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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022135857
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】移動デッキモジュール
(51)【国際特許分類】
   B60R 5/04 20060101AFI20220908BHJP
【FI】
B60R5/04 Z
B60R5/04 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021082541
(22)【出願日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】P 2021034190
(32)【優先日】2021-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 博隆
【テーマコード(参考)】
3D022
【Fターム(参考)】
3D022BA05
3D022BB04
3D022BC09
(57)【要約】
【課題】車両が追突された際の後部座席の押し込みを抑制することができる移動デッキモジュールを提供する。
【解決手段】移動デッキモジュール10は、車両1の後部に配置された荷室8に具備される。移動デッキモジュール10は、ベース部材11と、ベース部材11に対して車両1の前後方向に移動可能な移動デッキ12と、ベース部材11の前端側部分と車両1の車体2とを連結し、ベース部材11を車体2に対して支持する前側支持部15とを備え、前側支持部15は、車両1の後方から車体2に荷重が入力されたときに、車体2の変形によりベース部材11が車体2に対して車両1の上下方向に回動可能となるように車体2に取り付けられる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の後部に配置された荷室に具備される移動デッキモジュールであって、
ベース部材と、
前記ベース部材に対して前記車両の前後方向に移動可能な移動デッキと、
前記ベース部材の前端側部分及び後端側部分の一方と前記車両の車体とを連結し、前記ベース部材を前記車体に対して支持する第1支持部とを備え、
前記第1支持部は、前記車両の後方から前記車体に荷重が入力されたときに、前記車体の変形により前記ベース部材が前記車体に対して前記車両の上下方向に回動可能となるように前記車体に取り付けられる移動デッキモジュール。
【請求項2】
前記ベース部材の前端側部分及び後端側部分の他方と前記車体とを連結し、前記第1支持部と協働して前記ベース部材を前記車体に対して支持する第2支持部を更に備える請求項1記載の移動デッキモジュール。
【請求項3】
前記第2支持部は、前記第1支持部の反対側に向かって傾斜して下がるように前記ベース部材の前端側部分及び後端側部分の他方と前記車体とを連結する請求項2記載の移動デッキモジュール。
【請求項4】
前記第2支持部は、前記第1支持部の反対側に向かって傾斜して下がるように前記ベース部材の前端側部分及び後端側部分の他方に取り付けられた傾斜部と、前記傾斜部に接続されると共に、前記車両の上下方向に延びるように前記車体に固定される立設部とを有する請求項3記載の移動デッキモジュール。
【請求項5】
前記ベース部材における前記第1支持部と前記第2支持部との間の部分と前記車体とを連結し、前記第1支持部及び前記第2支持部と協働して前記ベース部材を前記車体に対して支持する第3支持部を更に備える請求項2~4の何れか一項記載の移動デッキモジュール。
【請求項6】
前記ベース部材には、前記車両の後方から前記車体に荷重が入力されたときに、前記車体の変形により前記ベース部材の折れの始点となる凹部が設けられている請求項1~5の何れか一項記載の移動デッキモジュール。
【請求項7】
前記凹部は、前記ベース部材の上面に開口するように設けられている請求項6記載の移動デッキモジュール。
【請求項8】
前記第1支持部は、前記ベース部材の前端側部分と前記車体とを連結する請求項1~7の何れか一項記載の移動デッキモジュール。
【請求項9】
前記ベース部材における前記第1支持部と前記第2支持部との間の部分には、前記車両の後方から前記車体に荷重が入力されたときに、前記車体の変形により前記ベース部材が逆V字状に折れ曲がる始点となる凹部が設けられている請求項2記載の移動デッキモジュール。
【請求項10】
前記第1支持部は、前記ベース部材の前端側部分と前記車体とを連結し、
前記第2支持部は、前記ベース部材の後端側部分と前記車体とを連結し、
前記凹部は、前記ベース部材における前記車両の前後方向の中央部よりも後側の位置に設けられている請求項9記載の移動デッキモジュール。
【請求項11】
前記ベース部材は、前記車両の前後方向に延びる左右1対のレールを有し、
前記移動デッキの前端側部分には、前記レールと係合し、前記レールに沿って移動する左右複数組の係合部が設けられており、
前記凹部は、前記移動デッキが前記荷室に格納された状態において、前記ベース部材における前記複数組の係合部よりも後側の位置に設けられている請求項9または10記載の移動デッキモジュール。
【請求項12】
前記凹部は、前記車両の後方から前記車体に荷重が入力されたときに、前記移動デッキが前記車体に対して前記荷室内に収まる角度で傾くように前記ベース部材に設けられている請求項11記載の移動デッキモジュール。
【請求項13】
前記車体における前記第1支持部と前記第2支持部との間の部分に取り付けられ、前記第1支持部及び前記第2支持部と協働して前記ベース部材を前記車体に対して支持する第3支持部と、
前記ベース部材と前記第3支持部とを着脱可能に連結する連結具とを更に備える請求項9~12の何れか一項記載の移動デッキモジュール。
【請求項14】
前記第3支持部は、前記凹部の真下に位置している請求項13記載の移動デッキモジュール。
【請求項15】
前記連結具は、前記ベース部材に固定された連結部材と、前記第3支持部に固定され、前記連結部材を前記第3支持部に対して押し付ける押付部材とを有する請求項13または14記載の移動デッキモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動デッキモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の移動デッキモジュールとしては、例えば特許文献1に記載されているようなラゲージフロア装置が知られている。特許文献1に記載のラゲージフロア装置は、車両の後部に配置されている。ラゲージフロア装置は、ラゲージルームの床面とほぼ同一平面となるように設けられたラゲージフロアと、このラゲージフロアを上下方向に揺動自在に支持すると共に水平方向にスライド自在に支持するフロア支持手段とを備えている。フロア支持手段は、車幅方向に離間する1対のガイドレールを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-341431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術においては、衝突については考慮されていない。このため、車両が追突された際には、移動デッキモジュールが後部座席に当たって後部座席を押し込む可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、車両が追突された際の後部座席の押し込みを抑制することができる移動デッキモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、車両の後部に配置された荷室に具備される移動デッキモジュールであって、ベース部材と、ベース部材に対して車両の前後方向に移動可能な移動デッキと、ベース部材の前端側部分及び後端側部分の一方と車両の車体とを連結し、ベース部材を車体に対して支持する第1支持部とを備え、第1支持部は、車両の後方から車体に荷重が入力されたときに、車体の変形によりベース部材が車体に対して車両の上下方向に回動可能となるように車体に取り付けられる。
