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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022155717
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/18 20060101AFI20221006BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20221006BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
G03G21/18 167
G03G21/18 153
G03G21/18 178
G03G15/00 680
G03G21/16 152
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021059081
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】楠田 晋也
【テーマコード(参考)】
2H171
【Fターム(参考)】
2H171FA01
2H171FA02
2H171FA03
2H171FA05
2H171FA09
2H171FA13
2H171GA12
2H171GA31
2H171HA23
2H171JA23
2H171JA27
2H171JA29
2H171JA31
2H171JA35
2H171JA40
2H171JA46
2H171JA50
2H171JA51
2H171JA52
2H171KA05
2H171KA13
2H171KA17
2H171KA22
2H171MA02
2H171MA07
2H171MA20
2H171QA02
2H171QB35
2H171WA13
(57)【要約】
【課題】ユーザがプロセスカートリッジ20を取り外すときに、ユーザの手が本体筐体10の接点13BおよびICチップC2の電気的接触面C21に近づくことで放電が生じることを抑制する。
【解決手段】画像形成装置は、開口OPと接点13Bを備える本体筐体10と、開口OPを開閉可能なカバーCVと、第1方向において、開口OPを通して本体筐体10に着脱可能なプロセスカートリッジ20であって、現像カートリッジ30とドラムカートリッジとを備えるプロセスカートリッジ20と、を備える。プロセスカートリッジ20は、本体筐体10の接点13Bと接触する電気的接触面C21を有するICチップC2と、プロセスカートリッジ20が本体筐体10に装着された状態において、第1方向において、電気的接触面C21よりも開口OPの近くに位置する壁W1であって、第1方向において、接点13Bおよび電気的接触面C21と重なる壁W1を有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する本体筐体であって、接点を備える本体筐体と、
前記開口を開閉可能なカバーと、
第1方向において、前記開口を通して前記本体筐体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、現像カートリッジとドラムカートリッジとを備えるプロセスカートリッジと、を備える画像形成装置であって、
前記現像カートリッジは、
第2方向に延びる現像軸を中心に回転可能な現像ローラと、
トナーを収容可能な現像筐体と、を備え、
前記ドラムカートリッジは、
第2方向に延びるドラム軸を中心に回転可能な感光ドラムと、
前記現像カートリッジが着脱可能なドラムフレームと、を備え、
前記プロセスカートリッジは、
前記本体筐体の前記接点と接触する電気的接触面であって、前記プロセスカートリッジの前記第2方向の一端部に位置する電気的接触面を有するICチップと、
前記プロセスカートリッジが前記本体筐体に装着された状態において、前記第1方向において、前記電気的接触面よりも前記開口の近くに位置する壁であって、前記第1方向において、前記接点および前記電気的接触面と重なる壁を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記本体筐体は、第1本体サイドフレームと、前記第2方向において前記第1本体サイドフレームと離れて位置する第2本体サイドフレームと、を有し、
前記プロセスカートリッジが前記本体筐体に装着された状態において、
前記電気的接触面は、前記第2方向において、前記ドラムフレームと前記第1本体サイドフレームとの間に位置することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記壁は、前記第2方向における前記ドラムフレームと前記第1本体サイドフレームとの間に、ユーザの指が入ることを遮ることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記電気的接触面は、前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向を向くことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記接点は、第1接点と、第2接点と、を有し、
