(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022143905
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】スラグ路盤材の製造方法およびスラグ路盤材
(51)【国際特許分類】
C04B 18/14 20060101AFI20220926BHJP
C04B 5/00 20060101ALI20220926BHJP
E01C 3/00 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
C04B18/14 F
C04B5/00 C
E01C3/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021044682
(22)【出願日】2021-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100206829
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127513
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100158665
【弁理士】
【氏名又は名称】奥井 正樹
(72)【発明者】
【氏名】星野 建
【テーマコード(参考)】
2D051
4G112
【Fターム(参考)】
2D051AD07
2D051AF05
2D051AF12
2D051AF13
2D051AF14
2D051AH02
2D051AH03
4G112JD03
4G112JE06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】アルミネート相の含有量の少ないスラグ路盤材において、固結剤の添加を行うことなく固結の抑制が可能となるスラグ路盤材の製造方法を提供する。
【解決手段】CaO成分、SiO
2成分、Al
2O
3成分、およびFe
2O
3成分を含み、CaO成分濃度(質量%)のSiO
2成分濃度(質量%)に対する比である(CaO)/(SiO
2)が2.0を超え4.0以下であり、Al
2O
3成分濃度(質量%)のFe
2O
3成分濃度(質量%)に対する比である(Al
2O
3)/(Fe
2O
3)が0.3~10.0であるカルシウムアルミノフェライト含有スラグを用いてスラグ路盤材を製造する際に、前記カルシウムアルミノフェライト含有スラグの含有率を原料の全質量に対して50%以下とするか、蒸気圧1.0MPa以下で蒸気エージング処理することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スラグ路盤材の製造方法であって、
CaO成分、SiO2成分、Al2O3成分、およびFe2O3成分を含み、CaO成分濃度(質量%)のSiO2成分濃度(質量%)に対する比である(CaO)/(SiO2)が2.0を超え4.0以下であり、Al2O3成分濃度(質量%)のFe2O3成分濃度(質量%)に対する比である(Al2O3)/(Fe2O3)が0.3~10.0であるカルシウムアルミノフェライト含有スラグ、ならびに該カルシウムアルミノフェライト含有スラグ以外のスラグおよびコンクリート用骨材から選択される少なくとも一方を混合して原料の混合物を得る原料配合工程を有し、
前記原料配合工程において混合される前記カルシウムアルミノフェライト含有スラグの含有率を、前記原料の全質量に対して50%以下とする
ことを特徴とするスラグ路盤材の製造方法。
【請求項2】
スラグ路盤材の製造方法であって、
CaO成分、SiO2成分、Al2O3成分、およびFe2O3成分を含み、CaO成分濃度(質量%)のSiO2成分濃度(質量%)に対する比である(CaO)/(SiO2)が2.0を超え4.0以下であり、Al2O3成分濃度(質量%)のFe2O3成分濃度(質量%)に対する比である(Al2O3)/(Fe2O3)が0.3~10.0であるカルシウムアルミノフェライト含有スラグを準備し、該カルシウムアルミノフェライト含有スラグを少なくとも含む原料を調製する原料調製工程と、
前記原料調製工程を経た原料を、蒸気圧1.0MPa以下で蒸気エージング処理する蒸気エージング工程と
を有することを特徴とするスラグ路盤材の製造方法。
【請求項3】
前記カルシウムアルミノフェライト含有スラグが、CaO成分を30~40質量%、SiO2成分を8~20質量%、Al2O3成分を10~30質量%、Fe2O3成分を0~10質量%の割合で含有する、請求項1または2に記載のスラグ路盤材の製造方法。
【請求項4】
前記カルシウムアルミノフェライト含有スラグが製鋼スラグである、請求項1~3のいずれか1項に記載のスラグ路盤材の製造方法。
【請求項5】
