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特開2022-154745駆動装置、レンズ鏡筒、および撮像装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022154745
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】駆動装置、レンズ鏡筒、および撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/08 20210101AFI20221005BHJP
   G02B 7/04 20210101ALI20221005BHJP
   G02B 7/02 20210101ALI20221005BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20221005BHJP
   H02K 7/06 20060101ALI20221005BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
G02B7/08
G02B7/04 E
G02B7/02 Z
G03B17/02
H02K7/06 A
H04N5/225 100
H04N5/225 400
【審査請求】未請求
【請求項の数】31
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021057923
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】芦沢 隆利
(72)【発明者】
【氏名】山口 未央
(72)【発明者】
【氏名】木村 将光
(72)【発明者】
【氏名】楠山 昌紀
(72)【発明者】
【氏名】森桶 利和
【テーマコード(参考)】
2H044
2H100
5C122
5H607
【Fターム(参考)】
2H044AJ04
2H044BD04
2H044BE02
2H044BE03
2H044BE04
2H044BE05
2H044BE18
2H044DA01
2H044DB02
2H044DB03
2H044DB04
2H044DC06
2H044DC10
2H044DD09
2H044DD12
2H100BB11
5C122EA68
5C122GE01
5C122GE11
5C122HA82
5H607AA12
5H607BB01
5H607BB26
5H607CC03
5H607DD03
5H607DD19
5H607EE52
(57)【要約】
【課題】移動対象の移動速度のダイナミックレンジの拡大を図ること。
【解決手段】駆動装置は、移動対象を所定方向に移動させる駆動装置であって、第1駆動源と、第1ねじ溝を有し、前記第1駆動源に接続され、前記第1駆動源の回転駆動により所定方向回りに回転する第1回転軸と、第2駆動源と、前記第1ねじ溝に係合する第2ねじ溝を有し、前記第2駆動源に接続され、前記第2駆動源の回転駆動により前記所定方向回りに回転する第2回転軸と、を備え、前記第2回転軸は、前記第2駆動源の回転駆動と、前記第1回転軸の回転と、の少なくともいずれか一方により前記所定方向に移動し、前記第2駆動源に接続された前記移動対象を移動させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動対象を所定方向に移動させる駆動装置であって、
第1駆動源と、
第1ねじ溝を有し、前記第1駆動源に接続され、前記第1駆動源の回転駆動により所定方向回りに回転する第1回転軸と、
第2駆動源と、
前記第1ねじ溝に係合する第2ねじ溝を有し、前記第2駆動源に接続され、前記第2駆動源の回転駆動により前記所定方向回りに回転する第2回転軸と、を備え、
前記第2回転軸は、前記第2駆動源の回転駆動と、前記第1回転軸の回転と、の少なくともいずれか一方により前記所定方向に移動し、前記第2駆動源に接続された前記移動対象を移動させる駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の駆動装置であって、
前記第1回転軸の回転方向と前記第2回転軸の回転方向とに基づいて、前記移動対象を前記所定方向に移動させる、駆動装置。
【請求項3】
請求項2に記載の駆動装置であって、
前記第1駆動源の回転駆動の出力と前記第2駆動源の回転駆動の出力とに基づいて、前記移動対象を前記所定方向に移動させる、駆動装置。
【請求項4】
請求項3に記載の駆動装置であって、
前記第2駆動源の回転駆動の出力は、前記第1駆動源の回転駆動の出力よりも大きい、駆動装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の駆動装置であって、
前記移動対象は、前記第1駆動源に接続されている、駆動装置。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載の駆動装置であって、
前記移動対象は、前記第1回転軸に接続されている、駆動装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の駆動装置であって、
前記第1回転軸は、ナットであり、
前記第2回転軸は、リードスクリューである、
駆動装置。
【請求項8】
移動対象を所定方向に移動させる駆動装置であって、
第1駆動源と、
ねじ溝を有し、前記第1駆動源に接続され、前記第1駆動源の回転駆動により所定方向回りに回転する第1回転軸と、
第2駆動源と、
前記第2駆動源に接続され、前記第2駆動源の回転駆動により前記所定方向回りに回転する第2回転軸と、を備え、
前記第1駆動源は、前記第2回転軸が回転することにより前記第1回転軸を中心として回転させられ、
前記第1回転軸の回転と、前記第2回転軸の回転と、の少なくともいずれか一方により、前記ねじ溝に係合する前記移動対象を移動させる駆動装置。
【請求項9】
請求項8に記載の駆動装置であって、
前記第1駆動源は、前記第2回転軸と前記第1回転軸が同軸上となるように前記第2回転軸の先端に固定され、前記第2回転軸の軸回りに前記第2回転軸とともに回転する、駆動装置。
【請求項10】
請求項8に記載の駆動装置であって、
前記第2回転軸と前記第1駆動源との間に設けられ、前記第2回転軸の回転を前記第1駆動源に伝達する伝達部を有する、駆動装置。
【請求項11】
請求項8から10いずれか一項に記載の駆動装置であって、
前記第2回転軸の回転に基づく前記第1駆動源の回転方向と前記第1回転軸の回転方向とに基づいて、前記移動対象の移動方向を制御する制御部を有する、駆動装置。
【請求項12】
請求項11に記載の駆動装置であって、
前記制御部は、前記第2駆動源の回転数と前記第1駆動源の回転数とに基づいて、前記移動対象の前記所定方向への移動速度を制御する、駆動装置。
【請求項13】
請求項8から10のいずれか一項に記載の駆動装置であって、
前記第1駆動源の周面に設けられる電極と、
電源に接続され、前記電極に接触する接点と、
を有する駆動装置。
【請求項14】
移動対象を移動させる駆動装置であって、
第1駆動源と、
第1ねじ溝を有し、前記第1駆動源に接続され、前記第1駆動源の回転駆動により所定方向回りに回転する第1回転軸と、
第2駆動源と、
第2ねじ溝を有し、前記第2駆動源に接続され、前記第2駆動源の回転駆動により所定方向回りに回転する第2回転軸と、
前記第1駆動源に固定され、前記第2回転軸の前記第2ねじ溝に係合し、前記第2回転軸の回転により前記所定方向に移動する移動部材と、を備え、
前記第1回転軸の回転と、前記第2回転軸の回転と、の少なくともいずれか一方により、前記第1ねじ溝に係合する前記移動対象を移動させる駆動装置。
【請求項15】
請求項14に記載の駆動装置であって、
前記第1回転軸および前記第2回転軸は、前記所定方向のうち第1所定方向に突出する、駆動装置。
【請求項16】
請求項14に記載の駆動装置であって、
前記第2駆動源は、前記第2回転軸を第1回転方向に回転させると、前記第1駆動源を前記所定方向のうち第1所定方向に移動させ、
前記第1駆動源は、前記第1回転軸を前記第1回転方向に回転させると、前記移動対象を前記第1所定方向に移動させる、駆動装置。
【請求項17】
請求項15に記載の駆動装置であって、
前記第2駆動源は、前記第2回転軸を第1回転方向に回転させると、前記第1駆動源を前記第1所定方向に移動させ、
前記第1駆動源は、前記第1回転軸を前記第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転させると、前記移動対象を前記第1所定方向とは反対の第2所定方向に移動させる、駆動装置。
【請求項18】
請求項15に記載の駆動装置であって、
前記第2駆動源は、前記第2回転軸を第2回転方向に回転させると、前記第1駆動源を前記第1所定方向とは反対の第2所定方向に移動させ、
前記第1駆動源は、前記第1回転軸を前記第2回転方向に回転させると、前記移動対象を前記第1所定方向に移動させる、駆動装置。
【請求項19】
請求項15に記載の駆動装置であって、
前記第1回転軸は、前記第1所定方向に突出し、前記第2回転軸は、前記第1所定方向とは反対の第2所定方向に突出する、駆動装置。
【請求項20】
請求項19に記載の駆動装置であって、
前記第2駆動源は、前記第2回転軸を第1回転方向に回転させると、前記第1駆動源を前記第1所定方向に移動させ、
前記第1駆動源は、前記第1回転軸を前記第1回転方向に回転させると、前記移動対象を前記第2所定方向に移動させる、駆動装置。
【請求項21】
請求項19に記載の駆動装置であって、
前記第2駆動源は、前記第2回転軸を第1回転方向に回転させると、前記第1駆動源を前記第1所定方向に移動させ、
前記第1駆動源は、前記第1回転軸を前記第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転させると、前記移動対象を前記第1所定方向に移動させる、駆動装置。
【請求項22】
請求項15から21のいずれか一項に記載の駆動装置であって、
前記移動対象が設けられ、前記第1回転軸の回転により前記移動対象を前記所定方向に移動可能に前記第1回転軸に接続された第1接続部と、
前記第1駆動源に固定され、かつ、前記第2回転軸の回転により前記第1駆動源および前記第1回転軸を前記所定方向に移動可能に前記第2回転軸に接続された第2接続部と、
を有する駆動装置。
【請求項23】
請求項15から21のいずれか一項に記載の駆動装置であって、
前記第1駆動源の駆動方向および回転駆動の出力と、前記第2駆動源の駆動方向および回転駆動の出力と、に基づいて、前記移動対象の前記所定方向への移動を制御する、駆動装置。
【請求項24】
請求項23に記載の駆動装置であって、
前記第2駆動源の回転駆動の出力は、前記第1駆動源の回転駆動の出力よりも大きい、駆動装置。
【請求項25】
請求項15から24のいずれか一項に記載の駆動装置であって、
前記第2駆動源、前記第1駆動源、および前記移動対象は、直列に配置されている、駆動装置。
【請求項26】
請求項15から25のいずれか一項に記載の駆動装置であって、
前記第2駆動源および前記第1駆動源の配列方向と、前記第1駆動源および前記移動対象の配列方向は、交差している、駆動装置。
【請求項27】
請求項1から26のいずれか一項に記載の駆動装置であって、
前記第1駆動源および前記第2駆動源は同種の駆動源である、駆動装置。
【請求項28】
請求項1から26のいずれか一項に記載の駆動装置であって、
前記第1駆動源および前記第2駆動源は異種の駆動源である、駆動装置。
【請求項29】
請求項1から28のいずれか一項に記載の駆動装置であって、
前記移動対象は、レンズである、駆動装置。
【請求項30】
請求項1、8または14のいずれか一項に記載の駆動装置を有するレンズ鏡筒。
【請求項31】
請求項30に記載のレンズ鏡筒を有する撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置、レンズ鏡筒、および撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フォーカス用モータでフォーカスレンズを光軸方向に移動させるレンズ鏡筒が開示されている(たとえば、特許文献1を参照)。しかしながら、特許文献1のレンズ鏡筒は、レンズの移動速度のダイナミックレンジについては、考慮されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-53411号公報
【発明の概要】
【0004】
第1開示技術にかかる駆動装置は、移動対象を所定方向に移動させる駆動装置であって、第1駆動源と、第1ねじ溝を有し、前記第1駆動源に接続され、前記第1駆動源の回転駆動により所定方向回りに回転する第1回転軸と、第2駆動源と、前記第1ねじ溝に係合する第2ねじ溝を有し、前記第2駆動源に接続され、前記第2駆動源の回転駆動により前記所定方向回りに回転する第2回転軸と、を備え、前記第2回転軸は、前記第2駆動源の回転駆動と、前記第1回転軸の回転と、の少なくともいずれか一方により前記所定方向に移動し、前記第2駆動源に接続された前記移動対象を移動させる。