前記電気的接触面は、
前記第1接点と接触する第1電気的接触面であって、前記現像筐体の前記第2方向の一端部に位置する第1電気的接触面と、
前記第2接点と接触する第2電気的接触面であって、前記ドラムフレームの前記第2方向の一端部に位置する第2電気的接触面と、を有し、
前記プロセスカートリッジが前記本体筐体に装着された状態において、
前記第2電気的接触面は、前記第1方向において、前記第1電気的接触面よりも前記開口の近くに位置し、
前記壁は、前記第1方向において、前記第2接点および前記第2電気的接触面と重なることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記感光ドラムは、前記ドラムフレームの前記第1方向の一端部に位置し、
前記第2電気的接触面は、前記第1方向において、前記ドラムフレームの前記第1方向の前記一端部よりも、前記ドラムフレームの前記第1方向の他端部に近い位置に位置することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ドラムカートリッジは、
前記第2電気的接触面を保持するドラムチップホルダと、
前記ドラムチップホルダを移動可能に保持するドラムホルダカバーと、をさらに有し、
前記壁は、前記ドラムホルダカバーから延びていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記壁は、前記ドラムホルダカバーから前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向に延びていることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記現像カートリッジは、
前記第1電気的接触面を保持する現像チップホルダと、
前記現像チップホルダを移動可能に保持する現像ホルダカバーと、をさらに有することを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第1電気的接触面は、前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向を向き、
前記第2電気的接触面は、前記第3方向を向くことを特徴とする請求項5から請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記本体筐体は、第1本体サイドフレームと、前記第2方向において前記第1本体サイドフレームと離れて位置する第2本体サイドフレームと、を有し、
前記プロセスカートリッジが前記本体筐体に装着された状態において、前記第1電気的接触面は、前記第2方向において、前記現像筐体と前記第1本体サイドフレームとの間に位置し、
前記プロセスカートリッジが前記本体筐体に装着された状態において、前記第2電気的接触面は、前記第2方向において、前記ドラムフレームと前記第1本体サイドフレームとの間に位置することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記壁は、前記ドラムフレームから延びていることを特徴とする請求項1または請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記壁は、前記ドラムフレームの前記第1方向の他端部から前記第2方向に延びていることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記壁は、前記現像筐体から延びていることを特徴とする請求項1または請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記壁は、前記現像筐体から前記第2方向に延びていることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記電気的接触面は、前記本体筐体に対して移動可能に保持されていることを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記現像筐体は、前記現像ローラを回転可能に保持し、
