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特開2022-152203情報管理装置、情報管理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022152203
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】情報管理装置、情報管理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20221004BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021054888
(22)【出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】高木 里実
(72)【発明者】
【氏名】太田 崇
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】輪郭線で区画されたメッシュ領域ごとの情報を、低負荷で管理することができる情報管理装置、情報管理方法、およびプログラムを提供すること。
【解決手段】移動体から、前記移動体の位置情報に対応付けられたアップロード情報を取得する取得部と、前記アップロード情報に基づいてメッシュ情報を生成し、前記メッシュ情報を、地上の領域を区画するように定義される複数のメッシュ領域のうち、前記移動体の位置情報を包含するメッシュ領域に対応付けて記憶部に記憶させる情報生成部と、を備える情報管理装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体から、前記移動体の位置情報に対応付けられたアップロード情報を取得する取得部と、
前記アップロード情報に基づいてメッシュ情報を生成し、前記メッシュ情報を、地上の領域を区画するように定義される複数のメッシュ領域のうち、前記移動体の位置情報を包含するメッシュ領域に対応付けて記憶部に記憶させる情報生成部と、
を備える情報管理装置。
【請求項2】
前記アップロード情報は、前記移動体におけるサンプリング時刻間の事象を表す情報であり、
前記情報生成部は、第1サンプリング時刻のアップロード情報に対応する位置情報を包含する第1メッシュ領域と、前記第1サンプリング時刻の次の第2サンプリング時刻のアップロード情報に対応する位置情報を包含する第2メッシュ領域とが異なる場合、前記第2サンプリング時刻に対応するアップロード情報の内容を前記第1メッシュ領域と前記第2メッシュ領域で按分して、前記第1メッシュ領域に対応付ける前記メッシュ情報と前記第2メッシュ領域に対応付ける前記メッシュ情報とを生成する、
請求項1記載の情報管理装置。
【請求項3】
前記アップロード情報は、前記移動体におけるサンプリング時刻間の事象を表す情報として生成されるものであり、
前記複数のメッシュ領域は、互いに重畳せず、隣接するメッシュ領域同士が間隔を持たずに境界線を介して接するように定義され、
前記情報生成部は、
第1サンプリング時刻のアップロード情報に対応する位置情報を包含する第1メッシュ領域と、前記第1サンプリング時刻の次の第2サンプリング時刻のアップロード情報に対応する位置情報を包含する第2メッシュ領域とが異なり、且つ、前記第1メッシュ領域と前記第2メッシュ領域が隣接する場合、前記第2サンプリング時刻に対応するアップロード情報の内容を前記第1メッシュ領域と前記第2メッシュ領域で按分して、前記第1メッシュ領域に対応付ける前記メッシュ情報と前記第2メッシュ領域に対応付ける前記メッシュ情報とを生成する、
請求項1記載の情報管理装置。
【請求項4】
前記情報生成部は、
第1サンプリング時刻のアップロード情報に対応する位置情報を包含する第1メッシュ領域と、前記第1サンプリング時刻の次の第2サンプリング時刻のアップロード情報に対応する位置情報を包含する第2メッシュ領域とが異なり、且つ前記第1メッシュ領域と前記第2メッシュ領域が隣接しない場合、
前記第1サンプリング時刻に対応する位置情報と前記第2サンプリング時刻に対応する位置情報とを結ぶ線分と、前記第1メッシュ領域における各輪郭線との交差有無、および、前記線分と前記第2メッシュ領域における各輪郭線との交差有無に基づいて、前記第1サンプリング時刻と前記第2サンプリング時刻との間に前記移動体が通った、前記第1メッシュ領域および前記第2メッシュ領域と異なる第3メッシュ領域を特定し、
前記第2サンプリング時刻に対応するアップロード情報の内容を前記第1メッシュ領域、前記第2メッシュ領域、および前記第3メッシュ領域で按分して、前記第1メッシュ領域に対応付ける前記メッシュ情報と前記第2メッシュ領域に対応付ける前記メッシュ情報と前記第3メッシュ領域に対応付ける前記メッシュ情報とを生成する、
請求項3記載の情報管理装置。
【請求項5】
前記複数のメッシュ領域のそれぞれを、前記アップロード情報に対応付けられた位置情報の繋がりに基づいて、少なくとも、二つの他のメッシュ領域に隣接する第1タイプのメッシュ領域と、一つまたは三つ以上の他のメッシュ領域に隣接する第2タイプのメッシュ領域とに分類するメッシュ領域分類部を更に備える、
請求項1から4のうちいずれか1項記載の情報管理装置。
【請求項6】
前記メッシュ領域分類部は、前記移動体の利用者ごとの前記アップロード情報に対応付けられた位置情報に基づいて、前記利用者ごとの分類結果として、前記複数のメッシュ領域のそれぞれを分類する、
請求項5記載の情報管理装置。
【請求項7】
前記複数のメッシュ領域のそれぞれを、前記アップロード情報に対応付けられた位置情報の繋がりに基づいて、少なくとも、二つの他のメッシュ領域に隣接する第1タイプのメッシュ領域と、1つまたは三つ以上の他のメッシュ領域に隣接する第2タイプのメッシュ領域とに分類するメッシュ領域分類部を更に備え、
前記情報生成部は、前記第1タイプのメッシュ領域について優先的に、第1サンプリング時刻のアップロード情報に対応する位置情報を包含する第1メッシュ領域と、前記第1サンプリング時刻の次の第2サンプリング時刻のアップロード情報に対応する位置情報を包含する第2メッシュ領域とが異なり、且つ前記第1メッシュ領域と前記第2メッシュ領域が隣接しない場合における、前記第1サンプリング時刻に対応する位置情報と前記第2サンプリング時刻に対応する位置情報とを結ぶ線分と、前記第1メッシュ領域における各輪郭線との交差有無、および、前記線分と前記第2メッシュ領域における各輪郭線との交差有無に基づいて、前記第1サンプリング時刻と前記第2サンプリング時刻との間に前記移動体が通った、前記第1メッシュ領域および前記第2メッシュ領域と異なる第3メッシュ領域を特定し、前記第2サンプリング時刻に対応するアップロード情報の内容を前記第1メッシュ領域、前記第2メッシュ領域、および前記第3メッシュ領域で按分して、前記第1メッシュ領域に対応付ける前記メッシュ情報と前記第2メッシュ領域に対応付ける前記メッシュ情報と前記第3メッシュ領域に対応付ける前記メッシュ情報とを生成する処理を行う、
請求項4記載の情報管理装置。
【請求項8】
前記情報生成部は、前記1タイプのメッシュ領域が隣り合う二以上の区間をまとめて1つの経路リンクとし、当該経路リンクの次に遷移する遷移先経路リンクの遷移先経路リンクごとの遷移確率を、前記メッシュ情報として生成する、
請求項5から7のうちいずれか1項記載の情報管理装置。
【請求項9】
前記情報生成部は、前記移動体の移動方向、移動距離、加減速操作の内容、シフトポジション、消費電力のうち一部または全部を含む前記メッシュ情報を生成する、
請求項1から8のうちいずれか1項記載の情報管理装置。
【請求項10】
前記移動体の位置情報を包含する前記メッシュ領域に居る利用者に、前記メッシュ領域に対応する前記メッシュ情報に基づいて情報提供する情報提供部を更に備える、
請求項1から9のうちいずれか1項記載の情報管理装置。
