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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022135528
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】折り畳み台
(51)【国際特許分類】
   A47C 19/00 20060101AFI20220908BHJP
   A47C 19/12 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
A47C19/00 B
A47C19/12 Z
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021035400
(22)【出願日】2021-03-05
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】591287978
【氏名又は名称】太陽インダストリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【弁理士】
【氏名又は名称】清井 洋平
(72)【発明者】
【氏名】城戸▲崎▼ 雄太
(72)【発明者】
【氏名】児玉 亜弓
(72)【発明者】
【氏名】櫻木 奈未
(57)【要約】
【課題】折り畳み状態から極めて短時間で設置でき、簡素な構成でありながら形状安定性と耐久性に優れ、使用時以外は簡単に折り畳んで搬送及び収納が可能で省スペース性、実用性及び機能性に優れ、ベッドとして好適な折り畳み台を提供する。
【解決手段】段ボール製の折り畳み台10は、それぞれが長方形状の複数の第1、第2の仕切り板11、12が噛合わされて平面視して格子状に配置された脚部13と、脚部13の上面を覆う四角形状の天板14とを有し、各第1の仕切り板11の長手方向の途中に奇数箇所の垂直折り目21が形成され、天板14に、各垂直折り目21の位置に対応して第2の仕切り板12と平行に水平折り目34が形成されており、非使用時に、天板14が各水平折り目34で折り曲げられると、各第1の仕切り板11が各垂直折り目21で折り曲げられて各第2の仕切り板12と重合し、全体が扁平状に折り畳まれる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
段ボール製の折り畳み台であって、
それぞれが長方形状に形成された複数の第1の仕切り板と複数の第2の仕切り板が噛合わされて平面視して格子状に配置された脚部と、該脚部の上面を覆う四角形状の天板とを有し、前記各第1の仕切り板の長手方向の途中に、該各第1の仕切り板の高さ方向に沿って奇数箇所の垂直折り目が形成され、前記天板に、前記各垂直折り目の位置に対応して前記第2の仕切り板と平行に水平折り目が形成されており、非使用時に、前記天板は前記各水平折り目で折り曲げられ、前記各第1の仕切り板は前記各垂直折り目で折り曲げられて前記各第2の仕切り板と重合し、全体が扁平状に折り畳まれることを特徴とする折り畳み台。
【請求項2】
請求項1記載の折り畳み台において、前記垂直折り目及び前記水平折り目はそれぞれ、前記各第1の仕切り板及び前記天板を二分割するように1箇所ずつ配置され、前記天板は、前記第1の仕切り板の長手方向の両端位置で前記天板の両端辺からそれぞれ下方に延設されて前記各第1の仕切り板の長手方向の両端部に保持される一対の差込み片を有し、非使用時に、前記天板は正面視して逆V字状に折り曲げられ、前記各第1の仕切り板は平面視して逆V字状に折り曲げられることを特徴とする折り畳み台。
【請求項3】
請求項1記載の折り畳み台において、前記垂直折り目及び前記水平折り目はそれぞれ、前記各第1の仕切り板及び前記天板を四分割するように3箇所ずつ配置され、前記天板は、前記第1の仕切り板の長手方向の両端位置で該天板の両端辺からそれぞれ下方に延設されて前記各第1の仕切り板の長手方向の両端部に保持される一対の差込み片を有し、非使用時に、前記天板は正面視してM字状に折り曲げられ、前記各第1の仕切り板は平面視してM字状に折り曲げられることを特徴とする折り畳み台。
【請求項4】
請求項3記載の折り畳み台において、前記天板は、3箇所の前記水平折り目のうち、中央の前記水平折り目の位置で2つの部分天板に分割され、該分割位置で前記各部分天板の端辺からそれぞれ下方に延設されて前記各第1の仕切り板の長手方向の中央部に保持される中央差込み片を有することを特徴とする折り畳み台。
【請求項5】
請求項2~4のいずれか1記載の折り畳み台において、下端側が前記各第1の仕切り板及び前記各第2の仕切り板に保持され、上端側が使用時の前記天板の上面より上方に突出して、前記脚部の外周の三方を囲うように平面視してコ字型に配置された仕切り壁を有し、該仕切り壁のうち、前記第1の仕切り板の長手方向と平行に配置される壁板には、前記垂直折り目の位置に対応して前記仕切り壁の高さ方向に沿う折り目が形成され、非使用時に、前記仕切り壁が前記脚部と連動して前記折り目で折り曲げられて、平面視して逆V字状又はM字状に折り畳まれることを特徴とする折り畳み台。
【請求項6】
請求項5記載の折り畳み台において、前記天板及び/又は前記仕切り壁に手掛け部が形成され、前記第2の仕切り板の長手方向の一側及び/又は他側に指掛け部が形成されていることを特徴とする折り畳み台。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1記載の折り畳み台において、使用時に、前記天板を前記脚部に固定する固定手段を有することを特徴とする折り畳み台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、極めて短時間で設置することができ、使用時以外は扁平状に折り畳んで簡単に持ち運び及び収納を行うことができる段ボール製の折り畳み台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、災害等の発生により自宅で生活できなくなった被災者は、公民館や体育館等の避難所又は仮設住宅等で生活することがあるが、それぞれの被災者に割り当てられるスペースには限りがあると共に、そのような場所にベッドを搬入して設置することは困難である。そのため、被災者は、硬い床の上で、布団を敷いて寝たり、寝袋に入って寝たりしており、就寝中に苦痛を感じ易く、快眠が妨げられ、腰痛や睡眠不足等に悩まされるという問題があった。また、足腰が弱く、普段からベッドを使用して生活している高齢者等は、布団での寝起きが困難であるため、避難所又は仮設住宅等の使用に制限を受けるという問題もあった。そこで、段ボールで作製され、使用時以外はコンパクトに折り畳まれて収納され、持ち運びも容易な折り畳み式のベッド(例えば特許文献1)や、分解された状態で搬送され、必要な場所で組立てられて設置される様々な簡易(組立式)ベッド(例えば特許文献2~5)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-188877号公報
【特許文献2】実用新案登録第3229660号公報
【特許文献3】特開2012-235819号公報
【特許文献4】実用新案登録第3204236号公報
【特許文献5】特開2009-5902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、ベッドフレームを構成する左右一対の支持板と、両支持板の上縁部に載置された床板が、それぞれ蛇腹状に伸縮することにより折り畳まれ、ベッドフレームの前後に分割されたケース内に収納可能となっている。しかし、床板は、前後の端板、長手方向中央部で端板と平行に配置された中間板及びくの字に折れ曲がった左右の支持板のみで支持されている。つまり、端板、中間板及び支持板を構成する前後の屈曲板の隣接する端部同士が連結されているだけで、その他に互いを連結する連結材(補強材)を有していないため、床板の下側は、ほとんど中空で支えが少なく、使用者の体重による変形や破損が発生し易く、形状の安定性及び耐久性に欠けるという課題がある。