【0005】
第2開示技術にかかる駆動装置は、移動対象を所定方向に移動させる駆動装置であって、第1駆動源と、ねじ溝を有し、前記第1駆動源に接続され、前記第1駆動源の回転駆動により所定方向回りに回転する第1回転軸と、第2駆動源と、前記第2駆動源に接続され、前記第2駆動源の回転駆動により前記所定方向回りに回転する第2回転軸と、を備え、前記第1駆動源は、前記第2回転軸が回転することにより前記第1回転軸を中心として回転させられ、前記第1回転軸の回転と、前記第2回転軸の回転と、の少なくともいずれか一方により、前記ねじ溝に係合する前記移動対象を移動させる。
【0006】
第3開示技術にかかる駆動装置は、移動対象を移動させる駆動装置であって、第1駆動源と、第1ねじ溝を有し、前記第1駆動源に接続され、前記第1駆動源の回転駆動により所定方向回りに回転する第1回転軸と、第2駆動源と、第2ねじ溝を有し、前記第2駆動源に接続され、前記第2駆動源の回転駆動により所定方向回りに回転する第2回転軸と、前記第1駆動源に固定され、前記第2回転軸の前記第2ねじ溝に係合し、前記第2回転軸の回転により前記所定方向に移動する移動部材と、を備え、前記第1回転軸の回転と、前記第2回転軸の回転と、の少なくともいずれか一方により、前記第1ねじ溝に係合する前記移動対象を移動させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施例1にかかる撮像装置の概略構成例を示す断面図である。
図2図2は、実施例1にかかるレンズ鏡筒内部の拡大図である。
図3図3は、実施例1にかかる駆動装置の駆動動作例1を示す説明図である。
図4図4は、実施例1にかかる駆動装置の駆動動作例2を示す説明図である。
図5図5は、実施例1にかかる駆動装置の制御構成例を示す説明図である。
図6図6は、実施例1にかかる駆動装置の変形例を示す説明図である。
図7図7は、実施例2にかかる撮像装置の概略構成例を示す断面図である。
図8図8は、実施例2にかかるレンズ鏡筒内部の拡大図である。
図9図9は、実施例2にかかる駆動装置の制御構成例を示す説明図である。
図10図10は、実施例2にかかる駆動装置の変形例を示す説明図である。
図11図11は、実施例2にかかる第1駆動源および第2駆動源がともに超音波モータである場合の系全体の回転数を示すグラフである。
図12図12は、実施例3にかかる撮像装置の概略構成例を示す断面図である。
図13図13は、実施例3にかかる駆動装置の(A)斜視図および(B)レンズ鏡筒の-Z方向から見た断面図(その1)である。
図14図14は、実施例3にかかる駆動装置の(A)斜視図および(B)レンズ鏡筒の-Z方向から見た断面図(その2)である。
図15図15は、実施例3にかかる第2駆動源の駆動範囲を示す説明図である。
図16図16は、実施例3にかかる第1駆動源の駆動範囲を示す説明図である。
図17図17は、実施例3にかかる第1駆動源および第2駆動源の同時駆動例を示す説明図である。
図18図18は、実施例4にかかる第1駆動源および第2駆動源の駆動範囲を示す説明図である。
図19図19は、実施例4にかかる第1駆動源および第2駆動源の同時駆動例1を示す説明図である。
図20図20は、実施例4にかかる第1駆動源および第2駆動源の同時駆動例2を示す説明図である。
図21図21は、実施例4にかかる第1駆動源および第2駆動源の同時駆動例3を示す説明図である。
図22図22は、実施例4にかかる第1駆動源および第2駆動源の同時駆動例4を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0008】
<撮像装置の構成例>
図1は、実施例1にかかる撮像装置の概略構成例を示す断面図である。撮像装置100は、撮像素子101を有し、レンズ110からの被写体光を受光して電気信号に変換する。レンズ鏡筒102は、駆動装置103を有し、レンズ110を光軸方向に移動させる。撮像装置100は、レンズ鏡筒102と一体型でもよく、レンズ鏡筒102が着脱可能な構成でもよい。
【0009】
なお、レンズ110の光軸方向をZ方向とする。また、Z方向において撮像装置100から見てレンズ110が無限遠端側に向かう方向を+Z方向とし、至近端側に向かう方向を-Z方向とする。また、Z方向に直交する2つの方向をX方向、Y方向とし、X方向およびY方向は直交する。
【0010】
駆動装置103は、第1駆動源104と、第1回転軸105と、固定板106と、第2駆動源107と、第2回転軸108と、ナット109と、レンズ110と、スリーブ111と、第1ガイドバー112と、第2ガイドバー113と、を有する。
【0011】
第1駆動源104は、第1回転軸105をZ方向回りに回転駆動する。第1駆動源104は、Z方向に移動可能であるため、レンズ鏡筒102内部で固定されていない。第1駆動源104は、たとえば、直流モータ、ステッピングモータ、または超音波モータである。第1回転軸105は、第2回転軸108と同軸上でZ方向に延在し、Z方向回りに回転可能に第1駆動源104に設けられる。第1回転軸105は、第1駆動源104から-Z方向に突出する。
【0012】
第1回転軸105は、第1駆動源104の回転駆動により回転する。第1回転軸105は、第1駆動源104が回転駆動していなくても第2駆動源107の回転駆動で第2回転軸108が回転することにより、第2回転軸108とともに回転する。第1回転軸105は、第2回転軸108と係合する。具体的には、たとえば、第1回転軸105は、たとえば、Z方向に延在するねじ穴105aを有し当該ねじ穴105aの内周面に第1ねじ溝を有するナットであり、第2回転軸108であるリードスクリューの第2ねじ溝と螺合する。第1回転軸105の内部105bは、第1駆動源104の駆動負荷低減および撮像装置100の軽量化のため、中空構造となっている。
【0013】
固定板106は、第1駆動源104とナット109とに固定される。これにより、レンズ110は第1駆動源104に接続されることになる。
【0014】
第2駆動源107は、第2回転軸108をZ方向回りに回転駆動する。第2駆動源107は、レンズ鏡筒102内部で固定されている。第2駆動源107は、たとえば、直流モータ、ステッピングモータ、または超音波モータである。第2回転軸108は、Z方向に延在し、Z方向回りに回転可能に第2駆動源107に設けられる。第2回転軸108は、第2駆動源107から+Z方向に突出する。
【0015】
第2回転軸108は、第2駆動源107の回転駆動により回転する。第2回転軸108は、第2駆動源107が回転駆動していなくても第1駆動源104の回転駆動で第1回転軸105が回転することにより、第1回転軸105とともに回転する。第2回転軸108は、第1回転軸105と係合する。具体的には、たとえば、第2回転軸108は、その周面に第2ねじ溝を有するリードスクリューであり、第1回転軸105が有する第1ねじ溝と螺合する。
【0016】
なお、実施例1では、第2駆動源107を主モータとし、第1駆動源104を副モータして説明するが、第1駆動源104を主モータとし、第2駆動源107を副モータとしてもよい。また、第1駆動源104および第2駆動源107を区別しない場合は、単に「駆動源」または「モータ」と称す。
【0017】
ナット109は、固定板106に固定され、第1ガイドバー112に嵌挿され、Z方向に移動可能である。レンズ110は、被写体光を撮像素子101に出射する。レンズ110は、ナット109およびスリーブ111に固定される。レンズ110は、第2駆動源107の回転駆動と、第1回転軸105の回転(第1駆動源104の回転駆動による第1回転軸105の回転でもよい)と、の少なくともいずれか一方によりZ方向Zに移動可能である。レンズ110は、たとえば、フォーカスレンズである。また、図1では説明のため簡略化したが、レンズ110は、Z方向に配列されたレンズ群である。
【0018】
スリーブ111は、第2ガイドバー113に嵌挿され、Z方向に移動可能である。第1ガイドバー112は、Z方向に延在し、ナット109を介してレンズ110をZ方向に案内する。第2ガイドバー113は、Z方向に延在し、スリーブ111を介してレンズ110をZ方向に案内する。
【0019】
<レンズ鏡筒102内部>
図2は、実施例1にかかるレンズ鏡筒102内部の拡大図である。支持台200は、略L字形状であり、Z方向に延在する固定部200aと、Y方向に屈曲した屈曲部200bと、を有する。固定部200aは、レンズ鏡筒102の内周面に固定される。固定部200aの+Z方向の先端には、Z方向に延在するガイドレール202が設けられる。屈曲部200bは、第2回転軸108を嵌挿する。屈曲部200bは、第2駆動源107を固定する。リニアガイド201は、ガイドレール202に沿ってZ方向に移動可能である。リニアガイド201は、第1駆動源104に固定される。
【0020】
固定板106、第1駆動源104、第1回転軸105、ナット109、レンズ110、スリーブ111およびリニアガイド201は、一体的にZ方向に移動するため、総称して、移動機構210とする。
【0021】
第1回転方向r1は、第1回転軸105から+Z方向に見て、Z方向回りに第1回転軸105が回転する回転方向である。第1回転軸105が第1回転方向r1のうち反時計回り方向r1aに回転すると、移動機構210が-Z方向に移動する。第1回転軸105が第1回転方向r1のうち時計回り方向r1bに回転すると、移動機構210が+Z方向に移動する。
【0022】
第2回転方向r2は、第2回転軸108から-Z方向に見て、Z方向回りに第2回転軸108が回転する回転方向である。第2回転軸108が第2回転方向r2のうち反時計回り方向r2aに回転すると、移動機構210が-Z方向に移動する。第2回転軸108が第2回転方向r2のうち時計回り方向r2bに回転すると、移動機構210が+Z方向に移動する。
【0023】
第2駆動源107は、支持台200に固定されているため、第2駆動源107または第1駆動源104が回転駆動しても移動しない。一方、第1駆動源104は、第2駆動源107または第1駆動源104の回転駆動により、レンズ110および第1回転軸105とともに、ガイドレール202に沿ってZ方向に移動可能である。
【0024】
第1駆動源104および第2駆動源107はそれぞれ、トルクを発生する。トルクは、モータの種類や大きさ、負荷電流の大きさに依存する。たとえば、第1駆動源104のトルクに第1駆動源104の回転数を乗じた値が、第1駆動源104の回転駆動の出力となる。同様に、第2駆動源107のトルクに第2駆動源107の回転数を乗じた値が、第2駆動源107の回転駆動の出力(すなわち、仕事率)となる。
【0025】
第1駆動源104が第1回転軸105を反時計回り方向r1aに回転させると、第1駆動源104は、-Z方向の回転駆動の出力を得る。第1回転軸105は第2回転軸108に螺合しているため、移動機構210は、-Z方向に移動する。第1駆動源104が第1回転軸105を時計回り方向r1bに回転させると、第1駆動源104は、+Z方向の回転駆動の出力を得る。第1回転軸105は第2回転軸108に螺合しているため、移動機構210は、+Z方向に移動する。
【0026】
第2駆動源107が第2回転軸108を反時計回り方向r2aに回転させると、第2駆動源107は、-Z方向の回転駆動の出力を得る。第1回転軸105は第2回転軸108に螺合しているため、第1回転軸105が反時計回り方向r1aに回転することにより、移動機構210は、+Z方向に移動する。
【0027】
第2駆動源107が第2回転軸108を時計回り方向r2bに回転させると、第2駆動源107は、+Z方向の回転駆動の出力を得る。第1回転軸105は第2回転軸108に螺合しているため、第1回転軸105が時計回り方向r1bに回転することにより、移動機構210は、-Z方向に移動する。
【0028】
<駆動装置103の駆動動作例>
図3および図4は、実施例1にかかる駆動装置103の駆動動作例1,2を示す説明図である。図3は、図2の状態から第2駆動源107で第2回転軸108を反時計回り方向r2aに回転駆動した動作例3-1、図2の状態から第1駆動源104で第1回転軸105を反時計回り方向r1aに回転駆動した動作例3-2、および、図2の状態から第2駆動源107で第2回転軸108を反時計回り方向r2aに回転駆動し、かつ、第1駆動源104で第1回転軸105を反時計回り方向r1aに回転駆動した動作例3-3を示す。
【0029】
動作例3-1では、第2駆動源107の回転駆動により、第2回転軸108は反時計回り方向r2aに回転する。したがって、第2回転軸108に螺合する第1回転軸105は、反時計回り方向r1aに回転させられ、-Z方向に移動する。第1回転軸105に接続されている第1駆動源104は、第1回転軸105の-Z方向の移動に伴って、ガイドレール202に沿ってリニアガイド201により、-Z方向に移動する。レンズ110は、固定板106およびナット109に固定されているため、第1駆動源104の-Z方向の移動に伴って、第1ガイドバー112および第2ガイドバー113に沿って-Z方向に移動する。