【請求項11】
前記情報生成部は、前記移動体の移動方向を含む前記メッシュ情報を生成し、
前記情報提供部は、前記メッシュ情報に含まれる前記移動体の移動方向から前記移動体の経路を予測し、前記移動体の経路に基づいて前記利用者に情報提供する、
請求項10記載の情報管理装置。
【請求項12】
前記情報生成部は、前記移動体の通過回数を含む前記メッシュ情報を生成し、前記通過回数が基準を満たさない前記メッシュ領域および/または前記メッシュ情報を削除する、
請求項1から11のうちいずれか1項記載の情報管理装置。
【請求項13】
前記移動体の位置情報を包含する前記メッシュ領域に居る利用者に、前記メッシュ領域に対応する前記メッシュ情報に基づいて情報提供する情報提供部を更に備え、
前記情報提供部は、前記通過回数が基準を満たす前記メッシュ領域をレコメンドする情報を前記利用者に提供する、
請求項12記載の情報管理装置。
【請求項14】
コンピュータが、
移動体から、前記移動体の位置情報に対応付けられたアップロード情報を取得し、
前記アップロード情報に基づいてメッシュ情報を生成し、
前記メッシュ情報を、地上の領域を区画するように定義される複数のメッシュ領域のうち、前記移動体の位置情報を包含するメッシュ領域に対応付けて記憶部に記憶させる、
情報管理方法。
【請求項15】
コンピュータに、
移動体から、前記移動体の位置情報に対応付けられたアップロード情報を取得させ、
前記アップロード情報に基づいてメッシュ情報を生成させ、
前記メッシュ情報を、地上の領域を区画するように定義される複数のメッシュ領域のうち、前記移動体の位置情報を包含するメッシュ領域に対応付けて記憶部に記憶させる処理を行わせる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報管理装置、情報管理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両などの移動体からアップロード情報を取得し、アップロード情報に基づいて地図に情報を付加したり、地図自体を更新したりすることについて研究および実用化が進められている。例えば、特許文献1に記載の技術では、道路セグメントに沿って車両を自律的にナビゲートするための地図データを生成し、車両側装置は、撮像装置から、車両の環境を表す少なくとも1つの画像を取得し、画像を解析して、車両が走行した道路に対するランドマークの位置を算出し、ランドマークの位置の情報を含むプローブデータをサーバにアップロードする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-38362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の分野における地図は、リンク(道路)とノード(交差点、道路の端点等)で表現されているのが一般的である。このため、アップロード情報を地図に適用しようとすると、詳細な位置のマッチングが必要であったり、地域ごとの大体の傾向を把握するのが困難であったりする場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、輪郭線で区画されたメッシュ領域ごとの情報を、低負荷で管理することができる情報管理装置、情報管理方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る情報管理装置、情報管理方法、およびプログラムは、以下の構成を採用した。
(1):この発明の一態様に係る情報管理装置は、移動体から、前記移動体の位置情報に対応付けられたアップロード情報を取得する取得部と、前記アップロード情報に基づいてメッシュ情報を生成し、前記メッシュ情報を、地上の領域を区画するように定義される複数のメッシュ領域のうち、前記移動体の位置情報を包含するメッシュ領域に対応付けて記憶部に記憶させる情報生成部と、を備えるものである。
【0007】
(2):上記(1)の態様において、前記アップロード情報は、前記移動体におけるサンプリング時刻間の事象を表す情報であり、前記情報生成部は、第1サンプリング時刻のアップロード情報に対応する位置情報を包含する第1メッシュ領域と、前記第1サンプリング時刻の次の第2サンプリング時刻のアップロード情報に対応する位置情報を包含する第2メッシュ領域とが異なる場合、前記第2サンプリング時刻に対応するアップロード情報の内容を前記第1メッシュ領域と前記第2メッシュ領域で按分して、前記第1メッシュ領域に対応付ける前記メッシュ情報と前記第2メッシュ領域に対応付ける前記メッシュ情報とを生成するものである。
【0008】
(3):上記(1)の態様において、前記アップロード情報は、前記移動体におけるサンプリング時刻間の事象を表す情報として生成されるものであり、前記複数のメッシュ領域は、互いに重畳せず、隣接するメッシュ領域同士が間隔を持たずに境界線を介して接するように定義され、前記情報生成部は、第1サンプリング時刻のアップロード情報に対応する位置情報を包含する第1メッシュ領域と、前記第1サンプリング時刻の次の第2サンプリング時刻のアップロード情報に対応する位置情報を包含する第2メッシュ領域とが異なり、且つ、前記第1メッシュ領域と前記第2メッシュ領域が隣接する場合、前記第2サンプリング時刻に対応するアップロード情報の内容を前記第1メッシュ領域と前記第2メッシュ領域で按分して、前記第1メッシュ領域に対応付ける前記メッシュ情報と前記第2メッシュ領域に対応付ける前記メッシュ情報とを生成するものである。
【0009】
(4):上記(3)の態様において、前記情報生成部は、第1サンプリング時刻のアップロード情報に対応する位置情報を包含する第1メッシュ領域と、前記第1サンプリング時刻の次の第2サンプリング時刻のアップロード情報に対応する位置情報を包含する第2メッシュ領域とが異なり、且つ前記第1メッシュ領域と前記第2メッシュ領域が隣接しない場合、前記第1サンプリング時刻に対応する位置情報と前記第2サンプリング時刻に対応する位置情報とを結ぶ線分と、前記第1メッシュ領域における各輪郭線との交差有無、および、前記線分と前記第2メッシュ領域における各輪郭線との交差有無に基づいて、前記第1サンプリング時刻と前記第2サンプリング時刻との間に前記移動体が通った、前記第1メッシュ領域および前記第2メッシュ領域と異なる第3メッシュ領域を特定し、前記第2サンプリング時刻に対応するアップロード情報の内容を前記第1メッシュ領域、前記第2メッシュ領域、および前記第3メッシュ領域で按分して、前記第1メッシュ領域に対応付ける前記メッシュ情報と前記第2メッシュ領域に対応付ける前記メッシュ情報と前記第3メッシュ領域に対応付ける前記メッシュ情報とを生成するものである。
【0010】
(5):上記(1)から(4)のいずれかの態様において、前記情報管理装置は、前記複数のメッシュ領域のそれぞれを、前記アップロード情報に対応付けられた位置情報の繋がりに基づいて、少なくとも、二つ以下の他のメッシュ領域に隣接する第1タイプのメッシュ領域と、三つ以上の他のメッシュ領域に隣接する第2タイプのメッシュ領域とに分類するメッシュ領域分類部を更に備えるものである。
【0011】
(6):上記(5)の態様において、前記メッシュ領域分類部は、前記移動体の利用者ごとの前記アップロード情報に対応付けられた位置情報に基づいて、前記利用者ごとの分類結果として、前記複数のメッシュ領域のそれぞれを分類するものである。
【0012】
