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特開2022-157577データ編集装置、及び編集プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022157577
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】データ編集装置、及び編集プログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/325 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
B41J2/325 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021061871
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】八田 直久
【テーマコード(参考)】
2C065
【Fターム(参考)】
2C065AA01
2C065AD07
2C065DA07
2C065DA22
2C065DA36
(57)【要約】
【課題】ユーザにとって利便性の高い印刷データを表示できるデータ編集装置、及び編集プログラムを提供する。
【解決手段】印刷システムの制御部は、印刷データに基づき複数回に亘って印刷が実行される場合、一回の印刷で使用されるインクリボンの単位印刷領域の幅方向の寸法であるオフセット幅と、インクリボンの幅方向において、単位印刷領域が並ぶ個数であるカラム数に関する情報とを取得する(S1)。制御部は、インクリボンの単位印刷領域を使用して、一回の印刷で被印字物に印刷するオブジェクトに関する情報を取得する(S9)。制御部は、取得された情報に基づき、複数の単位印刷領域毎にオブジェクトが被印字物に印刷される場合のインクリボンに形成されるリボンの使用跡に関する情報を表示する(S15)。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被印字物が搬送される搬送方向に沿って繰り出し及び巻き戻し可能に駆動制御され、前記搬送方向に対して直角な幅方向の寸法である幅寸法を有するインクリボンの前記幅方向に並んで配列された複数の加熱素子を有するサーマルヘッドと、
前記サーマルヘッドの前記複数の加熱素子を加熱することで、前記インクリボンを介して、前記被印字物に対して印刷を実行する印刷手段と
を備えた印刷装置に印刷を実行させる為の印刷データを編集するデータ編集装置であって、
前記印刷データに基づき複数回に亘って印刷が実行される場合、一回の印刷で使用される前記インクリボンの単位印刷領域の前記幅方向の寸法であるオフセット幅と、前記インクリボンの前記幅方向において、前記単位印刷領域が並ぶ個数に関する情報とを取得する第一取得手段と、
前記インクリボンの前記単位印刷領域を使用して、前記一回の印刷で前記被印字物に印刷するオブジェクトに関する情報を取得する第二取得手段と、
前記第一取得手段及び前記第二取得手段により取得された情報に基づき、複数の前記単位印刷領域毎に前記オブジェクトが前記被印字物に印刷される場合の前記インクリボンに形成されるリボンの使用跡に関する情報を表示する表示手段と
を備えたことを特徴とするデータ編集装置。
【請求項2】
前記インクリボンの前記幅寸法をWとし、前記オフセット幅をwとし、及び前記単位印刷領域の前記個数をnとし、W<w×nの条件となる場合、前記被印字物への印刷を実行不能であること警告する第一警告手段
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のデータ編集装置。
【請求項3】
前記サーマルヘッドの前記幅方向における印刷が有効な幅である印刷有効幅をWhとし、前記オフセット幅をwとし、前記単位印刷領域の前記個数をnとし、Wh<w×nの条件となる場合、前記被印字物への印刷を実行不能であることを警告する第二警告手段
を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ編集装置。
【請求項4】
前記印刷手段は、前記複数の単位印刷領域を予め定められた順番に使用して、前記オブジェクトの印刷を実行し、
前記表示手段は、前記複数の単位印刷領域の使用する順番を識別する識別情報を表示する
ことを特徴とする請求項1~3の何れか一つに記載のデータ編集装置。
【請求項5】
前記単位印刷領域に印刷する前記オブジェクトの情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けられた前記オブジェクトが、前記単位印刷領域に収まるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記オブジェクトが前記単位印刷領域に収まらないと判断された場合、前記受付手段による前記オブジェクトの受付を制限する制限手段と
を備えたことを特徴とする請求項1~4の何れか一つに記載のデータ編集装置。
【請求項6】
前記単位印刷領域に印刷する前記オブジェクトの情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けられた前記オブジェクトが、前記単位印刷領域に収まるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記オブジェクトが前記単位印刷領域に収まらないと判断された場合、前記受付手段による前記オブジェクトの改行を無効とする無効手段と
を備えたことを特徴とする請求項1~4の何れか一つに記載のデータ編集装置。
【請求項7】
前記単位印刷領域に印刷する前記オブジェクトの情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けられた前記オブジェクトが、前記単位印刷領域に収まるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記オブジェクトが前記単位印刷領域に収まらないと判断された場合、前記単位印刷領域に収まるように前記オブジェクトを縮小補正する補正手段と
を備えたことを特徴とする請求項1~4の何れか一つに記載のデータ編集装置。
【請求項8】
前記印刷手段は、前記インクリボンの前記幅方向における位置が固定された状態で、
前記複数の加熱素子のうち前記幅方向の一方側において、使用可能な前記単位印刷領域に対向する第一加熱領域を選択する第一選択手段と、
前記第一選択手段により選択された前記第一加熱領域の前記加熱素子を選択的に加熱することで、所定の印刷位置に搬送された前記インクリボンの前記単位印刷領域を使用して印刷を実行する第一印刷手段と、
前記第一印刷手段による印刷の実行後、前記インクリボンの前記幅方向の他方側において使用可能な前記単位印刷領域がある場合、前記複数の加熱素子のうち、前記第一加熱領域よりも前記幅方向の他方側の領域であり、使用可能な前記単位印刷領域に対向する第二加熱領域を選択する第二選択手段と、
前記第二選択手段により選択された前記第二加熱領域の前記加熱素子を選択的に加熱することで、前記搬送方向に搬送された前記インクリボンの未使用の前記単位印刷領域を使用して印刷を実行する第二印刷手段と、
前記第二印刷手段による印刷の実行後、前記インクリボンの前記幅方向の他方側において使用可能な前記単位印刷領域が無い場合、前記複数の加熱素子のうち、前記第一加熱領域を選択する第三選択手段と、
前記第三選択手段により選択された前記第一加熱領域に対応する前記加熱素子を選択的に加熱することで、搬送された前記インクリボンの未使用の前記単位印刷領域を使用して印刷を実行する第三印刷手段と
を備えるものであって、
前記表示手段は、前記第一印刷手段、前記第二印刷手段、及び前記第三印刷手段により使用される前記複数の単位印刷領域の順番及び位置に基づいて前記使用跡に関する情報を表示する
ことを特徴とする請求項1~7の何れか一つに記載のデータ編集装置。
【請求項9】
前記印刷手段は、
所定の印刷位置に搬送された前記インクリボンの前記単位印刷領域を使用して、前記被印字物の前記幅方向における所定の印刷領域に印刷を実行する第一印刷手段と、
前記第一印刷手段による印刷の実行後、前記インクリボンの前記幅方向の一方側において使用可能な前記単位印刷領域がある場合、前記オフセット幅の分だけ前記インクリボンを前記幅方向の他方側へ搬送する第一搬送手段と、
前記被印字物を前記搬送方向に対して搬送された前記被印字物の前記印刷領域に対して、前記第一搬送手段により搬送された前記インクリボンの未使用の前記単位印刷領域を使用して印刷を実行する第二印刷手段と、