【0007】
このような移動デッキモジュールにおいては、ベース部材を車体に対して支持する第1支持部は、車両の後方から車体に荷重が入力されたときに、車体の変形によりベース部材が車体に対して車両の上下方向に回動可能となるように車体に取り付けられる。従って、車両が追突されることで、車両の後方から車体に衝突荷重が入力されると、第1支持部によってベース部材が車体に対して車両の上方に回動するため、ベース部材が移動デッキと共に持ち上がるようになる。このため、車両の前方へのベース部材及び移動デッキの移動量が減少する。これにより、車両が追突された際に、移動デッキモジュールが後部座席を押し込むことが抑制される。
【0008】
移動デッキモジュールは、ベース部材の前端側部分及び後端側部分の他方と車体とを連結し、第1支持部と協働してベース部材を車体に対して支持する第2支持部を更に備えてもよい。このような構成では、第1支持部及び第2支持部によってベース部材が車体に対して支持されるため、移動デッキモジュールの剛性が高くなる。従って、移動デッキの上に荷物が載せられたときに、荷物の荷重を車両の上下方向に効率的に受けることができる。
【0009】
第2支持部は、第1支持部の反対側に向かって傾斜して下がるようにベース部材の前端側部分及び後端側部分の他方と車体とを連結してもよい。このような構成では、車両の後方から車体に荷重が入力されたときに、第2支持部が車体の変形によるベース部材の回動のきっかけとなり得る。従って、車両が追突されることで、車両の後方から車体に衝突荷重が入力されると、ベース部材が車体に対して車両の上方にスムーズに回動するため、ベース部材及び移動デッキが持ち上がりやすくなる。
【0010】
第2支持部は、第1支持部の反対側に向かって傾斜して下がるようにベース部材の前端側部分及び後端側部分の他方に取り付けられた傾斜部と、傾斜部に接続されると共に、車両の上下方向に延びるように車体に固定される立設部とを有してもよい。このような構成では、立設部が車両の上下方向に延びるように車体に固定され、その立設部に傾斜部が接続されているので、移動デッキモジュールの剛性が更に高くなる。従って、移動デッキの上に荷物が載せられたときに、荷物の荷重を車両の上下方向に更に効率的に受けることができる。
【0011】
移動デッキモジュールは、ベース部材における第1支持部と第2支持部との間の部分と車体とを連結し、第1支持部及び第2支持部と協働してベース部材を車体に対して支持する第3支持部を更に備えてもよい。このような構成では、第1支持部、第2支持部及び第3支持部によってベース部材が車体に対して支持されるため、移動デッキモジュールの剛性が一層高くなる。従って、移動デッキの上に荷物が載せられたときに、荷物の荷重を車両の上下方向に一層効率的に受けることができる。
【0012】
ベース部材には、車両の後方から車体に荷重が入力されたときに、車体の変形によりベース部材の折れの始点となる凹部が設けられていてもよい。このような構成では、車両が追突されることで、車両の後方から車体に衝突荷重が入力されると、車体の変形によって、ベース部材が車体に対して車両の上方に回動すると共に、凹部をきっかけとしてベース部材が折れる。このため、車両の前方へのベース部材及び移動デッキの移動量が更に減少する。また、移動デッキも、ベース部材に追従して、車両の上方に回動すると共に折れることがある。この場合には、荷室の容量減少量が抑えられるため、例えば移動デッキの上に載せられた荷物が変形しにくくなる。
【0013】
凹部は、ベース部材の上面に開口するように設けられていてもよい。このような構成では、車両の後方から車体に衝突荷重が入力されると、凹部をきっかけとしてベース部材が車両の上方に折れやすくなる。従って、ベース部材の折れ方向がベース部材の回動方向と一致するため、ベース部材及び移動デッキが持ち上がりやすくなる。
【0014】
第1支持部は、ベース部材の前端側部分と車体とを連結してもよい。このような構成では、車両が追突されることで、車両の後方から車体に衝突荷重が入力されると、ベース部材及び移動デッキの後側部分が持ち上がる。従って、追突物はベース部材の下に入り込むため、ベース部材が車体に対して車両の上方に更に回動するようになる。これにより、ベース部材及び移動デッキが十分に持ち上がる。
【0015】
ベース部材における第1支持部と第2支持部との間の部分には、車両の後方から車体に荷重が入力されたときに、車体の変形によりベース部材が逆V字状に折れ曲がる始点となる凹部が設けられていてもよい。このような構成では、車両が追突されることで、車両の後方から車体に衝突荷重が入力されると、車体の変形によって、ベース部材が車体に対して車両の上方に回動すると共に、凹部をきっかけとしてベース部材が逆V字状に折れ曲がる。従って、車両の前方へのベース部材及び移動デッキの移動量が更に減少する。
【0016】
第1支持部は、ベース部材の前端側部分と車体とを連結し、第2支持部は、ベース部材の後端側部分と車体とを連結し、凹部は、ベース部材における車両の前後方向の中央部よりも後側の位置に設けられていてもよい。このような構成では、車両が追突されることで、車両の後方から車体に衝突荷重が入力されたときに、車体に対するベース部材の回動量が少なくなるため、車体に対する移動デッキの傾き角度が小さくて済む。このため、ベース部材及び移動デッキが持ち上がり過ぎることが防止される。従って、例えば移動デッキの上に載せられた荷物が変形しにくくなる。
【0017】
ベース部材は、車両の前後方向に延びる左右1対のレールを有し、移動デッキの前端側部分には、レールと係合し、レールに沿って移動する左右複数組の係合部が設けられており、凹部は、移動デッキが荷室に格納された状態において、ベース部材における複数組の係合部よりも後側の位置に設けられていてもよい。このような構成では、移動デッキが荷室に格納された状態において、車両が追突されることで、車両の後方から車体に衝突荷重が入力されたときに、ベース部材は凹部をきっかけとして逆V字状に折れ曲がるが、移動デッキは折れ曲がりにくい。従って、移動デッキの破損等を抑制することができる。
【0018】
凹部は、車両の後方から車体に荷重が入力されたときに、移動デッキが車体に対して荷室内に収まる角度で傾くようにベース部材に設けられていてもよい。このような構成では、車両が追突されることで、車両の後方から車体に衝突荷重が入力されても、移動デッキが荷室内に収まるため、移動デッキが車体に干渉しにくい。従って、移動デッキの破損等を更に抑制することができる。
【0019】
