(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022145135
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】パワーコンディショナシステム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/35 20060101AFI20220926BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
H02J7/35 K
H02J7/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021046419
(22)【出願日】2021-03-19
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】百瀬 敏成
(72)【発明者】
【氏名】秋岡 尚克
(72)【発明者】
【氏名】山本 明日香
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503AA05
5G503AA06
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA01
5G503CA11
5G503EA08
5G503GB01
5G503GB06
5G503GD04
(57)【要約】
【課題】太陽光発電装置と充放電装置とが接続されるパワーコンディショナから電力線へ電力を供給する場合であっても、太陽光発電装置から供給される電力と充放電装置から供給される電力とを区別して測定できるパワーコンディショナシステムを提供する。
【解決手段】パワーコンディショナシステムであって、電力線2の上流側に電力系統1への接続箇所が設けられ、電力系統1への接続箇所から下流側に向かって、電力線2の途中に、第1電力メーター3と、第1接続箇所P1と、第2電力メーター4と、第2接続箇所P2とがその並び順で設けられ、充放電装置7から電力線2への、パワーコンディショナ回路部11を介した充放電装置7の放電電力の供給状態に応じて、電力線2に対するパワーコンディショナ回路部11の接続箇所を第1接続箇所P1及び第2接続箇所P2の何れか一方に切り替える接続切替装置SWを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光発電装置と充放電装置とが接続されるパワーコンディショナ回路部とその動作を制御するパワーコンディショナ制御部とを備え、前記パワーコンディショナ回路部が電力系統に連系される電力線に接続されるパワーコンディショナを備えるパワーコンディショナシステムであって、
前記電力線の上流側に前記電力系統への接続箇所が設けられ、前記電力系統への接続箇所から下流側に向かって、前記電力線の途中に、第1電力メーターと、第1接続箇所と、第2電力メーターと、第2接続箇所とがその並び順で設けられ、
前記充放電装置から前記電力線への、前記パワーコンディショナ回路部を介した前記充放電装置の放電電力の供給状態に応じて、前記電力線に対する前記パワーコンディショナ回路部の接続箇所を前記第1接続箇所及び前記第2接続箇所の何れか一方に切り替える接続切替装置を備えるパワーコンディショナシステム。
【請求項2】
前記接続切替装置は、前記パワーコンディショナ回路部が前記充放電装置の放電電力を前記電力線に出力する場合には前記パワーコンディショナ回路部を前記第2接続箇所に接続するように構成される請求項1に記載のパワーコンディショナシステム。
【請求項3】
前記接続切替装置は、前記パワーコンディショナ回路部が前記充放電装置の放電電力を前記電力線に出力し、且つ、前記電力線から前記電力系統への電力の逆潮流が発生している場合には前記パワーコンディショナ回路部を前記第2接続箇所に接続し、
前記パワーコンディショナ回路部が前記充放電装置の放電電力を前記電力線に出力していても前記電力線から前記電力系統への電力の逆潮流が発生していない場合には前記パワーコンディショナ回路部を前記第1接続箇所に接続するように構成される請求項1に記載のパワーコンディショナシステム。
【請求項4】
前記接続切替装置は、前記パワーコンディショナ回路部が、前記太陽光発電装置の発電電力より大きい電力を前記充放電装置へ充電する場合には前記パワーコンディショナ回路部を前記第2接続箇所に接続し、
前記パワーコンディショナ回路部が、前記太陽光発電装置の発電電力以下の電力を前記充放電装置へ充電する場合には前記パワーコンディショナ回路部を前記第1接続箇所に接続する請求項1~3の何れか一項に記載のパワーコンディショナシステム。