前記第二印刷手段による印刷の実行後、前記インクリボンの前記幅方向の一方側において使用可能な前記単位印刷領域が無い場合、前記インクリボンを前記搬送方向へ搬送する第二搬送手段と、
前記搬送方向に対して搬送された前記被印字物の前記印刷領域に対して、前記第二搬送手段により搬送された前記インクリボンの未使用の前記単位印刷領域を使用して印刷を実行する第三印刷手段と、
前記第三印刷手段による印刷の実行後、前記インクリボンの前記幅方向の他方側において使用可能な前記単位印刷領域がある場合、前記オフセット幅の分だけ前記インクリボンを前記幅方向の一方側へ搬送する第三搬送手段と
を備えるものであって、
前記表示手段は、前記第一印刷手段、前記第二印刷手段、及び前記第三印刷手段により使用される前記複数の単位印刷領域の順番及び位置に基づいて前記使用跡に関する情報を表示する
ことを特徴とする請求項1~7の何れか一つに記載のデータ編集装置。
【請求項10】
被印字物が搬送される搬送方向に沿って繰り出し及び巻き戻し可能に駆動制御され、前記搬送方向に対して直角な幅方向の寸法である幅寸法を有するインクリボンの前記幅方向に並んで配列された複数の加熱素子を有するサーマルヘッドと、
前記サーマルヘッドの前記複数の加熱素子を加熱することで、前記インクリボンを介して、前記被印字物に対して印刷を実行する印刷手段と
を備えた印刷装置に印刷を実行させる為の印刷データを編集するデータ編集装置のコンピュータに、
前記印刷データに基づき複数回に亘って印刷が実行される場合、一回の印刷で使用される前記インクリボンの単位印刷領域の前記幅方向の寸法であるオフセット幅と、前記インクリボンの前記幅方向において、前記単位印刷領域が並ぶ個数に関する情報とを取得する第一取得ステップと、
前記インクリボンの前記単位印刷領域を使用して、前記一回の印刷で前記被印字物に印刷するオブジェクトに関する情報を取得する第二取得ステップと、
前記第一取得ステップ及び前記第二取得ステップにより取得された情報に基づき、複数の前記単位印刷領域毎に前記オブジェクトが前記被印字物に印刷される場合の前記インクリボンに形成されるリボンの使用跡に関する情報を表示する表示ステップと
を実行させるための編集プログラム。
【請求項11】
被印字物が搬送される搬送方向に沿って繰り出し及び巻き戻し可能に駆動制御され、前記搬送方向に対して直角な幅方向の寸法である幅寸法を有するインクリボンの前記幅方向に並んで配列された複数の加熱素子を有するサーマルヘッドと、
前記サーマルヘッドの前記複数の加熱素子を加熱することで、前記インクリボンを介して、前記被印字物に対して印刷を実行する印刷手段と
を備えた印刷装置に印刷を実行させる為の印刷データを編集するデータ編集装置であって、
前記印刷データに基づき複数回に亘って印刷が実行される場合、一回の印刷で使用される前記インクリボンの単位印刷領域の前記幅方向の寸法であるオフセット幅と、前記インクリボンの前記幅方向において、前記単位印刷領域が並ぶ個数に関する情報とを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された情報に基づき、前記一回の印刷により使用される前記インクリボンの前記単位印刷領域毎の使用される順番に関する情報を識別可能に表示する表示手段と
を備えることを特徴とするデータ編集装置。
【請求項12】
前記表示手段は、
前記単位印刷領域毎の印刷の順番に応じて前記単位印刷領域を枠で囲み、印刷の順番に応じて前記枠を切り替えて表示する第一表示手段と、
前記単位印刷領域毎の印刷の順番に応じて、前記単位印刷領域毎に色彩を付して表示する第二表示手段と、
前記単位印刷領域毎の印刷の順番に対応する番号を表示する第三表示手段と
のうち少なくとも何れか一つを実行する
ことを特徴とする請求項11に記載のデータ編集装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ編集装置、及び編集プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の印刷データ編集装置は、印刷データを編集する。印刷データ編集装置は、印刷媒体に印刷されるオブジェクトに関する位置、大きさ、内容等の情報を記憶する。印刷データ編集装置は、オブジェクトの画像と印刷媒体の画像とが配置された編集画面をモニタに表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-27378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記印刷データ編集装置は、インクリボンを用いた熱転写型の印刷装置が印刷する印刷データを編集する場合、インクリボンがどのように使用されるかを表示できなかった。この場合、ユーザは、実際に印刷を実行した後でなければ、インクリボンをどのように使用したかを確認できなかった。故に、ユーザにとって利便性が低くなる可能性があった。
【0005】
本発明の目的は、ユーザにとって利便性の高い印刷データを表示できるデータ編集装置、及び編集プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様に係るデータ編集装置は、被印字物が搬送される搬送方向に沿って繰り出し及び巻き戻し可能に駆動制御され、前記搬送方向に対して直角な幅方向の寸法である幅寸法を有するインクリボンの前記幅方向に並んで配列された複数の加熱素子を有するサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドの前記複数の加熱素子を加熱することで、前記インクリボンを介して、前記被印字物に対して印刷を実行する印刷手段とを備えた印刷装置に印刷を実行させる為の印刷データを編集するデータ編集装置であって、前記印刷データに基づき複数回に亘って印刷が実行される場合、一回の印刷で使用される前記インクリボンの単位印刷領域の前記幅方向の寸法であるオフセット幅と、前記インクリボンの前記幅方向において、前記単位印刷領域が並ぶ個数に関する情報とを取得する第一取得手段と、前記インクリボンの前記単位印刷領域を使用して、前記一回の印刷で前記被印字物に印刷するオブジェクトに関する情報を取得する第二取得手段と、前記第一取得手段及び前記第二取得手段により取得された情報に基づき、複数の前記単位印刷領域毎に前記オブジェクトが前記被印字物に印刷される場合の前記インクリボンに形成されるリボンの使用跡に関する情報を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
第一態様に係るデータ編集装置では、ユーザは、インクリボンがどのように使用されるかを事前に把握できる。故に、データ編集装置は、ユーザにとって利便性が高い印刷データを表示できる。)
【0008】
第一態様に係るデータ編集装置では、前記インクリボンの前記幅寸法をWとし、前記オフセット幅をwとし、及び前記単位印刷領域の前記個数をnとし、W<w×nの条件となる場合、前記被印字物への印刷を実行不能であること警告する第一警告手段を備えてもよい。故に、ユーザは、被印字物への印刷が実行不能であることを、印刷前に認識できる。
【0009】
第一態様に係るデータ編集装置では、前記サーマルヘッドの前記幅方向における印刷が有効な幅である印刷有効幅をWhとし、前記オフセット幅をwとし、前記単位印刷領域の前記個数をnとし、Wh<w×nの条件となる場合、前記被印字物への印刷を実行不能であることを警告する第二警告手段を備えてもよい。故に、ユーザは、被印字物への印刷が実行不能であることを、印刷前に認識できる。
【0010】
第一態様に係るデータ編集装置では、前記印刷手段は、前記複数の単位印刷領域を予め定められた順番に使用して、前記オブジェクトの印刷を実行し、前記表示手段は、前記複数の単位印刷領域の使用する順番を識別する識別情報を表示してもよい。故に、ユーザは、何れの順番でインクリボンの単位印刷領域が使用されるかを容易に把握できる。
【0011】
第一態様に係るデータ編集装置では、前記単位印刷領域に印刷する前記オブジェクトの情報を受け付ける受付手段と、前記受付手段により受け付けられた前記オブジェクトが、前記単位印刷領域に収まるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により前記オブジェクトが前記単位印刷領域に収まらないと判断された場合、前記受付手段による前記オブジェクトの受付を制限する制限手段とを備えてもよい。ユーザは、オブジェクトの受付を制限されるので、入力したいオブジェクトが単位印刷領域に収まらないと認識できる。
【0012】
