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特開2022-151118印刷物作成装置及び印刷物作成プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022151118
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】印刷物作成装置及び印刷物作成プログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 3/36 20060101AFI20220929BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20220929BHJP
   B41J 2/32 20060101ALI20220929BHJP
   B41J 11/70 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
B41J3/36 T
B41J29/38 206
B41J2/32 Z
B41J11/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021054037
(22)【出願日】2021-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】特許業務法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 詠梨
【テーマコード(参考)】
2C055
2C058
2C061
2C065
【Fターム(参考)】
2C055CC00
2C055CC01
2C055CC03
2C058AB17
2C058AC06
2C058AE04
2C058AF51
2C058LA03
2C058LB09
2C061AP05
2C061AQ04
2C061AS06
2C061HJ04
2C061HJ06
2C061HN15
2C061HN18
2C061HN22
2C065AA01
2C065AB03
2C065AD02
2C065CZ07
2C065CZ09
(57)【要約】
【課題】印字データに応じて重複印字部分の濃淡の強度を補正することで、重複印字部分が濃くなって目立ってしまうことなく良好に印字することができる。
【解決手段】印字データを取得する取得処理と、被印字媒体Tを搬送しつつ取得された印字データに含まれる第1オンドットに基づく第1印字を印字部20により形成する第1印刷処理と、その後に、被印字媒体Tの搬送を中断し第1印字の形成を終了して被印字媒体Tの切断を行う切断処理と、その後に、被印字媒体Tを搬送しつつ取得された印字データに含まれる第2オンドットに基づく第2印字を形成して印刷物を作成する第2印刷処理と、第1印刷処理で形成する第1印字と第2印刷処理で形成する第2印字との接続部位に対応する印字データにおける第1オンドット及び第2オンドットのうち少なくとも一方の態様を調整するオンドット調整処理と、を実行する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被印字媒体を所定の搬送経路に沿って搬送する搬送部と、
前記搬送部により順方向へ搬送される前記被印字媒体に対し印字を形成する印字部と、
前記搬送経路に沿って前記印字部よりも所定の離間距離だけ下流側に設けられる切断部であって、前記被印字媒体を切断する切断部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
印字データを取得する取得処理と、
前記被印字媒体を前記搬送部により搬送しつつ前記取得された印字データに含まれる第1オンドットに基づく第1印字を前記印字部により形成する第1印刷処理と、
前記第1印刷処理の後に行われる切断処理であって、前記搬送部による搬送を中断し前記印字部による前記第1印字の形成を終了して前記切断部による前記被印字媒体の切断を行う切断処理と、
前記切断処理の後に行われる第2印刷処理であって、前記被印字媒体を前記搬送部により搬送しつつ前記取得された印字データに含まれる第2オンドットに基づく第2印字を前記印字部により形成して印刷物を作成する第2印刷処理と、
前記取得された印字データに基づき、前記第1印刷処理で形成する前記第1印字と前記第2印刷処理で形成する前記第2印字との接続部位に対応する印字データにおける前記第1オンドット及び前記第2オンドットのうち少なくとも一方の態様を調整するオンドット調整処理と、
を実行する、ことを特徴とする印刷物作成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記オンドット調整処理において、
前記取得された印字データに基づき、前記接続部位に対応する前記印字データにおける前記第2オンドットのうち少なくとも一部を前記第1オンドットと重複させるときの重複割合を調整する、ことを特徴とする請求項1記載の印刷物作成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記オンドット調整処理において、
前記取得された印字データに基づき、前記接続部位に対応する前記印字データにおける前記第2オンドットのうち少なくとも一部を前記第1オンドットと近接させるときの近接割合を調整する、ことを特徴とする請求項1記載の印刷物作成装置。
【請求項4】
前記制御部は、さらに、
前記切断処理の前又は前記切断処理の後に前記被印字媒体を前記順方向とは逆の逆方向に第1距離だけ搬送する逆搬送処理を実行し、
前記制御部は、前記オンドット調整処理において、
前記取得された印字データに基づき、前記第1距離を可変に設定する、ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の印刷物作成装置。
【請求項5】
前記制御部は、さらに、
前記第1印刷処理の後でかつ前記切断処理の前に前記被印字媒体を前記順方向とは逆の逆方向に第1距離だけ搬送する逆搬送処理と、
前記切断処理の後でかつ前記第2印刷処理の前に前記被印字媒体を前記順方向に第2距離だけ搬送する順搬送処理と、
を実行し、
前記制御部は、前記オンドット調整処理において、
前記取得された印字データに基づき、前記第1距離及び前記第2距離とを互いに異なる値に設定する、ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の印刷物作成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記オンドット調整処理において、
前記取得処理で取得された前記印字データの表す印字の種類に応じて前記第1オンドット及び前記第2オンドットのうち少なくとも一方の態様を調整する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の印刷物作成装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記オンドット調整処理において、
前記第1印字及び前記第2印字がテキスト文字を表す印字である場合には、前記接続部位に対応する前記印字データにおける第1オンドット及び前記第2オンドットの配置を、前記第1印字及び前記第2印字が模様又は画像を表す印字である場合よりも密となるように調整する、ことを特徴とする請求項6記載の印刷物作成装置。
【請求項8】
前記印字部は、主走査方向に複数の発熱素子が並設されているサーマルヘッドであり、
前記制御部は、前記オンドット調整処理において、
