。図8では、右カメラ41の垂直画角APのみを図示している。各カメラ41~43は、鉛直方向において1m以上2m以下の高さ範囲HRに配置されている。本実施形態では、各カメラ41~43は、鉛直方向において1.4m以上1.6m以下の高さ範囲に配置されている。このため、各カメラ41~43により、油圧ショベル1に近づいた障害物(例えば人)を好適に撮像することができる。
【0026】
<第一取付部材>
図9に示すように、第一取付部材100は、油圧ショベル1のフレーム25に支持されている。例えば、第一取付部材100は、ボルト等の締結部材によりフレーム25に対して着脱可能に取り付けられている。図7の上面視で、第一取付部材100は、上面視で上部旋回体3の右側後部と重なっている。第一取付部材100は、作業機4を避けて配置されている。第一取付部材100は、右カメラ41及び後カメラ42を取り付け可能である。第一取付部材100は、フレーム25に対して油圧ショベル1の右側面側及び後面側を含む少なくとも2箇所で取り付けられている。第一取付部材100は、油圧ショベル1の右側面側及び後面側に跨るように形成されている。
【0027】
図10に示すように、第一取付部材100は、右後側プレート110、右後側パイプ120、前連結ブラケット130及び後連結ブラケット140を備える。例えば、第一取付部材100の構成要素は、金属により形成されている。
【0028】
右後側プレート110は、右カメラ41及び後カメラ42(図7参照)が取り付けられる部材である。右後側プレート110は、水平に沿って延びる板状に形成されている。右後側プレート110は、上部旋回体3(図7参照)の右側外周縁に沿うように平面視で屈曲した形状を有する。右後側プレート110は、上部旋回体3(図7参照)の右側面側及び後面側に跨るように形成されている。
【0029】
図11に示すように、右カメラ41は、箱状の右カメラケース51に収容されている。右カメラ41は、不図示のボルト等の締結部材により右カメラケース51に対して着脱可能に固定されている。
図12に示すように、後カメラ42は、箱状の後カメラケース52に収容されている。後カメラ42は、不図示のボルト等の締結部材により後カメラケース52に対して着脱可能に固定されている。
【0030】
図10に示すように、右後側プレート110は、右カメラケース51(図11参照)が取り付けられる右ケース取付部111と、後カメラケース52(図12参照)が取り付けられる後ケース取付部112と、右ケース取付部111と後ケース取付部112とを橋渡す橋渡し部113と、を備える。
【0031】
右ケース取付部111は、右カメラケース51を取り付けるためのボルト111j(図11参照)の挿通孔111hを有する。右カメラケース51の上壁は、ボルト111jが螺合可能な雌ねじ部(不図示)を有する。挿通孔111hは、右ケース取付部111に複数(例えば本実施形態では、車両幅方向に間隔をあけて2つ)設けられている。例えば、右カメラケース51を右ケース取付部111の下面に配置した状態で、右ケース取付部111の上方からボルト111jを挿通孔111hに通し、右カメラケース51の上壁の雌ねじ部に螺合する。これにより、右ケース取付部111に右カメラケース51を取り付けることができる。
【0032】
後ケース取付部112は、後カメラケース52を取り付けるためのボルト112j(図12参照)の挿通孔112hを有する。後カメラケース52の上壁は、ボルト112jが螺合可能な雌ねじ部(不図示)を有する。挿通孔112hは、後ケース取付部112に複数(例えば本実施形態では、車両前後方向に間隔をあけて2つ)設けられている。例えば、後カメラケース52を後ケース取付部112の下面に配置した状態で、後ケース取付部112の上方からボルト112jを挿通孔112hに通し、後カメラケース52の上壁の雌ねじ部に螺合する。これにより、後ケース取付部112に後カメラケース52を取り付けることができる。
【0033】
橋渡し部113は、右ケース取付部111の後端部と後ケース取付部112の右端部とを橋渡ししている。橋渡し部113は、上面視で右ケース取付部111の後端部から車両後方に向かうに従って車両幅方向内側に位置するように傾斜する直線状に延びた後、後ケース取付部112の右端部に繋がっている。
【0034】
右後側パイプ120は、金属製のパイプが複数箇所(例えば本実施形態では3箇所)で折り曲げられた中空の部材である。右後側パイプ120の断面形状(右後側パイプ120が延びる方向と直交する面で切断した断面形状)は、円環状を有する。図11に示すように、右後側パイプ120の内径は、右カメラ41の配線81を通すことが可能な大きさを有する。右後側パイプ120は、右後側プレート110の下面に溶接により接合されている。
【0035】
図9に示すように、右後側パイプ120は、車両幅方向に延びる第一延在部121と、第一延在部121の右端部から車両後方に向かって平面視で弧状に湾曲する第一曲げ部122(曲げ部)と、第一曲げ部122の後端部から車両後方に向かって延びる第二延在部123と、第二延在部123の後端部から車両後方かつ車両幅方向内方に向かって平面視で弧状に湾曲する第二曲げ部124と、第二曲げ部124の後端部から車両後方に向かうに従って車両幅方向内側に位置するように傾斜する直線状に延びる第三延在部125と、第三延在部125の後端部から車両幅方向内方に向かって平面視で弧状に湾曲する第三曲げ部126と、第三曲げ部126の車両幅方向内端部から車両幅方向内方に向かって延びる第四延在部127と、を備える。
【0036】
右後側パイプ120において車体外側の部分(具体的には、第一延在部121の右端部、第一曲げ部122、第二延在部123、第二曲げ部124、第三延在部125、第三曲げ部126及び第四延在部127)は、右後側プレート110の外側縁に沿うように配置されている。例えば、右後側パイプ120は、右後側プレート110の外側縁に沿う部分にわたって、右後側プレート110の下面に溶接により接合されている。
