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特開2022-141067蓄電池の情報システム及び情報提供方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022141067
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】蓄電池の情報システム及び情報提供方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220921BHJP
   G06Q 50/06 20120101ALI20220921BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021041204
(22)【出願日】2021-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】301063496
【氏名又は名称】東芝デジタルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(72)【発明者】
【氏名】森田 朋和
(72)【発明者】
【氏名】藤田 有美
(72)【発明者】
【氏名】杉山 暢克
(72)【発明者】
【氏名】庄司 政浩
(72)【発明者】
【氏名】武田 麻里
(72)【発明者】
【氏名】増田 保
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】蓄電池に関するデータ流通プラットフォームを提供する。
【解決手段】実施形態の蓄電池の情報システムは、第1の端末側からの製造された蓄電池に関する情報の登録、及び第2の端末側からの蓄電池使用期間の各時点における電池状態情報を含む蓄電池の使用履歴の登録を受け付け、蓄電池に関する情報及び使用履歴をそれぞれ蓄積する。登録された蓄電池に関する情報及び/又は使用履歴を用いて、所定の評価手法による内部状態推定結果を生成する。内部状態推定結果をプラットフォーム評価情報として受け付けられた各種情報と紐付けて蓄積する。そして、登録された蓄電池に関する情報及びそれに紐付くプラットフォーム評価情報、又は使用履歴及びそれに紐付くプラットフォーム評価情報を各端末側へ提供する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池に関する各種情報をやり取りする情報システムであって、
製造された蓄電池に関する情報の登録を受け付ける手段と、
蓄電池搭載デバイスによって収集され蓄電池使用期間の各時点における電池状態情報を含む蓄電池の使用履歴の登録を受け付ける手段と、
前記蓄電池に関する情報及び前記使用履歴をそれぞれ蓄積する手段と、
登録された前記蓄電池に関する情報及び/又は前記使用履歴を用いて、所定の評価手法による内部状態推定結果を生成する手段と、
前記内部状態推定結果を、プラットフォーム統一評価情報として前記受け付けられた各種情報と紐付けて蓄積する手段と、
登録された前記蓄電池に関する情報及びそれに紐付く前記プラットフォーム統一評価情報、又は登録された前記使用履歴及びそれに紐付く前記プラットフォーム統一評価情報を提供する手段と、
を有する情報システム。
【請求項2】
前記所定の評価手法とこの評価手法に基づき前記情報システムで評価した評価情報であることを証明する証明情報発行部を備える、請求項1に記載の情報システム。
【請求項3】
前記所定の評価手法を選択する評価手法選択部をさらに備え、
前記内部状態推定結果を生成する手段は、前記評価手法選択部に登録された複数の各評価手法それぞれの前記各内部状態推定結果を生成可能に制御するとともに、
前記プラットフォーム統一評価情報を提供する手段は、選択された評価手法に応じた前記プラットフォーム統一評価情報を提供する、請求項1又は請求項2に記載の情報システム。
【請求項4】
前記蓄電池に関する情報は、蓄電池の所定の寿命試験による電池劣化挙動データを含み、
前記使用履歴は、デバイスに搭載された蓄電池の実使用における電池劣化挙動データを含み、
前記内部状態推定結果を生成する手段は、
予め設定された蓄電池内に含まれる複数の活物質の充電量と充電電圧との関係に基づき、前記各電池劣化挙動データを入力情報として、前記内部状態推定結果を生成する評価処理を行う、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報システム。
【請求項5】
前記提供する手段は、
端末に、所定の検索画面を提供し、前記検索画面に入力された検索条件を用いて該当する前記蓄電池に関する情報を抽出する検索機能を備え、
前記検索機能による検索結果に対し、抽出された前記蓄電池に関する情報及びそれに紐付く前記プラットフォーム統一評価情報を、前記端末に送信する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報システム。
【請求項6】
前記提供する手段は、
端末に、所定の検索画面を提供し、前記検索画面に入力された検索条件を用いて該当する前記使用履歴を抽出する検索機能を備え、
前記検索機能による検索結果に対し、抽出された前記使用履歴及びそれに紐付く前記プラットフォーム統一評価情報を、前記端末に送信する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報システム。
【請求項7】
前記蓄電池に関する情報には、蓄電池製品の電池性能情報、蓄電池の材料情報を含む、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の情報システム。
【請求項8】
蓄電池に関する各種情報をやり取りするためのコンピュータによって実行されるプログラムであって、前記コンピュータに、
製造された蓄電池に関する情報の登録を受け付ける第1機能と、
蓄電池搭載デバイスによって収集され、蓄電池使用期間の各時点における電池状態情報を含む蓄電池の使用履歴の登録を受け付ける第2機能と、
前記蓄電池に関する情報及び前記使用履歴をそれぞれ蓄積する第3機能と、
登録された前記蓄電池に関する情報及び/又は前記使用履歴を用いて、所定の評価手法による内部状態推定結果を生成する第4機能と、
前記内部状態推定結果を、プラットフォーム統一評価情報として前記受け付けられた各種情報と紐付けて蓄積する第5機能と、
登録された前記蓄電池に関する情報及びそれに紐付く前記プラットフォーム統一評価情報、又は登録された前記使用履歴及びそれに紐付く前記プラットフォーム統一評価情報を提供する第6機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項9】
蓄電池に関する各種情報をやり取りする情報提供方法であって、
製造された蓄電池に関する情報の登録を受け付けるステップと、
蓄電池搭載デバイスによって収集され、蓄電池使用期間の各時点における電池状態情報を含む蓄電池の使用履歴の登録を受け付けるステップと、
前記蓄電池に関する情報及び前記使用履歴をそれぞれ蓄積するステップと、
登録された前記蓄電池に関する情報及び/又は前記使用履歴を用いて、所定の評価手法による内部状態推定結果を生成するステップと、
前記内部状態推定結果を、プラットフォーム統一評価情報として前記受け付けられた各種情報と紐付けて蓄積するステップと、