前記原料中の製鋼スラグの含有率が50質量%以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載のスラグ路盤材の製造方法。
【請求項6】
スラグ路盤材であって、
CaO成分、SiO2成分、Al2O3成分、およびFe2O3成分を含み、CaO成分濃度(質量%)のSiO2成分濃度(質量%)に対する比である(CaO)/(SiO2)が2.0を超え4.0以下であり、Al2O3成分濃度(質量%)のFe2O3成分濃度(質量%)に対する比である(Al2O3)/(Fe2O3)が0.3~10.0であるカルシウムアルミノフェライト含有スラグ、ならびに該カルシウムアルミノフェライト含有スラグ以外のスラグおよびコンクリート用骨材から選択される少なくとも一方を含み、
前記カルシウムアルミノフェライト含有スラグの含有率が50質量%以下である
ことを特徴とするスラグ路盤材。
【請求項7】
スラグ路盤材であって、
CaO成分、SiO2成分、Al2O3成分、およびFe2O3成分を含み、CaO成分濃度(質量%)のSiO2成分濃度(質量%)に対する比である(CaO)/(SiO2)が2.0を超え4.0以下であり、Al2O3成分濃度(質量%)のFe2O3成分濃度(質量%)に対する比である(Al2O3)/(Fe2O3)が0.3~10.0であるカルシウムアルミノフェライト含有スラグを含み、
前記カルシウムアルミノフェライト含有スラグがカトアイト(3CaO・2Al2O3・SiO2・6H2O)を含む
ことを特徴とするスラグ路盤材。
【請求項8】
前記カルシウムアルミノフェライト含有スラグが、CaO成分を30~40質量%、SiO2成分を8~20質量%、Al2O3成分を10~30質量%、Fe2O3成分を0~10質量%の割合で含有する、請求項6または7に記載のスラグ路盤材。
【請求項9】
前記カルシウムアルミノフェライト含有スラグが製鋼スラグである、請求項6~8のいずれか1項に記載のスラグ路盤材。
【請求項10】
製鋼スラグの含有率が50質量%以上である、請求項6~9のいずれか1項に記載のスラグ路盤材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スラグ路盤材の製造方法およびスラグ路盤材に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄鋼スラグは、製鉄所にて発生する産業副産物である。鉄鋼スラグは、路盤材に用いられることがあり、JIS A 5015「道路用鉄鋼スラグ」において高炉スラグと製鋼スラグとに分けられている。
【0003】
鉄鋼スラグのうち高炉スラグを用いた路盤材は、エトリンガイトと呼ばれる水和物を生成して固結することが知られている。エトリンガイトは、セメントの水和物のひとつで、アルミネート相(アルミン酸三カルシウム)、石こうおよび水が反応することにより生成し、3CaO・Al2O3・3CaSO4・32H2Oで表される。また、製鋼スラグを用いた路盤材でもエトリンガイトの生成により固結することは知られている。
【0004】
鉄鋼スラグを用いた路盤材が施工後に固結すると、必要により再掘削を行なう際に多大な労力を要することとなる。このため、固結しない製鋼スラグの組成や固結を抑制できる製鋼スラグ路盤材の配合が求められている。
【0005】
特許文献1~2では、高炉スラグに無機酸または有機酸を固結防止剤として使用することで固結を抑制している。
また、特許文献3では、カルボキシル基および/またはその塩を2つ有する単量体と、カルボキシル基および/またはその塩を1つ有する単量体とを共重合して得られる高分子化合物を固結防止剤として使用することで、鉄鋼スラグの固結を抑制している。
【0006】
さらに、特許文献4~5では、施工後の路盤膨張の抑制を目的とするものではあるものの、水浸膨張試験、圧縮強度、利用有姿による溶出試験により、エトリンガイトの生成量の小さい製鋼スラグを選定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6-127986号公報
【特許文献2】特開2002-356352号公報
【特許文献3】特開2006-137621号公報
【特許文献4】特許第5326991号公報
【特許文献5】特許第5126082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1~3に開示された技術は、固結防止剤を添加する必要があり、処理の手間および材料コストがかかることが課題であった。
【0009】
特許文献4~5に開示された技術では、アルミネート相の含有量が多く、エトリンガイトを多く生成する製鋼スラグの使用を避けることで、路盤材の固結を一定程度抑制することが可能となっている。しかし、最近、アルミネート相の含有量が少なくエトリンガイトをほとんど生成しない製鋼スラグでも、固結するものがあることが判明した。このため、特許文献4~5に開示された技術のみでは、スラグの固結を十分に抑制することはできないことが課題であった。