これに対し、特許文献2~5では、床板(天板)を支持する脚部が、複数のシート(仕切り板)で格子状(井桁状)に形成されており、床板の変形を効果的に防止することができる。しかし、分解された状態で搬送されるため、設置場所において、複数のシートを、それぞれのシートに形成された切れ目(スリット)同士で噛合せ、格子状に配置して、床板を取り付けなければならず、組立に手間がかかるという課題がある。また、組立後は、簡単に分解することや折り畳むことが困難で、占有スペースを必要とし、設置場所が限定されるという課題もある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、折り畳み状態から、極めて短時間で設置することができ、簡素な構成でありながら形状安定性及び耐久性に優れると共に、使用時以外は、簡単に折り畳んで搬送及び収納を行うことができ、省スペース性、実用性及び機能性に優れ、主にベッドとして好適に用いることができる折り畳み台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的に沿う本発明に係る折り畳み台は、段ボール製の折り畳み台であって、
それぞれが長方形状に形成された複数の第1の仕切り板と複数の第2の仕切り板が噛合わされて平面視して格子状に配置された脚部と、該脚部の上面を覆う四角形状の天板とを有し、前記各第1の仕切り板の長手方向の途中に、該各第1の仕切り板の高さ方向に沿って奇数箇所の垂直折り目が形成され、前記天板に、前記各垂直折り目の位置に対応して前記第2の仕切り板と平行に水平折り目が形成されており、非使用時に、前記天板は前記各水平折り目で折り曲げられ、前記各第1の仕切り板は前記各垂直折り目で折り曲げられて前記各第2の仕切り板と重合し、全体が扁平状に折り畳まれる。
【0006】
本発明に係る折り畳み台において、前記垂直折り目及び前記水平折り目はそれぞれ、前記各第1の仕切り板及び前記天板を二分割するように1箇所ずつ配置され、前記天板は、前記第1の仕切り板の長手方向の両端位置で前記天板の両端辺からそれぞれ下方に延設されて前記各第1の仕切り板の長手方向の両端部に保持される一対の差込み片を有し、非使用時に、前記天板は正面視して逆V字状に折り曲げられ、前記各第1の仕切り板は平面視して逆V字状に折り曲げられることが好ましい。
【0007】
本発明に係る折り畳み台において、前記垂直折り目及び前記水平折り目はそれぞれ、前記各第1の仕切り板及び前記天板を四分割するように3箇所ずつ配置され、前記天板は、前記第1の仕切り板の長手方向の両端位置で該天板の両端辺からそれぞれ下方に延設されて前記各第1の仕切り板の長手方向の両端部に保持される一対の差込み片を有し、非使用時に、前記天板は正面視してM字状に折り曲げられ、前記各第1の仕切り板は平面視してM字状に折り曲げられてもよい。
【0008】
本発明に係る折り畳み台において、前記天板は、3箇所の前記水平折り目のうち、中央の前記水平折り目の位置で2つの部分天板に分割され、該分割位置で前記各部分天板の端辺からそれぞれ下方に延設されて前記各第1の仕切り板の長手方向の中央部に保持される中央差込み片を有することが好ましい。
【0009】
本発明に係る折り畳み台において、下端側が前記各第1の仕切り板及び前記各第2の仕切り板に保持され、上端側が使用時の前記天板の上面より上方に突出して、前記脚部の外周の三方を囲うように平面視してコ字型に配置された仕切り壁を有し、該仕切り壁のうち、前記第1の仕切り板の長手方向と平行に配置される壁板には、前記垂直折り目の位置に対応して前記仕切り壁の高さ方向に沿う折り目が形成され、非使用時に、前記仕切り壁が前記脚部と連動して前記折り目で折り曲げられて、平面視して逆V字状又はM字状に折り畳まれることがさらに好ましい。
【0010】
本発明に係る折り畳み台において、前記天板及び/又は前記仕切り壁に手掛け部が形成され、前記第2の仕切り板の長手方向の一側及び/又は他側に指掛け部が形成されてもよい。
【0011】
本発明に係る折り畳み台において、使用時に、前記天板を前記脚部に固定する固定手段を有することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る折り畳み台は、複数の第1の仕切り板と複数の第2の仕切り板が格子状に配置された脚部で、天板全体を確実に支持し、天板の変形及び破損を効果的に防止することができる。また、部品の着脱を伴う組立作業及び分解作業が不要で、天板と脚部が連動して変形することにより、極めて短時間のうちに設置可能であると共に、必要に応じて形態をスムーズに変化させ、使用状態と非使用状態を切替えることができ、非使用時は、折り畳み台全体を扁平状に折り畳んで、簡単に持ち運びや収納を行うことができる。
【0013】
本発明に係る折り畳み台において、垂直折り目及び水平折り目がそれぞれ、各第1の仕切り板及び天板を二分割するように1箇所ずつ配置され、天板が、第1の仕切り板の長手方向の両端位置で天板の両端辺からそれぞれ下方に延設されて各第1の仕切り板の長手方向の両端部に保持される一対の差込み片を有し、非使用時に、天板が正面視して逆V字状に折り曲げられ、各第1の仕切り板が平面視して逆V字状に折り曲げられる場合、天板を確実に脚部に固定し、脚部と天板の動作をスムーズに連動させることができる。
【0014】
本発明に係る折り畳み台において、垂直折り目及び水平折り目がそれぞれ、各第1の仕切り板及び天板を四分割するように3箇所ずつ配置され、天板が、第1の仕切り板の長手方向の両端位置で天板の両端辺からそれぞれ下方に延設されて各第1の仕切り板の長手方向の両端部に保持される一対の差込み片を有し、非使用時に、天板が正面視してM字状に折り曲げられ、各第1の仕切り板が平面視してM字状に折り曲げられる場合、非使用時(折り畳み時)のサイズをコンパクト化することができ、搬送時及び収納時の省スペース性に優れる。
【0015】
本発明に係る折り畳み台において、天板が、3箇所の水平折り目のうち、中央の水平折り目の位置で2つの部分天板に分割されて各第1の仕切り板の長手方向の中央部に保持される中央差込み片を有する場合、天板の要所を確実に固定して、天板の伸縮動作の安定性を向上させることができる。
【0016】
本発明に係る折り畳み台において、下端側が各第1の仕切り板及び各第2の仕切り板に保持され、上端側が使用時の天板の上面より上方に突出して、脚部の外周の三方を囲うように平面視してコ字型に配置された仕切り壁を有し、仕切り壁のうち、第1の仕切り板の長手方向と平行に配置される壁板には、垂直折り目の位置に対応して仕切り壁の高さ方向に沿う折り目が形成され、非使用時に、仕切り壁が脚部と連動して折り目で折り曲げられて、平面視して逆V字状又はM字状に折り畳まれる場合、非使用時(折り畳み時)に、仕切り壁を取り外す必要がなく、使用時には、折り畳み台の周囲(三方)を仕切り壁で確実に遮蔽し、使用者のプライバシーを守ることができる。
【0017】
本発明に係る折り畳み台において、天板及び/又は仕切り壁に手掛け部が形成され、第2の仕切り板の長手方向の一側及び/又は他側に指掛け部が形成されている場合、手掛け部を利用して折り畳み状態の折り畳み台を簡単に持ち運ぶことができると共に、折り畳み状態から使用状態に変形させる際に、指掛け部を指(手)で摘んで第2の仕切り板を水平方向に引っ張ることにより、垂直折り目で折り曲げられていた第1の仕切り板を平板状に戻して、脚部の形状を整えることができる。
【0018】
本発明に係る折り畳み台において、使用時に、天板を脚部に固定する固定手段を有する場合、使用時の天板の浮き上がりを防止することができ、形態の安定性に優れる。また、固定手段を操作する際に、指掛け部を利用して第2の仕切り板を掴むことにより、作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る折り畳み台の使用状態を示す斜視図である。
図2】同折り畳み台の使用状態を示す正面図である。
図3】同折り畳み台の使用状態を示す平面図である。
図4】同折り畳み台の使用状態を示す側面図である。
図5】同折り畳み台の折り畳み途中の状態を示す正面図である。
図6】同折り畳み台の折り畳み途中の状態を示す平面図である。
図7】同折り畳み台の折り畳み状態を示す側面図である。