登録された前記蓄電池に関する情報及びそれに紐付く前記プラットフォーム統一評価情報、又は登録された前記使用履歴及びそれに紐付く前記プラットフォーム統一評価情報を提供するステップと、
を含む情報提供方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、蓄電池の運用データや分析データ等のデータ流通技術に関する。
【背景技術】
【0002】
蓄電池の性能を表す要素として、余寿命や劣化挙動などの特性情報がある。例えば、自動車メーカーは、電気自動車又はハイブリット自動車に搭載される蓄電池の状態に関する情報を取得し、実際のバッテリー使用に基づく余寿命や劣化挙動(蓄電池運用データ)を分析することができる(特許文献1参照)。また、例えば、蓄電池メーカーも、開発・販売する蓄電池製品の耐久試験を行い、試験に基づく余寿命や劣化挙動(蓄電池分析データ)を特性情報として提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5413087号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
各事業者が蓄電池に関する各種情報を登録し利用することができるデータ流通プラットフォームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態は、蓄電池に関する各種情報をやり取りする情報システムである。本情報システムは、製造された蓄電池に関する情報の登録を受け付ける手段と、蓄電池搭載デバイスによって収集され、蓄電池使用期間の各時点における電池状態情報を含む蓄電池の使用履歴の登録を受け付ける手段と、前記蓄電池に関する情報及び前記使用履歴をそれぞれ蓄積する手段と、登録された前記蓄電池に関する情報及び/又は前記使用履歴を用いて、所定の評価手法による内部状態推定結果を生成する手段と、前記内部状態推定結果を、プラットフォーム評価情報として前記受け付けられた各種情報と紐付けて蓄積する手段と、登録された前記蓄電池に関する情報及びそれに紐付く前記プラットフォーム評価情報、又は前記使用履歴及びそれに紐付く前記プラットフォーム評価情報を提供する手段と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】CPSシステムの概要を説明するための図である。
図2】情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
図3】情報処理システムの実現例を示す図である。
図4】第1実施形態の蓄電池の情報システムのネットワーク構成を示す図である。
図5】第1実施形態の管理装置の機能ブロック図である。
図6】第1実施形態の情報システムによって構築される情報流通プラットフォームの概略説明図である。
図7】第1実施形態の情報システムによる各機能と取り扱う各種データ例を示した図である。
図8】第1実施形態の情報システムの処理フローを示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、実施形態につき、図面を参照して説明する。
【0008】
CPS(Cyber Physical System)の展開により、個々のシステムに閉じたサービス(ソリューション)の提供のみでなく、複数のシステムの連携等を行うSoS(System of Systems)との関わりの中でサービスの提供が行われている。
【0009】
以下に説明する蓄電池の情報システムの実施形態は、CPS(Cyber Physical System)の展開による個別のシステムの枠組みを超えたデータの利用(活用)の一例であり、主に、BtoB間のデータ相互活用に関するデータ流通技術に関する。
【0010】
そこで、CPSシステムの概要について、図1から図3を参照し、説明する。図1は、CPSシステムの概要を説明するための図である。
【0011】
図1に示すように、CPSシステムは、実世界(Physical)1およびサイバー世界(Cyber)2を含む。実世界1では、データ(センサーデータなど)が収集される。サイバー世界2は、デジタル技術などを用いて収集されたデータを分析し、活用しやすい情報および知識として記憶し、その結果を実世界1にフィードバックする。このような仕組みにより、例えば実世界1およびサイバー世界2のいずれか一方のみでは実現できない付加価値を創造することが可能となる。
【0012】
CPSシステムでは、サーバ間でのデータ流通およびフィジカル間でのデータ流通を通じ、自社が保有するデータを利用(活用)するのみでなく、自社以外が保有するデータも利用されるプラットフォームを提供することができる。
【0013】
図2は、CPSシステムの具体的なシステム構成例を示す図である。情報処理システム51、情報処理装置としてのプラットフォーム10と、エッジ端末20と、サービス提供装置30と、共通サービス40と、を含む。
【0014】
エッジ端末20とプラットフォーム10とは、例えば、IoT(Internet of Things)バスとして機能するインターフェースにより接続される。プラットフォーム10とエンタープライズサービスとは、例えば、API(Application Programming Interface)などサービスバスを介して接続される。IoTバスおよびサービスバスの実現方法はどのような方法であってもよい。例えばIoTバスおよびサービスバスは、インターネットなどのネットワーク(有線、無線のいずれであってもよい)により実現することができる。
【0015】
情報処理システム51は、例えばインターネットなどのネットワークを介して外部システム52と接続されてもよい。外部システム52は、サービス提供装置30と連携して動作するシステムである。
【0016】
なお図2では、エッジ端末20、プラットフォーム10、サービス提供装置30、および、外部システム52がそれぞれ1つのみ記載されているが、それぞれ複数備えられてもよい。情報処理システム51全体がCPSシステムに相当すると解釈することができる。また、サービス提供装置30および外部システム52がそれぞれCPSシステムに相当すると解釈することもできる。
【0017】
エッジ端末20は、エッジ端末20の各種処理を制御する制御部21を備える。例えば制御部21は、以下のような処理を制御する。
・センサーデータなどのデータの収集
・プラットフォーム10などの外部装置との間の通信
・データの分析
・データの変換
・プラットフォーム10などから送信された制御情報に基づく動作の制御
【0018】
プラットフォーム10は、記憶部11と、分析部12と、操作部13と、を備える。記憶部11は、エッジ端末20等により収集されたデータ(以下、収集データという)、および、マスターデータを記憶する。マスターデータは、例えば、エッジ端末20の仕様、使用環境の仕様、設計図、および、メンテナンス履歴等に関するデータである。
【0019】
記憶部11は、フラッシュメモリ、メモリカード、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、および、光ディスクなどの一般的に利用されているあらゆる記憶媒体により構成することができる。複数の記憶部は、物理的に異なる記憶媒体としてもよいし、物理的に同一の記憶媒体の異なる記憶領域として実現してもよい。
【0020】
