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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022152063
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】無線タグ情報書き込み装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20221004BHJP
   G06K 17/00 20060101ALI20221004BHJP
   B41J 3/36 20060101ALI20221004BHJP
   B41J 3/50 20060101ALI20221004BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
G06K7/10 176
G06K7/10 272
G06K17/00 025
B41J3/36 Z
B41J3/50 101Z
B41J29/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021054689
(22)【出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】高橋 宏征
(72)【発明者】
【氏名】宮林 宏和
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 篤史
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雄一郎
【テーマコード(参考)】
2C055
2C061
【Fターム(参考)】
2C055CC00
2C055CC01
2C055CC05
2C055HH00
2C055HH06
2C055HH10
2C055HH15
2C061AP10
2C061AQ04
2C061AS08
2C061CG01
2C061CG15
(57)【要約】
【課題】RFIDタグにデータを書き込みつつ媒体の搬送時間を短くできる無線タグ情報書き込み装置を提供する。
【解決手段】印刷装置は、テープ送りモータ、無線読込書込装置を備える。テープ送りモータは、複数の無線通信タグが長手方向に沿って並ぶテープを搬送する。無線読込書込装置は、テープと共に搬送される無線通信タグにデータを書込む。印刷装置は、無線読込書込装置が書込むデータの量に基づき、通信時間Tを算出する(S5)。印刷装置は、無線通信タグの間隔に基づき、無線読込書込装置がデータを書込む際の通信強度を算出する(S9)。印刷装置は、第一速度V1を通信時間Tと通信強度に基づき算出する(S10)。印刷装置は、算出した通信強度で無線通信タグにデータを書込む際、テープを搬送する速度を算出した第一速度V1とする。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグが長手方向に複数並ぶ媒体を搬送する媒体搬送部と、
前記媒体搬送部により搬送される前記媒体の前記RFIDタグに対して無線通信でデータを書き込むデータ書込部と、
前記データ書込部が書き込む前記データの量に基づき、前記データ書込部と前記RFIDタグとの間の通信時間を算出する時間算出部と、
前記長手方向に隣り合う前記RFIDタグのアンテナの間隔に基づき、前記無線通信の通信強度を算出する強度算出部と、
前記時間算出部が算出した前記通信時間及び前記強度算出部が算出した前記通信強度に基づき、前記データ書込部が前記データを書き込む際の前記媒体の搬送速度を算出する搬送速度算出部と、
前記データ書込部が前記強度算出部により算出された前記通信強度の前記無線通信で前記データを書き込む際に、前記搬送速度算出部が算出した前記搬送速度で前記媒体を搬送するように前記媒体搬送部を制御する搬送制御部と
を備えたことを特徴とする無線タグ情報書き込み装置。
【請求項2】
前記データ書込部が前記データを書き込んでいない場合、前記搬送速度よりも速い所定速度で前記媒体を搬送するように前記媒体搬送部を制御する第二搬送制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載の無線タグ情報書き込み装置。
【請求項3】
前記通信時間に基づき、前記データ書込部による前記データの書き込みが完了したか否かを判断する書込判断部を備え、
前記データ書込部による前記データの書き込みが完了したと前記書込判断部が判断した場合、前記第二搬送制御部が前記媒体搬送部を制御することを特徴とする請求項2に記載の無線タグ情報書き込み装置。
【請求項4】
前記媒体搬送部により搬送される前記媒体における前記RFIDタグが設けられていない被印刷部に対して印刷を行う印刷部を備え、
前記第二搬送制御部は、
前記データ書込部が前記データを書き込んでおらず、且つ前記印刷部が印刷を行う場合、所定の第一速度で前記媒体を搬送するように前記媒体搬送部を制御し、
前記データ書込部が前記データを書き込んでおらず、且つ前記印刷部が印刷を行っていない場合、前記第一速度よりも速い所定の第二速度で前記媒体を搬送するように前記媒体搬送部を制御することを特徴とする請求項2又は3に記載の無線タグ情報書き込み装置。
【請求項5】
全ての前記RFIDタグに対して前記データ書込部が前記データの書き込みを完了したか否かを判断する完了判断部と、
