(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156567
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】線材カバー
(51)【国際特許分類】
A45C 13/30 20060101AFI20221006BHJP
F16B 39/32 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
A45C13/30 M
F16B39/32 A
A45C13/30 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021060321
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】518031882
【氏名又は名称】吉田 淳子
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】吉田 淳子
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045BA00
3B045DA00
3B045EB09
3B045FC04
3B045LA05
(57)【要約】
【課題】単数または複数の線材の端部、交差部、連結部などを着脱可能に被覆することができ、着脱作業が容易であり、強固かつ安定した被覆状態を維持することができる線材カバーを提供する。
【解決手段】線材カバー100は、互いに合体分離可能な上部カバー10と下部カバー30とを備え、下部カバー30は、雄ネジ部31と、雄ネジ部31の外径31dより拡径した形状をなす下本体部32と、複数のスリット33と、溝35とを有し、上部カバー10は、雄ネジ部31に螺着可能な雌ネジ部11と、雌ネジ部11から拡径した上本体部12と、を有し、下部カバー30の雄ネジ部31と上部カバー10の雌ネジ部11とを螺着させて合体状態にしたとき、下部カバー30の下本体部32の溝35に係脱可能に嵌入する係合突起部14を上部カバー10の上本体部12の平面部13に設けている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに合体分離可能な下部カバーと上部カバーとを備え、
前記下部カバーは、円筒状の周壁の外周に雄ネジ溝が形成された雄ネジ部と、前記周壁の基端側に前記雄ネジ部の外径より拡径した形状をなす下本体部と、を有し、
前記上部カバーは、前記下部カバーの雄ネジ部に螺着可能な雌ネジ部と、前記雌ネジ部から拡径した形状をなす上本体部と、を有し、
前記下部カバーの雄ネジ部の周壁に、前記周壁の先端から前記周壁の基端と前記下本体部の境界に至る少なくとも一つのスリットを設け、
前記下部カバーの下本体部に、前記スリットの基端と連通し、前記スリットの基端から前記下本体部の外周に至る溝を設け、
前記下部カバーの雄ネジ部と前記上部カバーの雌ネジ部とを螺着させて合体状態にしたとき、前記下部カバーの下本体部の溝に係脱可能に嵌入する係合突起部を前記上部カバーの上本体部に設けた線材カバー。
【請求項2】
前記係合突起部の表面の少なくとも一部が、凸曲面形状若しくは斜面形状である請求項1記載の線材カバー。
【請求項3】
前記溝を前記下部カバーの雄ネジ部の周壁の周方向に沿って等間隔に複数配置し、前記溝と同数の前記係合突起部を、前記溝の配置間隔と同様の配置間隔で前記上部カバーの上本体部に設けた請求項1または2記載の線材カバー。
【請求項4】
前記下部カバーの下本体部の外表面並びに前記上部カバーの上本体部の外表面の少なくとも一部に、平面領域、凸曲面領域、凹曲面領域のうちの何れか1以上を有する請求項1~3の何れかの項に記載の線材カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紐、針金、ロープなどの各種線材の端部、交差部、連結部などを被覆するように取り付けられる線材カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
紐や針金などの線材の端部、交差部、連結部などを覆うように取り付けられる部材や器具については、従来、様々なものが提案されているが、本発明に係る線材カバーに関連する従来技術として、例えば、特許文献1に記載された「線材カバー」がある。
【0003】