分析部12は、記憶部11に記憶された収集データを、AI(Artificial Intelligence)やIT技術(サイバー世界2)で分析する。例えば、AIを用いて収集データを分析する。AIは、例えば、機械学習および深層学習などにより構築されるニューラルネットワークなどの学習モデルである。複数のサービス提供装置30が備えられる場合、分析部12は、サービス提供装置30ごとに異なるAIを用いて収集データを分析してもよい。分析部12による分析方法は、AIを用いた方法に限られず、どのような方法であってもよい。また、分析部12は、収集データを変換(加工)する機能をさらに備えることができる。
【0021】
操作部13は、分析部12による分析結果などに基づき、エッジ端末20の制御するための制御情報を生成し、生成した制御情報をエッジ端末20に送信することにより、エッジ端末20を操作する。制御情報は、エッジ端末20の状態を変化させるための情報であればどのような情報であってもよい。例えば制御情報は、通信、エッジ端末20での分析、状態変化、センシング、および、操作の指示等をエッジ端末20(制御部21)に実行させるための情報である。
【0022】
エッジ端末20の制御部21は、収集データをプラットフォーム10に送信し、プラットフォーム10から制御情報を受信する。制御部21は、制御情報に基づいてエッジ端末20内での制御を行う。制御部21は、変化したエッジ端末20の状態に基づいて、さらに収集データをプラットフォーム10に送信し、プラットフォーム10から制御情報を受信する。このようなループ(CPSループ)が繰り返されることで、プラットフォーム10に蓄積された収集データ、収集データに対する分析結果に基づく、大量のエッジ端末20の制御が実現される。
【0023】
サービス提供装置30は、収集データおよび分析結果の少なくとも一方を利用するサービスを提供する装置である。サービス提供装置30は、サービス部31と、ビジネス部32と、SoS部33と、を備える。
【0024】
サービス部31は、プラットフォーム10に蓄積された収集データおよび分析結果を人(管理担当者)が確認すること、CPSループの状態を人の知恵に基づいて人が検査すること、および、人手によりCPSループの状態を変化させることなどのために用いられる。
【0025】
例えば管理担当者は、専門家としての知見に基づき、CPSループの検査、監査、異常発生の検知、および、攻撃などに起因するAIの過誤(CPSループの異常)の検知などを実行し、情報処理システム51が、人の目から見て適切に稼働しているかを確認する。管理担当者は、CPSループの異常を知覚した場合には、サービス部31を介して制御情報を送信することにより、または、その他の方法により、CPSループのトラブルシューティングを実行してもよい。
【0026】
ビジネス部32は、収集データおよび分析結果などを用いたサービスを提供する。例えばビジネス部32は、CRP(Customer Relationship Management)、ERP(Enterprise Resource Planning)、PLM(Product Lifecycle Management)、および、EAM(Enterprise Asset Management)などのサービスを提供する。
【0027】
SoS部33は、複数の内部システムを備え、複数の内部システムの連携等を行う。例えばSoS部33は、サービス提供装置30内で生成される情報、および、プラットフォーム10に蓄積された収集データおよび分析結果を用いてCPSループを統括(オーケストレーション)する。
【0028】
複数のサービス提供装置30が備えられる場合、情報処理システム51は、複数のSoS部33を備える。なお、1つのサービス提供装置30が複数のSoS部33を備えてもよい。複数のSoS部33それぞれは、複数の内部システムを備える。複数のSoS部33は、プラットフォーム10を介して連携してもよいし、プラットフォーム10を介さずに連携してもよい。
【0029】
各内部システムは、独立して管理、運用されるシステムであればどのようなものであってもよい。例えば内部システムは、CPSシステムであってもよいし、クラウドサーバまたはMEC(Multi Access Edge Computing)サーバによりサービスを提供するシステムであってもよい。内部システムは、ビジネス部32に相当するサービスを提供するシステムであってもよい。
【0030】
内部システムは、エッジ端末20等からの情報および要求を受信し、受信した情報および要求に応じた情報を返す。内部システムは、エッジ端末20等から受信する情報を集積して、実世界をサイバー世界上に再現する情報(デジタルツイン)を構築してもよい。
【0031】
SoS部33は、分散する複数の内部システムと情報を交換し、単独のシステムでは実現できない機能を提供する。例えば、各内部システムは、原則として、自システム内で制御可能な領域で最適(部分最適)のための制御を行う。これに対してSoS部33は、複数の内部システムを統括し、統括する複数の内部システム全体での最適(全体最適)のための制御を行う。SoS部33は、これに限られず、例えば各内部システムとは異なる機能を提供するシステムであってもよい。
【0032】
内部システムは、それぞれ単一の産業領域(サービス)に関するシステムであってもよい。SoS部33は、例えば、互いに異なる複数の産業領域に属する内部システムを統括する。
【0033】
産業領域とは、1つの産業に分類される事業領域を指し、例えば、医療、教育、産業、福祉および司法であってもよい。産業領域は、コネクテッドインダストリーズの重点領域として掲げられる以下の産業領域であってもよい。
・スマートライフ(精密医療等によるヘルスケア、スマートレシートによる購買管理等
・自動走行・モビリティサービス(EV:Electric Vehicleのシェアリング等)
・ものづくり・ロボティクス(Factory Automation、スマートマニファクチャリング)
・バイオ・素材
・プラント・インフラ保安
【0034】
産業領域は、上記の例に限られず、各法人および政府公共団体等で異なる定義がなされるものであって、1つの産業に分類される事業領域であればどのように区分けしてもよい。例えば、「プラント・インフラ保安」は、エネルギー分野およびインフラ分野に分けられてもよい。また、上記の産業領域のうち複数の産業領域を統合して集約した産業領域が定義されてもよい。上記の産業領域をさらに細分化した産業領域が定義されてもよい。
【0035】
また、サービス提供装置30は、サーバ間でのデータ流通およびフィジカル間でのデータ流通のため、自社及び他社が保有するデータをそれぞれ受け付けてプラットフォーム10の記憶部11に蓄積することができる。蓄積したデータは、分析部12で解析することができ、プラットフォーム10にアップロードされたデータや分析部12による解析結果を提供する。
【0036】
共通サービス40は、情報処理システム51内の各部(エッジ端末20、プラットフォーム10、サービス提供装置30)が共通に利用可能なサービスを提供する装置である。共通サービス40は、例えば以下のような機能を提供する。
・セキュリティ機能
・ロギング機能
・課金機能
【0037】