全ての前記RFIDタグに対して前記データ書込部が前記データの書き込みを完了したと前記完了判断部が判断した場合、前記媒体を搬送制御部の制御により搬送する方向と逆方向に搬送するように前記媒体搬送部を制御する第三搬送制御部とを備えることを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の無線タグ情報書き込み装置。
【請求項6】
前記強度算出部は、前記間隔を超えない範囲で前記データを書き込むことができる前記通信強度を算出することを特徴とする請求項1~5の何れかに記載の無線タグ情報書き込み装置。
【請求項7】
前記データ書込部が前記無線通信を行うことができる最大通信強度を記憶する強度記憶部を備え、
前記強度算出部は、前記強度記憶部が記憶する前記最大通信強度を超えない前記通信強度を算出することを特徴とする請求項1~6の何れかに記載の無線タグ情報書き込み装置。
【請求項8】
前記媒体搬送部が搬送する前記媒体の情報を記憶する媒体記憶部を備え、
前記強度算出部は、前記媒体記憶部が記憶する前記媒体の情報に基づき、前記通信強度を算出することを特徴とする請求項1~7の何れかに記載の無線タグ情報書き込み装置。
【請求項9】
前記搬送速度算出部は、前記強度算出部が算出した前記通信強度に基づく通信範囲を、前記時間算出部が算出した前記通信時間で除算することで前記搬送速度を算出することを特徴とする請求項1~8の何れかに記載の無線タグ情報書き込み装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線タグ情報書き込み装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搬出されてくる印刷済みタグテープ上の複数の無線タグ回路素子に対して、高周波回路がアンテナを介して無線タグ情報を非接触で書き込む無線タグ情報書き込み装置が公知である。特許文献1に記載の無線タグ情報書き込み装置は、無線タグ回路素子がアンテナ近傍に予め設定した書込開始位置に到達すると、印字済みタグテープの搬送速度を減速する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-267532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の無線タグ情報書き込み装置は、印刷済みタグテープの搬送速度を予め設定された値に減速する。故に、無線タグ回路素子の間隔が異なる等の印字済みタグテープの種類によっては、必要以上に搬送速度が減速されてしまい、無線タグ情報を書き込む時間が長くなる可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、RFIDタグにデータを書き込みつつ媒体の搬送時間を短くできる無線タグ情報書き込み装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る無線タグ情報書き込み装置は、RFIDタグが長手方向に複数並ぶ媒体を搬送する媒体搬送部と、前記媒体搬送部により搬送される前記媒体の前記RFIDタグに対して無線通信でデータを書き込むデータ書込部と、前記データ書込部が書き込む前記データの量に基づき、前記データ書込部と前記RFIDタグとの間の通信時間を算出する時間算出部と、前記長手方向に隣り合う前記RFIDタグのアンテナの間隔に基づき、前記無線通信の通信強度を算出する強度算出部と、前記時間算出部が算出した前記通信時間及び前記強度算出部が算出した前記通信強度に基づき、前記データ書込部が前記データを書き込む際の前記媒体の搬送速度を算出する搬送速度算出部と、前記データ書込部が前記強度算出部により算出された前記通信強度の前記無線通信で前記データを書き込む際に、前記搬送速度算出部が算出した前記搬送速度で前記媒体を搬送するように前記媒体搬送部を制御する搬送制御部とを備えたことを特徴とする。
【0007】
本態様の無線タグ情報書き込み装置は、RFIDタグにデータを書き込む際の媒体の搬送速度を無線通信の通信時間及び通信強度に基づき算出する。よって、無線タグ情報書き込み装置は、RFIDタグにデータが書き込まれた媒体の作成時間を短くすることができる。
【0008】
本態様の無線タグ情報書き込み装置は、前記データ書込部が前記データを書き込んでいない場合、前記搬送速度よりも速い所定速度で前記媒体を搬送するように前記媒体搬送部を制御する第二搬送制御部を備えてもよい。無線タグ情報書き込み装置は、RFIDタグにデータを書き込んでいない場合、搬送速度よりも速い所定速度で媒体を搬送する。よって、無線タグ情報書き込み装置は、RFIDタグにデータを書き込んでいない場合の媒体の搬送に掛かる時間を短くすることができる。
【0009】
本態様の無線タグ情報書き込み装置は、前記通信時間に基づき、前記データ書込部による前記データの書き込みが完了したか否かを判断する書込判断部を備え、前記データ書込部による前記データの書き込みが完了したと前記書込判断部が判断した場合、前記第二搬送制御部が前記媒体搬送部を制御してもよい。この場合、無線タグ情報書き込み装置は、RFIDタグにデータの書き込みが完了すると、第二搬送制御部が所定速度で媒体を搬送する。よって、無線タグ情報書き込み装置は、媒体の搬送に掛かる時間を短くすることができる。
【0010】