図8】(A)~(C)はそれぞれ同折り畳み台で用いられる第1の仕切り板の平面図、第2の仕切り板の平面図、天板の斜視図である。
図9】(A)、(B)はそれぞれ同折り畳み台で用いられる仕切り壁の各壁板の平面図である。
図10】本発明の第2の実施の形態に係る折り畳み台の使用状態を示す正面図である。
図11】同折り畳み台の使用状態を示す平面図である。
図12】同折り畳み台の使用状態を示す側面図である。
図13】同折り畳み台の折り畳み途中の状態を示す正面図である。
図14】同折り畳み台の折り畳み途中の状態を示す平面図である。
図15】同折り畳み台の折り畳み状態を示す側面図である。
図16】(A)~(C)はそれぞれ同折り畳み台で用いられる第1の仕切り板の平面図、第2の仕切り板の平面図、部分天板の斜視図である。
図17】同折り畳み台の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1図7に示す本発明の第1の実施の形態に係る折り畳み台10は、段ボール製で、極めて短時間で設置することができ、使用時以外は扁平状に折り畳んで簡単に持ち運び及び収納を行うことができるものである。なお、図面上、各部材(段ボール)の端面に現れる詳細構造(表裏のライナー及び中芯)は省略する(以下、同じ)。
折り畳み台10は、それぞれが長方形状に形成された複数の第1の仕切り板11と複数の第2の仕切り板12が噛合わされて平面視して格子状に配置された脚部13(図3参照)と、脚部13の上面を覆う四角形状の天板14とを有している。本実施の形態では、折り畳み台10をベッドとして使用する場合に荷重が加わり易い折り畳み台10の長手方向中央部のみに、図1図3図5図6に示すように、2枚の第2の仕切り板12を重ねて配置することにより補強したが、これに限定されるものではなく、必要に応じて、所望の場所を補強することができる。但し、第1、第2の仕切り板のそれぞれの厚さは、限定されるものではなく、厚さの同じ部材を重ねて配置する代わりに、必要に応じて厚さの異なる部材を組合せて所望の位置に配置してもよい。なお、本実施の形態では、図1図3に示すように、折り畳み台10の長手方向中央部で、第2の仕切り板12の配置間隔をその他の場所より狭くすることによっても強度を向上させているが、第1、第2の仕切り板の数及び配置間隔は、これに限定されるものではない。
また、折り畳み台10は、下端側が、第1の仕切り板11及び第2の仕切り板12に保持され、上端側が、使用時の天板14の上面より上方に突出して、脚部13の外周の三方(ここでは、折り畳み台10の長手方向の両側及び幅方向の一側)を囲うように平面視してコ字型に配置された仕切り壁15を有している。この仕切り壁15は、折り畳み台10の長手方向の両側で第2の仕切り板12と平行に配置される2枚の壁板17、18と、折り畳み台10の幅方向の一側で第1の仕切り板11と平行に配置される1枚の壁板19とで構成されている。
【0021】
以下、各部の詳細について説明する。
図8(A)に示すように、第1の仕切り板11の長手方向の途中に、第1の仕切り板11の高さ方向に沿って1箇所の垂直折り目21が形成されている。この垂直折り目21は、第1の仕切り板11を二分割するように、第1の仕切り板11の長手方向の中央位置に配置されている。そして、第1の仕切り板11の長手方向の途中に、第2の仕切り板12の配置に合わせて所定の間隔で複数(ここでは7本)の切れ目22が下端から上向きに形成され、第1の仕切り板11の長手方向の両側に、壁板17、18の配置に合わせて2本の切れ目23が上端から下向きに形成されている。また、図8(B)に示すように、第2の仕切り板12の長手方向の途中に、第1の仕切り板11の配置に合わせて所定の間隔で複数(ここでは4本)の切れ目24が上端から下向きに形成され、第2の仕切り板12の長手方向の一側に、壁板19の配置に合わせて1本の切れ目25が上端から下向きに形成されている。そして、壁板17、18の下端側には、図9(A)に示すように、第2の仕切り板12と同様に、第1の仕切り板11の配置に合わせて所定の間隔で複数(ここでは4本)の切れ目26が形成され、壁板19の下端側には、図9(B)に示すように、第1の仕切り板11と同様に、第2の仕切り板12の配置に合わせて所定の間隔で複数(ここでは7本)の切れ目27が形成されている。また、壁板19には、垂直折り目21の位置に対応して(壁板19の幅方向の中央部に)仕切り壁15(壁板19)の高さ方向に沿う1箇所の折り目29が形成されている。
【0022】
複数の第1の仕切り板11と複数の第2の仕切り板12をそれぞれの切れ目22と切れ目24で噛合せることにより、格子状の脚部13を簡単に製造することができる。また、壁板17、18の切れ目26とそれぞれの第1の仕切り板11の切れ目23を噛合せ、壁板19の切れ目27とそれぞれの第2の仕切り板12の切れ目25を噛合せることにより、壁板17~19を脚部13に固定することができる。なお、図9(A)、(B)に示すように、壁板17、18の幅方向の一側の上部に上向きの連結用切れ目30を介して係合片31が形成され、壁板19の幅方向の両側の上部に下向きの連結用切れ目32が形成されていることにより、連結用切れ目30と連結用切れ目32を噛合せて壁板17、18と壁板19を平面視してコ字型に連結することができる。避難所等で折り畳み台10をベッドとして使用する場合、仕切り壁15で他人の視線を遮ることができ、使用者のプライバシーを守ることができる。本実施の形態では、分割された3枚の壁板17~19で仕切り壁15を形成したが、1枚の板材を平面視してコ字型に折り曲げて仕切り壁として使用することもできるし、仕切り壁の一部又は全部を省略することもできる。また、各壁板の高さは同一である必要はなく、異なっていてもよく、一部の壁板の上端側を内側(天板側)に折り曲げて庇を形成することもできる。なお、仕切り壁を構成する各壁板の上辺は、水平である必要はなく、例えば幅方向の一側から他側に傾斜させたり、幅方向の中央から両外側に下り勾配で(山型に)傾斜させたり、円弧状又は波型等に湾曲させたりしてもよい。
【0023】
図1図3図5図8に示すように、天板14に、第1の仕切り板11の垂直折り目21の位置に対応して第2の仕切り板12と平行に水平折り目34が形成されている。この水平折り目34は、天板14を二分割するように、天板14の長手方向の中央位置に配置されている。また、図1図2図5に示すように、天板14は、第1の仕切り板11の長手方向の両端位置で天板14の両端辺からそれぞれ下方に延設されて各第1の仕切り板11の長手方向の両端部に保持される一対の差込み片35、36を有している。この差込み片35、36の下端部には、図8(C)に示すように、第1の仕切り板11の配置に合わせて所定の間隔で複数(ここでは4本)の切れ目37が形成されており、この切れ目37をそれぞれの第1の仕切り板11の切れ目23に噛合せることにより、差込み片35、36を介して天板14を脚部13(第1の仕切り板11)に保持することができる。なお、天板は、脚部と連動して折り畳み及び展開の動作を行うことができればよく、その取付方法は、本実施の形態に限定されるものではない。
【0024】
以上のように構成された折り畳み台10は、非使用時に、図5図6に示すように、天板14が水平折り目34で(正面視して逆V字状に)折り曲げられると、各第1の仕切り板11が各垂直折り目21で(平面視して逆V字状に)折り曲げられて各第2の仕切り板12と重合(図6参照)し、仕切り壁15(壁板19)が脚部13と連動して折り目29で折り曲げられて、平面視して逆V字状に折り畳まれることにより、図7に示すように、全体が扁平状に折り畳まれる。
使用時は、図7の折り畳まれた状態から、図5図6に示すように、壁板17、18の間隔を広げると、第1、第2の仕切り板11、12(脚部13)、天板14及び仕切り壁15(壁板19)が連動して展開し、図1図4に示した使用状態となる。ここで、図1図2図6図7図8(C)に示すように、天板14の長手方向の中央部で、幅方向の他側(壁板19の取付け位置と反対側)に、天板14を脚部13に固定する固定手段として、下方に折り曲げ可能な係止片38が形成されている。そして、この係止片38には、天板14(第1の仕切り板11)の長手方向の中央部に配置された第2の仕切り板12の位置に対応して、第2の仕切り板12の長手方向と平行に係止溝39が形成されている。従って、使用時に、図1図2に示すように、係止片38を下方に折り曲げ、対応する第2の仕切り板12の長手方向の他端側の切れ目24に、係止溝39を噛合せることにより、脚部13の上面に対して天板14を平坦状に保持し、天板14の浮き上がりを防止することができる。
