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特開2022-143931記録制御装置、記録システム、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022143931
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】記録制御装置、記録システム、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/92 20060101AFI20220926BHJP
   H04N 5/77 20060101ALI20220926BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
H04N5/92 010
H04N5/77
H04N7/18 U
H04N7/18 J
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021044726
(22)【出願日】2021-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】501198084
【氏名又は名称】ナカシャ クリエイテブ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】596119179
【氏名又は名称】株式会社コア
(74)【代理人】
【識別番号】100087778
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 明夫
(72)【発明者】
【氏名】松井 良行
(72)【発明者】
【氏名】松本 基義
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 浩士
(72)【発明者】
【氏名】遠山 希
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 尚司
【テーマコード(参考)】
5C053
5C054
【Fターム(参考)】
5C053GB06
5C053JA21
5C053LA01
5C053LA11
5C054CA04
5C054CC02
5C054CH01
5C054GB05
5C054GB06
5C054GD00
5C054HA30
(57)【要約】      (修正有)
【課題】車両で走行しつつ道路やその周辺を撮影して記録し、後日、当該道路や周辺について、所望の地点の状況や経時変化を確認する。
【解決手段】記録システムにおいて、GNSS衛星からの受信信号に基づく1PPS信号と時刻データと位置データをGNSS受信機10から入力し、2以上のビデオカメラ30を制御して、時刻データと位置データと各ビデオカメラの撮影映像の記録を制御する制御装置50の記録制御装置5は、1PPS信号をトリガーとする時刻データ等の入力毎に、記録制御装置5が生成する1秒間隔の基準パルスをトリガーとして番号データを生成する番号生成部51と、番号データと時刻データと位置データを音声出力用のアナログ信号に変換するデータ変換部52と、音声を生成して各ビデオカメラの音声トラックへ出力する音声出力部58と、番号データと時刻データと位置データを記憶装置60の記憶領域に格納するデータ制御部53と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
GNSS衛星からの受信信号に基づく1PPS信号と時刻データと位置データをGNSS受信機から入力し、及び、2以上のビデオカメラを制御して、前記時刻データと位置データ及び前記各ビデオカメラの撮影映像の記録を制御する記録制御装置であって、
操作入力装置から記録開始を指示する開始データが入力された後は、1PPS信号をトリガーとして前記GNSS受信機から当該の記録制御装置へ入力される時刻データ及び位置データの入力毎に、当該の記録制御装置が生成する1秒間隔の基準パルスをトリガーとして時刻順の番号データを生成する番号生成手段と、
前記番号生成手段により番号データが生成されると、当該番号データが基づく時刻データ及び位置データと併せて、音声出力用のアナログ信号に変換するデータ変換手段と、
前記データ変換手段から出力されるアナログ信号に従って音声を生成して前記2以上の各ビデオカメラの音声トラックへ出力する音声出力手段と、
前記1秒間隔の基準パルスをトリガーとして生成された番号データを、当該番号データが基づく時刻データ及び位置データと対応付けて、記憶装置の所定の記憶領域に格納するデータ制御手段と、
を有することを特徴とする記録制御装置。
【請求項2】
請求項1に於いて、
前記データ変換手段は、前記開始データを、当該開始データの入力時又は直後に前記記録制御装置へ入力された時刻データ及び位置データ、及び、当該時刻データ及び位置データに対応する番号データと併せて、音声出力用のアナログ信号に変換し、
前記データ制御手段は、前記開始データを、当該開始データの入力時又は直後に前記記録制御装置へ入力された時刻データ及び位置データ、及び、当該時刻データ及び位置データに対応する番号データと併せて、前記記憶装置の所定の記憶領域に格納する、
ことを特徴とする記録制御装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に於いて、
さらに、前記記録制御装置が生成する1秒間隔の基準パルスをトリガーとして生成された番号データを含むデータが、前記データ変換手段により音声出力用のアナログ信号に変換されて音声出力開始されるまでの経過時間を監視する時間監視手段、を有し、
前記データ制御手段は、前記経過時間が上限時間を越えた場合は、上限時間を越えた旨のデータを、前記記憶装置の所定の記憶領域の当該上限時間経過後に音声出力されたアナログ信号が基づく時刻データと位置データと番号データが属するレコードに格納する、
ことを特徴とする記録制御装置。
【請求項4】
請求項2に於いて、
さらに、前記記録制御装置が生成する1秒間隔の基準パルスをトリガーとして生成された番号データを含むデータが、前記データ変換手段により音声出力用のアナログ信号に変換されて音声出力開始されるまでの経過時間を監視する時間監視手段、を有し、
前記データ変換手段は、前記経過時間が上限時間を越えた場合で且つ当該上限時間経過後に音声出力されたアナログ信号が基づくデータが前記開始データを含む場合は、その直後に前記記録制御装置へ入力された時刻データ及び位置データ、及び、当該時刻データ及び位置データに対応して生成された番号データと併せて、前記開始データを音声出力用のアナログ信号に変換し、
前記データ制御手段は、前記経過時間が上限時間を越えた場合は、上限時間を越えた旨のデータを、前記記憶装置の所定の記憶領域の当該上限時間経過後に音声出力されたアナログ信号が基づく時刻データと位置データと番号データが属するレコードに格納する、
ことを特徴とする記録制御装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に於いて、
前記上限時間は、前記2以上のビデオカメラの撮影映像のフレームレートに基づいて設定された時間である、
ことを特徴とする記録制御装置。
【請求項6】
請求項3又は請求項4に於いて、
前記上限時間は、前記2以上のビデオカメラの撮影映像の最短のフレーム時間より短時間となるように設定された時間である、
ことを特徴とする記録制御装置。
【請求項7】
請求項1~請求項6の何れかに於いて、
前記データ制御手段は、さらに、前記1秒間隔の基準パルスをトリガーとして番号データが生成されるべきタイミングで当該の記録制御装置が外部から入力したデータを、前記記憶装置の所定の記憶領域の当該生成されるべきタイミングに対応する番号データと時刻データと位置データが記憶されるべきレコードに格納する、
ことを特徴とする記録制御装置。
【請求項8】
請求項7に於いて、
前記1秒間隔の基準パルスをトリガーとして番号データが生成されるべきタイミングで当該の記録制御装置が外部から入力したデータは、前記GNSS受信機から出力されるGNSS衛星のFIX状態を示すデータを含む、
ことを特徴とする記録制御装置。
【請求項9】
請求項1に於いて、
前記番号生成手段は、前記操作入力装置から記録停止を指示する停止データが入力された後は、前記番号データの生成を停止し、
前記データ変換手段は、前記停止データを音声出力用のアナログ信号に変換し、
前記データ制御手段は、前記停止データを前記記憶装置の所定の記憶領域に格納する、
ことを特徴とする記録制御装置。
