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  • 特開-ポリマー粒子の効率的なパージ法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022141803
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】ポリマー粒子の効率的なパージ法
(51)【国際特許分類】
   C08F 6/00 20060101AFI20220921BHJP
   C08F 10/00 20060101ALI20220921BHJP
   C08F 2/34 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
C08F6/00
C08F10/00
C08F2/34
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022113894
(22)【出願日】2022-07-15
(62)【分割の表示】P 2019515213の分割
【原出願日】2017-09-11
(31)【優先権主張番号】62/395,636
(32)【優先日】2016-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】590001706
【氏名又は名称】ダブリュー・アール・グレース・アンド・カンパニー-コーン
【氏名又は名称原語表記】W R GRACE & CO-CONN
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100104374
【弁理士】
【氏名又は名称】野矢 宏彰
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン・エグモンド,ジャン・ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】ゴード,ジェフリー・ディー
(72)【発明者】
【氏名】カールト,ジョン・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】キスマー,ダニエル・ジェイ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】流動床気相反応器中のオレフィンポリマー粒子からの、揮発性有機化合物の除去方法を提供する。
【解決手段】第1の反応器中で、オレフィンモノマー及び任意にコモノマーを重合して、重合済み固体、未反応モノマー及び任意にコモノマーを含む粗生成物流を形成する工程であって、重合済み固体が、オレフィンポリマー、揮発性有機化合物(VOC)及び触媒システムを含む工程を含む方法。この重合済み固体は、CO、CO、O、水、アルコール、アミン又はそれらの混合物から選択される触媒毒に接触させて、不動態化流を形成させる。不動態化流が、第2の反応器内に攪拌状態で維持される。次に、第2の反応器内の不動態化流は、滞留時間の間、未反応モノマーを含む循環ガスに接触させて、第2の反応器に入る前のレベルと比べて、重合済み固体中のVOCの濃度を少なくとも10重量%低減され、これにより、精製済みオレフィンポリマー固体流が形成する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.第1の反応器及び第2の反応器を含む2つの反応器システムにおいて、オレフィンモノマー及び任意にコモノマーを重合する工程であって、前記第1の反応器の重合生成物が、前記第2の反応器に移送され、ここで、前記第2の反応器の重合生成物と混合されて、これにより、重合済み固体、未反応モノマー及び任意にコモノマーを含む粗生成物流を形成し、前記重合済み固体が、オレフィンポリマー、VOC及び触媒システムを含む工程、
b.前記粗生成物流を保管用サイロに移送し、これにより、保管された重合済み固体流を形成する工程、
c.前記第2の反応器中で重合を終える工程、
d.前記第2の反応器に前記保管した重合済み固体を移送する工程、
e.前記保管された重合済み固体流を一酸化炭素、二酸化炭素、酸素、水、アルコール、アミン又はそれらの混合物から選択される触媒毒に接触させて、これにより、不動態化流を形成させる工程、ここで前記触媒システムが不活性化される、
f.撹拌状態にある前記不動態化流を、前記第2の反応器内に維持する工程、および
g.前記第2の反応器内の前記不動態化流を、滞留時間の間、未反応モノマーを含む循環ガスに接触させて、これにより、前記第2の反応器に入る前のレベルと比べて、前記重合済み固体中のVOCの濃度が少なくとも10重量%低減され、これにより、精製済みオレフィンポリマー固体流を形成する工程、ここで前記未反応モノマーは前記循環ガスの総重量に対して50.0~99.5重量%の量で存在し、前記循環ガスは前記第2の反応器のオーバーヘッドから前記第2の反応器へ戻って循環し、そして前記第1の反応器および前記第2の反応器は流動床気相反応器である、
を含む、方法。
【請求項2】
前記不動態化流が、前記循環ガスと共に前記第2の反応器中で前記撹拌状態で維持される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記不動態化流が、撹拌装置による撹拌により、前記第2の反応器中、前記撹拌状態で維持される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記触媒毒を前記保管された重合済み固体流に、前記保管用サイロに残した後であるが、前記第2の反応器に入る前に接触させる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記触媒毒を前記保管された重合済み固体流に、前記第2の反応器に入った後接触させる、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[001] 本発明は、ポリマー粒子の効率的なパージ法に関する。より詳細には、本発明
は、流動床気相反応器中のオレフィンポリマー粒子からの、揮発性有機化合物の除去に関する。
【背景技術】
【0002】
[002] 現代の消費者の日常生活において、プラスチックの役割は広範囲に及ぶ。プラ
スチックは、実質的にすべての活動に、例えば、牛乳を入れるために使用されるポリエチレン製ボトル、食品を保管して鮮度を保つポリプロピレン製容器及びフィルム、又は包装並びにホットメルト接着剤用の剥離可能シールに使用されるポリブテンに提供される。生産法及び触媒システムが、長い間、開発され、さまざまな商業的需要を満足させるために必要な、幅広いプラスチックグレードが生産されてきた。しかし、オレフィンポリマー材料の生産における多数の開発があるにもかかわらず、揮発性有機化合物のような不純物が、ポリマー生産に伴うおそれがある。これらの不純物は、ポリマー製造工程の一部として生成し、より高いレベルでは、生産物の品質、下流でのポリマーの効率的な加工能力、及び環境管理に影響を及ぼす可能性がある。不運なことに、これらの不純物は、従来手段を使用して、最終生成物において、低減するのが困難であるか、又は費用がかかる。
【0003】
[003] ポリマー流中の不純物を除去するための方法の改善を開発する努力が、続けら