【0037】
右後側プレート110のうち右ケース取付部111は、平面視で第一曲げ部122と部分的に重なるように設けられている。右カメラ41を収容する右カメラケース51(図11参照)は、右ケース取付部111を介して第一曲げ部122に連結されている。言い換えると、右カメラ41は、第一曲げ部122に取り付けられている。
【0038】
図10に示すように、前連結ブラケット130は、複数(例えば本実施形態では2つ)の金属板を結合した部材である。前連結ブラケット130は、車両前後方向から見てL字状をなす第一前連結板131と、第一前連結板131の上面から起立する第二前連結板132と、を備える。
【0039】
第一前連結板131の下部は、車両幅方向から見て車両後方に向かうに従って上側に位置するように傾斜する外形を有する。第一前連結板131の下部は、第一前連結板131をフレーム25(図13参照)に取り付けるためのボルト(不図示)の挿通孔131hを有する。挿通孔131hは、第一前連結板131に複数(例えば本実施形態では、第一前連結板131下部の傾斜に沿って間隔をあけて2つ)設けられている。なお、フレーム25は、ボルトが螺合可能な雌ねじ部(不図示)を有する。フレーム25を覆っている外装カバー60(図13参照)は、ボルトが挿通可能な挿通孔(不図示)を有する。
【0040】
例えば、フレーム25を覆っている外装カバー60(図13参照)に沿って第一前連結板131を配置した状態で、第一前連結板131の車両幅方向内方からボルトを各挿通孔(第一前連結板131の下部の挿通孔131h、及び外装カバー60の挿通孔)に通し、フレーム25の雌ねじ部に螺合する。これにより、フレーム25に第一前連結板131を取り付けることができる。本実施形態では、フレーム25の雌ねじ部は外装カバー60取付用の既存のものであるため、フレーム25に新たな雌ねじ部を設けることなく、フレーム25に対して第一前連結板131及び外装カバー60を共締め固定することができる。
【0041】
図10に示すように、第二前連結板132は、車両幅方向から見て右後側パイプ120の第一延在部121よりも大きい外形を有する。第二前連結板132の下端部は、第一前連結板131の上面に溶接により接合されている。第一延在部121の車両幅方向内端部は、第二前連結板132の右側面に溶接により接合されている。第一延在部121において平面視で第一前連結板131の上面と重なる部分は、第一前連結板131の上面に溶接により接合されている。
【0042】
後連結ブラケット140は、複数(例えば本実施形態では4つ)の金属板を結合した部材である。後連結ブラケット140は、車両幅方向から見てL字状をなす第一後連結板141と、第一後連結板141の前面から前方に起立する第二後連結板142と、平面視でL字状をなす第三後連結板143と、平面視で矩形状の後側鍔部144(図12参照)と、を備える。
【0043】
第一後連結板141は、後カメラ42(図12参照)のレンズ部分を露出する開口部141aを有する。第一後連結板141の下部は、平面視で前方に向かって二股に分岐する形状(U字状)を有する。第一後連結板141の下部は、第一後連結板141をフレーム25に取り付けるためのボルト141j(図12参照)の挿通孔141hを有する。挿通孔141hは、第一後連結板141の下部に複数(例えば本実施形態では2つ、二股の分岐部141bの先端部に1つずつ)設けられている。なお、フレーム25(図12参照)は、ボルト141jが螺合可能な雌ねじ部(不図示)を有する。フレーム25を覆っている外装カバー60は、ボルト141jが挿通可能な挿通孔(不図示)を有する。図12に示すように、外装カバー60は、第一後連結板141の分岐部141bが入る凹部61を有する。
【0044】
例えば、フレーム25を覆っている外装カバー60の凹部61に第一後連結板141の分岐部141bを配置した状態で、分岐部141bの上方からボルト141jを各挿通孔(分岐部の挿通孔141h、及び外装カバー60の挿通孔)に通し、フレーム25の雌ねじ部に螺合する。これにより、フレーム25に第一後連結板141を取り付けることができる。本実施形態では、フレーム25の雌ねじ部は外装カバー60取付用の既存のものであるため、フレーム25に新たな雌ねじ部を設けることなく、フレーム25に対して第一後連結板141及び外装カバー60を共締め固定することができる。
【0045】
図10に示すように、第二後連結板142は、車両幅方向から見て右後側パイプ120の第四延在部127よりも大きい外形を有する。第二後連結板142の後端部は、第一後連結板141の前面に溶接により接合されている。第四延在部127の車両幅方向内端部は、第二後連結板142の右側面に溶接により接合されている。第四延在部127において車両前後方向から見て第一後連結板141の前面と重なる部分は、第一後連結板141の前面に溶接により接合されている。
【0046】
第三後連結板143の後端部は、第一後連結板141の前面に溶接により接合されている。第三後連結板143は、後カメラケース52を取り付けるためのボルト143j(図12参照)の挿通孔143hを有する。後カメラケース52(図12参照)の右壁は、ボルト143jが螺合可能な雌ねじ部(不図示)を有する。
【0047】
例えば、後カメラケース52を後ケース取付部112の下面に配置した状態で、第三後連結板143の右方からボルト143jを挿通孔143hに通し、後カメラケース52の雌ねじ部に螺合する。これにより、第三後連結板143に後カメラケース52を取り付けることができる。
【0048】
図12に示すように、後側鍔部144の前端部は、第一後連結板141の後面に溶接により接合されている。後側鍔部144は、第一後連結板141の開口部141aの上方に配置されている。後側鍔部144は、開口部141aから露出する後カメラ42のレンズ部分の庇部として機能する。