図3は、情報処理システム51の実現例を示す図である。図3の情報処理システム51は、エッジ20b(Edge)と、プラットフォーム10b(Platform)と、エンタープライズサービス(Enterprise Service)30bと、コモンサービス(Common Service)40bと、を含む。エッジ20b、プラットフォーム10b、エンタープライズサービス30b、および、コモンサービス40bは、それぞれ図2のエッジ端末20、プラットフォーム10、サービス提供装置30、および、共通サービス40に相当する。アザー・ドメイン(Other Domain)52bは、図2の外部システム52に相当する。
【0038】
以上、実世界(Physical)1で収集した情報をサイバー世界2でコンピュータ技術を駆使して分析し、あらゆる産業へ役立てようとする仕組みがCPSシステムであり、以下に説明する蓄電池の情報システムの実施形態は、図1に示したサーバ間でのデータ流通及びフィジカル間でのデータ流通をプラットフォーム10及びサービス提供装置30を通じて実現したものである。
【0039】
(第1実施形態)
図4は、第1実施形態の蓄電池の情報システムのネットワーク構成を示す図であり、管理装置100が提供する情報システムを各端末300が接続して利用する。
る。
【0040】
本実施形態の管理装置100は、事業者間で蓄電池に関する各種情報をやり取りする情報流通プラットフォームを提供する。事業者とは、例えば、蓄電池を構成する材料を開発・製造・販売等する蓄電池材料製造者(例えば、電池材料メーカー等)、蓄電池を開発・製造・販売等する蓄電池製造者(例えば、電池メーカー等)、蓄電池を搭載した製品を開発・製造・販売等する蓄電池搭載デバイス事業者(例えば、自動車メーカー等)である。
【0041】
なお、本実施形態の蓄電池の情報システムは、後述するように、これらの事業者に加え、蓄電池又は蓄電池を搭載したデバイスに関するサービス提供事業者(例えば、保険事業者、中古製品取扱事業者、電力供給事業者など)も、使用することができる。
【0042】
蓄電池とは、二次電池(例えば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池など)である。また、コンデンサ(例えば、電気二重層キャパシタなど)を含むことができる。これらの蓄電池は、例えば、ハイブリット自動車や電気自動車の走行用バッテリーとして搭載されたり、補機用バッテリーとして搭載されたりする。また、自動車に限らず、スマートフォンやノートパソコンなどの移動端末に搭載されるバッテリーや、動力源に電力を用いる鉄道車両に搭載されるバッテリーや、定置用蓄電システムに用いられるバッテリーなども含まれる。
【0043】
各事業者は、事業者が操作する端末300等を通じて管理装置100に接続し、管理装置100が提供する各種機能を通じて、蓄電池に関する各種データのやり取りを行うことができる。事業者端末300は、パーソナルコンピュータなどの通信機能及び演算機能を備えた情報処理端末等であり、スマートフォン等の移動通信端末であってもよい。
【0044】
図5は、管理装置100の機能ブロックを示す図である。管理装置100は、制御装置110、制御装置120、制御装置130、記憶装置140、及び通信装置150を備えている。なお、説明の便宜のため、3つの制御装置110,120,130に分けた態様を例示しているが、1つ又は任意の数の制御装置で実現してもよい。
【0045】
管理装置100は、蓄電池に関する情報流通プラットフォームとして、以下の機能を提供する。
a)蓄電池に関する各種情報を登録し蓄積するデータ蓄積機能、
b)登録された蓄電池に関する情報を所定の評価手法に基づいて評価する評価機能、
c)登録された各種情報や評価機能による評価結果を出力するデータ提供機能
【0046】
<データ蓄積機能>
データ蓄積機能は、蓄電池材料製造者、蓄電池製造者、蓄電池搭載デバイス事業者等がそれぞれ、蓄電池に関する情報を登録するための機能である。
・蓄電池材料情報は、電池材料データであり、材料製造者、種別(
正極材料例:コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元系正極材等、
負極材料例:黒鉛、ハードカーボン、チタン酸リチウム、Si系負極材、Sn系負極材、等)、平均電圧、重量毎の容量、重量毎のエネルギー情報などが含まれる。
・蓄電池製造者が登録する蓄電池の情報は、製造する蓄電池製品の電池性能データであり、電池製造者、型式(又は型番)などのヘッダー情報と、主要スペック(例えば、サイズ、容量、電圧・電流・温度範囲、電極材料系)、寿命試験条件、寿命試験評価結果、貯蔵SOC・温度、貯蔵期間などの蓄電池のステータス情報とが含まれる。つまり、蓄電池製造者側が提供する使用前の蓄電池に関する情報が登録される。
・蓄電池搭載デバイス事業者が登録する情報は、蓄電池が搭載されたデバイスにおける実際の蓄電池の使用履歴及び当該使用履歴に基づく蓄電池の評価情報である。例えば、使用した蓄電池の蓄電池製造者及び型式、蓄電地搭載デバイス事業者の管理情報である、蓄電池モジュール構造・型式、電池パック構成・型式、蓄電池ID情報(識別情報)、蓄電池LotNo、製造日、デバイス型式(例えば、EV型式)のデバイス情報などのヘッダー情報と含む。また、このヘッダー情報に紐付く使用履歴として、デバイス運用条件(SOH(デバイスでの自己診断によるもの)、温度履歴、電流履歴、電圧履歴など)、運用期間、充電回数、急速充電回数、走行距離、V2X(Vehicle to X)回数、交換履歴(例えば、バッテリーケースの交換ログ)、蓄電池搭載デバイス事業者による診断結果(例えば、内部状態推定結果としての、正極量・負極量・運用窓シフト容量・電池容量・内部抵抗値、SOHなど)、組電池情報(例えば、各電池セル・モジュール劣化バラつき、電池セル・モジュールバランスなど)が含まれる。
【0047】
管理装置100の制御装置110は、事業者登録部111、情報登録部112、及びデータ蓄積制御部113を含んで構成されている。
【0048】
事業者登録部111は、本システムの利用者登録機能を提供する。記憶装置140は、利用者登録機能を通じて入力された情報を、事業者別に事業者情報141として格納する。なお、事業者情報141は、社名や連絡先などの各事業者を識別・認証可能な情報であればよい。また、事業者登録部111は、事業者端末300に利用者登録画面を提供し、当該画面を通じて入力された事業者情報141を受け付け、記憶装置140に格納する。
【0049】
情報登録部112は、上述した蓄電池製造者が登録する情報及び蓄電池搭載デバイス事業者が登録する情報の登録(アップロードを含む)インターフェースを提供する。情報登録部112は、上述の蓄電池製造者が登録する情報を受け付けるための第1登録画面と、上述の蓄電池搭載デバイス事業者が登録する情報を受け付けるための第2登録画面と、を提供することができる。各事業者は、事業者端末300を通じて各種情報を入力し、データ蓄積制御部113が事業者別に記憶装置140に記憶する。図5の例において、蓄電池製造者が登録する情報が事業者別蓄電池性能情報142であり、蓄電池搭載デバイス事業者が登録する情報が事業者別使用実績情報143である。なお、インターフェースの構成は、任意である。
【0050】
また、上述のように、情報登録部112は、蓄電池製造者が登録する情報が所定のデータ形式で格納されたデータファイルのアップロードを受け付けることができ、データ蓄積制御部113は、受け付けたデータファイルを記憶装置140に格納する。このとき、データ蓄積制御部113は、データファイル内の各データを、第1登録画面を通じた入力されるデータが格納される事業者別蓄電池性能情報142のデータ構造に合わせて格納することができる。蓄電池搭載デバイス事業者が登録する情報についても同様である。
