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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022157499
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】無線通信装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/38 20150101AFI20221006BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20221006BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
H04B1/38
G03G15/00 680
B41J29/00 C
B41J29/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021061759
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】森 崇人
【テーマコード(参考)】
2C061
2H171
5K011
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061CG02
2C061CG12
2C061CG13
2C061CG15
2H171FA05
2H171GA31
2H171MA02
2H171MA05
2H171MA11
2H171MA18
5K011AA05
5K011AA16
5K011DA29
5K011JA12
5K011KA11
(57)【要約】
【課題】ユーザが、メイン基板のコネクタから無線通信基板のコネクタを抜いた際、無線通信基板のグランド端子にグランドが接続されない状態で、メイン基板側から無線通信基板側に電圧が供給されてしまうことを防止する。
【解決手段】制御部(854)は、検知端子(851)、第1端子(811)、第2端子(812)、接地端子(852)を介して、プルアップ抵抗(857)からグランド(GND)へ流れる電流を検知する状態から電流が流れなくなることを検知すると、出力端子(853)への電圧供給を停止する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メイン基板と無線通信基板とを備え、前記メイン基板と前記無線通信基板とが着脱可能な無線通信装置であって、
前記メイン基板は、検知端子、接地端子及び出力端子を有する第1コネクタと、前記検知端子に向けて電流を流す電流部と、前記接地端子に配線されたグランド部と、前記出力端子に向けて電圧を供給する電源部と、制御部とを備え、
前記無線通信基板は、前記検知端子と接続可能な第1端子、前記接地端子と接続可能な第2端子及び前記出力端子と接続可能な入力端子を有する第2コネクタを備え、
前記第1端子と前記第2端子とは電気的に繋がれており、
前記制御部は、前記検知端子、前記第1端子、前記第2端子及び前記接地端子を介して、前記電流部から前記グランド部へ流れる電流を検知する状態から前記電流が流れなくなることを検知すると、前記電源部による前記出力端子への電圧供給を停止することを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
メイン基板とサブ基板と無線通信基板とを備え、前記サブ基板を介して、前記メイン基板と前記無線通信基板とが着脱可能な無線通信装置であって、
前記メイン基板は、検知端子、接地端子及び出力端子を有する第1コネクタと、前記検知端子に向けて電流を流す電流部と、前記接地端子に配線されたグランド部と、前記出力端子に向けて電圧を供給する電源部と、制御部とを備え、
前記無線通信基板は、第2コネクタを備え、
前記サブ基板は、前記検知端子と接続可能である第1サブ端子、前記接地端子と接続可能である第2サブ端子及び前記出力端子と接続可能である第3サブ端子を有する第1サブコネクタと、前記無線通信基板の前記第2コネクタと連結されている第2サブコネクタとを備え、
前記第1サブ端子と前記第2サブ端子とは電気的に繋がれており、
前記制御部は、前記検知端子、前記第1サブ端子、前記第2サブ端子及び前記接地端子を介して、前記電流部から前記グランド部へ流れる電流を検知している状態から前記電流が流れなくなることを検知すると、前記電源部による前記出力端子への電圧供給を停止することを特徴とする無線通信装置。
【請求項3】
前記第1サブコネクタを除いて、前記サブ基板と前記無線通信基板とを覆うホルダを更に備え、
前記ホルダは、前記第1コネクタへの前記第1サブコネクタの挿入、及び前記第1コネクタからの前記第1サブコネクタの抜去により、前記メイン基板と着脱可能であることを特徴とする請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記電流が流れなくなることを検知した際、前記メイン基板と前記無線通信基板との間で信号を送受信する信号線を介して前記メイン基板から前記無線通信基板へ送信される信号の出力を停止することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記メイン基板は、前記無線通信基板への電圧供給及び前記信号線をプルアップするためのプルアップ抵抗への電圧供給を制御する切替素子を更に有し、
前記制御部は、前記電流が流れなくなることを検知した際、前記切替素子をオフすることにより、前記無線通信基板への電圧供給及び前記プルアップ抵抗への電圧供給を停止することを特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記無線通信基板の前記第2コネクタの上面視において、