【0025】
なお、本実施の形態では、固定手段として、天板14に1つだけ係止片38を設けたが、その数は、限定されるものではない。また、複数の係止片を設ける場合は、各係止片を第2の仕切り板の位置に対応させて、適宜、配置することができ、その配置間隔は等間隔でも不等間隔でもよい。なお、固定手段は、折り畳み台の使用時に、天板を脚部に固定することができればよく、その形態は、限定されるものではない。
また、図8(B)に示すように、第2の仕切り板12の長手方向の他側で切れ目24の下方に丸孔状の指掛け部41が形成されている。これにより、係止片38の係止溝39を切れ目24に噛合せる際に、指掛け部41に指を引っ掛ける(指掛け部41を指で摘む)ようにして、第2の仕切り板12を水平方向に引っ張ることができ、第2の仕切り板12の上端側(切れ目24の側方)が手で引っ張られることを防止して、第2の仕切り板12が切れ目24から破れる(引き裂かれる)ことを防ぐことができる。この指掛け部の形状及び大きさは、限定されるものではない。
【0026】
本実施の形態のように、全ての第2の仕切り板12に指掛け部41を形成することにより、第2の仕切り板の形状を全て共通化することができ、量産性及び組立時の作業性を向上させることができるが、指掛け部を形成した第2の仕切り板と、指掛け部を省略した第2の仕切り板を用意しておき、係止片の数及び配置に対応させて、2種類の第2の仕切り板を使い分けることもできる。なお、指掛け部は省略してもよい。
また、脚部13を折り畳み状態から使用状態に展開する際に、指掛け部41を利用して所望の第2の仕切り板12を水平方向に引っ張ることができ、作業性に優れる。この場合、指掛け部は、第2の仕切り板の長手方向の一側及び/又は両側に形成することができる。
なお、第1の仕切り板及び第2の仕切り板の寸法(長さと高さ)、並びに、平面視した折り畳み台の縦横の長さ及び縦横比を適宜、選択(変更)することにより、大人用のベッド以外にも、例えば子供用や乳幼児用のベッド、長椅子、座椅子、ベンチ等として使用することが可能である。
【0027】
本実施の形態では、折り畳み台を縦方向(折り畳み台の長手方向)に押し潰す構造となっているが、第1の仕切り板の長さと第2の仕切り板の長さを逆転させて、折り畳み台を横方向(折り畳み台の幅方向)に押し潰す構造とすることもできる。
なお、本実施の形態では、図1図3図6図7図8(C)に示すように、天板14の幅方向の一側に、水平折り目34を挟んで対象に2つの切り欠き状の手掛け部42を形成し、壁板17、18の幅方向の他側に、側面視して重なるように切り欠き状の手掛け部43を1つずつ形成した。これにより、扁平状に折り畳んだ折り畳み台10を、手掛け部42、43を利用して容易に持ち運ぶことができるが、手掛け部の形状、数及び配置は、本実施の形態に限られるものではない。
【0028】
次に、図10図16を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る折り畳み台45について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
折り畳み台45が折り畳み台10と異なる点は、脚部13aを構成する各第1の仕切り板46(図16(A)参照)に6本の切れ目22が形成され、各第2の仕切り板47(図16(B)参照)に4本の切れ目24が形成されている点と、垂直折り目21(図16(A)参照)及び水平折り目34(図11図13図14参照)が、各第1の仕切り板46及び天板48を四分割するように3箇所ずつ配置されていると共に、天板48が、3箇所の水平折り目34のうち、中央の水平折り目34の位置で2つの部分天板49、50に分割されており、両端部の差込み片35、36に加え、分割位置で各部分天板49、50の端辺からそれぞれ下方に延設されて各第1の仕切り板46の長手方向の中央部に保持される中央差込み片51、52を有し(図10図13参照)、非使用時に、天板48は正面視してM字状に折り曲げられ、各第1の仕切り板46は平面視してM字状に折り曲げられる点(図13図14参照)と、仕切り壁を備えていない点である。
【0029】
なお、図16(C)に示すように、中央差込み片51(52も同様)の下端部には、差込み片35、36と同様に、第1の仕切り板46の配置に合わせて所定の間隔で複数(ここでは4本)の切れ目53が形成されており、各第1の仕切り板46の長手方向中央部には、中央差込み片51、52の配置に合わせて切れ目54が上端から下向きに形成されている。これにより、中央差込み片51、52と各第1の仕切り板46をそれぞれの切れ目53と切れ目54で噛合せて、天板48の長手方向中央部を各第1の仕切り板46に確実に保持することができ、脚部13aと天板48の折り畳み時及び展開時の動作の連動性を高めることができる。部分天板49、50は、中央差込み片51、52で接合して一体化してもよいし、分割されたままでもよい。なお、本実施の形態では、天板の長手方向中央部を第1の仕切り板に折り曲げ可能に保持するための保持手段として、天板を2つの部分天板に分割して中央差込み片を形成したが、保持手段はこれに限定されるものではない。また、天板を2つの部分天板に分割せず、中央差込み片を省略して両端の差込み片のみで脚部(第1の仕切り板)に保持する構造としてもよい。
【0030】
以上の構成により、図15に示すように、折り畳み台45の折り畳み時のサイズ(側面視の形状)を折り畳み台10よりもコンパクト化して、搬送時及び収納時の省スペース性を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、天板48の3箇所の水平折り目34のうち、天板48(部分天板49、50)が山折となる2箇所の水平折り目34の位置に合わせて、図10図14に示すように、天板48に2つの係止片38を形成したが、係止片の数及び配置は、これに限定されない。
【0031】
次に、折り畳み台の変形例について説明する。なお、第1、第2の実施の形態と同様のものは同じ符号を付して説明を省略する。
図17に示す変形例の折り畳み台55が折り畳み台45と異なる点は、脚部13bが第1の仕切り板46と第2の仕切り板12で構成され、仕切り壁56を有している点である。そして、仕切り壁56のうち、第1の仕切り板46の長手方向と平行に配置される壁板57には、垂直折り目21(図16参照)の位置に対応して仕切り壁56の高さ方向に沿う3箇所の折り目29が形成されている。これにより、非使用時に、天板48が正面視してM字状に折り曲げられ、各第1の仕切り板46が平面視してM字状に折り曲げられた際に、仕切り壁56(壁板57)が脚部13bと連動して折り目29で折り曲げられて、平面視してM字状に折り畳まれる(図示せず)。
なお、壁板57には、折り曲げ片58を折り曲げる(回動させる)ことにより開閉可能な2つの孔状の手掛け部59を形成したが、手掛け部の形状、数及び配置は適宜、これに限定されない。
【0032】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。折り畳み台の各部材を形成するための段ボールの構造としては両面段ボールが好適に用いられるが、これに限定されるものではなく、必要に応じて、例えば一部又は全部に複両面段ボール(Wフルート)を用いてもよい。また、両面段ボールとしては、一般的なAフルートに限らず、Bフルート、Cフルート又はその他を用いてもよいし、これらを2種以上組合せて用いてもよい。
なお、上記実施の形態では、第1の仕切り板の垂直折り目及び天板の水平折り目を1箇所ずつ又は3箇所ずつとしたが、これらが奇数箇所にあれば、第1の仕切り板及び天板を蛇腹状に折り曲げて折り畳み台全体を扁平状に折り畳むことができる。また、第1の仕切り板の垂直折り目の数と天板の水平折り目の数は、同一である必要はなく、例えば、第1の仕切り板が平面視して逆V字状に折り曲げられる時に、天板が正面視してM字状に折り曲げられてもよいし、第1の仕切り板が平面視してM字状に折り曲げられる時に、天板が正面視して逆V字状に折り曲げられてもよい。