第一態様に係るデータ編集装置では、前記単位印刷領域に印刷する前記オブジェクトの情報を受け付ける受付手段と、前記受付手段により受け付けられた前記オブジェクトが、前記単位印刷領域に収まるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により前記オブジェクトが前記単位印刷領域に収まらないと判断された場合、前記受付手段による前記オブジェクトの改行を無効とする無効手段とを備えてもよい。ユーザは、オブジェクトの改行を制限されるので、入力したいオブジェクトが単位印刷領域に収まらないと認識できる。
【0013】
第一態様に係るデータ編集装置では、前記単位印刷領域に印刷する前記オブジェクトの情報を受け付ける受付手段と、前記受付手段により受け付けられた前記オブジェクトが、前記単位印刷領域に収まるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により前記オブジェクトが前記単位印刷領域に収まらないと判断された場合、前記単位印刷領域に収まるように前記オブジェクトを縮小補正する補正手段とを備えてもよい。故に、印刷装置は、補正されたオブジェクトを単位印刷領域に印刷可能となる。
【0014】
第一態様に係るデータ編集装置では、前記印刷手段は、前記インクリボンの前記幅方向における位置が固定された状態で、前記複数の加熱素子のうち前記幅方向の一方側において、使用可能な前記単位印刷領域に対向する第一加熱領域を選択する第一選択手段と、前記第一選択手段により選択された前記第一加熱領域の前記加熱素子を選択的に加熱することで、所定の印刷位置に搬送された前記インクリボンの前記単位印刷領域を使用して印刷を実行する第一印刷手段と、前記第一印刷手段による印刷の実行後、前記インクリボンの前記幅方向の他方側において使用可能な前記単位印刷領域がある場合、前記複数の加熱素子のうち、前記第一加熱領域よりも前記幅方向の他方側の領域であり、使用可能な前記単位印刷領域に対向する第二加熱領域を選択する第二選択手段と、前記第二選択手段により選択された前記第二加熱領域の前記加熱素子を選択的に加熱することで、前記搬送方向に搬送された前記インクリボンの未使用の前記単位印刷領域を使用して印刷を実行する第二印刷手段と、前記第二印刷手段による印刷の実行後、前記インクリボンの前記幅方向の他方側において使用可能な前記単位印刷領域が無い場合、前記複数の加熱素子のうち、前記第一加熱領域を選択する第三選択手段と、前記第三選択手段により選択された前記第一加熱領域に対応する前記加熱素子を選択的に加熱することで、搬送された前記インクリボンの未使用の前記単位印刷領域を使用して印刷を実行する第三印刷手段とを備えるものであって、前記表示手段は、前記第一印刷手段、前記第二印刷手段、及び前記第三印刷手段により使用される前記複数の単位印刷領域の順番及び位置に基づいて前記リボン使用跡に関する情報を表示してもよい。故に、ユーザは、インクリボンを効率よく使用できると共に印刷動作に対応したインクリボンの使用形態を確認できる。
【0015】
第一態様に係るデータ編集装置では、前記印刷手段は、所定の印刷位置に搬送された前記インクリボンの前記単位印刷領域を使用して、前記被印字物の前記幅方向における所定の印刷領域に印刷を実行する第一印刷手段と、前記第一印刷手段による印刷の実行後、前記インクリボンの前記幅方向の一方側において使用可能な前記単位印刷領域がある場合、前記オフセット幅の分だけ前記インクリボンを前記幅方向の他方側へ搬送する第一搬送手段と、前記被印字物を前記搬送方向に対して搬送された前記被印字物の前記印刷領域に対して、前記第一搬送手段により搬送された前記インクリボンの未使用の前記単位印刷領域を使用して印刷を実行する第二印刷手段と、前記第二印刷手段による印刷の実行後、前記インクリボンの前記幅方向の一方側において使用可能な前記単位印刷領域が無い場合、前記インクリボンを前記搬送方向へ搬送する第二搬送手段と、前記搬送方向に対して搬送された前記被印字物の前記印刷領域に対して、前記第二搬送手段により搬送された前記インクリボンの未使用の前記単位印刷領域を使用して印刷を実行する第三印刷手段と、前記第三印刷手段による印刷の実行後、前記インクリボンの前記幅方向の他方側において使用可能な前記単位印刷領域がある場合、前記オフセット幅の分だけ前記インクリボンを前記幅方向の一方側へ搬送する第三搬送手段とを備えるものであって、前記表示手段は、前記第一印刷手段、前記第二印刷手段、及び前記第三印刷手段により使用される前記複数の単位印刷領域の順番及び位置に基づいて前記リボン使用跡に関する情報を表示してもよい。故に、ユーザは、インクリボンを効率よく使用できると共に印刷動作に対応したインクリボンの使用形態を確認できる。
【0016】
本発明の第二態様に係る編集プログラムは、被印字物が搬送される搬送方向に沿って繰り出し及び巻き戻し可能に駆動制御され、前記搬送方向に対して直角な幅方向の寸法である幅寸法を有するインクリボンの前記幅方向に並んで配列された複数の加熱素子を有するサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドの前記複数の加熱素子を加熱することで、前記インクリボンを介して、前記被印字物に対して印刷を実行する印刷手段とを備えた印刷装置に印刷を実行させる為の印刷データを編集するデータ編集装置のコンピュータに、前記印刷データに基づき複数回に亘って印刷が実行される場合、一回の印刷で使用される前記インクリボンの単位印刷領域の前記幅方向の寸法であるオフセット幅と、前記インクリボンの前記幅方向において、前記単位印刷領域が並ぶ個数に関する情報とを取得する第一取得ステップと、前記インクリボンの前記単位印刷領域を使用して、前記一回の印刷で前記被印字物に印刷するオブジェクトに関する情報を取得する第二取得ステップと、前記第一取得ステップ及び前記第二取得ステップにより取得された情報に基づき、複数の前記単位印刷領域毎に前記オブジェクトが前記被印字物に印刷される場合の前記インクリボンに形成されるリボンの使用跡に関する情報を表示する表示ステップとを実行させることを特徴とする。
【0017】
第二態様に係る編集プログラムは、コンピュータを上記ステップとして機能させることにより、第一態様に係るデータ編集装置と同じ効果を得ることができる。
【0018】
本発明の第三態様に係るデータ編集装置は、被印字物が搬送される搬送方向に沿って繰り出し及び巻き戻し可能に駆動制御され、前記搬送方向に対して直角な幅方向の寸法である幅寸法を有するインクリボンの前記幅方向に並んで配列された複数の加熱素子を有するサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドの前記複数の加熱素子を加熱することで、前記インクリボンを介して、前記被印字物に対して印刷を実行する印刷手段とを備えた印刷装置に印刷を実行させる為の印刷データを編集するデータ編集装置であって、前記印刷データに基づき複数回に亘って印刷が実行される場合、一回の印刷で使用される前記インクリボンの単位印刷領域の前記幅方向の寸法であるオフセット幅と、前記インクリボンの前記幅方向において、前記単位印刷領域が並ぶ個数に関する情報とを取得する取得手段と、前記取得手段により取得された情報に基づき、前記一回の印刷により使用される前記インクリボンの前記単位印刷領域毎の使用される順番に関する情報を識別可能に表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
第三態様に係るデータ編集装置は、単位印刷領域毎の使用される順番に関する情報を表示する。故に、データ編集装置は、ユーザにとって利便性が高い印刷データを表示できる。
【0020】
第三態様に係るデータ編集装置では、前記表示手段は、前記単位印刷領域毎の印刷の順番に応じて前記単位印刷領域を枠で囲み、印刷の順番に応じて前記枠を切り替えて表示する第一表示手段と、前記単位印刷領域毎の印刷の順番に応じて、前記単位印刷領域毎に色彩を付して表示する第二表示手段と、前記単位印刷領域毎の印刷の順番に対応する番号を表示する第三表示手段とのうち少なくとも何れか一つを実行してもよい。故に、データ編集装置は、単位印刷領域の使用される順番を識別可能に表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】印刷システム1の斜視図である。
図2】印刷システム1の概要を示す図である。
図3】印刷システム1の電気的構成を示すブロック図である。
図4】カラム数nを指定した場合のオブジェクトObの編集画面Rである。
図5】カラム数nとオフセット幅wを指定した場合のオブジェクトObの編集画面Rである。
図6】インクリボン9Aの使用跡に関する情報を示した表示画面である。
図7】被印字物Pに印刷が実行された場合の印刷結果のイメージ図を示す図である。
図8】カラムモードで被印字物Pに印刷が実行された場合の印刷結果を示す図である。
図9】カラムモードで被印字物Pに印刷が実行された場合のインクリボン9Aが使用されるイメージ図である。