【請求項5】
前記パワーコンディショナは、前記電力系統から前記電力線への電力供給が正常に行われている正常状態の場合、前記パワーコンディショナ回路部を、前記電力系統に対して電気的に接続された状態で、前記第1接続箇所又は前記第2接続箇所に接続される連系接続線に対して接続し、前記電力系統から前記電力線への電力供給が正常に行われていない異常状態の場合、前記パワーコンディショナ回路部を、前記電力系統に対して電気的に接続されない状態で、前記電力線の途中の、前記第2接続箇所よりも下流側の第3接続箇所に接続される自立接続線に対して接続し、
前記接続切替装置は、前記電力線に対する前記連系接続線の接続箇所を前記第1接続箇所及び前記第2接続箇所の何れか一方に切り替える請求項1~4の何れか一項に記載のパワーコンディショナシステム。
【請求項6】
前記接続切替装置は、
前記電力系統から前記電力線への電力供給が正常に行われている正常状態の場合、前記パワーコンディショナ回路部を、前記電力系統に対して電気的に接続された状態で、前記電力線の前記第1接続箇所に接続される連系接続線及び前記電力線の前記第2接続箇所に接続される自立接続線の何れか一方に接続し、
前記電力系統から前記電力線への電力供給が正常に行われていない異常状態の場合、前記電力系統に対して電気的に接続されない状態で、前記パワーコンディショナ回路部を、前記電力線の前記第2接続箇所に接続される自立接続線に対して接続する請求項1~4の何れか一項に記載のパワーコンディショナシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電装置と充放電装置とが接続されるパワーコンディショナ回路部とその動作を制御するパワーコンディショナ制御部とを備え、パワーコンディショナ回路部が電力系統に連系される電力線に接続されるパワーコンディショナを備えるパワーコンディショナシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電力系統に連系される電力線に複数の電源装置が接続されている場合、それら複数の電源装置の両方から同時に電力系統へ電力が逆潮流する場合がある。その場合、複数の電力メーターを用いて、複数の電源装置のそれぞれの逆潮流電力を特定することが行われる。例えば、特許文献1(特開2020-137209号公報)には、電力系統に連系される電力線に設けられる複数の電力計を併用することで、複数の発電装置のそれぞれから電力系統へと逆潮流する電力を正確に知ることを目的とした分散型電源システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、複数の電源装置が、電力系統に連系される電力線に対して各別に接続される構成だけではなく、複数の電源装置が一つのパワーコンディショナによって電力系統に連系される電力線に接続される構成も記載されている。具体的には、特許文献1には、太陽光発電装置と充放電装置とが接続されるパワーコンディショナが、電力系統に連系される電力線に接続される構成も記載されている。このような構成の場合、パワーコンディショナに接続される太陽光発電装置及び充放電装置のそれぞれから電力系統へと逆潮流する電力を知るための電力メーター(即ち、差分計量計)を設ける場所が無い、即ち、太陽光発電装置から供給される電力及び充放電装置から供給される電力を電力メーターによって区別して計測できないという問題がある。そのため、例えば太陽光発電装置から供給される電力を電力系統へ逆潮流させることはできるが、充放電装置から供給される電力を電力系統へ逆潮流させることはできないといった制限を受ける。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、太陽光発電装置と充放電装置とが接続されるパワーコンディショナから電力線へ電力を供給する場合であっても、太陽光発電装置から供給される電力と充放電装置から供給される電力とを区別して測定できるパワーコンディショナシステムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明に係るパワーコンディショナシステムの特徴構成は、太陽光発電装置と充放電装置とが接続されるパワーコンディショナ回路部とその動作を制御するパワーコンディショナ制御部とを備え、前記パワーコンディショナ回路部が電力系統に連系される電力線に接続されるパワーコンディショナを備えるパワーコンディショナシステムであって、