前記接続部位に対応する印字データにおける搬送方向に沿った各ドットの評価値の合計を主走査方向に沿って累計した累計評価値に応じて前記第1オンドット及び前記第2オンドットのうち少なくとも一方の態様を調整する、ことを特徴とする請求項6又は請求項7記載の印刷物作成装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記第1印刷処理、前記切断処理、前記第2印刷処理、及び前記オンドット調整処理を実行する第1モードと、
前記第1印刷処理、前記切断処理、前記第2印刷処理、及び前記オンドット調整処理を実行せず、前記被印字媒体を前記搬送部により搬送しつつ前記取得された印字データに含まれる全オンドットに基づく第3印字を前記印字部により形成する第3印刷処理を実行する第2モードと、
を切り替え可能に備える、ことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の印刷物作成装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記第2モードのとき、前記第3印刷処理において、
前記被印字媒体のうち前記第1モードの前記切断処理での前記切断部による切断予定位置に、ユーザが手動で切断するための目印マークを印字する、ことを特徴とする請求項9記載の印刷物作成装置。
【請求項11】
前記制御部は、さらに、
前記接続部位に対応する前記印字データ内において少なくとも1つの前記第1オンドット又は前記第2オンドットが存在するか否かを判定する判定処理を実行し、
前記第2モードのとき、前記判定処理により前記第1オンドット及び前記第2オンドットがいずれも存在しないと判定した場合は、例外的に、前記第1印刷処理、前記切断処理、及び前記第2印刷処理を実行する、ことを特徴とする請求項9又は請求項10記載の印刷物作成装置。
【請求項12】
被印字媒体を所定の搬送経路に沿って搬送する搬送部と、前記搬送部により順方向へ搬送される前記被印字媒体に対し印字を形成する印字部と、前記搬送経路に沿って前記印字部よりも所定の離間距離だけ下流側に設けられる切断部であって、前記被印字媒体を切断する切断部と、制御部と、を備えた印刷物作成装置に実行させる印刷物作成プログラムであって、
前記印刷物作成装置の前記制御部に対し、
印字データを取得する取得手順と、
前記被印字媒体を前記搬送部により搬送しつつ前記取得された印字データに含まれる第1オンドットに基づく第1印字を前記印字部により形成する第1印刷手順と、
前記第1印刷手順の後に行われる切断手順であって、前記搬送部による搬送を中断し前記印字部による前記第1印字の形成を終了して前記切断部による前記被印字媒体の切断を行う切断手順と、
前記切断手順の後に行われる第2印刷手順であって、前記被印字媒体を前記搬送部により搬送しつつ前記取得された印字データに含まれる第2オンドットに基づく第2印字を前記印字部により形成して印刷物を作成する第2印刷手順と、
前記取得された印字データに基づき、前記第1印刷手順で形成する前記第1印字と前記第2印刷手順で形成する前記第2印字との接続部位に対応する印字データにおける前記第1オンドット及び前記第2オンドットのうち少なくとも一方の態様を調整するオンドット調整手順と、
を実行させることを特徴とする印刷物作成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物作成装置及び印刷物作成プログラムに係わり、特に、一つの印刷物を作成している途中で印字処理が中断すると同時に切断処理が実行される印刷物作成装置及び印刷物作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、印字中断の際には、印字手段の駆動が停止されると共に、次のラインへの被印字媒体の搬送が停止され、印字再開の際には、前記次のラインへの被印字媒体の搬送が停止されたままの状態で、印字手段により印字中断直前のラインが重複して印字されてから次のライン以降の印字が再開される技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
これにより、被印字データの印字中における印字の中断に際し、被印字媒体にその搬送方向へのずれが生じた場合でも、印字抜けが生じ難くすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平07-266622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した印刷物作成装置にあっては、印刷データが文字ではなく画像又は模様である場合には、重複印字部分が濃くなって目立ってしまうという問題が生じていた。
【0006】
本発明の目的は、印字データに応じて重複印字部分の濃淡の強度を補正することで、重複印字部分が濃くなって目立ってしまうことなく良好に印字することができる印刷物作成装置及び印刷物作成プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、被印字媒体を所定の搬送経路に沿って搬送する搬送部と、前記搬送部により順方向へ搬送される前記被印字媒体に対し印字を形成する印字部と、前記搬送経路に沿って前記印字部よりも所定の離間距離だけ下流側に設けられる切断部であって、前記被印字媒体を切断する切断部と、制御部と、を備え、前記制御部は、印字データを取得する取得処理と、前記被印字媒体を前記搬送部により搬送しつつ前記取得された印字データに含まれる第1オンドットに基づく第1印字を前記印字部により形成する第1印刷処理と、前記第1印刷処理の後に行われる切断処理であって、前記搬送部による搬送を中断し前記印字部による前記第1印字の形成を終了して前記切断部による前記被印字媒体の切断を行う切断処理と、前記切断処理の後に行われる第2印刷処理であって、前記被印字媒体を前記搬送部により搬送しつつ前記取得された印字データに含まれる第2オンドットに基づく第2印字を前記印字部により形成して印刷物を作成する第2印刷処理と、前記取得された印字データに基づき、前記第1印刷処理で形成する前記第1印字と前記第2印刷処理で形成する前記第2印字との接続部位に対応する印字データにおける前記第1オンドット及び前記第2オンドットのうち少なくとも一方の態様を調整するオンドット調整処理と、を実行する、ものである。
【0008】
本願発明の印刷物作成装置においては、第1印刷処理で搬送部による搬送を行いつつ、データ取得処理で取得された印字データに含まれる第1オンドットに基づく第1印字が印刷部によって被印字媒体に形成される。その後、搬送が中断されかつ第1印字の形成が終了した状態で、切断処理において切断部による被印字媒体の切断が行われる。
【0009】
切断処理の後、第2印刷処理において、搬送部による搬送を行いつつ、データ取得処理で取得された印字データに含まれる第2オンドットに基づく第2印字が印刷部によって被印字媒体に形成される。
【0010】
このような第1印刷処理の印字形成終了→切断処理中の印字形成中止→第2印刷処理の印字形成再開という流れで、切断時の衝撃による媒体ずれ等により、第1印字の終了部分と第2印字の再開部分との間にホワイトラインが生じるおそれがある。これを回避するために、本願発明では、第1印刷処理で形成する第1印字と第2印刷処理で形成する第2印字との接続部位に対応する印字データにおける第1オンドットと第2オンドットとの間で所定処理が行われる。
【0011】
所定処理としては、接続部位に対応する印字データのデータ範囲(ドット範囲)において、第2オンドットのうち少なくとも一部を第1オンドットと重複させたり、第2オンドットのうち少なくとも一部を第1オンドットと近接させる処理がある。
【0012】
しかしながら、取得された印字データの内容によっては、ホワイトライン防止のための上記処理を行った結果、上記接続部位における印字が他の部分の印字よりも濃くなって目立ってしまい、美観上好ましくない状態となる場合がある。
