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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022157182
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】現像カートリッジ
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20221006BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20221006BHJP
   G03G 21/18 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
G03G15/08 390Z
G03G15/08 390A
G03G21/16 176
G03G21/18 157
G03G21/18 171
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021061271
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】神村 直哉
(72)【発明者】
【氏名】荒舘 富岳
(72)【発明者】
【氏名】深町 泰生
(72)【発明者】
【氏名】橋本 淳一
(72)【発明者】
【氏名】蓑島 紗弥
(72)【発明者】
【氏名】板橋 奈緒
(72)【発明者】
【氏名】仲村 和聡
(72)【発明者】
【氏名】大須賀 未都
(72)【発明者】
【氏名】住田 純也
(72)【発明者】
【氏名】楠田 晋也
【テーマコード(参考)】
2H077
2H171
【Fターム(参考)】
2H077BA02
2H077BA03
2H077BA08
2H077BA09
2H077EA11
2H077GA04
2H171FA03
2H171FA04
2H171FA05
2H171FA13
2H171FA28
2H171GA12
2H171GA13
2H171HA08
2H171JA06
2H171JA23
2H171JA40
2H171JA48
2H171JA50
2H171JA59
2H171KA06
2H171KA10
2H171KA12
2H171KA13
2H171KA17
2H171KA22
2H171KA23
2H171LA08
2H171LA17
2H171MA11
2H171QB32
2H171QB35
2H171WA07
2H171WA12
2H171WA13
2H171WA23
(57)【要約】
【課題】現像メモリを保持するホルダを移動させるための新たな構成を提供する。
【解決手段】現像カートリッジ30は、ケーシング31と、現像ローラ32と、電気的接触面51Aを有する現像メモリ51と、アジテータと、アジテータギヤ60と、ホルダ52と、プレート55を備える。ホルダ52は、電気的接触面51Aを保持し、第3方向における電気的接触面51Aとアジテータ軸X3との間の距離が第1距離となる退避位置と、第1距離よりも長い第2距離となる進出位置との間で移動可能である。プレート55は、ホルダ52を退避位置に位置させる第1位置と、ホルダ52を進出位置に位置させる第2位置であって、第2方向において第1位置よりも現像ローラ32の近くに位置する第2位置との間でケーシングに対して移動可能である。プレート55は、第2方向において、アジテータギヤ60およびホルダ52よりも、現像ローラ32から離れて位置する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像カートリッジであって、
トナーを収容可能なケーシングと、
第1方向に延びる現像ローラ軸について回転可能な現像ローラであって、前記第1方向に交差する第2方向における前記ケーシングの一端に位置する現像ローラと、
前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向を向く電気的接触面を有する現像メモリと、
前記第1方向に延びるアジテータ軸について回転可能なアジテータであり、前記ケーシング内のトナーを撹拌可能なアジテータと、
前記第1方向における前記アジテータの一端に位置し、前記アジテータとともに前記アジテータ軸について回転可能なアジテータギヤと、
前記電気的接触面を保持するホルダであって、前記第3方向における前記電気的接触面と前記アジテータ軸との間の距離が第1距離となる退避位置と、前記第3方向における前記電気的接触面と前記アジテータ軸との間の距離が前記第1距離よりも長い第2距離となる進出位置との間で、前記ケーシングに対して前記第3方向に移動可能なホルダと、
前記第2方向に移動可能なプレートであって、前記プレートは、前記ホルダを前記退避位置に位置させる第1位置と、前記ホルダを前記進出位置に位置させる第2位置であって、前記第2方向において前記第1位置よりも前記現像ローラの近くに位置する第2位置との間で前記ケーシングに対して移動可能であり、前記第2方向において、前記アジテータギヤおよび前記ホルダよりも、前記現像ローラから離れて位置するプレートとを備えることを特徴とする現像カートリッジ。
【請求項2】
前記ケーシングは、トナーを収容可能なケーシング本体と、前記アジテータギヤの少なくとも一部を覆うギヤカバーとを有し、
前記アジテータギヤは、
大径ギヤと、
前記大径ギヤよりも径が小さい小径ギヤであって、前記第1方向において前記大径ギヤと前記ケーシング本体との間に位置する小径ギヤと、を有することを特徴とする請求項1に記載の現像カートリッジ。
【請求項3】
前記ホルダは、前記第1方向において、前記大径ギヤに対して、前記小径ギヤとは反対側に位置することを特徴とする請求項2に記載の現像カートリッジ。
【請求項4】
前記プレートは、前記第2方向において、前記ケーシングの他端に位置し、前記第1位置にある場合に、前記ケーシングから前記第2方向に突出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の現像カートリッジ。
【請求項5】
前記プレートを前記第2位置から前記第1位置へ向けて付勢するバネをさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の現像カートリッジ。
【請求項6】
前記プレートに連結されるとともに、前記ホルダに連結された連動機構であって、前記プレートが前記第1位置に位置する場合に、前記ホルダを前記退避位置に位置させ、前記プレートが前記第2位置に位置する場合に、前記ホルダを前記進出位置に位置させる連動機構を備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の現像カートリッジ。