前記第2コネクタの形状は矩形形状であり、
前記第1端子と前記第2端子とは、前記矩形形状の対角に位置する2つの角部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記サブ基板の前記第1サブコネクタの上面視において、
前記第1サブコネクタの形状は矩形形状であり、
前記第1サブ端子と前記第2サブ端子とは、前記矩形形状の対角に位置する2つの角部に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項8】
メイン基板と無線通信基板とを備え、前記メイン基板と前記無線通信基板とが着脱可能な無線通信装置であって、
前記メイン基板は、検知端子、接地端子及び出力端子を有する第1コネクタと、前記検知端子に向けて電流を流す電流部と、前記接地端子に配線されたグランド部と、前記出力端子に向けて電圧を供給する電源部とを備え、
前記無線通信基板は、前記検知端子と接続可能な第1端子、前記接地端子と接続可能な第2端子及び前記出力端子と接続可能な入力端子を有する第2コネクタを備え、
前記第1端子と前記第2端子とは電気的に繋がれていることを特徴とする無線通信装置。
【請求項9】
メイン基板とサブ基板と無線通信基板とを備え、前記サブ基板を介して、前記メイン基板と前記無線通信基板とが着脱可能な無線通信装置であって、
前記メイン基板は、検知端子、接地端子及び出力端子を有する第1コネクタと、前記検知端子に向けて電流を流す電流部と、前記接地端子に配線されたグランド部と、前記出力端子に向けて電圧を供給する電源部とを備え、
前記無線通信基板は、第2コネクタを備え、
前記サブ基板は、前記検知端子と接続可能である第1サブ端子、前記接地端子と接続可能である第2サブ端子及び前記出力端子と接続可能である第3サブ端子を有する第1サブコネクタと、前記無線通信基板の前記第2コネクタと連結されている第2サブコネクタとを備え、
前記第1サブ端子と前記第2サブ端子とは電気的に繋がれていることを特徴とする無線通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、無線通信用の回路基板を取り付け可能な本体側基板が設けられている画像形成装置が記載されている。
【0003】
特許文献1の画像形成装置では、本体側基板及び無線通信用の回路基板の各々にはコネクタが設けられている。ユーザは、無線通信用の回路基板のコネクタを本体側基板のコネクタに挿し込むことで無線通信用の回路基板を本体側基板に取り付けることができる。また、ユーザは、無線通信用の回路基板のコネクタを本体側基板のコネクタから抜くことで電装部品を本体側基板から取り外すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-158446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のように、無線通信基板をメイン基板に取り付ける場合、お互いのコネクタには、それぞれ、電源端子とグランド端子とが設けられる。コネクタ同士が連結されると、お互いの電源端子同士、及びお互いのグランド端子同士が、それぞれ電気的に接続される。
【0006】
ところで、メイン基板のコネクタと無線通信基板のコネクタとの着脱は、ユーザの手によって行われる。このため、ユーザが、基板のコネクタから部品のコネクタを抜く際に、その抜き方によっては、電源端子同士が電気的に接続されたまま、グランド端子同士が電源端子同士よりも先に離れてしまう。この場合、無線通信基板のグランド端子にグランドが接続されなくなり、無線通信基板のグランド端子の電位が電気的に浮いたまま、基板側から無線通信基板に電圧が供給されてしまうおそれがあった。
【0007】
本発明の一態様は、ユーザが、メイン基板のコネクタから無線通信基板のコネクタを抜いた際、無線通信基板のグランド端子にグランドが接続されない状態で、メイン基板側から無線通信基板側に電圧が供給されてしまうことを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る無線通信装置は、メイン基板と無線通信基板とを備え、前記メイン基板と前記無線通信基板とが着脱可能な無線通信装置であって、前記メイン基板は、検知端子、接地端子及び出力端子を有する第1コネクタと、前記検知端子に向けて電流を流す電流部と、前記接地端子に配線されたグランド部と、前記出力端子に向けて電圧を供給する電源部と、制御部とを備え、前記無線通信基板は、前記検知端子と接続可能な第1端子、前記接地端子と接続可能な第2端子及び前記出力端子と接続可能な入力端子を有する第2コネクタを備え、前記第1端子と前記第2端子とは電気的に繋がれており、前記制御部は、前記検知端子、前記第1端子、前記第2端子及び前記接地端子を介して、前記電流部から前記グランド部へ流れる電流を検知する状態から前記電流が流れなくなることを検知すると、前記電源部による前記出力端子への電圧供給を停止する。
【0009】
上記の構成によれば、第1コネクタと第2コネクタとが連結された場合において、電流部が検知端子に向けて流した電流は、検知端子から、検知端子に接続された第1端子と、第1端子に配線を介して繋がれた第2端子と、第2端子に接続された接地端子とを経由して、グランド部へ流れ込むことになる。
【0010】
また、上記の構成によれば、第1コネクタと連結された第2コネクタが第1コネクタから抜かれる場合において、検知端子に接続されていた第1端子が検知端子から離れる、及び/又は、接地端子に接続されていた第2端子が接地端子から離れると、電流部、検知端子、第1端子、第2端子、接地端子、グランド部、の順に電流は流れなくなる。
【0011】
