(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022157363
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】サーバ装置及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/30 20120101AFI20221006BHJP
【FI】
G06Q50/30
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021061541
(22)【出願日】2021-03-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】守谷 厚志
(72)【発明者】
【氏名】岸本 大輔
(72)【発明者】
【氏名】相澤 冴子
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC41
(57)【要約】
【課題】利用料金を動的に変動させることでユーザによる輸送サービスの利用を促進しつつ、より効率的に輸送サービスの利用料金を変動させる技術を提供する。
【解決手段】サーバ装置は、出発地及び目的地を示す情報を含み、輸送サービスの利用を求める輸送要求を、ユーザ装置から受信すると、当該輸送要求に基づいて、出発地から目的地までの輸送についての基本料金を取得する。更に、サーバ装置は、出発地と目的地との少なくともいずれかに関連する所定の情報に基づいて、輸送要求による輸送サービスの利用料金を基本料金から変動させるための変動金額を決定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地及び目的地を示す情報を含み、輸送サービスの利用を求める輸送要求を、ユーザ装置から受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記輸送要求に基づいて、前記出発地から前記目的地までの輸送についての基本料金を取得し、前記出発地と前記目的地との少なくともいずれかに関連する所定の情報に基づいて、前記輸送要求による輸送サービスの利用料金を前記基本料金から変動させるための変動金額を決定する決定手段と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記決定手段は、前記出発地又は前記目的地のエリアにおける前記輸送サービスの利用についての需要を示す需要情報に基づいて、前記変動金額を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記決定手段は、前記需要情報が示す需要が低いほど前記利用料金を減少させるように前記変動金額を決定する
ことを特徴とする請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記需要情報は、前記エリア内の各輸送体が利用されない時間の平均値、又は前記エリア内の各輸送体の利用時間の平均値に基づいて求められる
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記需要情報は、前記ユーザ装置から前記輸送要求を受信してから前記輸送要求に基づく前記輸送サービスの利用開始までに要する時間の平均値に基づいて求められる
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記需要情報は、前記エリア内で運行されている輸送体の数及び利用率に基づいて求められる
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記決定手段は、前記出発地から前記目的地までの距離、又は前記出発地から前記目的地までの輸送についての前記基本料金に応じて、前記変動金額を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項8】
前記決定手段は、前記距離又は前記基本料金が閾値を上回ると、前記利用料金を減少させるように前記変動金額を決定する
ことを特徴とする請求項7に記載のサーバ装置。
【請求項9】
前記決定手段は、前記出発地に輸送体が到着する到着予定時間、又は前記輸送サービスの利用開始後に前記目的地に到着する到着予定時間に基づいて、前記変動金額を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項10】
前記決定手段は更に、前記輸送体が前記到着予定時間より遅れて到着すると、前記利用料金を減少させるように前記変動金額を変動させる
ことを特徴とする請求項9に記載のサーバ装置。
【請求項11】
前記決定手段は更に、前記ユーザ装置から前記輸送要求を受信した時間帯に応じて、前記変動金額を変動させる
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項12】
前記決定手段は、前記出発地から前記目的地までの経路において複数の輸送サービスが順に利用される場合、当該複数の輸送サービスのそれぞれについて、前記基本料金を取得するとともに前記変動金額を決定する
ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項13】
前記決定手段は、
前記出発地から前記目的地までそれぞれ異なる経路で1つ以上の輸送サービスを順に利用して輸送を行う複数の輸送パターンが存在する場合、当該複数の輸送パターンのそれぞれについて、当該輸送パターンに含まれる輸送サービスごとに前記基本料金を取得するとともに前記変動金額を決定し、
前記サーバ装置は、