特許文献1に記載された「線材カバー」は、円筒状の周壁の外周に雄ネジ溝が形成された雄ネジ部と、周壁の基端側に雄ネジ部の外径より拡径した形状に形成された下本体部と、を有する下部カバーと、下部カバーの雄ネジ部に螺着可能な雌ネジ部と、雌ネジ部から拡径した形状に形成された上本体部と、を有する上部カバーと、を備え、下部カバーの雄ネジ部の周壁に、周壁の先端から周壁の基端と下本体部との境界に至る少なくとも一つのスリットを設け、下部カバーの下本体部に、スリットの基端と連通し、スリットの基端から下本体部の外周に至る溝を設けたものである。
【0004】
特許文献1に記載された「線材カバー」は、線材の端部、交差部、連結部などを着脱可能に被覆することができ、着脱作業が容易で、安定した被覆状態を維持することができるなどの長所を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された「線材カバー」は、前述したような長所を有しているが、長時間に亘って振動したり、揺動したり、あるいは外力が加わったりすると、雄ネジ部と雌ネジとの螺着部分が緩む可能性があるのは否定できない。
【0007】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、単数または複数の線材の端部、交差部、連結部などを着脱可能に被覆することができ、着脱作業が容易であり、強固且つ安定した被覆状態を維持することができる線材カバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る線材カバーは、
互いに合体分離可能な下部カバーと上部カバーとを備え、
前記下部カバーは、円筒状の周壁の外周に雄ネジ溝が形成された雄ネジ部と、前記周壁の基端側に前記雄ネジ部の外径より拡径した形状をなす下本体部と、を有し、
前記上部カバーは、前記下部カバーの雄ネジ部に螺着可能な雌ネジ部と、前記雌ネジ部から拡径した形状をなす上本体部と、を有し、
前記下部カバーの雄ネジ部の周壁に、前記周壁の先端から前記周壁の基端と前記下本体部との境界に至る少なくとも一つのスリットを設け、
前記下部カバーの下本体部に、前記スリットの基端と連通し、前記スリットの基端から前記下本体部の外周に至る溝を設け、
前記下部カバーの雄ネジ部と前記上部カバーの雌ネジ部とを螺着させて合体状態にしたとき、前記下部カバーの下本体部の溝に係脱可能に嵌入する係合突起部を前記上部カバーの上本体部に設けたことを特徴とする。
【0009】
前記線材カバーにおいては、前記係合突起部の表面の少なくとも一部が、凸曲面形状若しくは斜面形状であることが望ましい。
【0010】
前記線材カバーにおいては、前記溝を前記下部カバーの雄ネジ部の周壁の周方向に沿って等間隔に複数配置し、前記溝と同数の前記係合突起部を前記スリットの配置間隔と同様の配置間隔で前記上部カバーの上本体部に設けることが望ましい。
【0011】
前記線材カバーにおいては、前記下部カバーの下本体部の外表面並びに前記上部カバーの上本体部の外表面の少なくとも一部に、平面領域、凸曲面領域、凹曲面領域のうちの何れか1以上を設けることできる。前記下部カバーの下本体部の外表面並びに前記上部カバーの上本体部の外表面における「外表面」とは、下部カバー及び上部カバーの外形を形成する、外部から目視できる露出面をいう。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、単数または複数の線材の端部、交差部、連結部などを着脱可能に被覆することができ、着脱作業が容易であり、強固かつ安定した被覆状態を維持することができる線材カバーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態である線材カバーを示す斜視図である。
【
図2】
図1中の矢線A方向から見た線材カバーの平面図である。
【
図3】
図1中の矢線X方向から見た線材カバーの正面図である。
【
図5】
図4中の矢線D方向から見た下部カバーの平面図である。
【
図6】
図4中の矢線E方向から見た上部カバーの底面図である。
【
図9】
図2中のC-C線における分解断面図である。
【
図10】
図5に示す下部カバーに紐の連結部を収容した状態を示す一部省略平面図である。
【
図11】
図10に示す下部カバーに上部カバーを螺着して紐の連結部をカバーした状態にある線材カバーを示す一部省略斜視図である。
【