【0010】
本発明は前記課題を解決し、アルミネート相の含有量が少ないスラグ路盤材について、固結防止剤の添加を行なうことなく固結の抑制が可能になるスラグ路盤材の製造方法、および固結が抑制されたスラグ路盤材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、前記課題を解決するものであり、その手段は、以下の通りである。
[1]スラグ路盤材の製造方法であって、CaO成分、SiO2成分、Al2O3成分、およびFe2O3成分を含み、CaO成分濃度(質量%)のSiO2成分濃度(質量%)に対する比である(CaO)/(SiO2)が2.0を超え4.0以下であり、Al2O3成分濃度(質量%)のFe2O3成分濃度(質量%)に対する比である(Al2O3)/(Fe2O3)が0.3~10.0であるカルシウムアルミノフェライト含有スラグ、ならびに該カルシウムアルミノフェライト含有スラグ以外のスラグおよびコンクリート用骨材から選択される少なくとも一方を混合して原料の混合物を得る原料配合工程を有し、前記原料配合工程において混合される前記カルシウムアルミノフェライト含有スラグの含有率を、前記原料の全質量に対して50%以下とすることを特徴とするスラグ路盤材の製造方法。
[2]スラグ路盤材の製造方法であって、CaO成分、SiO2成分、Al2O3成分、およびFe2O3成分を含み、CaO成分濃度(質量%)のSiO2成分濃度(質量%)に対する比である(CaO)/(SiO2)が2.0を超え4.0以下であり、Al2O3成分濃度(質量%)のFe2O3成分濃度(質量%)に対する比である(Al2O3)/(Fe2O3)が0.3~10.0であるカルシウムアルミノフェライト含有スラグを準備し、該カルシウムアルミノフェライト含有スラグを少なくとも含む原料を調製する原料調製工程と、前記原料調製工程を経た原料を、蒸気圧1.0MPa以下で蒸気エージング処理する蒸気エージング工程とを有することを特徴とするスラグ路盤材の製造方法。
[3]前記カルシウムアルミノフェライト含有スラグが、CaO成分を30~40質量%、SiO2成分を8~20質量%、Al2O3成分を10~30質量%、Fe2O3成分を0~10質量%の割合で含有する、前記[1]または[2]に記載のスラグ路盤材の製造方法。
[4]前記カルシウムアルミノフェライト含有スラグが製鋼スラグである、前記[1]~[3]のいずれかに記載のスラグ路盤材の製造方法。
[5]前記原料中の製鋼スラグの含有率が50質量%以上である、前記[1]~[4]のいずれかに記載の製鋼スラグ路盤材の製造方法。
[6]スラグ路盤材であって、CaO成分、SiO2成分、Al2O3成分、およびFe2O3成分を含み、CaO成分濃度(質量%)のSiO2成分濃度(質量%)に対する比である(CaO)/(SiO2)が2.0を超え4.0以下であり、Al2O3成分濃度(質量%)のFe2O3成分濃度(質量%)に対する比である(Al2O3)/(Fe2O3)が0.3~10.0であるカルシウムアルミノフェライト含有スラグ、ならびに該カルシウムアルミノフェライト含有スラグ以外のスラグおよびコンクリート用骨材から選択される少なくとも一方を含み、前記カルシウムアルミノフェライト含有スラグの含有率が50質量%以下であることを特徴とするスラグ路盤材。
[7]スラグ路盤材であって、CaO成分、SiO2成分、Al2O3成分、およびFe2O3成分を含み、CaO成分濃度(質量%)のSiO2成分濃度(質量%)に対する比である(CaO)/(SiO2)が2.0を超え4.0以下であり、Al2O3成分濃度(質量%)のFe2O3成分濃度(質量%)に対する比である(Al2O3)/(Fe2O3)が0.3~10.0であるカルシウムアルミノフェライト含有スラグを含み、前記カルシウムアルミノフェライト含有スラグがカトアイト(3CaO・2Al2O3・SiO2・6H2O)を含むことを特徴とするスラグ路盤材。
[8]前記カルシウムアルミノフェライト含有スラグが、CaO成分を30~40質量%、SiO2成分を8~20質量%、Al2O3成分を10~30質量%、Fe2O3成分を0~10質量%の割合で含有する、前記[6]または[7]に記載の製鋼スラグ路盤材。
[9]前記カルシウムアルミノフェライト含有スラグが製鋼スラグである、前記[6]~[8]のいずれかに記載のスラグ路盤材。
[10]製鋼スラグの含有率が50質量%以上である、前記[6]~[9]のいずれかに記載のスラグ路盤材。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、アルミネート相の含有量が少ないにもかかわらず固結が生じていたスラグ路盤材について、固結防止剤の添加を行なうことなく固結の抑制が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】原料中のカルシウムアルミノフェライト含有スラグの含有率と、得られるスラグ路盤材の圧縮強度との関係を示すグラフ