前記ドラムフレームは、前記感光ドラムを回転可能に保持することを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記第2方向は、前記第1方向と交差することを特徴とする請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、現像カートリッジとドラムカートリッジとを備えるプロセスカートリッジを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置として、接点を備える本体筐体と、本体筐体の開口を開閉可能なカバーと、現像カートリッジとドラムカートリッジとを備えるプロセスカートリッジとを備えるものが知られている(特許文献1参照)。プロセスカートリッジは、本体筐体の開口を通して本体筐体に着脱可能である。プロセスカートリッジは、本体筐体の接点と接触する電気的接触面を有するICチップを有する。プロセスカートリッジが本体筐体に装着されたときに、接点および電気的接触面は、開口の近くに位置する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-146829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、ユーザがカバーを開き、プロセスカートリッジを本体筐体から取り外すときに、ユーザの手が、本体筐体の接点およびICチップの電気的接触面に近づく。すると、ユーザの手と本体筐体の接点およびICチップの電気的接触面との間で、放電が生じるおそれがある。
そこで、本開示は、ユーザがカバーを開き、プロセスカートリッジを本体筐体から取り外すときに、ユーザの手が、本体筐体の接点およびICチップの電気的接触面に近づき、ユーザの手と本体筐体の接点およびICチップの電気的接触面との間で放電が生じることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本開示の画像形成装置は、開口を有する本体筐体であって、接点を備える本体筐体と、前記開口を開閉可能なカバーと、第1方向において、前記開口を通して前記本体筐体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、現像カートリッジとドラムカートリッジとを備えるプロセスカートリッジと、を備える。
前記現像カートリッジは、第2方向に延びる現像軸を中心に回転可能な現像ローラと、トナーを収容可能な現像筐体と、を備える。
前記ドラムカートリッジは、第2方向に延びるドラム軸を中心に回転可能な感光ドラムと、前記現像カートリッジが着脱可能なドラムフレームと、を備える。
前記プロセスカートリッジは、前記本体筐体の前記接点と接触する電気的接触面であって、前記プロセスカートリッジの前記第2方向の一端部に位置する電気的接触面を有するICチップと、前記プロセスカートリッジが前記本体筐体に装着された状態において、前記第1方向において、前記電気的接触面よりも前記開口の近くに位置する壁であって、前記第1方向において、前記接点および前記電気的接触面と重なる壁を有する。
【0006】
この構成によれば、ユーザがカバーを開き、プロセスカートリッジを本体筐体から取り外すときに、ユーザの手が、本体筐体の接点およびICチップの電気的接触面に近づき、ユーザの手と本体筐体の接点およびICチップの電気的接触面との間で放電が生じることを抑制することができる。
【0007】
また、前記本体筐体は、第1本体サイドフレームと、前記第2方向において前記第1本体サイドフレームと離れて位置する第2本体サイドフレームと、を有し、前記プロセスカートリッジが前記本体筐体に装着された状態において、前記電気的接触面は、前記第2方向において、前記ドラムフレームと前記第1本体サイドフレームとの間に位置してもよい。
【0008】
また、前記壁は、前記第2方向における前記ドラムフレームと前記第1本体サイドフレームとの間に、ユーザの指が入ることを遮ることが望ましい。
【0009】
また、前記電気的接触面は、前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向を向いていてもよい。
【0010】
また、前記接点は、第1接点と、第2接点と、を有し、前記電気的接触面は、前記第1接点と接触する第1電気的接触面であって、前記現像筐体の前記第2方向の一端部に位置する第1電気的接触面と、前記第2接点と接触する第2電気的接触面であって、前記ドラムフレームの前記第2方向の一端部に位置する第2電気的接触面と、を有してもよい。
前記プロセスカートリッジが前記本体筐体に装着された状態において、前記第2電気的接触面は、前記第1方向において、前記第1電気的接触面よりも前記開口の近くに位置し、前記壁は、前記第1方向において、前記第2接点および前記第2電気的接触面と重なっていることが望ましい。
【0011】
また、前記感光ドラムは、前記ドラムフレームの前記第1方向の一端部に位置し、前記第2電気的接触面は、前記第1方向において、前記ドラムフレームの前記第1方向の前記一端部よりも、前記ドラムフレームの前記第1方向の他端部に近い位置に位置していてもよい。
【0012】
また、前記ドラムカートリッジは、前記第2電気的接触面を保持するドラムチップホルダと、前記ドラムチップホルダを移動可能に保持するドラムホルダカバーと、をさらに有し、前記壁は、前記ドラムホルダカバーから延びていてもよい。
【0013】
また、前記壁は、前記ドラムホルダカバーから前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向に延びていてもよい。