(7):上記(4)の態様において、前記情報管理装置は、前記複数のメッシュ領域のそれぞれを、前記アップロード情報に対応付けられた位置情報の繋がりに基づいて、少なくとも、二つ以下の他のメッシュ領域に隣接する第1タイプのメッシュ領域と、三つ以上の他のメッシュ領域に隣接する第2タイプのメッシュ領域とに分類するメッシュ領域分類部を更に備え、前記情報生成部は、前記第1タイプのメッシュ領域について優先的に、第1サンプリング時刻のアップロード情報に対応する位置情報を包含する第1メッシュ領域と、前記第1サンプリング時刻の次の第2サンプリング時刻のアップロード情報に対応する位置情報を包含する第2メッシュ領域とが異なり、且つ前記第1メッシュ領域と前記第2メッシュ領域が隣接しない場合における、前記第1サンプリング時刻に対応する位置情報と前記第2サンプリング時刻に対応する位置情報とを結ぶ線分と、前記第1メッシュ領域における各輪郭線との交差有無、および、前記線分と前記第2メッシュ領域における各輪郭線との交差有無に基づいて、前記第1サンプリング時刻と前記第2サンプリング時刻との間に前記移動体が通った、前記第1メッシュ領域および前記第2メッシュ領域と異なる第3メッシュ領域を特定し、前記第2サンプリング時刻に対応するアップロード情報の内容を前記第1メッシュ領域、前記第2メッシュ領域、および前記第3メッシュ領域で按分して、前記第1メッシュ領域に対応付ける前記メッシュ情報と前記第2メッシュ領域に対応付ける前記メッシュ情報と前記第3メッシュ領域に対応付ける前記メッシュ情報とを生成する処理を行うものである。
【0013】
(8):上記(5)から(7)のいずれかの態様において、前記情報生成部は、前記1タイプのメッシュ領域が隣り合う二以上の区間をまとめて1つの経路リンクとし、当該経路リンクの次に遷移する遷移先経路リンクの遷移先経路リンクごとの遷移確率を、前記メッシュ情報として生成するものである。
【0014】
(9):上記(1)から(8)のいずれかの態様において、前記情報生成部は、前記移動体の移動方向、移動距離、加減速操作の内容、シフトポジション、消費電力のうち一部または全部を含む前記メッシュ情報を生成するものである。
【0015】
(10):上記(1)から(9)のいずれかの態様において、前記情報管理装置は、前記移動体の位置情報を包含する前記メッシュ領域に居る利用者に、前記メッシュ領域に対応する前記メッシュ情報に基づいて情報提供する情報提供部を更に備えるものである。
【0016】
(11):上記(10)の態様において、前記情報生成部は、前記移動体の移動方向を含む前記メッシュ情報を生成し、前記情報提供部は、前記メッシュ情報に含まれる前記移動体の移動方向から前記移動体の経路を予測し、前記移動体の経路に基づいて前記利用者に情報提供するものである。
【0017】
(12):上記(1)から(11)のいずれかの態様において、前記情報生成部は、前記移動体の通過回数を含む前記メッシュ情報を生成し、前記通過回数が基準を満たさない前記メッシュ領域および/または前記メッシュ情報を削除するものである。
【0018】
(13):上記(12)の態様において、前記情報管理装置は、前記移動体の位置情報を包含する前記メッシュ領域に居る利用者に、前記メッシュ領域に対応する前記メッシュ情報に基づいて情報提供する情報提供部を更に備え、前記情報提供部は、前記通過回数が基準を満たす前記メッシュ領域をレコメンドする情報を前記利用者に提供するものである。
【0019】
(14):この発明の他の態様に係る情報管理方法は、コンピュータが、移動体から、前記移動体の位置情報に対応付けられたアップロード情報を取得し、前記アップロード情報に基づいてメッシュ情報を生成し、前記メッシュ情報を、地上の領域を区画するように定義される複数のメッシュ領域のうち、前記移動体の位置情報を包含するメッシュ領域に対応付けて記憶部に記憶させるものである。
【0020】
(15):この発明の他の態様に係るプログラムは、コンピュータに、移動体から、前記移動体の位置情報に対応付けられたアップロード情報を取得させ、前記アップロード情報に基づいてメッシュ情報を生成させ、前記メッシュ情報を、地上の領域を区画するように定義される複数のメッシュ領域のうち、前記移動体の位置情報を包含するメッシュ領域に対応付けて記憶部に記憶させる処理を行わせるものである。
【発明の効果】
【0021】
(1)~(15)の態様によれば、輪郭線で区画されたメッシュ領域ごとの情報を、低負荷で管理することができるができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係る情報管理装置を含むシステム1の一例を示す図である。
図2】自車両Mのアップロード情報生成部50がアップロード情報を生成し、通信装置10を用いて情報管理装置100に送信する場面の一例を示す図である。
図3】記憶部160のアップロード情報テーブル162に格納されるアップロード情報の一例を示す図である。
図4】記憶部160のメッシュ定義情報テーブル164に格納されるメッシュ定義情報の一例を示す図である。
図5】情報生成部130によって生成され、記憶部160のメッシュ情報テーブル166に格納されるメッシュ情報の一例を示す図である。
図6】情報生成部130によって生成される自車両Mの移動方向の一例を示す図である。
図7】メッシュ領域分類部140がメッシュ領域をノードとして分類する場面の一例を示す図である。
図8図7の場面において、情報生成部130によって生成されるメッシュ情報の一例を示す図である。
図9】情報生成部130がメッシュ情報の按分を実行する別の場面の一例を示す図である。
図10】情報生成部130によって実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11】情報提供部150によって推定される道路種別の一例を示す図である。
図12】情報提供部150によって提供され、HMI20に表示される情報の一例を示す図である。
図13】情報生成部130によって生成されるグラフ構造のデータベースの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照し、本発明の情報管理装置、情報管理方法、およびプログラムの実施形態について説明する。
【0024】
[全体構成]
図1は、本発明の実施形態に係る情報管理装置を含むシステム1の一例を示す図である。図1に示す通り、システム1は、自車両Mと、情報管理装置100とを含む。
【0025】
自車両Mは、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車であり、少なくとも、通信装置10と、HMI20と、GNSS受信機30と、車両センサ40と、アップロード情報生成部50と、を含む。
【0026】
通信装置10は、例えば、セルラー網やWi-Fi網などのネットワークNWを利用して、情報管理装置100と通信する。
【0027】
HMI20は、表示装置、スピーカ、タッチパネル、キーなどを含み、後述する情報提供部150によって提供された情報を自車両Mの乗員に提供する。
【0028】
GNSS受信機30は、GNSS衛星(例えばGPS衛星)から到来する電波に基づいて自車両Mの位置を測位し、自車両Mの緯度経度情報を取得する。
【0029】
車両センサ40は、自車両Mの速度を検出する車速センサ、加速度を検出する加速度センサ、自車両Mの走行距離を検出する距離センサ、シフトレバーの位置(例えば、通常走行を示す「D」など)を検出するシフトレバーポジションセンサー、自車両Mに搭載されたバッテリの消費電力を検出するバッテリセンサーなどを含む。
【0030】
アップロード情報生成部50は、車両センサ40によって検出された自車両Mの速度、加速度、走行距離、シフトレバーの位置、及び消費電力などの情報を、GNSS受信機30によって取得された位置情報(緯度経度情報)に対応付けてアップロード情報を生成する。アップロード情報生成部50は、生成したアップロード情報を、通信装置10を用いて、所定のサンプリング間隔(例えば、数秒)ごとに、情報管理装置100に送信する。アップロード情報生成部50は、自車両Mに搭載されたCPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサ(コンピュータ)がプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。