【0013】
そこで本願発明においては、オンドット調整処理が行われ、データ取得処理で取得した印字データの内容に応じて、上記接続部位に対応する印字データにおける第1オンドット又は第2オンドットのうち少なくとも一方の態様が調整される。例えば前述の第1オンドットと第2オンドットの重複処理が行われる場合はその重複割合が調整される。また前述の第1オンドットと第2オンドットの近接処理が行われる場合は、その近接割合が調整される。さらに、上記重複処理や近接処理を実行するために切断処理の前後で第1距離の逆搬送処理や第2距離の順搬送処理が行われる場合には、それら第1距離や第2距離の値の大小が適宜に調整される。
【0014】
このような調整が適宜に行われることで、本願発明によれば、接続部位における前述のホワイトラインの発生を防止しつつ、接続部位における印字が他の部分の印字よりも目立って美観を損ねるのを防止することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、印字データに応じて重複印字部分の濃淡の強度を補正することで、重複印字部分が濃くなって目立ってしまうことなく良好に印字することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態の印刷物作成装置における内部構成を概略的に示す説明図である。
図2】切断位置と印刷位置との関係を示し、(A)は被印字媒体の要部における印字結果の一例の説明図、(B)は第1印字と第2印字との境界部分における位置と調整結果との説明図である。
図3】ドットの近接調整例の説明図である。
図4】画像印刷時におけるマークの一例の説明図である。
図5】制御部が算出する累計評価値の説明図である。
図6】制御部が実行するメインルーチンのフロー図である。
図7】制御部が実行する累計評価値を用いた場合におけるルーチンのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の一実施形態に係る印刷物作成装置及び印刷物作成プログラムについて、図面を参照して説明する。なお、以下の説明においては、印刷物作成装置の外観等は、例えば特開2019-18390号公報に記載の装置、又は各種公知のものを用いることができるために省略し、印字ラベル作成装置の内部ユニットの概略構成を印刷物作成装置として説明する。
【0018】
図1において、印刷物作成装置11は、概略的には、カートリッジ12を収納するカートリッジホルダ13と、印字ヘッド(例えば、サーマルヘッド)21を有する印字部20と、切断部30と、制御部40と、記憶部41と、を備える。
【0019】
印字ヘッド21は、多数の発熱素子を備えており、カートリッジホルダ13に立設されたヘッド取付部(図示せず)に取り付けられている。
【0020】
カートリッジホルダ13は、カートリッジ12のテープ排出部(図示せず)より排出された後に排出口から排出される被印字媒体Tの幅方向の向きが、左右方向(以下、「横向き」とも称する。)となるようにカートリッジ12を収納する。
【0021】
カートリッジ12は、筐体14と、筐体14に配置され帯状の基材テープ101が巻回された第1ロール102と、基材テープ101と略同じ幅である透明なカバーフィルム103が巻回された第2ロール104と、インクリボン105を繰り出すリボン供給側ロール106と、印字後のインクリボン105を巻き取るリボン巻取りローラ107と、カートリッジ12のテープ排出部の近傍に回転可能に支持されたテープ送りローラ(搬送部)22と、を有する。
【0022】
なお、カバーフィルム103に基材テープ101が貼り合わされて被切断媒体を構成している。また、図1において、各テープの巻回状態は簡略的な渦巻き状に示している。また、インクリボン105には熱転写リボン等が用いられるが、被印字テープが感熱テープの場合は不要である。
【0023】
第1ロール102は、リール部材102Rの周りに基材テープ101を巻回している。基材テープ101は、詳細図は省略するが、例えば4層構造となっている。
【0024】
この例では、内側に巻かれる側からその反対側へ向かって、適宜の粘着材からなる粘着層、PEL(ポリエチレンテレフタラート)等からなる色付きのベースフィルム(基材層)、適宜の粘着材からなる粘着層(貼り付け用粘着剤層)、剥離紙(剥離材層)、の順序で積層されている。
【0025】
第2ロール104は、リール部材104Rの周りにカバーフィルム103を巻回している。
【0026】
筐体14は、被検出部15を有している。一方、カートリッジホルダ13の被検出部15に対応する位置には、カートリッジセンサ16が設けられている。
【0027】
このカートリッジセンサ16は、カートリッジ12の装着状態を検出するとともにカートリッジ12の種類、すなわち、切断物(被印字媒体T及びラベルL)の属性に関するカートリッジ情報を検出する。なお、ここでの切断物の属性とは、カートリッジ12の種類に加え、後述する切断処理について必要な属性を意味する。
【0028】
一方、カートリッジホルダ13には、ローラホルダ(図示せず)が支持軸により回動可能に枢支され、切換機構により印字位置(当接位置)とリリース位置(離反位置)とに切換可能とされている。このローラホルダには、プラテンローラ23及びテープ圧接ローラ24が回転可能に配設されている。そして、ローラホルダが上記印字位置に切り換えられたときに、それらプラテンローラ23及びテープ圧接ローラ24が印字ヘッド21及びテープ送りローラ22に対し圧接される。カートリッジ12のテープ送りローラ22は、基材テープ101とカバーフィルム103とを押圧し接着させ被印字媒体Tとしつつ、図1中矢印Bで示す方向にテープ送りを行う。
【0029】
なお、リボン巻取りローラ107及びテープ送りローラ22は、リボン巻取りローラ駆動軸108及びテープ送りローラ駆動軸109が駆動されることによって連動して回転駆動される。
【0030】
これによって、被印字媒体T及びインクリボン105に対し搬送駆動力がそれぞれ与えられる。なお、リボン巻取りローラ駆動軸108及びテープ送りローラ駆動軸109は、カートリッジ12の外側に設けた例えばパルスモータである搬送用モータ(図示せず)の駆動力が、図示しないギヤ機構を介し伝達されることによって駆動される。
【0031】
切断部30は、被印字媒体Tをフルカットする機能を備える。切断部30は、固定刃33及び可動刃34を備える。可動刃34は、図示を略すカッタモータの駆動力を動力伝達機構等を介して伝達される。これにより可動刃34は、固定刃33と協働して、被印字媒体Tの全ての層(上述した、カバーフィルム103、粘着層、ベースフィルム、粘着層、及び剥離紙)を厚さ方向に分断(全切断)し、ラベルLを作成する。
【0032】
上記構成の内部ユニットにおいて、カートリッジ12がカートリッジホルダ13に装着されると、カバーフィルム103及びインクリボン105が印字ヘッド21とプラテンローラ23との間に狭持されるとともに、基材テープ101及びカバーフィルム103がテープ送りローラ22とテープ圧接ローラ24との間に狭持される。
【0033】
そして、図示を略す搬送用モータの駆動力によってリボン巻取りローラ107及びテープ送りローラ22が巻き取り方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、テープ送りローラ駆動軸109とテープ圧接ローラ24及びプラテンローラ23はギヤ機構(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸109の駆動に伴いテープ送りローラ22、テープ圧接ローラ24、及びプラテンローラ23が回転し、第1ロール102から基材テープ101が繰り出され、テープ送りローラ22へ供給される。