図10】RSSモードで被印字物Pに印刷が実行された場合の印刷結果を示す図である。
図11】RSSモードで被印字物Pに印刷が実行された場合のインクリボン9Aが使用されるイメージ図である。
図12】表示処理を示すフローチャートである。
図13】印刷処理を示すフローチャートである。
図14】印刷処理を示すフローチャートであって、図13の続きである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<印刷システム1の概要>
本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。印刷システム1は、熱転写型の印刷を行うためのシステムである。印刷システム1は、外部機器8(図3参照)によって搬送される被印字物Pに対して印刷を行う。外部機器8の具体例として、包材を搬送する包装機が挙げられる。この場合、例えば印刷システム1は、包装機によって被印字物Pが搬送される搬送ラインの一部に組み込まれて使用される。
【0023】
図1に示すように、印刷システム1は、印刷装置2、カセット9、ブラケット6、コントローラ7(図3参照)、及びタブレット11を有する。以下、図の説明の理解を助けるため、印刷システム1に含まれる各構成の上方、下方、左方、右方、前方、及び後方を定義する。印刷装置2の上方、下方、左方、右方、前方、及び後方は、夫々、図1の上方、下方、左方、右方、手前、及び奥に夫々対応する。
【0024】
図1において、被印字物Pの搬送方向(矢印Y1の方向)は、左右方向と一致する。被印字物Pは、外部機器8によって左方に搬送される。印刷装置2は、カセット9に装着されたインクリボン9Aをサーマルヘッド24により加熱することで、被印字物Pに印刷を行う。
【0025】
<カセット9>
図2に示すように、カセット9は、シャフト92A~92F、供給ロール90A、及び巻取ロール90Bを有する。シャフト92A~92Fは、前後方向に延びる回転軸を中心として回転可能なスピンドルである。シャフト92Aには、インクリボン9Aの一端が接続されたスプール921が装着される。シャフト92Fには、インクリボン9Aの他端が接続されたスプール922が装着される。スプール921、922には、夫々、インクリボン9Aがロール状に巻回される。スプール921にインクリボン9Aが巻回されることにより、供給ロール90Aが構成される。スプール922にインクリボン9Aが巻回されることにより、巻取ロール90Bが構成される。
【0026】
<印刷装置2>
図2に示すように、印刷装置2は、プラテンローラQの上方に配置される。プラテンローラQは円柱状を有し、前後方向に延びる回転軸を中心として回転可能である。印刷装置2は、筐体20及びベースプレート21を有する。筐体20は箱状を有し、カセット9を収容可能な収容部を内部に有する。ベースプレート21は略正方形の板状を有し、前後方向と直交する。ベースプレート21の前方に、供給部22A、装着部22B~22E、巻取部22F、サーマルヘッド24、非図示の制御基板、ホールセンサ28A、28B(図3参照)が設けられる。ベースプレート21の後方に、リボン駆動源26(図3参照)及びヘッド駆動源27(図3参照)が設けられる。
【0027】
供給部22A及び巻取部22Fは、ベースプレート21の上下方向の略中央において、左右方向に並ぶ。装着部22Bは、ベースプレート21の右上の隅に設けられる。装着部22Cは、ベースプレート21の右下の隅に設けられる。装着部22Dは、ベースプレート21の左下の隅に設けられる。装着部22Eは、ベースプレート21の左上の隅に設けられる。カセット9が印刷装置2に装着された場合、シャフト92A~92Fは、供給部22A、装着部22B~22E、及び巻取部22Fに夫々接続される。シャフト92Aのスプール921に巻回された供給ロール90Aは、供給部22Aに装着される。シャフト92Fのスプール922に巻回された巻取ロール90Bは、巻取部22Fに装着される。
【0028】
リボン駆動源26(図3参照)は、第一リボンモータ26A及び第二リボンモータ26B(図3参照)を有する。第一リボンモータ26A及び第二リボンモータ26Bはステッピングモータである。第一リボンモータ26Aの回転軸は、供給部22Aに接続する。第一リボンモータ26Aは供給部22Aを回転駆動する。第二リボンモータ26Bの回転軸は、巻取部22Fに接続する。第二リボンモータ26Bは巻取部22Fを回転駆動する。印刷装置2にカセット9が装着された状態で供給部22A及び巻取部22Fが回転した場合、インクリボン9Aは、供給ロール90A及び巻取ロール90B間でシャフト92B~92Eに接触して案内されながら、印刷装置2内を搬送される。装着部22C、22D間で搬送されるインクリボン9Aの移動方向を、「インクリボン9Aの搬送方向」という。
【0029】
サーマルヘッド24は、ベースプレート21の前面の上下方向略中央よりも下側、且つ、装着部22C、22Dの間の部分に設けられる。サーマルヘッド24は、前後方向に直線状に並んだ複数の加熱素子24Aを有するラインサーマルヘッドである。サーマルヘッド24は、カセット9の供給ロール90Aから巻取ロール90Bに向けて搬送されるインクリボン9Aのうち、シャフト92C、92D間に張り渡された部分に上側から接触する。サーマルヘッド24は、印刷装置2の下方に配置されたプラテンローラQとの間に、被印字物P及びインクリボン9Aを挟む。サーマルヘッド24は、被印字物Pにインクリボン9Aを押し付けながらインクリボン9Aを加熱することによって、被印字物Pに対する印刷を行う。
【0030】
ヘッド駆動源27(図3参照)は、第一ヘッドモータ27A及び第二ヘッドモータ27B(図3参照)を有する。第一ヘッドモータ27A及び第二ヘッドモータ27Bはステッピングモータである。第一ヘッドモータ27Aは、ギアを介してサーマルヘッド24に接続する。ギアは、第一ヘッドモータ27Aの回転駆動によってサーマルヘッド24を上下方向(矢印Y2の方向)に移動させる。サーマルヘッド24は、下方に移動することによってプラテンローラQに接近し、上方に移動することによってプラテンローラQから離れる。第二ヘッドモータ27Bは、プーリー及びベルトを介してサーマルヘッド24に接続する。プーリー及びベルトは、第二ヘッドモータ27Bの回転駆動によってサーマルヘッド24を左右方向に移動させる。第二ヘッドモータ27Bの回転駆動によるサーマルヘッド24の移動方向(左右方向)は、プラテンローラQの回転軸の延びる方向(前後方向)と、第一ヘッドモータ27Aの回転駆動によるサーマルヘッド24の移動方向(上下方向)との両方と直交し、インクリボン9Aの搬送方向と並行である。サーマルヘッド24は、第一ヘッドモータ27A及び第二ヘッドモータ27Bにより、矩形状の範囲240内で移動可能となる。
【0031】
サーマルヘッド24の移動可能な範囲240について詳細に説明する。プラテンローラQの中心を通って上下方向に延び且つベースプレート21に沿って延びる仮想線を、基準線Bという。サーマルヘッド24は、第一ヘッドモータ27Aの回転駆動に応じて基準線Bに沿って上下方向に移動することにより、第一位置S1、第二位置S2、及び第三位置S3の何れかの位置に配置される。第一位置S1は、基準線Bに沿った位置のうち範囲240の上端の位置に対応する。サーマルヘッド24が第一位置S1に配置された状態で、加熱素子24Aはインクリボン9Aから離隔する。
【0032】
第三位置S3は、基準線Bに沿った位置のうち範囲240の下端よりも僅かに上方の位置に対応する。第三位置S3は、印刷装置2の印刷時におけるサーマルヘッド24の位置である。サーマルヘッド24が第三位置S3に配置された場合における加熱素子24Aの位置を、「印刷位置Sp」という。印刷位置Spは、プラテンローラQの側面のうち上方に最も突出した位置、言い換えれば、プラテンローラQの側面のうち、第一ヘッドモータ27Aの回転駆動によるサーマルヘッド24の移動方向(上下方向)において、第一位置S1に配置されたサーマルヘッド24に最も近接する位置である。なお厳密には、印刷位置Spは、プラテンローラQの側面のうち上方に最も突出した位置でサーマルヘッド24との間にインクリボン9Aを挟んだ状態で、インクリボン9Aの転写に必要な押し当て強さになるように第一ヘッドモータ27Aを回転駆動させた場合の加熱素子24Aの位置である。
【0033】
第二位置S2は、第三位置S3よりも僅かに上方に位置する。第二位置S2は、第一位置S1よりもプラテンローラQに近く、且つ第三位置S3よりもプラテンローラQから遠い位置である。サーマルヘッド24が第二位置S2及び第三位置S3に配置された状態で、加熱素子24Aはインクリボン9Aに接触する。
【0034】