したがって、上記の構成によれば、制御部は、電流部が検知端子に向けて流した電流が流れなくなることを検知することによって、ユーザが、メイン基板の第1コネクタから無線通信基板の第2コネクタを抜いた際、無線通信基板の第2端子にグランド部に接続されない状態で、メイン基板の出力端子から無線通信基板の入力端子に電圧が供給されてしまうことを防止することができる。
【0012】
本発明の一態様に係る無線通信装置は、メイン基板とサブ基板と無線通信基板とを備え、前記サブ基板を介して、前記メイン基板と前記無線通信基板とが着脱可能な無線通信装置であって、前記メイン基板は、検知端子、接地端子及び出力端子を有する第1コネクタと、前記検知端子に向けて電流を流す電流部と、前記接地端子に配線されたグランド部と、前記出力端子に向けて電圧を供給する電源部と、制御部とを備え、前記無線通信基板は、第2コネクタを備え、前記サブ基板は、前記検知端子と接続可能である第1サブ端子、前記接地端子と接続可能である第2サブ端子及び前記出力端子と接続可能である第3サブ端子を有する第1サブコネクタと、前記無線通信基板の前記第2コネクタと連結されている第2サブコネクタとを備え、前記第1サブ端子と前記第2サブ端子とは電気的に繋がれており、前記制御部は、前記検知端子、前記第1サブ端子、前記第2サブ端子及び前記接地端子を介して、前記電流部から前記グランド部へ流れる電流を検知している状態から前記電流が流れなくなることを検知すると、前記電源部による前記出力端子への電圧供給を停止する。
【0013】
上記の構成によれば、メイン基板の第1コネクタと連結可能な第1サブコネクタと無線通信基板の第2コネクタと連結可能な第2サブコネクタとを設けたサブ基板を介して、メイン基板の第1コネクタと無線通信基板の第2コネクタとを連結した場合でも、上記態様と同様の効果を奏することができる。
【0014】
前記第1サブコネクタを除いて、前記サブ基板と前記無線通信基板とを覆うホルダを更に備え、前記ホルダは、前記第1コネクタへの前記第1サブコネクタの挿入、及び前記第1コネクタからの前記第1サブコネクタの抜去により、前記メイン基板と着脱可能であってもよい。
【0015】
上記の構成によれば、ホルダは、第1サブコネクタを除き、サブ基板と無線通信基板とを覆っている。それゆえ、上記の構成によれば、第1コネクタへ第1サブコネクタを挿入したり、第1コネクタから第1サブコネクタを抜いたりすることで、ホルダをメイン基板と着脱可能とすることができる。
【0016】
前記制御部は、前記電流が流れなくなることを検知した際、前記メイン基板と前記無線通信基板との間で信号を送受信する信号線を介して前記メイン基板から前記無線通信基板へ送信される信号の出力を停止するようにしてもよい。
【0017】
上記の構成によれば、無線通信基板にグランド部が接続されない状態のまま、メイン基板から無線通信基板に信号が送信されてしまうことを防止することができる。すなわち、上記の構成によれば、信号線を介してメイン基板から無線通信基板に電圧が供給されてしまうことを更に防止することができる。
【0018】
前記メイン基板は、前記無線通信基板への電圧供給及び前記信号線をプルアップするためのプルアップ抵抗への電圧供給を制御する切替素子を更に有し、前記制御部は、前記電流が流れなくなることを検知した際、前記切替素子をオフすることにより、前記無線通信基板への電圧供給及び前記プルアップ抵抗への電圧供給を停止するようにしてもよい。
【0019】
上記の構成によれば、切替素子をオフすることにより、無線通信基板への電圧供給及びプルアップ抵抗への電圧供給を停止することができる。
【0020】
前記無線通信基板の前記第2コネクタの上面視において、前記第2コネクタの形状は矩形形状であり、前記第1端子と前記第2端子とは、前記矩形形状の対角に位置する2つの角部に配置されてもよい。
【0021】
上記の構成によれば、第1端子と第2端子とが、第2コネクタの矩形形状の対角に位置する2つの角部に配置されるので、無線通信基板の第2コネクタがメイン基板の第1コネクタから抜かれる際、第1端子または第2端子のいずれかが入力端子よりも後に離れることになる。
【0022】
前記サブ基板の前記第1サブコネクタの上面視において、前記第1サブコネクタの形状は矩形形状であり、前記第1サブ端子と前記第2サブ端子とは、前記矩形形状の対角に位置する2つの角部に配置されていてもよい。
【0023】
上記の構成によれば、第1サブ端子と第2サブ端子とが、第1サブコネクタの矩形形状の対角に位置する2つの角部に配置されるので、サブ基板の第1サブコネクタがメイン基板の第1コネクタから抜かれる際、第1サブ端子または第2サブ端子のいずれかが第3サブ端子よりも後に離れることになる。
【0024】
本発明の一態様に係る無線通信装置は、メイン基板と無線通信基板とを備え、前記メイン基板と前記無線通信基板とが着脱可能な無線通信装置であって、前記メイン基板は、検知端子、接地端子及び出力端子を有する第1コネクタと、前記検知端子に向けて電流を流す電流部と、前記接地端子に配線されたグランド部と、前記出力端子に向けて電圧を供給する電源部とを備え、前記無線通信基板は、前記検知端子と接続可能な第1端子、前記接地端子と接続可能な第2端子及び前記出力端子と接続可能な入力端子を有する第2コネクタを備え、前記第1端子と前記第2端子とは電気的に繋がれている。
【0025】
上記の構成によれば、第1コネクタと第2コネクタとが連結された場合において、電流部が検知端子に向けて流した電流は、検知端子から、検知端子に接続された第1端子と、第1端子に配線を介して繋がれた第2端子と、第2端子に接続された接地端子とを経由して、グランド部へ流れ込むことになる。
【0026】
また、上記の構成によれば、第1コネクタと連結された第2コネクタが第1コネクタから抜かれる場合において、検知端子に接続されていた第1端子が検知端子から離れる、及び/又は、接地端子に接続されていた第2端子が接地端子から離れると、電流部、検知端子、第1端子、第2端子、接地端子、グランド部、の順に電流は流れなくなる。