前記複数の輸送パターンにそれぞれ対応する、前記基本料金及び前記変動金額に基づく前記利用料金を示す情報を前記ユーザ装置に送信することで、前記複数の輸送パターンのうちで利用する輸送パターンをユーザに確認し、前記ユーザ装置において前記ユーザが選択した輸送パターンを示す情報を前記ユーザ装置から受信する確認手段と、
前記選択された輸送パターンに従った輸送が完了した後に、当該輸送パターンに対応する前記利用料金の精算処理を行う処理手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項14】
前記決定手段は、前記輸送要求を受信した時間帯において、前記出発地及び前記目的地の少なくともいずれかから所定の距離範囲内に、前記輸送要求で要求された第1輸送サービスとは異なる第2輸送サービスのための輸送体への乗降が可能な場所が存在する場合に、複数の輸送パターンが存在すると判定する
ことを特徴とする請求項13に記載のサーバ装置。
【請求項15】
コンピュータを請求項1乃至14のいずれか1項に記載のサーバ装置として機能させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸送サービスの利用料金を動的に変動させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、都内のタクシー車両の需給バランスを整えるために、需要が高く空車が少ない時間帯と、需要が低く空車が多い時間帯とで、タクシー車両の迎車料金を変動させるサービスが記載されている。また、特許文献1には、タクシーから受信された動態情報(回送、空送、迎走又は賃走)に基づいて乗車率を計算し、乗車率が低くなると、乗車料金を通常よりも割り引きした割引運行を実施するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】LIGARE,"JapanTaxi、ダイナミックプライシング導入の実証実験",[online], 平成30年9月28日, [令和3年3月4日検索], インターネット<URL: https://ligare.news/story/taxi-dynamic-pricing/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の従来技術のシステムでは、タクシー等の輸送車両(輸送体)による輸送サービスの利用料金を需要に応じて変動させている。しかしながら、利用料金を動的に変動させることでユーザによる輸送サービスの利用を促進しつつ、より効率的に輸送サービスの利用料金を変動させることは行われていない。
【0006】
本発明は、利用料金を動的に変動させることでユーザによる輸送サービスの利用を促進しつつ、より効率的に輸送サービスの利用料金を変動させる技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の係るサーバ装置は、出発地及び目的地を示す情報を含み、輸送サービスの利用を求める輸送要求を、ユーザ装置から受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された前記輸送要求に基づいて、前記出発地から前記目的地までの輸送についての基本料金を取得し、前記出発地と前記目的地との少なくともいずれかに関連する所定の情報に基づいて、前記輸送要求による輸送サービスの利用料金を前記基本料金から変動させるための変動金額を決定する決定手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、利用料金を動的に変動させることでユーザによる輸送サービスの利用を促進しつつ、より効率的に輸送サービスの利用料金を変動させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
以下では、利用料金を動的に変動させることでユーザによる輸送サービスの利用を促進しつつ、より効率的に輸送サービスの利用料金を変動させるための実施形態について説明する。なお、以下の説明では、輸送サービスの例として主にタクシーサービスを用いているが、輸送サービスの例には、路線車両(バス、鉄道)によるもの、飛行機及び船舶等によるものが含まれてもよいし、将来的にはドローン等の輸送体によるものが含まれてもよい。
【0012】
<第一実施形態>
図1は、本実施形態によるシステムの構成図である。
図1のネットワークは、移動通信ネットワーク及びインターネットの総称である。サービス提供システム3は、タクシー4(輸送体)の位置及び状態(空車状態、賃送状態等)を管理し、タクシー4による輸送サービスが要求された場合、タクシー4の配車を行う。ユーザ装置1は、スマートフォン等の携帯可能な通信装置であり、移動通信ネットワークを介してインターネット上のサーバ装置2と通信可能に構成されている。サーバ装置2は、タクシー4による輸送サービスの利用を求める輸送要求をユーザ装置1から受信すると、受信した輸送要求に従った輸送サービスの利用料金を決定するとともに、タクシー4の配車に必要な情報をサービス提供システム3に通知する。なお、
図1では、1つのサービス提供システム3のみを示しているが、本開示の各実施形態において、サービス提供システム3の数は1つに限定されない。つまり、サーバ装置2は、異なるタクシー4のグループを管理する複数のサービス提供システム3それぞれに対してタクシー4の配車に必要な情報を通知することができる。また、各実施形態において、複数のサービス提供システム3には、タクシー4による輸送サービスを提供するサービス提供システム以外にも、バスによる輸送サービスを提供するサービス提供システムや鉄道による輸送サービスを提供するサービス提供システム等が含まれてもよい。
【0013】