本態様の無線タグ情報書き込み装置は、前記媒体搬送部により搬送される前記媒体における前記RFIDタグが設けられていない被印刷部に対して印刷を行う印刷部を備え、前記第二搬送制御部は、前記データ書込部が前記データを書き込んでおらず、且つ前記印刷部が印刷を行う場合、所定の第一速度で前記媒体を搬送するように前記媒体搬送部を制御し、前記データ書込部が前記データを書き込んでおらず、且つ前記印刷部が印刷を行っていない場合、前記第一速度よりも速い所定の第二速度で前記媒体を搬送するように前記媒体搬送部を制御してもよい。この場合、無線タグ情報書き込み装置は、RFIDタグにデータを書き込んでいらず、且つ印刷部が印刷を行う場合、第一速度で媒体を搬送しながら印刷を行う。無線タグ情報書き込み装置は、RFIDタグにデータを書き込んでいらず、且つ印刷部が印刷を行っていない場合、第一速度よりも速い第二速度で媒体を搬送する。よって、無線タグ情報書き込み装置は、RFIDタグにデータを書き込んでいない場合の媒体の搬送に掛かる時間を短くすることができる。
【0011】
本態様の無線タグ情報書き込み装置は、全ての前記RFIDタグに対して前記データ書込部が前記データの書き込みを完了したか否かを判断する完了判断部と、全ての前記RFIDタグに対して前記データ書込部が前記データの書き込みを完了したと前記完了判断部が判断した場合、前記媒体を搬送制御部の制御により搬送する方向と逆方向に搬送するように前記媒体搬送部を制御する第三搬送制御部とを備えてもよい。この場合、無線タグ情報書き込み装置は、全てのRFIDタグに対してデータの書き込みが完了すると、媒体を搬送制御部の制御により搬送する方向と逆方向に方向搬送する。よって、無線タグ情報書き込み装置は、次回のデータ書込部によるデータの書き込みと印刷部による印刷とを行う場合に円滑に媒体を搬送できる。
【0012】
本態様の無線タグ情報書き込み装置において、前記強度算出部は、前記間隔を超えない範囲で前記データを書き込むことができる前記通信強度を算出してもよい。この場合、無線タグ情報書き込み装置は、隣り合うRFIDタグのアンテナの間隔を超えない範囲でデータを書き込むことができる通信強度を算出し、算出した通信強度でRFIDタグにデータを書き込む。よって、無線タグ情報書き込み装置は、RFIDタグのアンテナの間隔に応じた速度でRFIDタグにデータを書き込むことができる。
【0013】
本態様の無線タグ情報書き込み装置は、前記データ書込部が前記無線通信を行うことができる最大通信強度を記憶する強度記憶部を備え、前記強度算出部は、前記強度記憶部が記憶する前記最大通信強度を超えない前記通信強度を算出してもよい。この場合、無線タグ情報書き込み装置は、データ書込部が前記無線通信を行うことができる最大通信強度を超えない通信強度を算出し、算出した通信強度でRFIDタグにデータを書き込む。よって、無線タグ情報書き込み装置は、RFIDタグにデータが書き込まれた媒体の作成時間を短くすることができる。
【0014】
本態様の無線タグ情報書き込み装置は、前記媒体搬送部が搬送する前記媒体の情報を記憶する媒体記憶部を備え、前記強度算出部は、前記媒体記憶部が記憶する前記媒体の情報に基づき、前記通信強度を算出してもよい。無線タグ情報書き込み装置は、媒体記憶部が記憶する前記媒体の情報に基づき通信強度を算出し、算出した通信強度でRFIDタグにデータを書き込む。よって、無線タグ情報書き込み装置は、媒体に応じた適切な搬送速度で媒体を搬送できる。
【0015】
本態様の無線タグ情報書き込み装置において、前記搬送速度算出部は、前記強度算出部が算出した前記通信強度に基づく通信範囲を、前記時間算出部が算出した前記通信時間で除算することで前記搬送速度を算出してもよい。この場合、無線タグ情報書き込み装置は、通信時間を通信強度に基づく通信範囲で除算することで媒体の搬送速度を算出する。よって、無線タグ情報書き込み装置は、RFIDタグにデータが書き込まれた媒体の作成時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】印刷装置1の斜視図である。
図2】テープカセット30が装着された装着部8の平面図である。
図3】印刷装置1の電気的構成を示すブロック図である。
図4】テープ50の平面図である。
図5】テープ50A、50Bの平面図である。
図6】メイン処理を示すフローチャートである。
図7】メイン処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載される装置の構成などは、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。以下の説明では、図1の右上側、左下側、右下側、左上側、上側、及び下側を、夫々、印刷装置1の右側、左側、前側、後側、上側、及び下側とする。図4の上側、下側、左側、右側を、夫々、テープ50の上側、下側、先端側、末尾側とする。
【0018】
図1に示すように、印刷装置1は、直方体状の筐体である本体カバー2を備える。本体カバー2の上面前部には、キャラクタを入力するためのキーボード3が設けられる。キーボード3は、電源スイッチ、用途キー、カーソルキー等を含む。キーボード3の後側には、各種情報を表示するディスプレイ5が設けられる。一例として、ディスプレイ5はドットマトリクスLCDである。ディスプレイ5の後側には、本体カバー2に対して開閉可能なカセットカバー6が設けられる。本体カバー2の左面後部には、印刷されたテープ50を本体カバー2の外部に排出する排出口9が設けられる。
【0019】