【符号の説明】
【0033】
10:折り畳み台、11:第1の仕切り板、12:第2の仕切り板、13、13a、13b:脚部、14:天板、15:仕切り壁、17~19:壁板、21:垂直折り目、22~27:切れ目、29:折り目、30:連結用切れ目、31:係合片、32:連結用切れ目、34:水平折り目、35、36:差込み片、37:切れ目、38:係止片、39:係止溝、41:指掛け部、42、43手掛け部、45:折り畳み台、46:第1の仕切り板、47:第2の仕切り板、48:天板、49、50:部分天板、51、52:中央差込み片、53、54:切れ目、55:折り畳み台、56:仕切り壁、57:壁板、58:折り曲げ片、59:手掛け部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2021-05-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
段ボール製の折り畳み台であって、
それぞれが長方形状に形成された複数の第1の仕切り板と複数の第2の仕切り板が噛合わされて平面視して格子状に配置された脚部と、該脚部の上面を覆う四角形状の天板とを有し、前記各第1の仕切り板の長手方向の途中に、該各第1の仕切り板の高さ方向に沿って奇数箇所の垂直折り目が形成され、前記天板に、前記各垂直折り目の位置に対応して前記第2の仕切り板と平行に水平折り目が形成されており、非使用時に、前記天板は前記各水平折り目で折り曲げられ、前記各第1の仕切り板は前記各垂直折り目で折り曲げられて前記各第2の仕切り板と重合し、全体が扁平状に折り畳まれることを特徴とする折り畳み台。
【請求項2】
請求項1記載の折り畳み台において、前記垂直折り目及び前記水平折り目はそれぞれ、前記各第1の仕切り板及び前記天板を二分割するように1箇所ずつ配置され、前記天板は、前記第1の仕切り板の長手方向の両端位置で前記天板の両端辺からそれぞれ下方に延設されて前記各第1の仕切り板の長手方向の両端部に保持される一対の差込み片を有し、非使用時に、前記天板は正面視して逆V字状に折り曲げられ、前記各第1の仕切り板は平面視して逆V字状に折り曲げられることを特徴とする折り畳み台。
【請求項3】
請求項1記載の折り畳み台において、前記垂直折り目及び前記水平折り目はそれぞれ、前記各第1の仕切り板及び前記天板を四分割するように3箇所ずつ配置され、前記天板は、前記第1の仕切り板の長手方向の両端位置で該天板の両端辺からそれぞれ下方に延設されて前記各第1の仕切り板の長手方向の両端部に保持される一対の差込み片を有し、非使用時に、前記天板は正面視してM字状に折り曲げられ、前記各第1の仕切り板は平面視してM字状に折り曲げられることを特徴とする折り畳み台。
【請求項4】
請求項3記載の折り畳み台において、前記天板は、3箇所の前記水平折り目のうち、中央の前記水平折り目の位置で2つの部分天板に分割され、該分割位置で前記各部分天板の端辺からそれぞれ下方に延設されて前記各第1の仕切り板の長手方向の中央部に保持される中央差込み片を有することを特徴とする折り畳み台。
【請求項5】
請求項2~4のいずれか1記載の折り畳み台において、下端側が前記各第1の仕切り板及び前記各第2の仕切り板に保持され、上端側が使用時の前記天板の上面より上方に突出して、前記脚部の外周の三方を囲うように平面視してコ字型に配置された仕切り壁を有し、該仕切り壁のうち、前記第1の仕切り板の長手方向と平行に配置される壁板には、前記垂直折り目の位置に対応して前記仕切り壁の高さ方向に沿う折り目が形成され、非使用時に、前記仕切り壁が前記脚部と連動して前記折り目で折り曲げられて、平面視して逆V字状又はM字状に折り畳まれることを特徴とする折り畳み台。
【請求項6】
請求項5記載の折り畳み台において、前記天板及び/又は前記仕切り壁に切り欠き状若しくは孔状の手掛け部が形成され、前記第2の仕切り板の長手方向の一側及び/又は他側に孔状の指掛け部が形成されていることを特徴とする折り畳み台。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1記載の折り畳み台において、使用時に、前記天板を前記脚部に固定する固定手段として、前記天板に、係止溝を有する係止片が折り曲げ可能に形成され、前記第2の仕切り板に、前記係止溝と噛合う切れ目が形成されていることを特徴とする折り畳み台。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、極めて短時間で設置することができ、使用時以外は扁平状に折り畳んで簡単に持ち運び及び収納を行うことができる段ボール製の折り畳み台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、災害等の発生により自宅で生活できなくなった被災者は、公民館や体育館等の避難所又は仮設住宅等で生活することがあるが、それぞれの被災者に割り当てられるスペースには限りがあると共に、そのような場所にベッドを搬入して設置することは困難である。そのため、被災者は、硬い床の上で、布団を敷いて寝たり、寝袋に入って寝たりしており、就寝中に苦痛を感じ易く、快眠が妨げられ、腰痛や睡眠不足等に悩まされるという問題があった。また、足腰が弱く、普段からベッドを使用して生活している高齢者等は、布団での寝起きが困難であるため、避難所又は仮設住宅等の使用に制限を受けるという問題もあった。そこで、段ボールで作製され、使用時以外はコンパクトに折り畳まれて収納され、持ち運びも容易な折り畳み式のベッド(例えば特許文献1)や、分解された状態で搬送され、必要な場所で組立てられて設置される様々な簡易(組立式)ベッド(例えば特許文献2~5)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-188877号公報
【特許文献2】実用新案登録第3229660号公報
【特許文献3】特開2012-235819号公報
【特許文献4】実用新案登録第3204236号公報
【特許文献5】特開2009-5902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、ベッドフレームを構成する左右一対の支持板と、両支持板の上縁部に載置された床板が、それぞれ蛇腹状に伸縮することにより折り畳まれ、ベッドフレームの前後に分割されたケース内に収納可能となっている。しかし、床板は、前後の端板、長手方向中央部で端板と平行に配置された中間板及びくの字に折れ曲がった左右の支持板のみで支持されている。つまり、端板、中間板及び支持板を構成する前後の屈曲板の隣接する端部同士が連結されているだけで、その他に互いを連結する連結材(補強材)を有していないため、床板の下側は、ほとんど中空で支えが少なく、使用者の体重による変形や破損が発生し易く、形状の安定性及び耐久性に欠けるという課題がある。
これに対し、特許文献2~5では、床板(天板)を支持する脚部が、複数のシート(仕切り板)で格子状(井桁状)に形成されており、床板の変形を効果的に防止することができる。しかし、分解された状態で搬送されるため、設置場所において、複数のシートを、それぞれのシートに形成された切れ目(スリット)同士で噛合せ、格子状に配置して、床板を取り付けなければならず、組立に手間がかかるという課題がある。また、組立後は、簡単に分解することや折り畳むことが困難で、占有スペースを必要とし、設置場所が限定されるという課題もある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、折り畳み状態から、極めて短時間で設置することができ、簡素な構成でありながら形状安定性及び耐久性に優れると共に、使用時以外は、簡単に折り畳んで搬送及び収納を行うことができ、省スペース性、実用性及び機能性に優れ、主にベッドとして好適に用いることができる折り畳み台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的に沿う本発明に係る折り畳み台は、段ボール製の折り畳み台であって、