図2は、本実施形態のシーケンス図を示している。ユーザ装置1のユーザ(以下、単に「ユーザ」と表記する。)は、タクシー4による輸送サービスを利用して出発地から目的地に移動する場合に、ユーザ装置1を操作して、輸送サービスを利用することを指示する。ユーザは、例えば、ユーザ装置1にインストールされた配車アプリケーションを操作して、移動の出発地及び目的地を設定する。この設定は、例えば、乗車場所(出発地)と降車場所(目的地)をそれぞれ地図上で設定することによって行われてもよいし、又は、住所、地名、建物名若しくは駅名等の情報の入力により行われてもよい。また、ユーザ装置1に備えられたGPS機能により取得されるユーザ装置1の現在位置が、出発地として設定されてもよい。
【0014】
S1で、ユーザ装置1は、上述のようなユーザの操作により、タクシー4による輸送サービスの利用が指示されると、輸送サービスの利用を求める輸送要求を、サーバ装置2に向けて送信する。この輸送要求には、ユーザによって設定された出発地及び目的地を示す情報が含められる。
【0015】
サーバ装置2は、ユーザ装置1から送信された輸送要求の受信に応じて、S2及びS3で、当該輸送要求による輸送サービスの利用料金を決定する。具体的には、まずS2で、サーバ装置2は、受信した輸送要求に基づいて、出発地から目的地までの輸送についての基本料金(基準料金)を取得する。基本料金は、例えば、輸送サービスを提供する輸送体がタクシー4である場合、出発地から目的地までの距離に基づいて算出されてもよいし、距離と料金とを対応付けたテーブルを用いて取得されてもよい。なお、輸送体が路線車両(バス、鉄道)である場合、出発地から目的地までの経路に対応して予め定められた運賃が、基本料金として取得されうる。
【0016】
次にS3で、サーバ装置2は、輸送要求で指定された出発地と目的地との少なくともいずれかに関連する所定の情報に基づいて、当該輸送要求による輸送サービスの利用料金を基本料金から変動させるための変動金額を決定する。本実施形態では、変動金額は、基本料金からの割り引き額又は割り増し額に相当し、基本料金に変動金額を適用することで、基本料金から割り引き又は割り増しが行われた利用料金が求められる。
【0017】
一例において、サーバ装置2は、輸送要求で指定された出発地又は目的地のエリア(例えば、出発地又は目的地が存在する市区町村のエリア)における輸送サービスの利用についての需要を示す需要情報に基づいて、変動金額を決定する。サーバ装置2は、例えば、需要情報が示す需要が低いほど、利用料金を減少させる(割り引きする)ように変動金額を決定してもよいし、需要レベルが所定の閾値を下回る場合に、利用料金を減少させるように変動金額を決定してもよい。一方、サーバ装置2は、例えば、出発地又は目的地のエリアが渋滞場所のような混雑地であり、需要情報が示す需要が高い場合には、基本料金から割り引きを行わないように変動金額を決定してもよい。あるいは、サーバ装置2は、需要レベルが所定の閾値を上回る場合に、利用料金を増加させる(割り増しする)ように変動金額を決定してもよい。このように、出発地又は目的地のエリアに関する需要情報に基づいて変動金額を決定することで、変動金額の適用によりユーザによる輸送サービスの利用を促進しつつ、当該エリア内の実際の状況に応じて適切に利用料金を変動させることが可能になる。
【0018】
上述の需要情報は、出発地又は目的地のエリアにおける輸送サービスの需要と相関がある種々の情報に基づいて求めることができる。例えば、エリア内の各タクシー4(輸送体)が利用されていない時間の平均値に基づいて需要情報が求められてもよいし、エリア内の各タクシー4の利用時間の平均値に基づいて需要情報が求められてもよい。例えば、輸送要求(S1)を受けた時刻の所定時間前までに輸送要求を行ったユーザ装置が存在する場所又は出発地を含む所定エリア内のタクシー4の乗車履歴に基づいて、タクシー4が利用(乗車)されていない時間又は利用時間(乗車時間)の平均値が算出されることで、需要情報が求められてもよい。各タクシー4が利用されない時間の平均値が小さいほど、当該エリアにおける輸送サービスの需要が高いことを示し、当該平均値が大きいほど、当該エリアにおける輸送サービスの需要が低いことを示す。また、エリア内の各タクシー4の利用時間の平均値が大きいほど、当該エリアにおける輸送サービスの需要が高いことを示し、当該平均値が小さいほど、当該エリアにおける輸送サービスの需要が低いことを示す。
【0019】
別の例として、需要情報は、ユーザ装置1からサーバ装置2が輸送要求を受信してから、当該輸送要求に基づく輸送サービスの利用開始までに要する時間の平均値に基づいて求められてもよい。この場合、当該平均値が大きいほど、出発地又は目的地のエリアにおける輸送サービスの需要が高いことを示し、当該平均値が小さいほど、当該エリアにおける輸送サービスの需要が低いことを示す。更に別の例として、需要情報は、出発地又は目的地のエリア内で運行されているタクシー4(輸送体)の数及び利用率に基づいて求められてもよい。また、これらの例に示した情報を適宜組み合わせて、需要情報が求められてもよい。
【0020】
S3における変動金額の決定についての別の例として、サーバ装置2は、輸送要求で指定された出発地から目的地までの距離に応じて変動金額を決定してもよいし、又は、S2で取得した基本料金に応じて、変動金額を決定してもよい。この場合、サーバ装置2は、当該距離又は基本料金が所定の閾値を上回った場合に、利用料金を減少させる(割り引きする)ように変動金額を決定してもよい。また、サーバ装置2は、例えば、当該距離又は基本料金が所定の閾値を上回る場合に、当該処理又は基本料金と閾値との差分に応じて変動金額(割り引き額)を変化させてもよい。
【0021】