【0031】
図2は、自車両Mのアップロード情報生成部50がアップロード情報を生成し、通信装置10を用いて情報管理装置100に送信する場面の一例を示す図である。図2において、自車両Mは車線L1上を走行しており、時刻t1でアップロード地点UP1からアップロード情報を生成および送信し、次に、時刻t2でアップロード地点UP2からアップロード情報を生成および送信し、次に、時刻t3でアップロード地点UP3からアップロード情報を生成および送信し、次に、時刻t4でアップロード地点UP4からアップロード情報を生成および送信している。メッシュidについては、図4を参照して後述する。
【0032】
情報管理装置100は、通信部110と、取得部120と、情報生成部130と、メッシュ領域分類部140と、情報提供部150と、記憶部160と、を含む。取得部120と、情報生成部130と、メッシュ領域分類部140と、情報提供部150のそれぞれは、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。記憶部160は、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、SDカード、RAM(Random Access Memory)、レジスタ等によって実現される。
【0033】
通信部110は、ネットワークNWを介して自車両Mの通信装置10と通信するインターフェースである。例えば、通信部110は、NIC(Network Interface Card)や、無線通信用のアンテナなどを備える。
【0034】
取得部120は、自車両Mから、自車両Mの位置情報に対応付けられたアップロード情報を取得し、記憶部160のアップロード情報テーブル162に格納する。図3は、記憶部160のアップロード情報テーブル162に格納されるアップロード情報の一例を示す図である。図3において、時刻は自車両Mがアップロード情報を送信した時刻を示し、経度は送信時刻における自車両Mの経度を示し、緯度は送信時刻における自車両Mの緯度を示し、走行距離は、前回の送信時刻から今回の送信時刻までの間に自車両Mが走行した距離を示し、速度は送信時刻における自車両Mの速度を示し、加減速は送信時刻において自車両Mが加速したか減速したかを示し、SPは送信時刻におけるシフトポジションを示し、消費電力は前回の送信時刻から今回の送信時刻までの間に自車両Mのバッテリが消費した電力を示す。なお、加減速は自車両Mが加速したか減速したかを示す情報に限らず、自車両Mの加速度の値そのものを示す情報であってもよい。図3において、D1からD4はそれぞれ時刻t1から時刻t4における走行距離を示し、V1からV4はそれぞれ時刻t1から時刻t4における速度を示し、X1からX4はそれぞれ時刻t1から時刻t4における消費電力を示す。さらに、図3において、SPは通常走行を示す「D」に設定されているが、駐車を示す「P」、後退を示す「R」、シフトダウン走行を示す「S」などに設定されてもよい。
【0035】
情報生成部130は、取得部120が取得したアップロード情報に基づいて、後述するメッシュ情報を生成し、当該メッシュ情報を、地上の領域を区画するように定義される複数のメッシュ領域のうち、自車両Mの位置情報を包含するメッシュ領域に対応付けて記憶部160のメッシュ情報テーブル166に記憶させる。より具体的には、情報生成部130は、まず、記憶部160に含まれるメッシュ定義情報テーブル164を参照して、自車両Mの位置情報を包含するメッシュ領域を特定する。一般的に、メッシュ領域のメッシュidは、緯度経度に基づいて特定の式により算出することができるため、情報生成部130は、取得部120が取得したアップロード情報に基づいて、メッシュ領域を特定することができる。
【0036】
図4は、記憶部160のメッシュ定義情報テーブル164に格納されるメッシュ定義情報の一例を示す図である。図4において、メッシュidはメッシュ領域を一意に特定する識別子を示し、Ne座標はメッシュ領域の北東方向における座標点を示し、Se座標はメッシュ領域の南東方向における座標点を示し、Nw座標はメッシュ領域の北西方向における座標点を示し、Sw座標はメッシュ領域の南西方向における座標点を示す。例えば、メッシュid10001のメッシュ領域は、Ne座標として(x1,y1)を有し、Se座標として(x2,y2)を有し、Nw座標として(x3,y3)を有し、Sw座標として(x4,y4)を有し、これらの座標は、図2におけるメッシュid10001によって示されるメッシュ領域の4つの座標に対応するものである。なお、この場合の座標とは、x座標が経度を示し、y座標が緯度を示すものである。
【0037】
情報生成部130は、アップロード情報に含まれる位置情報を包含するメッシュ領域を特定すると、アップロード情報と特定されたメッシュ領域に基づいてメッシュ情報を生成し、生成したメッシュ情報を当該メッシュ領域に対応付けて記憶部160のメッシュ情報テーブル166に格納する。
【0038】
図5は、情報生成部130によって生成され、記憶部160のメッシュ情報テーブル166に格納されるメッシュ情報の一例を示す図である。図5において、メッシュidは、入力メッシュid(すなわち、入力メッシュid_1及び入力メッシュid_2)は、メッシュidのメッシュ領域に自車両Mが進入する直前に通過したメッシュ領域を特定する識別子を示し、出力メッシュid(すなわち、出力メッシュid_1及び出力メッシュid_2)は、メッシュidのメッシュ領域を自車両Mが通過した後、次に進入したメッシュ領域を特定する識別子を示し、移動方向(すなわち、移動方向_1及び移動方向_2)は、メッシュidのメッシュ領域を自車両Mが通過した移動方向を示し、走行距離は、自車両Mがメッシュidのメッシュ領域を走行した距離(同一のメッシュ領域を複数回、走行した場合には、例えば平均距離)を示し、速度は、自車両Mがメッシュidのメッシュ領域を走行した速度(同一のメッシュ領域を複数回、走行した場合には、例えば平均速度)を示し、加減速は、自車両Mがメッシュidのメッシュ領域において加速したか減速したか(同一のメッシュ領域を複数回、走行した場合には、例えば、加速と減速とのうち、より回数が多い方)を示し、SPは、メッシュidのメッシュ領域におけるシフトポジション(同一のメッシュ領域を複数回、走行した場合には、例えば、最も回数が多いシフトポジション)を示し、消費電力は、自車両Mがメッシュidのメッシュ領域を走行した際にバッテリが消費した電力(同一のメッシュ領域を複数回、走行した場合には、例えば平均消費電力)を示し、種別は、メッシュidのメッシュ領域が後述するリンクであるかノードであるかを示す。またこれに追加して、そのメッシュが移動体の移動の開始地点か終了地点か(或いは、いずれでもないか)を示す情報をメッシュ情報としてもよい。また、後述するリンクであると分類されたメッシュについて、そのメッシュを経由する移動体が、後述するノードであると分類されたメッシュのうちのどのノード(メッシュ)に向かって移動するかをノードごと(メッシュごと)に示す確率情報をメッシュ情報としてもよい。なお、上記において、入力メッシュidと出力メッシュidはそれぞれ2つずつ設定されているが、これは一例にすぎず、任意の個数の入力メッシュidと出力メッシュidが設定されてもよい。例えば坂道のように移動向きによって速度や必要な消費電力が異なる道路が存在するため、入力メッシュidと出力メッシュidとを1つのみ設定するようしておくと、例えば移動方向ごとの分析が煩雑にならず好ましい。以下、情報生成部130がこれらの情報を生成する具体的な方法について説明する。
【0039】
[入力メッシュidと出力メッシュidの生成]