【0030】
動作例3-2では、第1駆動源104の回転駆動により、第1回転軸105は反時計回り方向r1aに回転する。したがって、第2回転軸108に螺合する第1回転軸105は、反時計回り方向r1aに回転させられ、-Z方向に移動する。第1駆動源104およびレンズ110の動作は、動作例3-1と同様である。
【0031】
動作例3-3では、動作例3-1および動作例3-2を組み合わせた動作となる。すなわち、第2駆動源107が第2回転軸108を反時計回り方向r2aに回転させ、かつ、第1駆動源104が第1回転軸105を反時計回り方向r1aに回転させるため、動作例3-1および動作例3-2の各々に比べて、第1回転軸105、第1駆動源104およびレンズ110の-Z方向への移動が加速する。
【0032】
その後、第1駆動源104が第1回転軸105を時計回り方向r1bに回転させると、第1駆動源104の+Z方向への回転駆動の出力により、第1回転軸105、第1駆動源104およびレンズ110の-Z方向への移動を制動し、-Z方向への移動速度が減速する。第1駆動源104の+Z方向への回転駆動の出力が大きいほど減速する。
【0033】
第1駆動源104の+Z方向への回転駆動の出力が第2駆動源107の-Z方向への回転駆動の出力と同出力になると、第1回転軸105、第1駆動源104およびレンズ110の-Z方向への移動が停止する。第1駆動源104の+Z方向への回転駆動の出力が第2駆動源107の-Z方向への回転駆動の出力よりも大きいと、第1回転軸105、第1駆動源104およびレンズ110は+Z方向へ移動する(図4参照)。
【0034】
図4は、図2の状態から第2駆動源107で第1回転軸105を時計回り方向r2bに回転駆動した動作例4-1、図2の状態から第1駆動源104で第1回転軸105を時計回り方向r1bに回転駆動した動作例4-2、および、図2の状態から第2駆動源107で第2回転軸108を時計回り方向r2bに回転駆動し、かつ、第1駆動源104で第1回転軸105を時計回り方向r1bに回転駆動した動作例3-3を示す。
【0035】
動作例4-1では、第1駆動源104の回転駆動により、第1回転軸105は時計回り方向r2bに回転する。したがって、第2回転軸108に螺合する第1回転軸105は、時計回り方向r1bに回転させられ、+Z方向に移動する。第1回転軸105に接続されている第1駆動源104は、第1回転軸105の+Z方向の移動に伴って、ガイドレール202に沿ってリニアガイド201により、+Z方向に移動する。レンズ110は、固定板106およびナット109に固定されているため、第1駆動源104の+Z方向の移動に伴って、第1ガイドバー112および第2ガイドバー113に沿って+Z方向に移動する。
【0036】
動作例4-2では、第1駆動源104の回転駆動により、第1回転軸105は時計回り方向r1bに回転する。したがって、第2回転軸108に螺合する第1回転軸105は、時計回り方向r1bに回転させられ、+Z方向に移動する。第1駆動源104およびレンズ110の動作は、動作例4-1と同様である。
【0037】
動作例4-3では、動作例4-1および動作例4-2を組み合わせた動作となる。すなわち、第2駆動源107が第2回転軸108を時計回り方向r2bに回転させ、かつ、第1駆動源104が第1回転軸105を時計回り方向r1bに回転させるため、動作例4-1および動作例4-2の各々に比べて、第1回転軸105、第1駆動源104およびレンズ110の+Z方向への移動が加速する。
【0038】
その後、第1駆動源104が第1回転軸105を反時計回り方向r1aに回転させると、第1駆動源104の-Z方向への回転駆動の出力により、第1回転軸105、第1駆動源104およびレンズ110の+Z方向への移動を制動し、+Z方向への移動速度が減速する。第1駆動源104の-Z方向への回転駆動の出力が大きいほど減速する。
【0039】
第1駆動源104の-Z方向への回転駆動の出力が第2駆動源107の+Z方向への回転駆動の出力と同出力になると、第1回転軸105、第1駆動源104およびレンズ110の+Z方向への移動が停止する。第1駆動源104の-Z方向への回転駆動の出力が第2駆動源107の+Z方向への回転駆動の出力よりも大きいと、第1回転軸105、第1駆動源104およびレンズ110は-Z方向へ移動する(図3参照)。
【0040】
図5は、実施例1にかかる駆動装置103の制御構成例を示す説明図である。駆動装置103は、制御部500と、第1駆動回路501と、第2駆動回路502と、を有する。制御部500は、プロセッサ511とメモリ512とを有する。プロセッサ511は、メモリ512に記憶されたプログラムを実行して、第1駆動回路501に、第1回転軸105の回転方向および回転数を指示し、第2駆動回路502に、第2回転軸108の回転方向および回転数を指示する。
【0041】
メモリ512は、プロセッサ511が実行するプログラムを記憶するとともに、プロセッサ511の作業エリアとなる。第1駆動回路501は、プロセッサ511からの駆動指示に応じて第1駆動源104を駆動制御する。第2駆動回路502は、プロセッサ511からの駆動指示に応じて第2駆動源107を駆動制御する。
【0042】
<変形例>
図6は、実施例1にかかる駆動装置103の変形例を示す説明図である。図6では、固定板106に替えて、ナット109に凸部600を設け、第1回転軸105を第1回転軸115に置き換えた例である。第1回転軸115には、Z方向回りに環状の凹部180が形成されている。凸部600は、凹部180に挿入される。凸部600の先端は凹部180に接触しない。このようにして、レンズ110は、第1回転軸115を介して第1駆動源104に接続される。
【0043】
第1回転軸115がZ方向に回転移動すると、凸部600の側面と当該側面に対向する凹部180の側面とが接触して、第1ガイドバー112および第2ガイドバー113に沿ってレンズ110をZ方向に移動させる。図6の構成では、図1図5の構成に比べてレンズ110が撮像素子101側に配置されるため、焦点距離が短いレンズ鏡筒102に有用である。
【0044】
このように、上述した実施例の駆動装置103によれば、第2駆動源107による移動機構210のZ方向への移動を第1駆動源104により加減速することができるため、レンズ110の移動速度のダイナミックレンジを拡大することができる。たとえば、低速側のダイナミックレンジが拡大することにより、像面移動係数(レンズ移動量と像面移動量との比)が大きいレンズ110での被写体追尾や動画撮影時の被写体への追従性能が向上する。また、高速側のダイナミックレンジが拡大することにより、レンズ110の高速スキャンが可能となる。このように、第2駆動源107のみの駆動装置と比較して、レンズ110の移動速度を微調整することができる。
【0045】
たとえば、像面移動係数が大きいレンズ110では、超望遠の場合、第2駆動源107である超音波モータの回転1°あたりの像面移動量が大きくなり、至近側での追尾時において、被写体を合焦し続けるには超低速が必要となる。より具体的には、焦点距離800mmの超望遠レンズでの超音波モータの回転1°あたりの像面移動量を1100μmとすると、焦点深度が像面30μmと想定した時、超音波モータの回転1°あたりの像面移動量110μmのレンズ鏡筒102に対して、被写体を追いながら合焦し続けるには1/10倍の速度制御が必要になる。本実施例では、第1駆動源104により、1/10倍の速度制御が可能となる。
【0046】
また、直流モータは、ステッピングモータや超音波モータに比べて回転軸を高速に回転駆動する。また、ステッピングモータは、直流モータや超音波モータに比べて回転軸を低速に回転駆動する。このようなモータ特性に応じて、第1駆動源104および第2駆動源107のモータ種が選択される。
【0047】
たとえば、第1駆動源104および第2駆動源107がともに直流モータであれば、高速側のダイナミックレンジが拡大する。第2駆動源107がステッピングモータで第1駆動源104が直流モータであれば、低速側のダイナミックレンジが安定する。第2駆動源107が直流モータで第1駆動源104がステッピングモータであれば、低速から高速までのダイナミックレンジが安定する。第2駆動源107が超音波モータで第1駆動源104がステッピングモータであれば、超音波モータはトルクがステッピングモータよりも大きいため、低速から高速までのダイナミックレンジが安定する。第2駆動源107および第1駆動源104がともにステッピングモータであれば、低速側のダイナミックレンジが拡大する。
【0048】
すなわち、第1駆動源104および第2駆動源107に同種のモータを採用すれば、当該モータの特性が強調され、第1駆動源104および第2駆動源107に異種のモータを採用すれば、両方の種類の特性が反映される。
【実施例0049】
つぎに、実施例2について説明する。実施例1で説明した構成と同一構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0050】
<撮像装置の構成例>
図7は、実施例2にかかる撮像装置の概略構成例を示す断面図である。撮像装置700は、撮像素子101を有し、レンズ110からの被写体光を受光して電気信号に変換する。レンズ鏡筒102は、駆動装置703を有し、レンズ110を光軸方向に移動させる。撮像装置700は、レンズ鏡筒102と一体型でもよく、レンズ鏡筒102が着脱可能な構成でもよい。
【0051】
なお、レンズ110の光軸方向をZ方向とする。また、Z方向において撮像装置700から見てレンズ110が無限遠端側に向かう方向を+Z方向とし、至近端側に向かう方向を-Z方向とする。また、Z方向に直交する2つの方向をX方向、Y方向とし、X方向およびY方向は直交する。
【0052】
駆動装置703は、第1駆動源704と、第1回転軸705と、第2駆動源707と、第2回転軸708と、ナット109と、レンズ110と、スリーブ111と、第2ガイドバー113と、を有する。
【0053】
第1駆動源704は、第1回転軸705をZ1軸回りに回転駆動する。第1駆動源704は、第2回転軸708の回転とともに回転する。そのため、第1駆動源704は、レンズ鏡筒102内部で固定されていない。第1駆動源704は、たとえば、直流モータ、ステッピングモータ、または超音波モータである。
【0054】
第1回転軸705は、第2回転軸708とZ1軸上でZ方向に延在し、Z1軸回りに回転可能に第1駆動源704に設けられる。第1回転軸705は、第1駆動源704から+Z方向に突出する。第1回転軸705は、レンズ110と係合する。具体的には、たとえば、第1回転軸705は、その周面にねじ溝を有するリードスクリューであり、ナット109に螺合される。また、第1回転軸705は、円環型の超音波モータのようなカム環で実現されてもよい。
【0055】
第1回転軸705は、第1駆動源704の回転駆動により回転する。第1回転軸705は、第1駆動源704が回転駆動していなくても第2駆動源707の回転駆動で第2回転軸708が回転することにより、第2回転軸708および第1駆動源704とともに回転する。
【0056】
第2駆動源707は、第2回転軸708をZ方向であるZ1軸回りに回転駆動する。第2駆動源707は、レンズ鏡筒102内部で固定されている。第2駆動源707は、たとえば、直流モータ、ステッピングモータ、または超音波モータである。
【0057】
第2回転軸708は、Z1軸上に延在し、Z1軸回りに回転可能に第2駆動源707に設けられる。第2回転軸708は、第2駆動源707から+Z方向に突出する。第2回転軸708は、第2駆動源707の回転駆動により回転する。
【0058】
なお、本実施例では、第1駆動源704を主モータとし、第2駆動源707を副モータとして説明するが、第2駆動源707を主モータとし、第1駆動源704を副モータとしてもよい。また、第2駆動源707および第1駆動源704を区別しない場合は、単に「駆動源」または「モータ」と称す。
【0059】
ナット109は、第1回転軸705に螺合され、第1回転軸705の回転によりZ方向に移動可能である。レンズ110は、被写体光を撮像素子101に出射する。レンズ110は、ナット109およびスリーブ111に固定される。レンズ110は、第2駆動源707および第1駆動源704の少なくとも一方の回転駆動によりZ方向に移動可能である。レンズ110は、たとえば、フォーカスレンズである。また、図1では説明のため簡略化したが、レンズ110は、Z方向に配列されたレンズ群である。
【0060】
<レンズ鏡筒102内部>
図8は、実施例2にかかるレンズ鏡筒102内部の拡大図である。固定部200aには、取付け部801が固定されている。取付け部801は、1以上のブラシ802(図8では例として2個)が取り付けられ、それぞれ、第1駆動源704の周面に設けられる電極814に接触する接点となる。屈曲部200bは、第2回転軸708を嵌挿する。屈曲部200bは、第2駆動源707を固定する。