【0014】
また、前記現像カートリッジは、前記第1電気的接触面を保持する現像チップホルダと、前記現像チップホルダを移動可能に保持する現像ホルダカバーと、をさらに有してもよい。
【0015】
また、前記第1電気的接触面は、前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向を向き、前記第2電気的接触面は、前記第3方向を向いていてもよい。
【0016】
また、前記本体筐体は、第1本体サイドフレームと、前記第2方向において前記第1本体サイドフレームと離れて位置する第2本体サイドフレームと、を有し、前記プロセスカートリッジが前記本体筐体に装着された状態において、前記第1電気的接触面は、前記第2方向において、前記現像筐体と前記第1本体サイドフレームとの間に位置し、前記プロセスカートリッジが前記本体筐体に装着された状態において、前記第2電気的接触面は、前記第2方向において、前記ドラムフレームと前記第1本体サイドフレームとの間に位置してもよい。
【0017】
また、前記壁は、前記ドラムフレームから延びていてもよい。
【0018】
また、前記壁は、前記ドラムフレームの前記第1方向の他端部から前記第2方向に延びていてもよい。
【0019】
また、前記壁は、前記現像筐体から延びていてもよい。
【0020】
また、前記壁は、前記現像筐体から前記第2方向に延びていてもよい。
【0021】
また、前記電気的接触面は、前記本体筐体に対して移動可能に保持されていてもよい。
【0022】
また、前記現像筐体は、前記現像ローラを回転可能に保持し、前記ドラムフレームは、前記感光ドラムを回転可能に保持していてもよい。
【0023】
また、前記第2方向は、前記第1方向と交差していてもよい。
【発明の効果】
【0024】
本開示によれば、ユーザがカバーを開き、プロセスカートリッジを本体筐体から取り外すときに、ユーザの手が、本体筐体の接点およびICチップの電気的接触面に近づき、ユーザの手と本体筐体の接点およびICチップの電気的接触面との間で放電が生じることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】画像形成装置の本体筐体に装着されたプロセスカートリッジの構成を示す図である。
図2】プロセスカートリッジの構成を示す図である。
図3】プロセスカートリッジが本体筐体に装着されていないときの、プロセスカートリッジの状態を示す図(a)と、プロセスカートリッジが本体筐体に装着されているときの、プロセスカートリッジの状態を示す図(b)である。
図4】ドラムホルダカバーから延びる壁を示すプロセスカートリッジの分解斜視図である。
図5図4のプロセスカートリッジを画像形成装置の本体筐体に装着した状態において、カバーを開いた状態を第1方向に沿って見た図である。
図6図5の状態の画像形成装置の部分斜視図である。
図7】ドラムフレームから延びる壁を示すプロセスカートリッジの分解斜視図である。
図8図7のプロセスカートリッジを画像形成装置の本体筐体に装着した状態において、カバーを開いた状態を第1方向に沿って見た図(a)と、部分斜視図(b)である。
図9】現像筐体から延びる壁を示すプロセスカートリッジの分解斜視図である。
図10図9のプロセスカートリッジを画像形成装置の本体筐体に装着した状態において、カバーを開いた状態を第1方向に沿って見た図(a)と、部分斜視図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、本開示の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、画像形成装置1は、本体筐体10と、カバーCVと、プロセスカートリッジ20とを備える。本体筐体10は、開口OPを有する。カバーCVは、開口OPを開ける開位置と開口OPを閉じる閉位置との間を移動可能である。なお、図1では、便宜上、本体筐体10の大きさを小さく図示している。
【0027】
カバーCVが開位置に位置する状態で、プロセスカートリッジ20は、第1方向において、開口OPを通して本体筐体10に着脱可能である。第1方向は、図1の左右方向、つまり本体筐体10の前後方向である。プロセスカートリッジ20は、現像カートリッジ30と、ドラムカートリッジ40とを備える。現像カートリッジ30は、ドラムカートリッジ40の後述するドラムフレーム41に着脱可能である。
【0028】
現像カートリッジ30は、現像筐体31と、現像ローラ32とを備える。現像筐体31は、トナーを収容可能である。現像筐体31は、現像ローラ32を回転可能に保持する。現像筐体31は、後述する第1外表面S1と、第2方向において第1外表面S1と離れて位置する後述する第2外表面S2とを有する(図2参照)。
【0029】
現像ローラ32は、後述する感光ドラム42にトナーを供給するローラである。現像ローラ32は、第2方向に延びる現像軸X1を中心に回転可能である。現像ローラ32は、第1方向における現像筐体31の一端部に位置する。