S3における変動金額の決定についての更に別の例として、サーバ装置2は、輸送要求で指定された出発地にタクシー4(輸送体)が到着する到着予定時間、又は輸送サービスの利用開始後に目的地に到着する到着予定時間に基づいて、変動金額を決定してもよい。例えば、サーバ装置2は、出発地におけるタクシー4の到着予定時間が所定の閾値を上回る場合に(即ち、出発地においてユーザの待ち時間が長くなる場合に)、利用料金を減少させる(割り引きする)ように変動金額を決定してもよい。
【0022】
また、サーバ装置2は、ユーザ装置1から輸送要求(S1)を受信した時間帯に応じて、上述のように決定される変動金額を更に変動させてもよい。例えば、サーバ装置2は、輸送要求を受信した時間帯が深夜帯(例:午前0時から午前5時まで)であれば、利用料金を増加させる(割り増しする)ように変動金額を変動させてもよい。
【0023】
S3における変動金額の決定が完了すると、S4で、サーバ装置2は、S2において取得した基本料金に、S3において決定した変動金額を適用して得られる、輸送サービスの利用料金を、ユーザ装置1へ通知する。この料金通知には、輸送要求で指定された出発地にタクシー4(輸送体)が到着する到着予定時間を示す情報が含まれてもよい。その場合、サーバ装置2は、サービス提供システム3に対して到着予定時間(到着予定時刻)の照会を行い、その回答を受け取ることで得られた到着予定時間を料金通知に含めてユーザ装置1へ送信する。また、料金通知には、輸送要求で指定された目的地に到着する到着予定時間(予想到着時刻)を示す情報が含まれてもよい。
【0024】
サーバ装置2は、ユーザ装置1へ料金通知(S4)を行うとともに、決定した利用料金を含む、タクシー4の配車に必要な情報(輸送要求に含まれる出発地及び目的地を示す情報等)を、サービス提供システム3へ通知する。その後、輸送サービスの利用のキャンセルがユーザ装置1から指示されない限り、サービス提供システム3によって、輸送要求で指定された出発地へタクシー4が配車され、タクシー4による輸送サービスの提供が開始される。なお、サーバ装置2は、料金通知(S4)に含まれる情報(利用料金、到着予定時間等)にユーザが承諾するか否かをユーザ装置1に問い合わせ、ユーザが承諾したことに応じて(例えば、ユーザの承諾に応じてユーザ装置1から改めて輸送要求が行われたことに応じて)、輸送サービスの提供をサービス提供システム3に開始させてもよい。
【0025】
その後、輸送体(本例ではタクシー4)による輸送により目的地に到着すると、タクシー4からサービス提供システム3へ到着通知が行われ、ユーザが目的地に到着したことがサービス提供システム3からサーバ装置2へ通知される。サーバ装置2は、目的地へのユーザの到着が通知されると(S5で「YES」)、S6で、輸送要求(S1)による輸送サービスの利用料金を精算するための精算処理を行う。例えば、サーバ装置2は、ユーザ装置1と通信して、ユーザ装置1によるQRコード(登録商標)決済又はクレジットカード決済により精算処理を行う。また、この精算処理には、QRコード決済及びクレジットカード決済に限らず、他のキャッシュレス決済を適用することも可能であるし、現金による決済を適用することも可能である。サーバ装置は、利用料金の精算処理が完了すると、例えば、支払われた利用料金から手数料を差し引いて、サービス提供システム3に対する支払い処理を行ってもよい。
【0026】
なお、サーバ装置2は、目的地への到着後に限らず、目的地への到着前に利用料金の精算処理を行ってもよい。例えば、サーバ装置2は、輸送要求(S1)に応じて利用料金がユーザ装置1へ通知された際に(S4)に、利用料金の精算を行ってもよい。その場合、料金通知に含まれる情報にユーザが承諾したことに応じて精算処理を行ってもよい。また、別の例において、S6の精算処理は、サービス提供システム3を介して行われてもよい。その場合、ユーザによる利用料金の支払いは、ユーザ装置1のNFC機能を利用した決済又は現金の受け渡しにより行われてもよく、タクシー4(輸送体)においてユーザによる利用料金の支払いが行われたことが、タクシー4からサービス提供システム3を介してサーバ装置2へ通知されてもよい。
【0027】
また、サーバ装置2は、例えば、タクシー4(輸送体)が到着予定時間より遅れて目的地に到着した場合に、利用料金を減少させるように変動金額を変動させてもよい。この場合、サーバ装置2は、S4においてユーザ装置1へ通知した利用料金を減額した料金の精算処理を行う。この利用料金の減額は、ユーザ装置1へ目的地への到着予定時間をS4において通知していた場合に行われてもよい。また、サーバ装置2は、料金通知(S4)に応じて予め精算処理を行っており、かつ、目的地への到着後に変動金額の減額又は増額が必要になった場合には、その減額又は増額分の精算処理を目的地への到着後に行ってもよい。例えば、利用料金を増額した場合には、精算(支払い)済みの利用料金からの増額分の支払いを請求する処理を行い、利用料金を減額した場合には、精算(支払い)済みの利用料金からの減額分を返金する処理を行う。
【0028】
サーバ装置2は、S6における精算処理が完了すると、輸送要求(S1)による輸送サービスの提供に関連する処理を終了する。
【0029】
以上説明したように、本実施形態においてサーバ装置2は、出発地及び目的地を示す情報を含み、輸送サービスの利用を求める輸送要求を、ユーザ装置1から受信すると、当該輸送要求に基づいて、出発地から目的地までの輸送についての基本料金を取得する。更に、サーバ装置2は、出発地と目的地との少なくともいずれかに関連する所定の情報に基づいて、輸送要求による輸送サービスの利用料金を基本料金から変動させるための変動金額を決定する。本実施形態によれば、変動金額の適用によりユーザによる輸送サービスの利用を促進しつつ、より効率的に輸送サービスの利用料金を変動させることが可能になる。