【0051】
<評価機能>
蓄電池は、充放電(使用)により劣化し、内部状態(電池劣化状態)が変化する。このような蓄電池の内部状態の変化(電池劣化挙動)を把握し、そのときの状態に応じた充放電電力の入出力制御が行われる。また、電池劣化挙動を把握することで、電池残存寿命を推定することができるので、蓄電池が搭載されたデバイスにおける実際の蓄電池の使用履歴に基づく蓄電池の評価は、重要である。
【0052】
また、蓄電池製造者が登録する寿命試験評価結果についても同様であり、実使用条件を加味した条件で充放電試験を行い、当該事業者が選定した評価基準、評価手法で蓄電池の内部状態の変化の評価情報を生成している。
【0053】
しかしながら、各事業者の評価基準や評価手法がそれぞれ異なるため、蓄電池製造者や蓄電池搭載デバイス事業者が登録した電池劣化挙動に関する評価情報をそのまま利用することができない場合がある。そこで、本プラットフォームでは、各評価のバラツキを吸収するため、予め設定(任意に選択された)一つの評価手法を用いて電池劣化挙動を評価し、プラットフォーム統一評価情報を生成する評価機能を備える。
【0054】
管理装置100の制御装置120は、評価手法選択部121及び評価処理部122を含んで構成されている。
【0055】
評価手法選択部121は、評価処理部122による評価処理で使用される評価手法を設定する機能を提供する。本実施形態では、特許第5889548号の電池劣化算出法(充電曲線解析法)を評価手法として設定した態様を一例に説明する。なお、これに限らず、他の評価手法を適用することができ、例えば、システム運営者は、複数の評価手法(評価ロジック)を予め管理装置100に登録し、任意の評価手法をプラットフォーム評価手法として設定することができる。
【0056】
充電曲線解析法は、例えば、蓄電池製造者が登録する寿命試験条件と試験結果、及び蓄電池搭載デバイス事業者が登録する使用履歴にそれぞれ含まれる、所定の測定時間中の充電電流及び充電量と、そのときの充電電圧、温度の測定データ等の測定値を入力情報とし、予め設定された電池内に含まれる複数の活物質の充電量と充電電圧との関係を表す関数マップを用いて、内部状態量(正極容量、正極拡散抵抗、充電開始時の正極Liイオン濃度、負極容量、負極拡散抵抗、充電開始時の負極Liイオン濃度、オーミック抵抗+反応抵抗など)を推定し、内部状態量の推定結果に基づいて、容量や内部抵抗、正負極の劣化度などを算出する。つまり、試験又は実使用における測定値である電池劣化挙動データを入力情報として、充電曲線解析マップから内部状態量の推定値や、容量、内部抵抗、劣化度を算出することができる。
【0057】
このように、各事業者で相違する評価結果だけではなく、共通化された評価手法の適用を可能にし、同じ評価手法及び評価基準で評価された蓄電池の評価結果(以下「プラットフォーム統一評価情報」という。)を生成し提供する。
【0058】
なお、評価処理部122は、任意のタイミングで評価処理を行い、記憶装置140に評価結果を記憶することができる。例えば、電池製造者が登録する情報及び蓄電池搭載デバイス事業者が登録する情報を受け付けた後の任意のタイミングであったり、事業者端末300から入力された評価要求を受け付けた後の任意のタイミングであったりしてもよい。
【0059】
また、評価処理部122は、評価処理によって生成された評価結果に対し、ランク付けを行うことができる。例えば、予め内部状態量のランク情報を生成・設定し、各内部状態量の推定結果に、該当するランク情報を割り当てるように構成することができる。
【0060】
証明情報発行部123は、評価手法の特定と、蓄電池の評価結果(プラットフォーム統一評価情報)を本プラットフォームで評価した旨の証明情報を改ざん不可能な技術を用いて発行し提供する。
【0061】
また、複数の評価手法それぞれに対応する各プラットフォーム統一評価情報を生成するように構成してもよい。この場合、後述するデータ提供機能において、事業者が任意の評価手法で統一されたプラットフォーム統一評価情報を取得することができ、事業者が得たい情報に合わせて各評価手法の特性を選択・変更可能に制御することもできる。
【0062】
<データ提供機能>
データ提供機能は、検索機能及びデータ出力機能を含み、管理装置100の制御装置130のデータ提供部131により実現される。
【0063】
各事業者は、事業者端末300から管理装置100に接続し、データ提供部131が提供する検索画面を通じて、希望する各種データを探すことができる。データ提供部131は、検索結果の出力及び検索結果に基づくデータの表示、出力(ダウンロード)の各機能を提供する。これにより、上記データ蓄積機能と共に、事業者間でのデータ共有利用環境を実現することができる。
【0064】
データ提供部131は、検索画面に入力された検索条件を用いて、事業者別蓄電池性能情報142、事業者別使用実績情報143、及び/又は評価情報144から該当するデータを抽出し、検索結果を事業者端末300に送信する。検索結果とは、例えば、記憶装置140に記憶されたヘッダー情報を含む要約情報である。ヘッダー情報に紐付く実データ(蓄電池製品の電池性能に関するステータス情報、蓄電池の使用履歴及び評価情報(事業者側評価によるもの)、プラットフォーム統一評価情報)は、検索結果に対する選択操作に基づいて、データ提供部131が、実データを含む所定の画面を事業者端末300に表示させて提供したり、CSV形式等の所定のファイル形式で実データを事業者端末300にダウンロードさせて提供したりする。
【0065】
<本プラットフォームによる蓄電池に関するデータ管理及び流通の説明>
図6は、管理装置100によって構築される情報流通プラットフォームの概略説明図である。図6に示すように、蓄電池運用データ・評価データの利用プラットフォームが提供され、価値あるデータの流通環境を構築することができる。
【0066】
従来は、図6の例において、矢印で示す事業者間でのデータ流通を行うための基盤がなく、各事業者は、情報提供(情報共有)による技術向上の促進を図る機会を得ることができずにいた。しかしながら、本システムにより、各事業者の様々な蓄電池に関するデータや各事業者の分析データ及び/又は分析手法が流通プラットフォームを介して共有され、良い電池、良い電池診断制御技術の活用および各種イノベーションが促進される環境を実現することができる。
【0067】
データ流通を行うためには、情報共有される情報が改ざんされていないことが望ましい。本システムにおいて、評価手法の特定と、蓄電池の評価結果(プラットフォーム統一評価情報)を本プラットフォームで評価した旨の証明情報を改ざん不可能な技術を用いて発行し提供することにより、安心してデータ流通を実現することができる。
【0068】
特に、他の事業者がどのような分析手法で分析しているのかを把握することは、蓄電池製造者及び蓄電池搭載デバイス事業者にとっても重要である。例えば、分析手法が異なれば、評価の観点が異なる。本システムによれば、多様な評価の観点を共有することができるので、データを取得・集約する観点、データを分析する観点、分析結果を製品やサービスに反映する観点において、幅広い技術視点を取り込むことができる。
【0069】
図7は、本システムによる各機能と取り扱う各種データ例を示した図である。上述のように、管理装置100は、データ蓄積機能、評価機能、及びデータ提供機能の3つの機能を提供し、蓄電池に関するデータ流通プラットフォームを実現する。