【0030】
本実施形態では、第2方向は、第1方向と交差する。また、第1方向および第2方向と交差する方向を、第3方向とする。本実施形態では、第3方向は、第1方向および第2方向と直交する。
【0031】
ドラムカートリッジ40は、ドラムフレーム41と、感光ドラム42とを備える。ドラムフレーム41は、感光ドラム42を回転可能に保持する。感光ドラム42は、第2方向に延びるドラム軸X2を中心に回転可能である。感光ドラム42は、ドラムフレーム41の第1方向の一端部に位置する。
【0032】
図2および図4に示すように、現像カートリッジ30は、ギヤカバーGCと、現像ICチップC1と、現像チップホルダ50とをさらに備える。ギヤカバーGCは、現像ローラ32を駆動するためのギヤを覆うカバーである。
【0033】
図2に示すように、ギヤカバーGCは、現像筐体31の第1外表面S1に位置する。現像ICチップC1は、現像カートリッジ30に関する現像情報を記憶している。現像情報としては、例えば、現像カートリッジ30内のトナーの残量や現像ローラ32の寿命などが挙げられる。現像ICチップC1は、第1電気的接触面としての現像電気的接触面C11と、現像情報が記憶された現像メモリを備えた現像基板C12とを有する。
【0034】
現像基板C12は、第1面と、第1面の反対側に位置する第2面と、を有する。
一例として、現像電気的接触面C11は、現像基板C12の第1面に位置している。現像メモリは、現像基板C12の第2面に位置している。現像電気的接触面C11は、配線を介して現像メモリと電気的に接続されている。現像メモリは、現像基板C12および現像電気的接触面C11から離れた位置に位置していてもよい。
【0035】
現像電気的接触面C11は、第2方向における現像筐体31の一端部に位置する。プロセスカートリッジ20が本体筐体10に装着された状態において、現像電気的接触面C11は、後述する現像本体接点13A(図3(b)参照)に接触する。
【0036】
現像電気的接触面C11は、第3方向を向いている。現像電気的接触面C11は、第2方向において現像筐体31の第1外表面S1から離れている。現像電気的接触面C11は、現像基板C12および現像チップホルダ50を介して、ギヤカバーGCに取り付けられている。
【0037】
図2および図4に示すように、ドラムカートリッジ40は、ロックレバーLと、ドラムICチップC2と、ドラムチップホルダ60とを備える。ロックレバーLは、ドラムフレーム41に現像カートリッジ30をロックするための部材である。ドラムICチップC2は、ドラムカートリッジ40に関するドラム情報を記憶している。ドラム情報としては、例えば、感光ドラム42の寿命などが挙げられる。図2に示すように、ドラムICチップC2は、第2電気的接触面としてのドラム電気的接触面C21と、ドラム情報が記憶されたドラムメモリを備えたドラム基板C22とを有する。
【0038】
ドラム基板C22は、第1面と、第1面の反対側に位置する第2面と、を有する。
一例として、ドラム電気的接触面C21は、ドラム基板C22の第1面に位置している。ドラムメモリは、ドラム基板C22の第2面に位置している。ドラム電気的接触面C21は、配線を介してドラムメモリと電気的に接続されている。ドラムメモリは、ドラム基板C22およびドラム電気的接触面C21から離れた位置に位置していてもよい。
【0039】
ドラム電気的接触面C21は、第2方向におけるドラムフレーム41の一端部に位置する。ドラム電気的接触面C21は、第1方向において、ドラムフレーム41の第1方向の一端部よりも、ドラムフレーム41の第1方向の他端部に近い位置に位置する。ドラム電気的接触面C21は、第3方向を向いている。
【0040】
ドラムフレーム41に現像カートリッジ30が装着された状態において、ドラム電気的接触面C21は、現像電気的接触面C11と第1方向に並ぶ。つまり、ドラムフレーム41に現像カートリッジ30が装着された状態において、ドラム電気的接触面C21と現像電気的接触面C11は、第2方向におけるプロセスカートリッジ20の一端部に位置する。プロセスカートリッジ20が本体筐体10に装着された状態において、ドラム電気的接触面C21は、後述するドラム本体接点13B(図9参照)に接触する。プロセスカートリッジ20が本体筐体10に装着された状態において、ドラム電気的接触面C21は、第1方向において、現像電気的接触面C11よりも開口OPの近くに位置する。
【0041】
ドラムフレーム41は、第1サイドフレームSF1と、第2サイドフレームSF2とを有する。第2サイドフレームSF2は、第2方向において、第1サイドフレームSF1と離れて位置する。現像カートリッジ30がドラムフレーム41に装着された状態において、現像筐体31は、第2方向において、第1サイドフレームSF1と第2サイドフレームSF2の間に位置する。
【0042】