れてきた。これらの努力は、専用のパージ用容器の使用形態を採り、この容器において、蒸気を使用して、ポリマー粒子及び不活性ガス内部の触媒を不動態化し、モノマーからなるポリマー物質をパージする。このようなシステムの例には、米国特許第4,332,933号、米国特許第4,372,758号、米国特許第4,758,654号、米国特許第5,703,203号、米国特許第7,786,254号;国際公開第93/13843号、同第00/65953号、同第1999065953号及び同第2008/080782号、米国特許出願公開第2008005058号及び同第2008/0052058号;並びに欧州特許EP 2,370,478号が含まれる。それにもかかわらず、ポリマー不純物を低減する方法が継続的に必要とされている。未反応モノマーを含有する循環ガス流により、流動床気相反応器中のポリマーを処理することによって、不純物除去の増強が可能であることが予期せぬことに見いだされた。パージ用容器として、使用していない容器の処理能力を利用すると、工程適応性が増大し、より小さなパージ用容器の設計/使用を潜在的に可能にする。
【発明の概要】
【0004】
[001] 一実施形態では、本主題の開示は、以下:第1の反応器中で、オレフィンモノ
マー及び任意のコモノマーを重合して、これにより、重合済み固体、未反応モノマー及び任意のコモノマーを含む粗生成物流を形成する工程であって、重合済み固体が、オレフィンポリマー、揮発性有機化合物(VOC)及び触媒システムを含む工程を含む方法に関する。次に、この重合済み固体は、一酸化炭素、二酸化炭素、酸素、水、アルコール、アミン又はそれらの混合物から選択される触媒毒に接触させて、これにより、不動態化流を形成させる。不動態化流は、第2の反応器内に流動状態で維持される。次に、第2の反応器内の不動態化流は、滞留時間の間、未反応モノマーを含む循環ガスに接触させて、これにより、第2の反応器に入る前のレベルと比べて、重合済み固体中のVOCの濃度が少なくとも10重量%低減され、これにより、精製済みオレフィンポリマー固体流が形成する。
【0005】
[002] 別の実施形態では、本開示の主題は、上記の方法により生産したポリマーに関
する。
[003] 更に別の実施形態では、本開示の主題は、第1の反応器及び第2の反応器を含
む2つの反応器システムにおいて、オレフィンモノマー及び任意のコモノマーを重合する工程であって、第1の反応器の重合生成物が、第2の反応器に移送され、ここで、第2の反応器の重合生成物と混合されて、これにより、重合済み固体、及び未反応モノマー及び任意のコモノマーを含む粗生成物流を形成し、重合済み固体が、オレフィンポリマー、VOC及び触媒システムを含む工程を含む、方法に関する。次に、粗生成物が、保管用サイロに移送され、これにより、保管された重合済み固体流が形成される。重合は、第2の反応器において終了し、保管した重合済み固体が第2の反応器に移送される。この保管された重合済み固体流は、一酸化炭素、二酸化炭素、酸素、水、アルコール、アミン又はそれらの混合物から選択される触媒毒に接触させて、これにより、不動態化流を形成させる。不動態化流は、第2の反応器内に流動状態で維持され、最後に、この不動態化流が、第2の反応器中で、滞留時間の間、未反応モノマーを含む循環ガスに接触させて、これにより、第2の反応器に入る前のレベルと比べて、重合済み固体中のVOCの濃度が少なくとも10重量%低減され、これにより、精製済みオレフィンポリマー固体流が形成する。
【0006】
[004] 更に別の実施形態では、本開示の主題は、第1の反応器中で、オレフィンモノ
マー及び任意のコモノマーを重合して、これにより、重合済み固体、未反応モノマー及び任意のコモノマーを含む粗生成物流を形成する工程であって、重合済み固体が、オレフィンポリマー、VOC及び触媒システムを含む工程を含む方法に関する。次に、この重合済み固体は、一酸化炭素、二酸化炭素、酸素、水、アルコール、アミン又はそれらの混合物から選択される触媒毒に接触させて、これにより、不動態化流を形成させる。不動態化流は、流動床である第2の反応器内で、滞留時間の間、未反応モノマーを含む循環ガスと共に撹拌状態で維持され、これにより、第2の反応器に入る前のレベルと比べて、重合済み固体中のVOCの濃度が少なくとも10重量%低減され、これにより、精製済みオレフィンポリマー固体流が形成する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
[004] 本発明は、添付の図面に関連して採用された、以下の詳細説明から一層十分に
理解されよう。
図1】[005] 直列の2つの反応器を含む、従来的なポリオレフィン生産法を例示しており、この場合、ポリマー生成物は、第1の反応器から第2の反応器に流れ、ここで更なるオレフィン重合が行われる。
図2】[006] 図1のように直列に構成されている2つのオレフィン重合反応器を例示しており、この場合、第1の反応器からの重合生成物は、第2の反応器に流れ、ここで、不純物がパージされる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[007] 本明細書の主題は、ポリマー物質の生産中に生成した揮発性有機化合物を低減
又は除去するための、高温での流動化パージ法に関する。
【0009】
[008] 揮発性有機化合物
[009] この明細書の目的に関すると、揮発性有機化合物(VOC)という用語は、V
OC測定技法により測定される、C及びC物質のオリゴマーを含む、n-C~n-C12炭化水素の合計を意味し、以下に記載されているGCカラム及び条件を使用する、n-C~n-C12炭化水素ピークの間に溶出するすべての異性体を含む。
【0010】
処理ポリマー
[0010] 本明細書の方法により処理され得るポリマーには、1-オレフィンポリマー(ポリプロピレン、ポリエチレン及びポリブテンなど);ポリスチレン、ポリイソプレン、ポリブタジエン及びSBR及びそれらのポリマー、並びにブチル、イソプレン、ニトリル、ジエン、スチレン、カーボネート、イソシアネート、塩化ビニルとのコポリマー、並びにそれらの混合物が挙げられる。ポリマーがポリプロピレンである場合、このポリマーとしては、好ましくは、プロピレンホモポリマー、プロピレンとエチレン又はC4~10アルファ-オレフィンとのコポリマー、及びプロピレンとC及びC4~8オレフィンとのターポリマーが挙げられる。ポリマーが、ポリエチレンである場合、ポリマーとしては、好ましくは、エチレンホモポリマー、及びエチレンとC3~10アルファ-オレフィンとのコポリマー又はターポリマーが挙げられる。ポリマーが、ポリブテンである場合、ポリマーとしては、好ましくは、ブテン-1ホモポリマー、及びC2~3又はC5~8アルファ-オレフィンとのブテン-1コポリマー若しくはターポリマーが挙げられる。好ましくは、本方法により処理されるポリマーには、ポリプロピレン、ポリエチレン及びポリブテン又はそれらの組合せが含まれる。より好ましくは、ポリマーは、ポリプロピレンである。
【0011】
触媒システム
[0011] 上記のポリマーは、重合法で生産され、この場合、重合反応が進行すると、触媒粒子の周りにポリマーが形成し、その結果、この触媒粒子は、ポリマー自体の一部となる。こうして、本方法において使用される触媒システムは、ポリマーが、第1の反応器から第2の反応器に進み、第2の反応器において、未反応モノマー及びコモノマーと反応することができるので、ポリマー内で活性状態にある。
【0012】