移動デッキモジュールは、車体における第1支持部と第2支持部との間の部分に取り付けられ、第1支持部及び第2支持部と協働してベース部材を車体に対して支持する第3支持部と、ベース部材と第3支持部とを着脱可能に連結する連結具とを更に備えてもよい。このような構成では、第1支持部、第2支持部及び第3支持部によってベース部材が車体に対して支持されるため、移動デッキモジュールの剛性が一層高くなる。従って、移動デッキの上に荷物が載せられたときに、荷物の荷重を車両の上下方向に一層効率的に受けることができる。また、車両が追突されることで、車両の後方から車体に衝突荷重が入力されると、連結具によるベース部材と第3支持部との連結が外れるため、凹部をきっかけとしたベース部材の折れ曲がりを阻害することはない。
【0020】
第3支持部は、凹部の真下に位置していてもよい。このような構成では、ベース部材に凹部を設けることによる移動デッキモジュールの剛性の低下が、第3支持部により効果的に抑制される。従って、移動デッキの上に重い荷物が載せられても、荷物の荷重を車両の上下方向に十分に受けることができる。
【0021】
連結具は、ベース部材に固定された連結部材と、第3支持部に固定され、連結部材を第3支持部に対して押し付ける押付部材とを有してもよい。このような構成では、通常状態時には、押付部材が連結部材を第3支持部に対して押し付けることで、ベース部材と第3支持部とが連結される。車両の後方から車体に衝突荷重が入力されると、ベース部材が逆V字状に折れ曲がることで、連結部材が押付部材から抜けて、ベース部材と第3支持部の連結が外れる。このように連結具を簡単な構造で実現することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、車両が追突された際の後部座席の押し込みを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第1実施形態に係る移動デッキモジュールが搭載された車両の後部を示す概略斜視図である。
図2図1に示された車両の後部を示す概略側面図である。
図3図2に示された移動デッキモジュールの分解斜視図である。
図4図2に示された移動デッキモジュールの動作を示す概略側面図である。
図5】比較例としての移動デッキモジュールが搭載された車両の後部を移動デッキモジュールの動作と共に示す概略側面図である。
図6】本発明の第2実施形態に係る移動デッキモジュールが搭載された車両の後部を移動デッキモジュールの動作と共に示す概略側面図である。
図7】本発明の第3実施形態に係る移動デッキモジュールが搭載された車両の後部を示す概略側面図である。
図8図7に示された移動デッキモジュールの分解斜視図である。
図9図7に示された移動デッキモジュールの動作を示す概略側面図である。
図10】本発明の第4実施形態に係る移動デッキモジュールが搭載された車両の後部を移動デッキモジュールの動作と共に示す概略側面図である。
図11】本発明の第5実施形態に係る移動デッキモジュールが搭載された車両の後部を示す概略側面図である。
図12】本発明の第6実施形態に係る移動デッキモジュールが搭載された車両の後部を示す概略側面図である。
図13図12に示された移動デッキモジュールにおけるレール及びローラを含む部分の断面図である。
図14】本発明の第7実施形態に係る移動デッキモジュールが搭載された車両の後部を示す概略側面図である。
図15図14に示された移動デッキモジュールの動作を示す概略側面図である。
図16】本発明の第8実施形態に係る移動デッキモジュールが搭載された車両の後部を移動デッキモジュールの動作と共に示す概略側面図である。
図17図16に示されたベース部材と中間支持部との連結する連結具の動作を示す概略側面図である。
図18図17に示された連結具の側面図である。
図19図17に示された移動デッキモジュールにおけるレール及びローラを含む部分と共に示す断面図である。
図20】本発明の第9実施形態に係る移動デッキモジュールが搭載された車両の後部を移動デッキモジュールの動作と共に示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
【0025】
図1は、本発明の第1実施形態に係る移動デッキモジュールが搭載された車両の後部を示す概略斜視図である。図1において、車両1は、車体2を備えている。車体2の上部にはルーフパネル3が設けられ、車体2の両側部にはサイドパネル4が設けられている。車体2の後側下部には、リアバンパ5が配置されている。車体2の後端部には、ルーフパネル3、サイドパネル4及びリアバンパ5により画成される開口部6が設けられている。開口部6は、図2に示されるように、バックドア7により開閉される。
【0026】
車両1の後部には、荷物M(図9参照)が積載される荷室8が配置されている。荷室8は、車両1における後部座席9の後側の領域に配置されている。荷室8には、本実施形態の移動デッキモジュール10が具備されている。
【0027】
移動デッキモジュール10は、図2及び図3に示されるように、枠体状のベース部材11と、このベース部材11に対して車両1の前後方向に移動可能な移動デッキ12とを備えている。なお、図2は、車両1の後部を示す概略側面図である。図3は、移動デッキモジュール10の分解斜視図である。
【0028】
移動デッキ12は、ベース部材11に車両1の前後方向に移動可能に取り付けられた枠体状のサポート13と、このサポート13に車両1の前後方向に移動可能に取り付けられた平板状のデッキボード14とを備えている。なお、図1(a)は、移動デッキ12が荷室8に格納された状態を概略的に示している。図1(b)は、移動デッキ12が荷室8から引き出された状態を概略的に示している。
【0029】
ベース部材11は、左右2つの前側支持部15及び左右2つの後側支持部16を介して車体2に支持されている。前側支持部15及び後側支持部16については、後で詳述する。ベース部材11の左右両側の上部には、車両1の前後方向に延びる凸状のレール17が設けられている。また、ベース部材11の左右両側の後端部の上部には、スライドブロック18がレール17に隣接して設けられている。
【0030】
サポート13は、ベース部材11に車両1の前後方向にスライド可能に取り付けられている。サポート13の左右両側の下部の前端部近傍には、ベース部材11のレール17と嵌合するスライドブロック19が設けられている。スライドブロック19は、レール17と係合し、レール17に沿って移動する係合部である。また、サポート13の左右両側の下部には、車両1の前後方向に延びる凸状のレール20がスライドブロック19に隣接して設けられている。ベース部材11のスライドブロック18は、レール20と嵌合している。スライドブロック18は、レール20と係合し、レール20に沿って移動する係合部を構成している。
【0031】
従って、サポート13は、2つのスライドブロック18及び2つのスライドブロック19によりベース部材11に移動可能に支持されている。サポート13の左右両側の上部には、車両1の前後方向に延びるレール21が設けられている。
【0032】
デッキボード14は、サポート13に車両1の前後方向にスライド可能に取り付けられている。デッキボード14の左右両側の下部の前側及び後側には、サポート13のレール21と嵌合するスライドブロック22がそれぞれ設けられている。スライドブロック22は、レール21と係合し、レール21に沿って移動する係合部である。従って、デッキボード14は、4つのスライドブロック22によりサポート13に移動可能に支持されている。
【0033】
また、移動デッキモジュール10は、特に図示はしないが、移動デッキ12が荷室8内に格納されている状態のときと、移動デッキ12が荷室8から後側に引き出された状態のときに、移動デッキ12をベース部材11に対してロックする機構を備えている。