前記電力線の上流側に前記電力系統への接続箇所が設けられ、前記電力系統への接続箇所から下流側に向かって、前記電力線の途中に、第1電力メーターと、第1接続箇所と、第2電力メーターと、第2接続箇所とがその並び順で設けられ、
前記充放電装置から前記電力線への、前記パワーコンディショナ回路部を介した前記充放電装置の放電電力の供給状態に応じて、前記電力線に対する前記パワーコンディショナ回路部の接続箇所を前記第1接続箇所及び前記第2接続箇所の何れか一方に切り替える接続切替装置を備える点にある。
【0007】
ここで、前記接続切替装置は、前記パワーコンディショナ回路部が前記充放電装置の放電電力を前記電力線に出力する場合には前記パワーコンディショナ回路部を前記第2接続箇所に接続するように構成できる。
【0008】
また、前記接続切替装置は、前記パワーコンディショナ回路部が前記充放電装置の放電電力を前記電力線に出力し、且つ、前記電力線から前記電力系統への電力の逆潮流が発生している場合には前記パワーコンディショナ回路部を前記第2接続箇所に接続し、前記パワーコンディショナ回路部が前記充放電装置の放電電力を前記電力線に出力していても前記電力線から前記電力系統への電力の逆潮流が発生していない場合には前記パワーコンディショナ回路部を前記第1接続箇所に接続するように構成できる。
【0009】
上記特徴構成によれば、接続切替装置がパワーコンディショナを第1接続箇所に接続した場合、即ち、接続切替装置がパワーコンディショナを第1電力メーターと第2電力メーターとの間の電力線に接続した場合、パワーコンディショナから電力系統に逆潮流される電力は第1電力メーターで測定されるが、第2電力メーターでは測定されない。また、接続切替装置がパワーコンディショナを第2接続箇所に接続した場合、即ち、接続切替装置がパワーコンディショナを第2電力メーターよりも下流側の電力線に接続した場合、パワーコンディショナから電力系統に逆潮流される電力は第2電力メーターで測定できる。このように、接続切替装置が、電力線に対するパワーコンディショナ回路部の接続箇所を第1接続箇所及び第2接続箇所の何れか一方に切り替える構成を採用することで、太陽光発電装置の電力を電力系統に逆潮流させる場合にはパワーコンディショナを第1接続箇所に接続し、充放電装置の電力を電力系統に逆潮流させる場合にはパワーコンディショナを第2接続箇所に接続するなどの切り替えを行うことができる。
従って、太陽光発電装置と充放電装置とが接続されるパワーコンディショナから電力線へ電力を供給する場合であっても、太陽光発電装置から供給される電力と充放電装置から供給される電力とを区別して測定できるパワーコンディショナシステムを提供できる。
【0010】
本発明に係るパワーコンディショナシステムの更に別の特徴構成は、前記接続切替装置は、前記パワーコンディショナ回路部が、前記太陽光発電装置の発電電力より大きい電力を前記充放電装置へ充電する場合には前記パワーコンディショナ回路部を前記第2接続箇所に接続し、前記パワーコンディショナ回路部が、前記太陽光発電装置の発電電力以下の電力を前記充放電装置へ充電する場合には前記パワーコンディショナ回路部を前記第1接続箇所に接続する点にある。
【0011】
上記特徴構成によれば、充放電装置が充電する電力に太陽光発電装置を起源とする電力のみが含まれる場合にはパワーコンディショナ回路部を第1接続箇所に接続でき、充放電装置が充電する電力に太陽光発電装置を起源とする電力以外の電力が含まれる場合にはパワーコンディショナ回路部を第2接続箇所に接続できる。
【0012】
本発明に係るパワーコンディショナシステムの更に別の特徴構成は、前記パワーコンディショナは、前記電力系統から前記電力線への電力供給が正常に行われている正常状態の場合、前記パワーコンディショナ回路部を、前記電力系統に対して電気的に接続された状態で、前記第1接続箇所又は前記第2接続箇所に接続される連系接続線に対して接続し、前記電力系統から前記電力線への電力供給が正常に行われていない異常状態の場合、前記パワーコンディショナ回路部を、前記電力系統に対して電気的に接続されない状態で、前記電力線の途中の、前記第2接続箇所よりも下流側の第3接続箇所に接続される自立接続線に対して接続し、前記接続切替装置は、前記電力線に対する前記連系接続線の接続箇所を前記第1接続箇所及び前記第2接続箇所の何れか一方に切り替える点にある。
【0013】