図2に示すように、本体カバー2の内部におけるカセットカバー6(図1参照)の下側には、装着部8が設けられる。装着部8は、テープカセット30の形状に対応する凹部であり、テープカセット30を着脱可能な部位である。以下では、装着部8に装着されているテープカセット30を、装着中のテープカセット30という。印刷装置1は、装着中のテープカセット30を用いて、キーボード3を介して入力されたキャラクタの印刷を実行する。
【0020】
テープカセット30は、テープ50及びインクリボン60等を収容する箱状のカセットケース33を備える。印刷前のテープ50が巻回されたテープスプール40は、カセットケース33内の左後部で回転可能に支持される。未使用のインクリボン60が巻回されたリボンスプール42は、カセットケース33内の右前部で回転可能に支持される。リボン巻取スプール44は、テープスプール40とリボンスプール42との間で回転可能に支持される。リボン巻取スプール44は、リボンスプール42から未使用のインクリボン60を引き出すとともに、印刷に使用されたインクリボン60を巻き取る。テープ駆動ローラ46は、カセットケース33内の左前角部で回転可能に支持されて、テープスプール40から印刷前のテープ50を引き出して搬送する。テープ50の搬送方向の下流側及び上流側が、テープ50の長手方向の先端側及び末尾側に対応する。
【0021】
カセットケース33の側壁には指標部(図示略)が設けられる。指標部は孔部および面部からなる。指標部は孔部および面部の位置と数により、テープカセット30が収容するテープ50のテープ情報を示す。本実施形態におけるテープ情報は、後述するタグ間隔L、位置長さLa、ラベル長さLbの情報を含む。
【0022】
装着部8には、リボン巻取軸(図示略)、テープ駆動軸(図示略)、サーマルヘッド10、プラテン機構12、無線読込書込装置18等が設けられる。リボン巻取軸は、リボン巻取スプール44に挿入され、テープ送りモータ23(図3参照)の駆動によって回転する。テープ駆動軸は、テープ駆動ローラ46に挿入され、テープ送りモータ23の駆動によって伝達機構(図示略)を介して回転する。サーマルヘッド10は、テープ駆動軸の右側に配置され、搬送されるテープ50に未使用のインクリボン60を用いて印刷を行う。プラテン機構12は、サーマルヘッド10との間でテープ50とインクリボン60とを互いに圧接して搬送する。排出口9と装着部8との間には、カット機構17が設けられる。カット機構17は、カットモータ24(図3参照)の駆動により、テープ50を所定の位置で切断する。
【0023】
無線読込書込装置18は、カット機構17に対してテープ50の搬送方向上流側に設けられる。無線読込書込装置18は、テープカセット30から排出されたテープ50に対向して、テープ50の無線通信タグ80(図4参照)に対して近距離無線通信でデータの読取り及び書込みが可能である。本実施形態では、無線読込書込装置18は公知のRFID(Radio frequency identification)方式で無線通信を行う。
【0024】
図3を参照し、印刷装置1の電気的構成を説明する。印刷装置1は制御回路部70を備える。制御回路部70は、CPU71、ROM72、CGROM73、RAM74、フラッシュメモリ75、及び入出力インタフェース77を備え、これらがデータバス69を介して接続される。CPU71は、印刷装置1を統括制御する。ROM72は、CPU71が各種プログラムを実行するときに必要な各種パラメータ、後述する第二速度V2、第三速度V3、無線読込書込装置18が出力できる最大通信強度等を記憶する。CGROM73は、テープ50に印字するキャラクタの画像データを記憶する。RAM74は、テキストメモリ、印刷バッファ等、複数の記憶領域を備える。フラッシュメモリ75は、CPU71が実行する各種プログラム等を記憶する。
【0025】
入出力インタフェース77には、キーボード3、液晶駆動回路(LCDC)25、駆動回路26~29、無線読込書込装置18、検出部19、光学センサ20、及び外部インタフェース21が接続される。無線読込書込装置18は、図示外のアンテナとリーダICとライタICとを備える。LCDC25は、ディスプレイ5に表示データを出力するためのビデオRAM(図示略)を有する。
【0026】
駆動回路26は、サーマルヘッド10を駆動するための電子回路である。駆動回路27は、テープ送りモータ23を駆動するための電子回路である。駆動回路28は、カットモータ24を駆動するための電子回路である。駆動回路29は、無線読込書込装置18を駆動するための電子回路である。検出部19は、装着中のテープカセット30における指標部を検出する。光学センサ20は、搬送されるテープ50の無線読込書込装置18及びサーマルヘッド10に対する位置を検出する。外部インタフェース21は外部端末90と通信する為のコントローラである。外部端末90は、例えば汎用のパーソナルコンピュータである。
【0027】
図4を参照し、テープ50の概要を説明する。本実施形態のテープ50は、複数のラベル51が所定の間隔を空けて長手方向に沿って連続して並ぶ長尺帯状のシートである。テープ50における隣り合うラベル51の隙間を余白53という。テープカセット30が装着された印刷装置1では、テープ50がその長手方向に沿って搬送される。ラベル51内に、無線通信でデータの読取り及び書込みが可能な複数の無線通信タグ80が設けられる。複数の無線通信タグ80は、テープ50の長手方向に並んでラベル51内に設けられる。サーマルヘッド10は、ラベル51内で無線通信タグ80が設けられていない被印刷部52に、インクリボン60を用いてキャラクタを印刷する。カット機構17は、ラベル51単位でテープ50をカットする。