【0061】
電極814は、第1駆動源704の周面でかつZ1軸回りに設けられる。電極814は、ブラシ802に対向配置され、ブラシ802と接触する。これにより、第1駆動源704が停止中または回転中であっても、電極814とブラシ802は導通する。
【0062】
第2回転方向r1は、Z1軸回りに第2回転軸708が回転する回転方向である。第2回転軸708が第2回転方向r1のうち時計回り方向r1aに回転すると、第1駆動源704と第1回転軸705が時計回り方向r2a(r1aと同一回転方向)に連動して回転することで、レンズ110が-Z方向に移動する。第2回転軸708が第2回転方向r1のうち反時計回り方向r1bに回転すると、第1駆動源704と第1回転軸705が反時計回り方向r2b(r1bと同一回転方向)に連動して回転することで、レンズ110が+Z方向に移動する。
【0063】
第1回転方向r2は、Z1軸回りに第1回転軸705が回転する回転方向である。第1回転軸705が第1回転方向r2のうち時計回り方向r2aに回転すると、レンズ110が-Z方向に移動する。第1回転軸705が第1回転方向r2のうち反時計回り方向r2bに回転すると、レンズ110が+Z方向に移動する。
【0064】
第1駆動源704および第2駆動源707はそれぞれ、トルクを発生する。トルクは、モータの種類や大きさ、負荷電流の大きさに依存する。たとえば、第1駆動源704のトルクに2πおよび第1駆動源704の回転数を乗じた値が、第1駆動源704の回転駆動の出力となる。同様に、第2駆動源707のトルクに、2πおよび第2駆動源707の回転数を乗じた値が、第2駆動源707の回転駆動の出力(すなわち、仕事率)となる。
【0065】
第2駆動源707が第2回転軸708を時計回り方向r1aに回転させると、第2回転軸708に固定されている第1駆動源704は時計回り方向r1aに回転する力を受ける。第1駆動源704と第1回転軸705との間で空転が発生しないように第1駆動源704を励磁させると、第1回転軸705は、第2回転軸708と同様の回転数で時計回り方向r2aに回転し、レンズ110は-Z方向に移動する。
【0066】
第2駆動源707が第2回転軸708を反時計回り方向r1bに回転させると、第2回転軸708に固定されている第1駆動源704は反時計回り方向r1bに回転する力を受ける。第1駆動源704と第1回転軸705との間で空転が発生しないように第1駆動源704を励磁させると、第1回転軸705は、第2回転軸708と同様の回転数で反時計回り方向r2bに回転し、レンズ110は-Z方向に移動する。
【0067】
第1駆動源704が第1回転軸705を時計回り方向r2aに回転させると第2回転軸708および第2駆動源707は反力を受け、第2回転軸708および第2駆動源707は反時計回り方向r1bに回転しようとする。第2駆動源707を励磁して空転を防止すると、第1回転軸705は第1駆動源704の回転数のまま時計回り方向r2aに回転し、レンズ110は-Z方向に移動する。
【0068】
第1駆動源704が第1回転軸705を反時計回り方向r2bに回転させると第2回転軸708および第2駆動源707は反力受け、第2回転軸708および第2駆動源707は時計回り方向r1aに回転しようとする。第2駆動源707を励磁して空転を防止すると、第1回転軸705は第1駆動源704の回転数のまま反時計回り方向r2bに回転し、レンズ110は+Z方向に移動する。
【0069】
<駆動装置703の制御構成例>
図9は、実施例2にかかる駆動装置703の制御構成例を示す説明図である。駆動装置703は、制御部900と、第1駆動回路901と、第2駆動回路902と、を有する。制御部900は、プロセッサ911とメモリ912とを有する。プロセッサ911は、メモリ912に記憶されたプログラムを実行して、第2駆動回路902に、第2回転軸708の回転方向および回転数を指示し、第1駆動回路901に、第1回転軸705の回転方向および回転数を指示する。
【0070】
メモリ912は、プロセッサ911が実行するプログラムを記憶するとともに、プロセッサ911の作業エリアとなる。第2駆動回路902は、プロセッサ911からの駆動指示に応じて第2駆動源707を駆動制御する。第1駆動回路901は、プロセッサ911からの駆動指示に応じて第1駆動源704を駆動制御する。
【0071】
第1駆動回路901は、ブラシ802および電極814の接触により第1駆動源704と通電する。これにより、第1駆動源704が回転中であっても第1駆動回路901からの電力供給が可能となる。
【0072】
ここで、駆動装置703の駆動動作例を示す。動作例5-1は、第1駆動源704で第1回転軸705を時計回り方向r2aに回転駆動する場合の動作例である。動作例5-1では、第1駆動源704の回転駆動により、第1回転軸705は時計回り方向r2aに回転する。したがって、レンズ110は、-Z方向に移動する。なお、第2駆動源707がロット型の超音波モータである場合は、自己保持力で第2駆動源707の位置が保持され、レンズ110は-Z方向に移動する。
【0073】
そして、第2駆動源707が第2回転軸708を時計回り方向r1aに回転駆動すると、第2駆動源707の回転数分、レンズ110の-Z方向への移動が加速する。一方、第2駆動源707が第2回転軸708を反時計回り方向r1bに回転駆動すると、第2駆動源707の回転数分、レンズ110の-Z方向への移動が減速する。第1駆動源704と第2駆動源707の回転数が同等であれば、レンズ110は停止し、第2駆動源707の回転数が第1駆動源704の回転数を上回れば、レンズ110は、+Z方向に移動する。
【0074】
動作例5-2は、第1駆動源704で第1回転軸705を反時計回り方向r2bに回転駆動する場合の動作例である。動作例5-2では、第1駆動源704の回転駆動により、第1回転軸705は反時計回り方向r2bに回転する。したがって、レンズ110は、+Z方向に移動する。このとき、なお、第2駆動源707がロット型の超音波モータである場合は、自己保持力で第2駆動源707の位置が保持され、レンズ110は+Z方向に移動する。
【0075】
そして、第2駆動源707が第2回転軸708を反時計回り方向r1bに回転駆動すると、第2駆動源707の回転数分、レンズ110の+Z方向への移動が加速する。一方、第2駆動源707が第2回転軸708を時計回り方向r1aに回転駆動すると、第2駆動源707の回転数分、レンズ110の+Z方向への移動が減速する。第1駆動源704と第2駆動源707の回転数が同等であれば、レンズ110は停止し、第2駆動源707の回転数が第1駆動源704の回転数を上回れば、レンズ110は、-Z方向に移動する。
【0076】
たとえば、第2駆動源707の回転数が時計回り方向r1aに10rpm、第1駆動源704の回転数が時計回り方向r2aに8rpmの場合、第1回転軸705は時計回り方向r2aに18rpmで回転する。また、第2駆動源707の回転数が時計回り方向r1aに10rpm、第1駆動源704の回転数が反時計回り方向r2bに8rpmの場合、第1回転軸705は時計回り方向r2aに2rpmで回転する。
【0077】
また、系(第2駆動源707、第2回転軸708、第1駆動源704、第1回転軸705)全体の最低回転数は、各モータ制御時のバラつきに依存する。たとえば、モータの駆動可能な最低回転数を10rpmでバラつきを±3rpmとし、モータの最もバラつきが減る回転数を50rpmでバラつきを±1rpmとする。第2駆動源707で第2回転軸708を時計回り方向r1aに50±1rpmで回転駆動し、第1駆動源704で第1回転軸705を反時計回り方向r2bに47±1rpmで回転駆動する。この場合、系全体は、時計回り方向r1aに3±2rpmで回転駆動する。すなわち、モータ単体の10rpmより低い3rpmで駆動でき、かつ回転数のバラつきが抑制される。
【0078】
<変形例>
図10は、実施例2にかかる駆動装置703の変形例を示す説明図である。図10では、第1駆動源704と第2回転軸708との間に伝達部1000として2枚の第2ギア1001と第1ギア1002と固定軸1012と、を設けた例である。レンズ鏡筒102の内部空間において、第1駆動源704と第2駆動源707とをZ1軸上に直列配置できない場合に有効である。
【0079】
第2ギア1001はその盤面の中心がZ1軸に直交するように配置される。また、第2ギア1001の盤面の中心には第2回転軸708が固定される。第1ギア1002はその盤面の中心がZ1軸と平行なZ2軸に直交するように配置される。また、第1ギア1002の盤面の中心には固定軸1012が固定される。第1ギア1002は、第2ギア1001と歯合する。固定軸1012は、Z2軸上に配置され、第1回転軸705と同軸となるように第1駆動源704に固定される。なお、第1駆動源704および第1回転軸705は、Z2軸上に配置される。
【0080】
第2ギア1001と第1ギア1002は歯合しているため、互いに反対方向に回転する。すなわち、第2ギア1001が時計回り方向r1aに回転すると、第1ギア1002は反時計回り方向r2bに回転し、第2ギア1001が反時計回り方向r1bに回転すると、第1ギア1002は時計回り方向r2aに回転する。
【0081】
ここで、駆動装置703の駆動動作例を示す。動作例6-1は、第1駆動源704で第1回転軸705を時計回り方向r2aに回転駆動する場合の動作例である。動作例6-1では、第1駆動源704の回転駆動により、第1回転軸705は時計回り方向r2aに回転する。したがって、レンズ110は、-Z方向に移動する。このとき、なお、第2駆動源707がロット型の超音波モータである場合は、自己保持力で第2駆動源707の位置が保持され、レンズ110は-Z方向に移動する。
【0082】
そして、第2駆動源707が第2回転軸708を反時計回り方向r1bに回転駆動すると、第2ギア1001が反時計回り方向r1bに回転するため、第1ギア1002、固定軸1012、および第1駆動源704は、第2回転軸708の回転数にギヤ比分だけ加減速した回転数で時計回り方向r2aに回転する。これにより、第1回転軸705は第1駆動源704で発生する時計回り方向r2aの回転数と、第1駆動源704自体が回転する時計回り方向r2aの回転数と、の合計となるため、時計回り方向r2aへの回転速度が加速する。したがって、第2駆動源707の駆動出力分、レンズ110の-Z方向への移動が加速する。
【0083】
一方、第2駆動源707が第2回転軸708を時計回り方向r1aに回転駆動すると、第2回転軸708および第2ギア1001には時計回り方向r1aの回転力が働くため、第1ギア1002、固定軸1012、および第1駆動源704は、第2回転軸708の回転数に、ギア比分だげ加減速した回転数で反時計回り方向r2bに回転する。第1回転軸705は第1駆動源704で発生する時計回り方向r2aの回転数と第1駆動源704自体の回転である反時計回り方向r2bの回転との差分となるため、第1回転軸705の時計回り方向r2aへの回転数が抑制される。これにより、第1回転軸705の時計回り方向r2aへの回転速度が減速する。したがって、第2駆動源707の駆動出力分、レンズ110の-Z方向への移動が減速する。
【0084】
第1駆動源704の回転数と第2駆動源707の回転数にギア比を介した固定軸1012の回転数とが同等であれば、レンズ110は停止し、第2駆動源707の回転数にギア比を介した固定軸1012の回転数が第1駆動源704の回転数を上回れば、レンズ110は、+Z方向に移動する。
【0085】
動作例6-2は、第1駆動源704で第1回転軸705を反時計回り方向r2bに回転駆動する場合の動作例である。動作例6-2では、第1駆動源704の回転駆動により、第1回転軸705は反時計回り方向r2bに回転する。したがって、レンズ110は、+Z方向に移動する。このとき、第2駆動源707は、第2回転軸708が回転しないように通電される。なお、第2駆動源707がロット型の超音波モータである場合は、自己保持力で第2駆動源707の位置が保持される。
【0086】
そして、第2駆動源707が第2回転軸708を時計回り方向r1aに回転駆動すると、第2ギア1001が時計回り方向r1aに回転するため、第1ギア1002、固定軸1012および第1駆動源704は、第2駆動源707の回転数にギア比分だけ加減速した反時計回り方向r2bで回転する。そのため、第1回転軸705は、第1駆動源704で発生した反時計回り方向r2bの回転数と、第1駆動源704自体の反時計回り方向r2bの回転数との合計となるため、反時計回り方向r2bの回転数が増加する。したがって、第2駆動源707の回転数分、レンズ110の+Z方向への移動が加速する。
【0087】
