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特開2022-135666情報処理システム、管理サーバ、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022135666
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】情報処理システム、管理サーバ、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20220908BHJP
   A63B 22/02 20060101ALI20220908BHJP
   A63B 24/00 20060101ALI20220908BHJP
   A63B 71/06 20060101ALI20220908BHJP
   G16Y 10/65 20200101ALI20220908BHJP
   G16Y 20/40 20200101ALI20220908BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20220908BHJP
【FI】
A61B5/00 D
A63B22/02
A63B24/00
A63B71/06 J
G16Y10/65
G16Y20/40
G16Y40/10
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021035614
(22)【出願日】2021-03-05
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】516377348
【氏名又は名称】株式会社Arblet
(72)【発明者】
【氏名】清水 滉允
【テーマコード(参考)】
4C117
【Fターム(参考)】
4C117XA01
4C117XB01
4C117XC11
4C117XC13
4C117XC18
4C117XD15
4C117XE03
4C117XE13
4C117XE14
4C117XE17
4C117XE23
4C117XE26
4C117XF03
4C117XJ13
4C117XJ21
4C117XJ48
4C117XM15
4C117XQ11
4C117XR01
4C117XR03
(57)【要約】
【課題】トレッドミルでのトレーニング時に、周期的にユーザの移動距離情報(実際の移動を伴わない疑似的な移動距離情報を含む)を算出可能な情報処理システムを提供することができるようにする。
【解決手段】本システムは、振動センサにより検出されたトレッドミルのセンサ振動情報を取得するデータ管理部と、前記センサ振動情報から前記トレッドミル上でのユーザの足裏の着地を示す着地振動情報及び前記トレッドミルにおいて設定された設定速度情報を算出し、当該着地振動情報及び前記設定速度情報からユーザの移動距離情報を算出する移動距離情報算出部と、を備える。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動センサにより検出されたトレッドミルのセンサ振動情報を取得するデータ管理部と、
前記センサ振動情報から前記トレッドミル上でのユーザの足裏の着地を示す着地振動情報及び前記トレッドミルにおいて設定された設定速度情報を算出し、当該着地振動情報及び前記設定速度情報からユーザの移動距離情報を算出する移動距離情報算出部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記データ管理部は、
さらにユーザの測定データまたは生体データを取得し、前記測定データまたは生体データの少なくともいずれかのデータおよび前記移動距離情報を時間情報及びユーザ情報に関連付けて記憶する、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理システムであって、
前記生体データは、心拍数に関する情報を含む、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項4】
請求項2に記載の情報処理システムであって、
前記生体データは、血圧値に関する情報を含む、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の情報処理システムであって、
前記設定速度情報は、前記トレッドミルのモータ振動情報に基づき算出される、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
振動センサにより検出されたトレッドミルのセンサ振動情報を取得するデータ管理部と、
前記センサ振動情報から前記トレッドミル上でのユーザの足裏の着地を示す着地振動情報及び前記トレッドミルにおいて設定された設定速度情報を算出し、当該着地振動情報及び前記設定速度情報からユーザの移動距離情報を算出する移動距離情報算出部と、