【0028】
本実施形態の無線通信タグ80は、ICチップ81、アンテナ82、及びシール基材83を有する公知のRFIDタグである。シール基材83は、その表面にICチップ81及びアンテナ82が配設された長方形状のシートである。ICチップ81は、高周波回路、メモリ、電源回路を備える。アンテナ82は、シール基材83上においてICチップ81を中心に巻回されたコイル状のアンテナである。本実施形態の無線通信タグ80は、パッシブ型RFIDタグであるが、アクティブ型RFIDタグでもよい。
【0029】
本実施形態では、無線通信タグ80がラベル51毎に1つずつ配置されるように、複数の無線通信タグ80がテープ50の長手方向(即ち、搬送方向)に沿って等間隔に並ぶ。無線読込書込装置18は無線通信タグ80に対して無線通信でデータの書込みを行う。無線読込書込装置18が無線通信タグ80に対して通信可能となる範囲を通信可能範囲Aといい、通信可能範囲Aの搬送方向における長さを通信可能長さLxという。通信可能長さLx(通信可能範囲A)は無線通信の通信強度が強くなるほど大きくなる。ROM72は、通信強度と通信可能長さLxとの関係を記憶する。
【0030】
テープカセット30の指標部は、収容するテープ50の搬送方向の無線通信タグ80の間隔(以下、タグ間隔Lという。)、ラベル51の先端(搬送方向下流端)から無線通信タグ80までの長さ(以下、位置長さLaという。)、及びラベル51の長さ(以下、ラベル長さLbという。)を含むテープ情報を示す。テープカセット30はタグ間隔L、位置長さLa、ラベル長さLbの異なる種々のテープ50を収容できる。本実施形態では、テープカセット30は、図5に示すテープ50A及びテープ50Bの何れか一方を収容する。
【0031】
図5を参照し、本発明におけるテープ50の搬送の制御について説明する。テープ50は、テープ送りモータ23(図3参照)の駆動によって搬送される。テープ50が搬送される速度は、無線読込書込装置18が無線通信タグ80にデータを書込んでいる場合と、無線読込書込装置18が無線通信タグ80にデータを書込んでいない場合とで異なる。
【0032】
より詳細に、テープ50と共に搬送される無線通信タグ80が通信可能範囲Aに到達し、無線読込書込装置18がデータを無線通信タグ80に書込んでいる場合、テープ50は第一速度V1で搬送される。第一速度V1は通信可能長さLxを通信時間Tで除算した速度である。通信時間Tは、無線読込書込装置18がデータを無線通信タグ80に書込む時間である。印刷装置1は、無線読込書込装置18が書込むデータの量に基づき、通信時間Tを算出する。
【0033】
印刷装置1は、ROM72が記憶する通信強度と通信可能長さLxとの関係に基づき、通信可能長さLxを算出する。通信可能長さLxは、通信強度の大きさにより変動する。ROM72は、無線読込書込装置18の最大通信強度と、無線読込書込装置18が最大通信強度で通信した場合の通信可能長さ(以下、最大通信可能長さLxmaxという。)とを記憶する。印刷装置1は、最大通信可能長さLxmaxとタグ間隔Lを比較する。最大通信可能長さLxmaxがタグ間隔L以下である場合、印刷装置1はデータを書込む際の通信強度を最大通信強度として、通信可能長さLxを最大通信可能長さLxmaxと設定する。最大通信可能長さLxmaxがタグ間隔Lよりも大きい場合、印刷装置1は通信可能長さLxをタグ間隔Lとし、ROM72が記憶する通信強度と通信可能長さLxとの関係に基づき、タグ間隔Lに対応する通信強度を算出する。
【0034】
搬送される無線通信タグ80が通信可能範囲Aになく、無線読込書込装置18が無線通信タグ80にデータを書込んでいない場合、テープ50は第一速度V1よりも速い所定の速度で搬送される。より詳細に、無線読込書込装置18がデータを無線通信タグ80に書込んでおらず、且つサーマルヘッド10が被印刷部52にキャラクタを印刷する場合、テープ50は所定の第二速度V2(V2>V1)で搬送される。無線読込書込装置18がデータを無線通信タグ80に書込んでおらず、且つサーマルヘッド10が被印刷部52にキャラクタを印刷していない場合、テープ50は所定の第三速度V3(V3>V2)で搬送される。本実施形態では、サーマルヘッド10は余白53を被印刷部52として印刷を行わない。また、無線読込書込装置18が無線通信タグ80へのデータの書込みが完了した場合、テープ50は第二速度V2又は第三速度V3で搬送される。
【0035】
図5に示すテープ50Aでは、最大通信可能長さLxmaxがタグ間隔L以下である。印刷装置1は印刷装置1は通信可能長さLxを最大通信可能長さLxmaxとして第一速度V1を算出する。無線通信タグ80が通信可能範囲Aにある場合、テープ50を第一速度V1で搬送しながら、無線読込書込装置18が無線通信タグ80にデータを書込み、サーマルヘッド10が被印刷部52にキャラクタを印刷する。無線読込書込装置18が無線通信タグ80にデータを書込みが完了すると、印刷装置1はサーマルヘッド10が印刷を行う場合には第二速度V2、サーマルヘッド10が印刷を行う場合には第三速度V3でテープ50を搬送する。その後、無線通信タグ80が通信可能範囲Aに到達すると、印刷装置1はテープ50を第一速度V1で搬送する。