[0012] 本方法において使用される触媒システムは、好ましくは、オレフィン重合触媒である。更により好ましくは、オレフィン重合触媒は、第IV族~第VII族の金属の遷移金属塩を含有するもの、及びチーグラーナッタ触媒として一般に知られている、共触媒として第I族~第III族からの塩基性金属のアルキル金属を含むことができる。SiO上にCrOを含浸することによって生成されるPhillips触媒、並びにメタロセン触媒及び後期遷移金属触媒などのシングルサイト触媒も使用することができる。好ましくは、単一触媒が使用される。より好ましくは、使用される触媒は、無機固体触媒担体、任意に内部電子ドナー(スクシネート、ジエーテル、フタレート、置換フェニレン芳香族ジエステル及びベンゾエートなど)、外部電子ドナー及びアルキルアルミニウム共触媒を含有する、チーグラーナッタ不均一系触媒である。担体と内部電子ドナーとの組合せは、通常、前駆触媒と呼ばれる。より好ましくは、アルキルアルミニウム共触媒は、トリ-エチルアルミニウム(TEAL)である。前駆触媒、外部電子ドナー及び共触媒は、反応器中で一緒にされて、活性な触媒を形成することができるか、又は前駆触媒は、予備重合若しくは予備活性化され得る。好ましくは、本触媒システムは、活性中心が同一担体上に存在している、2種以上の異なる特定の触媒固体からなる混合物を含有する触媒システムを含まない。これは、2種の遷移金属化合物、例えば、遷移金属のシクロペンタジエニル錯体と遷移金属の非メタロセン誘導体を含有するいわゆる二成分系触媒、又はメタロセン/クロム触媒をベースとする系を含む。このような系の活性中心は、水又は二酸化炭素などの、触媒阻害剤(毒)に対して異なる反応を有し、このことは、第2の反応器において、触媒の不活性化方法の慎重な選択を必要とし得ない。
【0013】
ポリマーのパージ法
[0013] ポリプロピレン生成物の全範囲を生産する溶融重合法は、通常、多段反応器を含む。単一反応器が、ホモポリマーに好適であるが、ポリプロピレン衝撃コポリマー(ICP)において、エチレン-プロピレン-ゴム(EPR)ゴム構成成分を作製するためには、追加の反応器が必要である。バイモーダル、マルチモーダル、2重ランダムコポリマー、バイモーダルマトリックスICPの場合、及び複数のタイプのEPRを含有する衝撃コポリマー(例えば、異なるコモノマー含有量及び/又は異なる分子量を有するEPR)の場合、多段反応器(2段、3段又は4段)も使用される。ICPのEPR構成成分に使用される反応器は、大部分の方法において気相反応器となる。これらの多段反応器ラインが、単一(モノモーダル)ホモポリマーに使用される場合、第1の反応器の下流の反応器は、迂回されることが多い。この明細書の本発明の方法は、いかなる重合も更に起こることはないが、流動化及びパージ用媒体(ガス)としてモノマーを依然として使用しながらも、これらの気相反応器を別目的に使用して、ポリプロピレンからVOCをパージすることである。
【0014】
[0014] このポリマーパージ法では、反応器(単数又は複数)中で生産したポリマーは、VOCと共に、反応器に移され、ここで、ポリマーに由来する望ましくない物質の分離が行われる。このような反応器システムには、直接に接続した2つのポリマー反応器を含むことができ、第1の反応器は、ポリマー生成物を生産し、第2の反応器は、ポリマー生成物から不純物をパージするために使用される。例えば、プロピレンホモポリマーは、上流にある第1の反応器中で作製される。次に、このホモポリマーは、VOCと共に、第2の反応器に直接、移され、ここで、VOCがオレフィンポリマーから分離される。
【0015】
[0015] 本明細書の目的のため、特に明記されていないかぎり、用語「第1の反応器」とは、VOCを除去するために、第2の反応器において処理される、ポリマー物質を生産する反応器を指す。当業者は、第1の反応器を単独で、又は例えば、ICP若しくはEPRポリマーを生成するための、上記の多段反応器でのポリマー生成物を生産する、2つ、3つ、4つ又はそれより多い直列の反応器における最終反応器として、次いでパージするための追加の反応器として、使用することができることを理解する。好ましくは、本反応器システムは、合計で2~4つの反応器を含み、この場合、これらの反応器の1つは、パージ用反応器として働く。
【0016】
[0016] 本明細書の目的のため、用語「第2の反応器」は、特に明記されていないかぎり、第1の反応器中で生産された反応器の生成物を受け取る反応器を意味する。上で議論されるとおり、第2の反応器は、好ましくは、一時的に使用されず、ポリマーパージ専用にされる反応器の重合列(train)において、通常、使用される反応器である。ポリマー
パージ操作が、完了すると、使用されていない反応器は、重合サービスのために戻すことができる。
【0017】
[0017] 第1及び第2の反応容器は、オレフィンの重合に通常使用されるいずれかの反応容器、例えば、流動床気相反応器、ループ反応器、縦型撹拌床反応器、水平型若しくは縦型撹拌気相反応器、多段域循環式反応器、又は撹拌式オートクレーブ反応器とすることができる。好ましくは、第1及び第2の反応容器は、流動床気相反応器である。
【0018】
[0018] 代替的に、2つ、3つ、4つ又はそれより多い反応器からなる反応器システムは、最初に直列に操作して、多段反応器のポリマー生成物を生産し、このポリマー生成物は、次に、従来的なパージ用ビン(bin)に運ばれて、サイロ中に保管される。多段反応
器の生成物の製造サイクルの完了後、重合用反応器システムは、使用されていない反応器を有するシステムに切り替えられる。次に、重合は、第1の反応器中で行われるが、(使用されていない)第2の反応器は、サイロ保存された物質から不純物をパージするために使用され得る。このようなシステムでは、サイロ保存された物質と第1の反応器に由来するポリマーの両方を同時に供給することがやはり可能である。
【0019】
[0019] 好ましくは、第1の反応器中で生産されたオレフィンポリマーは、第2の反応器に直接、移され、ここで、サイロ又は容器中で一時保管なしに、VOC及びオリゴマーのパージが行われる。
【0020】
[0020] 第1の反応器からの粗生成物は、重合済み固体、触媒及び未反応モノマーを含有し、重合済み固体は、オレフィンポリマー及びVOCを含有する。VOCは、第1の反
応器からの重合済み固体中に、重合済み固体の総重量に対して、50~6000ppm、代替的に50~1000ppm、又は代替的に100~500ppmの量で存在する。
【0021】
[0021] 第2の反応器は、気相反応器であり、ここで、重合済み固体は、撹拌状態に維持され、本明細書の目的の場合、用語「撹拌状態」は、重合済み固体が、反応器の壁に対して、動いて維持されていることを意味する。撹拌(agitation)又は撹拌(stirring)