【
図2】原料として用いるスラグの(CaO)/(SiO
2)質量比および(Al
2O
3)/(Fe
2O
3)質量比と、得られるスラグ路盤材の固結の有無との関係を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明者は、鉄鋼スラグ路盤材の固結特性について研究を行なった。特に、鉄鋼スラグ路盤材のうち、アルミネート相の含有量が少ない製鋼スラグ路盤材でも固結が生じる場合があることに着目し、鋭意研究を行なった。そして研究で得られた知見を一般化することによりスラグ路盤材の固結抑制条件を見出し、本発明を完成させた。以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明する。なお、本明細書において、数値範囲を記述する際に、上限値および下限値を「~」で繋ぐ表記がなされる場合には、特に断らない限り、該上限値および下限値も含む意味である。
【0015】
本発明者は、含有する鉱物相が異なる製鋼スラグを各種準備し、それらの配合組成を変化させた試料について、実験室規模で施工後環境を模擬する処理を施した。処理後の試料について圧縮試験を行ない、圧縮強度から固結の有無を判定した。また、処理後の試料について各種分析を行ない、固結の原因となる鉱物相の特定等を行なった。その結果、固結が問題となった製鋼スラグでは、これに含有されるカルシウムアルミノフェライトが、施工後にカトアイト(Ca3Al2(SiO4)3-x(OH)4x(x=1.5~3))やC-S-(A)-H(非晶質水和物)といったアルミネート系の相を生成することによって、固結が生じることを突き止めた。このことから、スラグの固結の抑制には、カルシウムアルミノフェライトの含有量が多いスラグの使用量を抑制すること、またはカルシウムアルミノフェライトから前述したアルミネート系の相が生成する反応を制御して、該反応が路盤材施工後に起こらないようにすることが有効といえる。カルシウムアルミノフェライトに関しては、以下の事項が報告されている。
(1)セメントに含まれる鉱物相であり、Ca2(Al2xFex)O5で構成される。
(2)C2AFやC3AFといったものを含み、C4AFと総称される。
(3)水和反応は遅いが、強度を発現する。
(4)Fe含有量が増すと水和反応は遅くなる。
(5)水和により、カルシウムアルミノフェライトモノサルフェート水和物(AFm)相やカトアイトが生成する。
(6)セメントで使用される指標であるAl2O3/Fe2O3(Alumina iron ratio、A/F)で固溶範囲が表される(0<(A/F)<3.62)。
【0016】
この結果および報告事項を受けて、本発明者は、計算熱力学等により、カルシウムアルミノフェライトを鉱物相として含み得るスラグ組成を調査した。その結果、塩基度(質量%CaO/質量%SiO2)が2.0を超え4.0以下で、質量%Al2O3/質量%Fe2O3が0.3~10.0のスラグにおいて、カルシウムアルミノフェライトが、スラグ中の鉱物相として生じ得ることを見出した。そして、このスラグの使用量を、路盤材の全質量に対して50質量%以下に抑えることで、固結が抑制されることを、試験によって確認した。
【0017】
また、スラグ中に含まれるカルシウムアルミノフェライト(C4AF)から、カトアイトおよびC-S-(A)-H等が生成する反応を制御する方法について、本発明者が検討した結果、カルシウムアルミノフェライトを含むスラグを蒸気エージング処理して、施工前にC4AFを水和させてカトアイトやC-S-(A)-Hを生成させれば、施工後の固結が抑制されることも見出した。
【0018】
以上の知見に基づいて完成された、本発明の第1の実施形態に係る路盤材の製造方法(以下、単に「第1実施形態」と記載することがある)は、CaO成分、SiO2成分、Al2O3成分、およびFe2O3成分を含み、CaO成分濃度(質量%)のSiO2成分濃度(質量%)に対する比である(CaO)/(SiO2)が2.0を超え4.0以下であり、Al2O3成分濃度(質量%)のFe2O3成分濃度(質量%)に対する比である(Al2O3)/(Fe2O3)が0.3~10.0であるカルシウムアルミノフェライト含有スラグ、ならびに該カルシウムアルミノフェライト含有スラグ以外のスラグおよびコンクリート用骨材から選択される少なくとも一方を混合して原料の混合物を得る原料配合工程を有し、前記原料配合工程において混合される前記カルシウムアルミノフェライト含有スラグの含有率を、前記原料の全質量に対して50%以下とするものである。
【0019】