サーマルヘッド24は更に、第二ヘッドモータ27Bの回転駆動により、第三位置S3に配置された状態から左右方向に移動可能である。なお、例えば、サーマルヘッド24の左右方向の移動時において、加熱素子24AがプラテンローラQの側面に沿って移動した場合、サーマルヘッド24は、基準線Bから左右方向に離隔する程、下方に移動する(図3参照)。このため印刷位置Spは、プラテンローラQの側面に沿って加熱素子24Aが移動するようにサーマルヘッド24が左右方向に移動した場合において、サーマルヘッド24が上方に最も移動した場合の加熱素子24Aの位置に対応する。
【0035】
制御基板には、制御部2A及び記憶部2Bが実装される(図3参照)。ホールセンサ28A、28B(図3参照)は、サーマルヘッド24の近傍に設けられる。ホールセンサ28A、28Bは、サーマルヘッド24に取り付けられた磁石の磁界の強さを検出し、検出された磁界の強さを示す信号を制御部2Aに出力する。ホールセンサ28Aにより検出される磁界の強さは、サーマルヘッド24の上下方向の移動に応じて変化する。このため制御部2Aは、ホールセンサ28Aから出力される信号に基づき、サーマルヘッド24の上下方向の位置を特定可能である。ホールセンサ28Bにより検出される磁界の強さは、サーマルヘッド24の左右方向の移動に応じて変化する。このため制御部2Aは、ホールセンサ28Bから出力される信号に基づき、サーマルヘッド24の左右方向の位置を特定可能である。
【0036】
<ブラケット6>
図1に示すように、ブラケット6は、被印字物P(図2参照)の搬送方向である左右方向と直交する前後方向(矢印Y3の方向)に印刷装置2を移動させる。ブラケット6は、支持部61、ブラケットモータ62、非図示のリードスクリュー、非図示のボールねじを有する。支持部61は、前後方向に長い略箱状を有する。リードスクリューは、支持部61の内部に配置され、前後方向に延びる。リードスクリューの後端部は、ブラケットモータ62の回転軸に連結する。ボールねじは、リードスクリューに螺合し、リードスクリューの回転に応じて前後方向に移動する。ボールねじは、印刷装置2の筐体20Aの右端部から延びる連結部20Cに接続する。印刷装置2は、リードスクリューの回転によってボールねじが前後方向に移動することに応じ、前後方向に移動する。
ブラケット
【0037】
<コントローラ7>
図3に示すように、コントローラ7は、PC5及び外部機器8と印刷装置2との間に介在する。コントローラ7は、印刷装置2が印刷を実行するために必要なデータを、印刷装置2に出力する。コントローラ7から印刷装置2に出力されるデータの具体例として、印刷イメージImのデータが挙げられる。また、コントローラ7は、PC5及び外部機器8から出力される信号を印刷装置2に伝達する。PC5又は外部機器8から出力される信号として、印刷装置2を印刷可能な状態とするための準備信号、被印字物Pの搬送速度を示す速度信号が挙げられる。外部機器8から出力される信号として、被印字物Pの搬送開始信号/搬送停止信号、被印字物Pに対する印刷時期を通知するための印刷信号が挙げられる。
【0038】
<タブレット11>
図1に示すように、タブレット11は、ケーブル13を介して印刷装置2に接続される。タブレット11は、印刷装置2を介して、コントローラ7と印刷イメージIm等のデータ通信を実行可能である。また、タブレット11は、印刷イメージImの印刷データの編集を実行可能である。この場合、タブレット11は、例えば印刷イメージImに含まれるオブジェクトOb(図4(b)、図5(b)参照)等を入力可能である。タブレット11で編集された印刷データは、コントローラ7の記憶部7B(図3参照)に記憶される。なお、印刷システム1により印刷動作の実行される場合、タブレット11は、印刷装置2から取り外される。
【0039】
<電気的構成>
図3を参照し、印刷システム1の電気的構成について説明する。印刷装置2は、制御部2A、記憶部2B、通信インタフェース2C、サーマルヘッド24、第一リボンモータ26A、第二リボンモータ26B、第一ヘッドモータ27A、第二ヘッドモータ27B、ホールセンサ28A、28B、エンコーダ260A、260B、270A、270B、出力部2Dを有する。制御部2Aは、記憶部2B、通信インタフェース2C、サーマルヘッド24、第一リボンモータ26A、第二リボンモータ26B、第一ヘッドモータ27A、第二ヘッドモータ27B、エンコーダ260A、260B、270A、270B、ホールセンサ28A、28B、出力部2Dと電気的に接続する。
【0040】
制御部2Aは、記憶部2Bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、表示処理(図12参照)、印刷処理(図13図14参照)を実行する。記憶部2Bには、制御部2Aが表示処理、印刷処理を実行するためのプログラムが記憶される。通信インタフェース2Cは、印刷装置2とコントローラ7との間で通信を行うためのインタフェース素子である。通信インタフェース2Cは、通信ケーブルを介してコントローラ7に接続される。
【0041】
サーマルヘッド24は、制御部2Aからの制御信号に応じて加熱素子24Aに通電し、加熱素子24Aを発熱させる。第一リボンモータ26Aは、制御部2Aから出力されるパルス信号に応じて回転し、カセット9の供給ロール90Aからインクリボン9Aを繰り出す。第二リボンモータ26Bは、制御部2Aから出力されるパルス信号に応じて回転し、カセット9の巻取ロール90Bにインクリボン9Aを巻き取る。第一ヘッドモータ27Aは、制御部2Aから出力されるパルス信号に応じて回転し、サーマルヘッド24を上下方向に移動させる。第二ヘッドモータ27Bは、制御部2Aから出力されるパルス信号に応じて回転し、サーマルヘッド24を左右方向に移動させる。エンコーダ260A、260B、270A、270Bは、夫々、第一リボンモータ26A、第二リボンモータ26B、第一ヘッドモータ27A、及び第二ヘッドモータ27Bの回転軸の回転位置及び回転量を検出する。エンコーダ260A、260B、270A、270Bは、夫々、検出された回転位置及び回転量を示す信号を、制御部2Aに出力する。
【0042】
ホールセンサ28A、28Bは、サーマルヘッド24に取り付けられた磁石の磁界の強さを検出し、検出した磁界の強さを示す信号を制御部2Aに出力する。出力部2Dは、印刷装置2の状態等を表示する表示部である。
【0043】
コントローラ7は、制御部7A、記憶部7B、通信インタフェース7C、7Dを有する。
通信インタフェース7Cは、印刷装置2とコントローラ7との間で通信を行うためのインタフェース素子である。通信インタフェース7Cは、通信ケーブルを介して印刷装置2に接続される。通信インタフェース7Dは、外部機器8及びPC5とコントローラ7との間で通信を行うためのインタフェース素子である。通信インタフェース7Dは、通信ケーブルを介してPC5及び外部機器8に接続される。記憶部7Bには、印刷装置2が印刷を実行するために必要なデータが記憶される。制御部7Aは、記憶部7B及び通信インタフェース7C、7Dと電気的に接続する。制御部7Aは、印刷装置2が印刷を実行するために必要なデータを記憶部7Bから読み出し、通信インタフェース7Cを介して印刷装置2に出力する。制御部7Aは、通信インタフェース7Dを介してPC5又は外部機器8から受信した信号を検出し、通信インタフェース7Cを介して印刷装置2に出力する。
【0044】
外部機器8は、制御部8A、操作パネル8B、通信インタフェース8Cを有する。操作パネル8Bは、外部機器8に対する指示が入力される。通信インタフェース8Cは、外部機器8とコントローラ7との間で通信を行うためのインタフェース素子である。通信インタフェース8Cは、通信ケーブルを介してコントローラ7に接続する。制御部8Aは、操作パネル8B及び通信インタフェース8Cと電気的に接続する。制御部8Aは、操作パネル8Bに対して入力された指示を受け付ける。制御部8Aは、通信インタフェース8Cを介して各種信号をコントローラ7に出力する。
【0045】
タブレット11は、印刷装置2の通信インタフェース2Cに接続される。これにより、タブレット11は、コントローラ7の通信インタフェース7Cを介してコントローラ7とデータの送受信が可能となる。
【0046】
<印刷動作概要>
図1図2を参照し、印刷システム1における印刷動作の概要について説明する。印刷装置2のサーマルヘッド24は、カセット9が装着された場合、第一位置S1に配置される。作業者は、印刷装置2を印刷可能な状態とするための指示を、PC5に入力する。指示が入力されたことに応じ、PC5から準備信号が出力される。印刷装置2は、コントローラ7を介して準備信号を受信する。印刷装置2は、準備信号を受信したことに応じて第一ヘッドモータ27Aを回転駆動し、サーマルヘッド24を第一位置S1から第二位置S2まで下方に移動させる。なお、コントローラ7は、例えば、タブレット11の編集画面Rで編集された印刷データを印刷装置2に出力する。印刷装置2は、各種データを受信して記憶部2Bに記憶する。