図13】
図1に示す線材カバーのその他の使い方を示す一部省略断面図である。
【
図14】その他の実施形態である線材カバーの下部カバーを示す一部省略平面図である。
【
図15】
図14に示す下部カバーに螺着する上部カバーの一部省略底面図である。
【
図16】その他の実施形態である線材カバーの下部カバーを示す一部省略平面図である。
【
図17】
図16に示す下部カバーに螺着する上部カバーの一部省略底面図である。
【
図18】その他の実施形態である線材カバーの下部カバーを示す一部省略平面図である。
【
図19】
図18に示す下部カバーに螺着する上部カバーの一部省略底面図である。
【
図20】その他の実施形態である線材カバーの下部カバーを示す一部省略平面図である。
【
図21】
図20に示す下部カバーに螺着する上部カバーの一部省略底面図である。
【
図22】(a)~(e)は本発明のその他の実施形態である線材カバーを示す一部省略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、
図1~
図22に基づいて、本発明の実施形態である線材カバー100、並びに、その他の実施形態である線材カバー101,102,103,104,105などについて説明する。
【0015】
初めに、
図1~
図12に基づいて、線材カバー100について説明する。
図1に示す線材カバー100は、互いに合体分離可能な上部カバー10と下部カバー30とを備えている。上部カバー10と下部カバー30とは、後述するネジ機構(
図4に示す雌ネジ部11と雄ネジ部31とが螺合する機構)を介して合体分離可能に螺着される。上部カバー10及び下部カバー30は何れも弾性変形性を有する材料、例えば、合成樹脂材で形成されている。
【0016】
図4,
図5に示すように、下部カバー30は、円筒状の周壁31wの外周に雄ネジ溝31nが形成された雄ネジ部31と、周壁31wの基端31b側に雄ネジ部31の外径31dより拡径した有底円筒形状に形成された下本体部32と、を有する。
【0017】
図4,
図5に示すように、下部カバー30の雄ネジ部31の周壁31wに、周壁31wの先端31aから周壁31wの基端31bと下本体部32との境界に至る複数のスリット33,33が設けられている。複数のスリット33,33は、周壁31wの軸心31cを挟んで対向する位置(周壁31wの周方向に沿って軸心31c周りに180度離れた位置)に設けられている。
【0018】
図4,
図6に示すように、上部カバー10は、下部カバー30の雄ネジ部31に螺着可能な雌ネジ部11と、雌ネジ部11から拡径した有底円筒形状に形成された上本体部12と、を有する。
図1,
図2,
図7,
図8に示すように、上部カバー10の雌ネジ部11と下部カバー30の雄ネジ部31とを螺着させて合体状態にしたとき、下部カバー30の下本体部32の複数の溝35,35にそれぞれ係脱可能に嵌入する複数の係合突起部14,14が上部カバー10の上本体部12の平面部13に設けられている。
【0019】
図6に示すように、複数の係合突起部14,14は、凸曲面形状の一つである半球形状をなし、上本体部12の軸心12cを挟んで対向する位置(上本体部12の周方向に沿って軸心12c周りに180度離れた位置)に設けられている。即ち、
図5に示すように、下部カバー30の雄ネジ部31の周壁31wの周方向に沿って等間隔に複数配置された溝35,35と同数の係合突起部14,14が溝35,35の配置間隔と同様の配置間隔で上部カバー10の上本体部12の平面部13に設けられている。なお、係合突起部の形状は半球形状に限定しないので、上本体部12の軸心12cを中心とする円周方向に沿った勾配面を有する斜面形状とすることもできる。
【0020】
図4~
図6に示すように、線材カバー100においては、下部カバー30の雄ネジ部31と上部カバー10の雌ネジ部11とを螺着させたとき、下本体部32並びに上本体部12において対向する領域に、互いに接触する平面部34,13が設けられている。また、
図5,
図6に示すように、下部カバー30の下本体部32の平面部34に、複数のスリット33,33の基端(平面部34寄りの部分)と連通するとともに、スリット33,33の基端からそれぞれ下本体部32の外周32aに至る溝35,35が設けられている。
【0021】
図1,
図3に示すように、下部カバー30と上部カバー10とをネジ機構を介して互いに螺着して線材カバー100を形成したとき、