また、前記知見に基づいて完成された、本発明の第2の実施形態に係る路盤材の製造方法(以下、単に「第2実施形態」と記載することがある。)は、CaO成分、SiO2成分、Al2O3成分、およびFe2O3成分を含み、CaO成分濃度(質量%)のSiO2成分濃度(質量%)に対する比である(CaO)/(SiO2)が2.0を超え4.0以下であり、Al2O3成分濃度(質量%)のFe2O3成分濃度(質量%)に対する比である(Al2O3)/(Fe2O3)が0.3~10.0であるカルシウムアルミノフェライト含有スラグを準備し、該カルシウムアルミノフェライト含有スラグを少なくとも含む原料を調製する原料調製工程と、前記原料調製工程を経た原料を、蒸気圧1.0MPa以下で蒸気エージング処理する蒸気エージング工程とを有する。
【0020】
第1実施形態および第2実施形態は、共に、CaO成分、SiO2成分、Al2O3成分、およびFe2O3成分を含み、CaO成分濃度(質量%)のSiO2成分濃度(質量%)に対する比である(CaO)/(SiO2)が2.0を超え4.0以下であり、Al2O3成分濃度(質量%)のFe2O3成分濃度(質量%)に対する比である(Al2O3)/(Fe2O3)が0.3~10.0であるカルシウムアルミノフェライト含有スラグを原料として用いる。このカルシウムアルミノフェライト含有スラグは、特段の処理を行なわずに路盤材に使用すると、施工後に固結を生じるため、その対策を講じることが必要なものである。このようなスラグとしては、溶銑脱燐スラグ(予備処理スラグ)、脱炭スラグ(転炉スラグ)および鋳造スラグ(造塊スラグ)等の製鋼スラグ、ならびに廃棄物や下水汚泥の焼却灰等を高温で溶融し冷却・凝固したスラグが例示できる。また、前記スラグは高炉スラグ等の製鋼スラグ以外の鉄鋼スラグであってもよい。これらのうち、製鋼スラグを使用すると、製鋼スラグの路盤材利用が促進されるため好ましい。また、製鋼スラグのうち鋳造スラグは、上記組成を満たすスラグである場合が多いため、第1実施形態および第2実施形態に係る路盤材の製造方法が特に有効なものである。
【0021】
前記カルシウムアルミノフェライト含有スラグは、CaO成分を30~40質量%、SiO2成分を8~20質量%、Al2O3成分を10~30質量%、Fe2O3成分を0~10質量%の割合で含有するものであることが好ましい。該カルシウムアルミノフェライト含有スラグは、カルシウムアルミノフェライトの含有量が比較的少なくなる。このため、第1実施形態においては、原料調製工程で混合される前記カルシウムアルミノフェライト含有スラグ以外のスラグが多少水和活性の高いものであっても、施工後の路盤材の固結が抑制される。また、第2実施形態においては、蒸気エージングの条件が後述する好適な範囲を多少外れたものであっても、施工後の路盤材の固結が抑制される。
【0022】
第1実施形態では、原料配合工程において、カルシウムアルミノフェライト含有スラグを、これ以外のスラグおよびコンクリート用骨材から選択される少なくとも一方と混合し、前記カルシウムアルミノフェライト含有スラグの含有率が50質量%以下の原料の混合物を得る。原料中のカルシウムアルミノフェライト含有スラグの含有率を50質量%以下とすることで、最終的に得られる路盤材が、施工後のカルシウムアルミノフェライトの水和反応により生じるカトアイトやC-S-(A)-Hといったアルミネート系の相の生成量が少ないものとなり、施工後の路盤材の固結が抑制される。アルミネート系の相の生成量を抑制する点からは、前記カルシウムアルミノフェライト含有スラグの含有率は45質量%以下とすることが好ましく、40質量%以下とすることがより好ましい。他方、前記カルシウムアルミノフェライト含有スラグの含有率は、低いほど施工後の固結が抑制されるため、その下限値は限定されず、ゼロであってもよい。ただし、カルシウムアルミノフェライト含有スラグの利用率を高める点からは、その含有率は5質量%以上とすることが好ましく、10質量%以上とすることがより好ましい。
【0023】
カルシウムアルミノフェライト含有スラグを、これ以外のスラグおよびコンクリート用骨材から選択される少なくとも一方と混合する方法は、特に限定されず、公知の混合手段を採用することができる。混合方法の例としては、バックホーによる混合が挙げられる。
【0024】
第2実施形態では、原料調製工程において、カルシウムアルミノフェライト含有スラグを準備し、これに必要に応じて他の成分を混合して原料を調製する。他の成分を混合する場合の混合方法は特に限定されず、第1実施形態で例示した混合手段を採用することができる。
【0025】