上記特徴構成によれば、接続切替装置は、パワーコンディショナ回路部を、電力系統に対して電気的に接続された状態で、電力線の第1接続箇所又は第2接続箇所に接続される連系接続線に接続できる。その結果、連系接続線が接続される第1接続箇所又は第2接続箇所を介して、パワーコンディショナ回路部から電力系統へ電力を逆潮流させることができる。また、接続切替装置は、パワーコンディショナ回路部を、電力系統に対して電気的に接続されない状態で、電力線の第3接続箇所に接続される自立接続線に接続できる。その結果、自立接続線を介して、パワーコンディショナ回路部から電力線の第3接続箇所へ電力を供給させることができる。
【0014】
本発明に係るパワーコンディショナシステムの更に別の特徴構成は、前記接続切替装置は、前記電力系統から前記電力線への電力供給が正常に行われている正常状態の場合、前記パワーコンディショナ回路部を、前記電力系統に対して電気的に接続された状態で、前記電力線の前記第1接続箇所に接続される連系接続線及び前記電力線の前記第2接続箇所に接続される自立接続線の何れか一方に接続し、前記電力系統から前記電力線への電力供給が正常に行われていない異常状態の場合、前記電力系統に対して電気的に接続されない状態で、前記パワーコンディショナ回路部を、前記電力線の前記第2接続箇所に接続される自立接続線に対して接続する点にある。
【0015】
上記特徴構成によれば、接続切替装置は、パワーコンディショナ回路部を、電力系統に対して電気的に接続された状態で、電力線の第1接続箇所に接続される連系接続線と、電力線の第2接続箇所に接続される自立接続線とに接続できる。その結果、連系接続線又は自立接続線を介して、パワーコンディショナ回路部から電力系統へ電力を逆潮流させることができる。また、接続切替装置は、パワーコンディショナ回路部を、電力系統に対して電気的に接続されない状態で、電力線の第2接続箇所に接続される自立接続線に接続できる。その結果、自立接続線を介して、パワーコンディショナ回路部から電力線の第2接続箇所へ電力を供給させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1実施形態のパワーコンディショナシステムが設けられる電源システムの構成を示す図である。
【
図2】第1実施形態のパワーコンディショナシステムが設けられる電源システムの構成を示す図である。
【
図3】第1実施形態のパワーコンディショナシステムが設けられる電源システムの構成を示す図である。
【
図4】第3実施形態のパワーコンディショナシステムが設けられる電源システムの構成を示す図である。
【
図5】第3実施形態のパワーコンディショナシステムが設けられる電源システムの構成を示す図である。
【
図6】第3実施形態のパワーコンディショナシステムが設けられる電源システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1実施形態>
以下に図面を参照して本発明の第1実施形態に係るパワーコンディショナシステムが設けられる電源システムについて説明する。
図1~
図3は、第1実施形態のパワーコンディショナシステムが設けられる電源システムの構成を示す図である。
図1~
図3において、電力供給が行われている箇所を太線で示している。
【0018】
図示するように、パワーコンディショナシステムは、パワーコンディショナ10と接続切替装置SWとを備える。パワーコンディショナ10は、太陽光発電装置8と充放電装置7とが接続されるパワーコンディショナ回路部11とその動作を制御するパワーコンディショナ制御部12とを備え、パワーコンディショナ回路部11は電力系統1に連系される電力線2に接続される。パワーコンディショナ回路部11は、半導体スイッチング素子等を用いて構成されるDC/DC変換回路やDC/AC変換回路などの電気回路を有する。太陽光発電装置8は、太陽光を受光して発電する装置であり、パワーコンディショナ回路部11に接続される。充放電装置7は、蓄電池等の充放電部で蓄えている電力の放電及び充放電部への電力の充電を行うことができる装置であり、パワーコンディショナ回路部11に接続される。
【0019】
電力線2の上流側に電力系統1への接続箇所が設けられ、電力系統1への接続箇所から下流側に向かって、電力線2の途中に、第1電力メーター3と、第1接続箇所P1と、第2電力メーター4と、第2接続箇所P2と、第3接続箇所P3と、第4接続箇所P4とがその並び順で設けられている。
【0020】