情報生成部130は、アップロード情報に含まれる位置情報を包含するメッシュ領域を特定すると、当該アップロード情報の直前に受信したアップロード情報に基づいて、入力メッシュidを生成する。例えば、図2の場面において、情報生成部130は、時刻t3においてアップロード情報を受信し、当該アップロード情報に含まれる位置情報はメッシュid10001のメッシュ領域に包含されることを特定する。このとき、情報生成部130は、同時にアップロード情報テーブル162を参照し、時刻t3の直前の時刻t2において受信したアップロード情報を抽出し、当該アップロード情報に含まれる位置情報がメッシュid10002のメッシュ領域に包含されることを特定する。そのため、情報生成部130は、メッシュid10001の入力メッシュidとしてメッシュid10002を設定する。情報生成部130は、同時に、メッシュid10002の出力メッシュidとしてメッシュid10001を設定する。すなわち、情報生成部130は直後に受信したアップロード情報に基づいて、出力メッシュidを生成する。
【0040】
[移動方向の生成]
情報生成部130は、メッシュidと、入力メッシュidと、出力メッシュidとに基づいて、当該メッシュidのメッシュ領域を自車両Mが移動した移動方向を生成する。図6は、情報生成部130によって生成される自車両Mの移動方向の一例を示す図である。図6の左部は、メッシュid10001と、入力メッシュid10002と、出力メッシュid10003の組み合わせを示し、図6の右部は、メッシュid10002と、入力メッシュid10005と、出力メッシュid10001の組み合わせを示す。図6の左部の場合、始点となる入力メッシュid10002のメッシュ領域から、終点となる出力メッシュid10003のメッシュ領域への方向は北東(Ne)である。そのため、情報生成部130は、メッシュid10001のメッシュ領域における自車両Mの移動方向としてNeを設定する。また、図6の右部の場合、始点となる入力メッシュid10005のメッシュ領域から、終点となる出力メッシュid10001のメッシュ領域への方向は北(N)である。そのため、情報生成部130は、メッシュid10002のメッシュ領域における自車両Mの移動方向としてNを設定する。このように、情報生成部130は、メッシュidと、入力メッシュidと、出力メッシュidの組み合わせに応じて、全8通りの移動方向を設定することができる。また、情報生成部130は、メッシュidと、入力メッシュidと、出力メッシュidの位置関係をさらに考慮した組み合わせに応じて、全12通りの移動方向を設定できるようにしてもよい。すなわち、図6の左部にて、メッシュid10001のメッシュ領域は入力メッシュid10002のメッシュ領域に対して北にあり、終点となる出力メッシュid10003のメッシュ領域はメッシュid10001のメッシュ領域に対して東にあることから、情報生成部130は、始点となる入力メッシュid10002のメッシュ領域から、北を経由して終点となる出力メッシュid10003のメッシュ領域へ向かったものと判断して、メッシュid10001のメッシュ領域における自車両Mの移動方向をNNeとして設定することとしてもよい。なお、図示しない例において、メッシュid1000Xのメッシュ領域が、入力メッシュidid1000Yのメッシュ領域に対して東にあり、出力メッシュidid1000Zのメッシュ領域がメッシュid1000Xのメッシュ領域に対して北にある場合は、情報生成部130は、始点となる入力メッシュid1000Yのメッシュ領域から、東を経由して終点となる出力メッシュid1000Zのメッシュ領域へ向かったものと判断して、メッシュid1000Xのメッシュ領域における自車両Mの移動方向をNeeとして設定することとしてもよい。
【0041】
[走行距離の生成]
情報生成部130は、連続する異なる時刻に送信された複数のアップロード情報に基づいて、対応するメッシュ領域における自車両Mの走行距離を生成する。例えば、図2の場面において、情報生成部130は、時刻t1において、アップロード地点UP1からアップロード情報を受信し、時刻t2において、アップロード地点UP2からアップロード情報を受信する。アップロード地点UP1とアップロード地点UP2はともにメッシュid10002のメッシュ領域に包含されるため、情報生成部130は、アップロード地点UP2から送信されたアップロード情報に含まれる走行距離D2(すなわち、図2のd1と等しい)を、そのまま当該メッシュ領域における自車両Mの走行距離の一部として特定することができる。
【0042】
しかし、一方、ある第1時刻のアップロード情報に対応するアップロード地点を包含する第1メッシュ領域と、第1時刻の次の時刻である第2時刻のアップロード情報に対応するアップロード地点を包含する第2メッシュ領域とが異なる場合、第2時刻のアップロード情報に含まれる走行距離は、第1メッシュ領域と第2メッシュ領域の双方にまたがる距離であるため、当該走行距離をいずれかのメッシュ領域における自車両Mの走行距離として特定することはできない。そのため、情報生成部130は、このような場合、第2時刻のアップロード情報に含まれる走行距離を第1メッシュ領域と第2メッシュ領域で按分して、第1メッシュ領域に対応付ける走行距離と第2メッシュ領域に対応付ける走行距離とを生成する。
【0043】
例えば、図2の場面において、自車両Mは時刻t2でメッシュid10002のメッシュ領域に包含されるアップロード地点UP2からアップロード情報を送信し、次の時刻t3でメッシュid10001のメッシュ領域に包含されるアップロード地点UP3からアップロード情報を送信している。このとき、情報生成部130は、アップロード地点UP2とアップロード地点UP3とを線分で結び、当該線分と、メッシュid10002のメッシュ領域とメッシュid10001のメッシュ領域の境界線と、の交点P2を求める。次に、情報生成部130は、アップロード地点UP2から交点P2までの距離d2と、交点P2からアップロード地点UP3までの距離d3を用いて、{d2/(d2+d3)}×D3[km]をメッシュid10002のメッシュ領域に対応付ける走行距離の一部として生成し、{d3/(d2+d3)}×D3[km]をメッシュid10001のメッシュ領域に対応付ける走行距離の一部として生成する。同様に、時刻t4においても、アップロード情報が送信されるアップロード地点UP4を包含するメッシュ領域は、時刻t3におけるメッシュ領域とは異なるため、図2に示す通り、情報生成部130は、{d4/(d4+d5)}×D4[km]をメッシュid10001のメッシュ領域に対応付ける走行距離の一部として生成する。その後、情報生成部130は、求めた走行距離の値の和を取り、{d3/(d2+d3)}×D3+{d4/(d4+d5)}×D4[km]をメッシュid10001のメッシュ領域に対応付ける走行距離として生成する。なお、D3は時刻t2から時刻t3までの間に自車両Mが走行した距離であり、D4は時刻t3から時刻t4までの間に自車両Mが走行した距離である。
【0044】
[消費電力の生成]
情報生成部130は、連続する異なる時刻に送信された複数のアップロード情報に基づいて、対応するメッシュ領域における自車両Mの消費電力を生成する。例えば、図2の場面において、アップロード地点UP1とアップロード地点UP2はともにメッシュid10002のメッシュ領域に包含されるため、情報生成部130は、アップロード地点UP2から送信されたアップロード情報に含まれる消費電力X2を、そのまま当該メッシュ領域における自車両Mの消費電力X2の一部として特定することができる。
【0045】