【0049】
図13に示すように、本実施形態の検知部取付構造40は、第一取付部材100とフレーム25とを連結する連結部材150を更に備える。連結部材150は、車両幅方向から見て鉛直方向にクランク状に延びている。具体的に、連結部材150は、第一取付部材100の上方に配置される上連結部151と、上連結部151よりも下方に配置される下連結部152と、上連結部151と下連結部152とを橋渡すL字延在部153と、を備える。
【0050】
L字延在部153は、車両幅方向から見て上下方向に延びるL字状に形成されている。L字延在部153の上端部は、上連結部151の前端部に繋がっている。L字延在部153の下部前端部は、下連結部152の上端部に繋がっている。
【0051】
上連結部151は、水平に沿って延びる板状に形成されている。上連結部151は、上面視で第一取付部材100の右後側パイプ120の一部(第一延在部121において第一曲げ部122寄りの部分)と重なっている。上連結部151は、上連結部151を第一延在部121に取り付けるためのボルト151jの挿通孔(不図示)を有する。図10に示すように、第一延在部121において第一曲げ部122寄りの部分の上端部には、ナット154が溶接により結合されている。
【0052】
例えば、上連結部151をナット154の上面に配置した状態で、上連結部151の上方からボルト151jを挿通孔に通し、ナット154に螺合する。これにより、第一取付部材100の右後側パイプ120に連結部材150の上連結部151を取り付けることができる。
【0053】
図13に示すように、下連結部152は、鉛直面(具体的には上下方向及び車両幅方向を含む面)に沿って延びる板状に形成されている。下連結部152は、下連結部152をフレーム25に取り付けるためのボルト152jの挿通孔(不図示)を有する。なお、フレーム25は、ボルト152jが螺合可能な雌ねじ部(不図示)を有する。フレーム25を覆っている内部カバー70は、ボルト152jが挿通可能な挿通孔(不図示)を有する。
【0054】
例えば、フレーム25を覆っている内部カバー70の前面に下連結部152を配置した状態で、下連結部152の前方からボルト152jを各挿通孔(下連結部152の挿通孔、及び内部カバー70の挿通孔)に通し、フレーム25の雌ねじ部に螺合する。これにより、フレーム25に下連結部152を取り付けることができる。本実施形態では、フレーム25の雌ねじ部は内部カバー70取付用の既存のものであるため、フレーム25に新たな雌ねじ部を設けることなく、フレーム25に対して下連結部152及び内部カバー70を共締め固定することができる。
【0055】
<右カメラ及び後カメラの配線の配置>
図11に示すように、右カメラ41の配線81は、右後側パイプ120の内部空間を通っている。その後、図14に示すように、右カメラ41の配線81は、後カメラ42の配線82と共に延びることにより、フレーム25に設けられた制御部90に接続されている。各配線81,82は、フレーム25に対して着座位置とチルト位置との間で移動可能なチルトフロア92(図4参照)を避けて配置されている。
【0056】
具体的に、図11に示すように、右カメラ41の配線81は、右カメラケース51の後壁を開口する貫通孔を通って右後側パイプ120の第二延在部123の下方に向かって延びている。その後、右カメラ41の配線81は、第二延在部123の下部を開口する貫通孔123hを通って右後側パイプ120の内部空間に導かれている。その後、右カメラ41の配線81は、右後側パイプ120の内部空間(具体的には、右後側パイプ120の内部空間のうち第二延在部123以後に沿う部分)に沿って延びている。その後、右カメラ41の配線81は、第四延在部127の下部を開口する貫通孔127h(図10参照)を通って右後側パイプ120の外部に導かれている。
【0057】
図12に示すように、後カメラ42の配線82は、後カメラケース52の前壁を開口する貫通孔を通って後カメラケース52の前方へ向かって延びている。右後側パイプ120の外部に導かれた右カメラ41の配線81は、後カメラ42の配線82と共に前方へ向かって延びている。本実施形態では、図14に示すように、右カメラ41の配線81は、後カメラ42の配線82と共に、車両幅方向においてチルトフロア92と右外装部94との間を通って前下方に向かって延びている。その後、右カメラ41の配線81及び後カメラ42の配線82(以下「配線束85」ともいう。)は、チルトフロア92の回動軸93の近傍まで延びている。その後、配線束85は、回動軸93の周囲を通ってキャブベース20の左側部の内部空間に向かって延びている。その後、配線束85は、運転席の下方に設けられた制御部90に向かって湾曲しつつ延びている。このように、配線束85は、チルトフロア92の回動軌跡と重ならない位置に配置されている。
【0058】
<第二取付部材>
図4に示すように、第二取付部材200は、フレーム25に対して着座位置とチルト位置との間で移動可能なチルトフロア92に支持されている。例えば、第二取付部材200は、ボルト等の締結部材によりチルトフロア92に対して着脱可能に取り付けられている。図7の上面視で、第二取付部材200は、上部旋回体3の左側部と重なっている。第二取付部材200は、作業機4を避けて配置されている。第二取付部材200は、左カメラ43を取り付け可能である。第二取付部材200は、チルトフロア92に対して油圧ショベル1の左側面側の複数箇所で取り付けられている。
【0059】
第二取付部材200は、左側ブラケット210、左側パイプ220、前連結プレート230及び後連結プレート240を備える。例えば、第二取付部材200の構成要素は、金属により形成されている。
【0060】