【0034】
前側支持部15は、ベース部材11の前端側部分と車体2の一部を構成するリアフレーム24とを連結し、ベース部材11を車体2に対して支持する。前側支持部15は、ベース部材11の前端側部分及び後端側部分の一方と車体2とを連結する第1支持部を構成している。前側支持部15の一端は、ベース部材11の前端部にピン接合等により取り付けられている。前側支持部15の他端は、リアフレーム24の前端側部分にピン接合等により取り付けられている。
【0035】
後側支持部16は、ベース部材11の後端側部分とリアフレーム24とを連結し、前側支持部15と協働してベース部材11を車体2に対して支持する。後側支持部16は、ベース部材11の前端側部分及び後端側部分の他方と車体2とを連結する第2支持部を構成している。後側支持部16の一端は、ベース部材11の後端部の近傍にピン接合等により取り付けられている。後側支持部16の他端は、リアフレーム24の後端側部分にピン接合等により取り付けられている。
【0036】
リアフレーム24は、車両1の前後方向に延びる左右1対のリアサイドメンバ25と、車両1の左右方向(車幅方向)に延び、各リアサイドメンバ25同士を連結するリアクロスメンバ26と、車両1の左右方向に延び、リアクロスメンバ26よりも後方において各リアサイドメンバ25同士を連結するリアリーンフォースメント27とを有している。リアクロスメンバ26の両端部は、各リアサイドメンバ25の前側部分に固定されている。リアクロスメンバ26は、例えばリアサイドメンバ25の上面から突出している。リアリーンフォースメント27は、例えばリアサイドメンバ25の上側に配置され、リアクロスメンバ26と協働してリアフレーム24を補強する。
【0037】
また、リアサイドメンバ25の後側には、車両1の左右方向に延びるバンパリーンフォースメント28が配置されている。バンパリーンフォースメント28は、リアバンパ5を補強する。
【0038】
前側支持部15の両端部は、車両1の前側に向かって傾斜して下がるようにベース部材11の前端部及びリアフレーム24のリアクロスメンバ26にそれぞれ取り付けられている。また、前側支持部15の両端部は、車両1の後方から車体2のリアフレーム24に荷重が入力されたときに、リアフレーム24の変形によりベース部材11がリアフレーム24に対して車両1の上下方向に回動可能となるようにベース部材11の前端部及びリアクロスメンバ26にそれぞれ取り付けられている。
【0039】
なお、前側支持部15の両端部は、車両1の前後方向に真っ直ぐ延びるようにベース部材11の前端部及びリアクロスメンバ26にそれぞれ取り付けられていてもよい。また、前側支持部15の両端部は、ベース部材11の前端部及びリアサイドメンバ25の前端側部分にそれぞれ取り付けられていてもよい。
【0040】
後側支持部16の両端部は、車両1の後側(前側支持部15の反対側)に向かって傾斜して下がるようにベース部材11の後端部の近傍及びリアフレーム24のリアサイドメンバ25の後端部にそれぞれ取り付けられている。
【0041】
以上のように構成された移動デッキモジュール10において、移動デッキ12が荷室8に格納された状態で、図4(a)に示されるように、車両1の後方から車両1に衝突試験用のバリア30が追突すると、リアバンパ5及び車体2のリアフレーム24に衝突荷重が入力される。すると、リアフレーム24は、車両1の前方に押されて変形する。
【0042】
このとき、図4(b)に示されるように、後側支持部16がきっかけとなって、ベース部材11が前側支持部15を介してリアフレーム24に対して車両1の上方に回動する。このとき、ベース部材11は、前側支持部15の何れかの箇所を支点として回動する。このため、ベース部材11及び移動デッキ12の後側部分が持ち上がる。
【0043】
そして、リアフレーム24が更に車両1の前方に押されると、図4(c)に示されるように、バリア30が移動デッキモジュール10の下に入り込む。従って、ベース部材11が前側支持部15を介してリアフレーム24に対して更に車両1の上方に回動するため、ベース部材11及び移動デッキ12の後側部分が更に持ち上がる。
【0044】
図5は、比較例としての移動デッキモジュールが搭載された車両の後部を移動デッキモジュールの動作と共に示す概略側面図である。図5において、本比較例の移動デッキモジュール100は、ベース部材11を車体2のリアフレーム24に対して支持する左右2つの前側支持部101及び左右2つの後側支持部102を備えている。前側支持部101及び後側支持部102は、車両1の上下方向に真っ直ぐ延びている。
【0045】
このような比較例では、図5(a)に示されるように、車両1の後方から車両1にバリア30が追突すると、リアフレーム24が車両1の前方に押されて変形する。すると、図5(b)に示されるように、移動デッキモジュール100が後部座席9に当たって後部座席9を押し込んでしまう。
【0046】
そのような課題に対し、本実施形態では、ベース部材11を車体2に対して支持する前側支持部15は、車両1の後方から車体2に荷重が入力されたときに、車体2の変形によりベース部材11が車体2に対して車両1の上下方向に回動可能となるように車体2に取り付けられる。従って、車両1が追突されることで、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されると、前側支持部15によってベース部材11が車体2に対して車両1の上方に回動するため、ベース部材11が移動デッキ12と共に持ち上がるようになる。このため、車両1の前方へのベース部材11及び移動デッキ12の移動量が減少する。これにより、車両1が追突された際に、移動デッキモジュール10が後部座席9を押し込むことが抑制される。
【0047】
また、本実施形態では、ベース部材11を車体2に対して支持する後側支持部16が備えられている。従って、前側支持部15及び後側支持部16によってベース部材11が車体2に対して支持されるため、移動デッキモジュール10の剛性が高くなる。このため、移動デッキ12の上に荷物が載せられたときに、荷物の荷重を車両1の上下方向に効率的に受けることができる。
【0048】
また、本実施形態では、後側支持部16は、車両1の後側に向かって傾斜して下がるようにベース部材11の後端側部分と車体2とを連結している。このため、車両1の後方から車体2に荷重が入力されたときに、後側支持部16が車体2の変形によるベース部材11の回動のきっかけとなり得る。従って、車両1が追突されることで、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されると、ベース部材11が車体2に対して車両1の上方にスムーズに回動するため、ベース部材11及び移動デッキ12が持ち上がりやすくなる。
【0049】
また、本実施形態では、車両1が追突されることで、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されると、ベース部材11及び移動デッキ12の後側部分が持ち上がる。従って、バリア30(追突物)はベース部材11の下に入り込むため、ベース部材11が車体2に対して車両1の上方に更に回動するようになる。これにより、ベース部材11及び移動デッキ12が十分に持ち上がる。
【0050】