【0070】
図7に示すように、データ蓄積機能は、各種データを事業者から登録してもらうが、利活用のし易さを向上させる観点において、電池データのタグ付け、用途分類、ランク分け、累積データ(追跡機能を含む)、製品と関連したデータの同期などの機能を有するように構成することができる。これらのタグ、用途分類、ランクなどは、データ提供(共有)機能のキー情報として用いることができ、各事業者がデータ流通プラットフォーム上で、利便性の高いデータ検索及びデータ提供を受けることができる。
【0071】
また、本実施形態では、データ流通プラットフォームで統一された評価機能を提供するので、自社の製品や使用履歴を一定の評価基準で評価し、他事業者と比較・分析することが可能となる。
【0072】
1)データ流通プラットフォームの活用例1
・目的:電池メーカーによる電池残存寿命推定用の電池劣化挙動データの提供
・データ内容:電池劣化試験内容と本プラットフォームの診断機能による内部状態推定結果
・本プラットフォームの機能:蓄電池製造者は、寿命試験条件と充電データ(試験結果である測定値)のアップロードを行うと、電池寿命試験における電池劣化過程の各種データに基づいて、評価機能が、充電曲線解析による内部状態推定結果を生成する。蓄電池搭載デバイス事業者は、内部状態推定結果を得ることができる。
・メリット:電池劣化挙動データの取得には年単位の期間および試験装置・費用が必要となるが、電池メーカーが電池開発時に実施する寿命試験結果データとプラットフォームが提供する解析データである内部状態推定結果を併せて提供することで、蓄電池搭載デバイス事業者は、電池評価コスト・期間を圧縮できる。
【0073】
2)データ流通プラットフォームの活用例2
・目的:電池メーカーまたは電池搭載デバイス事業者が、各種電池材料を用いた電池の試作/シミュレーションを行い、各用途における電池材料変更の効果量を見積もる。
・データ内容:蓄電池材料情報、各種電池搭載デバイスの情報(電池部のサイズ・形状、消費電力など)
・本プラットフォームの機能:各種電池材料を用いた電池の性能を計算し、各種電池搭載デバイスに搭載可能な電池容量、駆動時間・走行距離などの簡易試算を行う。
・メリット:電池材料の変更による電池および電池搭載機器での性能向上ポテンシャルを迅速に評価できる。
【0074】
3)データ流通プラットフォームの活用例3
・目的:蓄電池製造者が、実製品における電池劣化情報を内部状態ベースで把握し、電池開発に向けた知見の獲得、問題発生の早期検出(早期劣化・安全性低下etc.)を図る。
・検索画面:電池/デバイス情報、電池型式/EV型式、電池製造日などを指定する。また、デバイス運用情報として、運用期間、走行距離、充電・急速充電回数の範囲、電池劣化量(SOH、内部状態各パラメータの範囲)を指定する。
・検索結果:検出された電池パック(デバイス)のリスト、グラフ(電池容量・内部状態量vs.運用期間/走行距離/充電回数など)、個別デバイスの時系列プロット
【0075】
4)データ流通プラットフォームの活用例4
・目的:デバイスに搭載された電池情報及び、実使用下による電池残存寿命推定用の電池劣化挙動データの提供
・データ内容:デバイス運用情報と本プラットフォームの診断機能による内部状態推定結果
・プラットフォーム機能:デバイス運用条件と充電データ(実使用に基づく測定値)のアップロードを行うと、デバイス運用における電池劣化過程の充電曲線解析による内部状態推定結果を生成する。
・メリット:蓄電池搭載デバイス事業者にとっては、当該電池が搭載されたデバイスによる推算SOH値は基準が不明確で精度が低く、安全性低下の検出もできない。また、実際のデバイス内での電池全劣化過程のデータの取得も難しい。そこで、使用履歴に基づく電池運用データとプラットフォーム診断機能による内部状態推定結果を併せて提供することで、デバイスに搭載された電池の劣化挙動、劣化予測の把握が可能となる。
【0076】
5)データ流通プラットフォームの活用例5
・目的:蓄電池搭載デバイス事業者が、電池劣化情報を内部状態ベースで把握し、デバイス開発に向けた知見の獲得、使用中デバイスの残存寿命予測の精度向上を図る。
・検索画面:電池/デバイス情報,電池型式、登録日などを指定する。また、蓄電池の寿命試験情報(試験種類、試験期間、サイクル回数の範囲)、電池劣化量(SOH、内部状態各パラメータの範囲)などを指定する。
・検索結果:検出された蓄電池の試験データのリスト、グラフ(電池容量・内部状態量vs.試験期間/サイクルなど)
【0077】
6)ユースケース1
本プラットフォームをA社、B社、C社の各事業者が利用し、各事業者が「異業種」の場合。例えば、A社:電池メーカー,B社:自動車メーカー,C社:保険会社又は中古車事業者。
【0078】
従来は、B社がA社から「電池劣化状態」を取得せずに、B社独自の分析法に基づいて、「電池のデータ」及び「制御条件(デバイス情報)」の各データに基づく分析をしていたが、EVに搭載した状態での分析と、電池単体での詳細な分析では、試験環境(物理的な時間・負荷)に大きな差異があり、限界があった。
【0079】
しかしながら、本プラットフォームを活用し、例えば、B社は、A社による分析データ「電池劣化状態」を取得することで、EVの開発(電池制御)に活用し、EVの価値を向上させることができる。その際、図7の「電池のデータ」及び「制御条件」を付加することで、活用価値を増加させることができる。
【0080】
次に、A社は、B社による電池運用情報(使用履歴)を取得することで、より良い電池の開発や電池診断に活用し、イノベーションが加速される。
【0081】
また、B社は、A社以外の複数の電池メーカーから電池を調達するときに、A社以外の他の電池メーカーが提供する電池寿命試験における電池劣化過程の各種データに基づき、
プラットフォームが提供する「電池劣化状態」を取得することができる。このため、各メーカーの電池を比較検証することができる。
【0082】
C社は、蓄電池又は蓄電池を搭載したデバイスに関するサービス提供事業者であり、一例として保険会社である。C社は、「電池運用情報(」を本プラットフォームから取得し、図7の「ビジネス関連情報」を考慮して、EVの車両保険料を設定することができる。例えば、あるEV車両の電池が走行距離に対して充電回数や温度、SOCの状態が比較的良好と判断される場合には、車両の故障率が低くなるので、車両保険の料金を低く設定したりすることができる。また、他の例として、C社が中古車事業者である場合、C社は、「電池運用情報」を本プラットフォームから取得し、図7の「ビジネス関連情報」を考慮して、中古車取引価格に反映することができる。例えば、あるEV車両の電池が走行距離に対して充電回数や温度、SOCの状態が比較的良好と判断される場合には、車両の状態が良いと判断できるので、取引価格の設定に役立てることができる。また、あるEV車両の電池が走行距離に対して充電回数や温度、SOCの状態が比較的良好でないと判断される場合には、電池交換等のサービスを付加価値として提供し、顧客満足度を向上させることができる。
【0083】
7)ユースケース2
本プラットフォームをA社、B社、C社が利用し、各事業者が「同業種」の場合。例えば、A社、B社、C社がVPP(バーチャルパワープラント)事業者。
【0084】