一方、第2駆動源707が第2回転軸708を反時計回り方向r1bに回転駆動すると、第2回転軸708および第2ギア1001には反時計回り方向r1bの回転力が働くため、第1ギア1002、固定軸1012および第1駆動源704は、第2駆動源707の回転数にギア比分だけ加減速した時計回り方向r2aで回転する。そのため、第1回転軸705は、第1駆動源704で発生した反時計回り方向r2bの回転数と、第1駆動源704自体の時計回り方向r2aの回転数の差分となるため、反時計回り方向r2bの回転数が減速する。したがって、第2駆動源707の回転数分、レンズ110の+Z方向への移動が減速する。
【0088】
第1駆動源704の回転数と、第2駆動源707の回転数にギア比を介した固定軸1012の回転数とが同等であれば、レンズ110は停止し、第2駆動源707の回転数にギア比を介した固定軸1012の回転数が第1駆動源704の回転数を上回れば、レンズ110は、-Z方向に移動する。
【0089】
<モータ種の組み合わせ>
つぎに、第1駆動源704および第2駆動源707のモータ種の組み合わせについて説明する。まず、第1駆動源704および第2駆動源707がともに超音波モータである場合について説明する。
【0090】
図11は、実施例2にかかる第1駆動源704および第2駆動源707がともに超音波モータである場合の系全体の回転数を示すグラフである。第1駆動源704および第2駆動源707がともに超音波モータである場合、ステッピングモータや直流モータでは駆動できない重量級のレンズ110が移動可能となる。
【0091】
また、第1駆動源704および第2駆動源707の回転数を足し合わせることで、動画撮影時に、摺動音が録音されない回転数が、系として2倍になる。また、ウォブリングをする際、反転駆動をさせなくても、一方のモータ(たとえば、第2駆動源707)で回転数を変動させるだけでウォブリングが可能となる。また、系を反転駆動させるときに、モータ(たとえば、第2駆動源707)を反転駆動させずに、一方向に回転させながら回転数を変動させるので、反転駆動によるダメージの軽減と、反転駆動を行う際の停止から起動するまでのタイムラグが短縮される。
【0092】
また、直流モータは、ステッピングモータや超音波モータに比べて回転軸を高速に回転駆動する。したがって、第2駆動源707および第1駆動源704がともに直流モータである場合、高速側のダイナミックレンジが拡大する。
【0093】
また、ステッピングモータは、直流モータや超音波モータに比べてトルクが小さいため、リードピッチを細かく取る必要があり、レンズ110を駆動させる速度が低速となる。第1駆動源704および第2駆動源707がともにステッピングモータであれば、ステッピングモータ使用時のオートフォーカスの高速化を実現することができる。また、第1回転軸705であるリードスクリューのピッチ細かくするほど、レンズ110の移動速度を落とさずに単体で使用した時に対して重量の大きいレンズ110を移動することができ、また、レンズ110の移動量の低減化を図ることができる。このように、高速側のダイナミックレンジが拡大を図ることができる。
【0094】
また、第1駆動源704が超音波モータで、第2駆動源707がステッピングモータである場合、超音波モータによる重量のあるフォーカスレンズ群の移動と、ステッピングモータによるフォーカスレンズ群の位置の微調整が可能となる。また、ウォブリングをする際、超音波モータによりレンズ110は滑らかに移動し、ステッピングモータによりレンズ110の往復移動が可能となる。
【0095】
このように、第1駆動源704および第2駆動源707に同種のモータを採用すれば、当該モータの特性が強調され、第1駆動源704および第2駆動源707に異種のモータを採用すれば、両方の種類の特性が反映される。
【実施例0096】
つぎに、実施例3について説明する。実施例1および実施例2で説明した構成と同一構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0097】
<撮像装置の構成例>
図12は、実施例3にかかる撮像装置の概略構成例を示す断面図である。撮像装置1200は、撮像素子101を有し、レンズ110からの被写体光を受光して電気信号に変換する。レンズ鏡筒102は、駆動装置1203を有し、レンズ110を光軸方向に移動させる。撮像装置1200は、レンズ鏡筒102と一体型でもよく、レンズ鏡筒102が着脱可能な構成でもよい。
【0098】
なお、レンズ110の光軸方向をZ方向とする。また、Z方向において撮像装置1200から見てレンズ110が無限遠端側に向かう方向を+Z方向とし、至近端側に向かう方向を-Z方向とする。また、Z方向に直交する2つの方向をX方向、Y方向とし、X方向およびY方向は直交する。
【0099】
駆動装置1203は、第1駆動源1204と、第1回転軸1205と、固定ナット1206と、第2駆動源1207と、第2回転軸1208と、ナット109と、レンズ110と、スリーブ111と、第2ガイドバー113と、を有する。
【0100】
第1駆動源1204は、第1回転軸1205をZ方向であるZ1軸回りに回転駆動する。第1駆動源1204は、第2回転軸1208の回転により、第1回転軸1205上をZ方向に移動可能である。第1駆動源1204は、たとえば、直流モータ、ステッピングモータ、または超音波モータである。
【0101】
第1回転軸1205は、Z1軸上でZ方向に延在し、Z1軸回りに回転可能に第1駆動源1204に設けられる。第1回転軸1205は、第1駆動源1204から+Z方向に突出する。第1回転軸1205は、移動対象である固定ナット1206、ナット109、およびレンズ110と係合する。具体的には、たとえば、第1回転軸1205は、その周面に第1ねじ溝を有するリードスクリューであり、第1回転軸1205が有する第1ねじ溝と螺合する。第1回転軸1205は、固定ナット1206を貫通し、かつ、ナット109に形成されたねじ穴に螺合する。
【0102】
第2駆動源1207は、第2回転軸1208をZ方向であるZ2軸回りに回転駆動する。第2駆動源1207は、レンズ鏡筒102内部で固定されている。第2駆動源1207は、たとえば、直流モータ、ステッピングモータ、または超音波モータである。
【0103】
第2回転軸1208は、Z2軸上に延在し、Z2軸回りに回転可能に第2駆動源1207に設けられる。第2回転軸1208は、第2駆動源1207から+Z方向に突出する。第2回転軸1208は、第2駆動源1207の回転駆動によりZ2軸回りに回転する。第2回転軸1208は、たとえば、その周面に第2ねじ溝を有するリードスクリューである。
【0104】
固定ナット1206は、Y方向に長尺な板状部材である。固定ナット1206は、第1回転軸1205を貫通して第1駆動源1204に固定される。固定ナット1206は、第2回転軸1208の第2ねじ溝に螺合する。固定ナット1206は、第2回転軸1208の回転により第1駆動源1204および第1回転軸1205をZ方向に移動可能に第2回転軸1208に接続される。
【0105】
第1駆動源1204および第2駆動源1207はそれぞれ、トルクを発生する。トルクは、モータの種類や大きさ、負荷電流の大きさに依存する。たとえば、第1駆動源1204のトルクに2πおよび第1駆動源1204の回転数を乗じた値が、第1駆動源1204の回転駆動の出力となる。この回転駆動の出力は、ナット109およびレンズ110の移動速度v1に対応し、駆動方向は、移動速度v1の方向に対応する。同様に、第2駆動源1207のトルクに2πおよび第2駆動源1207の回転数を乗じた値が、第2駆動源1207の回転駆動の出力(すなわち、仕事率)となる。この回転駆動の出力は、固定ナット1206、第1駆動源1204および第1回転軸1205の移動速度v2に対応し、駆動方向は、移動速度v2の方向に対応する。
【0106】
なお、実施例3では、第2駆動源1207を主モータとし、第1駆動源1204を副モータとして説明するが、第1駆動源1204を主モータとし、第2駆動源1207を副モータとしてもよい。また、第2駆動源1207および第1駆動源1204を区別しない場合は、単に「駆動源」または「モータ」と称す。
【0107】
ナット109は、第1回転軸1205の回転によりレンズ110をZ方向に移動可能に第1回転軸1205に接続される。具体的には、たとえば、ナット109は、第1回転軸1205に螺合され、第1回転軸1205の回転によりZ方向に移動可能である。
【0108】
レンズ110は、第1駆動源1204および第2駆動源1207の少なくとも一方の回転駆動によりZ方向に移動可能である。
【0109】
図13は、実施例3にかかる駆動装置1203の(A)斜視図および(B)レンズ鏡筒102の-Z方向から見た断面図(その1)である。図13において、駆動装置1203は、第1支持板1301と、第1ガイドバー1302と、第2支持板1303と、第1保持部材1304と、第2保持部材1305と、を有する。
【0110】
第1支持板1301は、Y方向に長尺な板状部材であり、第2駆動源1207に固定される。第1ガイドバー1302は、Z方向に延在する。第1ガイドバー1302の一端は、第1支持板1301に固定され、他端は、固定ナット1206に嵌挿される。第1支持板1301および第1ガイドバー1302により、Z2軸回りの回転による第1駆動源1204のふらつきを抑制する。
【0111】
第2支持板1303は、Y方向に長尺な板状部材であり、第2回転軸1208の先端に固定される。なお、第1支持板1301および第2支持板1303は、たとえば、レンズ鏡筒102内部で固定される。
【0112】
第1保持部材1304は、レンズ110の径方向に延在し、第2ガイドバー113の一端を保持する。第2保持部材1305は、レンズ110の径方向に延在し、第2ガイドバー113の他端を保持する。第1保持部材1304および第2保持部材1305は、たとえば、レンズ鏡筒102内部で固定される。
【0113】
図14は、実施例3にかかる駆動装置1203の(A)斜視図および(B)レンズ鏡筒102の-Z方向から見た断面図(その2)である。図13との相違は、図13では、レンズ110、第1駆動源1204、および第2駆動源1207が、レンズ110の径方向に配列されているのに対し、図14では、レンズ110および第2駆動源1207がレンズ110の径方向に配列され、かつ、第1駆動源1204および第2駆動源1207がレンズ110の径方向およびZ方向に直交する方向に配列されている。
【0114】
したがって、図13の構成では、図14の構成よりも径が大きいレンズ110、すなわち、F値が小さいレンズ110をレンズ鏡筒102に収納可能である。一方、図14の構成では、レンズ鏡筒102内部の空きスペースを有効活用でき、レンズ鏡筒102の小型化を図ることができる。
【0115】
<モータの駆動範囲>
図15は、実施例3にかかる第2駆動源1207の駆動範囲を示す説明図である。(A)では、レンズ110が至近端Nに位置し、(B)および(C)では、レンズ110は無限遠端F1に位置する。至近端Nから無限遠端F1までの範囲が第1駆動源1204および固定ナット1206の移動範囲となる。
【0116】
なお、回転軸から駆動源に向かう方向から見て、当該回転軸がその軸の時計回りで回転する方向をcw、回転軸から駆動源に向かう方向から見て、当該回転軸がその軸の反時計回りで回転する方向をcwwとする。
【0117】
(A)では、ナット109およびレンズ110が固定ナット1206に接触している。第2駆動源1207が第2回転軸1208をZ2軸の時計回り方向cwに回転させると、第2駆動源1207は、-Z方向の回転駆動の出力を得る。これにより、固定ナット1206および第1駆動源1204は、ナット109を+Z方向に押し出しながら、固定ナット1206、第1駆動源1204、ナット109およびレンズ110が+Z方向に移動する。このとき、第1駆動源1204は第1回転軸1205を回転駆動していないが、ナット109の+Z方向への押し出しにより、第1回転軸1205がZ1軸の時計回り方向cwに回転する。レンズ110が無限遠端F1に到達すると、(B)の状態となる。
【0118】
(B)では、第2駆動源1207が第2回転軸1208をZ2軸の反時計回り方向ccwに回転させると、第2駆動源1207は、+Z方向の回転駆動の出力を得るが、第1駆動源1204は駆動していない。したがって、固定ナット1206および第1駆動源1204は、-Z方向に移動できず、ナット109から離間しない。
【0119】
なお、第1駆動源1204が第1回転軸1205をZ1軸の反時計回り方向ccwに回転させ、レンズ110が至近端Nに到達すると、(A)の状態となる。このように、第1駆動源1204の単独駆動により、レンズ110は、至近端Nと無限遠端F1との間をZ方向に移動可能となる。
【0120】
図16は、実施例3にかかる第1駆動源1204の駆動範囲を示す説明図である。(A)では、レンズ110が至近端Nに位置する。(B)では、レンズ110は至近端Nと無限遠端F2との中間地点Mに位置する。(C)では、レンズ110は無限遠端F2に位置する。至近端Nから中間地点M(図4の無限遠端F1に相当)までの範囲が第1駆動源1204および固定ナット1206の移動範囲となる。無限遠端F1から中間地点Mまでの範囲が、第1駆動源1204が中間地点Mに位置するときのナット109およびレンズ110の移動範囲となる。