パワーコンディショナ10は、太陽光発電装置8の発電電力を電力線2に出力させる動作や、充放電装置7を充放電させる動作などを制御する。パワーコンディショナ10は、例えば最大電力追従制御などにより太陽光発電装置8の発電電力を制御して、その発電電力を電力線2に供給できる。他にも、パワーコンディショナ10は、太陽光発電装置8の発電電力の一部又は全部を充放電装置7に充電させてもよい。また、パワーコンディショナ10は、電力線2から受電した電力を充放電装置7に充電させることもできる。
【0021】
第4接続箇所P4には燃料電池装置6及び電力負荷装置5が接続される。燃料電池装置6は、例えば固体酸化物形燃料電池(SOFC)や固体高分子形燃料電池(PEFC)など燃料電池部及びその燃料電池部の動作を制御する燃料電池制御部等を有する。また、燃料電池装置6は、燃料電池部で発生した電力を、所望の電圧、周波数、位相の電力に変換して電力線2の第4接続箇所P4に出力するための電力変換部を有する。尚、燃料電池装置6は、燃料電池部に供給する燃料ガスとしての水素等を改質処理により生成する燃料改質器などを備えていてもよい。
【0022】
燃料電池装置6は、負荷追従運転及び一定出力運転などの運転を行うことができる。例えば、燃料電池装置6は、負荷追従運転を行う場合、電力測定部18で測定される電力がゼロになるように電力線2への出力電力を調節する。また、燃料電池装置6は、一定出力運転を行う場合、所定の出力電力を電力線2に供給する。燃料電池装置6が一定出力運転を行う場合、燃料電池装置6から電力線2の第4接続箇所P4に供給される電力が、電力負荷装置5の消費電力よりも大きければ、その余剰電力が第4接続箇所P4から上流の切替スイッチ17の方に向かって供給される。それに対して、燃料電池装置6から電力線2の第4接続箇所P4に供給される電力が、電力負荷装置5の消費電力よりも小さければ、その不足電力が切替スイッチ17から第4接続箇所P4に向かって供給される。
【0023】
加えて、パワーコンディショナ10は、切替スイッチ14を備える。この切替スイッチ14は、パワーコンディショナ10を、切替部20及び電力線2の第3接続箇所P3に設けられている切替スイッチ17の何れかに接続するように切り替える。具体的には、切替スイッチ14の接点aはパワーコンディショナ回路部11に接続され、切替スイッチ14の接点bは連系接続線15を介して切替部20の切替スイッチ21の接点aに接続され、切替スイッチ14の接点cは自立接続線16を介して電力線2の第3接続箇所P3に設けられている切替スイッチ17の接点bに接続される。
【0024】
切替部20は、切替スイッチ21とその動作を制御する駆動回路22とを備える。切替スイッチ21の接点aは連系接続線15を介してパワーコンディショナ10の切替スイッチ14の接点bに接続され、切替スイッチ21の接点bは電力線2の第1接続箇所P1に接続され、切替スイッチ21の接点cは電力線2の第2接続箇所P2に接続される。駆動回路22は、パワーコンディショナ制御部12からの指示に応じて切替スイッチ21の動作を制御する。
【0025】
パワーコンディショナ制御部12は、電圧測定部23で測定される電圧が所定の下限電圧以上である場合、電力系統1から電力線2への電力供給が正常に行われている正常状態であると判定して、
図1及び
図2に示すように、切替スイッチ14を接点aと接点bとが接続される状態に切り替えることで、パワーコンディショナ回路部11を連系接続線15に接続する。加えて、パワーコンディショナ制御部12は、正常状態の場合、切替スイッチ17を接点aと接点cとが接続される状態に切り替える。
【0026】
また、パワーコンディショナ制御部12は、電圧測定部23で測定される電圧が下限電圧よりも低い場合、電力系統1から電力線2への電力供給が正常に行われていない異常状態であると判定して、
図3に示すように、切替スイッチ14を接点aと接点cとが接続される状態に切り替えることで、パワーコンディショナ回路部11を自立接続線16に接続する。加えて、パワーコンディショナ制御部12は、異常状態の場合、切替スイッチ17を接点aと接点bとが接続される状態に切り替える。
【0027】
このように、パワーコンディショナ10は、電力系統1から電力線2への電力供給が正常に行われている正常状態の場合、パワーコンディショナ回路部11を、電力系統1に対して電気的に接続された状態で、第1接続箇所P1又は第2接続箇所P2に接続される連系接続線15に対して接続し、電力系統1から電力線2への電力供給が正常に行われていない異常状態の場合、パワーコンディショナ回路部11を、電力系統1に対して電気的に接続されない状態で、電力線2の途中の、第2接続箇所P2よりも下流側の第3接続箇所P3に接続される自立接続線16に対して接続し、接続切替装置SWは、電力線2に対する連系接続線15の接続箇所を第1接続箇所P1及び第2接続箇所P2の何れか一方に切り替えるように構成されている。