を備えることを特徴とする管理サーバ。
【請求項7】
データ管理部により、振動センサにより検出されたトレッドミルのセンサ振動情報を取得するステップと、
移動距離情報算出部により、前記センサ振動情報から前記トレッドミル上でのユーザの足裏の着地を示す着地振動情報及び前記トレッドミルにおいて設定された設定速度情報を算出し、当該着地振動情報及び前記設定速度情報からユーザの移動距離情報を算出するステップと、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータにおいて、情報処理方法を実行するためのプログラムであって、
前記情報処理方法は、
データ管理部により、振動センサにより検出されたトレッドミルのセンサ振動情報を取得するステップと、
移動距離情報算出部により、前記センサ振動情報から前記トレッドミル上でのユーザの足裏の着地を示す着地振動情報及び前記トレッドミルにおいて設定された設定速度情報を算出し、当該着地振動情報及び前記設定速度情報からユーザの移動距離情報を算出するステップと、を含む、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、管理サーバ、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えばスマートフォンやウェアラブルデバイス等に搭載されたGPS情報に基づきユーザの移動距離を計測する技術が存在する。特許文献1には、GPSによる速度および距離の測定機能付の腕時計が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-051079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えばジムや自宅などでトレッドミルによりトレーニングを行う際には、ユーザが実際空間において移動することはないので、GPS情報に基づく移動距離を計測することができない。また、単にトレーニング結果を残すためであれば最終的にトレッドミル側で計算された距離を記録すればよいが、その方法では、特にユーザの生体情報(例えば、血圧や脈拍等)を周期的に計測している場合には、生体情報と距離情報を関連付けることができない。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、トレッドミルでのトレーニング時に、周期的にユーザの移動距離情報(実際の移動を伴わない疑似的な移動距離情報を含む)を算出可能な情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、振動センサにより検出されたトレッドミルのセンサ振動情報を取得するデータ管理部と、前記センサ振動情報から前記トレッドミル上でのユーザの足裏の着地を示す着地振動情報及び前記トレッドミルにおいて設定された設定速度情報を算出し、当該着地振動情報及び前記設定速度情報からユーザの移動距離情報を算出する移動距離情報算出部と、を備えることを特徴とする情報処理システム等である。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、トレッドミルでのトレーニング時に、周期的にユーザの移動距離情報を算出可能な情報処理システム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態の情報処理システムのユーザ周りの構成例を示す図である。
図2】本実施形態の情報処理システムの全体構成例を示す図である。
図3】管理サーバ30のハードウェア構成例を示す図である。
図4】管理サーバ30のソフトウェア構成例を示す図である。
図5】本実施形態の情報処理システムにより実行される処理の流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の実施の形態によるシステム等は、以下のような構成を備える。
【0011】
[項目1]
振動センサにより検出されたトレッドミルのセンサ振動情報を取得するデータ管理部と、
前記センサ振動情報から前記トレッドミル上でのユーザの足裏の着地を示す着地振動情報及び前記トレッドミルにおいて設定された設定速度情報を算出し、当該着地振動情報及び前記設定速度情報からユーザの移動距離情報を算出する移動距離情報算出部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
[項目2]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記データ管理部は、
さらにユーザの測定データまたは生体データを取得し、前記測定データまたは生体データの少なくともいずれかのデータおよび前記移動距離情報を時間情報及びユーザ情報に関連付けて記憶する、