なお、本実施形態では、前側支持部15及び後側支持部16によってベース部材11が車体2のリアフレーム24に対して支持されているが、特にそのような形態には限られない。例えば、ベース部材11の前端部が前側支持部15を介してリアフレーム24に対して支持されていると共に、ベース部材11の後端部がリアフレーム24に対して直接支持されていてもよい。
【0051】
図6は、本発明の第2実施形態に係る移動デッキモジュールが搭載された車両の後部を移動デッキモジュールの動作と共に示す概略側面図である。図6において、本実施形態の移動デッキモジュール10Aは、上記の前側支持部15及び後側支持部16に代えて、前側支持部35及び後側支持部36を備えている。
【0052】
後側支持部36は、ベース部材11の前端側部分及び後端側部分の一方と車体2のリアフレーム24とを連結する第1支持部を構成している。後側支持部36の一端は、ベース部材11の後端部にピン接合等により取り付けられている。後側支持部16の他端は、リアフレーム24のリアサイドメンバ25の後端部にピン接合等により取り付けられている。
【0053】
後側支持部36の両端部は、車両1の後方からリアフレーム24に荷重が入力されたときに、リアフレーム24の変形によりベース部材11がリアフレーム24に対して車両1の上下方向に回動可能となるようにベース部材11の後端部及びリアサイドメンバ25の後端部にそれぞれ取り付けられている。なお、後側支持部36の両端部は、ベース部材11の後端部及びリアリーンフォースメント27にそれぞれ取り付けられていてもよい。
【0054】
前側支持部35は、ベース部材11の前端側部分及び後端側部分の他方とリアフレーム24とを連結する第2支持部を構成している。前側支持部35の一端は、ベース部材11の前端側部分にピン接合等により取り付けられている。前側支持部35の他端は、リアフレーム24のリアサイドメンバ25の前端側部分にピン接合等により取り付けられている。
【0055】
前側支持部35の両端部は、車両1の前側(後側支持部36の反対側)に向かって傾斜して下がるようにベース部材11の前端側部分及びリアサイドメンバ25の前端側部分にそれぞれ取り付けられている。なお、前側支持部35の両端部は、車両1の前側に向かって傾斜して下がるようにベース部材11の前端側部分及びリアクロスメンバ26にそれぞれ取り付けられていてもよい。
【0056】
以上のような移動デッキモジュール10Aにおいて、図6(a)に示されるように、車両1の後方から車両1に衝突試験用のバリア30が追突すると、リアバンパ5及びリアフレーム24が車両1の前方に押されて変形する。すると、図6(b)に示されるように、前側支持部35がきっかけとなって、ベース部材11が後側支持部36を介してリアフレーム24に対して車両1の上方に回動する。このとき、ベース部材11は、後側支持部36の何れかの箇所を支点として回動する。このため、ベース部材11及び移動デッキ12の前側部分が持ち上がる。
【0057】
このように本実施形態においては、車両1が追突されることで、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されると、後側支持部36によってベース部材11が車体2に対して車両1の上方に回動する。これにより、上記第1実施形態と同様に、車両1が追突された際に、移動デッキモジュール10が後部座席9を押し込むことが抑制される。
【0058】
図7は、本発明の第3実施形態に係る移動デッキモジュールが搭載された車両の後部を示す概略側面図である。図8は、図7に示された移動デッキモジュールの分解斜視図である。図7及び図8において、本実施形態の移動デッキモジュール10Bは、上記の第1実施形態における構成に加えて、左右2つの中間支持部41を備えている。
【0059】
中間支持部41は、ベース部材11における前側支持部15と後側支持部16との間の部分と車体2のリアフレーム24とを連結し、前側支持部15及び後側支持部16と協働してベース部材11を車体2に対して支持する第3支持部を構成している。中間支持部41は、車両1の上下方向に真っ直ぐ延びている。
【0060】
中間支持部41の一端は、例えばベース部材11における前側支持部15と後側支持部16との間の中間部分に溶接等により固定されている。中間支持部41の他端は、リアフレーム24のリアサイドメンバ25にボルト締結等により固定されている。
【0061】
ベース部材11には、車両1の後方からリアフレーム24に荷重が入力されたときに、リアフレーム24の変形によりベース部材11の折れの始点となる凹部42が左右両側に設けられている。凹部42は、ベース部材11のレール17における車両1の前後方向の中間部分に設けられている。つまり、中間支持部41は、凹部42の真下に位置している。凹部42は、ベース部材11のレール17の上面に開口するように設けられている。凹部42は、例えば断面V字状の切り欠きである。
【0062】
以上のような移動デッキモジュール10Bにおいて、図9(a)に示されるように、車両1の後方から車両1に衝突試験用のバリア30が追突すると、リアバンパ5及びリアフレーム24に衝突荷重が入力される。すると、図9(b)に示されるように、ベース部材11が前側支持部15を介してリアフレーム24に対して車両1の上方に回動するため、ベース部材11及び移動デッキ12の後側部分が持ち上がる。
【0063】
また、図9(b)に示されるように、ベース部材11に設けられた凹部42をきっかけとして、ベース部材11が車両1の上方にV字状に折れるようになる。このため、移動デッキ12がベース部材11に追従して車両1の上方にV字状に折れる。なお、ここでいうV字状は、完全なV字状だけでなく、略V字状も含んでいる。
【0064】
このような本実施形態では、ベース部材11における前側支持部15と後側支持部16との間の部分と車体2とを連結し、ベース部材11を車体2に対して支持する中間支持部41が備えられている。従って、前側支持部15、後側支持部16及び中間支持部41によってベース部材11が車体2に対して支持されるため、移動デッキモジュール10Bの剛性が一層高くなる。従って、移動デッキ12の上に荷物が載せられたときに、荷物の荷重を車両1の上下方向に一層効率的に受けることができる。
【0065】
また、本実施形態では、車両1の後方から車体2に荷重が入力されたときに、車体2の変形によりベース部材11の折れの始点となる凹部42がベース部材11に設けられている。よって、車両1が追突されることで、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されると、車体2の変形によって、ベース部材11が車体2に対して車両1の上方に回動すると共に、凹部42をきっかけとしてベース部材11が折れる。このため、車両1の前方へのベース部材11及び移動デッキ12の移動量が更に減少する。また、移動デッキ12も、ベース部材11に追従して、車両1の上方に回動すると共に折れる。従って、荷室8の容量減少量が抑えられるため、例えば移動デッキ12の上に載せられた荷物Mが変形しにくくなる(図9(b)参照)。
【0066】
また、本実施形態では、凹部42は、ベース部材11の上面に開口するように設けられている。このため、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されると、凹部42をきっかけとしてベース部材11が車両1の上方に折れやすくなる。従って、ベース部材11の折れ方向がベース部材11の回動方向と一致するため、ベース部材11及び移動デッキ12が持ち上がりやすくなる。
【0067】