ドラム電気的接触面C21は、ドラム基板C22およびドラムチップホルダ60を介して第1サイドフレームSF1に取り付けられている。現像カートリッジ30がドラムフレーム41に装着された状態において、現像電気的接触面C11およびドラム電気的接触面C21は、第2方向において、第1サイドフレームSF1に対して現像筐体31の反対側に位置する。
【0043】
ロックレバーLは、ドラムフレーム41に現像カートリッジ30をロックするための部材である。ロックレバーLは、第2方向におけるドラムフレーム41の他端部に位置する。ロックレバーLは、第2サイドフレームSF2に取り付けられている。現像カートリッジ30がドラムフレーム41に装着された状態において、現像電気的接触面C11およびドラム電気的接触面C21は、第2方向において、現像筐体31に対して、ロックレバーLの反対側に位置する。
【0044】
図3に示すように、現像チップホルダ50は、現像電気的接触面C11が現像筐体31に対して移動可能となるように、現像ICチップC1の現像電気的接触面C11を保持するホルダである。現像チップホルダ50は、現像ホルダ51と、現像進退部材52と、現像バネ53と、現像ホルダカバー54とを備える。現像ホルダ51は、現像ICチップC1を保持する部材である。また、現像ホルダ51は、第3方向において、現像進退部材52を移動可能に保持している。
【0045】
現像バネ53は、現像ホルダ51と現像進退部材52の間に位置する。現像バネ53は、コイルバネである。現像バネ53は、現像進退部材52を現像ICチップC1から離れる方向に付勢する。
【0046】
現像ホルダカバー54は、ギヤカバーGCに取り付けられている。現像ホルダカバー54がギヤカバーGCに取り付けられている状態で、現像ホルダ51は、第2方向において、現像ホルダカバー54とギヤカバーGCの間に位置する。現像ホルダカバー54およびギヤカバーGCは、現像チップホルダ50を第1方向および第3方向に移動可能に保持している。
【0047】
ドラムチップホルダ60は、ドラム電気的接触面C21がドラムフレーム41に対して移動可能となるように、ドラムICチップC2のドラム電気的接触面C21を保持するホルダである。ドラムチップホルダ60は、ドラムホルダ61と、ドラム進退部材62と、ドラムバネ63と、ドラムホルダカバー64とを備える。ドラムホルダ61は、ドラムICチップC2を保持する部材である。また、ドラムホルダ61は、第3方向において、ドラム進退部材62を移動可能に保持している。
【0048】
ドラムバネ63は、ドラムホルダ61とドラム進退部材62の間に位置する。ドラムバネ63は、コイルバネである。ドラムバネ63は、ドラム進退部材62をドラムICチップC2から離れる方向に付勢する。
【0049】
ドラムホルダカバー64は、第1サイドフレームSF1に取り付けられている。ドラムホルダカバー64が第1サイドフレームSF1に取り付けられている状態で、ドラムホルダ61は、第2方向において、ドラムホルダカバー64と第1サイドフレームSF1の間に位置する。ドラムホルダカバー64および第1サイドフレームSF1は、ドラムチップホルダ60を第1方向および第3方向に移動可能に保持している。
【0050】
本体筐体10は、第1ガイド11と、第2ガイド12と、第1接点としての現像本体接点13Aと、第2接点としてのドラム本体接点13Bとを有する。第1ガイド11は、プロセスカートリッジ20を本体筐体10に装着する間に、現像進退部材52の下端およびドラム進退部材62の下端と接触して、現像進退部材52およびドラム進退部材62をガイドするガイドである。第2ガイド12は、プロセスカートリッジ20を本体筐体10に装着する間に、現像ホルダ51の上端およびドラムホルダ61の上端と接触して、現像ホルダ51およびドラムホルダ61をガイドするガイドである。現像本体接点13Aは、現像電気的接触面C11と接触する接点である。現像本体接点13Aは、図示せぬ制御部と現像ICチップC1とを電気的に接続させる。
【0051】
ドラム本体接点13Bは、ドラム電気的接触面C21と接触する接点である。ドラム本体接点13Bは、図示せぬ制御部とドラムICチップC2とを電気的に接続させる。
【0052】
図3(a)は、プロセスカートリッジ20が本体筐体10に装着されていないときの、プロセスカートリッジ20の状態を示す。また、図3(b)は、プロセスカートリッジ20が本体筐体10に装着されたときの、プロセスカートリッジ20の状態を示す。
【0053】
図3(a)に示すように、プロセスカートリッジ20が本体筐体10に装着されていないときは、現像ホルダ51と現像進退部材52が、現像バネ53によって離れた状態にある。また、ドラムホルダ61とドラム進退部材62が、ドラムバネ63によって離れた状態にある。
【0054】