しかし、一方、ある第1時刻のアップロード情報に対応するアップロード地点を包含する第1メッシュ領域と、第1時刻の次の時刻である第2時刻のアップロード情報に対応するアップロード地点を包含する第2メッシュ領域とが異なる場合、第2時刻のアップロード情報に含まれる消費電力は、第1メッシュ領域と第2メッシュ領域の双方にまたがる消費電力であるため、当該消費電力をいずれかのメッシュ領域における自車両Mの消費電力として特定することはできない。そのため、情報生成部130は、このような場合、第2時刻のアップロード情報に含まれる消費電力を第1メッシュ領域と第2メッシュ領域で按分して、第1メッシュ領域に対応付ける消費電力と第2メッシュ領域に対応付ける消費電力とを生成する。すなわち、走行距離の生成の場合と同様にして、例えば、図2の場面におけるメッシュid10001のメッシュ領域に対応付ける消費電力は、{d3/(d2+d3)}×X3+{d4/(d4+d5)}×X4[Wh]によって計算される。なお、X3は時刻t2から時刻t3までの間に自車両Mのバッテリが消費した電力であり、X4は時刻t3から時刻t4までの間に自車両Mのバッテリが消費した電力である。
【0046】
[速度、加減速、シフトポジションの生成]
情報生成部130は、アップロード情報に含まれる速度情報を、そのままメッシュ情報テーブル166に格納する速度情報として生成する。同一のメッシュ領域に対応するアップロード情報が複数、送信された場合には、情報生成部130は、例えば、当該複数のアップロード情報に含まれる速度の平均値を速度情報として生成する。図2の場面では、メッシュid10002のメッシュ領域における速度情報として、V1及びV2が送信されている。そのため、情報生成部130は、(V1+V2)/2[km/h]を、メッシュ情報テーブル166におけるメッシュid10002によって特定されるレコードに格納する速度情報として生成する。情報生成部130は、上記に代えてまたは追加して、アップロードされた時刻情報と、走行距離の情報から、その間の車両の速度を算出し、メッシュ情報テーブル166に格納する速度情報として生成してもよい。さらに、情報生成部130は、同一のメッシュ領域に複数のアップロード情報がある場合には、それぞれの区間で求められた速度を、メッシュ内に占める距離を比重として加算したものとしてもよい。例えば、図2の場面では、メッシュid10001のメッシュ領域における速度を求める際、P2地点からUP3地点の区間の速度としてのv3={(d3+d2)/(t3-t2)}×{d3/(d3+d2)}と、UP3地点からP3地点の区間の速度としてのv4={(d4+d5)/(t4-t3)}×{d4/(d4+d5)}とを算出し、これをもとに、メッシュid10001の速度としてV={v3×d3/(d3+d4)}+{v4×d4/(d3+d4)}を算出し、これをメッシュ情報テーブル166に格納する速度情報としてもよい。これにより、車両Mが瞬間的に加速したり減速したりすることにより、アップロードされた瞬間の速度がその区間の代表値ではない場合であっても安定した速度を算出することができる。情報生成部130は、また、アップロード情報に含まれる加減速情報を、そのままメッシュ情報テーブル166に格納する加減速情報として生成する。同一のメッシュ領域に対応し、かつ内容が相反する加減速情報が複数、送信された場合には、情報生成部130は、例えば、送信された加速又は減速の回数をカウントし、回数が多い方を加減速情報として生成すればよい。シフトポジションについても、加減速情報の生成と同様の方法によって生成する。情報生成部130は、上記に代えてまたは追加して、アップロード情報に含まれるシフトポジションをそのままメッシュ情報テーブル166に格納するシフトポジション情報として生成してもよいし、同一のメッシュ領域でシフトポジションが異なるものがある場合は、異なるシフトポジションのすべてをメッシュ情報テーブル166に格納するシフトポジション情報として生成してもよい。
【0047】
[種別の生成]
メッシュ領域分類部140は、メッシュ領域の各々を、アップロード情報に対応付けられた位置情報の繋がりに基づいて、少なくとも、二つの他のメッシュ領域に隣接するリンクと、一つまたは三つ以上の他のメッシュ領域に隣接するノードとに分類する。換言すると、メッシュ領域分類部140は、メッシュ情報テーブル166に基づいて、移動開始地点でも移動終了地点でもなくかつ入力メッシュidと出力メッシュidの組を一つのみ有するメッシュidのメッシュ領域をリンクとして分類し、入力メッシュidと出力メッシュidの組を二つ以上有するメッシュidのメッシュ領域もしくは移動開始地点または移動終了地点となるメッシュ領域をノードとして分類する。情報生成部130は、メッシュ領域分類部140による分類の結果を種別として生成し、メッシュ情報テーブル166に格納する。リンクは、「第1タイプのメッシュ領域」の一例であり、ノードは、「第2タイプのメッシュ領域」の一例である。
【0048】
図7は、メッシュ領域分類部140がメッシュ領域をノードとして分類する場面の一例を示す図である。図7は、図2の場面から所定期間が経過し、自車両Mが再度、車線L1を走行する様子を示している。図2の場合とは異なり、このとき自車両Mは、車線L1を右折して、車線L2に進入している。自車両Mは、時刻t52で、メッシュid10003のメッシュ領域に包含されるアップロード地点UP52からアップロード情報を送信した後、時刻t53で、メッシュid10004のメッシュ領域に包含されるアップロード地点UP53からアップロード情報を送信し、その後、メッシュid10007のメッシュ領域に進入する。
【0049】
図8は、図7の場面において、情報生成部130が生成するメッシュ情報の一例を示す図である。図8を参照すると、メッシュid10003と、入力メッシュid10001と、出力メッシュid10006の組み合わせに加えて、メッシュid10003と、入力メッシュid10001と、出力メッシュid10004の組み合わせが新たに登録されている。これにより、メッシュ領域分類部140は、メッシュid10003のメッシュ領域をノードとして分類し、情報生成部130は、当該情報をメッシュ情報テーブル166に格納する。
【0050】
なお、図7及び図8の例においては、自車両Mが、時刻t3から時刻t4にかけて車線L1を直進し、その後、時刻t51から時刻t52にかけて車線L1を右折したため、メッシュ領域分類部140は、メッシュid10006のメッシュ領域をノードとして分類している。しかし、仮に、自車両Mが、時刻t51から時刻t52にかけても車線L1を直進した場合には、メッシュ領域分類部140は、メッシュid10006のメッシュ領域をリンクとして分類し続ける。すなわち、メッシュ領域の分類は、車線や道路の構造などによって一意に定まるものではなく、自車両Mの利用者ごとのアップロード情報に対応付けられた位置情報に基づいて、利用者ごとの分類結果として、得られるものとしてよい。さらに、メッシュ領域の分類に限らず、例えば、メッシュ領域の単位面積も、自車両Mの種類(例えば、二輪車、歩行型ロボットなどの移動体の種類)に応じて、利用者ごとに設定されてもよい。
【0051】
さらに、図8に示すメッシュ情報テーブル166は、説明の便宜上、メッシュidと、入力メッシュid_1と、出力メッシュid_1の組み合わせと、メッシュidと、入力メッシュid_2、出力メッシュid_2の組み合わせに対して、走行距離、速度、加減速、SP、及び消費電力の情報を一つのみ設定している。しかし、本発明はこの構成に限定されず、これら複数の組み合わせの各々に対して、走行距離、速度、加減速、SP、及び消費電力の情報を設定してもよい。これにより、進行方向のみが異なる同一の道路上の複数の経路に関して、独立して情報を管理することができ、情報の精度を高めることができる。
【0052】
次に、図9を参照して、情報生成部130がメッシュ情報の按分を実行する他の例について説明する。図9は、情報生成部130がメッシュ情報の按分を実行する別の場面の一例を示す図である。図9において、自車両Mは車線L1を走行しており、時刻t2で、メッシュid10002のメッシュ領域に包含されるアップロード地点UP2からアップロード情報を送信した後、時刻t3で、メッシュid10003のメッシュ領域に包含されるアップロード地点UP3からアップロード情報を送信している。すなわち、図2の場合とは異なり、時刻t2におけるメッシュ領域と、時刻t3におけるメッシュ領域は隣接していない。