【請求項7】
前記連動機構は、前記プレートが前記第1位置と前記第2位置との間で移動するのに伴い移動するカムであって、前記ホルダに接触して、前記ホルダを前記退避位置と前記進出位置との間で移動させるカムを有することを特徴とする請求項6に記載の現像カートリッジ。
【請求項8】
前記カムは、前記第2方向において、前記ケーシングに対して移動可能な直動カムであることを特徴とする請求項7に記載の現像カートリッジ。
【請求項9】
前記カムは、前記ホルダに接触する傾斜面であって、前記カムの移動方向に対して傾斜した傾斜面を有することを特徴とする請求項7に記載の現像カートリッジ。
【請求項10】
前記カムは、前記プレートと一体に移動可能であることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の現像カートリッジ。
【請求項11】
前記連動機構は、
前記プレートとともに前記第2方向に移動可能なラックギヤと、
前記ラックギヤと噛み合う第1ピニオンギヤと、
前記第1ピニオンギヤと噛み合うウォームギヤであって、前記第3方向に延びるウォーム軸について回転可能なウォームギヤと、
前記ウォームギヤと噛み合う第2ピニオンギヤであって、前記ホルダとともに前記第3方向に移動可能な第2ピニオンギヤを有することを特徴とする請求項6に記載の現像カートリッジ。
【請求項12】
前記第1ピニオンギヤは、前記ラックギヤと噛み合う第1歯車と、前記ウォームギヤと噛み合う第2歯車とを有することを特徴とする請求項11に記載の現像カートリッジ。
【請求項13】
前記ケーシングは、前記第2ピニオンギヤをガイドするガイド溝であって、前記第3方向に延びるガイド溝であり、ギヤ歯を有するガイド溝を有し、
前記第2ピニオンギヤは、
前記ウォームギヤと噛み合う第3歯車と、
前記ガイド溝の前記ギヤ歯と噛み合う第4歯車と、
を有することを特徴とする請求項11または請求項12に記載の現像カートリッジ。
【請求項14】
前記連動機構は、前記ケーシングに対して前記第1方向に延びる第1軸について回動可能に保持された第1リンクであって、前記プレートに回動可能に連結された第1リンクであり、前記ホルダに対して連結された第1リンクを有することを特徴とする請求項6に記載の現像カートリッジ。
【請求項15】
前記プレートと前記第1リンクの一方は、前記第2方向と交差する方向に延びる第1長穴を有し、前記プレートと前記第1リンクの他方は、前記第1長穴に入る第1ピンを有することを特徴とする請求項14に記載の現像カートリッジ。
【請求項16】
前記連動機構は、前記ケーシングに対して前記第1方向に延びる第2軸について回動可能な第2リンクであって、前記第1リンクに対して回動可能に連結されるとともに、前記ホルダに対して回動可能に連結された第2リンクをさらに有することを特徴とする請求項14または請求項15に記載の現像カートリッジ。
【請求項17】
前記第2リンクと前記ホルダの一方は、前記第3方向と交差する方向に延びる第2長穴を有し、前記第2リンクと前記ホルダの他方は、前記第2長穴に入る第2ピンを有することを特徴とする請求項16に記載の現像カートリッジ。
【請求項18】
前記第1方向における前記ケーシングの前記一端から前記第1方向に突出する突起であって、前記第1方向において前記ケーシングと前記大径ギヤとの間に位置し、前記現像ローラからの距離が、前記現像ローラから前記小径ギヤまでの距離よりも小さい突起をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の現像カートリッジ。
【請求項19】
前記プレートは、前記第2方向において、前記アジテータギヤおよび前記ホルダよりも、前記現像ローラから離れて位置することを特徴とする請求項18に記載の現像カートリッジ。
【請求項20】
前記ホルダを前記ケーシングに対して前記退避位置と前記進出位置の間で移動可能に保持するホルダカバーをさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項19のいずれか1項に記載の現像カートリッジ。
【請求項21】
前記現像カートリッジは、開口を有する筐体と、前記開口を閉じる閉位置と前記開口を開放する開位置との間で回動可能なカバーとを有する画像形成装置の装置本体に、前記開口を介して装着され、
前記プレートは、前記現像カートリッジが前記装置本体に装着され、前記カバーが前記閉位置から前記閉位置に移動された場合に、前記カバーによって押圧され、前記第1位置から前記第2位置へ移動することを特徴とする請求項1から請求項20のいずれか1項に記載の現像カートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気的接触面を有する現像メモリが、ケーシングに対して移動可能に保持された現像カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気的接触面を有する現像メモリと、電気的接触面を保持するホルダとを備える現像カートリッジが知られている(特許文献1)。電気的接触面は、ホルダの一端に固定されている。電気的接触面およびホルダは、ケーシングに対して移動可能である。
この現像カートリッジは、ドロワに対して着脱可能である。ドロワは、画像形成装置に対して着脱可能である。ドロワは、現像カートリッジがドロワに装着された状態で現像メモリの電気的接触面と接触するドロワ電気的接触面を有している。
現像カートリッジがドロワに装着されるときに、電気的接触面を保持したホルダがドロワ電気的接触面に対して移動する。その結果、現像カートリッジがドロワに装着されるときの電気的接触面とドロワ電気的接触面の擦れを低減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-116826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電気的接触面を保持するホルダをケーシングに対して移動させるための他の機構が求められる。
【0005】
そこで、本開示は、電気的接触面を保持するホルダをケーシングに対して移動させるための新たな構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した目的を達成するための現像カートリッジは、ケーシングと、現像ローラと、現像メモリと、アジテータと、アジテータギヤと、ホルダと、プレートとを備えてなる。