【0047】
外部機器8による被印字物Pの搬送が開始されることに応じ、被印字物Pの搬送を開始する搬送開始信号、及び、被印字物Pの搬送速度を示す速度信号が外部機器8から出力される。印刷装置2は、コントローラ7を介して搬送開始信号及び速度信号を受信する。印刷装置2は、速度信号で示される搬送速度に同期した速度でインクリボン9Aが搬送されるように、第一リボンモータ26A及び第二リボンモータ26Bを回転駆動して供給ロール90A及び巻取ロール90Bを回転させる。インクリボン9Aは、搬送経路において被印字物Pに同期した速度で左方に移動する。インクリボン9A及び被印字物Pは左方に並走する。
【0048】
被印字物Pに対する印刷時期を通知する印刷信号が、外部機器8から繰り返し出力される。印刷装置2は、コントローラ7を介して印刷信号を繰り返し受信する。印刷装置2は、印刷信号の受信に応じて第一ヘッドモータ27Aを回転駆動し、サーマルヘッド24を第二位置S2から第三位置S3まで下方に移動させる。サーマルヘッド24は、プラテンローラQとの間にインクリボン9A及び被印字物Pを挟み、被印字物Pにインクリボン9Aを押し付ける。サーマルヘッド24の加熱素子24Aは、記憶部2Bに記憶されたデータに基づいて発熱する。インクリボン9Aのインクが被印字物Pに転写され、印刷イメージImが印刷される。印刷イメージImの印刷後、第一ヘッドモータ27Aが回転駆動し、サーマルヘッド24は第三位置S3から第二位置S2まで上方に移動する。印刷イメージImの印刷は、印刷装置2において印刷信号が受信される毎に繰り返し実行される。
【0049】
外部機器8による被印字物Pの搬送が停止されることに応じ、被印字物Pの搬送を停止する搬送停止信号が外部機器8から出力される。印刷装置2は、コントローラ7を介して搬送停止信号を受信する。印刷装置2は、第一リボンモータ26A及び第二リボンモータ26Bの回転を停止させる。これにより、供給ロール90A及び巻取ロール90Bの回転も停止、インクリボン9Aの搬送は停止される。
【0050】
<編集画面R>
図4図5を参照して、タブレット11に表示される編集画面Rについて説明する。タブレット11を印刷装置2に接続した場合、ユーザは、例えば専用のアプリ等を用いて印刷イメージImのオブジェクトObの編集が可能となる。まず、ユーザは、オートモードとマニュアルモードの設定を行う。オートモードでは、入力されたカラム数nに応じて、自動的に単位印刷領域Eの前後方向におけるオフセット幅wが決定される(図4参照)。マニュアルモードでは、カラム数nと単位印刷領域Eのオフセット幅wがユーザの指定により決定される(図5参照)。
【0051】
図4を参照して、オートモードについて説明する。例えばユーザは、タブレット11を用いて、印刷で必要なカラム数nを入力する。入力されたカラム数nが2の場合、インクリボン9Aの前後方向の幅寸法Wを2等分した編集画面Rがタブレット11に表示される(図4(a)参照)。分割された左右の領域は、夫々、単位印刷領域E1、E2という。以下、総称する場合は、単に「単位印刷領域E」ともいう。つまり、各単位印刷領域E1、E2の前後方向のオフセット幅wは、インクリボン9Aの前後方向の幅Wとカラム数nに応じて、自動で調整される。
【0052】
タブレット11に編集画面Rが表示された場合、ユーザは、印刷イメージImのオブジェクトObを編集可能となる(図4(b)参照)。ユーザは、タブレット11を操作して、例えば、単位印刷領域E1(図4(a)参照)を指定する。ユーザは、オブジェクトObの入力を実行する(図4(b)参照)。なお、ユーザは、オブジェクトObの改行が可能である。例えば、ユーザは、「123456789」を入力した後、改行する。次いで、ユーザは、2列目の「2020/12/29」を入力する。次いで、ユーザは、改行を実行し、「ABC987654」を入力する。これにより、オブジェクトObは、搬送方向の上流側に向けて「123456789」、「2020/12/29」、「ABC987654」の順番で並ぶ。オブジェクトObの印刷では、インクリボン9Aの左右の単位印刷領域E1、E2が使用される(図4(c)参照)。
【0053】
図5を参照して、マニュアルモードについて説明する。例えばユーザは、タブレット11を用いて、印刷で必要なカラム数nと、オフセット幅wを入力する。単位印刷領域Eは、n×n個分前後方向に並ぶ。この場合、各単位印刷領域Eの前後方向の寸法は、入力されたオフセット幅wに応じて調整される。例えば、指定されたカラム数nが3であり、指定されたオフセット幅wの単位が5mmであった場合、9個の単位印刷領域Eが、左から順に並ぶ(図5(a)参照)。
【0054】
タブレット11に編集画面Rが表示された場合、ユーザは、印刷イメージImのオブジェクトObを編集可能となる。ユーザは、例えば、一番左の単位印刷領域E1を指定する。次いで、ユーザは、オブジェクトOb1の入力を実行する(図5(b)参照)。この場合、例えば、ユーザは、「123456789」を入力する。次いで、ユーザは、中央部の単位印刷領域E1を指定する。この場合、ユーザは、「2020/12/29」を入力する。次いで、ユーザは、一番右の単位印刷領域E1を指定する。ユーザは、「ABC987654」を入力する。例えば、図5(b)のように印刷データが編集された場合、インクリボン9Aの各単位印刷領域E1~E3は、図5(c)のように使用される。
【0055】
<リボン使用跡>
インクリボン9Aのリボン使用跡に関する情報について説明する。以下の説明では、印刷イメージImとしてオブジェクトOb1~Ob3(図5参照)の印刷データが編集された場合を想定する。タブレット11は、編集した印刷データに基づき印刷が実行されたと仮定した場合に、インクリボン9Aが使用される態様を示すリボンの使用跡を表示する(図6参照)。タブレット11は、複数の単位印刷領域E毎に使用する順番を識別する識別情報を表示可能である。識別情報の表示態様は、例えば以下の3種類が挙げられる。
【0056】
一つ目の表示態様では、単位印刷領域E毎の印刷の順番に応じて単位印刷領域Eが枠Fで囲まれる。一回目の印刷に対応する単位印刷領域E1が枠Fで囲まれる(図6(a)参照)。この場合、単位印刷領域E2、E3は、通常の枠の太さで表示される。ユーザにより表示が切り替えられると、二回目の印刷に対応する単位印刷領域E2の領域が枠Fで囲まれる。この場合、単位印刷領域E1、E3は、通常の枠の太さで表示される。また、ユーザにより表示が切り替えられると、三回目の印刷に対応する単位印刷領域E3の領域が枠Fで囲まれる。この場合、単位印刷領域E1、E2は、通常の枠の太さで表示される。
【0057】
二つ目の表示態様では、単位印刷領域E毎の印刷の順番に応じて印刷される順番を示す番号が示される(図6(b)参照)。一回目の印刷に対応する単位印刷領域E1には、<1>が割り当てられる。二回目の印刷に対応する単位印刷領域E2には、<2>が割り当てられる。三回目の印刷に対応する単位印刷領域E3には、<3>が割り当てられる。
【0058】
三つ目の表示態様では、単位印刷領域E毎の印刷の順番に応じた色彩を付して表示される。より詳細には、一回目の印刷により印刷される単位印刷領域E1の背景が白色で表示される(図6(b)参照)。この場合、単位印刷領域E2、E3の背景は、黒色等で表示される。更に、タブレット11の操作により切り替えると、二回目の印刷に対応する単位印刷領域E2の背景が白色で表示される。この場合、単位印刷領域E1、E3の背景が黒色で表示される。更に、例えばタブレット11の操作により表示を切り替えると、三回目の印刷に対応する単位印刷領域E3の背景が白色で表示される。この場合、単位印刷領域E1、E2の背景が黒色等で表示される。
【0059】
なお、単位印刷領域Eの印刷の順番及び位置については、後述するカラムモードやRSSモードなどの印刷動作によって変化する(図9図11参照)。タブレット11には、印刷動作の設定に対応する順番及び位置に基づきリボン使用跡の表示がなされる。
【0060】
<印刷結果のイメージ図>
図7を参照して、印刷結果のイメージ図について説明する。以下の説明では、図5(b)に示すオブジェクトObが編集された場合を想定する。例えばタブレット11は、単位印刷領域E1を使用して印刷された印刷結果のイメージ図を表示する((図7(a)参照))。この場合、オブジェクトOb1~Ob3は、単位印刷領域E1に対応する位置に表示される。
【0061】