【0053】
情報生成部130は、第1時刻のアップロード情報に対応する位置情報を包含する第1メッシュ領域と、第1時刻の次の時刻である第2時刻のアップロード情報に対応する位置情報を包含する第2メッシュ領域とが異なり、且つ第1メッシュ領域と第2メッシュ領域が隣接しない場合、これらの2つの位置情報を結ぶ線分と第1メッシュ領域における各輪郭線との交差有無、および、当該線分と第2メッシュ領域における各輪郭線との交差有無に基づいて、自車両Mがこれら2つの時刻の間に通過した、第1メッシュ領域と第2メッシュ領域とは異なる第3メッシュ領域を特定する。例えば、図9の場合、情報生成部130は、アップロード地点UP2とアップロード地点UP3とを結ぶ線分とメッシュid10002のメッシュ領域の輪郭線が点P2において交差することを特定し、かつ当該線分とメッシュid10003のメッシュ領域の輪郭線が点P3において交差することを特定する。次に、情報生成部130は、点P2と点P3とを両方、輪郭線上に有するメッシュid10001のメッシュ領域を特定し、当該メッシュ領域を、時刻t2と時刻t3の間に自車両Mが通過した第3メッシュ領域として特定する。このような特定方法を、以下、線分交差判定法と称する場合がある。
【0054】
情報生成部130は、第3メッシュ領域を特定すると、第2時刻に対応するアップロード情報の内容を第1メッシュ領域、第2メッシュ領域、および第3メッシュ領域で按分して、第1メッシュ領域に対応付けるメッシュ情報と第2メッシュ領域に対応付けるメッシュ情報と第3メッシュ領域に対応付けるメッシュ情報とを生成する。例えば、図9の場合、自車両Mが、アップロード地点UP3において、走行距離D3[km]と消費電力X3[Wh]を含むアップロード情報を送信したと仮定すると、情報生成部130は、走行距離D3[km]を、メッシュid10002のメッシュ領域と、メッシュid10001のメッシュ領域と、メッシュid10006のメッシュ領域との間で按分する。すなわち、情報生成部130は、メッシュid10002のメッシュ領域に対応付ける走行距離をd2/(d2+d3+d4)×D3[km]として計算し、メッシュid10001のメッシュ領域に対応付ける走行距離をd3/(d2+d3+d4)×D3[km]として計算し、メッシュid10006のメッシュ領域に対応付ける走行距離をd4/(d2+d3+d4)×D3[km]として計算する。同様に、情報生成部130は、メッシュid10002のメッシュ領域に対応付ける消費電力をd2/(d2+d3+d4)×X3[Wh]として計算し、メッシュid10001のメッシュ領域に対応付ける消費電力をd3/(d2+d3+d4)×X3[Wh]として計算し、メッシュid10006のメッシュ領域に対応付ける消費電力をd4/(d2+d3+d4)×D3[Wh]として計算する。これにより、自車両Mが高速で移動し、アップロード情報を送信することなく、あるメッシュ領域を通過した場合であっても、当該メッシュ領域に割り当てるメッシュ情報を柔軟に計算することができる。
【0055】
ところで、地球の経度の距離は地球上の位置により変化する。したがって情報生成部130は、あるアップロード地点と次のアップロード地点とを結ぶ線分と各メッシュ領域の輪郭線との交点を特定する際には、平面座標変換を行って縮尺を変更することがより好ましい。
【0056】
次に、図10を参照して、情報生成部130によって実行される処理の流れについて説明する。図10は、情報生成部130によって実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0057】
まず、情報生成部130は、第1時刻で自車両Mから第1アップロード情報を受け付ける(ステップS100)。次に、情報生成部130は、第2時刻で自車両Mから第2アップロード情報を受け付ける(ステップS101)。次に、情報生成部130は、第1アップロード情報に対応する位置情報を包含する第1メッシュ領域と、第2アップロード情報に対応する位置情報を包含する第2メッシュ領域とが同一であるか否かを判定する(ステップS102)。第1メッシュ領域と第2メッシュ領域とが同一であると判定された場合には、情報生成部130は、第2アップロード情報に含まれる情報を、第2メッシュ領域のメッシュ情報として設定する。例えば、情報生成部130は、第2アップロード情報に含まれる走行距離を、第1メッシュ領域における走行距離として設定する(ステップS103)。
【0058】
一方、第1メッシュ領域と第2メッシュ領域とが同一ではないと判定された場合には、情報生成部130は、第1メッシュ領域と第2メッシュ領域とが隣接するか否かを判定する(ステップS104)。第1メッシュ領域と第2メッシュ領域とが隣接すると判定された場合には、情報生成部130は、第2アップロード情報に含まれる情報の内容を第1メッシュ領域と第2メッシュ領域で按分する(ステップS105)。次に、情報生成部130は、第1メッシュ領域に対応付けるメッシュ情報と第2メッシュ領域に対応付けるメッシュ情報とを生成する(ステップS106)。情報生成部130は、第1メッシュ領域の四隅の地点と第2メッシュ領域の四隅の地点とについて、合致する地点が2つ未満か否かを判定することにより、第1メッシュ領域と第2メッシュ領域とが隣接するか否かを判定してもよい。すなわち、情報生成部130は、第1メッシュ領域の四隅の地点と第2メッシュ領域の四隅の地点とについて、2つ合致する地点があれば第1メッシュ領域と第2メッシュ領域とは隣接していると判定し、ひとつも合致しないまたは1つしか合致しない場合には第1メッシュ領域と第2メッシュ領域とが隣接しないと判定する。
【0059】
第1メッシュ領域と第2メッシュ領域とが隣接しないと判定された場合には、情報生成部130は、上述した線分交差判定法を用いて、第1時刻と第2時刻との間に自車両Mが通過した、第1メッシュ領域と第2メッシュ領域とは異なる第3メッシュ領域を特定する(ステップS107)。次に、情報生成部130は、第2アップロード情報に含まれる情報の内容を第1メッシュ領域と、第2メッシュ領域と、第3メッシュ領域で按分する(ステップS108)。次に、情報生成部130は、第1メッシュ領域に対応付けるメッシュ情報と、第2メッシュ領域に対応付けるメッシュ情報と、第3メッシュ領域に対応付けるメッシュ情報とを生成する(ステップS109)。これにより、本フローチャートの処理が終了する。
【0060】
なお、上記のフローチャートの処理では、ステップS107からステップS109において、線分交差判定法を用いて第3メッシュ領域が特定されている。しかし、本発明はこの構成に限定されず、情報生成部130は、リンクとして分類されたメッシュ領域について、優先的に線分交差判定法を用いた判定を実行してもよい。例えば、情報生成部130は、ステップS101で受け付けた第2アップロード情報に対応する位置情報を包含するメッシュ領域の分類がリンクであった場合には、当該メッシュ領域について優先的に線分交差判定法を用いた判定を実行してもよい。これは、リンクとして分類されたメッシュ領域では、自車両Mが高速に移動しており、サンプリング時刻間で、隣接しないメッシュ領域に移動する可能性が高いと想定されるためである。
【0061】
情報提供部150は、自車両Mの位置情報を包含するメッシュ領域に居る乗員に、当該メッシュ領域に対応するメッシュ情報に基づいて情報提供する。例えば、情報提供部150は、メッシュ情報に含まれる速度に基づいて、当該メッシュ領域の道路種類(例えば、幹線道路や市街地など)を推定し、推定した情報を自車両Mに送信し、自車両MのHMI20に表示させる。
【0062】