のための装置を有する第2の反応器の場合、撹拌状態は、撹拌装置若しくは撹拌装置によって、及び/若しくは循環ガスによって維持される。流動床の反応器の場合、撹拌状態は、第2の反応容器における、循環ガスの上方へのガス流量によって維持される。循環ガスは、重合済み固体と接触し、これにより、重合済み固体中のVOCの濃度が低下して、循環ガスにVOCを移す。循環ガスは、効率的なパージを行うため、十分に高い速度及び温度を有する。代替的に、第2の反応容器は、撹拌又は撹拌された気相反応器であり、ここで、反応器中の重合済み固体が撹拌又は撹拌されて、撹拌状態が維持される。重合済み固体は、上記の循環ガスと再度、接触されて、VOCが除去される。重合済み固体は、ポリマーの融点未満である温度において、撹拌状態で維持され、その結果、ポリマーに由来する不純物のガスへの物質移動を行うことができる。好ましくは、重合済み固体並びに加熱するために使用される循環ガスの温度は、第1の反応器の温度よりも高く、より好ましくは、20℃~140℃、更により好ましくは70℃~120℃、及び最も好ましくは90℃~120℃の温度である。第2の反応器の操作圧は、0~500psi(ゲージ圧)、好ましくは200~500psi(ゲージ圧)、及びより好ましくは300~500psi(ゲージ圧)である。第2の反応器中の循環ガスのガス空塔速度は、0.3m/s超、好ましくは0.3m/s超~1m/s、より好ましくは0.3超~0.6m/sである。代替的に、空塔速度は、1.0m/s超え、すなわち高速流動化床様式とすることができる。反応器床の重量を物質生産速度により除算することにより定義される、第2の反応器における平均滞留時間は、0.1時間~5時間、好ましくは0.5~5.0時間、より好ましくは0.75時間~8.0時間、及び最も好ましくは4.0~8.0時間の範囲である。重合済み固体に由来するVOCの除去は、より高いガス空塔速度及びより高いガス温度が好都合となる。固体を流動化するために使用される循環ガスは、未反応モノマー、VOC、約50℃以下の沸点の他の非常に揮発性の物質、並びにメタン、水素及び窒素、エタン、プロパン、ブタン、イソペンタン及び他のアルカンなどの他の不純物を含有する。更に、TEALなどの触媒活性化剤;シラン及びエステルなどの外部ドナー;並びにカルボン酸エステル、ポリ(アルケングリコール)及びジオールエステルなどの活性制限剤(activity limiting agent)が、存在してもよい。未反応モノマーは、循環ガスの総重量に対して、50.0~99.5重量%、好ましくは70.0~99.0重量%、及びより好ましくは、80.0~99.0重量%の範囲で循環ガス中に存在する。好ましくは、未反応モノマーは、エチレン、プロピレン及びC~C10アルファ-オレフィン又はそれらの混合物から選択される。より好ましくは、未反応モノマーは、エチレン、プロピレン又はそれらの混合物から選択される。更により好ましくは、未反応モノマーはプロピレンである。
【0022】
[0022] 精製済みオレフィンポリマー固体流として第2の反応器を出た最終生成物は、第2の反応器における処理前のオレフィンポリマー固体と比べて、VOCのレベルの低下した、オレフィンポリマー固体を含有する。第2の反応器における処理の後に、オレフィンポリマー中のVOCの濃度は、通常、処理前のオレフィンポリマー固体中のVOCのレベルと比べると、少なくとも10重量%、低減する。好ましくは、VOCの濃度は、少なくとも20重量%、低減する。代替的に、オレフィンポリマー中のVOC低下のレベルは、パージ前のVOCのレベルと比べて、25.0~85.0重量%又は25.0~55.0重量%の範囲となる。通常、処理された重合済み固体中のVOCの範囲は、10~1000ppmである。好ましくは、処理された重合済み固体中のVOCは、10~500ppmである。
【0023】
[0023] オレフィンポリマー固体に加えて、最終生成物は、上記のとおり、混入量の循環ガスを含有する。最終生成物は、オレフィンポリマー固体と混入した循環ガスとを分離することにより、更に処理されて、分離済みオレフィンポリマー固体流及び分離ガス流を形成することができる。蒸気回収工程では、分離ガス流は更に処理されて、分離ガス流中に存在する未反応モノマーとVOC及び他のガス状物資とが分離され、これにより、富化モノマー流、及び分離ガス流の残りを含有するパージ流が形成する。
【0024】
[0024] 第2の反応器中の固体の処理は、連続的又は回分のどちらかで行うことができる。第1の反応器からの固体もまた、第2の反応器中での処理前に、容器又はサイロ中で一時的に保管することができる。この固体は、容器又はサイロに一時的に保管される時、この固体は、例えば、容器又はサイロの前のパージ用ビン中で、湿潤窒素また蒸気の流れにより、場合により予備的に処理されて、第2の反応器に移送される前に、固体中の触媒を不動態化することができる。
【0025】
[0025] 触媒毒の注入
[0026] 第1の反応器中で行われる接触反応は、第2の反応器において、制限しないで継続するべきではない。しかし、触媒は、重合済み固体中に存在し、未反応モノマーに対して引き続き反応性が高いので、VOC又は他の不純物をもたらすと思われる、残留重合反応を阻害するために、第2の反応器に触媒毒を注入することが必要である。触媒毒は、重合反応を低下させる、又は終了させるのに十分な割合で供給される。好ましくは、十分な触媒毒は、重合反応を終了させるために供給される。この明細書の目的に関すると、用語「終了する」は、少なくとも触媒及び共触媒を実質的に不活性化させるために必要な量の毒のレベルで毒を添加し、使用すると、重合活性がなくなることを意味する。好ましくは、重合反応を実質的に終了させることが望ましい場合、毒は、触媒及び共触媒を不活性化するために、化学量論量と類似量で、又は過剰の化学量論量で、例えば、使用される必要な化学量論量の0.5~約50倍の範囲で使用される。共触媒を使用する場合、毒は、少なくとも0.5の毒/共触媒のモル比、より好ましくは0.5~50、更により好ましくは、1.0~40.0、及び最も好ましくは、3.0~30.0の比で好ましくは添加される。毒の例は、一酸化炭素、水、酸素、アルコール、アミン又は二酸化炭素を含む。好ましくは、毒は、一酸化炭素又は二酸化炭素である。
【0026】
[0027] 通常、触媒毒は、第1の反応器を出た後に、第2の反応器に重合済み固体を移送するフィードラインに注入される。代替的に、触媒毒は、反応器内に直接、又はガス循環用ラインに注入することができる。触媒毒は、それ自体により、又は窒素、水素、プロピレン、エチレン若しくはそれらの混合物を含有する輸送用流体と共に運ばれ得る。
【0027】
[0028] ここから図1を参照すると、従来的な多段反応器によるプロピレン重合法を例示している。当業者であれば、この図は、コポリマーが両方の反応器中で作製され得る構成を示しているが、この図は、1-オレフィンホモポリマーが、一方又は両方の反応器中で作製される操作を包含すること、並びにプロピレン及びエチレン以外のモノマーが重合され得ることを理解している。更に、追加のモノマーが処理されて、ターポリマーを生産することができる。図中、プロピレン触媒の担体流れ10、及び触媒システム7は、ライン11から反応器1に移送される。プロピレンは、流れ42によって流れ16に供給される。水素18及び任意に追加コモノマー17、例えばエチレンもまた、反応器1に移送される。モノマーは、反応器1中で重合されて、重合済み固体が形成される。重合済み固体、未反応モノマー、水素、プロピレンポリマー及びVOCかならなる混合物12は、ガス流13が固体14から分離され、蒸気回収工程28に移送される、分離器3へと流れる。混入している未反応モノマー及びVOCを含有する固体14は、反応器2に移送される。蒸気回収工程28では、未反応モノマー、VOC及び他の揮発物及びガスを含有するガス流13は、パージ流29及び富化モノマー流26に分離される。パージ流29は、下流での処理装置に移送される。富化モノマー流26は、反応器1に移送される。反応器1のオーバーヘッドガス15は、コンプレッサ5及び冷却器32を流れる。冷却器32、共触媒8及び電子ドナー9の下流物を再循環ガス流に加える。圧縮冷却した再循環ガスは、電子ドナー9及び共触媒8と共に、反応器1に戻る流れ16として移送されて、床が流動化される。ガスパージ流27は、反応器1から除去することができる。