図4に示す平面部34,13は、
図8に示すように、互いに接触した状態となるが、
図1,
図3に示すように、溝35は下本体部32の外周32aに開口した状態に保たれる。
【0022】
また、
図1に示すように、下部カバー30と上部カバー10とをネジ機構を介して互いに螺着して線材カバー100を形成したとき、
図7,
図8に示すように、下部カバー30の周壁31wの内側には、後述する紐の連結部などを収容可能な空洞部Hが形成される。
【0023】
【0024】
図1,
図3,
図7,
図8に示すように、線材カバー100において、上部カバー10の雌ネジ部11と下部カバー30の雄ネジ部31とが螺着され、上部カバー10と下部カバー30とが合体状態にあるとき、上部カバー10の上本体部12の係合突起部14,14がそれぞれ下部カバー30の下本体部32の複数の溝35,35に嵌入しているので、線材カバー100が振動したり、揺動したりしても、雌ネジ部11と雄ネジ部31との螺合が緩むことはない。
【0025】
一方、
図1に示す線材カバー100の下部カバー30を回転しないように保持した状態で、上部カバー10に外力を加えて矢線Rの方向に回転させると、上部カバー10及び下部カバー30が部分的に弾性変形して平面部13,34の間に空隙が生じ、係合突起部14,14が溝35,35から離脱し、ネジ機構が緩んでいくので、
図4,
図9に示すように、下部カバー30から上部カバー10を分離することができる。
【0026】
下部カバー30と上部カバー10とが分離すると、
図5に示すように、下部カバー30の周壁31wの先端31aに空洞部Hが開口した状態で現れるので、
図10に示すように、二本の紐1,1の連結部2を空洞部Hの真上に置き、紐1,1をそれぞれ周壁31wのスリット33,33内に装入し、そのまま紐1,1を下本体部32に向かって下降させると、紐1,1の連結部2は空洞部H内に収容され、紐1,1の本体はそれぞれスリット33,33を通過した状態で溝35,35内に嵌り込む。
【0027】
この後、
図11に示すように、下部カバー30の雄ネジ部31と、上部カバー10の雌ネジ部11とを螺着させると、
図7,
図8に示すように、上部カバー10の係合突起部14,14がそれぞれ下部カバー30の溝35,35に嵌入し、平面部13,34が互いに密着し、上部カバー10と下部カバー30とが合体した線材カバー100が形成され、
図12に示すように、紐1,1の連結部2は空洞部H内に収容された状態となる。
【0028】
紐1,1の連結部2の最大外径はスリット33及び溝35の最大内径より大であるため、紐1,1の長手方向の外力が線材カバー100若しくは紐1,1に加わることがあっても、線材カバー100から連結部2が露出することはない。また、下部カバー30から上部カバー10を分離して
図10に示す状態にすれば、紐1,1及び連結部2は線材カバー100から離脱可能となる。
【0029】
このように、線材カバー100を使用することにより、複数の紐1,1の連結部2を着脱可能に被覆することができる。また、下部カバー30と上部カバー10とはネジ機構によって連結されるとともに、上部カバー10の係合突起部14,14がそれぞれ下部カバー30の溝35,35に嵌入しているので、ネジ機構は緩み難く、強固且つ安定した被覆状態を維持することができる。また、線材カバー100を構成する上部カバー10と下部カバー30とは、ネジ機構を緩めたり、締め付けたりすることにより、分離・合体可能であるため、着脱作業も容易である。
【0030】
次に、
図13に基づいて、線材カバー100のその他の使い方などについて説明する。
図12に示す状態においては、紐1,1の連結部2を線材カバー100によって被覆しているが、線材カバー100の使い方は限定しないので、
図13に示すように、二本の紐1,1のそれぞれの結び目3,3の両方を空洞部H内に収容することもできる。この場合、線材カバー100は、紐1,1の結び目3,3を被覆するとともに、二本の紐1,1を連結する機能を発揮する。
【0031】
図13に示すように、空洞部H内に収容された二本の紐1,1の結び目3,3の最大外径はスリット33及び溝35の最大内径より大であるため、紐1,1の長手方向の外力が線材カバー100若しくは紐1,1に加わることがあっても、線材カバー100から結び目3,3が露出することはない。
【0032】