第2実施形態では、蒸気エージング工程において、調製した原料に対し、蒸気圧1.0MPa以下で蒸気エージング処理を施す。このことにより、カルシウムアルミノフェライトが水和反応により消費され、路盤材施工後の固結が抑制される。このとき、蒸気エージング処理時の蒸気圧を1.0MPa以下とすることで、カルシウムアルミノフェライト含有スラグ粒子に亀裂が生じて新たな表面が生成することによる、水和反応の再活性化を抑制できる。蒸気エージング処理時の蒸気圧の下限値は特に限定されないが、水和反応を促進して短時間で処理を終える点からは、0.2MPa以上とすることが好ましい。また、蒸気エージングの時間も特に限定されないが、カルシウムアルミノフェライトを十分に反応させる点からは12時間以上が好ましい。他方、処理を短時間で終えて生産性を向上する点からは、5日以下が好ましい。
【0026】
第2実施形態では、蒸気エージング工程を経た原料に対し、必要に応じてさらに他の成分を混合しても良い。この場合の混合方法も特に限定されず、第1実施形態で例示した混合手段を採用することができる。
【0027】
第1実施形態および第2実施形態では、カルシウムアルミノフェライト含有スラグ以外の製鋼スラグを混合することにより原料中の製鋼スラグの含有率を50質量%以上として、最終的に得られる路盤材をいわゆる製鋼スラグ路盤材とすることが好ましい。これにより、施工後の固結を抑制しつつ、製鋼スラグの路盤材利用をさらに促進できる。
【0028】
第1実施形態によれば、上述したカルシウムアルミノフェライト含有スラグ、ならびに該カルシウムアルミノフェライト含有スラグ以外のスラグおよびコンクリート用骨材から選択される少なくとも一方を含み、前記カルシウムアルミノフェライト含有スラグの含有率が50質量%以下であるスラグ路盤材が得られる。この路盤材は、固結防止剤の添加を行なうことなく固結が抑制されたものとなる。
【0029】
スラグ路盤材がカルシウムアルミノフェライト含有スラグを含むこと、およびその含有率は、以下の手順で確認・算出する。まず、路盤材から、粒径が5~20mm程度の粒子を任意に20個選び出し、各粒子の質量を測定する。なお、路盤材粒子同士が固結しており、個々の粒子を手またはスコップ等の人力を利用する道具や電動ピックハンマーを用いて取り出すことができない場合には、特段の処理がなされていないカルシウムアルミノフェライト含有スラグを多量に含むものと判断し、本発明の範囲外とする。次に、各粒子を粉砕して粉末状試料を得る。粉砕方法は、比較的少量の試料を、不純物を混入することなく0.1~5μm程度に粉砕できるものであればよく、乳鉢・乳棒を用いた粉砕や、ディスクミルおよびチューブミル等を用いた粉砕が例示される。次に、得られた各粉末状試料を成形して蛍光X線(XRF)測定用試料を作製する。測定用試料は、得られた粉末状試料が十分な量であれば、これを加圧成形したペレットとすることができる。他方、粉末状試料が少量の場合は、これを含むガラスビードを測定用試料とすることができる。次に、作製した各測定用試料について蛍光X線(XRF)分析を行ない、CaO、SiO2、Al2O3およびFe2O3の質量割合をそれぞれ測定・算出する。次に、得られた各成分の質量割合を基に、(CaO)/(SiO2)および(Al2O3)/(Fe2O3)の値をそれぞれ算出し、これらが所期の範囲内となった測定用試料を得た粒子を、カルシウムアルミノフェライト含有スラグと判定する。最後に、測定対象とした20個の粒子の合計質量に対する、カルシウムアルミノフェライト含有スラグと判定した粒子の質量割合を算出し、これをカルシウムアルミノフェライト含有スラグの含有率とする。
【0030】
また、第2実施形態によれば、上述したカルシウムアルミノフェライト含有スラグを含み、前記カルシウムアルミノフェライト含有スラグがカトアイト(3CaO・2Al2O3・SiO2・6H2O)を含むスラグ路盤材が得られる。この路盤材は、固結防止剤の添加を行なうことなく固結が抑制されたものとなる。
【0031】
スラグ路盤材がカルシウムアルミノフェライト含有スラグを含むこと、および該スラグがカトアイトを含むことは、以下の手順で確認する。まず、前述した第1実施形態と同一の方法で、路盤材がカルシウムアルミノフェライト含有スラグを含むことを確認する。次に、カルシウムアルミノフェライト含有スラグと判定された粒子から得られた粉末状試料について、X線回折測定を行ない、2θ=17~18°の範囲内における、回折線強度の最小値(Imin)に対する最大値(Imax)の比である(Imax)/(Imin)が2以上となったことをもって、該カルシウムアルミノフェライト含有スラグを、カトアイトを含むものと判定する。
【0032】
第1および第2実施形態により得られるスラグ路盤材が、固結の抑制されたものであることは、圧縮強度が2.0MPa以下であることにより確認される。
【0033】