ケーシングは、トナーを収容可能である。
現像ローラは、第1方向に延びる現像ローラ軸について回転可能であり、第1方向に交差する第2方向におけるケーシングの一端に位置する。
現像メモリは、第1方向および第2方向と交差する第3方向を向く電気的接触面を有する。
アジテータは、第1方向に延びるアジテータ軸について回転可能であり、ケーシング内のトナーを撹拌可能である。
アジテータギヤは、第1方向におけるアジテータの一端に位置し、アジテータとともにアジテータ軸について回転可能である。
ホルダは、電気的接触面を保持し、第3方向における電気的接触面とアジテータ軸との間の距離が第1距離となる退避位置と、第3方向における電気的接触面とアジテータ軸との間の距離が第1距離よりも長い第2距離となる進出位置との間で、ケーシングに対して第3方向に移動可能である。
プレートは、第2方向に移動可能である。プレートは、ホルダを退避位置に位置させる第1位置と、ホルダを進出位置に位置させる第2位置であって、第2方向において第1位置よりも現像ローラの近くに位置する第2位置との間でケーシングに対して移動可能であり、第2方向において、アジテータギヤおよびホルダよりも、現像ローラから離れて位置する。
【0007】
このような構成によれば、プレートを第1位置から第2位置に移動させることで、ホルダを退避位置から進出位置へ移動させることができる。
【0008】
ケーシングは、トナーを収容可能なケーシング本体と、アジテータギヤの少なくとも一部を覆うギヤカバーとを有することができる。アジテータギヤは、大径ギヤと、大径ギヤよりも径が小さい小径ギヤであって、第1方向において大径ギヤとケーシング本体との間に位置する小径ギヤと、を有していてもよい。
【0009】
ホルダは、第1方向において、大径ギヤに対して、小径ギヤとは反対側に位置していてもよい。
【0010】
プレートは、第2方向において、ケーシングの他端に位置し、第1位置にある場合に、ケーシングから第2方向に突出する構成であってもよい。
【0011】
現像カートリッジは、プレートを第2位置から第1位置へ向けて付勢するバネをさらに備えることができる。
【0012】
現像カートリッジは、プレートに連結されるとともに、ホルダに連結された連動機構であって、プレートが第1位置に位置する場合に、ホルダを退避位置に位置させ、プレートが第2位置に位置する場合に、ホルダを進出位置に位置させる連動機構を備えることができる。
【0013】
連動機構は、プレートが第1位置と第2位置との間で移動するのに伴い移動するカムであって、ホルダに接触して、ホルダを退避位置と進出位置との間で移動させるカムを有することができる。
【0014】
カムは、第2方向において、ケーシングに対して移動可能な直動カムであってもよい。
【0015】
カムは、ホルダに接触する傾斜面であって、カムの移動方向に対して傾斜した傾斜面を有する。
【0016】
カムは、プレートと一体に移動可能であってもよい。
【0017】
連動機構は、プレートとともに第2方向に移動可能なラックギヤと、ラックギヤと噛み合う第1ピニオンギヤと、第1ピニオンギヤと噛み合うウォームギヤであって、第3方向に延びるウォーム軸について回転可能なウォームギヤと、ウォームギヤと噛み合う第2ピニオンギヤであって、ホルダとともに第3方向に移動可能な第2ピニオンギヤを有することができる。
【0018】
第1ピニオンギヤは、ラックギヤと噛み合う第1歯車と、ウォームギヤと噛み合う第2歯車とを有することができる。
【0019】
ケーシングは、第2ピニオンギヤをガイドするガイド溝であって、第3方向に延びるガイド溝であり、ギヤ歯を有するガイド溝を有することができる。この場合、第2ピニオンギヤは、ウォームギヤと噛み合う第3歯車と、ガイド溝のギヤ歯と噛み合う第4歯車と、を有していてもよい。
【0020】
連動機構は、ケーシングに対して第1方向に延びる第1軸について回動可能に保持された第1リンクであって、プレートに回動可能に連結された第1リンクであり、ホルダに対して連結された第1リンクを有していてもよい。
【0021】
プレートと第1リンクの一方は、第2方向と交差する方向に延びる第1長穴を有し、プレートと第1リンクの他方は、第1長穴に入る第1ピンを有していてもよい。
【0022】
連動機構は、ケーシングに対して第1方向に延びる第2軸について回動可能な第2リンクであって、第1リンクに対して回動可能に連結されるとともに、ホルダに対して回動可能に連結された第2リンクをさらに有していてもよい。
【0023】
第2リンクとホルダの一方は、第3方向と交差する方向に延びる第2長穴を有し、第2リンクとホルダの他方は、第2長穴に入る第2ピンを有することができる。
【0024】
第1方向におけるケーシングの一端から第1方向に突出する突起であって、第1方向においてケーシングと大径ギヤとの間に位置し、現像ローラからの距離が、現像ローラから小径ギヤまでの距離よりも小さい突起をさらに備えることができる。
【0025】
プレートは、第2方向において、アジテータギヤおよびホルダよりも、現像ローラから離れて位置することができる。
【0026】
ケーシングは、トナーを収容可能なケーシング本体と、アジテータギヤの少なくとも一部を覆うギヤカバーとを有することができる。
【0027】
ホルダをケーシングに対して退避位置と進出位置の間で移動可能に保持するホルダカバーをさらに備えることができる。
【0028】
現像カートリッジは、開口を有する筐体と、開口を閉じる閉位置と開口を開放する開位置との間で回動可能なカバーとを有する画像形成装置の装置本体に、開口を介して装着されてもよい。この場合、プレートは、現像カートリッジが装置本体に装着され、カバーを開位置から閉位置に移動された場合に、カバーによって押圧され、第1位置から第2位置へ移動するように配置されてもよい。
【発明の効果】
【0029】
本開示によれば、現像メモリを保持するホルダをケーシングに対して移動させるための新たな構成を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】画像形成装置の装置本体にプロセスカートリッジが装着された状態を示す図である。
図2】ドラムカートリッジと現像カートリッジを分離して示す図である。
図3】プロセスカートリッジの断面図である。
図4】現像カートリッジの側面図であり、(a)ホルダが退避位置にある状態と、(b)ホルダが進出位置にある状態を示す。
図5】(a)現像カートリッジのギヤカバーを外した状態の断面図と、(b)アジテータギヤを小径ギヤ側から見た斜視図である。
図6】第1実施形態の連動機構を説明する分解斜視図である。