なお、線材カバー100の用途は、紐1,1の連結部2や紐1,1の結び目3,3の被覆に限定しないので、紐1以外の針金、ロープなどの各種線材の端部、交差部、連結部なども着脱可能に被覆することができ、安定した被覆状態を維持することができる。
【0033】
次に、
図14~
図21に基づいて、その他の実施形態である線材カバーを構成する下部カバー36,37,38,39並びに上部カバー22,21,23,24について説明する。なお、後述する下部カバー36,37,38,39並びに上部カバー22,21,23,24において、
図4~
図9に示す線材カバー100の上部カバー10並びに下部カバー30構成部分と共通する部分は
図4~
図9中の符号と同符号を付して説明を省略することがある。
【0034】
図14に示す下部カバー36と
図15に示す上部カバー22とは、ネジ機構(雄ネジ部31と雌ネジ部11との螺合機構)を利用して互いに合体分離可能であり、下部カバー36と上部カバー22とを合体することによって
図1に示す線材カバー100と同様の線材カバー(図示せず)が形成される。
【0035】
図14に示す下部カバー36においては、複数のスリット33,33及び溝35,35が、下本体部32の周壁31wの周方向に沿って軸心31c周りに90度離れた位置に設けられている。また、
図15に示す上部カバー22は、上本体部12の平面部13において軸心12c周りに90度離れた位置に複数の係合突起部14,14を有する。
【0036】
下部カバー36の雄ネジ部31の周壁31wの周方向に沿って等間隔に複数配置された溝35,35と同数の係合突起部14,14が溝35,35の配置間隔と同様の配置間隔で上部カバー22の上本体部12の平面部13に設けられている。
【0037】
図14に示す下部カバー36と
図15に示す上部カバー22とを、ネジ機構(雄ネジ部31と雌ネジ部11との螺合機構)を利用して互いに合体させると、上部カバー22の係合突起部14,14が下部カバー36の溝35,35に係脱可能に嵌入した状態となり、線材カバー(図示せず)が形成される。
【0038】
図14に示す下部カバー36と
図15に示す上部カバー22とは、ネジ機構(雄ネジ部31と雌ネジ部11との螺合機構)を利用して互いに合体分離可能であり、下部カバー36と上部カバー22とを合体することによって
図1に示す線材カバー100と同様の線材カバー(図示せず)が形成される。
【0039】
次に、
図16に示す下部カバー37においては、単数のスリット33及び溝35が、下本体部32の周壁31w及び下本体部32に設けられている。また、
図17に示す上部カバー21においては、上本体部12の平面部13に単数の係合突起部14が設けられている。
【0040】
図16に示す下部カバー37と
図17に示す上部カバー21とを、ネジ機構(雄ネジ部31と雌ネジ部11との螺合機構)を利用して互いに合体させると、上部カバー21の係合突起部14が下部カバー37の溝35に係脱可能に嵌入した状態となり、
図1に示す線材カバー100と同様の線材カバー(図示せず)が形成される。
【0041】
次に、
図18に示す下部カバー38においては、複数のスリット33,33,33及び溝35,35,35が、下本体部32の周壁31wの周方向に沿って軸心31c周りに120度間隔で設けられている。また、
図19に示す上部カバー23の上本体部12の平面部13には軸心12c周りに120度間隔で複数の係合突起部14,14,14が突設されている。
【0042】
下部カバー38の雄ネジ部31の周壁31wの周方向に沿って複数配置された溝35,35,35と、上部カバー23の上本体部12の平面部13に設けられた複数の係合突起部14,14,14と、は個数及び配置間隔が同じである。
【0043】
図18に示す下部カバー38と
図19に示す上部カバー23とを、ネジ機構(雄ネジ部31と雌ネジ部11との螺合機構)を利用して互いに合体させると、上部カバー23の係合突起部14,14,14が下部カバー38の溝35,35,35に係脱可能に嵌入した状態となり、線材カバー(図示せず)が形成される。
【0044】
図18に示す下部カバー38と
図19に示す上部カバー23とは、ネジ機構(雄ネジ部31と雌ネジ部11との螺合機構)を利用して互いに合体分離可能であり、下部カバー38と上部カバー23とを合体することによって
図1に示す線材カバー100と同様の線材カバー(図示せず)が形成される。
【0045】
次に、