図11は、情報提供部150によって推定される道路種別の一例を示す図である。図11に示す通り、自車両Mはリンク3によって示されるメッシュ領域に対応する道路を走行しており、サンプリング間隔ごとに、速度情報を含むアップロード情報を情報管理装置100に送信し、情報管理装置100の情報生成部130が、当該速度情報を考慮して計算した速度(平均速度)を含むメッシュ情報を生成する。このとき、情報提供部150は、メッシュ300とメッシュ4との間にあるリンク3の速度が閾値Th以上であることを検知し、リンク3に対応する道路が幹線道路であることを推定する。その後、情報提供部150は、自車両Mが現在走行している道路が幹線道路であることを示す情報を自車両Mに送信し、HMI20に表示させる。情報生成部130は、リンクとして分類されたメッシュ領域について優先的に線分交差判定法を用いた判定を実行することに代えて又は加えて、平均速度が閾値Th以上である(すなわち、幹線道路である)と検知されたメッシュについて、優先的に線分交差判定法を用いた判定を実行してもよい。これは、リンクの場合と同様、幹線道路として検知されたメッシュ領域では、自車両Mが高速に移動しており、サンプリング時刻間で、隣接しないメッシュ領域に移動する可能性が高いと想定されるためである。
【0063】
図12は、情報提供部150によって提供され、HMI20に表示される情報の一例を示す図である。図12の場面において、自車両Mは、メッシュid10002のメッシュ領域に対応する道路を走行しているものとする。さらに、図12においてHMI20に表示される情報は、図5のメッシュ情報テーブル166に基づいて、情報提供部150が提供するものとする。
【0064】
情報提供部150は、メッシュ情報に含まれる自車両Mの移動方向から自車両Mの経路を予測し、自車両Mの経路に基づいて乗員に情報提供する。例えば、図5のメッシュ情報テーブル166におけるメッシュid10002のレコードを参照すると、メッシュid10002の入力メッシュid_1は10005であり、出力メッシュid_1は10001であり、移動方向_1はN(北)である。そのため、情報提供部150は、自車両Mがメッシュid10002のメッシュ領域からメッシュid10001のメッシュ領域に移動する経路を予測し、HMI20に、例えば、矢印ARを用いて予測経路を表示させる。また、例えば、メッシュ情報テーブル166におけるメッシュid10001のレコードを参照すると、加減速情報は減速を示している。そのため、情報提供部150は、自車両Mがまもなく減速区間に入ることを示す情報をHMI20に表示させる。なお、本実施形態は、自車両Mを乗員が手動運転する場合について説明しているが、自動運転の場合には、例えば、減速を示す加減速情報に基づいて自車両Mを減速させることなどによって、情報提供部150が提供する情報を自動運転の制御に活用することもできる。
【0065】
図13は、情報生成部130が、メッシュ情報に基づいて、リンクまたはノードに分類されたメッシュ間の遷移のつながり方に基づいて生成するグラフ構造のデータベースの一例である。情報生成部130は、リンクに分類されたメッシュ領域が隣り合う領域をまとめて経路リンクとし、当該経路リンクごとに、当該経路リンクの始点となるノード(始点ノード)と判定されたメッシュ領域のメッシュidと、当該経路リンクの終点となるノード(終点ノード)と判定されたメッシュ領域のメッシュidと、当該経路リンクを構成するメッシュ領域(構成メッシュ領域)のメッシュidとを記録する。また、情報生成部130は、始点ノードから終点ノードへの車両Mの移動向き(方向)、平均速度、その経路リンクを経由した車両Mが次にどの経路リンクを経由するかを示す遷移確率(複数の経路リンクに移動することが可能な場合にはその遷移先の経路リンクごとの遷移確率)を記録してもよい。また、グラフ構造のデータベースには、経路リンクの道路種別(高速道路や一般道路の区別)が記録されてもよい。このような記録は、グラフ構造のデータベースとして生成されたのち、経路リンクを構成する少なくとも1つまたは全てのメッシュ領域のメッシュidに対応付けられたメッシュ情報として記録されてもよい。図13の経路リンク1について説明すると、リンク1は、メッシュidが10001であるメッシュ領域が始点ノードであり、メッシュidが10004であるメッシュ領域が終点ノードであり、メッシュidが10001、10002、10003、10004であるメッシュ領域から構成され、東向きであり、当該経路リンク1を経由した車両Mが次に経由する経路リンクの確率について、経路リンク3へ遷移する確率が20%であり、経路リンク5へ遷移する確率が80%であることが示されている。またそのような情報がメッシュid_10001~10004におけるメッシュ情報として記録されている。
【0066】
情報提供部150は、図13に例示するグラフ構造のデータベースに従い情報生成部130により生成されメッシュ情報として記録された情報に基づいて、以下のように情報提供を行う。すなわち、経路リンク1を走行する車両Mが次に経路リンク5へと移動する確率が所定より高いことを判定し、経路リンク5に対応付けられた情報(例えば、経路リンク5が高速道路であることや経路リンク5の消費電力が25whであることに基づく情報)を車両Mが経路リンク1を走行している時に提供する。
【0067】
なお、上述した図12の例では、図5のメッシュ情報テーブル166に格納されたレコードの内容に基づいて、情報提供部150が情報を提供している。すなわち、自車両Mが一度でも、あるメッシュ領域においてアップロード情報を送信した場合には、情報提供部150は当該メッシュ領域に関する情報を提供することとなる。しかしながら、たった一度のアップロード情報の送信に基づく情報提供は、その精度が低い場合がある。そのため、情報生成部130は、メッシュ情報テーブル166に、各々のメッシュ領域の通過回数を示す情報を格納し、通過回数が基準値未満であるメッシュ領域に関する情報やメッシュ領域そのものを定期的に削除してもよいし、情報提供部150は、当該通過回数が基準値以上であるメッシュ領域についてのみ、自車両Mに情報提供を行ってもよい。これにより、メッシュ領域ごとの情報を低負荷で管理しつつ、精度の高い情報を提供することができる。
【0068】
以上の通り説明した本実施形態によれば、自車両Mの緯度経度情報から求めたメッシュidに基づいてグラフ構造を作成し、自車両Mが現在走行中の道路をメッシュidに紐づくメッシュ領域として特定し、当該メッシュ領域を走行した情報をメッシュ情報として記録し、その後、自車両Mが同一のメッシュ領域を走行する際には、メッシュ情報に基づいて適切な走行方法に関する情報を提供する。すなわち、地図などの複雑な情報を管理することなく、輪郭線で区画されたメッシュ領域ごとの情報を、低負荷で管理することができる。
【0069】
上記説明した実施形態は、以下のように表現することができる。
プログラムを記憶した記憶装置と、
ハードウェアプロセッサと、を備え、
前記ハードウェアプロセッサが前記記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより、
移動体から、前記移動体の位置情報に対応付けられたアップロード情報を取得し、
前記アップロード情報に基づいてメッシュ情報を生成し、前記メッシュ情報を、地上の領域を区画するように定義される複数のメッシュ領域のうち、前記移動体の位置情報を包含するメッシュ領域に対応付けて記憶部に記憶させる、
ように構成されている、情報管理装置。
【0070】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0071】
10 通信装置
20 HMI
30 GNSS受信機
40 車両センサ
50 アップロード情報生成部
100 情報管理装置
110 通信部
120 取得部
130 情報生成部
140 メッシュ領域分類部
150 情報提供部
160 記憶部
162 アップロード情報テーブル
164 メッシュ定義情報テーブル
166 メッシュ情報テーブル
図1
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図13