図15に示すように、左側ブラケット210は、左カメラ43が取り付けられる部材である。左側ブラケット210は、複数(例えば本実施形態では3つ)の金属板を結合した部材である。左側ブラケット210は、車両前後方向から見て車体内方に向かって開放するU字状をなす第一取付板211と、平面視でL字状をなす第二取付板212と、平面視で矩形状の左側鍔部213と、を備える。
【0061】
左カメラ43は、箱状の左カメラケース53(図17参照)に収容されている。左カメラ43は、ボルト等の締結部材により左カメラケース53に対して着脱可能に固定されている。
【0062】
第一取付板211は、左カメラケース53の上壁が取り付けられる上取付部211aと、左カメラケース53の左側壁が取り付けられる左取付部211bと、チルトフロア92に取り付けられる下取付部211cと、を備える。
【0063】
上取付部211aは、水平に沿って延びる板状に形成されている。上取付部211aは、左カメラケース53の上方に配置されている。上取付部211aにおいて車両幅方向内側部は、平面視で台形状を有する。上取付部211aは、左カメラケース53の上壁を取り付けるためのボルト211jの挿通孔211h(図16参照)を有する。左カメラケース53の上壁は、ボルト211jが螺合可能な雌ねじ部(不図示)を有する。図16に示すように、挿通孔211hは、上取付部211aに複数(例えば本実施形態では、車両幅方向に間隔をあけて2つ)設けられている。
【0064】
例えば、左カメラケース53を上取付部211aの下面に配置した状態で、上取付部211aの上方からボルト211jを挿通孔211hに通し、左カメラケース53の上壁の雌ねじ部に螺合する。これにより、上取付部211aに左カメラケース53の上壁を取り付けることができる。
【0065】
図15に示すように、左取付部211bは、鉛直面(具体的には上下方向及び車両前後方向を含む面)に沿って延びる板状に形成されている。左取付部211bの上端部は、上取付部211aの車両幅方向外端部に繋がっている。左取付部211bは、左カメラ43のレンズ部分を露出する開口部211dを有する。
【0066】
図16に示すように、左取付部211bの車両幅方向内側面には、ナット214が溶接により接合されている。ナット214は、開口部211dの下方に配置されている。図17に示すように、左カメラケース53は、車両幅方向から見てナット214と重なるように下方へ突出する突出部53aを備える。突出部53aは、左カメラケース53を取り付けるためのボルト53jの挿通孔(不図示)を有する。
【0067】
例えば、左カメラケース53を上取付部211aの下面に配置した状態で、突出部53aの車両幅方向内方からボルト53jを挿通孔に通し、ナット214に螺合する。これにより、左取付部211bに左カメラケース53の突出部53aを取り付けることができる。
【0068】
図16に示すように、下取付部211cは、車両幅方向に沿って延びる板状に形成されている。図15に示すように、下取付部211cの左端部は、左取付部211bの前側下端部に繋がっている。図16に示すように、下取付部211cの車両幅方向内端部は、下取付部211cをチルトフロア92に取り付けるためのボルト215j(図17参照)の挿通孔215hを有する。
【0069】
なお、チルトフロア92は、ボルト215jが螺合可能な雌ねじ部(不図示)を有する。チルトフロア92を覆っている外装カバー95(以下「左外装部95」ともいう。)は、ボルト215jが挿通可能な挿通孔(不図示)を有する。左外装部95と下取付部211cとの間に配置された後連結プレート240の後部は、ボルト215jが挿通可能な挿通孔(不図示)を有する。
【0070】
例えば、下取付部211cを後連結プレート240の後部上面に配置した状態で、下取付部211cの上方からボルト215jを各挿通孔(下取付部211cの挿通孔215h、後連結プレート240の挿通孔、及び左外装部95の挿通孔)に通し、チルトフロア92の雌ねじ部に螺合する。これにより、チルトフロア92に第一取付板211を取り付けることができる。本実施形態では、チルトフロア92の雌ねじ部は左外装部95取付用の既存のものであるため、チルトフロア92に新たな雌ねじ部を設けることなく、チルトフロア92に対して第一取付板211、後連結プレート240及び左外装部95を共締め固定することができる。
【0071】
図16に示すように、第二取付板212は、上下方向に沿って延びる板状に形成されている。第二取付板212は、第一取付板211の上取付部211aと下取付部211cとの間に配置されている。第二取付板212の上端部は、上取付部211aの下面に溶接により接合されている。第二取付板212の後側下端部は、下取付部211cの上面に溶接により接合されている。
【0072】
第二取付板212において上下方向中央寄りの部分は、第二取付板212を左側パイプ220に取り付けるためのU字ボルト217(図15参照)の挿通孔216hを有する。挿通孔216hは、第二取付板212に複数(例えば本実施形態では、車両前後方向に間隔をあけて2つ)設けられている。第二取付板212は、2つの挿通孔216hのうち前側と対応する位置において、前方へ向かって湾曲する凸部212aを有する。
【0073】
例えば、第二取付板212を左側パイプ220の後延在部221の左側方に配置した状態で、後延在部221の車両幅方向内方からU字ボルト217を配置する。その後、U字ボルト217の各雄ねじ部217jを第二取付板212の各挿通孔216hに通し、各雄ねじ部217jを第二取付板212の左側方に突出させる。その後、第二取付板212の左側方に突出した各雄ねじ部217jに第二取付板212の左側方からナット216jを螺合する。これにより、U字ボルト217を介して左側パイプ220の後延在部221に第二取付板212を取り付けることができる。