【0036】
テープ50Bでは、最大通信可能長さLxmaxがタグ間隔Lよりも大きい。この場合、無線読込書込装置18が最大通信強度で通信すると、データを書込みを所望する無線通信タグ80とは異なる無線通信タグ80にも無線通信が行われる虞がある。故に、印刷装置1は通信可能長さLxをタグ間隔Lとして第一速度V1を算出する。テープ50Bでは、データを書込む無線通信タグ80における通信可能範囲Aと次回データを書込む無線通信タグ80における通信可能範囲Aとが当接する。故に、印刷装置1はテープ50を第一速度V1のみで搬送する。
【0037】
図6図7を参照し、メイン処理を説明する。メイン処理は、無線読込書込装置18が搬送される無線通信タグ80にデータを書込む為の処理である。印刷装置1の電源が投入されると、CPU71はフラッシュメモリ75からプログラムを読み出してメイン処理を実行する。
【0038】
図6に示すように、メイン処理が開始されると、CPU71は外部端末90から無線通信タグ80に書込むデータを受信したか否かを判断する(S1)。ユーザは外部端末90を操作して印刷装置1にデータを送信する。外部端末90からデータを受信していないと判断した場合(S1:NO)、CPU71は処理をS1に戻し、外部端末90からデータを受信するまでS1の判断を実行する。
【0039】
外部端末90からデータを受信したと判断した場合(S1:YES)、CPU71は受信したデータをRAM74に記憶する(S2)。CPU71は、検出部19からテープカセット30の指標部が示すテープ情報(タグ間隔L等)を取得し、RAM74に記憶する(S3)。CPU71は、ROM72から各種パラメータを取得する(S4)。S4において、CPU71はパラメータとして最大通信可能長さLxmax、第二速度V2、第三速度V3を取得する。CPU71は、S2でRAM74に記憶したデータの量に基づき、通信時間Tを算出する(S5)。
【0040】
CPU71は、S4で取得した最大通信可能長さLxmaxがS3で取得したテープ情報に含まれるタグ間隔Lよりも大きいか否かを判断する(S6)。最大通信可能長さLxmaxがタグ間隔Lよりも大きいと判断した場合(S6:YES)、CPU71は無線読込書込装置18がデータを書込む際の通信可能長さLxをタグ間隔Lの値に設定し(S7)、処理をS9に移行する。最大通信可能長さLxmaxがタグ間隔L以下であると判断した場合(S6:NO)、CPU71は通信可能長さLxを最大通信可能長さLxmaxの値に設定し(S8)、処理をS9に移行する。
【0041】
CPU71は、S7またはS8で設定した通信可能長さLx、及びROM72が記憶する通信強度と通信可能長さLxとの関係に基づき、無線読込書込装置18がデータを書込む際の通信強度を算出する(S9)。CPU71は、通信可能長さLxを通信時間Tで除算することで第一速度V1を算出する(S10)。
【0042】
CPU71は、第三速度V3でテープ50の搬送を開始する(S11)。CPU71は、監視処理を実行する(S12)。S12において、CPU71は光学センサ20の検出結果に基づき、無線読込書込装置18に対する無線通信タグ80の位置と、サーマルヘッド10に対する被印刷部52の位置とを監視する。
【0043】
図7に示すように、CPU71は搬送される無線通信タグ80が通信可能範囲Aに到達したか否かを判断する(S21)。S21の判断は、S12で監視する無線読込書込装置18に対する無線通信タグ80の位置、及び通信可能長さLxに基づき行われる。無線通信タグ80が通信可能範囲Aに到達していないと判断した場合(S21:NO)、CPU71は処理をS31に移行する。
【0044】
無線通信タグ80が通信可能範囲Aに到達したと判断した場合(S21:YES)、CPU71は駆動回路27を制御することで、テープ50を搬送する速度を第一速度V1とする(S22)。CPU71が駆動回路29を制御することで、無線読込書込装置18はS9で算出した通信強度で無線通信タグ80にデータを書込む(S23)。
【0045】
CPU71は搬送される被印刷部52に印刷を行うか否かを判断する(S24)。S24の判断は、S12で監視するサーマルヘッド10に対する被印刷部52の位置に基づき行われる。被印刷部52に印刷を行わないと判断した場合(S24:NO)、CPU71は処理をS26に移行する。被印刷部52に印刷を行うと判断した場合(S24:YES)、CPU71が駆動回路26を制御することで、サーマルヘッド10はインクリボン60を用いてキャラクタを被印刷部52に印刷を行う(S25)。CPU71は処理をS26に移行する。
【0046】
CPU71は、S23で行う無線読込書込装置18によるデータの書込みが完了したか否かを判断する(S26)。S26の判断は、S5で算出された通信時間Tに基づき行われる。データの書込みが完了していないと判断した場合(S26:NO)、CPU71は処理をS26に戻し、データの書込みが完了するまでS26の判断を実行する。データの書込みが完了したと判断した場合(S26:YES)、CPU71は処理をS31に移行する。
【0047】
無線通信タグ80が通信可能範囲Aに到達していない場合(S21:NO)、又は無線読込書込装置18によるデータの書込みが完了したと判断した場合(S26:YES)、CPU71は搬送される被印刷部52に印刷を行うか否かを判断する(S31)。S31はS24と同様にして判断される。被印刷部52に印刷を行わないと判断した場合(S31:NO)、CPU71は処理をS41に移行する。