【0028】
切替部20の切替スイッチ21とパワーコンディショナ10の切替スイッチ14とで、本発明の接続切替装置SWが実現される。接続切替装置SWは、充放電装置7から電力線2への、パワーコンディショナ回路部11を介した充放電装置7の放電電力の供給状態に応じて、電力線2に対するパワーコンディショナ回路部11の接続箇所を第1接続箇所P1及び第2接続箇所P2の何れか一方に切り替える。
図1は、電力線2に対するパワーコンディショナ回路部11の接続箇所が第1接続箇所P1に切り替えられている状態を示す。
図2は、電力線2に対するパワーコンディショナ回路部11の接続箇所が第2接続箇所P2に切り替えられている状態を示す。接続切替装置SWの動作はパワーコンディショナ制御部12が制御する。
【0029】
〔放電時(正常状態)〕
接続切替装置SWは、正常状態において、パワーコンディショナ回路部11が充放電装置7の放電電力を電力線2に出力する場合にはパワーコンディショナ回路部11を第2接続箇所P2に接続する。具体的には、パワーコンディショナ制御部12には、電力測定部19で測定できる、充放電装置7への充放電電力についての情報が伝達される。そして、パワーコンディショナ制御部12は、正常状態において、充放電装置7の放電電力の符号がプラスである場合、
図2に示すように、接続切替装置SWとしての切替スイッチ14は接点aと接点bとが接続される状態に切り替わり、接続切替装置SWとしての切替スイッチ21は接点aと接点cとが接続される状態に切り替わる。
【0030】
〔充電時(正常状態)〕
接続切替装置SWは、正常状態において、パワーコンディショナ回路部11が、太陽光発電装置8の発電電力より大きい電力を充放電装置7へ充電する場合にはパワーコンディショナ回路部11を第2接続箇所P2に接続し、パワーコンディショナ回路部11が、太陽光発電装置8の発電電力以下の電力を充放電装置7へ充電する場合にはパワーコンディショナ回路部11を第1接続箇所P1に接続する。
【0031】
具体的には、パワーコンディショナ制御部12には、電力測定部19で測定できる、充放電装置7への充放電電力についての情報と、電力測定部24で測定できる、太陽光発電装置8の発電電力についての情報とが伝達される。そして、パワーコンディショナ制御部12は、正常状態において、充放電装置7の充電電力が太陽光発電装置8の発電電力より大きい場合、
図2に示すように、接続切替装置SWとしての切替スイッチ14は接点aと接点bとが接続される状態に切り替わり、接続切替装置SWとしての切替スイッチ21は接点aと接点cとが接続される状態に切り替わる。また、パワーコンディショナ制御部12は、充放電装置7の充電電力が太陽光発電装置8の発電電力以下である場合、
図1に示すように、接続切替装置SWとしての切替スイッチ14は接点aと接点bとが接続される状態に切り替わり、接続切替装置SWとしての切替スイッチ21は接点aと接点bとが接続される状態に切り替わる。
【0032】
以上のように、接続切替装置SWがパワーコンディショナ10を第1接続箇所P1に接続した場合、即ち、接続切替装置SWがパワーコンディショナ10を第1電力メーター3と第2電力メーター4との間の電力線2に接続した場合、パワーコンディショナ10から電力系統1に逆潮流される電力は第1電力メーター3で測定されるが、第2電力メーター4では測定されない。また、接続切替装置SWがパワーコンディショナ10を第2接続箇所P2に接続した場合、即ち、接続切替装置SWがパワーコンディショナ10を第2電力メーター4よりも下流側の電力線2に接続した場合、パワーコンディショナ10から電力系統1に逆潮流される電力は第2電力メーター4で測定できる。このように、接続切替装置SWが、電力線2に対するパワーコンディショナ回路部11の接続箇所を第1接続箇所P1及び第2接続箇所P2の何れか一方に切り替える構成を採用することで、太陽光発電装置8の電力を電力系統1に逆潮流させる場合にはパワーコンディショナ10を第1接続箇所P1に接続し、充放電装置7の電力を電力系統1に逆潮流させる場合にはパワーコンディショナ10を第2接続箇所P2に接続するなどの切り替えを行うことができる。
【0033】
<第2実施形態>
第2実施形態のパワーコンディショナシステムは、充放電装置7の放電時の動作が上記実施形態と異なっている。以下に第2実施形態のパワーコンディショナシステムについて説明するが、上記実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0034】