それぞれが長方形状に形成された複数の第1の仕切り板と複数の第2の仕切り板が噛合わされて平面視して格子状に配置された脚部と、該脚部の上面を覆う四角形状の天板とを有し、前記各第1の仕切り板の長手方向の途中に、該各第1の仕切り板の高さ方向に沿って奇数箇所の垂直折り目が形成され、前記天板に、前記各垂直折り目の位置に対応して前記第2の仕切り板と平行に水平折り目が形成されており、非使用時に、前記天板は前記各水平折り目で折り曲げられ、前記各第1の仕切り板は前記各垂直折り目で折り曲げられて前記各第2の仕切り板と重合し、全体が扁平状に折り畳まれる。
【0006】
本発明に係る折り畳み台において、前記垂直折り目及び前記水平折り目はそれぞれ、前記各第1の仕切り板及び前記天板を二分割するように1箇所ずつ配置され、前記天板は、前記第1の仕切り板の長手方向の両端位置で前記天板の両端辺からそれぞれ下方に延設されて前記各第1の仕切り板の長手方向の両端部に保持される一対の差込み片を有し、非使用時に、前記天板は正面視して逆V字状に折り曲げられ、前記各第1の仕切り板は平面視して逆V字状に折り曲げられることが好ましい。
【0007】
本発明に係る折り畳み台において、前記垂直折り目及び前記水平折り目はそれぞれ、前記各第1の仕切り板及び前記天板を四分割するように3箇所ずつ配置され、前記天板は、前記第1の仕切り板の長手方向の両端位置で該天板の両端辺からそれぞれ下方に延設されて前記各第1の仕切り板の長手方向の両端部に保持される一対の差込み片を有し、非使用時に、前記天板は正面視してM字状に折り曲げられ、前記各第1の仕切り板は平面視してM字状に折り曲げられてもよい。
【0008】
本発明に係る折り畳み台において、前記天板は、3箇所の前記水平折り目のうち、中央の前記水平折り目の位置で2つの部分天板に分割され、該分割位置で前記各部分天板の端辺からそれぞれ下方に延設されて前記各第1の仕切り板の長手方向の中央部に保持される中央差込み片を有することが好ましい。
【0009】
本発明に係る折り畳み台において、下端側が前記各第1の仕切り板及び前記各第2の仕切り板に保持され、上端側が使用時の前記天板の上面より上方に突出して、前記脚部の外周の三方を囲うように平面視してコ字型に配置された仕切り壁を有し、該仕切り壁のうち、前記第1の仕切り板の長手方向と平行に配置される壁板には、前記垂直折り目の位置に対応して前記仕切り壁の高さ方向に沿う折り目が形成され、非使用時に、前記仕切り壁が前記脚部と連動して前記折り目で折り曲げられて、平面視して逆V字状又はM字状に折り畳まれることがさらに好ましい。
【0010】
本発明に係る折り畳み台において、前記天板及び/又は前記仕切り壁に切り欠き状若しくは孔状の手掛け部が形成され、前記第2の仕切り板の長手方向の一側及び/又は他側に孔状の指掛け部が形成されてもよい。
【0011】
本発明に係る折り畳み台において、使用時に、前記天板を前記脚部に固定する固定手段として、前記天板に、係止溝を有する係止片が折り曲げ可能に形成され、前記第2の仕切り板に、前記係止溝と噛合う切れ目が形成されてもよい
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る折り畳み台は、複数の第1の仕切り板と複数の第2の仕切り板が格子状に配置された脚部で、天板全体を確実に支持し、天板の変形及び破損を効果的に防止することができる。また、部品の着脱を伴う組立作業及び分解作業が不要で、天板と脚部が連動して変形することにより、極めて短時間のうちに設置可能であると共に、必要に応じて形態をスムーズに変化させ、使用状態と非使用状態を切替えることができ、非使用時は、折り畳み台全体を扁平状に折り畳んで、簡単に持ち運びや収納を行うことができる。
【0013】
本発明に係る折り畳み台において、垂直折り目及び水平折り目がそれぞれ、各第1の仕切り板及び天板を二分割するように1箇所ずつ配置され、天板が、第1の仕切り板の長手方向の両端位置で天板の両端辺からそれぞれ下方に延設されて各第1の仕切り板の長手方向の両端部に保持される一対の差込み片を有し、非使用時に、天板が正面視して逆V字状に折り曲げられ、各第1の仕切り板が平面視して逆V字状に折り曲げられる場合、天板を確実に脚部に固定し、脚部と天板の動作をスムーズに連動させることができる。
【0014】
本発明に係る折り畳み台において、垂直折り目及び水平折り目がそれぞれ、各第1の仕切り板及び天板を四分割するように3箇所ずつ配置され、天板が、第1の仕切り板の長手方向の両端位置で天板の両端辺からそれぞれ下方に延設されて各第1の仕切り板の長手方向の両端部に保持される一対の差込み片を有し、非使用時に、天板が正面視してM字状に折り曲げられ、各第1の仕切り板が平面視してM字状に折り曲げられる場合、非使用時(折り畳み時)のサイズをコンパクト化することができ、搬送時及び収納時の省スペース性に優れる。
【0015】
本発明に係る折り畳み台において、天板が、3箇所の水平折り目のうち、中央の水平折り目の位置で2つの部分天板に分割されて各第1の仕切り板の長手方向の中央部に保持される中央差込み片を有する場合、天板の要所を確実に固定して、天板の伸縮動作の安定性を向上させることができる。
【0016】
本発明に係る折り畳み台において、下端側が各第1の仕切り板及び各第2の仕切り板に保持され、上端側が使用時の天板の上面より上方に突出して、脚部の外周の三方を囲うように平面視してコ字型に配置された仕切り壁を有し、仕切り壁のうち、第1の仕切り板の長手方向と平行に配置される壁板には、垂直折り目の位置に対応して仕切り壁の高さ方向に沿う折り目が形成され、非使用時に、仕切り壁が脚部と連動して折り目で折り曲げられて、平面視して逆V字状又はM字状に折り畳まれる場合、非使用時(折り畳み時)に、仕切り壁を取り外す必要がなく、使用時には、折り畳み台の周囲(三方)を仕切り壁で確実に遮蔽し、使用者のプライバシーを守ることができる。
【0017】
本発明に係る折り畳み台において、天板及び/又は仕切り壁に手掛け部が形成され、第2の仕切り板の長手方向の一側及び/又は他側に指掛け部が形成されている場合、手掛け部を利用して折り畳み状態の折り畳み台を簡単に持ち運ぶことができると共に、折り畳み状態から使用状態に変形させる際に、指掛け部を指(手)で摘んで第2の仕切り板を水平方向に引っ張ることにより、垂直折り目で折り曲げられていた第1の仕切り板を平板状に戻して、脚部の形状を整えることができる。
【0018】
本発明に係る折り畳み台において、使用時に、天板を脚部に固定する固定手段を有する場合、使用時の天板の浮き上がりを防止することができ、形態の安定性に優れる。また、固定手段を操作する際に、指掛け部を利用して第2の仕切り板を掴むことにより、作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る折り畳み台の使用状態を示す斜視図である。
図2】同折り畳み台の使用状態を示す正面図である。
図3】同折り畳み台の使用状態を示す平面図である。
図4】同折り畳み台の使用状態を示す側面図である。
図5】同折り畳み台の折り畳み途中の状態を示す正面図である。
図6】同折り畳み台の折り畳み途中の状態を示す平面図である。
図7】同折り畳み台の折り畳み状態を示す側面図である。
図8】(A)~(C)はそれぞれ同折り畳み台で用いられる第1の仕切り板の平面図、第2の仕切り板の平面図、天板の斜視図である。
図9】(A)、(B)はそれぞれ同折り畳み台で用いられる仕切り壁の各壁板の平面図である。
図10】本発明の第2の実施の形態に係る折り畳み台の使用状態を示す正面図である。
図11】同折り畳み台の使用状態を示す平面図である。
図12】同折り畳み台の使用状態を示す側面図である。
図13】同折り畳み台の折り畳み途中の状態を示す正面図である。
図14】同折り畳み台の折り畳み途中の状態を示す平面図である。
図15】同折り畳み台の折り畳み状態を示す側面図である。
図16】(A)~(C)はそれぞれ同折り畳み台で用いられる第1の仕切り板の平面図、第2の仕切り板の平面図、部分天板の斜視図である。