【請求項10】
請求項9に於いて、
前記番号生成手段は、前記停止データの入力後に前記開始データが入力された後は、当該開始データの入力直前に生成された番号データより後の番号の番号データを、時刻データ及び位置データの入力毎に、時刻順に生成する、
ことを特徴とする記録制御装置。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1~請求項10の何れかの記録制御装置として機能させるためのプログラム。
【請求項12】
GNSS衛星から受信される信号に基づいて1PPS信号と時刻データと位置データを出力するGNSS受信機と、ユーザの指示を入力するための操作入力装置と、移動車両に搭載される2以上のビデオカメラとを有し、前記時刻データと位置データ、及び、前記各ビデオカメラの撮影映像を記録する記録システムであって、
前記操作入力装置から記録開始を指示する開始データが入力された後は、1PPS信号をトリガーとして前記GNSS受信機から記録制御装置へ入力される時刻データ及び位置データの入力毎に、当該の記録制御装置が生成する1秒間隔の基準パルスをトリガーとして時刻順の番号データを生成する番号生成手段と、
前記番号生成手段により番号データが生成されると、当該番号データが基づく時刻データ及び位置データと併せて、音声出力用のアナログ信号に変換するデータ変換手段と、
前記データ変換手段から出力されるアナログ信号に従って音声を生成して前記2以上の各ビデオカメラの音声トラックへ出力する音声出力手段と、
前記1秒間隔の基準パルスをトリガーとして生成された番号データを、当該番号データが基づく時刻データ及び位置データと併せて、記憶装置の所定の記憶領域に格納するデータ制御手段と、
を有することを特徴とする記録システム。
【請求項13】
請求項12に於いて、
前記データ変換手段は、前記開始データを、当該開始データの入力時又は直後に前記記録制御装置へ入力された時刻データ及び位置データ、及び、当該時刻データ及び位置データに対応する番号データと併せて、音声出力用のアナログ信号に変換し、
前記データ制御手段は、前記開始データを、当該開始データの入力時又は直後に前記記録制御装置へ入力された時刻データ及び位置データ、及び、当該時刻データ及び位置データに対応する番号データと併せて、前記記憶装置の所定の記憶領域に格納する、
ことを特徴とする記録システム。
【請求項14】
請求項13に於いて、
さらに、前記記録制御装置が生成する1秒間隔の基準パルスをトリガーとして生成された番号データを含むデータが、前記データ変換手段により音声出力用のアナログ信号に変換されて音声出力開始されるまでの経過時間を監視する時間監視手段、を有し、
前記データ変換手段は、前記経過時間が上限時間を越えた場合で且つ当該上限時間経過後に音声出力されたアナログ信号が基づくデータが前記開始データを含む場合は、その直後に前記記録制御装置へ入力された時刻データ及び位置データ、及び、当該時刻データ及び位置データに対応して生成された番号データと併せて、前記開始データを音声出力用のアナログ信号に変換し、
前記データ制御手段は、前記経過時間が上限時間を越えた場合は、上限時間を越えた旨のデータを、前記記憶装置の所定の記憶領域の当該上限時間経過後に音声出力されたアナログ信号が基づく時刻データと位置データと番号データが属するレコードに格納する、
ことを特徴とする記録システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GNSS(GPS)衛星からの受信信号に基づく1PPS信号と時刻データと位置データをGNSS(GPS)受信機から入力し、及び、2以上のビデオカメラを制御して、前記時刻データと位置データ及び前記2以上の各ビデオカメラの撮影映像を記録するための技術に関する。
本発明によると、例えば、車両で走行しつつ前方/後方/側方等の道路や線路或いはその周辺を撮影して記録しておくことで、後日、当該の道路や線路等について、所望の地点の状況や周辺設備等の様子、更には経時変化等を確認することができる。
【背景技術】
【0002】
車両で高速走行しつつ前方/後方/側方/下方/上方等の道路や線路或いはその設備を動画撮影しておき、後日、所望の位置を指定して、当該位置の静止画を動画中から抜き出し、道路や線路或いはその近辺の設備の状態やその経時変化を、各方向(前方/後方/側方等)から確認できるようにしたいという要請がある。
【0003】
上記の要請に応えるべく、本願出願人の中の一社は、先に特許出願を行い、特許第6618163号(特許文献1)を取得している。即ち、走行中の車両から前方/後方/側方等を複数のビデオカメラで同時に撮影して得る各動画像について、同一時刻のフレームを相互に対応付け得るようにした撮像システムの特許を取得している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開第6618163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
道路や線路若しくはその設備の撮影時には、他の自動車や列車の走行に支障が生じないように注意する必要があり、そのためには、当該の道路や線路に設定されている速度(通常、高速度)で撮影用の車両を走行させることが望まれる。
しかし、高速走行する車両から撮影する動画では、時間軸方向で隣接するフレーム・フレーム間で撮影位置が大きく離れるため、指定した所望の位置の対象物が撮影されている静止画(フレーム)の特定に困難が生ずるという問題がある。
【0006】
所望の位置を指定して当該位置の撮影画像(フレーム画像)を動画中から抜き出すためには、各フレームに当該位置が正確に対応付けられている必要がある。そのためには、GNSS衛星からの送信情報を用いることが最良である。換言すれば、GNSS受信機を前段に設け、その出力(位置データ)を利用することが最良である。
しかし、市場に提供されているGNSS受信機は、データ出力のタイミング等の各種の仕様がメーカー毎に異なる。このため、後段の機器(GNSS受信機の出力データを処理して複数のビデオカメラを制御する機器)は、仕様の差異を吸収して、各種GNSS受信機からの出力を利用できることが望まれる。
【0007】
車両で高速走行しつつ前方/後方/側方/下方/上方等の道路状況等を動画撮影して記録する場合、前方や後方は対象物までの距離が遠く、時間的変化が小さいため、ビデオカメラのフレームレートとしても、30fps程度でも足りる。一方、側方や下方は対象物までの距離が近く、時間的変化が大きいため、例えば、60~100fps程度が必要となる。
したがって、GNSS受信機から取得した位置情報・時刻情報を、撮影中の動画像中の当該位置・時刻のフレームに対応付けて記録する機器では、複数台の各ビデオカメラ毎にフレームレートが異なるにも関わらず、それらの差異を吸収して、当該位置・時刻のフレームに正確に対応付け得ることが要請される。
本発明は、これらの要請に応えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の例を、下記[1]~[14]に記す。なお、この項([課題を解決するための手段])と次項([発明の効果])に於いて、符号は理解を容易にするために付したものであり、本発明を符号の構成に限定する趣旨ではない。
[1]発明1
GNSS(GPS)衛星からの受信信号に基づく1PPS信号と時刻データと位置データをGNSS(GPS)受信機10から入力し、及び、2以上のビデオカメラ30を制御して、前記時刻データと位置データ及び前記各ビデオカメラ31,32,,の撮影映像の記録を制御する記録制御装置5であって、
操作入力装置20から記録開始を指示する開始データが入力された後は、1PPS信号をトリガーとして前記GNSS受信機10から当該の記録制御装置5へ入力される時刻データ及び位置データの入力毎に、当該の記録制御装置が生成する1秒間隔の基準パルスをトリガーとして時刻順の番号データを生成する番号生成手段51と、
前記番号生成手段51により番号データが生成されると、当該番号データが基づく時刻データ及び位置データと併せて、音声出力用のアナログ信号に変換するデータ変換手段52と、
前記データ変換手段52から出力されるアナログ信号に従って音声を生成して前記2以上の各ビデオカメラ31,32,,の音声トラックへ出力する音声出力手段58と、
前記1秒間隔の基準パルスをトリガーとして生成された番号データを、当該番号データが基づく時刻データ及び位置データと対応付けて、記憶装置60の所定の記憶領域61に格納するデータ制御手段53と、
を有することを特徴とする記録制御装置。
[2]発明2