【0074】
図15に示すように、左側鍔部213の車両幅方向内端部は、第一取付板211の左側面(左取付部211bの車両幅方向外面)に溶接により接合されている。左側鍔部213は、左取付部211bの開口部211dの上方に配置されている。左側鍔部213は、開口部211dから露出する左カメラ43のレンズ部分の庇部として機能する。
【0075】
左側パイプ220は、金属製のパイプが複数箇所(例えば本実施形態では3箇所)で折り曲げられた中空の部材である。図4に示すように、左側パイプ220は、後連結プレート240の前部から上方に向かって延びる後延在部221と、後延在部221の上端部から上方に向かって車両幅方向から見て弧状に湾曲する後曲げ部222と、後曲げ部222の前端部から車両前方に向かって延びる上延在部223と、上延在部223の前端部から下方に向かって車両幅方向から見て弧状に湾曲する前曲げ部224と、前曲げ部224の下端部から下方に向かって延びる前延在部225と、前延在部225の下端部から後方に向かって車両幅方向から見て弧状に湾曲する下曲げ部226と、を備える。
【0076】
前連結プレート230は、上下方向に延びる板状に形成されている。下曲げ部226の後端部は、前連結プレート230の上下中央部前面に溶接により接合されている。前連結プレート230の上下端部は、前連結プレート230をチルトフロア92に取り付けるためのボルト230jの挿通孔(不図示)を有する。なお、チルトフロア92は、ボルト230jが螺合可能な雌ねじ部(不図示)を有する。チルトフロア92を覆っている左外装部95は、ボルト230jが挿通可能な挿通孔(不図示)を有する。
【0077】
図17に示すように、後連結プレート240は、水平に沿うとともに前後方向に延びる板状に形成されている。後延在部221の下端部は、後連結プレート240の前部上面に溶接により接合されている。上述の通り、後連結プレート240の後部は、チルトフロア92に対して第一取付板211及び左外装部95と共に固定されている。
このように第二取付部材200は、チルトフロア92に対して複数箇所(本実施形態では、前連結プレート230においてはチルトフロア92に対して2箇所、後連結プレート240においてはチルトフロア92に対して1箇所の合計3箇所)で取り付けられている。
【0078】
<左カメラの配線の配置>
図17に示すように、左カメラ43の配線83は、右カメラ41及び後カメラ42の配線束85(図14参照)とは別の経路で延びるにより、フレーム25に設けられた制御部90(図14参照)に接続されている。具体的に、左カメラ43の配線83は、左カメラケース53の車両幅方向内側壁を開口する貫通孔を通って左カメラケース53の車両幅方向内方へ向かって延びている。その後、左カメラ43の配線83は、運転席の下方に設けられた制御部90(図14参照)に向かって延びている。
【0079】
<作用効果>
以上説明したように、本実施形態の検知部取付構造40は、油圧ショベル1の側面側及び後面側を含む少なくとも2箇所に設けられ、油圧ショベル1の周囲を検知する複数のカメラ41~43と、油圧ショベル1のフレーム25に支持され、複数のカメラ41~43の少なくとも2つを取り付け可能な第一取付部材100と、を備える。第一取付部材100は、フレーム25に対して油圧ショベル1の側面側及び後面側を含む少なくとも2箇所で取り付けられている。
ところで、各カメラを所定位置に設置する場合、それぞれ異なる取付部材を介して車体に取り付ける構成であると、カメラの設置数に応じて取付部材の取付作業を要するため、作業性を向上する上で改善の余地がある。
これに対して本実施形態では、第一取付部材100がフレーム25に対して油圧ショベル1の側面側及び後面側を含む少なくとも2箇所で取り付けられていることで、複数のカメラ41~43の少なくとも2つを、共通の第一取付部材100を介してフレーム25に取り付けることができる。そのため、複数のカメラ41~43の少なくとも2つを、それぞれ別の取付部材を介してフレーム25に取り付ける作業を要しない。したがって、作業性を向上することができる。
【0080】
本実施形態では、複数のカメラ41~43の少なくとも2つは、油圧ショベル1の右方を撮像する右カメラ41と、油圧ショベル1の後方を撮像する後カメラ42と、である。右カメラ41及び後カメラ42のそれぞれは、第一取付部材100よりも車体内方に配置されている。
そのため、右カメラ41及び後カメラ42のそれぞれを車体外方の外的要因から保護することができる。例えば、車体外方に障害物が存在する場合であっても、障害物は各カメラ41,42に接触する前に第一取付部材100に当たるため、障害物が各カメラ41,42に直に接触することを抑制することができる。
加えて、本実施形態では、右カメラ41及び後カメラ42のそれぞれが上部旋回体3の外周縁よりも車体内方に配置されていることで、右カメラ41及び後カメラ42のそれぞれを車体外方の外的要因からより効果的に保護することができる。例えば、車体外方に障害物が存在する場合であっても、障害物は各カメラ41,42に接触する前に上部旋回体3の外周縁に当たるため、障害物が各カメラ41,42に直に接触することをより効果的に抑制することができる。
【0081】
本実施形態では、第一取付部材100は、平面視で湾曲する曲げ部122を有する。複数のカメラ41~43のうち右カメラ41は、曲げ部122に取り付けられている。
曲げ部122は直線部よりも剛性が高いため、右カメラ41を第一取付部材100に対して強固に取り付けることができる。したがって、右カメラ41が車体からの振動の影響を受けることを抑制することができる。
【0082】
本実施形態では、複数のカメラ41~43は、油圧ショベル1の左方を撮像する左カメラ43を含む。図14に示すように、検知部取付構造40は、フレーム25に対して着座位置とチルト位置との間で移動可能なチルトフロア92に支持され、左カメラ43を取り付け可能な第二取付部材200を備える。