図7】第1実施形態において、(a)プレートが第1位置にある状態を示す、連動機構をギヤカバーの内側から見た図と、(b)プレートが第2位置にある状態を示す、連動機構をギヤカバーの内側から見た図である。
図8】第2実施形態の連動機構を説明する分解斜視図である。
図9】第2実施形態において、(a)プレートが第1位置にある状態を示す、連動機構をギヤカバーの内側から見た図と、(a)の部分拡大図である。
図10】第2実施形態において、(a)プレートが第2位置にある状態を示す、連動機構をギヤカバーの内側から見た図と、(a)の部分拡大図である。
図11】第3実施形態の連動機構を説明する、ギヤカバーを一部破断して示す図である。
図12】第3実施形態の第1リンクをホルダに直接連結した場合の、ギヤカバーを一部破断して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
[第1実施形態]
図1に示すように、第1実施形態に係る現像カートリッジ30は、画像形成装置の画像形成装置の装置本体10に装着可能である。具体的には、装置本体10は、開口13を有する筐体11と、開口13を開閉するカバー12とを有する。カバー12は、仮想線で示す、開口13を閉じる閉位置と、実線で示す、開口13を開放する開位置との間で装置本体10に対して回動可能である。装置本体10は、カバー12が開位置にある状態で、開口13を介してプロセスカートリッジ20を装着可能である。カバー12は、カバー12が閉位置に位置する状態で、筐体11の内部に向かって突出する突出部12Aを有する。突出部12Aは、カバー12を閉位置に位置させた場合に、現像カートリッジ30が有するプレート55を押すことが可能な形状を有している。
【0032】
図2に示すように、プロセスカートリッジ20は、現像カートリッジ30と、ドラムカートリッジ40とを備える。ドラムカートリッジ40は、ドラムフレーム41と、感光ドラム42と、押圧部48とを有する。
感光ドラム42は、第1方向に延びるドラム軸X4を中心に回転可能である。
ドラムフレーム41は、感光ドラム42を回転可能に保持する。
押圧部48は、現像カートリッジ30がドラムカートリッジ40に装着された状態で、現像カートリッジ30を押圧する部材である。押圧部48は、ドラムフレーム41に位置する。押圧部48は、バネ48Aと、押圧部材48Bと、を有する。押圧部材48Bは、バネ48Aによって感光ドラム42へ向けて付勢されている。押圧部48は、第1押圧部481と、第1方向において第1押圧部481から離れて位置する第2押圧部482とを有する。
【0033】
現像カートリッジ30は、ケーシング31と、現像ローラ32と、現像メモリ51と、ホルダ52と、ホルダカバー53と、プレート55とを備える。
【0034】
ケーシング31は、トナーを収容可能である。本実施形態では、ケーシング31は、トナーを収容可能なケーシング本体31Aと、後述するアジテータギヤ60の少なくとも一部を覆うギヤカバー31Bとを有する。本実施形態においては、ギヤカバー31Bは、アジテータギヤ60の全体を覆う(図4参照)。ケーシング本体31Aは、側壁31Wと、突起58と、を有する。側壁31Wは、第1側壁31W1と、第1方向において第1側壁31W1と離れて位置する第2側壁31W2とを有する。突起58は、側壁31Wに位置する第1方向の両端にある側壁31Wに、突起58を有する(図2において一方のみ図示)。詳しくは、突起58は、第1側壁31W1と第2側壁31W2のそれぞれに位置する。突起58は、側壁31Wから第1方向に突出する。突起58は、現像カートリッジ30をドラムカートリッジ40に装着した状態において、押圧部48によって感光ドラム42へ向けて押される。これにより、押圧部48によってケーシング31が押され、ケーシング31によって保持されている現像ローラ32が感光ドラム42に押圧される。
【0035】
現像ローラ32は、感光ドラム42にトナーを供給するローラである。現像ローラ32は、第1方向に延びる現像ローラ軸X1について回転可能である。現像ローラ32は、第1方向に交差する第2方向におけるケーシング31の一端に位置する。本実施形態では、第2方向は第1方向と直交する。
【0036】
現像メモリ51は、現像カートリッジ30の識別情報および寿命に関する情報等を記憶可能である。現像メモリ51は、第1方向および第2方向と交差する第3方向を向く電気的接触面51Aを有する。本実施形態では、第3方向は、第1方向および第2方向と直交する。詳細の図示は省略するが、電気的接触面51Aは、基板の一方の面に位置する。現像メモリ51は、基板の他方の面に位置する記憶素子を有する。本実施形態では、記憶素子は、基板上に位置しているが、記憶素子は、基板から離れた位置に位置設けられ、配線により電気的接触面51Aおよび基板と電気的に接続されていてもよい。
【0037】
ホルダ52は、第3方向に長い形状を有する。ホルダ52は、第3方向の一方側の端部に、電気的接触面51Aを保持する。本実施形態では、ホルダ52は、第3方向の一方側の端部に、現像メモリ51を保持している。
【0038】
ホルダカバー53は、ホルダ52をケーシングに対して退避位置(図4(a)参照)と進出位置(図4(b)参照)の間で移動可能に保持する。
【0039】
図4(a),(b)に示すように、プレート55は、ホルダ52および現像メモリ51の電気的接触面51Aを第3方向に移動させるために、カバー12によって動かされる部材である。プレート55は、第2方向に移動可能である。プレート55は、ギヤカバー31Bによって、第2方向にスライド移動可能にガイドされている。プレート55は、厚い棒形状のものであっても、薄い板形状のものであってもよく、形状は特に限定されない。
【0040】
プレート55は、第2方向において、ケーシング31の他方側の端部に位置する。プレート55は、第2方向において、ホルダ52よりも現像ローラ32から離れて位置する。また、プレート55は、第2方向において、アジテータギヤ60よりも、現像ローラ32から離れて位置する。プレート55が、アジテータギヤ60およびホルダ52よりも現像ローラ32から離れて位置していることで、カバー12によりプレートを押し動かしやすい。プレート55は、ホルダ52を図4(a)に示す退避位置に位置させる第1位置と、ホルダ52を図4(b)に示す進出位置に位置させる第2位置との間でケーシング31に対して移動可能である。第2位置に位置するプレート55は、第2方向において、第1位置に位置するプレート55よりも現像ローラ32の近くに位置する。プレート55は、第1位置にある場合に、ケーシング31から第2方向に突出する。