【0034】
一方、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出される。このカバーフィルム103の裏面には、リボン供給側ロール106とリボン巻取りローラ107とにより駆動されるインクリボン105が、印字ヘッド21に押圧されることで当接させられる。そして、印字ヘッド21の複数の発熱素子(ドットに対応)が通電される。この結果、カバーフィルム103の裏面に、印字データに基づく印字が搬送方向に沿って印刷される。
【0035】
そして、基材テープ101と印刷が終了したカバーフィルム103とがテープ送りローラ22及びテープ圧接ローラ24により接着されて一体化されて被印字媒体Tとして形成され、テープ排出部よりカートリッジ12の外へと搬送される。カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105は、リボン巻取りローラ駆動軸108の駆動によりリボン巻取りローラ107に巻き取られる。
【0036】
そして、上述のように貼り合わされて生成された被印字媒体Tに対し切断部30により全切断が行われ、ラベルLが生成される。この生成されたラベルLは、その後さらに排出口(図示せず)から排出される。
【0037】
一方、印字部20、搬送用モータ(図1ではテープ圧接ローラ24で代用)、切断部30の駆動(一時停止後の再開を含む)及び停止(一時停止を含む)は、制御部40によって制御される。
【0038】
制御部40は、適用される印字ラベル作成装置に応じて作成又は受信により印字データを取得し、その印字データをRAMやROM等の記憶部41に記憶する。なお、記憶部41には、本実施の形態に係る印刷物作成プログラムも格納されており、制御部40によって処理される。
【0039】
このような基本構成において、本実施の形態に係る印刷物作成装置及び印刷物作成プログラムは、取得した印字データの内容に応じて、接続部位に対応するデータ範囲における第1オンドット又は第2オンドットのうち少なくとも一方の態様を制御部40によって調整することにより、印字データに応じて重複印字部分(以下、「繋ぎ」とも称する)の濃淡の強度を補正することで、重複印字部分が濃くなって目立ってしまうことなく良好に印字することにある。
【0040】
すなわち、従来のラベルプリンタでは、ラベル作成処理中(印字途中)で下流側のテープ端に対する切断処理を実行すると、切断処理に伴って発生する負荷によって切断部30よりも上流側のテープが引っ張り出されてしまい、例えば、図2(A)の上段に示すように、切断位置(以下、「カット位置」とも称する場合がある)CTよりも上流側の印字位置PTにおいて印字抜け状のホワイトラインが発生し易いという問題が生じていた。
【0041】
そこで、図2(A)の下段に示すように、切断処理の前後で繋ぎ印字としてドットを重ね印字することでホワイトラインの発生を抑制する対策を行うことが考えられるが、印字データの印字内容(印字結果)が、文字ではなく写真や模様などのデザインラベルを印刷した際には、重ね印字に伴って縦線が目立ってしまい、見栄えを損なうという新たな問題が発生した。また、このような見栄え低下に対してユーザが直感的に解消し得る対策がないのが実情であった。
【0042】
したがって、制御部40は、図2(B)の左側に示すように、印字途中のテープに対して切断処理時にカット位置CTよりも上流側の印字位置PTを境界(繋ぎ位置)として印字データを第1オンドット(図2では「第1印字」)と第2オンドット(図2では「第2印字」)とに分割し、図2(B)の右側に拡大して示すように、この繋ぎ位置における第2オンドット側の印字状態を自動で調整する。
【0043】
このような繋ぎ位置に対応する印字パターンから繋ぎ印字として重ね打つドットの幅を自動で調整することができれば、ホワイトラインの発生を抑制できる。また、印刷物作成装置11は、デザイン品質を優先するモード(後述の第2モード)を設けるようにしてもよい。即ち、このモードが設定された場合には、切断部30で自動カットせずに、ユーザが手動でカットするための目印を付けることで、繋ぎが発生しないようにすることができ、ラベルLのデザインに関わらず、きれいな印字を実現することができる。これにより、ユーザの優先項目に合わせて繋ぎが調整されるために利便性を向上することができる。
【0044】
なお、繋ぎ印字として重ね打つドットの幅を自動で調整する例としては、印字ラベル作成装置の機能(グレード)によって異なるが、例えば、サーマルヘッドへの通電状態を48ドットから24ドット化する等のようにドットを粗くする場合のように、重複させるときの重複割合を調整することが考えられる。
【0045】
また、停止時よりも下流側におけるドット間隔を、図3(A)に示すように、制御なしの場合に対して、図3(B)に示すように、再開後の上流側におけるドット間隔を所定ドット範囲(例えば、2ドット分)で狭くする場合のように、近接させるときの近接割合を調整することが考えられる。
【0046】
この際、近接割合は、例えば、図2に示すように、第1印字及び第2印字がテキスト文字を表す印字である場合には、印字データにおける第1オンドット及び第2オンドットの配置を、第1印字及び第2印字が模様又は画像(図4参照)を表す印字である場合よりも密となる(接近する)ように調整してもよい。
【0047】
また、印字が図柄等の際には、自動カットせずに手動カット用の目印を付けて繋ぎが発生しないようにする例としては、図4に示すように、テープ幅方向に離間した2つの黒丸の目印マークMを印字する。目印マークMの形状は、黒丸の代わりに他の形状であってもよいし、線であってもよい。
【0048】
ここで、制御部40は、印字が文字であるか模様や画像(以下、単に「画像等」と称する場合がある)であるかは印字データによって判断することができるが、例えば、印字位置PTを含むテープ幅の全域における第1印字側と第2印字側とで印字ドットの有無、具体的には濃淡を無視した2値化した状態でのドットの有無、が異なる場合がある。
【0049】
そこで、図5に単位面積当たりのドット数で例示するように、各ドット単位で印字の有無が存在するか否かに加え、走査方向と直交する搬送方向にドットが連続するか否かを重み付けとして評価値を算出し、その累計評価値が高いほど重複・接近度合いを異ならせるようにしてもよい。
【0050】
例えば、印字位置PTを搬送方向で挟む5×5のドット配列を評価単位とした場合(走査方向についてはテープ幅方向全幅を対象としてもよい)、図5(A)に示した場合では、A列1~5及びB列1、C列1、D列1、E列1は夫々OFFドットであるため「0」、B列2~5、C列2~5及びD列2~5は搬送方向次列とで連続したONドットであるため「2」、E列2~5は搬送方向次列とは連続していないONドットであるため「1」を割り当て、各値を加算すると累計評価値は「28」となる。
【0051】
同様に、図5(B)では、B列2とB列5、C列2とC列5,D列2とD列5が送方向次列とで連続したONドットであるため「2」、E列2とE列5が搬送方向次列とは連続していないONドットであるため「1」となり、各値を加算すると累計評価値は「14」となる。
【0052】
また、同じドット数がONの場合であっても、図5(C)では、B列2とB列5及びD列1とD列4が送方向次列とで連続したONドットであるため「2」、C列2とC列5及びE列1とE列4が搬送方向次列とは連続していないONドットであるため「1」となり、各値を加算すると累計評価値は「12」となる。
【0053】
そして、図5(D)では、B列2とB列5及びC列1とC列45が搬送方向次列とは連続していないONドットであるため「1」となり、各値を加算すると累計評価値は「4」となる。