本実施形態では、接続切替装置SWは、正常状態において、パワーコンディショナ回路部11が充放電装置7の放電電力を電力線2に出力し、且つ、電力線2から電力系統1への電力の逆潮流が発生している場合には、
図2に示すようにパワーコンディショナ回路部11を第2接続箇所P2に接続し、パワーコンディショナ回路部11が充放電装置7の放電電力を電力線2に出力していても電力線2から電力系統1への電力の逆潮流が発生していない場合には、
図1に示すようにパワーコンディショナ回路部11を第1接続箇所P1に接続するように構成される。
【0035】
例えば、パワーコンディショナ制御部12は、電力線2の第1接続箇所P1よりも上流側に設けられた電力測定部9で測定される電力を参照することで、電力線2から電力系統1への電力の逆潮流が発生しているか否かを判定できる。そして、パワーコンディショナ制御部12は、電力線2から電力系統1への電力の逆潮流が発生しているか否か、及び、充放電装置7の放電電力を電力線2に出力しているか否かに基づいて、パワーコンディショナ回路部11を第1接続箇所P1に接続するか又は第2接続箇所P2に接続するかを決定できる
【0036】
<第3実施形態>
第3実施形態のパワーコンディショナシステムは、接続切替装置SWの構成が上記実施形態と異なっている。以下に第3実施形態のパワーコンディショナシステムについて説明するが、上記実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0037】
図4~
図6は、第3実施形態のパワーコンディショナシステムが設けられる電源システムの構成を示す図である。尚、
図4~
図6において、電力供給が行われている箇所を太線で示している。
【0038】
図4~
図6に示すように、電力線2の上流側に電力系統1への接続箇所が設けられ、電力系統1への接続箇所から下流側に向かって、電力線2の途中に、第1電力メーター3と、第1接続箇所P1と、第2電力メーター4と、切替部30と、第2接続箇所P2と、第3接続箇所P3とがその並び順で設けられている。
【0039】
パワーコンディショナ10は、切替スイッチ14を備える。この切替スイッチ14は、パワーコンディショナ10を、第1接続箇所P1及び第2接続箇所P2の何れかに接続するように切り替える。具体的には、切替スイッチ14の接点aはパワーコンディショナ回路部11に接続され、切替スイッチ14の接点bは連系接続線15を介して電力線2の第1接続箇所P1に接続され、切替スイッチ14の接点cは自立接続線16を介して電力線2の第2接続箇所P2に接続される。
【0040】
切替部30は、切替スイッチ31とその動作を制御する駆動回路32とを備える。切替スイッチ31は電力線2の途中に介装され、接続状態にある場合には電力線2の上流側と下流側とを導通させ、非接続状態にある場合には電力線2の上流側と下流側とを絶縁させる。駆動回路32は、パワーコンディショナ制御部12からの指示に応じて切替スイッチ31の動作を制御する。
【0041】
パワーコンディショナ制御部12は、電圧測定部33で測定される電圧が所定の下限電圧以上である場合、電力系統1から電力線2への電力供給が正常に行われている正常状態であると判定して、
図4に示す例では、切替スイッチ14を接点aと接点bとが接続される状態に切り替えることで、パワーコンディショナ回路部11を連系接続線15に接続し、切替スイッチ31を接続状態にさせる。また、パワーコンディショナ制御部12は、正常状態であると判定している場合、
図5に示す例では、切替スイッチ14を接点aと接点cとが接続される状態に切り替えることで、パワーコンディショナ回路部11を自立接続線16に接続し、切替スイッチ31を接続状態にさせる。
【0042】
また、パワーコンディショナ制御部12は、電圧測定部33で測定される電圧が下限電圧よりも低い場合、電力系統1から電力線2への電力供給が正常に行われていない異常状態であると判定して、
図6に示す例では、切替スイッチ14を接点aと接点cとが接続される状態に切り替えることで、パワーコンディショナ回路部11を自立接続線16に接続し、切替スイッチ31を非接続状態にさせる。
【0043】
パワーコンディショナ10の切替スイッチ14で、本発明の接続切替装置SWが実現される。接続切替装置SWは、充放電装置7から電力線2への、パワーコンディショナ回路部11を介した充放電装置7の放電電力の供給状態に応じて、電力線2に対するパワーコンディショナ回路部11の接続箇所を第1接続箇所P1及び第2接続箇所P2の何れか一方に切り替える。