【0030】
<第二実施形態>
次に、第二実施形態について第一実施形態との相違点を中心に説明する。第二実施形態では、ユーザ装置1から受信される輸送要求で指定された出発地から目的地までの経路において複数の輸送サービス(交通手段)が順に利用される場合に、より効率的に輸送サービスの利用料金を変動させる例について説明する。
【0031】
図3は、本実施形態のシーケンス図を示している。サーバ装置2は、S11で、ユーザ装置1から輸送要求を受信する。この輸送要求には、第一実施形態と同様、ユーザによって設定された出発地及び目的地を示す情報が含められる。第一実施形態は、出発地から目的地までの経路において、輸送サービスとしてタクシー4のみが利用されるものであったが、本実施形態では、出発地から目的地までの経路において複数の輸送サービスが順に利用される場合を想定する。複数の輸送サービスが順に利用されるケースとして、例えば、以下のようなケースが挙げられる。
●ケース1:出発地から経由地Aまでタクシーが利用され、経由地Aから経由地Bまでバスが利用され、経由地Bから目的地までタクシーが利用される。
●ケース2:出発地から経由地Aまでタクシーが利用され、経由地Aから経由地Bまで鉄道が利用され、経由地Bから目的地までバスが利用される。
本実施形態のサーバ装置2は、このような場合に、複数の輸送サービスのそれぞれについて、基本料金を取得するとともに変動金額を決定する。なお、複数の輸送サービスは、ユーザ装置1におけるユーザの操作により、出発地及び目的地とともに指定され、指定された複数の輸送サービスを示す情報が輸送要求に含められてもよい。
【0032】
具体的には、S12で、サーバ装置2は、S2と同様、受信した輸送要求に基づいて、出発地から目的地までの輸送についての基本料金(基準料金)を取得する。ただし、本実施形態では、サーバ装置2は、輸送要求で指定された出発地及び目的地に基づいて特定される複数の輸送サービスのそれぞれについて、基本料金を個別に取得する。例えば、上記のケース1においては、出発地から経由地Aまでタクシーの基本料金と、経由地Aから経由地Bまでバスの基本料金と、経由地Bから目的地までタクシーの基本料金とが取得される。なお、バス又は鉄道(路線車両)の利用についての基本料金については、利用される経路に対応して予め定められた運賃が取得されうる。
【0033】
次にS13で、サーバ装置2は、S3と同様、輸送要求で指定された出発地と目的地との少なくともいずれかに関連する所定の情報に基づいて、当該輸送要求による輸送サービスの利用料金を基本料金から変動させるための変動金額を決定する。ただし、本実施形態では、サーバ装置2は、輸送要求で指定された出発地及び目的地に基づいて特定される複数の輸送サービスのそれぞれについて、変動金額を個別に決定する。その場合、サーバ装置2は、輸送サービスごとに、当該輸送サービスの利用の開始位置となる出発地又は経由地と、当該輸送サービスの利用の終了位置となる経由地又は目的地と、の少なくともいずれかに関連する所定の情報に基づいて、変動金額を決定してもよい。なお、輸送サービスごとの変動金額の決定は、第一実施形態と同様の処理により実現できる。
【0034】
以下では更に、出発地から目的地までそれぞれ異なる経路で1つ以上の輸送サービスを順に利用して輸送を行う複数の輸送パターンが存在する場合を想定する。この場合、サーバ装置2は、当該複数の輸送パターンのそれぞれについて、当該輸送パターンに含まれる輸送サービスごとに、S12において基本料金を取得するとともに、S13において変動金額を決定する。
【0035】
なお、サーバ装置2は、輸送要求を受信した時間帯において、出発地及び目的地の少なくともいずれかから所定の距離範囲内に、当該輸送要求で要求された第1輸送サービスとは異なる第2輸送サービスのための輸送体への乗降が可能な場所が存在する場合に、複数の輸送パターンが存在すると判定してもよい。例えば、タクシー4による輸送サービスの利用が要求された場合に、出発地となる現在位置から所定の距離範囲内に、バス乗り場又は鉄道の乗車駅が存在する場合に、複数のパターンが存在すると判定してもよい。
【0036】
このような場合、サーバ装置2は、S14で、複数の輸送パターンにそれぞれ対応する、基本料金及び変動金額に基づく利用料金を示す情報を含む問い合わせメッセージを、ユーザ装置1に送信する。これにより、当該複数の輸送パターンのうちで利用する輸送パターンをユーザに確認する。ユーザ装置1は、受信した問い合わせメッセージに従って、輸送パターンごとの利用料金をディスプレイに表示することでユーザに提示するとともに、輸送パターンの選択をユーザから受け付ける。その後S15で、ユーザ装置1は、ユーザによって選択された輸送パターンを示す選択情報を、サーバ装置2へ通知する。これにより、サーバ装置2は、ユーザ装置1においてユーザが選択した輸送パターンを示す情報を、ユーザ装置1から受信する。
【0037】
なお、地方自治体によっては、高齢者が病院に通院する場合には、その高齢者の自宅(出発地)から病院(目的地)までの、タクシー又はバスの利用についての交通費を、地方自治体が補助金として交通機関に支払うケースがありうる。その場合、当該高齢者は、輸送サービスの利用料金から補助金の金額を控除した料金を、交通機関に支払うことになる。このようなケースでは、サーバ装置2は、S14において補助金の金額が控除された、ユーザ(高齢者)が実質的に負担する利用料金を示す情報を問い合わせメッセージに含めてもよく、ユーザ装置1は、そのような利用料金をユーザに提示してもよい。
【0038】