ことを特徴とする情報処理システム。
[項目3]
項目2に記載の情報処理システムであって、
前記生体データは、心拍数に関する情報を含む、
ことを特徴とする情報処理システム。
[項目4]
項目2に記載の情報処理システムであって、
前記生体データは、血圧値に関する情報を含む、
ことを特徴とする情報処理システム。
[項目5]
項目1ないし4のいずれかに記載の情報処理システムであって、
前記設定速度情報は、前記トレッドミルのモータ振動情報に基づき算出される、
ことを特徴とする情報処理システム。
[項目6]
振動センサにより検出されたトレッドミルのセンサ振動情報を取得するデータ管理部と、
前記センサ振動情報から前記トレッドミル上でのユーザの足裏の着地を示す着地振動情報及び前記トレッドミルにおいて設定された設定速度情報を算出し、当該着地振動情報及び前記設定速度情報からユーザの移動距離情報を算出する移動距離情報算出部と、
を備えることを特徴とする管理サーバ。
[項目7]
データ管理部により、振動センサにより検出されたトレッドミルのセンサ振動情報を取得するステップと、
移動距離情報算出部により、前記センサ振動情報から前記トレッドミル上でのユーザの足裏の着地を示す着地振動情報及び前記トレッドミルにおいて設定された設定速度情報を算出し、当該着地振動情報及び前記設定速度情報からユーザの移動距離情報を算出するステップと、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
[項目8]
コンピュータにおいて、情報処理方法を実行するためのプログラムであって、
前記情報処理方法は、
データ管理部により、振動センサにより検出されたトレッドミルのセンサ振動情報を取得するステップと、
移動距離情報算出部により、前記センサ振動情報から前記トレッドミル上でのユーザの足裏の着地を示す着地振動情報及び前記トレッドミルにおいて設定された設定速度情報を算出し、当該着地振動情報及び前記設定速度情報からユーザの移動距離情報を算出するステップと、を含む、
ことを特徴とするプログラム。
【0012】
<実施の形態の詳細>
以下、本発明の一実施形態に係る情報処理システムについて、図面を参照しながら説明する。添付図面において、同一または類似の要素には同一または類似の参照符号及び名称が付され、各実施形態の説明において同一または類似の要素に関する重複する説明は省略することがある。また、各実施形態で示される特徴は、互いに矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。
【0013】
<概要>
本発明の実施の形態による情報処理システムのユーザ周辺の構成例は、図1に例示されるとおりであり、ユーザがトレッドミル10のランニングベルト上でトレーニングを行う状況において、トレッドミル10におけるセンサ振動情報を振動センサを備える第1の装置20により検出し、当該センサ振動情報から管理サーバ30にてユーザの足裏の着地を示す着地振動情報及びトレッドミル10において設定される設定速度情報を算出する構成であり得る。これにより、管理サーバ30において設定速度情報及び着地振動情報に基づきユーザの移動距離(例えば、トレーニング開始から、または、一日の所定時間からの累積移動距離など)を周期的に算出することが可能となる。当該算出方法の詳細については後述する。なお、上記構成においては、センサ振動情報からの着地振動情報及び設定速度情報の算出、当該着地振動情報及び設定速度情報からのユーザの移動距離の算出は管理サーバ30で実施されているが、第1の装置20の処理能力が十分であるなら、管理サーバ30に代えて第1の装置20に算出するようにしてもよい。
【0014】
また、上記構成に加えて、ユーザの生体情報が計測可能な第2の装置40(例えば、ユーザの腕などの身体の一部に装着されるウェアラブルデバイス等)を備え、当該生体情報と上記検出されたセンサ振動情報、上記算出された着地振動情報、設定速度情報、ユーザの移動距離の少なくともいずれか一つとを関連付けて記録する構成にしてもよい。当該関連付け及び記録については、例えば第2の装置40がSIMを搭載するなどして管理サーバ30に生体情報を直接送信可能な場合には、管理サーバ30にて実行され、第2の装置40が第1の装置20を経由して生体情報を管理サーバ30に送信する場合には、第1の装置20及び/または管理サーバ30にて実行される。
【0015】
また、上記構成にかえて、第1の装置20に管理サーバ30と直接通信可能な機能が備わっていない場合には、管理サーバ30と直接通信可能な可能が備わっている第2の装置40(例えば、スマートフォンやパーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイス等)を経由して、管理サーバ30にセンサ振動情報や着地振動情報、設定速度情報、ユーザの移動距離などを送信してもよい。この時、第2の装置40がユーザの生体情報を計測可能な機能が備わっている場合には、併せて生体情報も関連付けて送信してもよい。