【0041】
図3に示すように、ドラムカートリッジ40は、上述した構成の他に、帯電器43と、転写ローラ44と、第1クリーニングローラ45と、第2クリーニングローラ47と、搬送ローラ46とを備える。
【0042】
帯電器43は、感光ドラム42を帯電させる部材である。帯電器43は、感光ドラム42から離間しているスコロトロン型帯電器である。
【0043】
転写ローラ44は、感光ドラム42上のトナーを、図示せぬシートに転写させるためのローラである。転写ローラ44は、第1方向に延びる転写軸X5について回転可能である。転写ローラ44は、感光ドラム42に接触する。転写ローラ44は、第3方向において感光ドラム42と向かい合う。
【0044】
第1クリーニングローラ45は、感光ドラム42上のトナーなどをクリーニングするためのローラである。第1クリーニングローラ45は、第1方向に延びる第1クリーニング軸X61について回転可能である。第1クリーニングローラ45は、感光ドラム42に接触する。
【0045】
第2クリーニングローラ47は、第1クリーニングローラ45上のトナーなどをクリーニングするためのローラである。第2クリーニングローラ47は、第1方向に延びる第2クリーニング軸X62について回転可能である。第2クリーニングローラ47は、第1クリーニングローラ45に接触する。
【0046】
搬送ローラ46は、シートを感光ドラム42に向けて搬送するローラである。搬送ローラ46は、第1方向に延びる搬送軸X7について回転可能である。
【0047】
現像カートリッジ30は、供給ローラ33と、層厚規制ブレード34と、アジテータ35と、を備える。
【0048】
供給ローラ33は、現像ローラ32にトナーを供給するローラである。供給ローラ33は、第1方向延びる供給軸X2について回転可能である。供給ローラ33は、ケーシング本体31A内に位置する。
【0049】
層厚規制ブレード34は、現像ローラ32上のトナーの層の厚さを規定するための部材である。層厚規制ブレード34は、現像ローラ32に接触する。
【0050】
アジテータ35は、ケーシング31内のトナーを撹拌可能である。また、アジテータ35は、供給ローラ33にトナーを供給する。アジテータ35は、第1方向に延びるアジテータ軸X3について回転可能である。アジテータ35は、ケーシング本体31A内に位置する。
【0051】
図4(a)に示すように、ホルダ52の退避位置は、第3方向における電気的接触面51Aとアジテータ軸X3との間の距離が第1距離L1となる位置である。図4(b)に示すように、ホルダ52の進出位置は、第3方向における電気的接触面51Aとアジテータ軸X3との間の距離が第1距離L1よりも長い第2距離L2となる位置である。
【0052】
図5(a)に示すように、アジテータギヤ60は、第1方向におけるアジテータ35の一端に位置する。具体的には、アジテータ35は、シャフト35Sを有する。アジテータギヤ60は、シャフト35Sの第1方向の端部に位置する。アジテータギヤ60は、シャフト35Sに固定されており、アジテータギヤ60はアジテータ35とともにアジテータ軸X3を中心に回転可能である。
【0053】
図5(b)に示すように、アジテータギヤ60は、大径ギヤ61と、小径ギヤ62とを有する。小径ギヤ62は、大径ギヤ61よりも径が小さい。小径ギヤ62は、第1方向において大径ギヤ61とケーシング本体31Aとの間に位置する。
図5(a)に示すように、前記した突起58は、第1方向におけるケーシング本体31Aの一端から第1方向に突出している。突起58は、第1方向においてケーシング本体31Aと大径ギヤ61との間に位置する。現像ローラ32から突起58までの距離L3は、現像ローラ32から小径ギヤ62までの距離L4よりも小さい。
【0054】
図6に示すように、ホルダ52は、第1方向において、ギヤカバー31Bに対して、アジテータギヤ60とは反対側に位置する。そして、ホルダ52は、第1方向において、大径ギヤ61に対して、小径ギヤ62とは反対側に位置している。
【0055】
現像カートリッジ30は、プレート55に連結されるとともに、ホルダ52に連結された連動機構100を備える。連動機構100は、図7(a)に示すように、プレート55が第1位置に位置する場合に、ホルダ52を退避位置(図4(a)も参照)に位置させ、プレート55が第2位置に位置する場合に、ホルダ52を進出位置(図4(b)も参照)に位置させる機構である。本実施形態において、連動機構100は、カム110と、バネ120とを備える。
【0056】
カム110は、プレート55が第1位置と第2位置との間で移動するのに伴い移動するカムである。カム110は、第2方向において、ケーシング31に対して移動可能な直動カムである。具体的に、図6に示すように、カム110は、連結部111と、カム部112とを有する。
【0057】
連結部111は、プレート55に連結される部分である。連結部111は、第1方向に突出するボス111Aを有する。一方、プレート55は、ボス111Aが嵌る孔55Aを有する。ボス111Aが孔55Aに嵌ることによって、カム110は、プレート55と一体に移動可能である。言い換えると、ボス111Aが孔55Aに嵌ることによって、カム110は、プレート55とともに移動可能である。カム110は、プレート55とともに、第2方向にスライド移動可能である。
【0058】
カム部112は、ホルダ52に接触してホルダ52を退避位置と進出位置との間で移動させる部分である。カム部112は、連結部111から細長く延びている。
【0059】
ここで、ホルダ52は、第1方向に突出する第1ボス52Aと、第2ボス52Bとを有する。第2ボス52Bは、第1ボス52Aよりも、第3方向において、電気的接触面51Aから離れて位置する。第1方向における第1ボス52Aの長さは、第1方向における第2ボス52Bの長さよりも大きい。言い換えると、第1ボス5Aの突出量は、第2ボス52Bの突出量よりも大きい。ギヤカバー31Bは、第1ガイド孔181と、第2ガイド孔182とを有する。第1ガイド孔181および第2ガイド孔182はギヤカバー31Bを第1方向に貫通している。第1ガイド孔181および第2ガイド孔182は、第3方向に延びている。第1ボス52Aは、第1ガイド孔181に入る。詳しくは、第1ボス52Aは、第1ガイド穴181Aを貫通する。第2ボス52Bは、第2ガイド穴182に入る。これにより、ホルダ52は、ギヤカバー31Bによって第3方向に移動可能にガイドされる。
【0060】