【0027】
本発明の一態様に係る無線通信装置は、メイン基板とサブ基板と無線通信基板とを備え、前記サブ基板を介して、前記メイン基板と前記無線通信基板とが着脱可能な無線通信装置であって、前記メイン基板は、検知端子、接地端子及び出力端子を有する第1コネクタと、前記検知端子に向けて電流を流す電流部と、前記接地端子に配線されたグランド部と、前記出力端子に向けて電圧を供給する電源部とを備え、前記無線通信基板は、第2コネクタを備え、前記サブ基板は、前記検知端子と接続可能である第1サブ端子、前記接地端子と接続可能である第2サブ端子及び前記出力端子と接続可能である第3サブ端子を有する第1サブコネクタと、前記無線通信基板の前記第2コネクタと連結されている第2サブコネクタとを備え、前記第1サブ端子と前記第2サブ端子とは電気的に繋がれている。
【0028】
上記の構成によれば、メイン基板の第1コネクタと連結可能な第1サブコネクタと無線通信基板の第2コネクタと連結可能な第2サブコネクタとを設けたサブ基板を介して、メイン基板の第1コネクタと無線通信基板の第2コネクタとを連結した場合でも、上記態様と同様の効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の一態様によれば、ユーザが、メイン基板のコネクタから無線通信基板のコネクタを抜いた際、無線通信基板のグランド端子にグランドが接続されない状態で、メイン基板側から無線通信基板側に電圧が供給されてしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の実施形態1に係る画像形成装置を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態1に係る画像形成装置を示す右側面図である。
図3】メイン基板に対するホルダ、無線通信基板、及び、サブ基板の取り付け状況を示す斜視図である。
図4図3に示した、ホルダ、無線通信基板、及び、サブ基板の取り付け状況を画像形成装置の左側から見た斜視図である。
図5】メイン基板、サブ基板、及び、無線通信基板の各コネクタ同士の接続構造を示す断面図である。
図6】本発明の実施形態1に係る画像形成装置の構成例を示す図である。
図7】本発明の実施形態1に係る画像形成装置の処理手順を説明するためのフローチャートである。
図8】サブ基板の第1基板面及び第2基板面を示す平面図である。
図9】本発明の実施形態2に係るメイン基板、及び、無線通信基板の各コネクタ同士の接続構造を示す断面図である。
図10】本発明の実施形態2に係る画像形成装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
[実施形態1]
以下、本発明の特徴的構成の説明をする前に、本発明の理解のため、まず本発明の実施形態1に係る画像形成装置1の構成について説明する。
【0032】
<画像形成装置1の構成>
図1は、本発明の実施形態1に係る画像形成装置1を示す斜視図である。図2は、画像形成装置1を示す右側面図である。画像形成装置1は、本発明に係る無線通信装置の一例である。
【0033】
以下の説明では、図1における右下側を画像形成装置1の前側、図1における左上側を画像形成装置1の後側と規定し、図1における右上側を画像形成装置1の左側、図1における左下側を画像形成装置1の右側と規定する。また、図1における上側及び下側を、それぞれ画像形成装置1の上側及び下側と規定する。
【0034】
画像形成装置1は、装置本体2を備えている。装置本体2は、図示しない給紙部、画像形成部、排出部、再搬送部、モータ等を収容する筐体である。装置本体2は、図1及び図2に示すように、前面カバー20、後面カバー21、右側面カバー22、左側面カバー23、上面カバー24、及び上端カバー25により構成されている。
【0035】
画像形成装置1は、メイン基板85とホルダ82と開閉カバー83を備えている。メイン基板85は、右側面カバー22の裏側に配置され、画像形成装置1の各部を制御する制御基板である。ホルダ82は、無線通信基板81とサブ基板86とを保持する。画像形成装置1は、開閉カバー83が開いた状態で、ユーザは、メイン基板85からホルダ82を取り外し可能に構成されている。
【0036】
無線通信基板81は、スマートフォン等の外部端末と電波により通信し、無線LANによる無線通信を実現する基板である。なお、本実施形態において、無線通信基板81は、無線LAN用の基板である場合を例示しているが、その他の通信規格による無線通信を実現する基板であってもよく、例えば、NFC(Near Field Communication)用の基板やBluetooth(登録商標)用の基板等であってもよい。
【0037】
図3は、メイン基板85に対するホルダ82、無線通信基板81、及び、サブ基板86の取り付け状況を示す斜視図である。図4は、図3に示した、ホルダ82が、無線通信基板81、及び、サブ基板86を保持する状況を示した斜視図である。
【0038】
(無線通信基板81)
図3に示すように、無線通信基板81は、第2コネクタ81aと、無線通信を行うアンテナ81bとを備えている。第2コネクタ81aは、サブ基板86に設けられる第2サブコネクタ86bに接続するコネクタであり、サブ基板86に対して着脱可能に構成されている。アンテナ81bは、無線通信基板81から電波を送信するとともに、電波を受信するためのアンテナ素子である。
【0039】
また、図4に示すように、無線通信基板81は、無線通信モジュール81cを更に備えている。無線通信モジュール81cは、アンテナ81bが受信した信号を、メイン基板85に送信したり、メイン基板85からの命令に基づいて、電波を送信するようにアンテナ81bに指示する役割を有している。