【0016】
なお、振動センサを備える第1の装置20は、トレッドミル10を介してユーザの足裏が着地した際の着地振動およびトレッドミルの設定速度情報を示すモータ振動を検出できるのであればトレッドミル10の何れの位置に配置してもよく、例えばユーザが各種設定操作を可能なディスプレイ付近、ユーザが手で体を支えるためのバー、ユーザが走行するランニングベルトの付近などであってもよいが、これらに限定されるものではない。また、振動センサは、振動を検出できればどのようなセンサであってもよいが、加速度センサ(圧電型など)、速度センサ(動電型など)、非接触変位センサ(渦電流型、静電容量型、光学型など)であってもよい。
【0017】
<構成>
図2は本実施形態の情報処理システムの全体構成例を示す図である。図2に示されるように、本システムは、振動センサを備える第1の装置20と、管理サーバ30と、ユーザの生体情報を測定する第2の装置40がネットワークNWにより接続された構成である。なお、各構成の数は図1に図示される数に限らず、例えば第1の装置20が複数あってもよい。また、上述のとおり、本システムは様々な構成を取り得るが、以下図2の構成に基づき説明する。
【0018】
ネットワークNWは、例えば、ネットワーク、インターネット、イントラネット、無線LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)、ブロックチェーンネットワーク等により構成される。また、直接接続の方法は、例えば、VGA、HDMI(登録商標)、USBなどのケーブル等、または、Bluetooth(登録商標)及びBLE(Bluetooth Low Energy)の近距離通信インタフェース等により接続を行ってもよい。
【0019】
第1の装置20は、少なくとも振動センサを備える装置であり、例えばスマートフォンやタブレット端末、スマートウォッチ等の情報処理装置であってもよい。また、第1の装置20は、管理サーバ30とネットワークNWを介して直接通信可能な機能を備えておらず、第2の装置40と近距離通信を行い、第2の装置40を経由して管理サーバ30に各種情報を送信する構成であってもよい。第1の装置20には、予めユーザの識別番号、生年月日、性別、身長、体重等のユーザ情報が登録されていてもよく、生年月日から算出した年齢等も含めたユーザ情報を着地振動情報や設定速度情報、ユーザの移動距離、測定データ等に関連付けてネットワークNWを介して管理サーバ30へ送信してもよい。
【0020】
管理サーバ30は、例えば、ネットワークNWを介して第1の装置20の振動センサにより検出されたセンサ振動情報を所定の周期で受信し、当該振動情報からユーザの足裏の着地を示す着地振動情報及びトレッドミル10の設定速度情報を算出し、着地振動情報及び設定速度情報からユーザの移動距離(例えば、トレーニング開始から、または、一日の所定時間からの累積移動距離など)を算出する(各産出方法の詳細は後述する)。また、管理サーバ30は、第2の装置40からユーザの測定データを、第1の装置20を経由して所定の周期で受信して測定データから生体データへ演算を行う。なお、上記設定速度情報は、振動センサにより検出されたセンサ振動情報から算出することに代えて、トレーニング開始前に第1の装置20の入力部からユーザが設定するように変更してもよく、当該設定の際に予め受信して記憶して上記ユーザの移動距離の算出時に参照する構成としてもよい。
【0021】
第2の装置40は、例えばパーソナルコンピュータやタブレット端末、スマートフォン、スマートウォッチ、携帯電話、PHS、PDA等の情報処理装置であり、第1の装置20が管理サーバ30とネットワークNWを介して直接通信可能な機能を備えていない場合に第1の装置20から各種情報を受け取り、管理サーバ30に各種情報を送信するための装置であってもよい。または、第2の装置40は、ユーザから生体情報に関する測定データを計測可能な装置であってもよく、例えば、ユーザに装着されて使用されるものであり、例えば時計型や腕輪型、眼鏡型などであって、ユーザの手首や腕等の身体に装着して利用される、いわゆるウェアラブル測定装置であってもよい。この第2の装置40は、例えば測定データとして、ユーザの心電、脈波、温度(体温)、加速度、角速度の少なくともいずれかのデータを測定する。
【0022】
<管理サーバ30>
図3は、管理サーバ30のハードウェア構成を示す図である。図4は、記憶部120および制御部130の機能を例示したブロック図である。管理サーバ30は、例えばパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。