カム部112は、連結部111から第2方向に延びている。詳しくは、カム部112は、連結部111から第2方向の一方側へ向けて延びている。より詳しくは、カム部112は、連結部111から現像ローラ32に向けて第2方向に延びている。カム部112は、連結部111と連結されている一端と、第2方向において連結部111から離れた他端とを有する。カム部112は、第1保持面112Aと、傾斜面112Bと、第2保持面112Cとを有する。第1保持面112A、傾斜面112Bおよび第2保持面112Cは、カム部112の他端からカム部112の一端に向けて順に並んでいる。
第1保持面112Aは、第3方向の一方側を向く面である。第1保持面112Aは、プレート55が第1位置にある場合に、第1ボス52Aに対して第3方向の他方側に位置する(図7(a)参照)。第1保持面112Aは、プレート55が第1位置にある場合に、第1ボス52Aと接触する。
傾斜面112Bは、カム110の移動方向である第2方向に対して傾斜している。傾斜面112Bは、第1保持面112Aおよび第2保持面112Cに対して傾斜している。傾斜面112Bは、第1保持面112Aから第2保持面112Cへ向かうに従い、第3方向の一方側に位置するように第2方向に対して傾斜している。傾斜面112Bは、プレート55が第1位置から第2位置に移動する場合に、ホルダ52の第1ボス52Aに接触して、ホルダ52を退避位置から進出位置へ移動させる。
第2保持面112Cは、第3方向の一方側を向く面である。第2保持面112Cは、プレート55が第2位置にある場合に、第1ボス52Aと接触して、ホルダ52を進出位置に保持する(図7(b)参照)。
【0061】
バネ120は、プレート55を第2位置から第1位置へ向けて付勢するバネである。バネ120は、圧縮コイルバネからなる。バネ120は、第2方向に延びる。ここで、ギヤカバー31Bは、カム110およびバネ120の第2方向の移動をガイドするガイド部185を有する。ガイド部185は、バネ120の一端に接触する壁185Aを有する。バネ120の他端は、カム110の連結部111に接触する。バネ120は、プレート55が第1位置にある場合において、初期荷重が与えられている。
【0062】
以上のように構成された本実施形態の現像カートリッジ30は、図1に示すように、カバー12が開位置にある装置本体10に開口13を介して装着される。そして、現像カートリッジ30が装置本体10に装着され、カバー12が実線の開位置から仮想線の閉位置に移動された場合に、プレート55は、カバー12の突出部12Aに押圧されて第1位置から第2位置へと移動する。
【0063】
プレート55が、図7(a)に示す第1位置にある場合、カム110の第1保持面112Aがホルダ52の第1ボス52Aの第3方向における他方側に位置している。この状態から、プレート55が図7(b)に示す第2位置へ移動すると、カム110の傾斜面112Bが第1ボス52Aを第3方向における一方側へ移動させる。これにより、ホルダ52が退避位置(図4(a)参照)から進出位置(図4(b)参照)へ移動する。この際、カム110は、バネ120を押し縮める。ホルダ52が進出位置にある場合に、カム110の第2保持面112Cは、ホルダ52を進出位置に保持する。
【0064】
カバー12が閉位置から開位置に移動した場合には、この動作とは逆に、図7(b)の状態から、プレート55を押していたカバー12の突出部12Aが、プレート55から離れる。そのため、バネ120の弾性力により、プレート55が、第2位置から図7(a)の第1位置へ移動する。これにより、カム110の第2保持面112Cによるホルダ52の保持が外れ、ホルダ52が、重力により第3方向の他方側へ下がる。
【0065】
以上のようにして、本実施形態の現像カートリッジ30によれば、プレート55を第1位置から第2位置に移動させることで、ホルダ52を退避位置から進出位置へ移動させることができる。
【0066】
なお、本実施形態の構成は、適宜変更することができる。本実施形態においては、プレート55は、第2方向に沿ってスライド移動していたが、プレート55は、ケーシング31に回動可能に保持されていてもよい。
また、カム110は、ボス111Aが孔55Aに嵌ることによりプレート55に連結されていたが、カム110は、プレート55に固定されていてもよい。さらに、カム110は、プレート55と一体に移動するように構成されていたが、プレート55が第1位置と第2位置との間で移動するのに伴い、カム110が移動するようになっていればよい。
現像カートリッジ30は、カム110とプレート55との間に、プレート55の動作をカム110の移動に連動させる他の機構を備えていてもよい。
バネ120は、プレート55に接触して、プレート55を第2位置から第1位置へ向けて付勢していたが、バネは、プレート55に接触しなくてもよい。例えば、現像カートリッジ30は、バネ120に代えて、ホルダ52に接触するバネを備えていてもよい。この場合、バネは、ホルダ52を進出位置から退避位置に付勢し、連動機構100を介して、プレート55を第2位置から第1位置へ向けて付勢する。
【0067】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の現像カートリッジについて説明する。第2実施形態の現像カートリッジは、第1実施形態に対して、連動機構の構成のみが異なるので、連動機構についてのみ説明し、共通の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0068】
図8に示すように、第2実施形態における連動機構200は、バネ120と、ラックギヤ210と、第1ピニオンギヤ220と、ウォームギヤ230と、第2ピニオンギヤ240と、シャフト250と、ガイド溝260とを有する。
【0069】
バネ120は、第1実施形態と同様の圧縮コイルバネである。ギヤカバー31Bは、バネ120の力を受ける壁185Bを有する(図9(a)参照)。プレート55も、バネ120の力を受ける壁55Bを有する。バネ120の一端が、壁185Bに接触し、バネ120の他端が、壁55Bに接触する。バネ120は、プレート55が第1位置にある場合において、初期荷重が与えられている。
【0070】
ラックギヤ210は、プレート55と一体に形成されている。ラックギヤ210は、プレート55とともに第2方向にスライド移動可能である。
【0071】