【0054】
したがって、制御部40は、接続部位(繋ぎ位置)に対応する印字データにおける搬送方向に沿った各ドットの評価値の累計を主走査方向に沿って累計した累計評価値に応じて第1オンドット及び第2オンドットのうち少なくとも一方の態様を、上記重複・近接等で調整してもよい。
【0055】
次に、このような制御部40による具体的な制御例を説明する。まず、図6において、制御部40による基本ルーチンを説明する。
【0056】
(ステップS1)
ステップS1において、制御部40は、例えば、印刷物作成装置11を用いて直接入力作成された印字データ又はパーソナルコンピュータ等を用いて作成された印字データを取得するとともに、取得した印字データを記憶部41に記憶する取得処理(取得手順)を実行し、ステップS2に処理を移す。
【0057】
(ステップS2)
ステップS2において、制御部40は、記憶部41に記憶した印字データから、被印字媒体Tに対する余白や文字サイズ(フォントサイズ)、印字長さ等の書式データと、印字部20から切断部30までの搬送方向に沿う離間距離に基づいて被印字媒体Tにおけるカット位置CTから上流側の印字位置PTまでの距離、すなわち、被印字媒体Tに対するカット位置CT及び印字位置PTを特定し、その印字位置PTよりも下流側を第1印字、印字位置PTから上流側を第2印字としてデータ分割処理を実行し、ステップS3に処理を移す。
【0058】
(ステップS3)
ステップS3において、制御部40は、取得された印字データ(記憶部41に記憶した印字データ)に基づき、第1印刷処理で形成する第1印字と第2印刷処理で形成する第2印字との接続部位に対応する印字データにおける第1オンドット及び第2オンドットのうち少なくとも一方の態様を調整するオンドット調整処理を実行する。
【0059】
ステップS3のオンドット調整処理において、第2オンドットを調整対象とする場合には、第2印字の印字データの調整、或いは、印字部20のドット調整、搬送部としてのテープ送りローラ22による搬送距離や搬送速度の調整の少なくとも1つを行う。以下、ステップS3のオンドット調整処理は、第2オンドットを調整対象として説明する。
【0060】
なお、ステップS3のオンドット調整処理において、第1オンドットを調整対象としてもよい。この場合には、第1印字の印字データの調整、或いは、印字部20のドット調整、搬送部としてのテープ送りローラ22による搬送距離や搬送速度の調整の少なくとも1つを行う。
【0061】
また、詳しくは後述するが、制御部40は、ステップS2において、記憶部41に記憶した印字データの分割処理を実行した後に、第1印字及び第2印字の何れに対して調整を行うのかを決定(又はユーザ指定)して、調整を行わない通常印刷条件を所定条件とする印刷処理、或いは、調整を行った状態の所定条件とする印刷処理、を実行するようにしてもよい。
【0062】
(ステップS4)
ステップS4において、制御部40は、被印字媒体Tをテープ送りローラ22により搬送しつつ取得された印字データに含まれる第1オンドットに基づく第1印字を印字部20により形成する第1印刷処理(第1印刷手順)を実行し、ステップS5に処理を移す。
【0063】
(ステップS5)
ステップS5において、制御部40は、被印字媒体Tの搬送・印字中において、切断部30に被印字媒体Tのカット位置CTが到来したことを契機として、テープ送りローラ22による搬送を中断すると同時に印字部20による第1印字の形成を終了し、切断部30による被印字媒体Tの切断を行う切断処理(切断手順)を実行し、ステップS6に処理を移す。
【0064】
したがって、このステップS5において制御部40が実行するルーチンは、被印字媒体Tのカット位置CTが切断部30にまで搬送されたか否かを判定する判定処理を含んでおり、切断部30にカット位置CTに搬送されるまで印字・搬送が継続される。
【0065】
(ステップS6)
ステップS6において、制御部40は、ステップS3のオンドット調整処理において調整を行った第2オンドットに基づく第2印字を被印字媒体Tをテープ送りローラ22により搬送しつつ印字部20により形成して印刷物(ラベルL)を作成する第2印刷処理(第2印刷手順)を実行し、処理を終了する。
【0066】
なお、前述したように、オンドット調整処理は、第1オンドット及び第2オンドットのうち少なくとも一方の態様を調整すればよいので、図6のステップS4,S6では、「所定条件で第1印刷処理を実行」、「所定条件で第2印刷処理を実行」と表記している。
【0067】
また、上述した切断処理を行わなず、目印マークMを印刷する場合には、ステップS5の切断処理を行わず、ステップS3において第1印字を印刷するよりも前に目印マークMを印刷する処理を行う。
【0068】
次に、前述の累計評価値を用いた場合における制御部40のルーチンを図7に基づいて説明する。
【0069】
(ステップS11)
ステップS11において、制御部40は、例えば、印刷物作成装置11を用いて直接入力作成された印字データ又はパーソナルコンピュータ等を用いて作成された印字データを取得するとともに、取得した印字データを記憶部41に記憶する取得処理(取得手順)を実行し、ステップS12に処理を移す。
【0070】
(ステップS12)
ステップS12において、制御部40は、記憶部41に記憶した印字データから、被印字媒体Tに対する余白や文字サイズ(フォントサイズ)、印字長さ等の書式データと、印字部20から切断部30までの搬送方向に沿う離間距離に基づいて被印字媒体Tにおけるカット位置CTから上流側の印字位置PTまでの距離、すなわち、被印字媒体Tに対するカット位置CT及び印字位置PTを特定し、その印字位置PTよりも下流側を第1印字、印字位置PTから上流側を第2印字としてデータ分割処理を実行し、ステップS13に処理を移す。
【0071】
(ステップS13)
ステップS13において、制御部40は、取得された印字データ(記憶部41に記憶した印字データ)に基づき、第1印刷処理で形成する第1印字と第2印刷処理で形成する第2印字との接続部位に対応する印字データにおける第1オンドット及び第2オンドットのうち少なくとも一方の態様を調整するための調整値を算出する処理をオンドット調整処理として実行する。
【0072】
この際、制御部40は、取得された印字データに基づき、接続部位に対応する印字データにおける第2オンドットのうち少なくとも一部を第1オンドットと近接させるときの近接割合を調整する調整値として利用することができる。調整値として、本実施形態では、図5に示した評価値の累計評価値を用いる。
【0073】
(ステップS14)
ステップS14において、制御部40は、被印字媒体Tをテープ送りローラ22により搬送しつつ取得された印字データに含まれる第1オンドットに基づく第1印字を印字部20により形成する第1印刷処理(第1印刷手順)を実行し、ステップS15に処理を移す。
【0074】
(ステップS15)
ステップS15において、制御部40は、被印字媒体Tのカット位置CTが切断部30にまで搬送されたか否かが判断される。制御部40は、被印字媒体Tのカット位置CTが切断部30にまで搬送されたと判定した場合(Yes)には、ステップS16に処理を移す。制御部40は、被印字媒体Tのカット位置CTが切断部30にまで搬送されたと判定しなかった場合(No)には、引き続きステップS14の処理を継続する。
【0075】
(ステップS16)
ステップS16において、制御部40は、被印字媒体Tの搬送・印字中において、切断部30に被印字媒体Tのカット位置CTが到来したことを契機として、テープ送りローラ22による搬送を中断すると同時に印字部20による第1印字の形成を終了し、切断部30による被印字媒体Tの切断を行う切断処理(切断手順)を実行し、ステップS17に処理を移す。