タブレット11を操作して表示を切り替えると、タブレット11は、単位印刷領域E2を使用して印刷される印刷結果のイメージ図を表示する(図7(b)参照)。この場合、オブジェクトOb1~Ob3は、単位印刷領域E2に対応する位置に表示される。更に、タブレット11を操作して表示を切り替えると、タブレット11は、単位印刷領域E3を使用して印刷される印刷結果のイメージ図を表示する(図7(c)参照)。この場合、オブジェクトOb1~Ob3は、単位印刷領域E3に対応する位置に表示される。
【0062】
なお、後述するカラムモードやRSSモードなどの印刷動作によって各印刷イメージImの印刷位置が変化する(図8図10参照)。タブレット11には、印刷動作の設定に対応する印刷位置に基づき印刷結果のイメージ図の表示がなされる。
【0063】
図8図9を参照して、カラムモードによる印刷動作について説明する。カラムモードによる印刷では、複数回に亘って被印字物Pに印刷イメージIm1~Im6が印刷される。なお、説明の簡略化の為に、印刷イメージIm1~Im6のオブジェクトObは、「AB」とする。カラム数nは3であるとする。また、印刷イメージIm1~Im6は、この順に印刷される。印刷イメージIm1~Im6は、夫々、上下方向において所定距離Lの分の間隔で配置される。印刷イメージIm1~Im3は、搬送方向に対して左前方から右後方に向けて並ぶ。印刷イメージIm1~Im3は、搬送方向に対して左前方から右後方に向けて並ぶ。
【0064】
印刷動作が開始された場合、ブラケット6は、前後方向における所定の印刷位置に印刷装置2を移動させる。以降、カラムモードでは、ブラケット6による印刷装置2の移動は行わないので、サーマルヘッド24とインクリボン9Aの前後方向の位置は固定される。
【0065】
外部機器8は、被印字物Pを搬送方向に搬送する。印刷装置2は、インクリボン9Aを搬送方向に搬送させ、被印字物Pの搬送速度に同期させる。制御部2Aは、複数の加熱素子24Aの印刷有効幅Whうち、前方側の加熱領域A1を選択する。制御部2Aは、被印字物Pが印刷位置に到達し印刷信号を受け付けた場合、インクリボン9Aの単位印刷領域Eを使用して、オブジェクトOb(印刷イメージIm1)の印刷を実行する(図9(a)参照)。
【0066】
インクリボン9Aの後方側に使用可能な領域がある場合(図9(a)(b)参照)、制御部2Aは、例えば、所定距離Lよりも多い距離の分だけ被印字物Pを搬送方向の上流側に巻き戻す。外部機器8は、被印字物Pを搬送方向に搬送する。この場合、制御部2Aは、巻き戻されたインクリボン9Aを搬送方向に搬送させ、被印字物Pの搬送速度にインクリボン9Aの搬送速度を同期させる。制御部2Aは、複数の加熱素子24Aの印刷有効幅Whうち、後方側の加熱領域A2(A3)を選択する。制御部2Aは、印刷信号を受け付けると、搬送方向の後側にあるインクリボン9Aの未使用の単位印刷領域E2(E3)を使用して、被印字物PにオブジェクトObの印刷を実行する(図9(b)(c)参照)。
【0067】
インクリボン9Aの後方側に使用可能な領域がない場合(図9(c)参照)、制御部2Aは、搬送方向に搬送される被印字物Pとインクリボン9Aの搬送速度と同期が取れた状態で、インクリボン9Aを搬送方向に搬送させる。制御部2Aは、複数の加熱素子24Aの印刷有効幅Whうち、最も前方側の加熱領域A1を選択する。制御部2Aは、印刷信号を受け付けた場合、搬送方向の下流側且つ最も前方側にあるインクリボン9Aの未使用の単位印刷領域E3を使用して、被印字物PにオブジェクトObの印刷を実行する(図9(d)参照)。
【0068】
制御部2Aは、後方側に印刷可能な領域がなくなるまで上記動作を繰り返し、被印字物PにオブジェクトObの印刷を実行する(図9(e)、(f)参照)。
【0069】
図10図11を参照して、RSSモードによる印刷動作について説明する。RSSモードによる印刷では、複数回に亘って被印字物Pに印刷イメージIm1~Im6が印刷される。印刷イメージIm1~Im6は、被印字物Pの前後方向の中央部分に所定距離Lの間隔で繰り返し印刷される(図10参照)。なお、以下の説明では、説明の簡略化の為、印刷イメージIm1~Im6のオブジェクトObは、「AB」が印刷されるものとする。カラム数nは3である。
【0070】
RSSモードでは、まず、ブラケット6は、被印字物Pに対して対向するように、印刷装置2を移動する。なお、RSSモードは、カラムモードとは異なり、印刷中に印刷装置2が前後に搬送される。
【0071】
印刷動作が開始された場合、外部機器8は、被印字物Pを搬送方向の所定の印刷位置に搬送する。また、制御部2Aは、インクリボン9Aを搬送方向に搬送させ、被印字物Pの搬送速度に同期させる。制御部2Aは、印刷信号を受け付けた場合、単位印刷領域E1を使用して、被印字物Pに印刷イメージIm1の印刷を実行する(図11(a)参照)。
【0072】
インクリボン9Aの後側に使用可能な領域がある場合(図11(a)(b)参照)、ブラケット6は、例えば、オフセット幅wの分だけ印刷装置2を前方側へ移動する。この場合、制御部2Aは、所定距離Lよりも多い距離の分だけ、インクリボン9Aを搬送方向とは逆方向に巻き戻す。外部機器8は、被印字物Sを搬送方向へ搬送させる。この場合、制御部2Aは、インクリボン9Aを搬送方向に搬送させ、被印字物Pの搬送速度と同期させる。制御部2Aは、印刷信号を受信した場合、未使用の単位印刷領域E2(E3)を使用して印刷イメージIm2(Im3)の印刷を実行する(図11(b)(c)参照)。
【0073】
印刷により使用された単位印刷領域Eの後方側に使用可能な領域がない場合(図11(c)参照)、制御部2Aは、被印字物Sの搬送速度と同期した状態でインクリボン9Aを搬送方向に搬送する。これにより、インクリボン9Aの搬送方向の上流側且つ最も後方側の未使用の単位印刷領域E4を使用可能となる。制御部2Aは、印刷信号を受け付けた場合、印刷イメージIm4の印刷を実行する(図11(d)参照)。
【0074】
インクリボン9Aの前方側に使用可能な領域がある場合(図11(d)(e)参照)、ブラケット6は、オフセット幅wの分だけ印刷装置2を後方側へ移動する。制御部2Aは、所定距離Lよりも多い距離の分だけインクリボン9Aを搬送方向とは逆方向に巻き戻す。外部機器8は、被印字物Pを搬送方向に搬送する。制御部2Aは、インクリボン9Aを搬送方向に搬送させ、被印字物Pの搬送速度に同期させる。これにより、インクリボン9Aの未使用の単位印刷領域E5(E6)が印刷位置に到達する。制御部2Aは、印刷信号を受け付けた場合、未使用の単位印刷領域E5(E6)を使用してオブジェクトObの印刷を実行する(図11(e)(f)参照)。
【0075】
前方側に使用可能な領域がない場合(図11(f)参照)、制御部2Aは、インクリボン9Aの搬送速度が被印字物Pの搬送速度に同期させた状態で、インクリボン9Aを搬送方向に搬送する。制御部2Aは、印刷信号を受け付けた場合、搬送方向の下流側且つ最も前方側の単位印刷領域Eを使用して次の印刷イメージImの印刷を実行する。
【0076】
<表示処理>
図12を参照し、表示処理について説明する。ユーザにより、タブレット11が印刷装置2に接続された場合、印刷装置2の制御部2Aにより表示処理が実行される。表示処理が実行されると、制御部2Aは、カラムに関する情報を受け付けたか否か判断する(S1)。カラムに関する情報は、例えば、カラム数n、オフセット幅wである。カラムに関する情報を受け付けていないと判断した場合(S1:NO)、制御部2Aは、処理をS1に戻して待機する。
【0077】
カラムに関する情報を受け付けたと判断した場合(S1:YES)、制御部2Aは、カラム情報に基づき、W<w×nの条件となるか否か判断する(S3)。ここで、インクリボン9Aの幅寸法がWであり、オフセット幅がwであり、及び単位印刷領域Eの個数がnである。W<w×nの条件となると判断した場合(S3:YES)、制御部2Aは、インクリボン9Aの前後方向の必要な幅が不足しているので、指定されたカラム情報での被印字物Pへの印刷を実行不能であることをタブレット11の画面に表示若しくは音声により警告する(S21)。制御部2Aは、処理をS1に戻す。
【0078】
W<w×nの条件とならないと判断した場合(S3:NO)、制御部2Aは、印刷を実行可能であるとして処理を進め、Wh<w×nの条件となるか否か判断する(S5)。ここで、サーマルヘッド24の前後方向における印刷が有効な幅である印刷有効幅がWhであり、オフセット幅がwであり、単位印刷領域Eの個数がnである。Wh<w×nの条件となると判断した場合(S5:YES)、印刷有効幅Whが不足しているので、被印字物Pへの印刷を実行不能であることをタブレット11の画面に表示若しくは音声により警告する(S23)。
【0079】