発明1に於いて、
前記データ変換手段52は、前記開始データを、当該開始データの入力時又は直後に前記記録制御装置5へ入力された時刻データ及び位置データ、及び、当該時刻データ及び位置データに対応する番号データと併せて、音声出力用のアナログ信号に変換し、
前記データ制御手段53は、前記開始データを、当該開始データの入力時又は直後に前記記録制御装置5へ入力された時刻データ及び位置データ、及び、当該時刻データ及び位置データに対応する番号データと併せて、前記記憶装置60の所定の記憶領域61に格納する、
ことを特徴とする記録制御装置。
【0009】
GNSS(GPS)受信機10からは、1PPS信号に同期して、時刻データと位置データが出力されている。即ち、1PPS信号の出力時刻に於ける時刻情報(年月日・時分秒)と位置情報(緯度・経度情報)が、繰り返して出力されている。
番号データは、開始データが入力された後(入力時刻を含む入力時刻以降)の期間に於いて、時刻データと位置データが記録制御装置5へ入力される毎に、生成される。生成タイミングは、当該の記録制御装置5が生成する1秒間隔の基準パルスをトリガーとするタイミングである。換言すれば、メーカー毎に仕様が異なるGNSS受信機10側の計測周期には影響されないタイミングである。なお、基準パルスは、通常、GNSS受信機10からのデータが入力されるシステム(記録制御装置5が含まれるシステム)側の起動時に於いて、1PPS信号に同期をとられている。
音声出力用アナログ信号への変換対象は、発明1では、番号データ及び当該番号データが基づく時刻データと位置データである。一方、発明2では、これらのデータに、これらのデータと同時的に入力された開始データが追加される。同時的とは、当該の1PPS信号の周期内という意味である。
開始データは、操作入力装置20からユーザ操作に基づいて入力される。操作入力装置20としては、例えば、キーボード、ゲーム機の操作装置(ゲームコントローラ,ジョイスティック等)の公知の操作入力装置を挙げることができる。
音声出力用アナログ信号への変換開始タイミングは、「番号データが生成された時」であるため、例えば、「記録制御装置5が生成する1秒間隔の基準パルスをトリガーとするタイミング」とも記述され得る。
音声出力の開始タイミングは、例えば、アナログ信号への変換完了時・毎である。
記憶装置60の所定の記憶領域61に格納されるデータは、発明1では、番号データ及び当該番号データが基づく時刻データと位置データである。一方、発明2では、これらのデータに、これらのデータと同時的に入力された開始データが追加される。
【0010】
[3]発明3
発明1又は発明2に於いて、
さらに、前記記録制御装置5が生成する1秒間隔の基準パルスをトリガーとして生成された番号データを含むデータが、前記データ変換手段52により音声出力用のアナログ信号に変換されて音声出力開始されるまでの経過時間を監視する時間監視手段54を有し、
前記データ制御手段53は、前記経過時間が上限時間を越えた場合は、上限時間を越えた旨のデータを、前記記憶装置60の所定の記憶領域61の当該上限時間経過後に音声出力されたアナログ信号が基づく時刻データと位置データと番号データが属するレコードに格納する、
ことを特徴とする記録制御装置。
発明3では、番号データと時刻データと位置データから変換された音声の出力開始時刻が遅延する(或る所定の上限時間を越える)と、その旨のデータが、当該の遅延発生のレコード(当該の番号データと時刻データと位置データが保存されたレコード)の当該データ用のフィールドに保存される。
[4]発明4
発明2に於いて、
さらに、前記記録制御装置5が生成する1秒間隔の基準パルスをトリガーとして生成された番号データを含むデータが、前記データ変換手段52により音声出力用のアナログ信号に変換されて音声出力開始されるまでの経過時間を監視する時間監視手段54を有し、
前記データ変換手段52は、前記経過時間が上限時間を越えた場合で且つ当該上限時間経過後に音声出力されたアナログ信号が基づくデータが前記開始データを含む場合は、その直後に前記記録制御装置5へ入力された時刻データ及び位置データ、及び、当該時刻データ及び位置データに対応して生成された番号データと併せて、前記開始データを音声出力用のアナログ信号に変換し、
前記データ制御手段53は、前記経過時間が上限時間を越えた場合は、上限時間を越えた旨のデータを、前記記憶装置60の所定の記憶領域61の当該上限時間経過後に音声出力されたアナログ信号が基づく時刻データと位置データと番号データが属するレコードに格納する、
ことを特徴とする記録制御装置。
発明4では、開始データと番号データと時刻データと位置データから変換された音声の出力開始時刻が遅延する(或る所定の上限時間を越える)と、遅延検出時刻と同時又は直後に音声出力用のアナログ信号に変換される番号データと時刻データと位置データに、開始データが追加されて、アナログ信号に変換されて音声出力される。即ち、再度、開始データの情報を含む音声が出力される。
また、開始データと番号データと時刻データと位置データから変換された音声の出力開始時刻が遅延した旨(上限時間を越えた旨)のデータが、当該の遅延発生のレコード(当該の開始データと番号データと時刻データと位置データが保存されたレコード)の当該データ用のフィールドに保存される。
[5]発明5
発明3又は発明4に於いて、
前記上限時間は、前記2以上のビデオカメラの撮影映像のフレームレートに基づいて設定された時間である、
ことを特徴とする記録制御装置。
例えば、2台のビデオカメラのフレームレートが30fpsと60fpsの場合に於いて、30fpsの場合の対応する1フレーム期間内に音声記録処理が開始されるように設定してもよく、60fpsの場合の対応する1フレーム期間内に音声記録処理が開始されるように設定してもよい。
[6]発明6
発明3又は発明4に於いて、
前記上限時間は、前記2以上のビデオカメラの撮影映像の最短のフレーム時間より短時間となるように設定された時間である、
ことを特徴とする記録制御装置。
例えば、2台のビデオカメラのフレームレートが30fpsと60fpsの場合に於いて、60fpsの場合の対応する1フレーム期間内に音声記録処理が開始されるように設定すると、音声記録処理を、対応する1フレーム期間内に開始させることができる。
[7]発明7
発明1~発明6の何れかに於いて、
前記データ制御手段53は、さらに、前記1秒間隔の基準パルスをトリガーとして番号データが生成されるべきタイミングで当該の記録制御装置5が外部から入力したデータを、前記記憶装置60の所定の記憶領域61の当該生成されるべきタイミングに対応する番号データと時刻データと位置データが記憶されるべきレコードに格納する、
ことを特徴とする記録制御装置。
記録制御装置5が外部から入力したデータとしては、例えば、GNSS衛星のFIX状態を示すデータ、操作入力装置20から入力されるデータ、1又は2以上のセンサ70の検出データを挙げることができる。
[8]発明8
発明7に於いて、
前記1秒間隔の基準パルスをトリガーとして番号データが生成されるべきタイミングで当該の記録制御装置5が外部から入力したデータは、前記GNSS受信機10から出力されるGNSS衛星のFIX状態を示すデータを含む、
ことを特徴とする記録制御装置。
【0011】
[9]発明9
発明1に於いて、
前記番号生成手段51は、前記操作入力装置20から記録停止を指示する停止データが入力された後は、前記番号データの生成を停止し、
前記データ変換手段52は、前記停止データを音声出力用のアナログ信号に変換し、
前記データ制御手段53は、前記停止データを前記記憶装置60の所定の記憶領域61に格納する、
ことを特徴とする記録制御装置。
[10]発明10
発明9に於いて、
前記番号生成手段51は、前記停止データの入力後に前記開始データが入力された後は、当該開始データの入力直前に生成された番号データより後の番号の番号データを、時刻データ及び位置データの入力毎に、時刻順に生成する、
ことを特徴とする記録制御装置。
[11]発明11
コンピュータを、請求項1~請求項8の何れかの記録制御装置5として機能させるためのプログラム。
【0012】
[12]発明12
GNSS衛星から受信される信号に基づいて1PPS信号と時刻データと位置データを出力するGNSS受信機10と、ユーザの指示を入力するための操作入力装置20と、移動車両に搭載される2以上のビデオカメラ30とを有し、前記時刻データと位置データ、及び、前記各ビデオカメラ31,32,,の撮影映像を記録する記録システムであって、