【0048】
被印刷部52に印刷を行うと判断した場合(S31:YES)、CPU71は駆動回路27を制御することで、テープ50を搬送する速度を第二速度V2とする(S32)。CPU71が駆動回路26を制御することで、サーマルヘッド10はインクリボン60を用いてキャラクタを被印刷部52に印刷を行う(S33)。S33はS25と同様の処理である。CPU71は処理をS41に移行する。
【0049】
CPU71は駆動回路27を制御することで、テープ50を搬送する速度を第三速度V3とする(S41)。CPU71はS1で受信した全てのデータの無線通信タグ80への書き込みが完了したか否かを判断する(S42)。全てのデータの無線通信タグ80への書き込みが完了していないと判断した場合(S42:NO)、CPU71は処理をS21に戻す。全てのデータの無線通信タグ80への書き込みが完了したと判断した場合(S42:YES)、CPU71は駆動回路27を制御することで、テープ送りモータ23を逆転駆動し、テープ50を搬送方向と逆方向に搬送する(S43)。S43において、CPU71は先端側の未使用のラベル51がサーマルヘッド10よりも搬送方向上流に位置するように駆動回路27を制御する。
【0050】
以上説明したように、本実施形態の印刷装置1は、テープ送りモータ23、無線読込書込装置18、及びCPU71を備える。テープ送りモータ23は、複数の無線通信タグ80が長手方向に沿って並ぶテープ50を搬送する。無線読込書込装置18は、テープ50と共に搬送される無線通信タグ80にデータを書込む。CPU71は、無線読込書込装置18が書込むデータの量に基づき、通信時間Tを算出する(S5)。CPU71は、タグ間隔Lに基づき(S6)、無線読込書込装置18がデータを書込む際の通信強度を算出する(S9)。CPU71は、第一速度V1を通信時間Tと通信強度に基づき算出する(S10)。CPU71は、搬送される無線通信タグ80が通信可能範囲Aに到達し、算出した通信強度で無線通信タグ80にデータを書込む際、テープ50を搬送する速度を算出した第一速度V1とする(S22)。これにより、印刷装置1はデータを書込まれたラベル51の作成時間を短くすることができる。
【0051】
CPU71は、搬送される無線通信タグ80が通信可能範囲Aに到達しておらず、無線読込書込装置18が無線通信タグ80にデータを書込んでいない場合、テープ50を搬送する速度を第一速度V1よりも速い所定の第二速度V2(S32)又は第三速度V3(S41)とする。これにより、印刷装置1は無線通信タグ80にデータを書き込んでいない場合のテープ50の搬送に掛かる時間を短くすることができる。
【0052】
CPU71は、通信時間Tに基づき、無線読込書込装置18によるデータの書込みが完了したか否かを判断する(S26)。データの書込みが完了したと判断した場合、CPU71は、テープ50を搬送する速度を第二速度V2(S32)又は第三速度V3(S41)とする。これにより、印刷装置1は無線通信タグ80にデータを書き込んでいない場合のテープ50の搬送に掛かる時間を短くすることができる。
【0053】
印刷装置1は、サーマルヘッド10を備える。サーマルヘッド10は、インクリボン60を用いて、ラベル51の被印刷部52にキャラクタを印刷する。CPU71は、無線読込書込装置18が無線通信タグ80にデータを書込んでおらず、且つサーマルヘッド10が被印刷部52に印刷を行う場合、テープ50を搬送する速度を第二速度V2とする(S32)。CPU71は、無線読込書込装置18が無線通信タグ80にデータを書込んでおらず、且つサーマルヘッド10が被印刷部52に印刷行わない場合、テープ50を搬送する速度を第三速度V3とする(S41)。これにより、印刷装置1は無線通信タグ80にデータを書き込んでいない場合のテープ50の搬送に掛かる時間を短くすることができる。
【0054】
CPU71は、全てのデータの無線通信タグ80への書き込みが完了したか否かを判断する(S42)。全てのデータの無線通信タグ80への書き込みが完了したと判断した場合、CPU71はテープ送りモータ23を逆転駆動し、テープ50を搬送方向と逆方向に搬送する(S43)。この時、CPU71は先端側の未使用のラベル51がサーマルヘッド10よりも搬送方向上流に位置するようにテープ50を搬送する。未使用のラベル51がサーマルヘッド10及び無線読込書込装置18よりも搬送方向上流に位置するので、印刷装置1は次回、無線通信タグ80にデータを書き込む際にテープ50の先端の位置を調整することなく円滑にテープ50を搬送できる。
【0055】
CPU71は、最大通信可能長さLxmaxがタグ間隔Lよりも大きいと判断した場合、CPU71は無線読込書込装置18がデータを書込む際の通信可能長さLxをタグ間隔Lの値に設定し(S7)、無線読込書込装置18がデータを書込む際の通信強度を算出する(S9)。印刷装置1は、算出した通信強度に基づき第一速度V1を算出するので、データを書込まれたラベル51をタグ間隔Lに応じた速度で作成できる。
【0056】
ROM72は、無線読込書込装置18が出力できる最大通信強度、及び通信強度と通信可能長さLxとの関係を記憶する。CPU71は、通信可能長さLxの最大を最大通信可能長さLxmaxとし、通信強度と通信可能長さLxとの関係に基づき、無線読込書込装置18がデータを書込む際の通信強度を算出する(S9)。印刷装置1は、算出した通信強度に基づき第一速度V1を算出するので、データを書込まれたラベル51の作成時間を短くすることができる。