サーバ装置2は、ユーザ装置1からの選択情報を受信すると(S15)、選択された輸送パターン及び利用料金を含む、輸送サービスの提供に必要な情報(輸送要求に含まれる出発地及び目的地を示す情報等)をサービス提供システム3へ通知する。これにより、輸送サービスの提供をサービス提供システム3に開始させる。
【0039】
その後、第一実施形態と同様に、ユーザが目的地に到着したことがサービス提供システム3から通知されると、サーバ装置2は、S17で、輸送要求(S11)による輸送サービスの利用料金を精算するための精算処理を行う。この精算処理は、第一実施形態と同様、サーバ装置2が、ユーザ装置1と通信して、ユーザ装置1によるQRコード(登録商標)決済又はクレジットカード決済により精算処理を行ってもよいし、又は、サービス提供システム3を介して行われてもよい。また、この精算処理には、QRコード決済及びクレジットカード決済に限らず、他のキャッシュレス決済を適用することも可能であるし、現金による決済を適用することも可能である。なお、別の例において、S6の精算処理は、サービス提供システム3を介して行われてもよい。
【0040】
S17において、サーバ装置2は、S15において受信した選択情報が示す輸送パターンに従った輸送が完了した後に、当該輸送パターンに対応する利用料金の精算処理を行う。その際、サーバ装置2は、輸送手段(輸送サービス)ごとのユーザによる利用情報を、各輸送サービスに対応するサービス提供システム3から受信し、受信した情報に基づいて、選択情報が示す輸送パターンどおりにユーザが移動したか否かを判定する。サーバ装置2は、その判定結果に従って、選択情報が示す輸送パターンに対応する利用料金を適用するか否かを決定する。サーバ装置2は、選択情報が示す輸送パターンどおりにユーザが移動しなかったと判定した場合、S13で決定した変動金額の適用は行わずに、S12で取得した基本料金を利用料金として適用して精算処理を行う。即ち、ユーザが、選択した輸送パターンどおりに移動した場合に限り、S13において決定された変動金額が利用料金に対して適用されることになる。サーバ装置2は、利用料金の精算処理が完了すると、例えば、支払われた利用料金から手数料を差し引いて、各サービス提供システム3に対する支払い処理を行ってもよい。
【0041】
なお、サーバ装置2は、目的地への到着後に限らず、目的地への到着前に利用料金の精算処理を行ってもよい。その場合、例えばサーバ装置2は、選択情報の受信(S15)に応じて、選択された輸送パターンに対応する利用料金の精算処理を行ってもよい。選択した輸送パターンどおりに移動しなかった場合等、目的地への到着後に変動金額の減額又は増額が必要になった場合には、サーバ装置2は、その減額又は増額分の精算処理を目的地への到着後に行ってもよい。例えば、利用料金を増額した場合には、精算(支払い)済みの利用料金からの増額分の支払いを請求する処理を行い、利用料金を減額した場合には、精算(支払い)済みの利用料金からの減額分を返金する処理を行う。
【0042】
また、S14においてサーバ装置2からユーザ装置1へ送信される問い合わせメッセージには、例えば、出発地から目的地までの移動に要する予想時間、順に利用される輸送サービスごとの移動に要する予想時間、及び輸送サービス(電車、バス)ごとの予想混雑度を示す情報が含められ、ユーザ装置1において複数の輸送パターンの利用料金とともにユーザに提示されてもよい。
【0043】
以上説明したように、本実施形態によれば、出発地から目的地までの経路において複数の輸送サービスが順に利用される場合にも、ユーザによる輸送サービスの利用を促進しつつ、より効率的に輸送サービスの利用料金を変動させることが可能になる。
【0044】
<サーバ装置2>
図4は、上記各実施形態のサーバ装置2の構成図である。通信部21は、ネットワークを介する通信処理を行う。収集部22は、輸送サービスが提供されるエリアごとの、輸送サービスの利用についての需要を示す需要情報を生成するために必要となる情報(例えば、第一実施形態で説明したように、エリア内の各タクシー4が利用されない時間の平均値等)を、例えば、インターネットの他のサーバ装置又はサービス提供システム3から収集し、収集した情報に基づいて需要情報を生成する。収集部22は、生成した需要情報を記憶部26に保存する。
【0045】
取得部23は、ユーザ装置1から送信された輸送要求を、通信部21を介して受信する。取得部23は、輸送要求を受信すると、第一及び第二実施形態において説明したように、当該輸送要求に基づいて、出発地から目的地までの輸送についての基本料金を取得する。その際、取得部23は、必要に応じて、記憶部26に格納されている情報を用いて基本料金を取得する。記憶部26には、例えば、タクシー4による輸送サービスの利用距離と料金とを対応付けたテーブルが格納されていてもよいし、バス及び鉄道による輸送サービスの基本料金を示す運賃テーブルが格納されていてもよい。
【0046】
決定部24は、第一及び第二実施形態において説明したように、出発地と目的地との少なくともいずれかに関連する所定の情報に基づいて、輸送要求による輸送サービスの利用料金を基本料金から変動させるための変動金額を決定する。その際、決定部24は、必要に応じて、記憶部26に格納されている情報を用いて変動金額を決定する。例えば、決定部24は、記憶部26に格納されている需要情報を用いて変動金額を決定する。
【0047】
処理部25は、取得部23から出力される基本料金に対して、決定部24から出力される変動金額を適用することで、受信された輸送要求による輸送サービスの利用料金を決定する。更に、処理部25は、ユーザ装置1へ料金通知を行うとともに、決定した利用料金を含む、タクシー4の配車に必要な情報(輸送要求に含まれる出発地及び目的地を示す情報等)を、サービス提供システム3へ通知する処理を行う。また、処理部25は、第一及び第二実施形態において説明したように、輸送要求による輸送サービスの利用料金を精算するための精算処理を、サービス提供システム3を介して行う。