図3(b)に示すように、プロセスカートリッジ20が本体筐体10に装着されたときは、現像ホルダ51は、現像進退部材52および現像バネ53を介して、本体筐体10の第1ガイド11によって所定位置に位置決めされ、現像電気的接触面C11は、現像本体接点13Aに接触する。また、ドラムホルダ61は、ドラム進退部材62およびドラムバネ63を介して、本体筐体10の第1ガイド11によって所定位置に位置決めされ、ドラム電気的接触面C21は、ドラム本体接点13Bに接触する。
【0055】
図3(b)の状態の現像バネ53は、図3(a)の状態の現像バネ53よりも縮む。そのため、図3(b)の状態では、現像バネ53の弾性力により、電気的接触面C11が、本体筐体10の現像本体接点13Aに押し付けられる。
図3(b)の状態のドラムバネ63は、図3(a)の状態のドラムバネ63よりも縮む。そのため、図3(b)の状態では、ドラムバネ63の弾性力により、電気的接触面C21が、本体筐体10のドラム本体接点13Bに押し付けられる。
【0056】
図4に示すように、ドラムカートリッジ40は、ドラムホルダ―カバー64から第3方向に延びる壁W1を有する。壁W1は、ドラムホルダ―カバー64と一体または別体に形成することができる。壁W1は、詳細は図示しないが、箱状に形成されている。壁W1の形状は、特に限定されない。壁W1は、棒、リブなどで構成されていてもよい。また、壁W1は、スリットや穴を有していてもよい。図3(b)に示すように、壁W1は、第2ガイド12と向かい合う面W11を有する。面W11は、第2ガイド12の面W11と向かい合う部分と平行に延びている。これにより、第2ガイド12と壁W1の間にユーザの指が入ることを効果的に遮る。
【0057】
図5に示すように、壁W1は、プロセスカートリッジ20が本体筐体10に装着された状態において、第1方向において、ドラム電気的接触面C21よりも開口OPの近くに位置する。壁W1は、プロセスカートリッジ20が本体筐体10に装着された状態において、第1方向において、ドラム本体接点13Bおよびドラム電気的接触面C21と重なる。
【0058】
本体筐体10は、第1本体サイドフレームF1と、第2方向において、第1本体サイドフレームF1と離れて位置する第2本体サイドフレームF2とを有する。プロセスカートリッジ20が本体筐体10に装着された状態において、現像電気的接触面C11は、第2方向において、現像筐体31と第1本体サイドフレームF1との間に位置する。また、ドラム電気的接触面C21は、第2方向において、ドラムフレーム41の第1サイドフレームSF1と第1本体サイドフレームF1との間に位置する。
【0059】
図6に示すように、壁W1は、第2方向におけるドラムフレーム41の第1サイドフレームSF1と第1本体サイドフレームF1との間に、ユーザの指が入ることを遮る。
【0060】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
プロセスカートリッジ20が本体筐体10に装着された状態において、壁W1がドラム電気的接触面C21よりも開口OPの近くに位置する。壁W1は、第1方向においてドラム本体接点13Bおよびドラム電気的接触面C21と重なる。そのため、ユーザがカバーCVを開き、プロセスカートリッジ20を本体筐体10から取り外すときに、ユーザの手が、本体筐体10のドラム本体接点13Bおよびドラム電気的接触面C21に近づき、ユーザの手と本体筐体10のドラム本体接点13Bおよびドラム電気的接触面C21との間で放電が生じることを抑制することができる。
【0061】
なお、本開示は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
下の説明においては、前記実施形態と略同様の構造となる部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0062】
図7図8は、本開示の第2実施形態を示している。第2実施形態では、ドラムカートリッジ40は、ドラムフレーム41の第1サイドフレームSF1から延びる壁W2を有する。壁W2は、ドラムフレーム41の第1方向の他端部から第2方向に延びている。壁W2は、第1サイドフレームSF1と一体または別体に形成することができる。
【0063】
図9図10は、本開示の第3実施形態を示している。第3実施形態では、現像カートリッジ30は、現像筐体31から第2方向に延びる壁W3を有する。壁W3は、現像筐体31と一体または別体に形成することができる。
【0064】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 画像形成装置
10 本体筐体
13A 現像本体接点
13B ドラム本体接点
20 プロセスカートリッジ
30 現像カートリッジ
31 現像筐体
32 現像ローラ
40 ドラムカートリッジ
41 ドラムフレーム
42 感光ドラム
C1 現像ICチップ
C2 ドラムICチップ
C11 現像電気的接触面
C21 ドラム電気的接触面
CV カバー
OP 開口
W1 壁
W2 壁
W3 壁
X1 現像軸
X4 ドラム軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10