また、本実施形態では、中間支持部41は、ベース部材11の凹部42の真下に位置している。このため、ベース部材11に凹部42を設けることによる移動デッキモジュール10Bの剛性の低下が、中間支持部41により効果的に抑制される。従って、移動デッキ12の上に重い荷物が載せられても、荷物の荷重を車両1の上下方向に十分に受けることができる。
【0068】
なお、本実施形態では、中間支持部41は、ベース部材11の凹部42の真下に位置しているが、特にそのような形態には限られない。中間支持部41は、凹部42に対して車両1の前後方向にずれた位置に配置されていてもよい。また、そのような凹部42は、特にベース部材11に設けられていなくてもよい。
【0069】
図10は、本発明の第4実施形態に係る移動デッキモジュールが搭載された車両の後部を移動デッキモジュールの動作と共に示す概略側面図である。図10において、本実施形態の移動デッキモジュール10Cでは、ベース部材11の折れの始点となる凹部42は、ベース部材11の下面に開口するように設けられている。
【0070】
図10(a)に示されるように、車両1の後方から車両1にバリア30が追突すると、リアバンパ5及びリアフレーム24に衝突荷重が入力される。すると、図10(b)に示されるように、ベース部材11が前側支持部15を介してリアフレーム24に対して車両1の上方に回動するため、ベース部材11及び移動デッキ12が持ち上がる。
【0071】
また、図10(b)に示されるように、ベース部材11に設けられた凹部42をきっかけとして、ベース部材11が車両1の下方に逆V字状に折れるようになる。このため、移動デッキ12がベース部材11に追従して車両1の下方に逆V字状に折れる。なお、ここでいう逆V字状は、完全な逆V字状だけでなく、略逆V字状も含んでいる。
【0072】
ところで、車両1が追突されたときは、車体2のリアフレーム24が車両1の上方に曲がるばかりでなく、車両1のサイズ及びバンパ等の高さ位置等によっては、車体2のリアフレーム24が車両1の下方に曲がることもある。
【0073】
本実施形態では、凹部42がベース部材11の下面に開口するように設けられているため、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されると、凹部42をきっかけとしてベース部材11が車両1の下方に折れるようになる。従って、車両1が追突されたときに車体2が車両1の下方に曲がる場合でも、車体2が曲がる方向に沿ってベース部材11が折れることになり、荷室8の容量減少量が抑えられる。
【0074】
図11は、本発明の第5実施形態に係る移動デッキモジュールが搭載された車両の後部を示す概略側面図である。図11において、本実施形態の移動デッキモジュール10Dは、上記の第1実施形態における後側支持部16に代えて、後側支持部46を備えている。
【0075】
後側支持部46は、ベース部材11の後端側部分に取り付けられた傾斜部47と、この傾斜部47に接続されると共に、車両1の上下方向に延びるように車体2のリアフレーム24に固定された立設部48とを有している。傾斜部47及び立設部48同士は、溶接等により固定されている。
【0076】
傾斜部47は、車体2の後側(前側支持部15の反対側)に向かって傾斜して下がるようにベース部材11の後端部の近傍にピン接合等により取り付けられている。立設部48の基端は、リアフレーム24のリアサイドメンバ25の後端部の近傍にボルト締結等により固定されている。立設部48の先端は、ベース部材11に接触している。立設部48は、車両1の上下方向に真っ直ぐ延びており、ベース部材11からの荷重を支えている。
【0077】
このような本実施形態では、後側支持部46において、立設部48が車両1の上下方向に延びるように車体2に固定され、その立設部48に傾斜部47が接続されているので、移動デッキモジュール10Dの剛性が更に高くなる。従って、移動デッキ12の上に荷物が載せられたときに、荷物の荷重を車両1の上下方向に更に効率的に受けることができる。
【0078】
図12は、本発明の第6実施形態に係る移動デッキモジュールが搭載された車両の後部を示す概略側面図である。図12において、本実施形態の移動デッキモジュール10Eは、上記の第1実施形態におけるベース部材11及び移動デッキ12に代えて、ベース部材51及び移動デッキ52を備えている。
【0079】
ベース部材51は、図13にも示されるように、車両1の前後方向に延びる左右1対のレール55を有している。各レール55は、凹状を呈している。ベース部材51は、基部57aと、この基部57aの左右両縁部と一体化された側壁部57b,57bとを有している。凹状のレール55は、基部57aの上面及び側壁部57b,57bの内側面によって画成されている。ベース部材51の前端部及び後端部には、レール55を閉鎖する端壁部56がそれぞれ設けられている。
【0080】
移動デッキ52は、枠体状のサポート53と、上記のデッキボード14とを備えている。サポート53は、ベース部材51に車両1の前後方向に移動可能に取り付けられている。サポート53の左右両側の前端側部分には、図13にも示されるように、ベース部材51のレール55に沿って車両1の前後方向に走行する左右複数組(ここでは左右2組)のローラ59が設けられている。ローラ59は、レール55と係合し、レール55に沿って移動する係合部である。各ローラ59は、サポート53の前端側部分に設けられた支持部58,58に自由回転可能に支持されている。従って、サポート53は、4つのローラ59によりベース部材51に移動可能に支持されている。
【0081】
なお、デッキボード14についても、4つのローラによりサポート53に移動可能に支持されていてもよい。この場合には、例えばデッキボード14の各ローラが走行する凹状のレールがサポート53に設けられることとなる。
【0082】
前側支持部15は、ベース部材51の前端側部分と車体2のリアフレーム24とを連結し、ベース部材51を車体2に対して支持する。後側支持部16は、ベース部材51の後端側部分とリアフレーム24とを連結し、前側支持部15と協働してベース部材51を車体2に対して支持する。その他の構造は、上記の第1実施形態と同様である。
【0083】
このような本実施形態においても、上記の第1実施形態と同様に、前側支持部15及び後側支持部16が備えられているので、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されると、ベース部材51が車体2に対して車両1の上方に回動する。従って、車両1の前方へのベース部材51及び移動デッキ52の移動量が減少する。これにより、車両1が追突された際に、移動デッキモジュール10Eが後部座席9を押し込むことが抑制される。
【0084】
図14は、本発明の第7実施形態に係る移動デッキモジュールが搭載された車両の後部を示す概略側面図である。図14において、本実施形態の移動デッキモジュール10Fは、上記の第6実施形態における後側支持部16に代えて、後側支持部66を備えている。
【0085】
後側支持部66は、車両1の上下方向に真っ直ぐ延びている。後側支持部66の上端は、ベース部材51の後端部に溶接等により固定されている。後側支持部66の下端は、リアフレーム24のリアサイドメンバ25の後端部にボルト締結等により固定されている。つまり、後側支持部66の両端部は、ベース部材11及びリアサイドメンバ25とそれぞれ剛接合されている。このため、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されたときには、ベース部材51に曲げモーメントが発生する。