【0076】
(ステップS17)
ステップS17において、制御部40は、ステップS13で算出した調整値である累計評価値が予め決定した閾値よりも大きいか否かが判定される。制御部40は、累計評価値が閾値よりも大きいと判定した場合(Yes)にはステップS18に処理を移し、累計評価値が閾値よりも大きいと判定しなかった場合(No)にはステップS19に処理を移す。
【0077】
(ステップS18)
ステップS18において、制御部40は、累計評価値が閾値よりも大きい、例えば、図5(A)に示したように、単位面積当たりのドット数が多く、かつ、搬送方向に連続した密の状態である場合には、搬送方向(モータ正転方向)に向かう搬送距離を長く設定した距離分(Xパルス正転と称す)だけ搬送してステップS20に処理を移す。
【0078】
(ステップS19)
ステップS19において、制御部40は、累計評価値が閾値よりも小さい、例えば、図5(D)に示したように、単位面積当たりのドット数が少なく、かつ、搬送方向に連続していない粗の状態である場合には、搬送方向(モータ正転方向)に向かう搬送距離を短く設定した距離分(Yパルス正転と称す)だけ搬送してステップS20に処理を移す。
【0079】
すなわち、ドットが粗い場合には、ホワイトラインが発生しても、それがホワイトラインによるものなのか、印字データそのものにドットが存在していないものなのかが見分け難いため、搬送距離を短くしなくても見栄えが低下することがない。
【0080】
なお、制御部40は、さらに、切断処理の前又は切断処理の後に被印字媒体Tを上記の正転方向(順方向)とは逆の逆方向に第1距離だけ搬送する逆搬送処理を実行し、制御部40は、オンドット調整処理において、取得された印字データに基づき、第1距離を可変に設定してもよい。これにより、例えば、文字と文字との間の空白部分がカット時の印字位置PTに一致しているような場合、或いは、ひらがなの「い」の字の間に印字位置PTが存在していたような場合、切断負荷によって広がった間を適正に狭めることができる。
【0081】
また、制御部40は、第1印刷処理の後でかつ切断処理の前に被印字媒体Tを順方向とは逆の逆方向に第1距離だけ搬送する逆搬送処理と、切断処理の後でかつ第2印刷処理の前に被印字媒体Tを順方向に第2距離だけ搬送する順搬送処理と、を実行し、制御部40は、オンドット調整処理において、取得された印字データに基づき、第1距離及び第2距離とを互いに異なる値(「0」を含む)に設定することにより、印刷データの内容(文字か画像等か、或いは、文字ドットの粗密など)に応じて正転搬送・逆転搬送を適宜設定するとともに、その搬送距離を可変とするようにしてもよい。
【0082】
(ステップS20)
ステップS20において、制御部40は、ステップS3のオンドット調整処理において調整を行った第2オンドットに基づく第2印字を被印字媒体Tをテープ送りローラ22により搬送しつつ印字部20により形成して印刷物(ラベルL)を作成する第2印刷処理(第2印刷手順)を実行し、処理を終了する。
【0083】
また、制御部40は、例えば、同一又は異なるラベルLを連続して印刷する連続印刷であるか、同一又は異なるラベルLを印刷ごとに枚葉的に切断する逐次印刷か、或いは、一つのラベル中に切断位置CTに対して印字位置PTが存在するか否か、等によってその制御が異なることは勿論である。
【0084】
すなわち、逐次印刷の場合や一つのラベル中に切断位置CTに対して印字位置PTが存在しない場合には、被印字媒体Tの切断後には印刷処理は実行されないため、上述したオンドット調整処理は行う必要がない。
【0085】
このように、制御部40は、オンドット調整処理において、取得された印字データに基づき、接続部位に対応する印字データにおける第2オンドットのうち少なくとも一部を第1オンドットと重複させるときの重複割合を調整することにより、印字が文字等の印字形態に対して良好な印字を行うことができる。
【0086】
制御部40は、オンドット調整処理において、取得された印字データに基づき、接続部位に対応する印字データにおける第2オンドットのうち少なくとも一部を第1オンドットと近接させるときの近接割合を調整することにより、印字が文字等の場合と画像等の場合とで最適な画質を得ることができる印刷形態とすることができる。
【0087】
制御部40は、さらに、切断処理の前又は切断処理の後に被印字媒体Tを順方向とは逆の逆方向に第1距離だけ搬送する逆搬送処理を実行し、制御部40は、オンドット調整処理において、取得された印字データに基づき、第1距離を可変に設定することにより、OFFドットと印字位置PTとが一致しているなど、印刷対象のドット配分等に応じた調整を行うことができる。
【0088】
制御部40は、さらに、第1印刷処理の後でかつ切断処理の前に被印字媒体Tを順方向とは逆の逆方向に第1距離だけ搬送する逆搬送処理と、切断処理の後でかつ第2印刷処理の前に被印字媒体Tを順方向に第2距離だけ搬送する順搬送処理と、を実行し、制御部40は、オンドット調整処理において、取得された印字データに基づき、第1距離及び第2距離とを互いに異なる値に設定することにより、ドットの粗密等に応じた調整を行うことができる。
【0089】
制御部40は、オンドット調整処理において、取得処理で取得された印字データの表す印字の種類に応じて第1オンドット及び第2オンドットのうち少なくとも一方の態様を調整することにより、文字か画像等かの品質を考慮して、印刷対象のドット配分等に応じた調整を行うことができる。
【0090】
制御部40は、オンドット調整処理において、第1印字及び第2印字がテキスト文字を表す印字である場合には、接続部位に対応する印字データにおける第1オンドット及び第2オンドットの配置を、第1印字及び第2印字が模様又は画像を表す印字である場合よりも密となるように調整する。
【0091】
被印字媒体Tにテキスト文字が形成される場合は、接続部位における第1印字の終了位置と第2印字の開始位置との間にホワイトライン防止のための前述の処理を高い割合で行っても前述のような見栄えが低下する可能性は低い。逆に被印字媒体Tに模様又は画像が形成される場合は、接続部位における第1印字の終了位置と第2印字の開始位置との間にホワイトライン防止のための前述の処理を高い割合で行うと前述のような見栄えが低下する可能性が高い。
【0092】
これに対応し、第1印字及び第2印字がテキスト文字である場合には、オンドット調整処理にて、上記接続部位に対応するデータ範囲における第1及び第2オンドットの配置が、第1印字及び第2印字が模様又は画像である場合よりも、密となるように調整される。これにより、美観低下の防止及びホワイトライン発生防止の両立をより確実に図ることができる。
【0093】
印字部20は、主走査方向に複数の発熱素子が並設されているサーマルヘッドであり、制御部40は、オンドット調整処理において、接続部位に対応する印字データにおける搬送方向に沿った各ドットの評価値の合計を主走査方向に沿って累計した累計評価値に応じて第1オンドット及び第2オンドットのうち少なくとも一方の態様を調整する。
【0094】
これにより、接続部位に対応するデータ範囲におけるオンドットの分布状況に応じて、きめ細やかにかつ高精度に調整を行うことができる。
【0095】
また、印刷物作成装置11(制御部40)は、第1印刷処理、切断処理、第2印刷処理、及びオンドット調整処理を実行する第1モードと、第1印刷処理、切断処理、第2印刷処理、及びオンドット調整処理を実行せず、被印字媒体Tをテープ送りローラ22により搬送しつつ取得された印字データに含まれる全オンドットに基づく第3印字を印字部20により形成する第3印刷処理を実行する第2モードと、を切り替え可能に備えていてもよい。