ところで、カメラをチルトフロア92の近傍に取り付けた場合には、カメラがチルトフロア92の動作を阻害する可能性がある。
これに対して本実施形態では、左カメラ43を取り付け可能な第二取付部材200がチルトフロア92に支持されていることで、チルトフロア92の動作時に左カメラ43はチルトフロア92と一体に動くため、左カメラ43がチルトフロア92の動作を阻害することはない。したがって、チルトフロア92の動作をスムーズに行うことができる。
加えて、本実施形態では、複数のカメラ41~43は、左カメラ43、右カメラ41及び後カメラ42であるため、油圧ショベル1の左右側面側及び後面側を含む周囲を撮像することができる。さらに、本実施形態では、複数のカメラ41~43は、左カメラ43、右カメラ41及び後カメラ42の3つのカメラのみであるため、カメラの取付作業を必要最小限に抑えることができ、作業性を向上することができる。
【0083】
本実施形態では、第二取付部材200は、チルトフロア92に対して複数箇所で取り付けられている。
そのため、第二取付部材200がチルトフロア92に対して一箇所のみで取り付けられている場合と比較して、第二取付部材200をチルトフロア92に対して強固に取り付けることができる。したがって、第二取付部材200に取り付けられた左カメラ43が車体からの振動の影響を受けることを抑制することができる。
【0084】
本実施形態では、左カメラ43は、第二取付部材200よりも車体内方に配置されている。
そのため、左カメラ43を車体外方の外的要因から保護することができる。例えば、車体外方に障害物が存在する場合であっても、障害物は左カメラ43に接触する前に第二取付部材200に当たるため、障害物が左カメラ43に直に接触することを抑制することができる。
加えて、本実施形態では、左カメラ43が上部旋回体3の外周縁よりも車体内方に配置されていることで、左カメラ43を車体外方の外的要因からより効果的に保護することができる。例えば、車体外方に障害物が存在する場合であっても、障害物は左カメラ43に接触する前に上部旋回体3の外周縁に当たるため、障害物が左カメラ43に直に接触することをより効果的に抑制することができる。
【0085】
本実施形態では、複数のカメラ41~43は、鉛直方向において1m以上2m以下の高さ範囲HRに配置されている。
そのため、油圧ショベル1の周囲を好適に撮像することができる。例えば、油圧ショベル1が小型油圧ショベル1の場合には、歩行者が通る道路等の工事現場などで使用される場合がある。この場合であっても、複数のカメラ41~43が鉛直方向において1m以上2m以下の高さ範囲HRに配置されていることで、油圧ショベル1に近づいた歩行者を好適に撮像することができる。
ところで、小型油圧ショベルにおいては、大型油圧ショベルと比較して、「激突され」、「挟まれ・巻き込まれ」に関する災害が数多く発生する傾向にある。このような災害の発生防止策として、運転者以外の人(例えば歩行者など)が小型油圧ショベルに近づいた場合に、カメラなどの検知部、モニタやブザー等を用いて、運転者及び歩行者の両者に互いの接近を知らせるシステムが必要となる。
本実施形態では、各カメラ41~43は、鉛直方向において1.4m以上1.6m以下の高さ範囲に配置されていることで、小型油圧ショベルに近づいた歩行者などを好適に撮像することができるため、運転者及び歩行者の両者に互いの接近を知らせるシステムを提供する上で実益が大きい。
【0086】
本実施形態では、第一取付部材100は、右カメラケース51が取り付けられる右ケース取付部111と、後カメラケース52が取り付けられる後ケース取付部112と、を橋渡す橋渡し部113を備える。
そのため、橋渡し部113により右ケース取付部111と後ケース取付部112との間の部分を補強することができる。これにより、右ケース取付部111及び後ケース取付部112のそれぞれの支持剛性を高めることができる。したがって、右カメラケース51に取り付けられた右カメラ41、及び後カメラケース52に取り付けられた後カメラ42のそれぞれが、車体からの振動の影響を受けることを抑制することができる。
【0087】
本実施形態では、図13に示すように、検知部取付構造40は、鉛直方向に沿って延び、第一取付部材100とフレーム25とを連結する連結部材150を備える。
そのため、連結部材150により第一取付部材100とフレーム25との間の部分を補強することができる。これにより、第一取付部材100の支持剛性を高めることができる。したがって、第一取付部材100に取り付けられた各カメラ41,42が車体からの振動の影響を受けることを抑制することができる。
【0088】
本実施形態では、図14に示すように、検知部取付構造40は、複数のカメラ41~43のうち2つとフレーム25に設けられた制御部90とをつなぐ配線束85を備える。配線束85は、フレーム25に対して着座位置とチルト位置との間で移動可能なチルトフロア92を避けて配置されている。
そのため、チルトフロア92の動作時に配線束85がチルトフロア92の動作を阻害することはない。したがって、チルトフロア92の動作をスムーズに行うことができる。
【0089】
本実施形態では、図1に示すように、油圧ショベル1は、フレーム25と、フレーム25の上方に設けられたキャブ21と、上記の検知部取付構造40と、を備える。
そのため、作業性を向上することができる油圧ショベル1を提供することができる。
【0090】
本実施形態では、第一取付部材100は、フレーム25に対してボルト等の締結部材により着脱可能に取り付けられている。
そのため、第一取付部材100をフレーム25に対して後付けで設置することができる。
【0091】
本実施形態では、第二取付部材200は、チルトフロア92に対してボルト等の締結部材により着脱可能に取り付けられている。