【0086】
また、ベース部材51における前側支持部15と後側支持部66との間の部分には、車両1の後方からリアフレーム24に荷重が入力されたときに、リアフレーム24の変形によりベース部材51が逆V字状に折れ曲がる始点となる凹部60が左右両側に設けられている。このとき、凹部60は、移動デッキモジュール10Fの側方から見て逆V字状に折れ曲がる始点となる。凹部60は、ベース部材51の側壁部57b(図13参照)に設けられている。凹部60は、ベース部材51の上面に開口するように設けられている。凹部60は、例えば断面V字状の切り欠きである。
【0087】
凹部60は、ベース部材51における車両1の前後方向の中央部よりも後側の位置に設けられている。具体的には、凹部60は、移動デッキ52が荷室8に格納された状態において、ベース部材51における各組のローラ59よりも後側の位置に設けられている。また、凹部60は、車両1の後方から車体2に荷重が入力されたときに、移動デッキ52が車体2のリアフレーム24に対して荷室8内に収まる角度で傾くようにベース部材51に設けられている(図15参照)。
【0088】
以上のように構成された移動デッキモジュール10Fにおいて、移動デッキ52が荷室8に格納された状態で、図15(a)に示されるように、車両1の後方から車両1に衝突試験用のバリア30が追突すると、リアバンパ5及び車体2のリアフレーム24に衝突荷重が入力される。すると、リアフレーム24は、車両1の前方に押されて変形する。
【0089】
このとき、図15(b)に示されるように、後側支持部66がきっかけとなってベース部材51に曲げモーメントが発生するため、ベース部材51が前側支持部15を介してリアフレーム24に対して車両1の上方に回動し、ベース部材51及び移動デッキ52が持ち上がる。また、ベース部材51が車体2に対して車両1の上方に回動すると共に、凹部60をきっかけとしてベース部材51が逆V字状に折れ曲がる。ただし、移動デッキ52は、ベース部材51に追従して逆V字状に折れ曲がることはない。
【0090】
そして、リアフレーム24が更に車両1の前方に押されると、図15(c)に示されるように、バリア30が移動デッキ52の下に入り込む。従って、ベース部材51がリアフレーム24に対して更に車両1の上方に回動するため、ベース部材51及び移動デッキ52が更に持ち上がる。このとき、移動デッキ52は、荷室8内に収まった状態に保たれる。
【0091】
以上のような本実施形態では、車両1が追突されることで、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されると、車体2の変形によって、ベース部材51が車体2に対して車両1の上方に回動すると共に、凹部60をきっかけとしてベース部材51が逆V字状に折れ曲がる。従って、車両1の前方へのベース部材51及び移動デッキ52の移動量が更に減少する。
【0092】
また、本実施形態では、凹部60は、ベース部材51における車両1の前後方向の中央部よりも後側の位置に設けられている。よって、車両1が追突されることで、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されたときに、車体2に対するベース部材51の回動量が少なくなるため、車体2に対する移動デッキ52の傾き角度が小さくて済む。このため、ベース部材51及び移動デッキ52が持ち上がり過ぎることが防止される。従って、例えば移動デッキ52の上に載せられた荷物が変形しにくくなる。
【0093】
また、本実施形態では、凹部60は、移動デッキ52が荷室8に格納された状態において、ベース部材51における複数組のローラ59よりも後側の位置に設けられている。このため、移動デッキ52が荷室8に格納された状態で、車両1が追突されることで、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されたときに、ベース部材51は凹部60をきっかけとして逆V字状に折れ曲がるが、移動デッキ52は折れ曲がりにくい。従って、移動デッキ52の破損等を抑制することができる。その結果、例えば移動デッキ52を再利用することが可能となる。
【0094】
また、本実施形態では、車両1が追突されることで、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されても、移動デッキ52が荷室8内に収まるため、移動デッキ52が車体2に干渉しにくい。従って、移動デッキ52の破損等を更に抑制することができる。
【0095】
なお、本実施形態では、後側支持部66は、車両1の上下方向に真っ直ぐ延びているが、特にそのような形態には限られない。例えば、後側支持部66は、ベース部材11及びリアフレーム24とそれぞれ剛接合されていれば、ベース部材11及びリアフレーム24に対して斜め方向に延びていてもよい。
【0096】
図16は、本発明の第8実施形態に係る移動デッキモジュールが搭載された車両の後部を移動デッキモジュールの動作と共に示す概略側面図である。図16において、本実施形態の移動デッキモジュール10Gは、上記の第7実施形態における構成に加えて、左右2つの中間支持部71と、左右2つの連結具72(図17参照)とを備えている。なお、図16では、連結具72が便宜上省略されている。
【0097】
中間支持部71は、車体2のリアフレーム24における前側支持部15と後側支持部66との間の部分に取り付けられている。中間支持部71は、リアフレーム24のリアサイドメンバ25にボルト締結等により固定されている。中間支持部71は、前側支持部15及び後側支持部66と協働してベース部材51を車体2に対して支持する第3支持部を構成している。中間支持部71は、車両1の上下方向に真っ直ぐ延びている。中間支持部71は、ベース部材51の凹部60の真下に位置している。
【0098】
連結具72は、図17に示されるように、ベース部材51と中間支持部71とを着脱可能に連結する。連結具72は、図17図19に示されるように、ベース部材51に固定されたクランク状の連結部材73と、中間支持部71に固定され、連結部材73を中間支持部71に対して押し付けるJ字状の押付部材74とを有している。連結部材73及び押付部材74は、何れも金属の板で形成されている。
【0099】
連結部材73は、例えばベース部材51の下面に溶接等により固定されている。押付部材74は、中間支持部71の上端面に溶接等により固定されている。押付部材74は、中間支持部71に固定された基部74aと、この基部74aと協働して連結部材73を挟み込む係止部74bとを有している。基部74aと係止部74bとが連結部材73を挟み込むことで、連結部材73が中間支持部71に対して押し付けられる。これにより、ベース部材51と中間支持部71とが連結された状態となる(図17(a)参照)。
【0100】
以上のような移動デッキモジュール10Gにおいて、図16(a)に示されるように、車両1の後方から車両1に衝突試験用のバリア30が追突すると、リアバンパ5及びリアフレーム24に衝突荷重が入力される。すると、図16(b)に示されるように、ベース部材51がリアフレーム24に対して車両1の上方に回動するため、ベース部材51及び移動デッキ52が持ち上がると共に、ベース部材51が凹部60をきっかけとして逆V字状に折れ曲がる。
【0101】