【0028】
[0029] 反応器2中で、第2の重合が行われ、ここで、プロピレン流34、任意のコモノマー流19、及び水素流20が反応器2に移送される。重合済み固体、未反応モノマー、VOC及び他の揮発物及びガスを含有する流れ23は、分離器4に移送され、重合済み固体24は、未反応モノマー、VOC及び他の揮発物及びガスを含有する流れ35から分離される。添加物の添加及び押出成形を含む、下流での処理のため、固体24を採集する。ガス流35は、蒸気回収工程30に移送され、ここで、富化モノマー流25及びパージ流31に分離される。パージ流31は、更なる下流での処理のために移送される。未反応モノマーを含有する富化モノマーガス流25は、反応器2に移送して戻される。反応器2のオーバーヘッドガス21は、コンプレッサ6及び冷却器33を流れ、圧縮冷却した流れ22は、反応器2に移送して戻され、床を流動化する。
【0029】
[0030] ここで、図2を参照すると、この図は、本主題の実施形態を例示している。反応器1における従来的なプロピレン重合法が、図1に示されている。重合済み固体、VOC、未反応モノマー及び他の揮発物及びガスを含有する流れ14は、反応器2に移送される。任意にプロピレン34が圧力を維持するために加えられる。代替的に、又は流れ14に加えて、サイロ若しくはビンに由来する既に重合済み固体流41が、反応器2に移送され得る。触媒毒流35は、反応器2に流れ込む前に、流れ14に注入される。触媒毒35はまた、反応器2に直接、移送され得る。触媒、共触媒及び水素は、反応器2に移送されない。流動床は、コンプレッサ6及び冷却器33によりオーバーヘッドガス流21を循環させて、圧縮冷却した循環ガス22を反応器2に移送して戻すことにより、上で議論した温度、圧力において、及び滞留時間の間、反応器2中で維持される。反応器2にある間、VOCは、重合済み固体から循環ガス22に移される。重合済み固体、未反応モノマー、残留VOC、他の揮発物及びガスを含有する最終生成物流36は、分離器4に移送され、ここで、オレフィンポリマー固体37は、未反応モノマー、VOC及び他の揮発物及びガスを含有する流れ38から分離される。添加物の添加及び押出成形を含む、下流での処理のため、オレフィンポリマー固体37を採集する。ガス流38は、蒸気回収工程30に移送され、ここで、パージ流39及び富化モノマー流40に分離される。パージ流39は、更なる下流での処理のために移送される。未反応モノマーを含有する富化モノマーガス流40は、反応器2に移送して戻される。蒸気回収工程30は、不純物(非モノマー)の少ない、少なくとも1つの富化モノマーガス流、及び不純物の豊富なパージ流を生成するための、蒸留カラム並びにコンデンサなどの分別装置の使用を、通常含む。
【0030】
[0031] 代替として、VOC除去するために、既に生産された、保管容器又はサイロからの重合済み固体41を反応器2に導入することができる。このような固体は、反応器1が使用されていない場合、反応器1から今まさに生産された材料と同時に、又はそれを含まないで、供給することができる。
【0031】
[0032] 反応器2は、図1と同様に構成されて、重合用反応器又はパージ処理用容器として、振り子のような役割で操作され得る。言い換えると、重合に単一反応器しか必要としない場合、反応器2のサービスは、重合用反応器から、第1の反応器に由来する生成物のためのパージ処理用容器に決まった手順で切り替えられて、次に、重合用反応器に再度、戻すことができる。
【0032】
[0033] 以下の実施例は、ポリマー流に由来する不純物をパージするための方法を更に詳述して説明する。当業者は、本発明の趣旨及び特許請求の範囲内にある多数の改変を認識するであろう。
【0033】
[0034]実施例
メルトフローレート測定
メルトフローレート(MFR)は、プロピレンをベースとするポリマーに対して、2.16kgの重量を用い、230℃において、ASTM D-1238-01試験法に準拠して測定する。
【0034】
キシレン可溶物測定
秤量した試料を、還流条件下、キシレン中に溶解する。次に、この溶液を管理条件下で冷却し、25℃の平衡温度で維持すると、不溶性フラクションの結晶化が起こる。この溶液を冷却すると、不溶性部分が沈殿して、ろ液により単離される。キシレンをろ液から蒸発させると、残留物中に可溶性フラクションが残る。ポリマー中のこのフラクションの比率は、重量測定により決定する。
【0035】
エチレン含有量の測定
共重合ポリマー中のエチレン含有量の決定は、IR分光法を使用し、既知濃度を有する標準品の較正を使用し、ピーク高さ、又は700~750cm-1IRスペクトルの領域に基づく。試料は、圧縮成形フィルムである。試料は、式Y=mx+bを使用して、Beerの法則の単変量較正を使用して測定し、式中、Yは、分析対象物の濃度であり、mは、較正線の傾きであり、bは、較正線の切片であり、xは、IRデータ(分析対象物のピーク高さ/経路長)である。
【0036】
VOC測定
[0035] 粒状のオレフィンポリマー樹脂とペレット化オレフィンポリマー樹脂の両方における、VOCを測定するための手順は、Henryの法則に準拠して、樹脂中に溶解した揮発物に対して補正をするために、以下に記載したとおりに補正した、ASTM D4526に基づく。
【0037】
1.サンプリング
[0036] 樹脂のサンプリング及びサンプリング容器の封入は、残留揮発物の喪失を回避するように行う。テフロン(登録商標)又はアルミニウムコーティングセプタムを使用して、セプタムへの揮発物の吸収を回避する。セプタムのコーティング側をバイアルの内側に向くようにしなければならない。0.5~2g、好ましくは、1g近くの樹脂試料を採取する。
【0038】
2.手順
[0037] A) 操作パラメータ
樹脂試料は、以下のパラメータを使用して、ガスクロマトグラフィーによって分析する。
【0039】
【数1】
【0040】
B)較正及び標準化
[0038] 2つの異なる較正用標準品をこの方法に使用する:第1は、C~C炭化水素を含有するガス標準品である。第2は、極性分析物、及び測定する必要があるC5より大きな炭化水素を含有する液体標準品である。
【0041】
[0039] 較正は、異なる試料の平衡温度により行う;2つの個別の較正が必要となり得
、この場合、粒状試料及びペレット状試料を決まった手順で分析する。
1)軽質炭化水素(ガス標準品)の較正
[0040] 較正は、窒素マトリックス中の、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、n-ブタン、イソブタン、1-ブテン、cis-2-ブテン、trans-2-ブテン、イソブテン及びイソペンタンの50~100百万分率体積(ppmv)の間を含有する、証明済みガス標準品を使用して行う。
【0042】