スラグ路盤材の圧縮強度は、以下の手順で測定する。まず、スラグ路盤材に水道水を散布して含水状態とした後、JIS A 1132に準じて内径100mm深さ200mmの鋼製型枠に充填する。なお、スラグ路盤材が既に含水状態にある場合には、水道水の散布は省略してもよい。次に、スラグ路盤材を型枠中、室温で91日間養生した後脱型し、JIS A 1108に準じて測定した圧縮強度を、スラグ路盤材の圧縮強度とする。
【実施例0034】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は該実施例に限定されるものではない。
【0035】
[実施例1]
カルシウムアルミノフェライト含有スラグとして、表1に示す組成の鋳造スラグを準備し、これをカルシウムアルミノフェライト含有スラグ以外のスラグである予備処理スラグと混合して、カルシウムアルミノフェライト含有スラグの含有率が50質量%の路盤材を得た。得られた路盤材について、前述の方法で圧縮強度を測定し、これが2.0MPa以下となった場合に固結が生じなかったと判定した。その結果、圧縮強度は1.9MPaとなり、固結は生じなかった(「無」)と判定された。
【0036】
[実施例2~7]
鋳造スラグの組成および路盤材における含有率を表1に示すものとした以外は実施例1と同様の方法で実施例2~7に係る路盤材をそれぞれ製造した。得られた各路盤材について、実施例1と同様の方法で圧縮強度をそれぞれ測定し、固結の有無を判定したところ、表1に示すように、いずれの路盤材においても固結は生じなかった。
【0037】
[実施例8~15]
鋳造スラグの組成および路盤材における含有率を表1に示すものとすると共に、鋳造スラグと混合するカルシウムアルミノフェライト含有スラグ以外のスラグを脱炭スラグに変更した以外は実施例1と同様の方法で、実施例8~15に係る路盤材をそれぞれ製造した。得られた各路盤材について、実施例1と同様の方法で圧縮強度をそれぞれ測定し、固結の有無を判定したところ、表1に示すように、いずれの路盤材においても固結は生じなかった。
【0038】
[実施例16~21]
鋳造スラグの組成および路盤材における含有率を表1に示すものとすると共に、鋳造スラグに対して、カルシウムアルミノフェライト含有スラグ以外のスラグである予備処理スラグおよびコンクリート用骨材を質量比9:1で混合した以外は実施例1と同様の方法で、実施例16~21に係る路盤材をそれぞれ製造した。得られた各路盤材について、実施例1と同様の方法で圧縮強度をそれぞれ測定し、固結の有無を判定したところ、表1に示すように、いずれの路盤材においても固結は生じなかった。
【0039】
[実施例22~27]
鋳造スラグの組成および路盤材における含有率を表1に示すものとすると共に、鋳造スラグに対して、カルシウムアルミノフェライト含有スラグ以外のスラグである脱炭スラグおよびコンクリート用骨材を質量比9:1で混合した以外は実施例1と同様の方法で、実施例22~27に係る路盤材をそれぞれ製造した。得られた各路盤材について、実施例1と同様の方法で圧縮強度をそれぞれ測定し、固結の有無を判定したところ、表1に示すように、いずれの路盤材においても固結は生じなかった。
【0040】
[比較例1~19]
鋳造スラグの組成および路盤材における含有率を表2に示すものとした以外は実施例1と同様の方法で比較例1~5に係る路盤材をそれぞれ製造した。また、鋳造スラグの組成および路盤材における含有率を表2に示すものとした以外は実施例8と同様の方法で比較例6~10に係る路盤材をそれぞれ製造した。また、鋳造スラグの組成および路盤材における含有率を表2に示すものとした以外は実施例16と同様の方法で比較例11~15に係る路盤材をそれぞれ製造した。さらに、鋳造スラグの組成および路盤材における含有率を表2に示すものとした以外は実施例22と同様の方法で比較例16~19に係る路盤材をそれぞれ製造した。得られた各路盤材について、実施例1と同様の方法で圧縮強度をそれぞれ測定し、固結の有無を判定したところ、表2に示すように、いずれの路盤材においても固結が生じた(「有」)と判定された。
【0041】
[比較例20~26]
スラグとして、表3に示す組成の予備処理スラグ(カルシウムアルミノフェライト含有スラグ以外のスラグ)のみを準備し、カルシウムアルミノフェライト含有スラグを使用しなかった以外は実施例1と同様の方法で、比較例20~26に係る路盤材を製造した。得られた各路盤材について、実施例1と同様の方法で圧縮強度をそれぞれ測定し、固結の有無を判定したところ、表3に示すように、いずれの路盤材においても固結は生じなかった。
【0042】
[比較例27~34]
スラグを表3に示す組成の脱炭スラグ(カルシウムアルミノフェライト含有スラグ以外のスラグ)とした以外は比較例20と同様の方法で、比較例27~34に係る路盤材を製造した。得られた各路盤材について、実施例1と同様の方法で圧縮強度をそれぞれ測定し、固結の有無を判定したところ、表3に示すように、いずれの路盤材においてもいずれの路盤材においても固結は生じなかった。