【0040】
(メイン基板85)
メイン基板85は、第1コネクタ85aと開口部85bとを備えている。第1コネクタ85aは、サブ基板86に設けられる第1サブコネクタ86aに接続するコネクタである。第1コネクタ85aは、ホルダ82によって保持されたサブ基板86が着脱可能に構成されている。第1コネクタ85aは、凹形状のコネクタ形状である。開口部85bは、メイン基板85に対してホルダ82を位置決めするために用いられる孔部である。開口部85bの孔径は、ホルダ82の突出部82fの外形よりも若干大きく、突出部82fが挿通可能な寸法としている。
【0041】
(サブ基板86)
図3に示すように、サブ基板86は、メイン基板85と、無線通信基板81との間に介在する基板である。サブ基板86は、無線通信基板81の第2コネクタ81aのオス端子のピン形状を、メイン基板85の第1コネクタ85aの凹形状に嵌め合わせるようにするために、凸形状の第1サブコネクタ86aに変換するための基板である。
【0042】
(ホルダ82)
図3及び図4に示すように、ホルダ82は、サブ基板86の第1サブコネクタ86aを除いて、サブ基板86と無線通信基板81とを覆う。無線通信基板81とサブ基板86とが、ホルダ82によって保持されている状態で、無線通信基板81とサブ基板86とがメイン基板85に取り付けられている。サブ基板86の第1サブコネクタ86aとメイン基板85の第1コネクタ85aとが接続する。
【0043】
メイン基板85にホルダ82が取り付けられる場合、ホルダ82の突出部82fが開口部85bに挿通されるとともに、メイン基板85の第1コネクタ85aとサブ基板86の第1サブコネクタ86aとが接続される。
【0044】
ホルダ82は、第1ユニット82aと第2ユニット82bとから構成される。第1ユニット82aと第2ユニット82bとは互いに嵌合し、一体化する。
【0045】
(メイン基板85、サブ基板86、及び、無線通信基板81の着脱構造)
図5は、メイン基板85、サブ基板86、及び、無線通信基板81の各コネクタ同士の着脱構造を示す断面図である。図5左図は、各基板の各コネクタ同士が取り外された状態を示す。図5右図は、各基板の各コネクタ同士が取り付けられた状態を示す。
【0046】
図5に示すように、メイン基板85の基板面85cには、第1コネクタ85aが設置されている。サブ基板86の第1基板面86iには、第1サブコネクタ86aが設置され、第1基板面86iの裏面である第2基板面86jには、第2サブコネクタ86bが設置されている。
【0047】
第1サブコネクタ86aは、サブ基板86の第1基板面86iとメイン基板85の基板面85cとが平行になるようにメイン基板85の第1コネクタ85aと連結する。第2サブコネクタ86bは、サブ基板86の第2基板面86jと無線通信基板81の基板面81dとが平行になるように無線通信基板81の第2コネクタ81aと連結する。
【0048】
メイン基板85は、第1コネクタ85a、第1サブコネクタ86a、第2サブコネクタ86b、第2コネクタ81aを介して、無線通信モジュール81cに電気的に接続されている。メイン基板85は、後述するように無線通信基板81に、第1コネクタ85a、第1サブコネクタ86a、第2サブコネクタ86b、第2コネクタ81aを介して電源電圧を供給することができ、無線通信モジュール81cとの信号の送受信、命令の伝達などを行うことができる。
【0049】
図1及び図2に示したとおり、画像形成装置1は、右側面カバー22の側面22aに形成された開口部22bを塞ぐ開閉カバー83を備えている。画像形成装置1は、開閉カバー83が開いた状態で、ユーザがメイン基板85からホルダ82を取り外し可能となるようになっている。上述のとおり、サブ基板86の第1サブコネクタ86aの形状は、ピン形状ではなく、凸形状である。また、メイン基板85の第1コネクタ85aは、凹形状である。このため、サブ基板86の第1サブコネクタ86aをメイン基板85の第1コネクタ85aに嵌め込み易いので、ユーザは、ホルダ82のメイン基板85への取り付け及び取り外しを容易に行うことができる。
【0050】
画像形成装置1の電源がオンしている場合に、ユーザによって開閉カバー83が開放され、ホルダ82がメイン基板85から取り外される可能性がある。画像形成装置1の電源オン中に、ユーザがホルダ82をメイン基板85から取り外されてしまう場合、ホルダ82がメイン基板85から取り外される向きによっては、ホルダ82内のサブ基板86の第1サブコネクタ86aが、メイン基板85の第1コネクタ85aに対して傾きながら抜けてしまう場合がある。
【0051】
この場合、第1サブコネクタ86aと第1コネクタ85aとの間において、各々の電源端子同士が電気的に接続されたまま、各々のグランド端子同士が電源端子同士よりも先に離れてしまう場合がある。無線通信モジュール81cとメイン基板85とがグランドが接続されない状態で、メイン基板85から無線通信基板81に対して、第1サブコネクタ86aと第1コネクタ85a等を介して電源電圧が供給されると、無線通信基板81、すなわち、無線通信モジュール81cに高い電源電圧が供給され、無線通信モジュール81cが破損する恐れがあった。
【0052】
そこで、無線通信基板81のグランド端子にグランドが接続されなくなると、メイン基板85から無線通信基板81への電圧供給を停止することができる画像形成装置1の構成について詳細に説明する。
【0053】
(無線通信基板81、サブ基板86及びメイン基板85の構成例)