[0041] バイアルのヘッドスペースは、空のバイアルに栓をして、2本の内径の小さいニードル(1本は、較正用シリンダからのガス供給用であり、もう一方は、ベント流量の供給用である)を使用することにより、較正用ガスを充填する。ベント用ニードルの流量計への接続は、流量を測定するために有用である。較正用ガスの少なくとも10バイアル分量分を、バイアルのヘッドスペースからパージする。較正用ガスを流すのを停止し、そのニードルをバイアルからまず抜き取る;次に、ベント用ニードルを、バイアルが大気圧と平衡になるのに十分な時間(数秒)の後に除去する。較正用バイアルを充填する際に、室温及び気圧を記録する。較正バイアルは、上記のヘッドスペース及びGCパラメータを使用して分析する(ヘッドスペースの平衡時間は、3分間に短縮しなければならない)。
【0043】
[0042] 較正用バイアルは、1度に1つずつ調製して、セプタムのシリコーン部分に分析物が分配するのを防止するため、充填後直ちに、分析すべきである。
【0044】
[0043] 較正用ガス中の構成成分の参照濃度が、モル又は体積ppm(ppmv)として報告される場合、これらの濃度はμg/Lに変換しなければならない。この変換には、式[1]を使用する。
[1] C=(MW)/(0.08205T)
式中、
=構成成分の濃度(μg/L)
=構成成分の濃度(ppmv)
MW=揮発性構成成分の分子量(g/mol)
P=部屋の気圧(atm)
0.08205L atm/Kmol、理想気体定数
T=室温(K(T[ケルビン]=273.15+T[摂氏])
2)重質炭化水素及び極性化合物の較正(液体標準品)。
【0045】
[0044] クロロベンゼン、テトラデカン、又は別の好適な溶媒中の、約1重量%のメタノール、エタノール、アセトン、tert-ブチルアルコール、酢酸メチル、イソブチレンオキシド、イソブチルアルデヒド、2-ブタノン(メチルエチルケトン;MEK)、酢酸エチル、イソブチルアルコール、tert-ブチルエチルエーテル、tert-アミルアルコール、n-ペンタン、イソペンタン、2-メチルペンタン、1-ヘキセン、n-ヘキサンを含有する、液体較正標準品を調製する。飽和直鎖炭化水素(C~C)もまた、この標準品中に含まれてもよく、これを使用して、DB-1カラムの場合のピーク領域のまとめを説明することができる。代替として、クロロベンゼン中のn-C、n-C、n-C、n-C12の溶液を、これらのオリゴマーの保持時間の同定のために注入することができ、類似の手法を他のオリゴマー又は化合物に適用することができる。不飽和及び分岐炭化水素は、飽和直鎖炭化水素より先に溶出する。上で列挙した分析物はすべて、必ずしも、この較正用溶液に含ませる必要はない。さまざまな残留分析物が、最終ポリマー生成物を生産するために使用される特定の製造剤(manufacturing agent)に応じて提供されてもよい。ペレットを試験する場合、重要な過酸化物の分解生成物には、アセトン及びtert-ブチルアルコール及び酢酸メチル、酢酸エチル並びにMEKが含まれる。
【0046】
[0045] マイクロシリンジを使用して、5~9μLの標準品をバイアルのヘッドスペースに移して、これに直ちに栓をした。式2を使用して、気相濃度を算出する(μg/L)。
[2] C=V /V
(式中、
=バイアルに添加された較正標準品の体積(μL)
=液体較正標準品中の構成成分の濃度(μg/g)
=バイアルのヘッドスペース体積(mL)(通常、21.4mLであるが、供給業者に応じてさまざまとなる)
=極性標準品(g/mL)を調製するために使用した溶媒密度
【0047】
[0046] 較正用ガスの構成成分のμg/L濃度を使用する外部標準較正法及び液体標準品を使用して、応答係数を算出する。
[3] R=C/A
(式中、
R=構成成分の応答係数
=較正用ガス中の構成成分の濃度(μg/L)
A=構成成分用のピーク面積
【0048】
[0047] DB-1カラムでのn-ヘキサンについて算出した応答係数を、C、C、C、C12及びC15~18炭化水素領域の合計に適用することができる。Gas Proカラムでは、n-ペンタンに対する応答係数を使用して、「他のCの総和ピーク領域」に使用し、1-ヘキサンを「他のCA」(n-ヘキサンと1-ヘキセンとの間の保持時間範囲を有するもの)に使用し、n-ヘキサンに対する応答係数を、「他のCのB」(n-ヘキセンとn-ヘプタンとの間の保持時間範囲を有するもの)に対して使用する。2-メチルペンタンに対する応答係数は、Gas Proカラム上のメチルペンタンピークに適用する(2-メチルペンタン及び3-メチルペンタンは共溶出し、一緒に合計する)。
【0049】
C) 手順
[0048] バイアルのヘッドスペースの含有量は、上記のGCパラメータ及びヘッドスペースパラメータを使用して分析する。分析後、樹脂試料の重量は、試料バイアルを秤量して、空にして、再秤量することにより得る。目的の構成成分は、保持時間によって同定する。
【0050】
3.計算
A) 濃度の算出
[0049] クロマトグラフィーによるデータシステム上の外部データ分析方法を使用して、ピーク面積を求める。バイアルヘッドスペース中の構成成分の濃度は、外部の標準品の応答係数から計算する。
【0051】
[4] C=R
式中、C=ヘッドスペース中の構成成分の濃度(μg/L)
[0050] 分布式[5]を使用して、バイアルのヘッドスペース(気相)中のその濃度から、バイアル中の固体ポリマー相中の各構成成分の量を計算する。この分布定数は、以下のとおり得られる:スパイク実験からの測定、既知のHenryの法則定数からの計算、又は構成成分の沸点及び分布定数、並びに少なくとも2つの化学的に類似した構成成分の沸点を使用する推定。
【0052】
[5] K={W/V}/{W/V
式中、
Kc=この揮発性構成成分の場合の分布定数
=バイアルのヘッドスペース中の固相中の構成成分の質量(μg)
=バイアル中の固体ポリマーの体積(mL)
=樹脂試料の質量(グラム)/rho
rho=測定温度におけるポリマー密度(g/mL)
=バイアル中の気相の体積、mL=V-V
=バイアルのヘッドスペース中の気相中の構成成分の質量(μg)
【0053】
[0051] 23℃でのポリマー密度を考慮すると、式[6]を使用して、最大110℃までの温度において密度を算出することができる。
【0054】
[6] rho=rho23-0.000214(T(℃)-23)
[0052] 樹脂をサンプリングしてバイアルのヘッドスペースに入れた時の、この樹脂中に溶解した揮発物の構成成分の濃度は、式7から計算される。
【0055】
[7] C=0.001 {V+K }/m
(式中、
=樹脂をバイアルのヘッドスペースにサンプリングした時の樹脂中の構成成分の濃度(μg/g)
=樹脂試料の質量(g)
0.001L/mL
B)イソブタンが存在する場合の、メタノールピーク面積に対する補正。
【0056】
[0053] メタノール及びイソブタンは、DB-1カラムでは、共溶出する。イソブタンが存在する場合、そのピーク面積への寄与分を減算して、メタノールによるピーク面積を得なければならない。その寄与分は、GasProクロマトグラムからのイソブタンのピーク面積とメタンのピーク面積との比を算出して、この比にDB-1クロマトグラフからのメタンピーク面積を乗算することにより分かる。メタノールの補正済みピーク面積(式[8])を、式[4]中に使用して、ヘッドスペース中のメタノール濃度を算出する。
【0057】
【数2】
【0058】
式中、
MeOH,DB1=DB1クロマトグラム上のメタノールピークの補正済み面積
MeOH/iBu,DB1=DB1クロマトグラム上の共溶出したメタノールとイソブタンのピークの面積
iBu,GP=GasProクロマトグラム上のイソブタンピークの面積
Methane,DB1=DB1クロマトグラム上のメタンピークの面積