【0057】
RAM74は、CPU71が検出部19から取得したテープカセット30の指標部が示すテープ情報を記憶する。CPU71は、テープ情報であるタグ間隔Lに基づき、無線読込書込装置18がデータを書込む際の通信強度を算出する(S9)。印刷装置1は、算出した通信強度に基づき第一速度V1を算出するので、データを書込まれたラベル51をテープ50に応じた速度で作成できる。
【0058】
CPU71は、通信可能長さLxを通信時間Tで除算することで第一速度V1を算出する(S10)。これにより、印刷装置1はデータを書込まれたラベル51の作成時間を短くすることができる。
【0059】
上記実施形態において、印刷装置1が本発明の「無線タグ情報書き込み装置」に相当する。無線通信タグ80が本発明の「RFIDタグ」に相当する。テープ50が本発明の「媒体」に相当する。テープ送りモータ23が本発明の「媒体搬送部」に相当する。無線読込書込装置18が本発明の「データ書込部」に相当する。S5を実行するCPU71が本発明の「時間算出部」に相当する。S9を実行するCPU71が本発明の「強度算出部」に相当する。第一速度V1が本発明の「搬送速度」に相当する。S10を実行するCPU71が本発明の「搬送速度算出部」に相当する。S22を実行するCPU71が本発明の「搬送制御部」に相当する。第二速度V2が本発明の「所定速度」「第一速度」に相当する。第三速度V3が本発明の「所定速度」「第二速度」に相当する。S32、S41を実行するCPU71が本発明の「第二搬送制御部」に相当する。S26を実行するCPU71が本発明の「書込判断部」に相当する。サーマルヘッド10が本発明の「印刷部」に相当する。S42を実行するCPU71が本発明の「完了判断部」に相当する。S43を実行するCPU71が本発明の「第三搬送制御部」に相当する。ROM72が本発明の「強度記憶部」に相当する。RAM74が本発明の「媒体記憶部」に相当する。
【0060】
本発明は上記実施形態から種々変更できる。以下説明する各種変形例は、矛盾が生じない限り夫々組合わせ可能である。例えば、本発明はサーマルヘッド10を備えない無線タグ情報書き込み装置にも適用できる。この場合、CPU71はS43を省略してもよい。上記実施形態において、テープカセット30はレセプタタイプであるが、ラミネートタイプ等の各種のテープカセットにも適用できる。
【0061】
上記実施形態では、無線読込書込装置18はサーマルヘッド10よりもテープ50の搬送方向の下流側に設けたが、サーマルヘッド10よりもテープ50の搬送方向の上流側に設けてもよい。印刷装置1は、カット機構17を備えなくてもよい。
【0062】
CPU71は、無線通信タグ80に書込むデータを外部端末90以外から取得してもよい。例えば、フラッシュメモリ75が予め書込むデータを記憶し、CPU71はフラッシュメモリ75から書込むデータを取得してもよい。無線通信タグ80に書込むデータを外部端末90以外から取得してもよい。CPU71は、テープ50に印字するキャラクタの画像データをCGROM73ではなく、外部端末90から取得してもよい。フラッシュメモリ75は、テープ50のテープ情報を予め記憶してもよい。この場合、印刷装置1は検出部19を備えなくてもよく、CPU71はS3を省略してもよい。
【0063】
上記実施形態では、サーマルヘッド10はラベル51内の被印刷部52に印刷を行うが、これに限定せず、例えば余白53に印刷を行ってもよい。第三速度V3は第二速度V2と同じ速度でもよい。
【0064】
CPU71は、S12において、テープ50を搬送した時間、速度等に基づき、無線読込書込装置18に対する無線通信タグ80の位置と、サーマルヘッド10に対する被印刷部52の位置とを監視してもよい。
【0065】
テープカセット30には、インクリボン60のみ収容されていてもよい。テープ50は、例えば、テープ50が巻回されたテープロールが印刷装置1に直接収容されてもよい。一方、テープカセット30には、感熱性のテープ50のみ収容されていてもよい。印刷装置1は、テープ50をサーマルヘッド10によって直接加熱することによって、テープ50に対する印刷を実行してもよい。
【0066】
CPU71の代わりにマイクロコンピュータ、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等がプロセッサとして用いられてもよい。メイン処理は複数のプロセッサによって分散処理されてもよい。非一時的な記憶媒体は情報を記憶する期間に関わらず、情報を留めておくことが可能な記憶媒体であればよい。非一時的な記憶媒体は一時的な記憶媒体(例えば、伝送される信号)を含まなくてもよい。プログラムは例えばネットワークに接続されたサーバからダウンロードされて(すなわち、伝送信号として送信され)、フラッシュメモリ75に記憶されてもよい。この場合、プログラムはサーバに備えられたハードディスクドライブ等の非一時的な記憶媒体に保存されていればよい。
【符号の説明】
【0067】
1 印刷装置
10 サーマルヘッド
18 無線読込書込装置
23 テープ送りモータ
50 テープ
71 CPU
72 ROM
74 RAM
80 無線通信タグ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7