【0043】
[比較例35~41]
スラグとして、表3に示す組成の予備処理スラグ(カルシウムアルミノフェライト含有スラグ以外のスラグ)のみを準備し、該スラグとコンクリート用骨材とを質量比9:1で混合して比較例35~41に係る路盤材を製造した。得られた各路盤材について、実施例1と同様の方法で圧縮強度をそれぞれ測定し、固結の有無を判定したところ、表3に示すように、いずれの路盤材においても固結は生じなかった。
【0044】
[比較例42~49]
スラグを表3に示す組成の脱炭スラグ(カルシウムアルミノフェライト含有スラグ以外のスラグ)とした以外は比較例35と同様の方法で、比較例42~49に係る路盤材を製造した。得られた各路盤材について、実施例1と同様の方法で圧縮強度をそれぞれ測定し、固結の有無を判定したところ、表3に示すように、いずれの路盤材においても固結は生じなかった。
【0045】
[実施例28]
カルシウムアルミノフェライト含有スラグとして、表4に示す組成の鋳造スラグを準備し、該鋳造スラグに対し、オートクレーブ(耐圧硝子工業社製、TAS-20型)を用いて、蒸気圧1.0MPaで3日間の蒸気エージングを行なって、実施例28に係る路盤材を製造した。得られた路盤材について、実施例1と同様の方法で圧縮強度を測定し、固結の有無を測定したところ、圧縮強度は1.4MPaとなり、固結は生じなかった。
【0046】
[実施例29~37]
鋳造スラグの組成および蒸気エージングの蒸気圧を表4に示すものとしたこと以外は実施例28と同様の方法で、実施例29~37に係る路盤材をそれぞれ製造した。得られた各路盤材について、実施例1と同様の方法で圧縮強度を測定し、固結の有無を測定したところ、表4に示すように、いずれの路盤材においても固結は生じなかった。
【0047】
[比較例50~58]
鋳造スラグの組成および蒸気エージングの蒸気圧を表4に示すものとしたこと以外は実施例28と同様の方法で、比較例50~58に係る路盤材をそれぞれ製造した。得られた各路盤材について、実施例1と同様の方法で圧縮強度を測定し、固結の有無を測定したところ、表4に示すように、いずれの路盤材においても固結が生じた。
【0048】
以上で説明した実施例および比較例について、使用した製鋼スラグの組成、路盤材の配合、圧縮強度および固結の有無を、まとめて表1~4に示す。表4には、製鋼スラグに施した蒸気エージングの蒸気圧も掲載している。また、実施例1~27および比較例1~19の結果を基に、原料中のカルシウムアルミノフェライト含有スラグの含有率と得られるスラグ路盤材の圧縮強度との関係をプロットしたグラフを
図1に示す。
図1では、「○」で示す点が実施例に、「×」で示す点が比較例にそれぞれ相当する。さらに、比較例1~34の結果を基に、原料として用いるスラグの(CaO)/(SiO
2)質量比および(Al
2O
3)/(Fe
2O
3)質量比と、得られるスラグ路盤材の固結の有無との関係をプロットしたグラフを
図2に示す。
図2では、固結が生じなかったスラグを「○」で、固結が生じたスラグを「×」でそれぞれ示している。
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
実施例1~27と比較例1~19との対比からは、スラグ路盤材におけるカルシウムアルミノフェライト含有スラグの含有率を50質量%以下とすることで、施工後の固結を抑制できるといえる。なお、比較例1~19と比較例20~34との対比から、カルシウムアルミノフェライト含有スラグ以外のスラグ、すなわち(CaO)/(SiO2)が2.0を超え4.0以下の範囲外であるか、(Al2O3)/(Fe2O3)が0.3~10.0の範囲外であるスラグについては、該スラグのみで路盤材を製造しても、施工後の固結が抑制されるといえる。また、比較例35~49の結果から解るように、カルシウムアルミノフェライト含有スラグ以外のスラグは、コンクリート用骨材等の他の材料と混合して路盤材としても、施工後の固結が抑制されるといえる。
【0054】
また、実施例28~37からは、カルシウムアルミノフェライト含有スラグに対して1.0MPa以下の蒸気圧下でエージング処理を行なうことで、路盤材とした際に施工後の固結が抑制されるといえる。これに対し、エージング処理の蒸気圧が1.0MPaを超える比較例50~58では路盤材の固結が生じている。これは、蒸気圧によってカルシウムアルミノフェライト含有スラグ粒子に亀裂が生じて新たな表面が生成し、水和反応が再活性化したことによるものと推察される。
本発明によれば、アルミネート相の含有量が少ないにもかかわらず固結が生じていたスラグ路盤材について、固結防止剤の添加を行なうことなく固結の抑制が可能になる。このため、比較的低コストで路盤材におけるスラグの利用率を高めることができる点で、本発明は有用なものである。