図6は、画像形成装置1の構成例を示す図である。メイン基板85の第1コネクタ85aには、検知端子851と、接地端子852と、出力端子853とが設けられている。また、サブ基板86の第1サブコネクタ86aには、第1サブ端子861と、第2サブ端子862と、第3サブ端子863とが設けられている。SDIO(Serial Data Input Output)信号線,CMD(Command)信号線からの信号を送受信する複数の端子が、第1コネクタ85aと第1サブコネクタ86aにはそれぞれ設けられている。
【0054】
メイン基板85にホルダ82が取り付けられ、メイン基板85の第1コネクタ85aと、サブ基板86の第1サブコネクタ86aとが接続されていると、検知端子851と第1サブ端子861とが接続され、接地端子852と第2サブ端子862とが接続され、出力端子853と第3サブ端子863とが接続される。
【0055】
また、無線通信基板81の第2コネクタ81aには、第2端子812と、入力端子813とが設けられている。また、サブ基板86の第2サブコネクタ86bには、第4サブ端子864と、第5サブ端子865とが設けられている。
【0056】
無線通信基板81の第2コネクタ81aと、サブ基板86の第2サブコネクタ86bとは接続されており、第2端子812と第4サブ端子864とが接続され、入力端子813と第5サブ端子865とが接続される。SDIO信号線,CMD信号線からの信号を送受信する複数の端子が、第2コネクタ81aと第2サブコネクタ86bにはそれぞれ設けられている。
【0057】
メイン基板85は、制御部854と、トランジスタ855と、4つのプルアップ抵抗856と、プルアップ抵抗857と、抵抗858とを備える。また、制御部854は、電源制御部854aと、検知部854bとを備える。トランジスタ855は、切替素子の一例である。
【0058】
サブ基板86は、多層のプリント基板であって、中間層は金属層が形成されている。第1サブ端子861及び第2サブ端子862は、それぞれサブ基板86の金属層に向けて接続されている。第1サブ端子861と、第2サブ端子862とがサブ基板86の金属層を経由して電気的に接続されている。
【0059】
サブ基板86の第1基板面86i(図8参照)と第2基板面86j(図8参照)を繋ぐスルーホール86gを経由して、第2サブ端子862と第4サブ端子864は、電気的に接続されている。
【0060】
第1コネクタ85aと、第1サブコネクタ86aとが接続されていない場合、プルアップ抵抗857によって検知部854bにハイレベル(以下、Hレベルと呼ぶ。)が入力される。また、第1コネクタ85aと、第1サブコネクタ86aとが接続されている場合、検知端子851、第1サブ端子861、第2サブ端子862、接地端子852を介してグランド(GND)に電流が流れるため、検知部854bにロウレベル(以下、Lレベルと呼ぶ。)が入力される。
【0061】
検知部854bにHレベルが入力されている場合、検知端子851と第1サブ端子861、または、接地端子852と第2サブ端子862、とが接続されていないため、検知部854bは、電源電圧の供給を停止するように電源制御部854aに指示する。また、検知部854bにLレベルが入力されている場合、検知端子851と第1サブ端子861とが接続され、接地端子852と第2サブ端子862とが接続されているため、検知部854bは、電源電圧の供給を電源制御部854aに指示する。
【0062】
制御部854は、無線通信基板81に設けられるCPU(Central Processing Unit)814を制御するためのSDIO信号線、及びCMD信号線を有しており、それぞれの信号線がプルアップ抵抗856によってプルアップされている。なお、CPU814は、無線通信モジュール81cに含まれる。
【0063】
無線通信基板81の第2端子812、サブ基板86の第4サブ端子864、第1基板面86iと第2基板面86jを繋ぐスルーホール86g、第2サブ端子862、メイン基板85の接地端子852を経由して、CPU814のグランドは、メイン基板85のグランド(GND)に接続される。また、CPU814を含む無線通信モジュール81cは、出力端子853、第3サブ端子863、第5サブ端子865,入力端子813を経由して、メイン基板85からの電源電圧の供給が行われることになる。
【0064】
制御部854において、SDIO信号線、及びCMD信号線に信号を出力する、図示しない出力回路は、オープンドレイン回路またはオープンコレクタ回路によって構成されており、Lレベルを出力するか、ハイインピーダンスとなるかの何れかである。出力回路がハイインピーダンスになると、プルアップ抵抗856によって信号がHレベルとなる。
【0065】
電源制御部854aは、検知部854bによって検知端子851と第1サブ端子861、または、接地端子852と第2サブ端子862、とが接続されていないことが検知されると、トランジスタ855をオフして無線通信基板81への電源電圧(+3.3V)の供給を停止する。このとき、プルアップ抵抗856への電源電圧の供給も停止される。これによって、無線通信基板81への電源電圧の供給を停止するときに、信号線に電圧が供給されることがなくなり、ラッチアップ等が発生しなくなる。なお、電源電圧は、メイン基板85の3.3V電源から供給される。
【0066】
また、電源制御部854aは、検知部854bによって検知端子851と第1サブ端子861とが接続され、接地端子852と第2サブ端子862とが接続されていることが検知されると、トランジスタ855をオンして無線通信基板81への電源電圧の供給を行う。このとき、プルアップ抵抗856への電源電圧の供給も行われる。
【0067】
<メイン基板85からホルダ82が取り外される場合の具体例>
例えば、メイン基板85からホルダ82が取り外される場合、すなわち、第1コネクタ85aから第1サブコネクタ86aが抜かれる場合、出力端子853と第3サブ端子863とが離れるよりも先に、検知端子851と第1サブ端子861、または、接地端子852と第2サブ端子862、とが離れると、プルアップ抵抗857からグランドに電流が流れなくなり、検知部854bは、Hレベルを検知する。