【0121】
なお、図16では、説明の便宜上、第1駆動源1204および第2駆動源1207のうち一方の駆動中は、他方を駆動しないこととするが、駆動装置1203は、第1駆動源1204および第2駆動源1207を同時に駆動することができる。また、至近端Nと中間地点Mとの間の距離と、無限遠端F2と中間地点Mとの間の距離とは、等距離である必要はない。至近端Nと中間地点Mとの間の距離は、第2回転軸1208のZ方向の長さに依存し、無限遠端F2と中間地点Mとの間の距離は、第1回転軸1205のZ方向の長さに依存する。
【0122】
(A)では、ナット109およびレンズ110が固定ナット1206に接触している。第1駆動源1204が第1回転軸1205をZ1軸の時計回り方向cwに回転させると、第1駆動源1204は、-Z方向の回転駆動の出力を得る。これにより、ナット109およびレンズ110が+Z方向に移動して、ナット109は固定ナット1206から離間する。レンズ110が中間地点Mに到達すると、(B)の状態となる。
【0123】
(B)では、第1駆動源1204が第1回転軸1205をZ1軸の反時計回り方向ccwに回転させると、第1駆動源1204は、+Z方向の回転駆動の出力を得る。これにより、固定ナット1206および第1駆動源1204は、-Z方向に移動する。固定ナット1206および第1駆動源1204が至近端Nに到達すると、(A)の状態となる。
【0124】
また、(B)において、第2駆動源1207が第2回転軸1208をZ2軸の時計回り方向cwに回転させると、第2駆動源1207は、-Z方向の回転駆動の出力を得る。これにより、固定ナット1206、第1駆動源1204、第1回転軸1205、ナット109およびレンズ110が一体となって、+Z方向に移動する。固定ナット1206、第1駆動源1204、第1回転軸1205、ナット109およびレンズ110が無限遠端F2に到達すると、(C)の状態となる。
【0125】
(C)では、第2駆動源1207が第2回転軸1208をZ2軸の反時計回り方向ccwに回転させると、第2駆動源1207は、+Z方向の回転駆動の出力を得る。これにより、固定ナット1206、第1駆動源1204、第1回転軸1205、ナット109およびレンズ110が一体となって、-Z方向に移動する。固定ナット1206が至近端Nに到達すると、(B)の状態となる。
【0126】
また、(C)において、第1駆動源1204が第1回転軸1205をZ1軸の反時計回り方向ccwに回転させると、第1駆動源1204は、+Z方向の回転駆動の出力を得る。これにより、ナット109およびレンズ110は、-Z方向に移動する。ナット109が中間地点Mに到達すると、ナット109が固定ナット1206に接触し、図4(B)の状態となる。
【0127】
このように、第1駆動源1204および第2駆動源1207の駆動により、レンズ110は、至近端Nと無限遠端F2との間をZ方向に移動可能となる。
【0128】
図17は、実施例3にかかる第1駆動源1204および第2駆動源1207の同時駆動例を示す説明図である。図17では、説明の便宜上、レンズ110の移動範囲を、図15に示した至近端Nから無限遠端F1の範囲とする。
【0129】
(A)は、第2駆動源1207の駆動により、固定ナット1206、第1駆動源1204、および第1回転軸1205が+Z方向に移動し、かつ、第1駆動源1204の駆動により、ナット109およびレンズ110が+Z方向に移動している状態を示す。
【0130】
(A)では、レンズ110は、第1駆動源1204および第2駆動源1207の駆動により+Z方向に移動するため、第1駆動源1204および第2駆動源1207のうちいずれか一方の駆動に比べて、レンズ110の移動速度が加速する。したがって、レンズ110の移動速度の高速側のダイナミックレンジが拡大する。
【0131】
なお、第1駆動源1204によるナット109の移動速度v1および第2駆動源1207による固定ナット1206の移動速度v2の合計速度v1+v2が、第2駆動源1207による固定ナット1206の移動速度v2よりも速い場合、固定ナット1206は、ナット109から離間される。一方、第2駆動源1207による固定ナット1206の移動速度v2が、合計速度v1+v2よりも速い場合、固定ナット1206は、ナット109に接近する。(A)の状態から、図15(A)の状態に戻す場合も同様である。
【0132】
(B)は、第2駆動源1207の駆動により、固定ナット1206、第1駆動源1204、および第1回転軸1205が+Z方向に移動し、かつ、第1駆動源1204の駆動により、ナット109およびレンズ110が-Z方向に移動している状態を示す。この場合、固定ナット1206とナット109とが接近する速度がv1+v2となり、高速なフォーカスが可能となる。
【0133】
(C)は、第2駆動源1207の駆動により、固定ナット1206、第1駆動源1204、および第1回転軸1205が-Z方向に移動し、かつ、第1駆動源1204の駆動により、ナット109およびレンズ110が+Z方向に移動している状態を示す。この場合、固定ナット1206とナット109とが離間する。移動速度v2を減速させることで、レンズ110の位置の微調整が可能となる。
【0134】
(A)において、第1駆動源1204の駆動により、ナット109の+Z方向への移動速度v1を減速させると、系(第2駆動源1207、第2回転軸1208、第1駆動源1204、第1回転軸1205)全体の+Z方向へのレンズ110の移動速度が減速する。ナット109の+Z方向への移動速度v1が0になると、第2駆動源1207による単独駆動となる。第1駆動源1204の駆動により、ナット109が-Z方向に移動すると、(B)に示したように、系全体の+Z方向へのレンズ110の移動速度がさらに減速する。
【0135】
(A)において、第2駆動源1207の駆動により、固定ナット1206の+Z方向への移動速度v1を減速させると、系全体の+Z方向へのレンズ110の移動速度が減速する。固定ナット1206の+Z方向への移動速度v2が0になると、第2駆動源1207による単独駆動となる。第2駆動源1207の駆動により、固定ナット1206が-Z方向に移動すると、(C)に示したように、系全体の+Z方向へのレンズ110の移動速度がさらに減速する。
【0136】
このように、上述した駆動装置1203によれば、第1駆動源1204および第2駆動源1207の各々の移動対象を同一方向に移動させる場合、いずれか一方の駆動源のみで移動させる場合に比べて、系全体の移動速度を加速させることができ、高速側のダイナミックレンジの拡大を図ることができる。
【0137】
また、高速移動時にいずれか一方の駆動源による移動速度を減速させることにより、いずれか一方の駆動源のみで移動させる場合のように反転駆動することなく、系全体の移動速度を減速させることができる。したがって、低速側のダイナミックレンジの拡大を図ることができる。また、反転駆動によるダメージの軽減と、反転駆動を行う際の停止から起動するまでのタイムラグが短縮される。
【0138】
また、第1駆動源1204および第2駆動源1207の各々の移動対象を反対方向に移動させる場合、いずれか一方の駆動源のみで移動させる場合に比べて、系全体の移動速度を減速させることができ、低速側のダイナミックレンジの拡大を図ることができる。また、低速移動時にいずれか一方の駆動源による移動速度を減速させることにより、いずれか一方の駆動源のみで移動させる場合のように反転駆動することなく、系全体の移動速度を加速させることができる。したがって、低速側のダイナミックレンジの拡大を図ることができる。また、反転駆動によるダメージの軽減と、反転駆動を行う際の停止から起動するまでのタイムラグが短縮される。
【実施例0139】
つぎに、実施例4について説明する。実施例3では、第1回転軸1205および第2回転軸1208の突出方向を+Z方向としたが、実施例4では、第2回転軸1208の突出方向を+Z方向とし、第1回転軸1205の突出方向を-Z方向とする。なお、実施例1との相違点を中心に説明するため、実施例3と同一構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0140】
図18は、実施例4にかかる第1駆動源1204および第2駆動源1207の駆動範囲を示す説明図である。図18において、Nは至近端、Fは無限遠端、Mは中間地点である。また、第2駆動源1207は、レンズ鏡筒102の内部で固定される。駆動装置1203のデフォルト状態では、固定ナット1206は第2駆動源1207に当接し、ナット109は固定ナット1206に当接する。また、レンズ110は中間地点Mに位置する。第1駆動源1204および第2駆動源1207の駆動によりレンズ110は、至近端Nと無限遠端Fとの間をZ方向に移動可能となる。
【0141】
(A)は、駆動装置1203のデフォルト状態を示す。(C)の状態から、第1駆動源1204が第1回転軸1205をZ1軸の反時計回り方向ccwに回転させると、ナット109およびレンズ110が+Z方向に移動し、中間地点Mに到達すると停止する。また、第2駆動源1207が第2回転軸1208をZ2軸の時計回り方向cwに回転させると、固定ナット1206、第1駆動源1204および第1回転軸1205が+Z方向に移動する。レンズ110が無限遠端Fに到達すると、(B)の状態となる。
【0142】
そして、第1駆動源1204が第1回転軸1205をZ1軸の時計回り方向cwに回転させると、ナット109およびレンズ110が-Z方向に移動する。レンズ110が中間地点Mに到達すると、(D)の状態となる。
【0143】
(A)の状態から、第1駆動源1204が第1回転軸1205をZ1軸の時計回り方向cwに回転させると、ナット109およびレンズ110が-Z方向に移動する。レンズ110が至近端Nに到達すると、(C)の状態となる。
【0144】
そして、第2駆動源1207が第2回転軸1208をZ2軸の時計回り方向cwに回転させると、固定ナット1206、第1駆動源1204および第1回転軸1205が+Z方向に移動するとともに、当該移動に追従してナット109およびレンズ110も+Z方向に移動する。レンズ110が中間地点Mに到達すると、(D)の状態となる。
【0145】
(B)の状態から、第1駆動源1204が第1回転軸1205をZ1軸の時計回り方向cwに回転させると、ナット109およびレンズ110が-Z方向に移動する。レンズ110が中間地点Mに到達すると、(D)の状態となる。
【0146】
<第1駆動源1204および第2駆動源1207の同時駆動例>
図19は、実施例4にかかる第1駆動源1204および第2駆動源1207の同時駆動例1を示す説明図である。同時駆動例1は、第1駆動源1204が第1回転軸1205をZ1軸の反時計回り方向ccwに回転させることで、ナット109およびレンズ110を+Z方向に移動させ、かつ、第2駆動源1207が第2回転軸1208をZ2軸の時計回り方向cwに回転させることで、固定ナット1206、第1駆動源1204、および第1回転軸1205を+Z方向に移動させる例である。
【0147】
すなわち、同時駆動例1は、無限遠端F側で高速にオートフォーカスする場合に有効である。第1駆動源1204によるナット109およびレンズ110の移動速度をv1(≧0)とし、第2駆動源1207による固定ナット1206、第1駆動源1204、および第1回転軸1205の移動速度をv2(≧0)とする(以降の図でも同様)。
【0148】
同時駆動例1では、第1駆動源1204および第2駆動源1207による移動方向はともに+Z方向であるため、系(固定ナット1206、第1駆動源1204、第1回転軸1205、ナット109およびレンズ110)全体の+Z方向への移動速度vは、第1駆動源1204の移動速度v1分、+Z方向に加速され、v1+v2となる。したがって、系全体の移動速度vの高速側のダイナミックレンジが拡大する。
【0149】
(A)は、図18(A)と同様のデフォルト状態の配置とする。第1駆動源1204が第1回転軸1205をZ1軸の反時計回り方向ccwに回転させると、ナット109およびレンズ110が+Z方向に移動する。また、第2駆動源1207が第2回転軸1208をZ2軸の時計回り方向cwに回転させると、固定ナット1206、第1駆動源1204、および第1回転軸1205が+Z方向に移動する。
【0150】
v1=v2の場合、ナット109は固定ナット1206との距離を維持したまま、+Z方向に移動する。v1<v2の場合、ナット109が固定ナット1206に追いつかず、ナット109およびレンズ110は、+Z方向に移動しつつも、固定ナット1206から離間される。
【0151】
(B)は、v1<v2の場合における(A)の駆動後の状態を示す。固定ナット1206が、第2回転軸1208の先端に到達すると、v2=0となるため、ナット109は固定ナット1206に接近する。固定ナット1206が第2回転軸1208の先端に到達し、かつ、ナット109が固定ナット1206に当接すると、(C)の状態となる。
【0152】