このとき、図17(b)及び図18の2点鎖線に示されるように、押付部材74の係止部74bが連結部材73により上方に押されることで、係止部74bが塑性変形し、基部74aと係止部74bとの間から連結部材73が抜け出るため、ベース部材51と中間支持部71との連結が外れる。このため、連結具72があっても、ベース部材51がスムーズに逆V字状に折れ曲がるようになる。
【0102】
以上のような本実施形態では、前側支持部15、後側支持部66及び中間支持部71によってベース部材51が車体2に対して支持されるため、移動デッキモジュール10Gの剛性が一層高くなる。従って、移動デッキ52の上に荷物が載せられたときに、荷物の荷重を車両1の上下方向に一層効率的に受けることができる。また、車両1が追突されることで、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されると、連結具72によるベース部材51と中間支持部71との連結が外れるため、凹部60をきっかけとしたベース部材51の折れ曲がりを阻害することはない。
【0103】
また、本実施形態では、中間支持部71は、ベース部材51の凹部60の真下に位置している。このため、ベース部材51に凹部60を設けたことによる移動デッキモジュール10Gの剛性の低下が、中間支持部71により効果的に抑制される。従って、移動デッキ52の上に重い荷物が載せられても、荷物の荷重を車両1の上下方向に十分に受けることができる。
【0104】
また、本実施形態では、通常状態時には、押付部材74が連結部材73を中間支持部71に対して押し付けることで、ベース部材51と中間支持部71とが連結される。車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されると、ベース部材51が逆V字状に折れ曲がることで、連結部材73が押付部材74から抜けて、ベース部材51と中間支持部71の連結が外れる。このように連結具72を簡単な構造で実現することができる。
【0105】
なお、本実施形態では、中間支持部71は、ベース部材51の凹部60の真下に位置しているが、特にそのような形態には限られない。中間支持部71は、ベース部材51の凹部60に対して車両1の前後方向にずれた位置に配置されていてもよい。
【0106】
図20は、本発明の第9実施形態に係る移動デッキモジュールが搭載された車両の後部を移動デッキモジュールの動作と共に示す概略側面図である。図20において、本実施形態の移動デッキモジュール10Hは、上記の第7実施形態におけるベース部材51及び移動デッキ52に代えて、ベース部材81及び移動デッキ82を備えている。
【0107】
ベース部材81の左右両側の後端側部分には、支持部85がそれぞれ設けられている。各支持部85には、左右複数組(ここでが左右2組)のローラ86が自由回転可能に支持されている。また、ベース部材81には、上記の凹部60が設けられている。凹部60は、移動デッキ82が荷室8に格納された状態において、ベース部材81における各組のローラ86よりも前側に設けられている。
【0108】
移動デッキ82は、枠体状のサポート83と、上記のデッキボード14とを備えている。サポート83は、ベース部材81に車両1の前後方向に移動可能に取り付けられている。サポート83は、車両1の前後方向に延びる左右1対のレール87を有している。ベース部材81の各ローラ86は、レール87に沿って相対的に走行する。ローラ86は、レール87と係合し、レール87に沿って相対的に移動する係合部である。従って、サポート83は、4つのローラ86によりベース部材81に移動可能に支持されている。
【0109】
また、移動デッキモジュール10Hは、上記の第7実施形態における前側支持部15及び後側支持部66に代えて、前側支持部88及び上記の第2実施形態における後側支持部36を備えている。
【0110】
前側支持部88は、ベース部材81の前端側部分と車体2のリアフレーム24とを連結する。前側支持部88の一端は、ベース部材81の前端側部分に溶接等により固定されている。前側支持部88の他端は、リアフレーム24のリアサイドメンバ25の前端側部分にボルト締結等により固定されている。つまり、前側支持部88の両端部は、ベース部材81及びリアサイドメンバ25とそれぞれ剛接合されている。このため、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されたときには、ベース部材81に曲げモーメントが発生する。
【0111】
以上のような移動デッキモジュール10Hにおいて、図20(a)に示されるように、車両1の後方から車両1に衝突試験用のバリア30が追突すると、リアバンパ5及びリアフレーム24が車両1の前方に押されて変形する。すると、図20(b)に示されるように、ベース部材81が後側支持部36を介してリアフレーム24に対して車両1の上方に回動し、ベース部材81及び移動デッキ82が持ち上がると共に、ベース部材81が凹部60をきっかけとして逆V字状に折れ曲がる。
【0112】
このように本実施形態においても、上記の第7実施形態と同様に、車両1が追突されることで、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されると、車体2の変形によって、ベース部材81が車体2に対して車両1の上方に回動すると共に、凹部60をきっかけとしてベース部材81が逆V字状に折れ曲がる。従って、車両1の前方へのベース部材81及び移動デッキ82の移動量が更に減少する。
【0113】
以上、本発明の実施形態について幾つか説明してきたが、本発明は上記実施形態には限定されない。例えば、ベース部材に折れの始点となる凹部が設けられている場合、凹部の適切な位置は、車両の種類、寸法及び仕様等によって異なるため、車両に応じて種々変更可能である。
【0114】
また、車両1の後方から車体2に荷重が入力されたときに、車体2の変形によりベース部材が車体2に対して車両1の上下方向に回動可能となるように、前側支持部または後側支持部を軸部を介して車体2に回動可能に取り付けてもよい。
【0115】
また、上記実施形態では、移動デッキがサポート及びデッキボードという2部品からなり、サポートがベース部材に車両1の前後方向に移動可能に取り付けられ、デッキボードがサポートに車両1の前後方向に移動可能に取り付けられているが、特にそのような形態には限られない。例えば、デッキボードがサポートに対して車両1の前後方向に移動しない構造であってもよい。また、移動デッキがデッキボードのみの1部品からなり、デッキボードが直接ベース部材に車両1の前後方向に移動可能に取り付けられていてもよい。
【符号の説明】
【0116】
1…車両、2…車体、8…荷室、10,10A~10H…移動デッキモジュール、11…ベース部材、12…移動デッキ、15…前側支持部(第1支持部)、16…後側支持部(第2支持部)、35…前側支持部(第2支持部)、36…後側支持部(第1支持部)、41…中間支持部(第3支持部)、42…凹部、46…後側支持部(第2支持部)、47…傾斜部、48…立設部、51…ベース部材、52…移動デッキ、55…レール、59…ローラ(係合部)、60…凹部、66…後側支持部(第2支持部)、71…中間支持部(第3支持部)、72…連結具、73…連結部材、74…押付部材、81…ベース部材、82…移動デッキ、86…ローラ(係合部)、87…レール、88…前側支持部(第2支持部)。
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