【0068】
電源制御部854aは、検知部854bによって検知端子851と第1サブ端子861、または、接地端子852と第2サブ端子862、とが接続されていないことが検知されると、トランジスタ855をオフして無線通信基板81への電源電圧の供給を停止する。このとき、プルアップ抵抗856への電源電圧の供給も停止される。
【0069】
図7は、画像形成装置1の処理手順を説明するためのフローチャートである。まず、制御部854は、第1コネクタ85aと接続された第1サブコネクタ86aが抜かれたか否かを、検知部854bにHレベル又はLレベルが入力されたかに基づいて決定する(S1)。
【0070】
制御部854は、第1コネクタ85aから第1サブコネクタ86aが抜かれていない場合(S1,No)、ステップS1の処理を繰り返す。
【0071】
また、第1サブコネクタ86aが第1コネクタ85aから抜かれた場合(S1,Yes)、制御部854は、電源制御部854aを用いて、トランジスタ855をオフして無線通信基板81及びプルアップ抵抗856への電源電圧の供給を停止をし(S2)、処理を終了する。
【0072】
以上のように、ユーザが、ホルダ82を介して、メイン基板85の第1コネクタ85aからサブ基板86の第1サブコネクタ86aを抜いた際、サブ基板86の第1サブ端子861または第2サブ端子862にグランドが接続されないまま、メイン基板85の出力端子853から無線通信基板81の入力端子813に電源電圧が供給されてしまうことを防止することができる。
【0073】
(第1サブ端子861及び第2サブ端子862の配置例)
図8は、サブ基板86の第1基板面86i及び第2基板面86jを示す平面図である。第1基板面86iは、図5に示したメイン基板85の基板面85cに対向する面である。第2基板面86jは、図5に示した無線通信基板81の基板面81dに対向する面である。図8左図は、第1基板面86iを示す。図8右図は、第2基板面86jを示す。
【0074】
図8左図に示した第1基板面86iからサブ基板86を見ると、サブ基板86のハッチングあり部分86mには、配線パターン86eが配置されている。第1サブコネクタ86aは、配線パターン86eと電気的に接続されている。
【0075】
一方、図8右図に示した第2基板面86jからサブ基板86を見ると、サブ基板86のハッチングあり部分86nには、配線パターン86fが配置されている。第2サブコネクタ86bは、配線パターン86fと電気的に接続されている。
【0076】
サブ基板86には、サブ基板86を貫通するスルーホール86gが設けられている。図8左図に示した配線パターン86eと図8右図に示した配線パターン86fとは、スルーホール86gを介して、電気的に接続されている。配線パターン86eと配線パターン86fとが電気的に接続されることにより、第1サブコネクタ86aと第2サブコネクタ86bとが電気的に接続される。
【0077】
図8左図に示すように、サブ基板86の第1サブコネクタ86aの上面視において、第1サブ端子861と、第2サブ端子862とが矩形形状の対角に位置する2つの角部に配置されている。
【0078】
このように、第1サブ端子861と第2サブ端子862とが、第1サブコネクタ86aの矩形形状の対角に位置する2つの角部に配置されるので、サブ基板86の第1サブコネクタ86aがメイン基板85の第1コネクタ85aから斜めから抜かれる際、第1サブ端子861または第2サブ端子862のいずれかが第3サブ端子863よりも後に離れることになる。
【0079】
[実施形態2]
以下、本発明の実施形態2について、詳細に説明する。上述したとおり、本実施形態では、ホルダ82によって保持された無線通信基板81がメイン基板85から着脱可能である構成、すなわちサブ基板86が無い場合の構成について説明する。
【0080】
(メイン基板85、及び、無線通信基板81の着脱構造)
図9は、メイン基板85、及び、無線通信基板81の各コネクタ同士の着脱構造を示す断面図である。図9左図は、各基板の各コネクタ同士が取り外された状態を示す。図9右図は、各基板の各コネクタ同士が取り付けられた状態を示す。
【0081】
図9に示すように、メイン基板85の基板面85cには、第1コネクタ859が設置されている。無線通信基板81の基板面81dには、第2コネクタ815が設置されている。なお、第1コネクタ859は、図5の第1コネクタ85aと同一の構成を有する。また、第2コネクタ815は、図5の第1サブコネクタ86aと同一の構成を有する。
【0082】
第2コネクタ815は、無線通信基板81の基板面81dとメイン基板85の基板面85cとが平行になるようにメイン基板85の第1コネクタ859と接続する。なお、「平行」とは、完全に平行になる場合だけでなく、平行に近い状態、例えば、平行な面から数度ずれているものも含むものとする。
【0083】
図10は、画像形成装置1Aの構成例を示す図である。なお、図10に示す画像形成装置1Aにおいては、図9に示したとおり、無線通信基板81とメイン基板85とが、サブ基板86を介さずに直接接続される構成である。メイン基板85の第1コネクタ859には、検知端子851と、接地端子852と、出力端子853とが設けられている。また、無線通信基板81の第2コネクタ815には、第1端子811と、第2端子812と、入力端子813とが設けられている。
【0084】
メイン基板85の第1コネクタ859と、無線通信基板81の第2コネクタ815とが接続されると、検知端子851と第1端子811とが接続され、接地端子852と第2端子812とが接続され、出力端子853と入力端子813とが接続される。
【0085】