Methane,GP=GasProクロマトグラム上のメタンピークの面積
【実施例0059】
[0054] 実施例CE1~CE3並びにIE1~IE8の場合の重合に使用する触媒及び触媒毒処理法は、Mg、Ti及び、内部電子ドナーとして3-メチル-5-tertブチル-1,2フェニレンジベンゾエートを含む、担持チーグラーナッタ固体触媒である。触媒及びその調製は、米国特許第8,536,372号に記載されている。触媒の名目上の
平均触媒粒子サイズは、12ミクロンである。共触媒として、トリエチルアルミニウム(TEAl)を、すべての実施例に使用した。外部混合電子ドナー(MEED)として、アルキルエステル活性制限剤(ALA)としての98mol%のミリスチン酸イソプロピル(IPM)及びシランSCAとしての2mol%のn-プロピルトリメトキシシラン(NPTMS)の混合物を、実施例CE1、CE2及びIE1~IE7において使用し、80mol%のミリスチン酸イソプロピル(IPM)及び20mol%のジシクロペンチルジメトキシシラン(DCPDMS)は、実施例CE3及びIE8において使用した。
【0060】
[0055] すべての実施例において、本触媒システムを、シリンジポンプを使用して、気相パイロットスケールの流動床反応器に注入し、それぞれ、ポリプロピレンホモポリマー(HP)及びエチレンプロピレンランダムコポリマー(RCP)を生産するよう、プロピレン、及び任意にエチレンモノマーと接触させた。
【0061】
[0056] 比較例では、生成物は、第1の反応器から採集し、サンプリングして、特性及びVOCレベルを分析する。
[0057] 本発明の実施例では、第2の気相パイロットスケールの流動床反応器を、第1の反応器と直列で連結し、第1の反応器からの生成物は、第2の反応容器に進んだ。第2の反応容器では、反応は、触媒毒としてCO又はHOのどちらか一方の流れを、毒/TEALモルの供給比が0.5よりも大きくなる速度で接触させることにより終了させた。CO又はHOの流れを計量し、高圧Nの流れにより、第2の反応容器に運んだ。
【0062】
[0058] 本発明の実施例では、第1の反応器から第2の反応器を通る生成物は、約1.5~2.5時間の滞留時間の間、約90℃~120℃の間の温度で、第2の反応器に保持される。
【0063】
[0059] 実施例中で使用されている温度、分圧及び滞留時間を含めた詳細な操作条件が、表1に列挙されている。
[0060] ヘッドスペース試料は、比較例の場合、第1の反応器に由来する生成物から採集し、本発明の実施例の場合、第2の反応器に由来する生成物から採集した。VOCレベルは、上記の方法を使用して測定した。生成物の特性及びVOCレベルが、表2に列挙されている。
【0064】
[0061] 比較例CE1:30dg/分の名目メルトフロー(MF)及び2.5重量%のキシレン可溶物(XS)を有するポリプロピレンホモポリマーを、MEEDとして、98mol%のIPMと2mol%のNPTMSとの混合物を含む第1の反応器中で生産した。第1の反応器からの生成物が採集されて、特性及びVOC測定のためにサンプリングし、これらを、本発明の実施例IE1~IE6の比較基準として使用した。
【0065】
[0062] 本発明の実施例IE1~IE3:30dg/分の名目メルトフロー及び2.5重量%のキシレン可溶物を有するポリプロピレンホモポリマーを、MEEDとして、98mol%のIPMと2mol%のNPTMSとの混合物を含む第1の反応器中で生産した。生成物は第2の反応器へと通過させ、ここで、反応を終了させるために、COを触媒毒として使用し、13.6g/時の供給速度で注入した。第2の反応器は、それぞれ、本発明の実施例IE1、IE2並びにIE3の場合、約90℃、110℃及び120℃の温度で保持した。特性及びVOC測定のため、第2の反応器からの生成物をサンプリングした。VOCの低下は、比較例CE1のVOCからの%低下として、本発明の実施例のそれぞれに対して、表2中に報告する。
【0066】
[0063] 本発明の実施例IE4~IE6:30dg/分の名目メルトフロー及び2.5重量%のキシレン可溶物を有するポリプロピレンホモポリマーを、MEEDとして、98
mol%のIPMと2mol%のNPTMSとの混合物を含む第1の反応器中で生産した。生成物は第2の反応器へと通過させ、ここで、反応を終了させるために、HOを触媒毒として使用し、1g/時の供給速度で注入した。第2の反応器は、それぞれ、本発明の実施例IE4、IE5並びにIE6の場合、90℃、110℃及び120℃の温度で保持した。特性及びVOC測定のため、第2の反応器からの生成物をサンプリングした。VOCの低下は、比較例CE1のVOCからの%低下として、本発明の実施例のそれぞれに対して、表2中に報告する。
【0067】
【表1】
【0068】
[0064] 比較例CE2並びに本発明の実施例IE7:55dg/分の名目メルトフロー及び4.2重量%のエチレン含有量(Et)を有するエチレンランダムコポリマーを、MEEDとして、98mol%のIPMと2mol%のNPTMSとの混合物を含む第1の反応器中で生産した。本発明の実施例IE7の場合、生成物を第2の反応器へと通過させて、ここで、反応を終了させるために、HOを触媒毒として使用し、1g/時の供給速度で注入した。第2の反応器を110℃の温度で保持した。第1の反応器からの生成物は、比較例CE2についてサンプリングし、第2の反応器からの生成物は、本発明の実施例IE7についてサンプリングした。VOCの低下は、比較例CE2のVOCからの%低下として、本発明の実施例IE7について、表2中に報告する。
【0069】
[0065] 比較例CE3並びに本発明の実施例IE8:80dg/分の名目メルトフロー及び1.5重量%のキシレン可溶物を有するポリプロピレンホモポリマーが、MEEDとして、80mol%のIPMと20mol%のDCPDMSとの混合物を含む第1の反応器中で生産した。本発明の実施例IE8の場合、生成物は第2の反応器へと通過させて、ここで、反応を終了させるためのモル比で、HOを触媒毒として使用した。第2の反応器を、110℃の温度で保持した。第1の反応器からの生成物は、比較例CE3についてサンプリングし、第2の反応器からの生成物は、本発明の実施例IE8についてサンプリ
ングした。VOCの低下は、比較例CE3のVOCからの%低下として、本発明の実施例IE8について、表2中に報告する。
【0070】
【表2】
【0071】
[0066] 上記の実施例から分かるとおり、ポリオレフィンポリマーは、VOCレベルの低下した本発明の主題に従い、製造及び処理することができる。毒としてCOを使用する本発明の実施例IE1~IE3は、VOC除去のための最適な第2の反応器温度は、約110℃であることを示している。毒としてHOを使用する本発明の実施例IE4~IE6は、VOC除去のための最適な第2の反応器温度が約120℃であることを示している。
【0072】
[0067] 第1の反応器から通過してきたポリマーを触媒毒に接触させるための第2の反応容器を使用し、ポリマーを第1の反応器の温度よりも高い温度で第2の反応器中、滞留時間の間、維持することにより、VOCレベルの低下したポリプロピレンポリマーを得ることができる。
【0073】
[0068] 本明細書において開示されている、他の特徴、本発明の利点及び実施形態は、前述の開示を一読した後、当業者には容易に明らかとなるであろう。この点に関して、本発明の特定の実施形態がかなり詳細に説明されているが、これらの実施形態の変更例並びに改良例は、説明及び請求されている本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく成立し得る。