【0048】
<その他の実施形態>
本発明によるサーバ装置2は、1つ以上のプロセッサを有する装置・コンピュータの当該1つ以上のプロセッサで実行されると、当該装置・コンピュータを上記サーバ装置2として動作・機能させるプログラムにより実現することができる。これらコンピュータプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶されて、又は、ネットワーク経由で配布が可能なものである。
【0049】
上記構成により、利用料金を動的に変動させることでユーザによる輸送サービスの利用を促進しつつ、より効率的に輸送サービスの利用料金を変動させることが可能になる。よって、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」に貢献することが可能となる。
【符号の説明】
【0050】
1:ユーザ装置、2:サーバ装置、3:サービス提供システム、22:収集部、23:取得部、24:決定部、25:処理部
【手続補正書】
【提出日】2021-11-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地及び目的地を示す情報を含み、輸送サービスの利用を求める輸送要求を、ユーザ装置から受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記輸送要求に基づいて、前記出発地から前記目的地までの輸送についての基本料金を取得し、前記目的地のエリアにおける前記輸送サービスの利用についての需要を示す需要情報に基づいて、前記輸送要求による輸送サービスの利用料金を前記基本料金から変動させるための変動金額を決定する決定手段と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記決定手段は、前記需要情報が示す需要が低いほど前記利用料金を減少させるように前記変動金額を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記需要情報は、前記エリア内の各輸送体が利用されない時間の平均値、又は前記エリア内の各輸送体の利用時間の平均値に基づいて求められる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記需要情報は、前記ユーザ装置から前記輸送要求を受信してから前記輸送要求に基づく前記輸送サービスの利用開始までに要する時間の平均値に基づいて求められる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記需要情報は、前記エリア内で運行されている輸送体の数及び利用率に基づいて求められる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のサーバ装置。
【請求項6】
出発地及び目的地を示す情報を含み、輸送サービスの利用を求める輸送要求を、ユーザ装置から受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記輸送要求に基づいて、前記出発地から前記目的地までの輸送についての基本料金であって、前記出発地から前記目的地までの距離に基づく基本料金を取得し、前記出発地から前記目的地までの距離、又は前記出発地から前記目的地までの輸送についての前記基本料金に応じて、前記輸送要求による輸送サービスの利用料金を前記基本料金から変動させるための変動金額を決定する決定手段と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項7】
前記決定手段は、前記距離又は前記基本料金が閾値を上回ると、前記利用料金を減少させるように前記変動金額を決定する
ことを特徴とする請求項6に記載のサーバ装置。
【請求項8】
出発地及び目的地を示す情報を含み、輸送サービスの利用を求める輸送要求を、ユーザ装置から受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記輸送要求に基づいて、前記出発地から前記目的地までの輸送についての基本料金を取得し、前記輸送サービスの利用開始後に前記目的地に到着する到着予定時間に基づいて、前記輸送要求による輸送サービスの利用料金を前記基本料金から変動させるための変動金額を決定する決定手段と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項9】
前記決定手段は更に、輸送体が前記到着予定時間より遅れて到着すると、前記利用料金を減少させるように前記変動金額を変動させる
ことを特徴とする請求項8に記載のサーバ装置。
【請求項10】
前記決定手段は更に、前記ユーザ装置から前記輸送要求を受信した時間帯に応じて、前記変動金額を変動させる
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項11】
前記決定手段は、前記出発地から前記目的地までの経路において複数の輸送サービスが順に利用される場合、当該複数の輸送サービスのそれぞれについて、前記基本料金を取得するとともに前記変動金額を決定する
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項12】
前記決定手段は、
前記出発地から前記目的地までそれぞれ異なる経路で1つ以上の輸送サービスを順に利用して輸送を行う複数の輸送パターンが存在する場合、当該複数の輸送パターンのそれぞれについて、当該輸送パターンに含まれる輸送サービスごとに前記基本料金を取得するとともに前記変動金額を決定し、