図17】同折り畳み台の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1図7に示す本発明の第1の実施の形態に係る折り畳み台10は、段ボール製で、極めて短時間で設置することができ、使用時以外は扁平状に折り畳んで簡単に持ち運び及び収納を行うことができるものである。なお、図面上、各部材(段ボール)の端面に現れる詳細構造(表裏のライナー及び中芯)は省略する(以下、同じ)。
折り畳み台10は、それぞれが長方形状に形成された複数の第1の仕切り板11と複数の第2の仕切り板12が噛合わされて平面視して格子状に配置された脚部13(図3参照)と、脚部13の上面を覆う四角形状の天板14とを有している。本実施の形態では、折り畳み台10をベッドとして使用する場合に荷重が加わり易い折り畳み台10の長手方向中央部のみに、図1図3図5図6に示すように、2枚の第2の仕切り板12を重ねて配置することにより補強したが、これに限定されるものではなく、必要に応じて、所望の場所を補強することができる。但し、第1、第2の仕切り板のそれぞれの厚さは、限定されるものではなく、厚さの同じ部材を重ねて配置する代わりに、必要に応じて厚さの異なる部材を組合せて所望の位置に配置してもよい。なお、本実施の形態では、図1図3に示すように、折り畳み台10の長手方向中央部で、第2の仕切り板12の配置間隔をその他の場所より狭くすることによっても強度を向上させているが、第1、第2の仕切り板の数及び配置間隔は、これに限定されるものではない。
また、折り畳み台10は、下端側が、第1の仕切り板11及び第2の仕切り板12に保持され、上端側が、使用時の天板14の上面より上方に突出して、脚部13の外周の三方(ここでは、折り畳み台10の長手方向の両側及び幅方向の一側)を囲うように平面視してコ字型に配置された仕切り壁15を有している。この仕切り壁15は、折り畳み台10の長手方向の両側で第2の仕切り板12と平行に配置される2枚の壁板17、18と、折り畳み台10の幅方向の一側で第1の仕切り板11と平行に配置される1枚の壁板19とで構成されている。
【0021】
以下、各部の詳細について説明する。
図8(A)に示すように、第1の仕切り板11の長手方向の途中に、第1の仕切り板11の高さ方向に沿って1箇所の垂直折り目21が形成されている。この垂直折り目21は、第1の仕切り板11を二分割するように、第1の仕切り板11の長手方向の中央位置に配置されている。そして、第1の仕切り板11の長手方向の途中に、第2の仕切り板12の配置に合わせて所定の間隔で複数(ここでは7本)の切れ目22が下端から上向きに形成され、第1の仕切り板11の長手方向の両側に、壁板17、18の配置に合わせて2本の切れ目23が上端から下向きに形成されている。また、図8(B)に示すように、第2の仕切り板12の長手方向の途中に、第1の仕切り板11の配置に合わせて所定の間隔で複数(ここでは4本)の切れ目24が上端から下向きに形成され、第2の仕切り板12の長手方向の一側に、壁板19の配置に合わせて1本の切れ目25が上端から下向きに形成されている。そして、壁板17、18の下端側には、図9(A)に示すように、第2の仕切り板12と同様に、第1の仕切り板11の配置に合わせて所定の間隔で複数(ここでは4本)の切れ目26が形成され、壁板19の下端側には、図9(B)に示すように、第1の仕切り板11と同様に、第2の仕切り板12の配置に合わせて所定の間隔で複数(ここでは7本)の切れ目27が形成されている。また、壁板19には、垂直折り目21の位置に対応して(壁板19の幅方向の中央部に)仕切り壁15(壁板19)の高さ方向に沿う1箇所の折り目29が形成されている。
【0022】
複数の第1の仕切り板11と複数の第2の仕切り板12をそれぞれの切れ目22と切れ目24で噛合せることにより、格子状の脚部13を簡単に製造することができる。また、壁板17、18の切れ目26とそれぞれの第1の仕切り板11の切れ目23を噛合せ、壁板19の切れ目27とそれぞれの第2の仕切り板12の切れ目25を噛合せることにより、壁板17~19を脚部13に固定することができる。なお、図9(A)、(B)に示すように、壁板17、18の幅方向の一側の上部に上向きの連結用切れ目30を介して係合片31が形成され、壁板19の幅方向の両側の上部に下向きの連結用切れ目32が形成されていることにより、連結用切れ目30と連結用切れ目32を噛合せて壁板17、18と壁板19を平面視してコ字型に連結することができる。避難所等で折り畳み台10をベッドとして使用する場合、仕切り壁15で他人の視線を遮ることができ、使用者のプライバシーを守ることができる。本実施の形態では、分割された3枚の壁板17~19で仕切り壁15を形成したが、1枚の板材を平面視してコ字型に折り曲げて仕切り壁として使用することもできるし、仕切り壁の一部又は全部を省略することもできる。また、各壁板の高さは同一である必要はなく、異なっていてもよく、一部の壁板の上端側を内側(天板側)に折り曲げて庇を形成することもできる。なお、仕切り壁を構成する各壁板の上辺は、水平である必要はなく、例えば幅方向の一側から他側に傾斜させたり、幅方向の中央から両外側に下り勾配で(山型に)傾斜させたり、円弧状又は波型等に湾曲させたりしてもよい。
【0023】
図1図3図5図8に示すように、天板14に、第1の仕切り板11の垂直折り目21の位置に対応して第2の仕切り板12と平行に水平折り目34が形成されている。この水平折り目34は、天板14を二分割するように、天板14の長手方向の中央位置に配置されている。また、図1図2図5に示すように、天板14は、第1の仕切り板11の長手方向の両端位置で天板14の両端辺からそれぞれ下方に延設されて各第1の仕切り板11の長手方向の両端部に保持される一対の差込み片35、36を有している。この差込み片35、36の下端部には、図8(C)に示すように、第1の仕切り板11の配置に合わせて所定の間隔で複数(ここでは4本)の切れ目37が形成されており、この切れ目37をそれぞれの第1の仕切り板11の切れ目23に噛合せることにより、差込み片35、36を介して天板14を脚部13(第1の仕切り板11)に保持することができる。なお、天板は、脚部と連動して折り畳み及び展開の動作を行うことができればよく、その取付方法は、本実施の形態に限定されるものではない。
【0024】
以上のように構成された折り畳み台10は、非使用時に、図5図6に示すように、天板14が水平折り目34で(正面視して逆V字状に)折り曲げられると、各第1の仕切り板11が各垂直折り目21で(平面視して逆V字状に)折り曲げられて各第2の仕切り板12と重合(図6参照)し、仕切り壁15(壁板19)が脚部13と連動して折り目29で折り曲げられて、平面視して逆V字状に折り畳まれることにより、図7に示すように、全体が扁平状に折り畳まれる。
使用時は、図7の折り畳まれた状態から、図5図6に示すように、壁板17、18の間隔を広げると、第1、第2の仕切り板11、12(脚部13)、天板14及び仕切り壁15(壁板19)が連動して展開し、図1図4に示した使用状態となる。ここで、図1図2図6図7図8(C)に示すように、天板14の長手方向の中央部で、幅方向の他側(壁板19の取付け位置と反対側)に、天板14を脚部13に固定する固定手段として、下方に折り曲げ可能な係止片38が形成されている。そして、この係止片38には、天板14(第1の仕切り板11)の長手方向の中央部に配置された第2の仕切り板12の位置に対応して、第2の仕切り板12の長手方向と平行に係止溝39が形成されている。従って、使用時に、図1図2に示すように、係止片38を下方に折り曲げ、対応する第2の仕切り板12の長手方向の他端側の切れ目24に、係止溝39を噛合せることにより、脚部13の上面に対して天板14を平坦状に保持し、天板14の浮き上がりを防止することができる。
【0025】
なお、本実施の形態では、固定手段として、天板14に1つだけ係止片38を設けたが、その数は、限定されるものではない。また、複数の係止片を設ける場合は、各係止片を第2の仕切り板の位置に対応させて、適宜、配置することができ、その配置間隔は等間隔でも不等間隔でもよい。なお、固定手段は、折り畳み台の使用時に、天板を脚部に固定することができればよく、その形態は、限定されるものではない。