【0096】
例えば、第1モードが選択されることで、制御部40は、前述の第1印刷処理、切断処理、第2印刷処理、オンドット調整処理を行うことで前述の美観低下の防止及びホワイトライン発生防止の両立を図ることができる。その一方、さらなる高い美観を確保したい場合には第2モードが選択されることで、切断処理が行われないまま第3印字処理が行われ、印字データの全オンドットに対応する第3印字が形成される。第2モードでは切断処理が行われないことにより、前述のようなホワイトラインの発生や美観の低下が発生することがない。このような2つのモードが選択可能となることで、ユーザにとっての利便性がさらに向上する。
【0097】
制御部40は、第2モードのとき、第3印刷処理において、被印字媒体Tのうち第1モードの切断処理での切断部30による切断予定位置に、ユーザが手動で切断するための目印マークMを印字する。
【0098】
前述のように第2モードでは印刷物作成装置による切断処理が行われないため、ユーザが自ら適宜の切断具を用いて被印字媒体Tを切断する必要がある。これに対応して本願発明においては、切断すべき位置に目印マークMが印字形成されることにより、ユーザは容易に適切な位置にて切断を行うことができる。
【0099】
制御部40は、さらに、接続部位に対応する印字データ内において少なくとも1つの第1オンドット又は第2オンドットが存在するか否かを判定する判定処理を実行し、第2モードのとき、判定処理により第1オンドット及び第2オンドットがいずれも存在しないと判定した場合は、例外的に、第1印刷処理、切断処理、及び第2印刷処理を実行する。
【0100】
前述のように第2モードでは、第1印字と第2印字との接続部位における高い美観を確保するために印刷物作成装置による切断処理が行われない。しかしながら、上記接続部位に対応するデータ範囲内に第1オンドットも第2オンドットも存在しない場合には、切断時の衝撃による媒体ずれ等が発生したとしても、美観を損ねる恐れはない。
【0101】
そこで、上記データ範囲内に少なくとも1つの第1又は第2オンドットが存在するか否かが判定処理において判定される。そして第1及び第2オンドットがいずれも存在しない場合は、例外的に、第1印刷処理、切断処理、及び第2印刷処理が実行される。これにより、ユーザが手動で切断を行う必要がなくなるため、ユーザにとっての利便性が向上する。
【0102】
上述したように、印刷物作成装置11の制御部40は、図6又は図7に示す制御ルーチンを実行するものである。
【0103】
すなわち、印刷物作成装置11においては、第1印刷処理でテープ送りローラ22による搬送を行いつつ、データ取得処理で取得された印字データに含まれる第1オンドットに基づく第1印字が印刷部によって被印字媒体Tに形成される。その後、搬送が中断されかつ第1印字の形成が終了した状態で、切断処理において切断部30による被印字媒体Tの切断が行われる。
【0104】
切断処理の後、第2印刷処理において、テープ送りローラ22による搬送を行いつつ、データ取得処理で取得された印字データに含まれる第2オンドットに基づく第2印字が印刷部によって被印字媒体Tに形成される。
【0105】
このような第1印刷処理の印字形成終了→切断処理中の印字形成中止→第2印刷処理の印字形成再開という流れで、切断時の衝撃による媒体ずれ等により、第1印字の終了部分と第2印字の再開部分との間にホワイトラインが生じるおそれがある。これを回避するために、本願発明では、第1印刷処理で形成する第1印字と第2印刷処理で形成する第2印字との接続部位に対応するデータ範囲において、第1オンドットと第2オンドットとの間で所定処理が行われる。
【0106】
所定処理としては、接続部位に対応するデータ範囲において、第2オンドットのうち少なくとも一部を第1オンドットと重複させたり、第2オンドットのうち少なくとも一部を第1オンドットと近接させる処理がある。ここで、印刷物作成装置の印字部が、サーマルヘッドではなくインクジェットヘッドである場合には、接続部位に対応するデータ範囲において、第1オンドットに対応するインク滴又は第2オンドットに対応するインク滴の大小を調整する処理も考えられる。例えばこれらのような処理を行うことで、前述のホワイトラインが生じるのを防止することができる。
【0107】
しかしながら、取得された印字データの内容によっては、ホワイトライン防止のための上記処理を行った結果、上記接続部位における印字が他の部分の印字よりも濃くなって目立ってしまい、美観上好ましくない状態となる場合がある。
【0108】
そこで、オンドット調整処理を実行し、データ取得処理で取得した印字データの内容に応じて、上記接続部位に対応するデータ範囲における第1オンドット又は第2オンドットのうち少なくとも一方の態様が調整される。例えば前述の第1オンドットと第2オンドットの重複処理が行われる場合はその重複割合が調整される。また前述の第1オンドットと第2オンドットの近接処理が行われる場合は、その近接割合が調整される。さらに、上記重複処理や近接処理を実行するために切断処理の前後で第1距離の逆搬送処理や第2距離の順搬送処理が行われる場合には、それら第1距離や第2距離の値の大小が適宜に調整される。さらに、印字部としてインクジェットヘッドが用いられる場合には、第1オンドットに対応するインク滴と第2オンドットに対応するインク滴との大小が調整される。
【0109】
このような調整が適宜に行われることで、本願発明によれば、接続部位における前述のホワイトラインの発生を防止しつつ、接続部位における印字が他の部分の印字よりも目立って美観を損ねるのを防止することができる。
【0110】
制御部40は、オンドット調整処理において、取得された印字データに基づき、接続部位に対応する印字データにおける第2オンドットのうち少なくとも一部を第1オンドットと重複させるときの重複割合を調整することにより、ホワイトラインの発生を抑制しつつ簡素な制御で見栄えを確保することができる。
【0111】
制御部40は、オンドット調整処理において、取得された印字データに基づき、接続部位に対応する印字データにおける第2オンドットのうち少なくとも一部を第1オンドットと近接させるときの近接割合を調整することにより、カット位置CTに対する印字位置PTの印字データ上のドットの粗密に応じた近接割合に調整することができる。
【0112】
制御部40は、さらに、切断処理の前又は切断処理の後に被印字媒体Tを順方向とは逆の逆方向に第1距離だけ搬送する逆搬送処理を実行し、制御部40は、オンドット調整処理において、取得された印字データに基づき、第1距離を可変に設定することにより、例えば、文字と文字との間の空白部分がカット時の印字位置PTに一致しているような場合、或いは、ひらがなの「い」の字の間に印字位置PTが存在していたような場合、切断負荷によって広がった間を適正に狭めることができる。
【0113】
制御部40は、オンドット調整処理において、第1印字及び第2印字がテキスト文字を表す印字である場合には、接続部位に対応する印字データにおける第1オンドット及び第2オンドットの配置を、第1印字及び第2印字が模様又は画像を表す印字である場合よりも密となるように調整する。
【0114】
被印字媒体Tにテキスト文字が形成される場合は、接続部位における第1印字の終了位置と第2印字の開始位置との間にホワイトライン防止のための前述の処理を高い割合で行っても前述のような見栄えが低下する可能性は低い。逆に被印字媒体Tに模様又は画像が形成される場合は、接続部位における第1印字の終了位置と第2印字の開始位置との間にホワイトライン防止のための前述の処理を高い割合で行うと前述のような見栄えが低下する可能性が高い。
【0115】