[発明の態様]
[1]
a.第1の反応器中で、オレフィンモノマー及び任意にコモノマーを重合して、これにより、重合済み固体、未反応モノマー及び任意にコモノマーを含む粗生成物流を形成する工程であって、前記重合済み固体が、オレフィンポリマー、VOC及び触媒システムを含む工程と、
b.前記重合済み固体を一酸化炭素、二酸化炭素、酸素、水、アルコール、アミン又はそれらの混合物から選択される触媒毒に接触させて、これにより、不動態化流を形成させる工程と、
c.撹拌状態にある前記不動態化流を、第2の反応器内に維持する工程と、
d.前記第2の反応器内の前記不動態化流を、滞留時間の間、未反応モノマーを含む循環ガスに接触させて、これにより、前記第2の反応器に入る前のレベルと比べて、前記重合済み固体中のVOCの濃度が少なくとも10重量%低減され、これにより、精製済みオレフィンポリマー固体流を形成する工程と、
を含む、方法。
[2]
前記不動態化流が、前記循環ガスと共に前記第2の反応器中で前記撹拌状態で維持される、請求項1に記載の方法。
[3]
前記不動態化流が、機械的撹拌又は機械的撹拌により、前記第2の反応器中、前記撹拌状態で維持される、請求項1に記載の方法。
[4]
前記第2の反応器に前記粗生成物流を運ぶ工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
[5]
前記触媒毒を、前記第2の反応器への前記粗生成物流の運搬の間に前記重合済み固体と接触させる、請求項4に記載の方法。
[6]
前記触媒毒を、前記第2の反応器中の前記重合済み固体に接触させる、請求項1に記載の方法。
[7]
前記未反応モノマーが、プロピレン、エチレン、C4~10アルファ-オレフィン又はそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の方法。
[8]
前記VOCが、前記重合済み固体の総重量に対して、50~6000ppmの量で前記重合済み固体中に存在する、請求項1に記載の方法。
[9]
前記VOCが、前記重合済み固体の総重量に対して、50~1000ppmの量で前記重合済み固体中に存在する、請求項8に記載の方法。
[10]
前記VOCが、前記重合済み固体の総重量に対して、100~500ppmの量で前記重合済み固体中に存在する、請求項9に記載の方法。
[11]
前記不動態化流が、前記第1の反応器の温度よりも高い温度で、前記撹拌状態に維持される、請求項2に記載の方法。
[12]
前記温度が、20℃~140℃である、請求項11に記載の方法。
[13]
前記温度が、90℃~120℃である、請求項12に記載の方法。
[14]
前記温度が、70℃~120℃である、請求項11に記載の方法。
[15]
前記第2の反応器中の前記滞留時間が、0.1~5.0時間である、請求項1に記載の方法。
[16]
前記重合を前記触媒毒の注入によって終了させる、請求項1に記載の方法。
[17]
前記触媒システムが、前記第1の反応器に移送される共触媒を含み、そして前記触媒毒が、少なくとも0.5の、毒の共触媒に対するモル比を実現する割合で前記第2の反応容器に注入される、請求項10に記載の方法。
[18]
前記触媒毒が、前記第2の反応容器に、窒素、水素、プロピレン、エチレン及びそれらの混合物から選択される運搬用流体により運ばれる、請求項5に記載の方法。
[19]
前記循環ガスが、0.3m/s超の空塔速度で、前記第2の反応容器を循環する、請求項2に記載の方法。
[20]
前記空塔速度が0.3~1m/sである、請求項19に記載の方法。
[21]
前記空塔速度が0.3~0.6m/sである、請求20に記載の方法。
[22]
前記空塔速度が1m/s超である、請求項19に記載の方法。
[23]
触媒毒に接触させる前記重合済み固体が、保管容器又はサイロからの第2の重合済み固体流を更に含む、請求項1に記載の方法。
[24]
前記第1の反応器が、流動床気相反応器、ループ反応器、縦型撹拌床反応器、水平型撹拌気相反応器、多段域循環式反応器又は撹拌式オートクレーブから選択される、請求項1
に記載の方法。
[25]
前記第1の反応器が流動床気相反応器である、請求項24に記載の方法。
[26] 前記第2の反応容器が、流動床気相重合反応器、又は水平型若しくは縦型撹拌気相重合反応器として、通常に稼働する反応容器である、請求項1に記載の方法。
[27]
a.第1の反応器及び第2の反応器を含む2つの反応器システムにおいて、オレフィンモノマー及び任意にコモノマーを重合する工程であって、前記第1の反応器の重合生成物が、第2の反応器に移送され、ここで、前記第2の反応器の重合生成物と混合されて、これにより、重合済み固体、未反応モノマー及び任意にコモノマーを含む粗生成物流を形成し、前記重合済み固体が、オレフィンポリマー、VOC及び触媒システムを含む工程と、
b.前記粗生成物流を保管用サイロに移送し、これにより、保管された重合済み固体流を形成する工程と、
c.前記第2の反応器中で重合を終える工程と、
d.前記第2の反応器に前記保管した重合済み固体を移送する工程と、
e.前記保管された重合済み固体流を一酸化炭素、二酸化炭素、酸素、水、アルコール、アミン又はそれらの混合物から選択される触媒毒に接触させて、これにより、不動態化流を形成させる工程と、
f.撹拌状態にある前記不動態化流を、第2の反応器内に維持する工程と、
g.前記第2の反応器内の前記不動態化流を、滞留時間の間、未反応モノマーを含む循環ガスに接触させて、これにより、前記第2の反応器に入る前のレベルと比べて、前記重合済み固体中のVOCの濃度が少なくとも10重量%低減され、これにより、精製済みオレフィンポリマー固体流を形成する工程と、
を含む、方法。
[28]
前記不動態化流が、前記循環ガスと共に前記第2の反応器中で前記撹拌状態で維持される、請求項27に記載の方法。
[29]
前記不動態化流が、機械的撹拌又は機械的撹拌により、前記第2の反応器中、前記撹拌状態で維持される、請求項27に記載の方法。
[30]
前記触媒毒を前記保管された重合済み固体流に、前記保管用サイロに残した後であるが、前記第2の反応器に入る前に接触させる、請求項27に記載の方法。
[31]
前記触媒毒を前記保管された重合済み固体流に、前記第2の反応器に入った後接触させる、請求項27に記載の方法。
[32]
請求項1に記載の方法により生産された、ポリマー。
[33]
a.第1の反応器中で、オレフィンモノマー及び任意にコモノマーを重合して、これにより、重合済み固体、未反応モノマー及び任意にコモノマーを含む粗生成物流を形成する工程であって、前記重合済み固体が、オレフィンポリマー、VOC及び触媒システムを含む工程と、
b.前記重合済み固体を一酸化炭素、二酸化炭素、酸素、水、アルコール、アミン又はそれらの混合物から選択される触媒毒に接触させて、これにより、不動態化流を形成させ
る工程と、
c.流動床である第2の反応器内で、前記不動態化流を、滞留時間の間、未反応モノマーを含む循環ガスと共に撹拌状態で維持して、これにより、前記第2の反応器に入る前のレベルと比べて、前記重合済み固体中のVOCの濃度が少なくとも10重量%低減され、これにより、精製済みオレフィンポリマー固体流を形成する工程と
を含む、方法。
図1
図2
【外国語明細書】