このように、第1駆動源1204および第2駆動源1207の駆動により系全体でレンズ110を+Z方向に移動させる場合、第2駆動源1207のみの駆動に比べて、レンズ110の+Z方向の移動速度が加速する。したがって、レンズ110の移動速度の高速側のダイナミックレンジが拡大する。またこの場合、第1駆動源1204の駆動によるレンズ110の+Z方向の移動速度v1を加速することで、より高速なオートフォーカスが可能となる。
【0153】
またこの場合、第1駆動源1204の駆動によるレンズ110の+Z方向の移動速度v1を減速することで、オートフォーカスの微調整が可能となる。すなわち、ウォブリングをする際、第2駆動源1207を-Z方向に反転駆動をさせなくても、第1駆動源1204で回転数を変動させるだけでウォブリングが可能となる。またこれにより、第1駆動源1204で第2駆動源1207を反転駆動したかのように制御するため、反転駆動によるダメージの軽減と、反転駆動を行う際の停止から起動するまでのタイムラグの短縮と、が可能となる。
【0154】
図20は、実施例4にかかる第1駆動源1204および第2駆動源1207の同時駆動例2を示す説明図である。同時駆動例2は、第1駆動源1204が第1回転軸1205をZ1軸の時計回り方向cwに回転させることで、ナット109およびレンズ110を-Z方向に移動させ、かつ、第2駆動源1207が第2回転軸1208をZ2軸の反時計回り方向ccwに回転させることで、固定ナット1206、第1駆動源1204、および第1回転軸1205を-Z方向に移動させる例である。
【0155】
すなわち、同時駆動例2は、至近端N側で高速にオートフォーカスする場合に有効である。同時駆動例2では、第1駆動源1204および第2駆動源1207による移動方向はともに-Z方向であるため、系全体の-Z方向への移動速度vは、第1駆動源1204の移動速度v1分、-Z方向に加速され、v1+v2となる。したがって、系全体の移動速度vの高速側のダイナミックレンジが拡大する。
【0156】
(A)は、図19(C)と同様の配置とする。第1駆動源1204が第1回転軸1205をZ1軸の時計回り方向cwに回転させると、ナット109およびレンズ110が-Z方向に移動する。また、第2駆動源1207が第2回転軸1208をZ2軸の反時計回り方向ccwに回転させると、固定ナット1206、第1駆動源1204、および第1回転軸1205が-Z方向に移動する。
【0157】
v1>v2の場合、固定ナット1206がナット109に追いつかず、固定ナット1206、第1駆動源1204、および第1回転軸1205は、-Z方向に移動しつつも、ナット109から離間される。v1=v2の場合、固定ナット1206はナット109との距離を維持したまま、-Z方向に移動する。
【0158】
(B)は、(A)の駆動後の状態を示す。ナット109が第1回転軸1205の先端に到達する前に、固定ナット1206が第2駆動源1207に到達すると、v2=0となるため、ナット109は固定ナット1206から離間する。また、第1駆動源1204が第1回転軸1205をZ1軸の時計回り方向cwに回転させた場合も、v2=0になる前から固定ナット1206とナット109は離間し始める。固定ナット1206が第2駆動源1207に到達する前に、ナット109が第1回転軸1205の先端に到達すると、v1=0となるため、固定ナット1206はナット109に接近する。ナット109が第1回転軸1205の先端に到達し、かつ、固定ナット1206が第2駆動源1207に到達すると、(C)の状態となる。
【0159】
このように、第1駆動源1204および第2駆動源1207の駆動により系全体でレンズ110を-Z方向に移動させる場合、第2駆動源1207のみの駆動に比べて、レンズ110の-Z方向の移動速度が加速する。したがって、レンズ110の移動速度の高速側のダイナミックレンジが拡大する。またこの場合、第1駆動源1204の駆動によるレンズ110の-Z方向の移動速度v1を加速することで、より高速なオートフォーカスが可能となる。
【0160】
またこの場合、第1駆動源1204の駆動によるレンズ110の-Z方向の移動速度v1を減速することで、オートフォーカスの微調整が可能となる。すなわち、ウォブリングをする際、第2駆動源1207を+Z方向に反転駆動をさせなくても、第1駆動源1204で回転数を変動させるだけでウォブリングが可能となる。またこれにより、第1駆動源1204で第2駆動源1207を反転駆動したかのように制御するため、反転駆動によるダメージの軽減と、反転駆動を行う際の停止から起動するまでのタイムラグの短縮と、が可能となる。
【0161】
図21は、実施例4にかかる第1駆動源1204および第2駆動源1207の同時駆動例3を示す説明図である。同時駆動例3は、第1駆動源1204が第1回転軸1205をZ1軸の時計回り方向cwに回転させることで、ナット109およびレンズ110を-Z方向に移動させ、かつ、第2駆動源1207が第2回転軸1208をZ2軸の時計回り方向cwに回転させることで、固定ナット1206、第1駆動源1204、および第1回転軸1205を+Z方向に移動させる例である。
【0162】
すなわち、同時駆動例3は、無限遠端F側にオートフォーカスする際に至近端N側に微調整する場合に有効である。同時駆動例3では、第1駆動源1204および第2駆動源1207による移動方向は逆方向であるため、系全体の移動方向は、移動速度v1、v2の大きい方の方向となり、系全体の移動速度vは、移動速度v1、v2の差の絶対値となる。したがって、系全体の移動速度vの低速側のダイナミックレンジが拡大する。
【0163】
(A)は、図18(A)と同様のデフォルト状態の配置とする。第1駆動源1204が第1回転軸1205をZ1軸の時計回り方向cwに回転させると、ナット109およびレンズ110が-Z方向に移動する。また、第2駆動源1207が第2回転軸1208をZ2軸の時計回り方向cwに回転させると、固定ナット1206、第1駆動源1204、および第1回転軸1205が+Z方向に移動する。第1駆動源1204による第1回転軸1205のZ1軸の時計回り方向cwへの回転駆動により、固定ナット1206およびナット109が離間する。
【0164】
(B)は、(A)の駆動後の状態を示す。移動速度v1、v2の差が大きいと、系全体では、レンズ110が+Z方向に移動したり、-Z方向に移動したりする。たとえば、v2>v1の場合、ナット109およびレンズ110は、-Z方向に移動するような動きが発生しつつも、第2駆動源1207の駆動により、系全体としては、+Z方向に移動する。
【0165】
v1=v2の場合、ナット109およびレンズ110は、-Z方向に移動するような動きが発生しつつも、第2駆動源1207の駆動により、固定ナット1206、第1駆動源1204、および第1回転軸1205は+Z方向に移動する。この場合、ナット109およびレンズ110は中間地点Mに位置する。
【0166】
v1>v2の場合、固定ナット1206、第1駆動源1204、および第1回転軸1205は、+Z方向に移動するような動きが発生しつつも、系全体としては、-Z方向に移動する。ナット109が第1回転軸1205の先端に到達し、かつ、固定ナット1206が第2回転軸1208の先端に到達すると、(C)の状態となる。
【0167】
このように、第1駆動源1204および第2駆動源1207の駆動により系全体でレンズ110をZ方向に移動させる場合、第1駆動源1204および第2駆動源1207のいずれか一方の駆動に比べて、レンズ110のZ方向の移動速度が減速する。したがって、レンズ110の移動速度の低速側のダイナミックレンジが拡大する。
【0168】
すなわち、ウォブリングをする際、第2駆動源1207を-Z方向に反転駆動をさせなくても、第1駆動源1204で回転数を変動させるだけでウォブリングが可能となる。またこれにより、第1駆動源1204で第2駆動源1207を反転駆動したかのように制御するため、反転駆動によるダメージの軽減と、反転駆動を行う際の停止から起動するまでのタイムラグの短縮と、が可能となる。
【0169】
図22は、実施例4にかかる第1駆動源1204および第2駆動源1207の同時駆動例4を示す説明図である。同時駆動例4は、第1駆動源1204が第1回転軸1205をZ1軸の反時計回り方向ccwに回転させることで、ナット109およびレンズ110を+Z方向に移動させ、かつ、第2駆動源1207が第2回転軸1208をZ2軸の反時計回り方向ccwに回転させることで、固定ナット1206、第1駆動源1204、および第1回転軸1205を-Z方向に移動させる例である。
【0170】
すなわち、同時駆動例4は、至近端N側にオートフォーカスする際に無限遠端F側に微調整する場合に有効である。同時駆動例4では、同時駆動例3と同様、第1駆動源1204および第2駆動源1207による移動方向は逆方向であるため、系全体の移動方向は、移動速度v1、v2の大きい方の方向となり、系全体の移動速度vは、移動速度v1、v2の差の絶対値となる。したがって、系全体の移動速度vの低速側のダイナミックレンジが拡大する。
【0171】
(A)は、図21(C)と同様の配置とする。第1駆動源1204が第1回転軸1205をZ1軸の反時計回り方向ccwに回転させると、ナット109およびレンズ110が+Z方向に移動する。また、第2駆動源1207が第2回転軸1208をZ2軸の反時計回り方向ccwに回転させると、固定ナット1206、第1駆動源1204、および第1回転軸1205が-Z方向に移動する。第1駆動源1204による第1回転軸1205のZ1軸の反時計回り方向ccwへの回転駆動により、固定ナット1206およびナット109が接近する。
【0172】
(B)は、(A)の駆動後の状態を示す。移動速度v1、v2の差が大きいと、系全体では、レンズ110が+Z方向に移動したり、-Z方向に移動したりする。たとえば、v2>v1の場合、ナット109およびレンズ110は、+Z方向に移動するような動きが発生しつつも、第2駆動源1207の駆動により、系全体としては、-Z方向に移動する。固定ナット1206およびナット109が当接すると、系全体の移動速度vで系全体が-Z方向に移動する。
【0173】
v1=v2の場合、ナット109およびレンズ110は、+Z方向に移動するような動きが発生しつつも、第2駆動源1207の駆動により、固定ナット1206、第1駆動源1204、および第1回転軸1205は-Z方向に移動する。この場合、ナット109およびレンズ110は中間地点Mに位置する。固定ナット1206およびナット109が中間地点Mで当接すると、図21(A)のようなでデフォルト状態となる。
【0174】
v1>v2の場合、固定ナット1206、第1駆動源1204、および第1回転軸1205は、-Z方向に移動するような動きが発生しつつも、系全体としては、+Z方向に移動する。固定ナット1206およびナット109が当接すると、系全体の移動速度vで系全体が+Z方向に移動し、(C)の状態になる。
【0175】
このように、第1駆動源1204および第2駆動源1207の駆動により系全体でレンズ110をZ方向に移動させる場合、第1駆動源1204および第2駆動源1207のいずれか一方の駆動に比べて、レンズ110のZ方向の移動速度が減速する。したがって、レンズ110の移動速度の低速側のダイナミックレンジが拡大する。
【0176】
すなわち、ウォブリングをする際、第2駆動源1207を-Z方向に反転駆動をさせなくても、第1駆動源1204で回転数を変動させるだけでウォブリングが可能となる。またこれにより、第1駆動源1204で第2駆動源1207を反転駆動したかのように制御するため、反転駆動によるダメージの軽減と、反転駆動を行う際の停止から起動するまでのタイムラグの短縮と、が可能となる。
【実施例0177】
実施例5は、実施例3および実施例4における第1駆動源1204および第2駆動源1207のモータ種の組み合わせの例を示す。なお、実施例1及び実施例2との相違点を中心に説明するため、実施例1および自指令2と同一構成には同一符号を付し、その説明を省略する。まず、第1駆動源1204および第2駆動源1207がともに超音波モータである場合について図11を用いて説明する。
【0178】
実施例5では、図11は、第1駆動源1204および第2駆動源1207がともに超音波モータである場合の系全体の回転数を示すグラフである。第1駆動源1204および第2駆動源1207がともに超音波モータである場合、ステッピングモータや直流モータでは駆動できない重量級のレンズ110が移動可能となる。また、第1駆動源1204および第2駆動源1207の回転数を足し合わせることで、動画撮影時に、摺動音が録音されない回転数が、系として2倍になる。
【0179】
また、ウォブリングをする際、反転駆動をさせなくても、一方のモータ(たとえば、第2駆動源1207)で回転数を変動させるだけでウォブリングが可能となる。また、一方のモータ(たとえば、第2駆動源1207)で他方のモータ(たとえば、第1駆動源1204)を反転制御するため、反転駆動によるダメージの軽減と、反転駆動を行う際の停止から起動するまでのタイムラグが短縮される。