前記操作入力装置20から記録開始を指示する開始データが入力された後は、1PPS信号をトリガーとして前記GNSS受信機10から記録制御装置5へ入力される時刻データ及び位置データの入力毎に、当該の記録制御装置5が生成する1秒間隔の基準パルスをトリガーとして時刻順の番号データを生成する番号生成手段51と、
前記番号生成手段51により番号データが生成されると、当該番号データが基づく時刻データ及び位置データと併せて、音声出力用のアナログ信号に変換するデータ変換手段52と、
前記データ変換手段52から出力されるアナログ信号に従って音声を生成して前記2以上の各ビデオカメラ31,32,,の音声トラックへ出力する音声出力手段58と、
前記1秒間隔の基準パルスをトリガーとして生成された番号データを、当該番号データが基づく時刻データ及び位置データと併せて、記憶装置60の所定の記憶領域61に格納するデータ制御手段53と、
を有することを特徴とする記録システム。
[13]発明13
発明12に於いて、
前記データ変換手段52は、前記開始データを、当該開始データの入力時又は直後に前記記録制御装置5へ入力された時刻データ及び位置データ、及び、当該時刻データ及び位置データに対応する番号データと併せて、音声出力用のアナログ信号に変換し、
前記データ制御手段53は、前記開始データを、当該開始データの入力時又は直後に前記記録制御装置5へ入力された時刻データ及び位置データ、及び、当該時刻データ及び位置データに対応する番号データと併せて、前記記憶装置60の所定の記憶領域61に格納する、
ことを特徴とする記録システム。
[14]発明14
発明13に於いて、
さらに、前記記録制御装置5が生成する1秒間隔の基準パルスをトリガーとして生成された番号データを含むデータが、前記データ変換手段52により音声出力用のアナログ信号に変換されて音声出力開始されるまでの経過時間を監視する時間監視手段54を有し、
前記データ変換手段52は、前記経過時間が上限時間を越えた場合で且つ当該上限時間経過後に音声出力されたアナログ信号が基づくデータが前記開始データを含む場合は、その直後に前記記録制御装置5へ入力された時刻データ及び位置データ、及び、当該時刻データ及び位置データに対応して生成された番号データと併せて、前記開始データを音声出力用のアナログ信号に変換し、
前記データ制御手段53は、前記経過時間が上限時間を越えた場合は、上限時間を越えた旨のデータを、前記記憶装置60の所定の記憶領域61の当該上限時間経過後に音声出力されたアナログ信号が基づく時刻データと位置データと番号データが属するレコードに格納する、
ことを特徴とする記録システム。
【発明の効果】
【0013】
発明1や発明12では、ユーザから記録開始が指示された後は、1PPS信号をトリガーとする時刻データ及び位置データの入力毎に、記録制御装置5が直後に生成した基準パルス(1秒間隔のパルス)をトリガーとして番号データが生成され、番号データが生成されると、時刻データ及び位置データと併せて音声出力用のアナログ信号に変換されて音声出力されるとともに、時刻データ及び位置データに対応付けられて記憶装置5に保存される。記録制御装置5が生成する1秒間隔の基準パルスをトリガーとして音声出力やデータ保存が実行されるため、GNSS受信機10の計測周期等のメーカー毎の仕様の差異に影響されることなく、番号情報・時刻情報・位置情報の音声出力及び当該番号情報・時刻情報・位置情報のデータ記録を行うことができる。
発明2や発明13では、ユーザからの記録開始を指示する開始データが、当該開始データの入力時刻に対応する時刻データ・位置データ・番号データとともに音声出力用のアナログ信号に変換されて音声出力されるとともに、時刻データ・位置データ・番号データに対応付けられて記憶装置5に保存される効果がある。
発明3では、音声出力用アナログ信号へ変換するデータ(番号データ・時刻データ・位置データ/開始データ・番号データ・時刻データ・位置データ)の、変換開始から音声出力開始までの所要時間が所定の上限時間を越えると、その旨が、記憶装置60の当該越えたデータを保存したレコードに保存される効果がある。
発明4や発明14では、音声出力用アナログ信号へ変換するデータ(開始データ・番号データ・時刻データ・位置データ)の、変換開始から音声出力開始までの所要時間が所定の上限時間を越えると、その直後に音声出力用アナログ信号へ変換するデータ(番号データ・時刻データ・位置データ)に開始データが追加され、開始データ・番号データ・時刻データ・位置データがアナログ信号に変換されて音声出力される。即ち、開始データを含む音声が、再度、出力される効果がある。また、上限時間を越えた旨が、記憶装置5の当該越えたデータを保存したレコードに保存される効果がある。
発明7や発明8では、時刻データや位置データが取得されず、番号データが生成されない場合でも、そのタイミングで入力されたデータ(センサ70の検出データ、操作入力装置20からの指示データ、GNSS衛星のFIX状態を示すデータ、等)が記憶装置60の所定の記憶領域61の当該タイミング用のレコードに保存される効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】(a)は実施の形態の記録システムを構成する各機器の車両搭載時の配置を示す模式図、(b)は(a)の記録システムでの信号の流れを示す説明図。
図2】実施の形態の記録システムの構成と記録制御装置の機能を示すブロック図。
図3】実施の形態の記録制御装置の処理手順を示すフローチャート。
図4】実施の形態の記録制御装置の処理状態を説明するタイミングチャート。
図5】実施の形態の記録制御装置の処理の遷移(音声出力への遷移)を説明するタイミングチャート。
図6】実施の形態の記録制御装置の処理の遷移(データ保存への遷移)を説明するタイミングチャート。
図7】(a)は実施の形態の記録制御装置の起動時の処理を説明するタイミングチャート、(b)は音声出力要求から音声が出力されるまでを示すタイミングチャート。
図8】開始情報(START)を含む音声出力が遅延した場合に再送する処理を説明するタイミングチャート。
図9】開始情報(START)を含む音声出力が遅延した場合に再送する処理手順を示すフローチャート。
図10】データ制御手段により記憶装置に記録されるデータのデータフォーマットを示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1(a)は実施の形態の記録システムの各機器を車載する様子を模式的に示す配置図であり、(b)は(a)の機器間でのデータの流れを示す説明図である。また、図2は各機器の接続と記録制御装置5の機能を示すブロック図であり、図3はコンピュータ(制御装置)50での処理の概要を示すフローチャートである。
【0016】
図示のように、GNSS(GPS)受信機10と、各々異なる方向を撮影するための6台のビデオカメラ(前方撮影用のビデオカメラ31,後方撮影用のビデオカメラ32,右側方撮影用のビデオカメラ33,左側方撮影用のビデオカメラ34,上方撮影用のビデオカメラ35,下方撮影用のビデオカメラ36)と、音声ミキサー40と、コンピュータ50と、複数個のセンサ70とが自動車に搭載されており、このシステムを用いて、動画撮影が行われる。また、動画撮影と同時に、撮影の日時刻(年・月・日・時・分・秒)や撮影位置(緯度・経度)、後述の各種の情報が記録される。なお、自動車に代えて列車に搭載されてもよい。なお、図1(a)では、操作入力装置20の図示は省略されている。操作入力装置20としては、例えば、キーボード、ゲーム機の操作装置(ゲームコントローラ,ジョイスティック,等)等の公知の操作入力装置を挙げることができる。
【0017】
GNSS(GPS)受信機10では、FIXされた4個のGNSS(GPS)衛星から受信される信号に基づいて、時刻情報(UTC,協定世界時)と位置(緯度・経度)情報が生成され、同時に生成される1PPS信号(1sec 間隔の高精度のパルス信号)に同期して出力されて、コンピュータ(制御装置)50に入力される。ここで、時刻情報は日本標準時に変換されて出力され、コンピュータ(制御装置)50に入力される。入力された時刻情報と位置情報は、ビデオカメラの音声トラックに記録されるとともに、記憶装置60にも記録される。
【0018】
コンピュータ(制御装置)50には、複数個のセンサ70(ビデオカメラから被写体までの距離を検出するべく当該のビデオカメラ近辺に設けられた距離センサ,自動車の走行速度を検出する速度センサ,温度センサ,圧力センサ,自動車の走行方位を検出する方位センサ,走行に伴うロードノイズを検出するノイズセンサ,自動車の走行方向での傾斜角を検出する傾斜角センサ,等)の検出データも入力される。入力された検出データは、入力時刻に対応付けて、記憶装置60に記録される。