そのため、第二取付部材200をチルトフロア92に対して後付けで設置することができる。
【0092】
本実施形態では、図3に示すように、第一取付部材100は、フレーム25に対して着座位置とチルト位置との間で移動可能なキャブ21を避けて配置されている。
そのため、キャブ21のチルト動作時に第一取付部材100がキャブ12のチルト動作を阻害することはない。したがって、キャブ21のチルト動作をスムーズに行うことができる。
加えて、第一取付部材100は、リアカバー24の開閉軌跡を避けて配置されている。そのため、リアカバー24の開閉時に第一取付部材100がリアカバー24の開閉動作を阻害することはない。したがって、リアカバー24の開閉動作をスムーズに行うことができる。
加えて、キャブ12をチルトアップさせたりリアカバー24を開けたりして各種装置27の点検(例えば、エンジン点検)や整備を行う場合、第一取付部材100を取り外す必要がないため、点検や整備の作業性に優れる。
【0093】
本実施形態では、図5に示すように、第一取付部材100は、右サイドカバー22の開閉軌跡を避けて配置されている。
そのため、右サイドカバー22の開閉時に第一取付部材100が右サイドカバー22の開閉動作を阻害することはない。したがって、右サイドカバー22の開閉動作をスムーズに行うことができる。加えて、右サイドカバー22を開けて各種装置28の点検や整備(例えば、清掃)を行う場合、第一取付部材100を取り外す必要がないため、点検や整備の作業性に優れる。
【0094】
本実施形態では、図6に示すように、第一取付部材100は、土砂カバー23の開閉軌跡を避けて配置されている。
そのため、土砂カバー23の開閉時に第一取付部材100が土砂カバー23の開閉動作を阻害することはない。したがって、土砂カバー23の開閉動作をスムーズに行うことができる。加えて、土砂カバー23を開けて各種タンク29の補給等を行う場合、第一取付部材100を取り外す必要がないため、作業性に優れる。
【0095】
<その他の実施形態>
上述した実施形態では、右カメラ及び後カメラのそれぞれは、第一取付部材よりも車体内方に配置されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、右カメラ及び後カメラのそれぞれは、第一取付部材よりも車体外方に配置されていてもよい。例えば、右カメラ及び後カメラのそれぞれは、上部旋回体の外周縁よりも車体外方に配置されていてもよい。例えば、右カメラ及び後カメラのそれぞれは、不図示のプロテクタよりも車体内方に配置されていてもよい。例えば、右カメラ及び後カメラの配置態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0096】
上述した実施形態では、複数のカメラのうち右カメラは、曲げ部に取り付けられている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、右カメラは、直線部に取り付けられていてもよい。例えば、各カメラは、カメラケースを介さずに、右後側パイプに取り付けられていてもよい。例えば、第一取付部材に対する各カメラの取付態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0097】
上述した実施形態では、左カメラを取り付け可能な第二取付部材がチルトフロアに支持されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、第二取付部材は、チルトフロアとは異なる部材に取り付けられていてもよい。例えば、左カメラとは異なるカメラを取り付け可能な取付部材が、チルトフロアに支持されていてもよい。
【0098】
上述した実施形態では、第二取付部材は、チルトフロアに対して複数箇所で取り付けられている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、第二取付部材は、チルトフロアに対して一箇所のみで取り付けられていてもよい。例えば、第二取付部材の取付態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0099】
上述した実施形態では、左カメラは、第二取付部材よりも車体内方に配置されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、左カメラは、第二取付部材よりも車体外方に配置されていてもよい。例えば、左カメラは、上部旋回体の外周縁よりも車体外方に配置されていてもよい。例えば、左カメラは、不図示のプロテクタよりも車体内方に配置されていてもよい。例えば、左カメラの配置態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0100】
上述した実施形態では、複数のカメラは、鉛直方向において1m以上2m以下の高さ範囲に配置されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、複数のカメラは、鉛直方向において0.1m以上1m未満の高さ範囲に配置されていてもよいし、2m超過の高さに配置されていてもよい。例えば、各カメラの設置高さは、要求仕様に応じて変更することができる。
【0101】
上述した実施形態では、第一取付部材は、右カメラケースが取り付けられる右ケース取付部と、後カメラケースが取り付けられる後ケース取付部と、を橋渡す橋渡し部を備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、第一取付部材は、橋渡し部を備えていなくてもよい。例えば、図18に示すように、右カメラケースが取り付けられる右ケース取付部311と、後カメラケースが取り付けられる後ケース取付部312と、は互いに離れて配置されていてもよい。例えば、第一取付部材の構成態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0102】