メイン基板85は、第1実施形態と同様に、制御部854と、トランジスタ855と、4つのプルアップ抵抗856と、プルアップ抵抗857と、抵抗858とを備える。また、制御部854は、電源制御部854aと、検知部854bとを備える。
【0086】
無線通信基板81において、第1端子811と、第2端子812とが無線通信基板81上に配置された配線によって電気的に接続されている。無線通信基板81は、多層のプリント基板であって、中間層は金属層が形成されている。第1端子811及び第2端子812は、それぞれ無線通信基板81の金属層に向けて接続されている。第1端子811と、第2端子812とが無線通信基板81の金属層を経由して電気的に接続されている。
【0087】
無線通信基板81の第2端子812、メイン基板85の接地端子852を経由して、CPU814のグランドは、メイン基板85のグランド(GND)に接続される。また、CPU814を含む無線通信モジュール81cは、出力端子853、入力端子813を経由してメイン基板85からの電源電圧の供給が行われることになる。
【0088】
第1コネクタ859と、第2コネクタ815とが接続されていない場合、プルアップ抵抗857によって検知部854bにHレベルが入力される。また、第1コネクタ859と、第2コネクタ815とが連結されている場合、検知端子851、第1端子811、第2端子812、接地端子852を介してグランド(GND)に電流が流れるため、検知部854bにLレベルが入力される。プルアップ抵抗857は、電流部の一例である。グランド(GND)は、グランド部の一例である。
【0089】
検知部854bにHレベルが入力されている場合、検知端子851と第1端子811、または、接地端子852と第2端子812、とが接続されていないため、検知部854bは、電源電圧の供給を停止するように電源制御部854aに指示する。また、検知部854bにLレベルが入力されている場合、検知端子851と第1端子811とが接続され、接地端子852と第2端子812とが接続されているため、検知部854bは、電源電圧の供給を電源制御部854aに指示する。
【0090】
制御部854は、無線通信基板81に設けられるCPU814を制御するためのSDIO信号線、及びCMD信号線を有しており、それぞれの信号線がプルアップ抵抗856によってプルアップされている。なお、CPU814は、無線通信モジュール81cに含まれる。
【0091】
制御部854において、SDIO信号線、及びCMD信号線に信号を出力する、図示しない出力回路は、オープンドレイン回路またはオープンコレクタ回路によって構成されており、Lレベルを出力するか、ハイインピーダンスとなるかの何れかである。出力回路がハイインピーダンスになると、プルアップ抵抗856によって信号がHレベルとなる。
【0092】
電源制御部854aは、検知部854bによって検知端子851と第1端子811、または、接地端子852と第2端子812、とが接続されていないことが検知されると、トランジスタ855をオフして無線通信基板81への電源電圧(+3.3V)の供給を停止する。このとき、プルアップ抵抗856への電源電圧の供給も停止される。これによって、無線通信基板81への電圧供給が停止するときに、信号線に電圧が供給されることがなくなり、ラッチアップ等が発生しなくなる。なお、電源電圧は、図示しない電源部から供給される。
【0093】
また、電源制御部854aは、検知部854bによって検知端子851と第1端子811とが接続され、接地端子852と第2端子812とが接続されていることが検知されると、トランジスタ855をオンして無線通信基板81への電源電圧の供給を行う。このとき、プルアップ抵抗856への電源電圧の供給も行われる。
【0094】
第1コネクタ859と、第2コネクタ815とが連結されている場合、無線通信基板81への電源電圧の供給が行われることになるが、例えば、第1コネクタ859と連結された第2コネクタ815が抜かれる場合、出力端子853と入力端子813とが離れるよりも先に、検知端子851と第1端子811、または、接地端子852と第2端子812、とが離れると、プルアップ抵抗857からグランドに電流が流れなくなり、検知部854bは、Hレベルを検知する。
【0095】
電源制御部854aは、検知部854bによって検知端子851と第1端子811、または、接地端子852と第2端子812、とが接続されていないことが検知されると、トランジスタ855をオフして無線通信基板81への電源電圧の供給を停止する。このとき、プルアップ抵抗856への電源電圧の供給も停止される。
【0096】
以上のように、ユーザが、メイン基板85の第1コネクタ859から無線通信基板81の第2コネクタ815を抜いた際、無線通信基板81の第1端子811または第2端子812にグランドが接続されないまま、メイン基板85の出力端子853から無線通信基板81の入力端子813に電圧が供給されてしまうことを防止することができる。
【0097】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる構成についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0098】
1,1A 画像形成装置
81 無線通信基板
81a,815 第2コネクタ
81b アンテナ
81c 無線通信モジュール
81d 基板面
82 ホルダ
85 メイン基板
85a,859 第1コネクタ
86 サブ基板
86a 第1サブコネクタ
86b 第2サブコネクタ
814 CPU
854 制御部
854a 電源制御部
854b 検知部
855 トランジスタ
856,857 プルアップ抵抗
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10