【0019】
また、コンピュータ(制御装置)50には、操作入力装置20から適宜のタイミングでユーザが操作入力した各種の指示情報が入力される。各種の指示情報としては、記録開始を指示する開始指示(START)、記録停止を指示する停止指示(STOP)、所定の意味が対応付けられている文字列(異常所見Aを発見,異常所見Bを発見,巡視点検業務を開始した,巡視点検業務を終了した,等の意味が対応付けられている文字列)等を挙げることができる。ここで、開始指示(START)と停止指示(STOP)は、各々入力時刻に対応付けてビデオカメラの音声トラックに記録されるとともに、記憶装置60にも記録される。他の指示情報は、入力時刻に対応付けて記憶装置60に記憶される。
【0020】
コンピュータ(制御装置)50は、概略、図3に示す制御を実行する。
必要数(例:4個)のGNSS衛星からの受信信号をFIXした旨のデータがGNSS受信機10から入力されると(S01)、タイマ59が1sec 間隔で発している基準パルスを、GNSS受信機10からの1PPS信号に同期させる処理(図7(a)のキャリブレーション)が開始されて(S03)、idle状態となる(S05)。
【0021】
キャリブレーションにより、GNSS受信機10からの1PPS信号に対する、タイマ59の基準パルスの遅延時間が、許容時間(例:100msec)内になると(S07でYES)、busy状態となる(S13,図7(a)参照)。ここで、許容時間は、1PPS信号に同期して入力されたデータ等の各種の処理を、次の基準パルスまでの時間内(=当該の1周期内)に、完了させ得るように設定された時間である。
【0022】
busy状態(S13)に於いて、操作入力装置20から、記録開始を指示する開始指示(START)が入力されると(S11)、エンコードが実行される(S15)。その結果、図4にも示すように、音声出力処理と、ログ出力処理が、実行される。
【0023】
音声出力処理では、GNSS受信機10から1PPS信号に同期して入力されるデータ(時刻データ,位置データ)が、入力毎に当該1PPS信号の直後の基準パルスをトリガーとして生成される番号データ(番号生成部51)とともに、アナログ音声信号に変換されて(データ変換部52)、音声出力される(音声出力部58;S21)。また、開始指示(START)や停止指示(STOP)の入力時には、開始データや停止データも、併せてアナログ音声信号に変換されて(データ変換部52)、音声出力される(音声出力部58;S21)。
【0024】
ログ出力処理では、GNSS受信機10から1PPS信号に同期して入力されるデータ(時刻データ,位置データ)が、入力毎に当該1PPS信号の直後の基準パルスをトリガーとして生成される番号データ(番号生成部51)とともに、記憶装置60の所定の記憶領域(GPXフォーマットの拡張領域)61に保存される(データ制御部53;S23)。また、各センサ70から入力されるセンサデータ、操作入力装置20から入力される開始指示のデータや停止指示のデータ或いは所定の意味が対応付けられている文字列データ、さらには、GNSS受信機10によるGNSS衛星のFIX状態に関するデータが、基準パルスをトリガーとして、記憶装置60の所定の記憶領域(拡張領域)61に保存される(データ制御部53;S23)。
【0025】
ステップS17は、アナログ音声信号への変換要求時刻から音声出力開始時刻までの所要時間を監視する処理(時間監視54)である。所要時間が所定の上限時間(例:30msec)を越えた場合は(S17でNO)、後述の再送処理が行われる。また、再送処理を行った旨が、記憶装置60の所定の記憶領域(拡張領域)61に保存される(データ制御部53;S31)。
【0026】
音声出力のタイミングについて、図5を参照して説明する。
GNSS受信機10からは、1PPS信号をトリガーとして、時刻データと位置データが継続的に繰り返して出力されている。また、GNSS衛星のFIX状態に関するデータも、継続的に繰り返して出力されている。
【0027】
コンピュータ(制御装置)50が起動されると、前述のキャリブレーション(図7(a))が実行される(idle状態)。その結果、1PPS信号に対する基準パルスの遅延時間が許容範囲(例:100msec)内になると(=同期すると)、busy状態となる。
【0028】
busy状態では、操作入力装置20から開始指示(START)が入力された後で且つ停止指示(STOP)が入力されていないことが条件となるが、GNSS受信機10から1PPS信号をトリガーとして時刻データと位置データが入力される毎に、当該1PPS信号に同期された基準パルスをトリガーとして、番号データが生成される(番号生成部51)。
【0029】
また、番号データが生成されると、当該番号データが基づく時刻データ及び位置データと併せて、音声出力用のアナログ信号に変換される(データ変換部52)。なお、開始指示(START)又は停止指示(STOP)が入力された場合は、開始データ又は停止データも併せて、音声出力用のアナログ信号に変換される。なお、停止データは、図4に示すように音声出力等を一端停止するためのデータであるから、停止データの入力後に開始データが入力された場合は、番号データとしては、停止データの入力前の最終の番号の後の番号(例えば、次の番号)から付すように設定することができる。
【0030】
こうして、音声出力用のアナログ信号に変換されると、音声出力部58(例:サウンドカード)により音声が生成され、音声ミキサー40を経て、ビデオカメラ31,32,33,34,35,36の音声トラックへ送られて記録される。このとき、各ビデオカメラでは、動画撮影が行われているため、入力される音声は、当該時刻の撮影フレームの音声トラックに記録される。
【0031】
図5内の中段に示す「未確定」は、1PPS信号が入力されない場合や、時刻データや位置データが入力されない場合を示す。
即ち、GNSS受信機10から、1PPS信号、及び/又は、時刻データ及び位置データが入力されない場合は、番号データは生成されず、音声出力用のアナログ信号も生成されず、当然ながら、音声出力も行われない。
【0032】
データ記録のタイミングについて、図6を参照して説明する。なお、図5と重複する部分(コンピュータ50の起動~番号データの生成)についての説明は、割愛する。
前述のように、番号データが、1PPS信号に同期された基準パルスをトリガーとして生成される(番号生成部51)と、当該番号データが基づく時刻データ及び位置データに対応付けて、記憶装置60の所定の記憶領域(GPXフォーマットの拡張領域)61に格納される(データ制御部53)。
【0033】
また、各センサ70から入力されるセンサデータ、操作入力装置20から入力される指示データ(開始指示,停止指示)や所定の意味が対応付けられている文字列データ、さらには、GNSS受信機10によるGNSS衛星のFIX状態に関するデータも、基準パルスに同期して、記憶装置60の所定の記憶領域(拡張領域)61に格納される(データ制御53)。
【0034】
図6内の中段に示す「未確定」は、1PPS信号が入力されない場合や、時刻データや位置データが入力されない場合を示す。
この場合、図5の音声出力とは異なり、各センサ70から入力されるセンサデータ、操作入力装置20から入力される指示データ(開始指示,停止指示)や所定の意味が対応付けられている文字列データ、さらには、GNSS受信機10によるGNSS衛星のFIX状態に関するデータは、基準パルスに同期して、記憶装置60の所定の記憶領域(拡張領域)61に格納される(データ制御53)。
【0035】
このため、例えば、番号データ・時刻データ・位置データが無いレコードに、「GNSS受信機10によるGNSS衛星のFIX状態=不良」のデータが格納されていれば、その前後のレコードの位置データの間で、GNSS衛星FIX不良であったという知見を得ることができる。
【0036】
本システムでは、番号データが生成されると、時刻データ及び位置データとともに音声出力用のアナログ信号に変換されて音声出力されるのであるが、出力音声に開始データに基づく音声(開始情報)が含まれていた場合で、且つ、音声出力開始までの所要時間が所定の上限時間を越えた場合は、直後の番号データ・時刻データ・位置データに開始データを含め、音声出力用のアナログ信号に変換して音声出力する。
即ち、開始データに基づく音声(開始情報)を含む音声が、再度、出力される。
【0037】