A社,B社,C社は、それぞれが独自に電池/電池user(図6参照)を抱えている。A社,B社,C社はそれぞれ、電池/電池userの電池データ(図7参照)を前提に、顧客(需要家)に対して必要な電力を供給する、というサービスを提供している。
【0085】
A社,B社,C社が抱える電池/電池userは、各社が囲い込んでいる。それぞれが電池運用情報を把握して、電池劣化状態を評価している。各社の電力の入出力特性は、各社で互いに異なっている。
【0086】
しかしながら、自社が抱える電池/電池userのみでは、大きな電力市場における需要の変動(ビジネス関連情報)に対し、顧客へ供給できる電力には限界がある。
【0087】
そこで、A社,B社,C社は、他社の電池運用情報(電池データを含む)を本プラットフォームを通じて共有・分析し、もしくは、本プラットフォームを通じて電池劣化状態を互いに共有することで、彼らの顧客(需要家)が必要とする電力を、需要の変動に対応しきれない場合に融通することができるようになる。
【0088】
なお、図7には図示されていないが、本システムによる各機能と取り扱う各種データには、電池または電池搭載機器の位置情報が含まれていてもよい。これらの位置情報があることで、適切な環境・気象情報を使用履歴・評価情報等に対応させることができる。例えば、搭載機器が地上を走行するものである場合、周辺の渋滞状況、坂道などの高低差は電池の運用や劣化具合に影響を与える要因となるものである。渋滞情報や地理情報等を位置情報を基に運用情報や電池劣化状況と結び付けることで、より精度の高い評価情報が得られ、または、評価情報の分析にも役立つ。
【0089】
搭載機器が地上を走行するもの以外であっても、気温や気圧等の天候状況は電池の運用や劣化具合に影響を与える要因となるものであり、気象情報を、位置情報を基に運用情報や電池劣化状況と結び付けることで、より精度の高い評価情報が得られ、または、評価情報の分析にも役立つ。
【0090】
図8は、本実施形態の蓄電池の情報システムの処理フローを示す図である。
【0091】
図8に示すように、蓄電池製造者は、事業者端末300を通じて管理装置100に接続し、事業者登録及び自社の蓄電池製品の電池性能データ(ステータス情報)を含む蓄電池に関する情報の登録を行う(S301,S302)。また、蓄電池搭載デバイス事業者は、事業者端末300を通じて管理装置100に接続し、事業者登録及び自社デバイスによる蓄電池の使用履歴・評価情報(事業者側の評価手法で評価した評価情報)の登録を行う(S3001,S3002)。
【0092】
管理装置100は、蓄電池製造者及び/又は蓄電池搭載デバイス事業者による事業者登録に応じた事業者登録処理を行うと共に(S101)、各事業者に対して情報登録のための各インターフェースを提供する。インターフェースを介して各種情報を受け付けた後、事業者別蓄電池性能情報142,事業者別使用実績情報143へのデータ登録・蓄積処理を行う(S102)。
【0093】
また、管理装置100は、ステップS102によって登録・蓄積されたデータに対し、評価処理を行う(S103)。例えば、蓄電池製造者がアップロードした試験における電池劣化挙動データ(測定値)に基づいて充電曲線解析による内部状態推定結果を生成する。また、蓄電池搭載デバイス事業者がアップロードした実使用における電池劣化挙動データ(測定値)に基づいて充電曲線解析による内部状態推定結果を生成する。管理装置100は、各種推定結果(プラットフォーム統一評価情報)を、記憶装置140に記憶する。
【0094】
次に、蓄電池製造者は、事業者端末300を通じて情報要求を送信すると(S303)、管理装置100が提供するデータ提供機能(S104A)を利用することができる。蓄電池搭載デバイス事業者についても同様である(S3003,S104B)
【0095】
本実施形態によれば、電池の理解・設計・サービス導出・事業性検討に有用性の高いデータを構築することができる。さらに、電池運用データ・分析データが価値を持ち、流通市場が立ち上がることに資するものである。各事業者が蓄電池に関する各種情報を登録し利用することができるデータ流通プラットフォームを通じ、各事業者の様々な蓄電池に関するデータや各事業者の分析データ及び/又は分析手法が流通プラットフォームを介して共有され、良い電池、良い電池診断制御技術の活用および各種イノベーションが促進環境を実現することができる。
【0096】
以上、実施形態について説明したが、管理装置100は、サーバ装置等の演算機能、記憶機能、通信機能などを備えるコンピュータ装置である。また、ハードウェア構成としては、メモリ(主記憶装置)、マウス、キーボード、タッチパネル、スキャナー等の操作入力手段、プリンタなどの出力手段、補助記憶装置(ハードディスク等)等を備えることができる。
【0097】
また、本発明の各機能は、プログラムによって実現可能であり、各機能を実現するために予め用意されたコンピュータプログラムが補助記憶装置に格納され、CPU等の制御部が補助記憶装置に格納されたプログラムを主記憶装置に読み出し、主記憶装置に読み出された該プログラムを制御部が実行して、コンピュータに本発明の各部の機能を動作させることができる。他方、管理装置100の各機能は、各々個別の装置で構成することもでき、複数の装置を直接に又はネットワークを介して接続してコンピュータシステムを構成することもできる。
【0098】
なお、ある一例では、管理装置100は、クラウド環境に構成されるクラウドサーバであってもよい。クラウド環境のインフラは、仮想CPU等の仮想プロセッサ及びクラウドメモリによって、構成される。このため、管理装置100がクラウドサーバである場合、仮想プロセッサによって行われる処理の一部を、事業者登録部111、情報登録部112及びデータ蓄積制御部113、並びに、評価手法選択部121及び評価処理部122、並びに、データ提供部131が実施する。そして、クラウドメモリが、記憶装置140として機能する。
【0099】
また、上記プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された状態で、コンピュータに提供することも可能である。コンピュータ読取可能な記録媒体としては、CD-ROM等の光ディスク、DVD-ROM等の相変化型光ディスク、MO(Magnet Optical)やMD(Mini Disk)などの光磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスクやリムーバブルハードディスクなどの磁気ディスク、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、SDメモリカード、メモリスティック等のメモリカードが挙げられる。また、本発明の目的のために特別に設計されて構成された集積回路(ICチップ等)等のハードウェア装置も記録媒体として含まれる。
【0100】
なお、以上に示した蓄電池の情報システムの実施形態と冒頭に図1~3を用いて示したCPSシステムとの関係としては、例えば図5の記憶装置140が図2における記憶部110に対応し、制御装置120が図2における分析部120に対応する場合が考えられるが、これはあくまで一例であり、図5に示す各機能と図2に示す機能との対応関係は任意に変更することができる。
【0101】
なお、本発明の実施形態を説明したが、当該実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0102】
1 実世界(Physical)