図20に示す下部カバー39においては、複数のスリット33,33,33,33及び溝35,35,35,35が、下本体部32の周壁31wの周方向に沿って軸心31c周りに90度間隔で設けられている。また、
図21に示す上部カバー24の上本体部12の平面部13には、軸心12c周りに90度間隔で複数の係合突起部14,14,14,14が突設されている。
【0046】
下部カバー39の雄ネジ部31の周壁31wの周方向に沿って複数配置された溝35,35,35,35と、上部カバー24の上本体部12の平面部13に設けられた複数の係合突起部14,14,14,14と、は個数及び配置間隔が同じである。
【0047】
図20に示す下部カバー39と
図21に示す上部カバー24とを、ネジ機構(雄ネジ部31と雌ネジ部11との螺合機構)を利用して互いに合体させると、上部カバー24の係合突起部14,14,14,14が下部カバー39の溝35,35,35,35に係脱可能に嵌入した状態となり、線材カバー(図示せず)が形成される。
【0048】
図20に示す下部カバー39と
図21に示す上部カバー24とは、ネジ機構(雄ネジ部31と雌ネジ部11との螺合機構)を利用して互いに合体分離可能であり、下部カバー39と上部カバー24とを合体することによって
図1に示す線材カバー100と同様の線材カバー(図示せず)が形成される。
【0049】
このように、下部カバーの周壁31wに設けられるスリット33及び平面部34に設けられる溝35の本数や配置間隔並びに上部カバーの平面部13に突設される係合突起部14の個数や配置間隔などは限定しないので、線材カバーの使い方に対応して任意に設定することができる。
【0050】
次に、
図22に基づいて、本発明のその他の実施形態である線材カバー101,102,103,104,105について説明する。
図1に示す線材カバー100の外観形状は短円柱形状であり、平面視形状は円形(
図2参照)をしているが、外観形状は限定しないので、本発明に係る線材カバーの構成要件を具備し、その機能を阻害しない限り、用途、デザイン上の要請などに応じて任意の形状とすることができる。
【0051】
図22(a)に示す線材カバー101は、その外形が球形状をしている。
図22(b)に示す線材カバー102は、その平面視形状がハート形状をしている。
図22(c)に示す線材カバー103は、その平面視形状が三角形状をしている。
図22(d)に示す線材カバー104においては、その平面視形状がトランプのスペード形状をしている。
図22(e)に示す線材カバー105においては、その平面視形状が星形状をしている。
【0052】
このように、本発明に係る線材カバーにおいては、下部カバーの下本体部の外表面及び上部カバーの上本体部の外表面の少なくとも一部に、平面領域、凸曲面領域、凹曲面領域のうちの何れか一以上を設けることにより、
図22に示すように、様々な外観形状を有する線材カバー101,102,103,104,105を形成することができる。
【0053】
なお、
図1~
図22に基づいて説明した線材カバー100,101,102,103,104,105、下部カバー36,37,38,39並びに上部カバー22,21,23,24は、本発明に係る線材カバー並びにこれを構成する下部カバー及び上部カバーを例示するものであり、本発明に係る線材カバー並びにこれを構成する下部カバー及び上部カバーは前述した線材カバー100,101,102,103,104,105、下部カバー36,37,38,39並びに上部カバー22,21,23,24に限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明に係る線材カバーは、様々な産業分野で使用されている紐、針金、ロープなどの各種線材の端部、交差部、連結部などを被覆する器具として広く利用することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 紐
2 連結部
3 結び目
10,21,22,23,24 上部カバー
11 雌ネジ部
12 上本体部
12c,31c 軸心
13,34 平面部
14 係合突起部
30,36,37,38,39 下部カバー
31 雄ネジ部
31a 先端
31d 外径
31n 雄ネジ溝
31w 周壁
32 下本体部
32a 外周
33 スリット
35 溝
100,101,102,103,104,105 線材カバー
H 空洞部