第1ピニオンギヤ220は、ラックギヤ210と噛み合う。具体的には、第1ピニオンギヤ220は、第1歯車221と、第2歯車222と、孔223とを有する。ここで、シャフト250は、ギヤカバー31Bから第1方向に延びている。第1ピニオンギヤ220は、孔223にシャフト250が入ることで、第1方向に延びる第1ギヤ軸X8について回転可能である。第1歯車221と第2歯車222は、ともに、第1ギヤ軸X8を中心とする歯車である。第1歯車221の外径は、第2歯車222の外径よりも大きい。第1歯車221は、ラックギヤ210と噛み合う。第2歯車222は、ウォームギヤ230と噛み合う。第2歯車222は、平歯車およびはすば歯車のいずれでもよい。第2歯車222からウォームギヤ230に駆動を伝達するためには、第2歯車222は、はすば歯車であることが望ましい。
【0072】
ウォームギヤ230は、第3方向に延びるウォーム軸X10について回転可能である。ここで、ギヤカバー31Bは、2つの保持穴271,272を有する。保持穴271は、第3方向において、保持穴272から離れている。ウォームギヤ230の一端部は保持穴271に入り、ウォームギヤ230の他端部は、保持穴272に入る。これによりウォームギヤ230は、ギヤカバー31Bに回転可能に保持されている。本実施形態では、ウォーム軸X10は、第3方向に対して傾いている。
【0073】
第2ピニオンギヤ240は、ウォームギヤ230と噛み合う。第2ピニオンギヤ240は、シャフト241と、第3歯車242と、第4歯車243とを有する。ここで、ホルダ52は、シャフト241が入る保持穴52Cを有する。シャフト241が保持穴52Cに入ることで、第2ピニオンギヤ240は、第1方向に延びる第2ギヤ軸X9について回転可能である。第3歯車242と第4歯車243は、ともに、第2ギヤ軸X9を中心とする歯車である。第3歯車242の外径は、第4歯車243の外径よりも大きい。第3歯車242は、ウォームギヤ230と噛み合う。
【0074】
ガイド溝260は、ギヤカバー31Bを第1方向に貫通している。ガイド溝260は、第3方向に延びている。具体的には、ガイド溝260は、ウォーム軸X10と平行に延びている。図9(b)に示すように、ガイド溝260は、ギヤ歯261を有する。ギヤ歯261は、第2方向におけるガイド溝260の内面に位置する。第2ピニオンギヤ240の第4歯車243は、ガイド溝260に入る。第4歯車343は、ガイド溝260のギヤ歯261と噛み合う。
【0075】
以上のように構成された第2実施形態の連動機構200の動作について説明する。カバー12が開位置にある場合、プレート55は、図9(a)に示すように第1位置にある。このとき、第2ピニオンギヤ240は、ガイド溝260の第3方向の他方側の端部に位置することで、ホルダ52は、退避位置に位置する。この状態から、カバー12が閉じられると、図10(a),(b)に示すように、突出部12Aにプレート55が押圧されることで、プレート55が、第1位置から第2位置に移動する。このとき、ラックギヤ210が第2方向の他方側から一方側へ移動することで、第1ピニオンギヤ220が回転する。第1ピニオンギヤ220が回転すると、第1ピニオンギヤ220の第2歯車222と噛み合うウォームギヤ230が回転する。そして、ウォームギヤ230が回転すると、第2ピニオンギヤ240とウォームギヤ230の噛み合い位置E1が、第3方向における他方側から一方側へ移動する。このため、第2ピニオンギヤ240の第4歯車243は、ガイド溝260のギヤ歯261上を転がるようにしてガイド溝260に沿って第3方向における他方側から一方側へ移動する。このようにして、第2ピニオンギヤ240は、ガイド溝260の一方側の端部に位置し、ホルダ52は、進出位置に位置する。
【0076】
カバー12が閉位置から開位置に移動した場合には、この動作とは逆に、図10(a),(b)の状態から、プレート55を押していたカバー12の突出部12Aがプレート55から離れる。そのため、バネ120の弾性力により、プレート55が、第2位置から図9(a)の第1位置へ移動する。これにより、ラックギヤ210が、第2方向の一方側から他方側へ移動し、第1ピニオンギヤ220が第1ギヤ軸X8について回転し、さらにウォームギヤ230が、ウォーム軸X10について回転する。ウォームギヤ230は、カバー12を閉じた場合とは反対向きに回転し、ウォームギヤ230と第2ピニオンギヤ240の噛み合い位置E1は、第3方向における一方側から他方側へ移動する。このため、第2ピニオンギヤ240の第4歯車243は、ガイド溝260のギヤ歯261上を転がるようにしてガイド溝260に沿って第3方向における一方側から他方側へ移動する。このようにして、第2ピニオンギヤ240は、ガイド溝260の他方側の端部に位置し、ホルダ52は、退避位置に位置する。
【0077】
以上のようにして、第2実施形態の現像カートリッジによれば、プレート55を第1位置から第2位置に移動させることで、ホルダ52を退避位置から進出位置へ移動させることができる。
【0078】
なお,本実施形態の構成は、適宜変更することができる。本実施形態では、ホルダ52の保持穴52Cに第2ピニオンギヤ240のシャフト241が入っていたが、ホルダ52がシャフトを有し、第2ピニオンギヤ240が、シャフトが入る穴を有していてもよい。
バネ120は、プレート55に接触して、プレート55を第2位置から第1位置へ向けて付勢していたが、バネは、プレート55に接触していなくてもよい。例えば、現像カートリッジは、バネ120に代えて、ホルダ52に接触するバネを備えていてもよい。この場合、バネは、ホルダ52を進出位置から退避位置に付勢し、連動機構200を介してプレート55を第2位置から第1位置へ向けて付勢する。
また、現像カートリッジは、第1ピニオンギヤ220に回転力を付与するゼンマイバネを備えていてもよい。この場合、ゼンマイバネは、連動機構200の一部を介して、プレート55を第2位置から第1位置へ向けて付勢する。
また、ガイド溝260は、第2ピニオンギヤ240と接触する部分に十分な摩擦力を発生することができれば、ギヤ歯261を有さなくてもよい。
【0079】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の現像カートリッジについて説明する。第3実施形態の現像カートリッジは、第1実施形態に対して、連動機構の構成のみが異なるので、連動機構についてのみ説明し、共通の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0080】
図11(a)に示すように、第3実施形態における連動機構300は、第1リンク310と、第2リンク320と、バネ330とを有する。
【0081】
第1リンク310は、ケーシング31に対して第1方向に延びる第1軸X11について回動可能に保持されている。第1リンク310は、第1軸X11から第2方向の他方側に離れた位置に第1方向に突出する第1ピン311を有する。また、第1リンク310は、第1軸X11から第2方向の一方側に離れた位置に第1方向に突出するボス312を有する。