上述した実施形態では、検知部取付構造は、鉛直方向に沿って延び、第一取付部材とフレームとを連結する連結部材を備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、検知部取付構造は、連結部材を備えていなくてもよい。例えば、右後側パイプとフレームとは上下方向に互いに離れて配置されていてもよい。例えば、第一取付部材とフレームとの連結態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0103】
上述した実施形態では、検知部取付構造は、複数のカメラのうち2つとフレームに設けられた制御部とをつなぐ配線束を備え、配線束は、フレームに対して着座位置とチルト位置との間で移動可能なチルトフロアを避けて配置されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、配線束は、チルトフロアの動作に追従可能な長さを有し、チルトフロアに部分的に配置されていてもよい。例えば、検知部取付構造は、配線束を備えていなくてもよい。例えば、各カメラは、無線により通信可能な制御部を内蔵していてもよい。例えば、複数のカメラの少なくとも1つとフレームに設けられた制御部とをつなぐ配線の配置態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0104】
上述した実施形態では、複数の検知部の一例として、右カメラ、後カメラ及び左カメラを備えた例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、複数の検知部は、右カメラ、後カメラ及び左カメラ以外の他のカメラを備えていてもよい。例えば、複数の検知部は、レーダを備えていてもよい。例えば、複数の検知部は、カメラ及びレーダを備えていてもよいし、レーダのみを備えていてもよい。例えば、複数の検知部の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0105】
上述した実施形態では、油圧ショベルの一例として、歩行者が通る道路等の工事現場などで使用される小型油圧ショベルを挙げて説明したが、これに限らない。例えば、油圧ショベルは、鉱山などで使用されるマイニングショベルなどの大型油圧ショベルであってもよい。例えば、油圧ショベルの態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0106】
上述した実施形態では、作業機械(作業車両)の一例として、油圧ショベルを挙げて説明したが、これに限らない。例えば、ダンプトラックやブルドーザ、ホイールローダ等の他の作業車両に本発明を適用してもよい。
【0107】
上述した実施形態では、検知部取付構造は、油圧ショベルの周囲を検知する複数の検知部を備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、検知部取付構造は、油圧ショベル以外の他の作業車両の周囲を検知する複数の検知部を備えていてもよい。検知部取付構造の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
例えば、検知部取付構造は、作業機械の周囲を検知する複数の検知部と、作業機械のフレームに対して着座位置とチルト位置との間で移動可能なチルトフロアに支持され、前記複数の検知部の少なくとも1つを取り付け可能な取付部材と、を備えていてもよい。
ところで、検知部をチルトフロアの近傍に取り付けた場合には、検知部がチルトフロアの動作を阻害する可能性がある。
これに対して本態様では、複数の検知部の少なくとも1つを取り付け可能な取付部材がチルトフロアに支持されていることで、チルトフロアの動作時に検知部はチルトフロアと一体に動くため、検知部がチルトフロアの動作を阻害することはない。したがって、チルトフロアの動作をスムーズに行うことができる。
【0108】
上述した実施形態では、作業機械のキャブにモニタやブザー等を設けた構成を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、モニタやブザー等を、作業機械の遠隔操作を行うための遠隔操作席や、複数の作業機械を全体的に管理・統制する管制室に設けてもよい。例えば、モニタやブザー等を、携帯端末に設け、オペレータが携帯端末に表示された画像を見るようにしてもよい。このような場合、作業機械と、遠隔操作席・管制室・携帯端末とのそれぞれに通信手段を設け、画像などの情報の送受信を行う構成であってもよい。
【0109】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能であり、上述した実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0110】
1…油圧ショベル(作業機械)、21…キャブ、25…フレーム、40…検知部取付構造、41…右カメラ(検知部)、42…後カメラ(検知部)、43…左カメラ(検知部)、81…右カメラの配線(配線)、82…後カメラの配線、82…配線束(配線)、90…制御部、92…チルトフロア、100…第一取付部材、111…右ケース取付部(複数の検知部の少なくとも2つのうち一方が取り付けられる部分)、112…後ケース取付部(複数の検知部の少なくとも2つのうち他方が取り付けられる部分)、113…橋渡し部、122…第一曲げ部(曲げ部)、150…連結部材、200…第二取付部材、HR…高さ範囲
図1
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