また、図8(B)に示すように、第2の仕切り板12の長手方向の他側で切れ目24の下方に丸孔状の指掛け部41が形成されている。これにより、係止片38の係止溝39を切れ目24に噛合せる際に、指掛け部41に指を引っ掛ける(指掛け部41を指で摘む)ようにして、第2の仕切り板12を水平方向に引っ張ることができ、第2の仕切り板12の上端側(切れ目24の側方)が手で引っ張られることを防止して、第2の仕切り板12が切れ目24から破れる(引き裂かれる)ことを防ぐことができる。この指掛け部の形状及び大きさは、限定されるものではない。
【0026】
本実施の形態のように、全ての第2の仕切り板12に指掛け部41を形成することにより、第2の仕切り板の形状を全て共通化することができ、量産性及び組立時の作業性を向上させることができるが、指掛け部を形成した第2の仕切り板と、指掛け部を省略した第2の仕切り板を用意しておき、係止片の数及び配置に対応させて、2種類の第2の仕切り板を使い分けることもできる。なお、指掛け部は省略してもよい。
また、脚部13を折り畳み状態から使用状態に展開する際に、指掛け部41を利用して所望の第2の仕切り板12を水平方向に引っ張ることができ、作業性に優れる。この場合、指掛け部は、第2の仕切り板の長手方向の一側及び/又は両側に形成することができる。
なお、第1の仕切り板及び第2の仕切り板の寸法(長さと高さ)、並びに、平面視した折り畳み台の縦横の長さ及び縦横比を適宜、選択(変更)することにより、大人用のベッド以外にも、例えば子供用や乳幼児用のベッド、長椅子、座椅子、ベンチ等として使用することが可能である。
【0027】
本実施の形態では、折り畳み台を縦方向(折り畳み台の長手方向)に押し潰す構造となっているが、第1の仕切り板の長さと第2の仕切り板の長さを逆転させて、折り畳み台を横方向(折り畳み台の幅方向)に押し潰す構造とすることもできる。
なお、本実施の形態では、図1図3図6図7図8(C)に示すように、天板14の幅方向の一側に、水平折り目34を挟んで対象に2つの切り欠き状の手掛け部42を形成し、壁板17、18の幅方向の他側に、側面視して重なるように切り欠き状の手掛け部43を1つずつ形成した。これにより、扁平状に折り畳んだ折り畳み台10を、手掛け部42、43を利用して容易に持ち運ぶことができるが、手掛け部の形状、数及び配置は、本実施の形態に限られるものではない。
【0028】
次に、図10図16を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る折り畳み台45について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
折り畳み台45が折り畳み台10と異なる点は、脚部13aを構成する各第1の仕切り板46(図16(A)参照)に6本の切れ目22が形成され、各第2の仕切り板47(図16(B)参照)に4本の切れ目24が形成されている点と、垂直折り目21(図16(A)参照)及び水平折り目34(図11図13図14参照)が、各第1の仕切り板46及び天板48を四分割するように3箇所ずつ配置されていると共に、天板48が、3箇所の水平折り目34のうち、中央の水平折り目34の位置で2つの部分天板49、50に分割されており、両端部の差込み片35、36に加え、分割位置で各部分天板49、50の端辺からそれぞれ下方に延設されて各第1の仕切り板46の長手方向の中央部に保持される中央差込み片51、52を有し(図10図13参照)、非使用時に、天板48は正面視してM字状に折り曲げられ、各第1の仕切り板46は平面視してM字状に折り曲げられる点(図13図14参照)と、仕切り壁を備えていない点である。
【0029】
なお、図16(C)に示すように、中央差込み片51(52も同様)の下端部には、差込み片35、36と同様に、第1の仕切り板46の配置に合わせて所定の間隔で複数(ここでは4本)の切れ目53が形成されており、各第1の仕切り板46の長手方向中央部には、中央差込み片51、52の配置に合わせて切れ目54が上端から下向きに形成されている。これにより、中央差込み片51、52と各第1の仕切り板46をそれぞれの切れ目53と切れ目54で噛合せて、天板48の長手方向中央部を各第1の仕切り板46に確実に保持することができ、脚部13aと天板48の折り畳み時及び展開時の動作の連動性を高めることができる。部分天板49、50は、中央差込み片51、52で接合して一体化してもよいし、分割されたままでもよい。なお、本実施の形態では、天板の長手方向中央部を第1の仕切り板に折り曲げ可能に保持するための保持手段として、天板を2つの部分天板に分割して中央差込み片を形成したが、保持手段はこれに限定されるものではない。また、天板を2つの部分天板に分割せず、中央差込み片を省略して両端の差込み片のみで脚部(第1の仕切り板)に保持する構造としてもよい。
【0030】
以上の構成により、図15に示すように、折り畳み台45の折り畳み時のサイズ(側面視の形状)を折り畳み台10よりもコンパクト化して、搬送時及び収納時の省スペース性を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、天板48の3箇所の水平折り目34のうち、天板48(部分天板49、50)が山折となる2箇所の水平折り目34の位置に合わせて、図10図14に示すように、天板48に2つの係止片38を形成したが、係止片の数及び配置は、これに限定されない。
【0031】
次に、折り畳み台の変形例について説明する。なお、第1、第2の実施の形態と同様のものは同じ符号を付して説明を省略する。
図17に示す変形例の折り畳み台55が折り畳み台45と異なる点は、脚部13bが第1の仕切り板46と第2の仕切り板12で構成され、仕切り壁56を有している点である。そして、仕切り壁56のうち、第1の仕切り板46の長手方向と平行に配置される壁板57には、垂直折り目21(図16参照)の位置に対応して仕切り壁56の高さ方向に沿う3箇所の折り目29が形成されている。これにより、非使用時に、天板48が正面視してM字状に折り曲げられ、各第1の仕切り板46が平面視してM字状に折り曲げられた際に、仕切り壁56(壁板57)が脚部13bと連動して折り目29で折り曲げられて、平面視してM字状に折り畳まれる(図示せず)。
なお、壁板57には、折り曲げ片58を折り曲げる(回動させる)ことにより開閉可能な2つの孔状の手掛け部59を形成したが、手掛け部の形状、数及び配置は適宜、これに限定されない。
【0032】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。折り畳み台の各部材を形成するための段ボールの構造としては両面段ボールが好適に用いられるが、これに限定されるものではなく、必要に応じて、例えば一部又は全部に複両面段ボール(Wフルート)を用いてもよい。また、両面段ボールとしては、一般的なAフルートに限らず、Bフルート、Cフルート又はその他を用いてもよいし、これらを2種以上組合せて用いてもよい。
なお、上記実施の形態では、第1の仕切り板の垂直折り目及び天板の水平折り目を1箇所ずつ又は3箇所ずつとしたが、これらが奇数箇所にあれば、第1の仕切り板及び天板を蛇腹状に折り曲げて折り畳み台全体を扁平状に折り畳むことができる。また、第1の仕切り板の垂直折り目の数と天板の水平折り目の数は、同一である必要はなく、例えば、第1の仕切り板が平面視して逆V字状に折り曲げられる時に、天板が正面視してM字状に折り曲げられてもよいし、第1の仕切り板が平面視してM字状に折り曲げられる時に、天板が正面視して逆V字状に折り曲げられてもよい。
【符号の説明】
【0033】
10:折り畳み台、11:第1の仕切り板、12:第2の仕切り板、13、13a、13b:脚部、14:天板、15:仕切り壁、17~19:壁板、21:垂直折り目、22~27:切れ目、29:折り目、30:連結用切れ目、31:係合片、32:連結用切れ目、34:水平折り目、35、36:差込み片、37:切れ目、38:係止片、39:係止溝、41:指掛け部、42、43手掛け部、45:折り畳み台、46:第1の仕切り板、47:第2の仕切り板、48:天板、49、50:部分天板、51、52:中央差込み片、53、54:切れ目、55:折り畳み台、56:仕切り壁、57:壁板、58:折り曲げ片、59:手掛け部