2 サイバー世界(Cyber)
10 プラットフォーム
11 記憶部
12 分析部
13 操作部
20 エッジ端末
21 制御部
30 サービス提供装置
31 サービス部
32 ビジネス部
33 SoS部
40 共通サービス
51 情報処理システム
52 外部システム
10b プラットフォーム
20b エッジ端末
30b エンタープライズサービス
40b コモンサービス
52b アザー・ドメイン
100 管理装置
110 制御装置
111 事業者登録部
112 情報登録部
113 データ蓄積制御部
120 制御装置
121 評価手法選択部
122 評価処理部
123 証明情報発行部
130 制御装置
131 データ提供部
140 記憶装置
141 事業者情報
142 事業者別蓄電池性能情報
143 事業者別使用実績情報
144 評価情報
150 通信装置
300 事業者端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2021-06-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池に関する各種情報をやり取りする情報システムであって、
製造された蓄電池に関する情報の登録を第1の端末側から受け付ける手段と、
蓄電池搭載デバイスによって収集され蓄電池使用期間の各時点における電池状態情報を含む蓄電池の使用履歴の登録を第2の端末側から受け付ける手段と、
前記蓄電池に関する情報及び前記使用履歴をそれぞれ蓄積する手段と、
登録された前記蓄電池に関する情報及び/又は前記使用履歴を用いて、所定の評価手法による内部状態推定結果を生成する手段と、
前記内部状態推定結果を、プラットフォーム統一評価情報として前記受け付けられた各種情報と紐付けて蓄積する手段と、
登録された前記蓄電池に関する情報及びそれに紐付く前記プラットフォーム統一評価情報、又は登録された前記使用履歴及びそれに紐付く前記プラットフォーム統一評価情報を各端末側へ提供する手段と、
を有する情報システム。
【請求項2】
前記所定の評価手法とこの評価手法に基づき前記情報システムで評価した評価情報であることを証明する証明情報発行部を備える、請求項1に記載の情報システム。
【請求項3】
前記所定の評価手法を選択する評価手法選択部をさらに備え、
前記内部状態推定結果を生成する手段は、前記評価手法選択部に登録された複数の各評価手法それぞれの前記各内部状態推定結果を生成可能に制御するとともに、
前記プラットフォーム統一評価情報を提供する手段は、選択された評価手法に応じた前記プラットフォーム統一評価情報を提供する、請求項1又は請求項2に記載の情報システム。
【請求項4】
前記蓄電池に関する情報は、蓄電池の所定の寿命試験による電池劣化挙動データを含み、
前記使用履歴は、デバイスに搭載された蓄電池の実使用における電池劣化挙動データを含み、
前記内部状態推定結果を生成する手段は、
予め設定された蓄電池内に含まれる複数の活物質の充電量と充電電圧との関係に基づき、前記各電池劣化挙動データを入力情報として、前記内部状態推定結果を生成する評価処理を行う、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報システム。
【請求項5】
前記提供する手段は、
端末に、所定の検索画面を提供し、前記検索画面に入力された検索条件を用いて該当する前記蓄電池に関する情報を抽出する検索機能を備え、
前記検索機能による検索結果に対し、抽出された前記蓄電池に関する情報及びそれに紐付く前記プラットフォーム統一評価情報を、前記端末に送信する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報システム。
【請求項6】
前記提供する手段は、
端末に、所定の検索画面を提供し、前記検索画面に入力された検索条件を用いて該当する前記使用履歴を抽出する検索機能を備え、
前記検索機能による検索結果に対し、抽出された前記使用履歴及びそれに紐付く前記プラットフォーム統一評価情報を、前記端末に送信する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報システム。
【請求項7】
前記蓄電池に関する情報には、蓄電池製品の電池性能情報、蓄電池の材料情報を含む、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の情報システム。
【請求項8】
蓄電池に関する各種情報をやり取りするためのコンピュータによって実行されるプログラムであって、前記コンピュータに、
製造された蓄電池に関する情報の登録を第1の端末側から受け付ける第1機能と、
蓄電池搭載デバイスによって収集され、蓄電池使用期間の各時点における電池状態情報を含む蓄電池の使用履歴の登録を第2の端末側から受け付ける第2機能と、
前記蓄電池に関する情報及び前記使用履歴をそれぞれ蓄積する第3機能と、
登録された前記蓄電池に関する情報及び/又は前記使用履歴を用いて、所定の評価手法による内部状態推定結果を生成する第4機能と、
前記内部状態推定結果を、プラットフォーム統一評価情報として前記受け付けられた各種情報と紐付けて蓄積する第5機能と、
登録された前記蓄電池に関する情報及びそれに紐付く前記プラットフォーム統一評価情報、又は登録された前記使用履歴及びそれに紐付く前記プラットフォーム統一評価情報を各端末側へ提供する第6機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項9】
蓄電池に関する各種情報をやり取りする情報提供方法であって、
製造された蓄電池に関する情報の登録を第1の事業者側から受け付けるステップと、
蓄電池搭載デバイスによって収集され、蓄電池使用期間の各時点における電池状態情報を含む蓄電池の使用履歴の登録を第2の事業者側から受け付けるステップと、
前記蓄電池に関する情報及び前記使用履歴をそれぞれ蓄積するステップと、
登録された前記蓄電池に関する情報及び/又は前記使用履歴を用いて、所定の評価手法による内部状態推定結果を生成するステップと、
前記内部状態推定結果を、プラットフォーム統一評価情報として前記受け付けられた各種情報と紐付けて蓄積するステップと、
登録された前記蓄電池に関する情報及びそれに紐付く前記プラットフォーム統一評価情報、又は登録された前記使用履歴及びそれに紐付く前記プラットフォーム統一評価情報を各事業者側へ提供するステップと、
を含む情報提供方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
実施形態は、蓄電池に関する各種情報をやり取りする情報システムである。本情報システムは、製造された蓄電池に関する情報の登録を第1の端末側から受け付ける手段と、蓄電池搭載デバイスによって収集され、蓄電池使用期間の各時点における電池状態情報を含む蓄電池の使用履歴の登録を第2の端末側から受け付ける手段と、前記蓄電池に関する情報及び前記使用履歴をそれぞれ蓄積する手段と、登録された前記蓄電池に関する情報及び/又は前記使用履歴を用いて、所定の評価手法による内部状態推定結果を生成する手段と、前記内部状態推定結果を、プラットフォーム評価情報として前記受け付けられた各種情報と紐付けて蓄積する手段と、登録された前記蓄電池に関する情報及びそれに紐付く前記プラットフォーム評価情報、又は前記使用履歴及びそれに紐付く前記プラットフォーム評価情報を各端末側へ提供する手段と、を有する。