また、開始情報を含む音声出力が所定の上限時間を越えて行われた旨のデータ(エラーデータ)が、記憶装置60の所定の記憶領域61の当該のレコード(上限時間を越えて音声出力された開始情報に対応する開始データ・番号データ・時刻データ・位置データのレコード)に格納される。
【0038】
ここで、所定の上限時間は、開始データの入力時刻に対応する撮影フレームの音声トラックに、開始情報を含む音声が記録され得るように、設定することができる。
例えば、或るビデオカメラのフレームレートが30fpsであれば、1フレームが略30msecであるため、上限時間を、30msecに設定することができる。
また、2台のビデオカメラのフレームレートが30fpsと60fpsのように異なる場合に於いて、60fpsの場合の対応する1フレーム期間内(例:15msec)に音声記録処理が開始されるように上限時間を設定すると、音声記録処理を、対応する1フレーム期間内に開始させることができる。
【0039】
図7(b)、図8図9を参照して、開始情報の再送を説明する。
音声出力要求から、音声出力開始までには、図7(b)に示すように、或る時間を要する。この時間を、本システムでは、時間監視部54が監視する。
即ち、図5の如く基準パルスをトリガーとして番号データが生成されると、変換要求が発生する。変換要求が発生すると(図9・S53でYES)、タイマ59による計時が開始されるとともに、音声出力部58による音声出力開始が監視される(S55)。
【0040】
音声出力が開始されると(S57でYES)、計時が終了されてタイマ59による計測時間が取得される(S59)。取得した計測時間が上限時間(例:30msec)を越えているか否か調べ、越えている場合は(S61でNO)、記憶装置60の所定の記憶領域(GPXフォーマットの拡張領域)61の現在周期に対応するレコードに、音声出力が所定の上限時間を越えて行われた旨のデータ(エラーデータ)を格納する(S63)。
【0041】
さらに、所定の上限時間を越えて出力された音声に開始情報が含まれていたか否かを調べ、含まれていた場合は(S65でYES)、データ変換部52による直後の周期のアナログ音声信号へのデータ変換に、開始データを含めさせる(S67)。
これにより、開始データに基づく音声(開始情報)を含む音声が、再度、直後の周期に於いて出力される。
【0042】
このように本システムは構成されている。
このため、操作入力装置20から開始データが入力された後は、GNSS受信機10から1PPS信号をトリガーとして時刻データと位置データが入力される毎に、同時又は直後に記録制御装置5のタイマ59が生成する基準パルスをトリガーとして番号データが生成され、番号データが生成されると、時刻データ及び位置データと併せて音声出力用のアナログ信号に変換されて音声出力されるとともに、時刻データ及び位置データに対応付けられて記憶装置60に保存される。記録制御装置5のタイマ59が生成する1秒間隔の基準パルスをトリガーとして音声出力やデータ保存が実行されるため、GNSS受信機10が出力する計測周期等のメーカー毎の仕様の差異に影響されることなく、番号情報と時刻情報及び位置情報の音声出力や、それらのデータ記録を行うことができる。
また、操作入力装置20から開始データが入力された直後は、開始情報を含めて上述の音声出力やデータ記録を行うことができる。
また、開始情報を含む音声出力開始が所定の上限時間を越えて行われた場合は、開始情報を、直後の音声出力の周期に於いて、再度、音声出力することができる。また、開始情報が遅れた旨のエラーデータを、当該遅れた時刻データに対応付けて記録できる。
また、GNSS受信機10から時刻データや位置データが取得されず、番号データが生成されない場合でも、そのタイミングで入力されたデータ(センサ70の検出データ、操作入力装置20から入力の各種のデータ、GNSS衛星のFIX状態を示すデータ等)が記憶装置60の所定の記憶領域61の当該タイミング用のレコードに保存される。
【0043】
ここで、本システムの概要を、要約して述べる。
GNSS(GPS)受信機10からは、1PPS信号に同期して、時刻データと位置データが出力されている。即ち、1PPS信号の出力時刻に於ける時刻情報(年月日・時分秒)と位置情報(緯度・経度情報)が、繰り返して出力されている。
番号データは、開始データが入力された後(入力時刻を含む入力時刻以降)の期間に於いて、時刻データと位置データが記録制御装置5へ入力される毎に、生成される。生成タイミングは、当該の記録制御装置5が生成する1秒間隔の基準パルスをトリガーとするタイミングである。換言すれば、メーカー毎に仕様が異なるGNSS受信機10側の計測周期には影響されないタイミングである。なお、基準パルスは、通常、GNSS受信機10からのデータが入力されるシステム(記録制御装置5が含まれるシステム)側の起動時に於いて、1PPS信号に同期をとられている。
音声出力用アナログ信号への変換対象は、番号データ及び当該番号データが基づく時刻データと位置データである。さらに、これらのデータに、これらのデータと同時的に開始データが入力された場合には、開始データが追加される。同時的とは、当該の1PPS信号の周期内という意味である。
開始データは、操作入力装置20からユーザ操作に基づいて入力される。操作入力装置20としては、例えば、キーボード、ゲーム機の操作装置(ゲームコントローラ,ジョイスティック)等の公知の操作入力装置を挙げることができる。
音声出力用アナログ信号への変換開始タイミングは、「番号データが生成された時」であるため、例えば、「記録制御装置5が生成する1秒間隔の基準パルスをトリガーとするタイミング」とも記述され得る。
音声出力の開始タイミングは、例えば、アナログ信号への変換完了時・毎である。
記憶装置60の所定の記憶領域61に格納されるデータは、番号データ及び当該番号データが基づく時刻データと位置データである。これらのデータに、これらのデータと同時的に開始データが入力された場合には、開始データが追加される。また、センサ70の検出データ、操作入力装置20から入力の各種のデータ、GNSS衛星のFIX状態を示すデータ等も格納される。
【符号の説明】
【0044】
10 GNSS受信機
20 操作入力装置
30(31,32,33,34,35,36) ビデオカメラ
40 音声ミキサー
50 制御装置
5 記録制御装置
51 番号生成手段(番号生成部)
52 データ変換手段(データ変換部)
53 データ制御手段(データ制御部)
54 時間監視手段(時間監視部)
58 音声出力手段(音声出力部)
59 タイマ(基準パルス発生手段)
60 記憶装置
61 所定の記憶領域(GPXフォーマットの拡張領域)
70 センサ(センサ群)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-09-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
GNSS衛星からの受信信号に基づく1PPS信号と時刻データと位置データをGNSS受信機から入力し、及び、2以上のビデオカメラを制御して、前記時刻データと位置データ及び前記各ビデオカメラの撮影映像の記録を制御する記録制御装置であって、
操作入力装置から記録開始を指示する開始データが入力されて記録停止を指示する停止データが入力されるまでの期間において、1PPS信号をトリガーとして前記GNSS受信機から当該の記録制御装置へ入力される時刻データ及び位置データの入力毎に、当該の記録制御装置が生成する1秒間隔の基準パルスをトリガーとして時刻順の番号データを生成する番号生成手段と、
前記番号生成手段により番号データが生成されると、当該番号データが基づく時刻データ及び位置データと併せて、音声出力用のアナログ信号に変換するデータ変換手段と、
前記データ変換手段から出力されるアナログ信号に従って音声を生成して前記2以上の各ビデオカメラの音声トラックへ出力する音声出力手段と、
前記1秒間隔の基準パルスをトリガーとして生成された番号データを、当該番号データが基づく時刻データ及び位置データと対応付けて、記憶装置の所定の記憶領域に格納するデータ制御手段と、
を有することを特徴とする記録制御装置。
【請求項2】
請求項1に於いて、
前記データ変換手段は、前記開始データを、当該開始データの入力時又は直後に前記記録制御装置へ入力された時刻データ及び位置データ、及び、当該時刻データ及び位置データに対応する番号データと併せて、音声出力用のアナログ信号に変換し、
前記データ制御手段は、前記開始データを、当該開始データの入力時又は直後に前記記録制御装置へ入力された時刻データ及び位置データ、及び、当該時刻データ及び位置データに対応する番号データと併せて、前記記憶装置の所定の記憶領域に格納する、