前記サーバ装置は、
前記複数の輸送パターンにそれぞれ対応する、前記基本料金及び前記変動金額に基づく前記利用料金を示す情報を前記ユーザ装置に送信することで、前記複数の輸送パターンのうちで利用する輸送パターンをユーザに確認し、前記ユーザ装置において前記ユーザが選択した輸送パターンを示す情報を前記ユーザ装置から受信する確認手段と、
前記選択された輸送パターンに従った輸送が完了した後に、当該輸送パターンに対応する前記利用料金の精算処理を行う処理手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項13】
前記決定手段は、前記輸送要求を受信した時間帯において、前記出発地及び前記目的地の少なくともいずれかから所定の距離範囲内に、前記輸送要求で要求された第1輸送サービスとは異なる第2輸送サービスのための輸送体への乗降が可能な場所が存在する場合に、複数の輸送パターンが存在すると判定する
ことを特徴とする請求項12に記載のサーバ装置。
【請求項14】
コンピュータを請求項1乃至13のいずれか1項に記載のサーバ装置として機能させるためのコンピュータプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の一態様の係るサーバ装置は、出発地及び目的地を示す情報を含み、輸送サービスの利用を求める輸送要求を、ユーザ装置から受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された前記輸送要求に基づいて、前記出発地から前記目的地までの輸送についての基本料金を取得し、前記目的地のエリアにおける前記輸送サービスの利用についての需要を示す需要情報に基づいて、前記輸送要求による輸送サービスの利用料金を前記基本料金から変動させるための変動金額を決定する決定手段と、を備えることを特徴とする。
【手続補正書】
【提出日】2022-04-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地及び目的地を示す情報を含み、輸送サービスの利用を求める輸送要求を、ユーザ装置から受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記輸送要求に基づいて、前記出発地から前記目的地までの輸送についての基本料金を取得し、前記目的地のエリアにおける前記輸送サービスの利用についての需要を示す需要情報に基づいて、前記輸送要求による輸送サービスの利用料金を前記基本料金から変動させるための変動金額を決定する決定手段と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記決定手段は、前記需要情報が示す需要が低いほど前記利用料金を減少させるように前記変動金額を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記需要情報は、前記エリア内の各輸送体が利用されない時間の平均値、又は前記エリア内の各輸送体の利用時間の平均値に基づいて求められる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記需要情報は、前記ユーザ装置から前記輸送要求を受信してから前記輸送要求に基づく前記輸送サービスの利用開始までに要する時間の平均値に基づいて求められる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記需要情報は、前記エリア内で運行されている輸送体の数及び利用率に基づいて求められる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記決定手段は更に、前記ユーザ装置から前記輸送要求を受信した時間帯に応じて、前記変動金額を変動させる
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記決定手段は、前記出発地から前記目的地までの経路において複数の輸送サービスが順に利用される場合、当該複数の輸送サービスのそれぞれについて、前記基本料金を取得するとともに前記変動金額を決定する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項8】
前記決定手段は、
前記出発地から前記目的地までそれぞれ異なる経路で1つ以上の輸送サービスを順に利用して輸送を行う複数の輸送パターンが存在する場合、当該複数の輸送パターンのそれぞれについて、当該輸送パターンに含まれる輸送サービスごとに前記基本料金を取得するとともに前記変動金額を決定し、
前記サーバ装置は、
前記複数の輸送パターンにそれぞれ対応する、前記基本料金及び前記変動金額に基づく前記利用料金を示す情報を前記ユーザ装置に送信することで、前記複数の輸送パターンのうちで利用する輸送パターンをユーザに確認し、前記ユーザ装置において前記ユーザが選択した輸送パターンを示す情報を前記ユーザ装置から受信する確認手段と、
前記選択された輸送パターンに従った輸送が完了した後に、当該輸送パターンに対応する前記利用料金の精算処理を行う処理手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項9】
前記決定手段は、前記輸送要求を受信した時間帯において、前記出発地及び前記目的地の少なくともいずれかから所定の距離範囲内に、前記輸送要求で要求された第1輸送サービスとは異なる第2輸送サービスのための輸送体への乗降が可能な場所が存在する場合に、複数の輸送パターンが存在すると判定する
ことを特徴とする請求項8に記載のサーバ装置。
【請求項10】
コンピュータを請求項1乃至9のいずれか1項に記載のサーバ装置として機能させるためのコンピュータプログラム。