【0082】
プレート155は、ケーシング31により第1方向にスライド移動可能に保持されている。プレート155は、図11(a)に示す第1位置と、図11(b)に示す第2位置との間で移動可能である。プレート155は、第2方向と交差する方向に延びる第1長穴155Dを有する。本実施形態において、第1長穴155Dは、第3方向に延びている。第1リンク310の第1ピン311は、第1長穴155Dに入る。第1ピン311が第1長穴155Dに入ることで、第1リンク310は、プレート155と連結されている。
【0083】
第2リンク320は、ケーシング31に対して第1方向に延びる第2軸X12について回動可能に保持されている。第2リンク320は、第3方向に交差する方向に延びる第2長穴322を有する。第2長穴322は、第1軸X11から第2方向の一方側に離れた位置に位置する。また、第2リンク320は、第3方向に交差する方向に延びる第3長穴323を有する。第3長穴323は、第1軸X11から第2方向の他方側に離れた位置に位置する。
【0084】
第1リンク310のボス312は、第2リンク320の第3長穴323に入る。ボス312が第3長穴323に入ることで、第2リンク320は、第1リンク310と連結されている。
【0085】
ホルダ52は、第2ピン52Dと、ボス52Eを有する。第2ピン52Dは、第2リンク320の第2長穴322に入る。第2ピン52Dが第2長穴322に入ることで、第2リンク320は、ホルダ52と連結されている。
【0086】
ギヤカバー31Bは、ボス31Eを有する。バネ330は、引張コイルバネである。バネ330は、第3方向に延びる。バネ330の第3方向の一方側の端部は、ホルダ52のボス52Eに接触する。バネ330の第3方向の他方側の端部は、ギヤカバー31Bのボス31Eに接触する。バネ330は、ホルダ52を進出位置から退避位置へ向けて付勢する。バネ330は、連動機構300を介して、プレート155を第2位置から第1位置へ向けて付勢するバネである。
【0087】
以上のような構成の第3実施形態の連動機構300の動作について説明する。カバー12が開位置にある場合、プレート155は、図11(a)に示すように第1位置にある。このとき、ホルダ52は、退避位置に位置する。この状態から、カバー12が閉じられると、図11(b)に示すように、突出部12Aにプレート155が押圧されることで、プレート155が第1位置から第2位置に移動する。このとき、プレート155の第1長穴155Dが第1ピン311を押すことで、第1リンク310が図の反時計回りに回動する。そして、第1リンク310のボス312が第2リンク320の第3長穴323を押し、第2リンク320が図の時計回りに回動する。さらに、第2リンク320の第2長穴322がホルダ52の第2ピン52Dを第3方向の一方側へ押す。これにより、ホルダ52が第3方向の他方側から一方側へ移動する。その結果、ホルダ52が退避位置から進出位置に移動する。ホルダ52が進出位置に移動すると、バネ330は引き伸ばされる。
【0088】
カバー12が閉位置から開位置に移動した場合には、この動作とは逆に、図11(b)の状態から、プレート155を押していたカバー12の突出部12Aがプレート155から離れる。そのため、バネ330の弾性力により、ホルダ52が、進出位置から退避位置へ移動する。このとき、カバー12を閉じた場合とは逆に、第2リンク320が、図の反時計回りに回動し、第1リンク310が図の時計回りに回動する。これにより、プレート155が、第2位置から第1位置へ移動する。
【0089】
以上のようにして、第3実施形態の現像カートリッジによれば、プレート155を第1位置から第2位置に移動させることで、ホルダ52を退避位置から進出位置へ移動させることができる。
【0090】
なお、本実施形態の構成は、適宜変更することができる。例えば、プレート155が第1ピンを有し、第1リンクが第1長穴を有していてもよい。また、第2リンク320が第2ピンを有し、ホルダ52が第2長穴を有していてもよい。また、第1長穴321は、第3方向に平行に延びる必要はなく、第1長穴321は、プレート155の移動方向に対して交差していればよい。
さらに、プレート155は、第2方向にスライド移動可能に保持される場合に限らず、プレート155は、ケーシング31に対して回動可能に保持されていてもよい。
【0091】
また、現像カートリッジは、第1リンク310と第2リンク320の間、または、第2リンク320とホルダ52の間に、他のリンクなどの部材を備えていてもよい。
また、第1リンクは、ホルダ52と直接連結されていてもよい。例えば、図12(a)に示す例のように、プレート255は、第1長穴255Dを有する。そして、第1リンク410の第1ピン411が、第1長穴255Dに入る。また、ホルダ52の第2ピン52Dが第1リンク410に第2長穴412に入る。この構成によっても、プレート255を図12(a)の第1位置から図12(b)の第2位置にスライド移動させると、第1リンク410が、図の時計回りに回動する。その結果、ホルダ52を退避位置から進出位置に移動させることができる。
【0092】
以上に本開示の各実施形態について説明したが、現像カートリッジは、上述の各実施形態に限定されない。
【0093】
現像カートリッジは、モノクロ用、カラー用のいずれの画像形成装置に使われても構わない。また、プレートは、画像形成装置のカバーに押される場合だけでなく、ユーザの手などによって押されるものであってもよい。
【0094】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素は、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0095】
10 装置本体
11 筐体
12 カバー
12A 突出部
20 プロセスカートリッジ
30 現像カートリッジ
31 ケーシング
31A ケーシング本体
31B ギヤカバー
32 現像ローラ
35 アジテータ
51 現像メモリ
51A 電気的接触面
52 ホルダ
53 ホルダカバー
55 プレート
58 突起
60 アジテータギヤ
61 大径ギヤ
62 小径ギヤ
100,200,300 連動機構
110 カム
120 バネ
210 ラックギヤ
220 第1ピニオンギヤ
230 ウォームギヤ
240 第2ピニオンギヤ
310 第1リンク
320 第2リンク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図12