図4は、電力線2に対するパワーコンディショナ回路部11の接続箇所が第1接続箇所P1に切り替えられている状態を示す。
図5は、電力線2に対するパワーコンディショナ回路部11の接続箇所が第2接続箇所P2に切り替えられている状態を示す。接続切替装置SWの動作はパワーコンディショナ制御部12が制御する。
【0044】
つまり、接続切替装置SWとしての切替スイッチ14は、電力系統1から電力線2への電力供給が正常に行われている正常状態の場合、パワーコンディショナ回路部11を、電力系統1に対して電気的に接続された状態で、電力線2の第1接続箇所P1に接続される連系接続線15及び電力線2の第2接続箇所P2に接続される自立接続線16の何れか一方に接続し、電力系統1から電力線2への電力供給が正常に行われていない異常状態の場合、電力系統1に対して電気的に接続されない状態で、パワーコンディショナ回路部11を、電力線2の第2接続箇所P2に接続される自立接続線16に対して接続する。
【0045】
〔放電時(正常状態)〕
接続切替装置SWは、パワーコンディショナ回路部11が充放電装置7の放電電力を電力線2に出力する場合にはパワーコンディショナ回路部11を第2接続箇所P2に接続する。具体的には、パワーコンディショナ制御部12には、電力測定部19で測定できる、充放電装置7への充放電電力についての情報が伝達される。そして、パワーコンディショナ制御部12は、充放電装置7の放電電力の符号がプラスである場合、
図5に示すように、接続切替装置SWとしての切替スイッチ14は接点aと接点cとが接続される状態に切り替わる。
【0046】
〔充電時(正常状態)〕
接続切替装置SWは、パワーコンディショナ回路部11が太陽光発電装置8の発電電力より大きい電力を充放電装置7へ充電する場合には、パワーコンディショナ回路部11を第2接続箇所P2に接続し、パワーコンディショナ回路部11が太陽光発電装置8の発電電力以下の電力を充放電装置7へ充電する場合には、パワーコンディショナ回路部11を第1接続箇所P1に接続する。
【0047】
具体的には、パワーコンディショナ制御部12には、電力測定部19で測定できる、充放電装置7への充放電電力についての情報と、電力測定部24で測定できる、太陽光発電装置8の発電電力についての情報とが伝達される。そして、パワーコンディショナ制御部12は、充放電装置7の充電電力が太陽光発電装置8の発電電力より大きい場合、
図5に示すように、接続切替装置SWとしての切替スイッチ14は接点aと接点cとが接続される状態に切り替わる。また、パワーコンディショナ制御部12は、充放電装置7の充電電力が太陽光発電装置8の発電電力以下である場合、
図4に示すように、接続切替装置SWとしての切替スイッチ14は接点aと接点bとが接続される状態に切り替わる。
【0048】
<別実施形態>
<1>
上記実施形態では、パワーコンディショナ10及び電源システムの構成について具体例を挙げて説明したが、それらの構成は適宜変更可能である。
例えば、電源システムが燃料電池装置6を備えている構成を例示したが、他の種類の発電装置を備えていてもよい。
【0049】
<2>
上記実施形態では、電力線2への電力供給が正常に行われていない異常状態である場合に燃料電池装置6とパワーコンディショナ回路部11とを接続するための構成は適宜変更可能である。例えば、燃料電池装置6をパワーコンディショナ回路部11に直接接続できる接続線を別途設け、異常状態の場合にその接続線を用いてそれらを電気的に接続してもよい。
【0050】
<3>
上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用でき、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変できる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、太陽光発電装置と充放電装置とが接続されるパワーコンディショナから電力線へ電力を供給する場合であっても、太陽光発電装置から供給される電力と充放電装置から供給される電力とを区別して測定できるパワーコンディショナシステムに利用できる。
【符号の説明】
【0052】
1 電力系統
2 電力線
3 第1電力メーター
4 第2電力メーター
7 充放電装置
8 太陽光発電装置
10 パワーコンディショナ
11 パワーコンディショナ回路部
12 パワーコンディショナ制御部
15 連系接続線
16 自立接続線
P1 第1接続箇所
P2 第2接続箇所
P3 第3接続箇所
SW 接続切替装置