ことを特徴とする記録制御装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に於いて、
さらに、前記記録制御装置が生成する1秒間隔の基準パルスをトリガーとして生成された番号データを含むデータが、前記データ変換手段により音声出力用のアナログ信号に変換されて音声出力開始されるまでの経過時間を監視する時間監視手段、を有し、
前記データ制御手段は、前記経過時間が上限時間を越えた場合は、上限時間を越えた旨のデータを、前記記憶装置の所定の記憶領域の当該上限時間経過後に音声出力されたアナログ信号が基づく時刻データと位置データと番号データが属するレコードに格納する、
ことを特徴とする記録制御装置。
【請求項4】
請求項2に於いて、
さらに、前記記録制御装置が生成する1秒間隔の基準パルスをトリガーとして生成された番号データを含むデータが、前記データ変換手段により音声出力用のアナログ信号に変換されて音声出力開始されるまでの経過時間を監視する時間監視手段、を有し、
前記データ変換手段は、前記経過時間が上限時間を越えた場合で且つ当該上限時間経過後に音声出力されたアナログ信号が基づくデータが前記開始データを含む場合は、その直後に前記記録制御装置へ入力された時刻データ及び位置データ、及び、当該時刻データ及び位置データに対応して生成された番号データと併せて、前記開始データを音声出力用のアナログ信号に変換し、
前記データ制御手段は、前記経過時間が上限時間を越えた場合は、上限時間を越えた旨のデータを、前記記憶装置の所定の記憶領域の当該上限時間経過後に音声出力されたアナログ信号が基づく時刻データと位置データと番号データが属するレコードに格納する、
ことを特徴とする記録制御装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に於いて、
前記上限時間は、前記2以上のビデオカメラの撮影映像のフレームレートに基づいて設定された時間である、
ことを特徴とする記録制御装置。
【請求項6】
請求項3又は請求項4に於いて、
前記上限時間は、前記2以上のビデオカメラの撮影映像の最短のフレーム時間より短時間となるように設定された時間である、
ことを特徴とする記録制御装置。
【請求項7】
請求項1~請求項6の何れかに於いて、
前記データ制御手段は、さらに、前記1秒間隔の基準パルスをトリガーとして番号データが生成されるべきタイミングで当該の記録制御装置が外部から入力したデータを、前記記憶装置の所定の記憶領域の当該生成されるべきタイミングに対応する番号データと時刻データと位置データが記憶されるべきレコードに格納する、
ことを特徴とする記録制御装置。
【請求項8】
請求項7に於いて、
前記1秒間隔の基準パルスをトリガーとして番号データが生成されるべきタイミングで当該の記録制御装置が外部から入力したデータは、前記GNSS受信機から出力されるGNSS衛星のFIX状態を示すデータを含む、
ことを特徴とする記録制御装置。
【請求項9】
請求項7に於いて、
前記1秒間隔の基準パルスをトリガーとして番号データが生成されるべきタイミングで当該の記録制御装置が外部から入力したデータは、前記操作入力装置から入力された文字列データを含む、
ことを特徴とする記録制御装置。
【請求項10】
請求項1に於いて、
前記番号生成手段は、前記操作入力装置から記録停止を指示する停止データが入力された後は、前記番号データの生成を停止し、
前記データ変換手段は、前記停止データを音声出力用のアナログ信号に変換し、
前記データ制御手段は、前記停止データを前記記憶装置の所定の記憶領域に格納する、
ことを特徴とする記録制御装置。
【請求項11】
請求項10に於いて、
前記番号生成手段は、前記停止データの入力後に前記開始データが入力された後は、当該開始データの入力直前に生成された番号データより後の番号の番号データを、時刻データ及び位置データの入力毎に、時刻順に生成する、
ことを特徴とする記録制御装置。
【請求項12】
コンピュータを、請求項1~請求項11の何れかの記録制御装置として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
GNSS衛星から受信される信号に基づいて1PPS信号と時刻データと位置データを出力するGNSS受信機と、ユーザの指示を入力するための操作入力装置と、移動車両に搭載される2以上のビデオカメラとを有し、前記時刻データと位置データ、及び、前記各ビデオカメラの撮影映像を記録する記録システムであって、
前記操作入力装置から記録開始を指示する開始データが入力されて記録停止を指示する停止データが入力されるまでの期間において、1PPS信号をトリガーとして前記GNSS受信機から記録制御装置へ入力される時刻データ及び位置データの入力毎に、当該の記録制御装置が生成する1秒間隔の基準パルスをトリガーとして時刻順の番号データを生成する番号生成手段と、
前記番号生成手段により番号データが生成されると、当該番号データが基づく時刻データ及び位置データと併せて、音声出力用のアナログ信号に変換するデータ変換手段と、
前記データ変換手段から出力されるアナログ信号に従って音声を生成して前記2以上の各ビデオカメラの音声トラックへ出力する音声出力手段と、
前記1秒間隔の基準パルスをトリガーとして生成された番号データを、当該番号データが基づく時刻データ及び位置データと併せて、記憶装置の所定の記憶領域に格納するデータ制御手段と、
を有することを特徴とする記録システム。
【請求項14】
請求項13に於いて、
前記データ変換手段は、前記開始データを、当該開始データの入力時又は直後に前記記録制御装置へ入力された時刻データ及び位置データ、及び、当該時刻データ及び位置データに対応する番号データと併せて、音声出力用のアナログ信号に変換し、
前記データ制御手段は、前記開始データを、当該開始データの入力時又は直後に前記記録制御装置へ入力された時刻データ及び位置データ、及び、当該時刻データ及び位置データに対応する番号データと併せて、前記記憶装置の所定の記憶領域に格納する、
ことを特徴とする記録システム。
【請求項15】
請求項14に於いて、
さらに、前記記録制御装置が生成する1秒間隔の基準パルスをトリガーとして生成された番号データを含むデータが、前記データ変換手段により音声出力用のアナログ信号に変換されて音声出力開始されるまでの経過時間を監視する時間監視手段、を有し、
前記データ変換手段は、前記経過時間が上限時間を越えた場合で且つ当該上限時間経過後に音声出力されたアナログ信号が基づくデータが前記開始データを含む場合は、その直後に前記記録制御装置へ入力された時刻データ及び位置データ、及び、当該時刻データ及び位置データに対応して生成された番号データと併せて、前記開始データを音声出力用のアナログ信号に変換し、
前記データ制御手段は、前記経過時間が上限時間を越えた場合は、上限時間を越えた旨のデータを、前記記憶装置の所定の記憶領域の当該上限時間経過後に音声出力されたアナログ信号が基づく時刻データと位置データと番号データが属するレコードに格納する、
ことを特徴とする記録システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の例を、下記[1]~[15]に記す。なお、この項([課題を解決するための手段])と次項([発明の効果])に於いて、符号は理解を容易にするために付したものであり、本発明を符号の構成に限定する趣旨ではない。
[1]発明1
GNSS(GPS)衛星からの受信信号に基づく1PPS信号と時刻データと位置データをGNSS(GPS)受信機10から入力し、及び、2以上のビデオカメラ30を制御して、前記時刻データと位置データ及び前記各ビデオカメラ31,32,,の撮影映像の記録を制御する記録制御装置5であって、
操作入力装置20から記録開始を指示する開始データが入力されて記録停止を指示する停止データが入力されるまでの期間において、1PPS信号をトリガーとして前記GNSS受信機10から当該の記録制御装置5へ入力される時刻データ及び位置データの入力毎に、当該の記録制御装置が生成する1秒間隔の基準パルスをトリガーとして時刻順の番号データを生成する番号生成手段51と、
前記番号生成手段51により番号データが生成されると、当該番号データが基づく時刻データ及び位置データと併せて、音声出力用のアナログ信号に変換するデータ変換手段52と、
前記データ変換手段52から出力されるアナログ信号に従って音声を生成して前記2以上の各ビデオカメラ31,32,,の音声トラックへ出力する音声出力手段58と、