これに対応し、第1印字及び第2印字がテキスト文字である場合には、オンドット調整処理にて、上記接続部位に対応するデータ範囲における第1及び第2オンドットの配置が、第1印字及び第2印字が模様又は画像である場合よりも、密となるように調整される。これにより、美観低下の防止及びホワイトライン発生防止の両立をより確実に図ることができる。
【0116】
印字部20は、主走査方向に複数の発熱素子が並設されているサーマルヘッドであり、制御部40は、オンドット調整処理において、接続部位に対応する印字データにおける搬送方向に沿った各ドットの評価値の合計を主走査方向に沿って累計した累計評価値に応じて第1オンドット及び第2オンドットのうち少なくとも一方の態様を調整する。
【0117】
これにより、接続部位に対応するデータ範囲におけるオンドットの分布状況に応じて、きめ細やかにかつ高精度に調整を行うことができる。
【0118】
制御部40は、第1印刷処理、切断処理、第2印刷処理、及びオンドット調整処理を実行する第1モードと、第1印刷処理、切断処理、第2印刷処理、及びオンドット調整処理を実行せず、被印字媒体Tをテープ送りローラ22により搬送しつつ取得された印字データに含まれる全オンドットに基づく第3印字を印字部20により形成する第3印刷処理を実行する第2モードと、を切り替え可能に備える。
【0119】
制御部40において第1モードと第2モードとの2つが設けられている。第1モードが選択されることで、前述の第1印刷処理、切断処理、第2印刷処理、オンドット調整処理を行うことで前述の美観低下の防止及びホワイトライン発生防止の両立を図ることができる。その一方、さらなる高い美観を確保したい場合には第2モードが選択されることで、切断処理が行われないまま第3印字処理が行われ、印字データの全オンドットに対応する第3印字が形成される。第2モードでは切断処理が行われないことにより、前述のようなホワイトラインの発生や美観の低下が発生することがない。このような2つのモードが選択可能となることで、ユーザにとっての利便性がさらに向上する。
【0120】
制御部40は、第2モードのとき、第3印刷処理において、被印字媒体Tのうち第1モードの切断処理での切断部30による切断予定位置に、ユーザが手動で切断するための目印マークMを印字する。
【0121】
前述のように第2モードでは印刷物作成装置による切断処理が行われないため、ユーザが自ら適宜の切断具を用いて被印字媒体Tを切断する必要がある。これに対応して本願発明においては、切断すべき位置に目印マークMが印字形成されることにより、ユーザは容易に適切な位置にて切断を行うことができる。
【0122】
制御部40は、さらに、接続部位に対応する印字データ内において少なくとも1つの第1オンドット又は第2オンドットが存在するか否かを判定する判定処理を実行し、第2モードのとき、判定処理により第1オンドット及び第2オンドットがいずれも存在しないと判定した場合は、例外的に、第1印刷処理、切断処理、及び第2印刷処理を実行する。
【0123】
前述のように第2モードでは、第1印字と第2印字との接続部位における高い美観を確保するために印刷物作成装置による切断処理が行われない。しかしながら、上記接続部位に対応するデータ範囲内に第1オンドットも第2オンドットも存在しない場合には、切断時の衝撃による媒体ずれ等が発生したとしても、美観を損ねる恐れはない。
【0124】
そこで、上記データ範囲内に少なくとも1つの第1又は第2オンドットが存在するか否かが判定処理において判定される。そして第1及び第2オンドットがいずれも存在しない場合は、例外的に、第1印刷処理、切断処理、及び第2印刷処理が実行される。これにより、ユーザが手動で切断を行う必要がなくなるため、ユーザにとっての利便性が向上する。
【0125】
また、本実施形態として、被印字媒体Tを所定の搬送経路に沿って搬送するテープ送りローラ22と、テープ送りローラ22により順方向へ搬送される被印字媒体Tに対し印字を形成する印字部20と、搬送経路に沿って印字部20よりも所定の離間距離だけ下流側に設けられる切断部30であって、被印字媒体Tを切断する切断部30と、制御部40と、を備えた印刷物作成装置11に実行させる印刷物作成プログラムであってもよい。この場合、印刷物作成装置11の制御部40に対し、印字データを取得する取得手順と、被印字媒体Tをテープ送りローラ22により搬送しつつ取得された印字データに含まれる第1オンドットに基づく第1印字を印字部20により形成する第1印刷手順と、第1印刷手順の後に行われる切断手順であって、テープ送りローラ22による搬送を中断し印字部20による第1印字の形成を終了して切断部30による被印字媒体Tの切断を行う切断手順と、切断手順の後に行われる第2印刷手順であって、被印字媒体Tをテープ送りローラ22により搬送しつつ取得された印字データに含まれる第2オンドットに基づく第2印字を印字部20により形成して印刷物を作成する第2印刷手順と、取得された印字データに基づき、第1印刷手順で形成する第1印字と第2印刷手順で形成する第2印字との接続部位に対応する印字データにおける第1オンドット及び第2オンドットのうち少なくとも一方の態様を調整するオンドット調整手順と、を実行させるものである。この場合でも、上述した効果と同様の効果を得ることができる。
【0126】
以上、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳細に説明した。しかしながら、本発明の技術的思想の範囲は、ここで説明した実施の形態に限定されないことは言うまでもない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想の範囲内において、様々な変更や修正、組み合わせなどを行うことに想到できることは明らかである。したがって、これらの変更や修正、組み合わせなどの後の技術も、当然に本発明の技術的思想の範囲に属するものである。以下に幾つかの変形例を記載する。
【0127】
(1)インクジェット方式
上記実施の形態では、印字部20としてサーマルヘッドの場合で示したが、例えば、インクジェットヘッドを用いた構成であってもよい。この場合には、上述したように、第1オンドットに対応するインク滴と第2オンドットに対応するインク滴とで大小が調整することで対応が可能となる。
【0128】
(2)第1オンドット側を調整
上記実施の形態では、印字位置PTを繋ぎ位置として、下流側、すなわち第2印字側において、重複させるときの重複割合を調整(太く/粗くするなど)、或いは、近接させるときの近接割合を調整(接近させる)、する場合で説明したが、第1印字側において、重複させるときの重複割合を調整(細く/細かくするなど)、或いは、近接させるときの近接割合を調整(離間させる)、場合でもよい。
【0129】
(3)印字テープ
また、以上においては、基材テープ101とは別のカバーフィルム103に印字を行ってこれらを貼り合わせる方式であったが、これに限られず、基材テープに備えられた被印字テープ層に印字を行う方式(貼りあわせを行わないタイプ)に本発明を適用してもよい。
【0130】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0131】
11 印刷物作成装置
12 カートリッジ
13 カートリッジホルダ
14 筐体
15 被検出部
16 カートリッジセンサ
20 切断部
20 印字部
21 印字ヘッド
22 テープ送りローラ(搬送部)
23 プラテンローラ
24 テープ圧接ローラ
30 切断部
33 固定刃
34 可動刃
40 制御部
41 記憶部
CT カット位置
PT 印字位置
L ラベル
M 目印マーク
T 被印刷媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7