【0180】
また、直流モータは、ステッピングモータや超音波モータに比べて回転軸を高速に回転駆動する。したがって、第2駆動源1207および第1駆動源1204がともに直流モータである場合、高速側のダイナミックレンジが拡大する。
【0181】
また、ステッピングモータは、直流モータや超音波モータに比べて回転軸を低速に回転駆動する。第1駆動源1204および第2駆動源1207がともにステッピングモータであれば、ステッピングモータ使用時のオートフォーカスの高速化を実現することができる。また、第1回転軸1205であるリードスクリューのピッチ細かくするほど、レンズ110の移動速度を落とさずに重量の大きいレンズ110を移動することができ、また、レンズ110の移動量の低減化を図ることができる。このように、高速側のダイナミックレンジが拡大を図ることができる。
【0182】
また、第2駆動源1207が超音波モータで、第1駆動源1204がステッピングモータである場合、ステッピングモータによる重量のあるフォーカスレンズ群の移動と、超音波モータによるフォーカスレンズ群の位置の微調整が可能となる。また、ウォブリングをする際、超音波モータによりレンズ110は滑らかに移動し、ステッピングモータによりレンズ110の往復移動が可能となる。
【0183】
また、第2駆動源1207が直流モータで、第1駆動源1204がステッピングモータである場合、他の組み合わせに比べてウォブリングの高精度化が可能となる。
【0184】
このように、第1駆動源1204および第2駆動源1207に同種のモータを採用すれば、当該モータの特性が強調され、第1駆動源1204および第2駆動源1207に異種のモータを採用すれば、両方の種類の特性が反映される。
【0185】
たとえば、静止画撮影であれば、オートフォーカスの高速化やモータ停止時における微細駆動による精度の向上が可能となる。また、動画撮影であれば、違和感のない速度でのオートフォーカスの駆動が実現される。また、モータ停止時の微細駆動による精度の向上や高精度なウォブリングが可能となる。
【0186】
例を挙げると、スポーツを動画撮影する場合、同じ選手を追いかける際には第1駆動源1204でウォブリングを行い、違う選手など離れたところにフォーカスする際は第2駆動源1207で粗駆動する。また、花などの接写撮影の場合、第1駆動源1204と第2駆動源1207の組み合わせで低速でのオートフォーカス駆動が可能になる。
【0187】
上述した実施例1~実施例5にかかる駆動装置は、下記のように構成することができる。
【0188】
(1)移動対象(たとえば、レンズ110)を所定方向Zに移動させる駆動装置103は、第1駆動源104と、第1ねじ溝を有し、前記第1駆動源104に接続され、前記第1駆動源104の回転駆動により所定方向Z回りに回転する第1回転軸(たとえば、ナット)105と、第2駆動源107と、前記第1ねじ溝に係合する第2ねじ溝を有し、前記第2駆動源107に接続され、前記第2駆動源107の回転駆動により前記所定方向Z回りに回転する第2回転軸(たとえば、リードスクリュー)108と、を備え、前記第2回転軸108は、前記第2駆動源107の回転駆動と、前記第1回転軸105の回転と、の少なくともいずれか一方により前記所定方向Zに移動し、前記第2駆動源107に接続された前記移動対象を移動させる。
【0189】
また、上記(1)の駆動装置103は、前記第1回転軸の回転方向と前記第2回転軸の回転方向とに基づいて、前記移動対象を前記所定方向に移動させてもよい。また、上記(1)の駆動装置103の前記第1回転軸の回転方向は、前記第2回転軸の回転方向と同一方向であってもよく、前記第2回転軸の回転方向と反対方向であってもよい。また、これらの駆動装置103は、前記第1駆動源の回転駆動の出力と前記第2駆動源の回転駆動の出力とに基づいて、前記移動対象を前記所定方向に移動させてもよく、前記第2駆動源の回転駆動の出力は、前記第1駆動源の回転駆動の出力よりも大きくてもよい。
【0190】
また、上記(1)の駆動装置103において、前記移動対象は、前記第1駆動源に接続されていてもよく、前記第1回転軸に接続されていてもよい。また、上記(1)の駆動装置103において、前記第1駆動源および前記第2駆動源は、同種の駆動源でもよく、互いに異種の駆動源でもよい。
ある、駆動装置。
【0191】
また、上記(1)の駆動装置103は、前記第1回転軸の回転方向と前記第2回転軸の回転方向とに基づいて、前記移動対象の前記所定方向への移動を制御する制御部500を有する。この制御部500は、前記第1駆動源の回転駆動の出力と前記第2駆動源の回転駆動の出力とに基づいて、前記移動対象の前記所定方向への移動速度を制御する。
【0192】
(2)移動対象(たとえば、レンズ)110を所定方向Zに移動させる駆動装置703は、第1駆動源704と、ねじ溝を有し、前記第1駆動源704に接続され、前記第1駆動源704の回転駆動により所定方向Z回りに回転する第1回転軸705と、第2駆動源707と、前記第2駆動源707に接続され、前記第2駆動源707の回転駆動により前記所定方向Z回りに回転する第2回転軸708と、を備え、前記第1駆動源704は、前記第2回転軸708が回転することにより前記第1回転軸705を中心として回転させられ、前記第1回転軸705の回転と、前記第2回転軸708の回転と、の少なくともいずれか一方により、前記ねじ溝に係合する前記移動対象を移動させる。
【0193】
また、上記(2)の駆動装置703において、前記第1駆動源は、前記第2回転軸と前記第1回転軸が同軸上となるように前記第2回転軸の先端に固定され、前記第2回転軸の軸回りに前記第2回転軸とともに回転する。また、上記(2)の駆動装置703は、前記第2回転軸と前記第1駆動源との間に設けられ、前記第2回転軸の回転を前記第1駆動源に伝達する伝達部1000を有してもい。
【0194】
また、上記(2)の駆動装置703は、前記第2回転軸の回転に基づく前記第1駆動源の回転方向と前記第1回転軸の回転方向とに基づいて、前記移動対象の移動方向を制御する制御部900を有してもよい。この前記第1回転軸の回転方向は、前記第2回転軸の回転方向と同一方向であってもよく、前記第2回転軸の回転方向と反対方向であってもよい。また、前記制御部900は、前記第2駆動源の回転数と前記第1駆動源の回転数とに基づいて、前記移動対象の前記所定方向への移動速度を制御してもよい。また、前記第2駆動源および前記第1駆動源は、同種の駆動源でもあってもよく、互いに異種の駆動源であってもよい。
【0195】
また、上記(2)の駆動装置703は、前記第1駆動源の周面に設けられる電極814と、電源に接続され、前記電極に接触する接点(たとえば、ブラシ802)と、を有してもよい。
【0196】
(3)移動対象(たとえば、レンズ110)を移動させる駆動装置1203は、第1駆動源1204と、第1ねじ溝を有し、前記第1駆動源1204に接続され、前記第1駆動源1204の回転駆動により所定方向Z回りに回転する第1回転軸1205と、第2駆動源1207と、第2ねじ溝を有し、前記第2駆動源1207に接続され、前記第2駆動源1207の回転駆動により所定方向Z回りに回転する第2回転軸1208と、前記第1駆動源1204に固定され、前記第2回転軸1208の前記第2ねじ溝に係合し、前記第2回転軸1208の回転により前記所定方向Zに移動する移動部材1206と、を備え、前記第1回転軸1205の回転と、前記第2回転軸1208の回転と、の少なくともいずれか一方により、前記第1ねじ溝に係合する前記移動対象を移動させる。
【0197】
また、上記(3)の駆動装置1203において、前記第1回転軸および前記第2回転軸は、前記所定方向のうち第1所定方向に突出する。また、上記(3)の駆動装置1203において、前記第2駆動源は、前記第2回転軸を第1回転方向に回転させると、前記第1駆動源を前記第1所定方向に移動させ、前記第1駆動源は、前記第1回転軸を前記第1回転方向に回転させると、前記移動対象を前記第1所定方向に移動させる。
【0198】
また、前記第2駆動源は、前記第2回転軸を第1回転方向に回転させると、前記第1駆動源を前記第1所定方向に移動させ、前記第1駆動源は、前記第1回転軸を前記第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転させると、前記移動対象を前記第1所定方向とは反対の第2所定方向に移動させてもよい。また、前記第2駆動源は、前記第2回転軸を第2回転方向に回転させると、前記第1駆動源を前記第1所定方向とは反対の第2所定方向に移動させ、前記第1駆動源は、前記第1回転軸を前記第2回転方向に回転させると、前記移動対象を前記第1所定方向に移動させてもよい。また、前記第2駆動源は、前記第2回転軸を第2回転方向に回転させると、前記第1駆動源を前記第1所定方向とは反対の第2所定方向に移動させ、前記第1駆動源は、前記第1回転軸を前記第2回転方向とは反対の第1回転方向に回転させると、前記移動対象を前記第2所定方向に移動させてもよい。
【0199】
また、上記(3)の駆動装置1203において、前記第1回転軸は、前記所定方向のうち第1所定方向に突出し、前記第2回転軸は、前記第1所定方向とは反対の第2所定方向に突出してもよい。また、前記第2駆動源は、前記第2回転軸を第1回転方向に回転させると、前記第1駆動源を前記第1所定方向に移動させ、前記第1駆動源は、前記第1回転軸を前記第1回転方向に回転させると、前記移動対象を前記第2所定方向に移動させてもよい。
【0200】
また、前記第2駆動源は、前記第2回転軸を第1回転方向に回転させると、前記第1駆動源を前記第1所定方向に移動させ、前記第1駆動源は、前記第1回転軸を前記第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転させると、前記移動対象を前記第1所定方向に移動させてもよい。また、前記第2駆動源は、前記第2回転軸を第2回転方向に回転させると、前記第1駆動源を前記第1所定方向に移動させ、前記第1駆動源は、前記第1回転軸を前記第2回転方向に回転させると、前記移動対象を前記第1所定方向に移動させてもよい。また、前記第2駆動源は、前記第2回転軸を第2回転方向に回転させると、前記第1駆動源を前記第1所定方向に移動させ、前記第1駆動源は、前記第1回転軸を前記第2回転方向とは反対の第1回転方向に回転させると、前記移動対象を前記第2所定方向に移動させてもよい。
【0201】
また、上記(3)の駆動装置1203において、前記移動対象が設けられ、前記第1回転軸の回転により前記移動対象を前記所定方向に移動可能に前記第1回転軸に接続された第1接続部(ナット109)と、前記第1駆動源に固定され、かつ、前記第2回転軸の回転により前記第1駆動源および前記第1回転軸を前記所定方向に移動可能に前記第2回転軸に接続された第2接続部(固定ナット1206)と、を有する。
【0202】
また、上記(3)の駆動装置1203は、前記第1駆動源の駆動方向および回転駆動の出力と、前記第2駆動源の駆動方向および回転駆動の出力と、に基づいて、前記移動対象の前記所定方向への移動を制御する。またこの場合、前記第2駆動源の回転駆動の出力は、前記第1駆動源の回転駆動の出力よりも大きくてもよく、前記第2駆動源の回転駆動の出力は、前記第1駆動源の回転駆動の出力よりも小さくてもよい。
【0203】
また、上記(3)の駆動装置1203において、前記第2駆動源、前記第1駆動源、および前記移動対象は、直列に配置されていてもよく、前記第2駆動源および前記第1駆動源の配列方向と、前記第1駆動源および前記移動対象の配列方向は、交差していてもよい。
【0204】
なお、本発明は上記の内容に限定されるものではなく、これらを任意に組み合わせたものであってもよい。また、本発明の技術的思想の範囲で考えられるその他の態様も本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0205】
100 撮像装置、101 撮像素子、102 レンズ鏡筒、103 駆動装置、104 第1駆動源、105 第1回転軸、106 固定板、107 第2駆動源、108 第2回転軸、109 第1ナット、110 レンズ、111 第2ナット、112 第1ガイドバー、113 第2ガイドバー、118 第1回転軸、180 凹部、200 支持台、200a 固定部、200b 屈曲部、201 リニアガイド、202 ガイドレール、210 移動機構、500 制御部、501 第1駆動回路、502 第2駆動回路、511 プロセッサ、512 メモリ、600 凸部、r1 第2回転方向r2a 反時計回り方向r2b 時計回り方向r1 第1回転方向r1a 反時計回り方向r1b 時計回り方向、704 第1駆動源、705 第2回転軸、707 第2駆動源、708 第2回転軸、1204 第1駆動源、1205 第1回転軸、1206 固定ナット(第2接続部)、1207 第2駆動源、1208 第2回転軸
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