前記1秒間隔の基準パルスをトリガーとして生成された番号データを、当該番号データが基づく時刻データ及び位置データと対応付けて、記憶装置60の所定の記憶領域61に格納するデータ制御手段53と、
を有することを特徴とする記録制御装置。
[2]発明2
発明1に於いて、
前記データ変換手段52は、前記開始データを、当該開始データの入力時又は直後に前記記録制御装置5へ入力された時刻データ及び位置データ、及び、当該時刻データ及び位置データに対応する番号データと併せて、音声出力用のアナログ信号に変換し、
前記データ制御手段53は、前記開始データを、当該開始データの入力時又は直後に前記記録制御装置5へ入力された時刻データ及び位置データ、及び、当該時刻データ及び位置データに対応する番号データと併せて、前記記憶装置60の所定の記憶領域61に格納する、
ことを特徴とする記録制御装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
[9]発明9
発明7に於いて、
前記1秒間隔の基準パルスをトリガーとして番号データが生成されるべきタイミングで当該の記録制御装置が外部から入力したデータは、前記操作入力装置から入力された文字列データを含む、
ことを特徴とする記録制御装置。
[10]発明10
発明1に於いて、
前記番号生成手段51は、前記操作入力装置20から記録停止を指示する停止データが入力された後は、前記番号データの生成を停止し、
前記データ変換手段52は、前記停止データを音声出力用のアナログ信号に変換し、
前記データ制御手段53は、前記停止データを前記記憶装置60の所定の記憶領域61に格納する、
ことを特徴とする記録制御装置。
[11]発明11
発明10に於いて、
前記番号生成手段51は、前記停止データの入力後に前記開始データが入力された後は、当該開始データの入力直前に生成された番号データより後の番号の番号データを、時刻データ及び位置データの入力毎に、時刻順に生成する、
ことを特徴とする記録制御装置。
[12]発明12
コンピュータを、発明1~発明11の何れかの記録制御装置5として機能させるためのプログラム。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
[13]発明13
GNSS衛星から受信される信号に基づいて1PPS信号と時刻データと位置データを出力するGNSS受信機10と、ユーザの指示を入力するための操作入力装置20と、移動車両に搭載される2以上のビデオカメラ30とを有し、前記時刻データと位置データ、及び、前記各ビデオカメラ31,32,,の撮影映像を記録する記録システムであって、
前記操作入力装置20から記録開始を指示する開始データが入力されて記録停止を指示する停止データが入力されるまでの期間において、1PPS信号をトリガーとして前記GNSS受信機10から記録制御装置5へ入力される時刻データ及び位置データの入力毎に、当該の記録制御装置5が生成する1秒間隔の基準パルスをトリガーとして時刻順の番号データを生成する番号生成手段51と、
前記番号生成手段51により番号データが生成されると、当該番号データが基づく時刻データ及び位置データと併せて、音声出力用のアナログ信号に変換するデータ変換手段52と、
前記データ変換手段52から出力されるアナログ信号に従って音声を生成して前記2以上の各ビデオカメラ31,32,,の音声トラックへ出力する音声出力手段58と、
前記1秒間隔の基準パルスをトリガーとして生成された番号データを、当該番号データが基づく時刻データ及び位置データと併せて、記憶装置60の所定の記憶領域61に格納するデータ制御手段53と、
を有することを特徴とする記録システム。
[14]発明14
発明13に於いて、
前記データ変換手段52は、前記開始データを、当該開始データの入力時又は直後に前記記録制御装置5へ入力された時刻データ及び位置データ、及び、当該時刻データ及び位置データに対応する番号データと併せて、音声出力用のアナログ信号に変換し、
前記データ制御手段53は、前記開始データを、当該開始データの入力時又は直後に前記記録制御装置5へ入力された時刻データ及び位置データ、及び、当該時刻データ及び位置データに対応する番号データと併せて、前記記憶装置60の所定の記憶領域61に格納する、
ことを特徴とする記録システム。
[15]発明15
発明14に於いて、
さらに、前記記録制御装置5が生成する1秒間隔の基準パルスをトリガーとして生成された番号データを含むデータが、前記データ変換手段52により音声出力用のアナログ信号に変換されて音声出力開始されるまでの経過時間を監視する時間監視手段54を有し、
前記データ変換手段52は、前記経過時間が上限時間を越えた場合で且つ当該上限時間経過後に音声出力されたアナログ信号が基づくデータが前記開始データを含む場合は、その直後に前記記録制御装置5へ入力された時刻データ及び位置データ、及び、当該時刻データ及び位置データに対応して生成された番号データと併せて、前記開始データを音声出力用のアナログ信号に変換し、
前記データ制御手段53は、前記経過時間が上限時間を越えた場合は、上限時間を越えた旨のデータを、前記記憶装置60の所定の記憶領域61の当該上限時間経過後に音声出力されたアナログ信号が基づく時刻データと位置データと番号データが属するレコードに格納する、
ことを特徴とする記録システム。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
発明1や発明13では、ユーザから記録開始が指示されて記録停止を指示する停止データが入力されるまでの期間において、1PPS信号をトリガーとする時刻データ及び位置データの入力毎に、記録制御装置5が直後に生成した基準パルス(1秒間隔のパルス)をトリガーとして番号データが生成され、番号データが生成されると、時刻データ及び位置データと併せて音声出力用のアナログ信号に変換されて音声出力されるとともに、時刻データ及び位置データに対応付けられて記憶装置5に保存される。記録制御装置5が生成する1秒間隔の基準パルスをトリガーとして音声出力やデータ保存が実行されるため、GNSS受信機10の計測周期等のメーカー毎の仕様の差異に影響されることなく、番号情報・時刻情報・位置情報の音声出力及び当該番号情報・時刻情報・位置情報のデータ記録を行うことができる。
発明2や発明14では、ユーザからの記録開始を指示する開始データが、当該開始データの入力時刻に対応する時刻データ・位置データ・番号データとともに音声出力用のアナログ信号に変換されて音声出力されるとともに、時刻データ・位置データ・番号データに対応付けられて記憶装置5に保存される効果がある。
発明3では、音声出力用アナログ信号へ変換するデータ(番号データ・時刻データ・位置データ/開始データ・番号データ・時刻データ・位置データ)の、変換開始から音声出力開始までの所要時間が所定の上限時間を越えると、その旨が、記憶装置60の当該越えたデータを保存したレコードに保存される効果がある。
発明4や発明15では、音声出力用アナログ信号へ変換するデータ(開始データ・番号データ・時刻データ・位置データ)の、変換開始から音声出力開始までの所要時間が所定の上限時間を越えると、その直後に音声出力用アナログ信号へ変換するデータ(番号データ・時刻データ・位置データ)に開始データが追加され、開始データ・番号データ・時刻データ・位置データがアナログ信号に変換されて音声出力される。即ち、開始データを含む音声が、再度、出力される効果がある。また、上限時間を越えた旨が、記憶装置5の当該越えたデータを保存したレコードに保存される効果がある。
発明7や発明8では、時刻データや位置データが取得されず、番号データが生成されない場合でも、そのタイミングで入力されたデータ(センサ70の検出データ、操作入力装置20からの指示データ、GNSS衛星のFIX状態を示すデータ、等)が記憶装置60の所定の記憶領域61の当該タイミング用のレコードに保存される効果がある。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
また、番号データが生成されると、当該番号データが基づく時刻データ及び位置データと併せて、音声出力用のアナログ信号に変換される(データ変換部52)。なお、開始指示(START)又は停止指示(STOP)が入力された場合は、開始データ又は停止データも併せて、音声出力用のアナログ信号に変換される。なお、停止データは、図4に示すように音声出力等を一旦停止するためのデータであるから、停止データの入力後に開始データが入力された場合は、番号データとしては、停止データの入力前の最終の番号の後の番号(例えば、次の番号)から付すように設定することができる。