【0023】
管理サーバ30は、少なくとも通信部110と、記憶部120と、制御部130と、入出力部140とを備える。
【0024】
通信部110は、第1の装置20等と通信を行うための通信インタフェースであり、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信規約により通信が行われる。
【0025】
記憶部120は、各種制御処理や制御部130内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成される。また、図4に示されるように、記憶部120は、通信部110を介して取得したセンサ振動情報、算出された着地振動情報及び設定速度情報を時間情報及びユーザ情報に関連付けて記憶する移動距離関連情報DB121と、第2の装置40による測定データを時間情報及びユーザ情報と関連付けて記憶する測定データDB122と、測定データから演算されて生成される生体データを時間情報及びユーザ情報と関連付けて記憶する生体データDB123と、ユーザ識別番号を含むユーザ情報を記憶するユーザ情報DB124と、を含む。また、記憶部120は、ユーザ端末装置200と通信を行ったデータを一時的に記憶する。なお、DBのデータ構造は、これに限られるものではなく、上述のDBの一部を第1の装置20または第2の装置40に記憶するようにしてもよい。
【0026】
制御部130は、管理サーバ30の全体の動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)等から構成される。また、図3に示されるように、制御部130は、データ管理部131、移動距離算出部132、生体データ生成部133、データ出力部134といった機能部を含む。これらの機能部は、管理サーバ30用の所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0027】
データ管理部131は、センサ振動情報(または着地振動情報及び設定速度情報)、測定データ(または生体データ)等の各種データを取得し、対応するDBに時間情報及びユーザ情報に関連付けて記憶する。
【0028】
移動距離算出部132は、例えば移動距離関連情報DB121に記憶されたセンサ振動情報に基づき着地振動情報及び設定速度情報を算出し、当該着地振動情報及び設定速度情報に基づきユーザのトレッドミル10上での移動距離情報の算出を行う。
【0029】
着地振動情報の算出方法の一例として、例えば、センサ振動情報から、ユーザの足裏の着地の際にトレッドミル10において生ずる所定の振幅の大きさの振動を検出し、当該着地の周期を示す歩行周期情報(例えば、一方側の足が着地してから他方側の足が着地するまでの周期、または、同じ側の足が着地してから次に着地するまでの周期などであって、単位は秒である)を生成し、これを着地振動情報としてもよい。
【0030】
設定速度情報の算出方法の一例として、例えば、センサ振動情報から、トレッドミル10のランニングベルトを回転させるモータ振動の規則的なモータ振動情報を検出し、例えばモータ振動情報と設定速度情報の対応付け情報を参照するなどして設定速度情報を生成するようにしてもよい。この時、対応付け情報は、ユーザが第1の装置または第2の装置に利用するトレッドミル1の種類情報を事前に入力するようにしてもよいし、トレッドミル1に設けられた二次元コード(例えばQRコード(登録商標)など)やNFCタグを第1の装置または第2の装置により読み取ることで、トレッドミル1の種類を判定して、種類に対応した対応付け情報を取得するようにしてもよい。特にNFCタグを用いる場合には、トレッドミル1の所定位置に第1の装置(例えば、スマートフォンなど)を置いたことにより対応付け情報を取得してもよく、さらに対応付け情報の取得に応じて、トレッドミル1の振動情報の取得を開始するようにしてもよい。
【0031】
ユーザの移動距離の算出方法の一例として、例えば、設定速度情報から直接的にまたは間接的に導出される歩行速度情報(例えば、単位はm/秒)と着地振動情報(歩行周期情報)を乗ずることで、ユーザの単位移動情報(例えば、1歩分または2歩分などの移動距離であって、単位はm)が導出され、上記検出された着地振動の回数(すなわち歩数)を乗ずるなどによって、任意の歩数や周期、タイミング、期間に対応したユーザの(疑似的な)移動距離が算出される。
【0032】
これにより、移動距離の算出にGPS情報の利用が有効ではない室内でのトレッドミル10によるトレーニングにおいて、例えばスマートフォンなどの第1の装置20によりトレッドミル10の構成を変更することなく、ユーザのトレッドミル10による(疑似的な)移動距離の算出を行うことができる。
【0033】
生体データ生成部133は、測定データDB122に記憶された測定データに対して所定の演算を行い、生体データを生成する。この生体データは、測定データから算出可能なものであればどのような情報であってもよく、例えばユーザの血圧情報、心拍情報、血中酸素量情報、最大酸素摂取量情報、心電情報、呼吸数、体温情報、歩数情報、歩幅情報、重心の位置情報、姿勢情報、行動種別情報、ストレス情報、運動量情報、運動負荷情報、移動距離情報、移動速度情報、活動量情報、手または脚等の装着部位の動作情報などのデータであり、既知の手法により測定データから算出されるものである。演算により生成された生体データは、生体データDB123に記憶される。なお、生体データ生成部133は、管理サーバ30に代えて、第1の装置20または第2の装置40に設けられていてもよい。
【0034】
また、既知の学習器などにより、例えば測定データと、当該測定データに基づき生成された生体データ(例えば心拍情報や血圧情報など)と正の生体データ(例えば、既知の医療機器に基づく心拍情報や血圧情報など)との対応関係(例えば、誤差の程度や範囲を示す情報などが含まれていてもよい)により対応付けた教師データを基に機械学習モデルを予め作成し、生体データ生成部133は、当該機械学習モデルを用いた判定を上述の所定の演算(解析)として生体データを生成してもよい。
【0035】
データ出力部134は、移動距離情報や生体データなどの各種データを第1の装置20や第2の装置40等の各デバイスへ出力データとして出力する。第1の装置20や第2の装置40等においては、出力データを例えば専用のアプリケーションを介して画面に表示するなどしてユーザが容易に確認可能としてもよい。
【0036】
入出力部140は、キーボード・マウス類、タッチパネル等の情報入力機器、及びディスプレイ等の出力機器である。
【0037】
図5は、本実施形態の情報処理システムにより実行される処理の流れの一例を示す図である。
【0038】
ステップS101の処理として、データ管理部131では、第1の装置20および/または第2の装置40を介して少なくともセンサ振動情報を対応する移動距離関連情報DB121に時間情報及びユーザ情報に関連付けて記憶する。
【0039】
ステップS102の処理として、センサ振動情報に基づき着地振動情報及び設定速度情報を算出し、当該着地振動情報及び設定速度情報に基づき、ユーザのトレッドミル10上の(疑似的な)移動距離情報の算出を行う。
【0040】
ステップS103の処理として、第2の装置40がユーザの生体情報(測定データ)を取得可能な機能を備えている場合には、測定データが管理サーバ30へ所定の周期ごとに送信され、通信部110を介して受信される。データ管理部131により、記憶部120の測定データDB122内において時間情報及びユーザ情報に関連付けられて測定データが記憶される。
【0041】
ステップS104の処理として、生体データ生成部133により測定データが読み取られ、所定の演算等により生体データの生成が行われる。生成された生体データは、データ管理部131により、生体データDB123内において時間情報及びユーザ情報に関連付けられて生体データが記憶される。なお、ステップS102とステップS103及びS104は、時系列として前後が逆であってもよいし、両ステップが並行して実行されていてもよい。
【0042】
ステップS105の処理として、データ出力部134により、少なくとも移動距離情報及び生体データを第1の装置20および/または第2の装置40へ出力する。
【0043】
以上のようにして、本実施形態の情報処理システムによれば、トレッドミルでのトレーニング時に、周期的にユーザの移動距離情報(実際の移動を伴わない疑似的な移動距離情報を含む)を算出可能な情報処理システムを提供することができる。
【0044】
なお、本実施形態の情報処理システムにおいて、トレッドミル1のモータ振動情報が取得可能であることを鑑み、例えば、NFCタグ等でトレッドミル1の種類情報を取得する際に、トレッドミル1の個別の識別情報も併せて取得し、管理サーバ30において、トレッドミル1の識別情報ごとにモータ振動情報を管理することが可能である。これにより、例えば通常時のモータ振動情報を示す基準モータ振動情報や平均モータ振動情報と、取得したモータ振動情報を比較し、所定値以上の差がある場合には、該当するトレッドミル1に異常がある(例えば、モータやランニングベルトに異常がある)と判定することも可能であり、例えばトレッドミル1の管理者が所有する機材管理者端末(不図示)に異常に関する情報や異常発生通知を送信するようにしてもよい。
【0045】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0046】
10 トレッドミル
20 第1の装置
30 管理サーバ
40 第2の装置
NW ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5