Wh<w×nの条件とならないと判断した場合(S5:NO)、制御部2Aは、印刷を実行可能であるとして処理を進め、編集画面R(図4(a)、図5(a)参照)をタブレット11に表示させる(S7)。次いで、制御部2Aは、オブジェクトObに関する情報、具体的にはタブレット11の操作による文字の入力や編集操作を受け付けたか否か判断する(S9)。オブジェクトObに関する情報を受け付けていないと判断した場合(S9:NO)、制御部2Aは、処理をS9に戻して待機する。ユーザのタブレット11の操作によりオブジェクトOb(例えば、図4(b)、図5(b)参照)が入力されると(S9:YES)、制御部2Aは、入力されたオブジェクトObが対応する単位印刷領域Eに夫々収まるか否か判断する(S11)。
【0080】
入力されたオブジェクトObが対応する単位印刷領域Eに収まらないと判断した場合(S11:NO)、制御部2Aは、オブジェクトObの縮小補正の設定がされているか否か判断する(S25)。縮小補正の設定がされていると判断した場合(S25:YES)、制御部2Aは、対応する単位印刷領域Eに収まるように各オブジェクトObの縮小補正を実行する(S27)。制御部2Aは、処理をS11に戻す。
【0081】
一方、縮小補正の設定がされていないと判断した場合(S25:NO)、オブジェクトObの編集を継続するか否か判断する(S29)。編集を継続すると判断した場合(S29:YES)、制御部2Aは、ユーザによるオブジェクトObの入力を制限し(S31)、処理をS9に進める。この場合、制御部2Aは、例えば、ユーザの操作のうちオブジェクトObの改行を無効とする。なお、制御部2Aは、入力可能な文字数を超えて文字入力される場合、超えた文字についての入力を無効としてもよい。一方、編集を継続しないと判断した場合(S29:NO)、制御部2Aは、処理をS1に戻す。
【0082】
一方、入力したオブジェクトObが対応する単位印刷領域Eに収まると判断した場合(S11:YES)、制御部2Aは、受け付けたオブジェクトObの情報に基づき、被印字物Pに印刷が実行された場合の印刷イメージImのイメージ図(図7図8図10参照)をタブレット11に表示させる(S13)。次いで、制御部2Aは、入力されたオブジェクトObの印刷が実行される場合に、インクリボン9Aに形成されるリボンの使用跡(図6図9図11参照)を表示する(S15)。
【0083】
次いで、上記処理で編集された印刷データを保存するか否か判断する(S17)。データを保存するか否かの判断は、ユーザのタブレット11の操作により実行される。印刷データを保存しないと判断した場合(S17:NO)、制御部2Aは、処理をS1に戻す。印刷データを保存すると判断した場合(S17:YES)、制御部2Aは、例えばコントローラ7の記憶部7Bに印刷データを記憶させる(S19)。CPU31は、処理を終了する。この場合、ユーザは、印刷を実行するため、タブレット11を印刷装置2から取り外す。
【0084】
<印刷処理>
図13図14を参照し、印刷処理について説明する。印刷処理は、例えば、ユーザのPC等の操作により印刷開始ボタンが押下された場合に実行される。ユーザは、例えば、表示処理のS19で記憶した印刷データを選択し、印刷開始ボタンを押下する。印刷処理が実行されると、制御部2Aは、カラムモードか否か判断する(S101)。カラムモードであると判断した場合(S101:YES)、制御部2Aは、インクリボン9Aを所定の印刷位置へ搬送させる(S103)。制御部2Aは、サーマルヘッド24の加熱領域Aのうち、使用可能な単位印刷領域Eに対向する素子であり、且つ最も前方側の加熱領域A1を選択する(S105)。制御部2Aは、印刷信号を受け付けた場合、オブジェクトObの印刷を実行する(S107)。この場合、例えば、図8に示す印刷イメージIm1が印刷される。
【0085】
制御部2Aは、インクリボン9Aの前後方向の後方側において使用可能な単位印刷領域Eがあるか否か判断する(S109)。前後方向の後方側において使用可能な単位印刷領域Eがある場合(S109:YES)、制御部2Aは、例えば、所定距離Lよりも多い距離の分だけ被印字物Pを搬送方向の上流側に巻き戻す(S111)。制御部2Aは、巻き戻されたインクリボン9Aを搬送方向に搬送させ、被印字物Pの搬送速度にインクリボン9Aの搬送速度を同期させる(S113)。
【0086】
制御部2Aは、サーマルヘッド24の加熱領域Aのうち、使用可能な単位印刷領域Eに対向する加熱素子24Aの加熱領域A2(A3)を選択する(S115)。制御部2Aは、印刷信号を受け付けると、選択した加熱領域A2(A3)の加熱素子24Aを選択的に加熱することで、オブジェクトObの印刷を実行する(S117)。この場合、例えば、図8に示す印刷イメージIm2(Im3)が印刷される。
【0087】
制御部2Aは、全ての印刷イメージImの印刷が終了したか否か判断する(S119)。印刷が終了していないと判断した場合(S119:NO)、制御部2Aは、処理をS107へ戻す。印刷が終了したと判断した場合(S119:YES)、制御部2Aは、処理を終了する。
【0088】
制御部2Aは、インクリボン9Aの前後方向の後方側において使用可能な単位印刷領域Eが無い場合(S109:NO)、被印字物Pの搬送速度にインクリボン9Aの搬送速度を同期させた状態で、インクリボン9Aを搬送方向に搬送する(S121)。制御部2Aは、サーマルヘッド24の加熱領域Aのうち、未使用の単位印刷領域Eに対応し、且つ最も前方側にある加熱領域A1を選択する(S123)。制御部2Aは、印刷信号を受け付けると、オブジェクトObの印刷を実行する(S125)。この場合、例えば、図8に示す印刷イメージIm4が印刷される。制御部2Aは、処理をS119に進める。
【0089】
一方、カラムモードではないと判断した場合(S101:NO)、制御部2Aは、RSSモードを実行する為、インクリボン9Aを所定の印刷位置へ搬送させる(S201)。制御部2Aは、印刷信号を受け付けると、オブジェクトObの印刷を実行する(S203)。この場合、例えば、図10に示す印刷イメージIm1が印刷される。
【0090】
制御部2Aは、インクリボン9Aの前後方向の後方側において使用可能な単位印刷領域Eがあるか否か判断する(S205)。後方側において使用可能な単位印刷領域Eがある場合(S205:YES)、制御部2Aは、ブラケット6に印刷装置2を、オフセット幅wの分だけ前方側へ移動させる(S207)。これにより、インクリボン9Aは、オフセット幅wの分だけ前後方向の前方側へ搬送される。
【0091】
制御部2Aは、例えば、所定距離Lよりも多い距離の分だけ被印字物Pを搬送方向の上流側に巻き戻す(S209)。制御部2Aは、巻き戻されたインクリボン9Aを搬送方向に搬送させ、被印字物Pの搬送速度にインクリボン9Aの搬送速度を同期させる(S211)制御部2Aは、印刷信号を受け付けると、オブジェクトObの印刷を実行する(S213)。この場合、例えば、図10に示す印刷イメージIm2、Im3が印刷される。制御部2Aは、処理をS119に進める。
【0092】
一方、制御部2Aは、インクリボン9Aの前後方向の後方側において使用可能な単位印刷領域Eが無い場合(S205:NO)、インクリボン9Aの搬送速度を被印字物Pの搬送速度に同期させた状態で、インクリボン9Aを搬送方向に搬送する(S215)。制御部2Aは、印刷信号を受け付けると、オブジェクトOb印刷を実行する(S217)。この場合、例えば、図10に示す印刷イメージIm4が印刷される。
【0093】
制御部2Aは、インクリボン9Aの前後方向の前方側において使用可能な単位印刷領域Eがあるか否か判断する(S219)。インクリボン9Aの前後方向の前方側において使用可能な単位印刷領域Eがある場合(S219:YES)、制御部2Aは、ブラケット6に印刷装置2をオフセット幅wの分だけ前後方向の後方側へ搬送させる(S221)。これにより、インクリボン9Aは、オフセット幅wの分だけ前後方向の後方側へ搬送される。
【0094】
制御部2Aは、例えば、所定距離Lよりも多い距離の分だけ被印字物Pを搬送方向の上流側に巻き戻す(S223)。制御部2Aは、巻き戻されたインクリボン9Aを搬送方向に搬送させ、被印字物Pの搬送速度にインクリボン9Aの搬送速度を同期させる(S225)。制御部2Aは、印刷信号を受け付けると、オブジェクトObの印刷を実行する(S227)。この場合、例えば、図10に示す印刷イメージIm5、Im6が印刷される。制御部2Aは、処理をS119に進める。
【0095】
制御部2Aは、インクリボン9Aの前後方向の前方側において使用可能な単位印刷領域Eが無い場合(S219:NO)、インクリボン9Aの搬送速度を被印字物Pの搬送速度に同期させた状態で、インクリボン9Aを搬送方向に搬送する(S229)。制御部2Aは、印刷信号を受け付けると、オブジェクトObの印刷を実行する(S231)。制御部2Aは、処理をS119に進める。
【0096】
<本実施形態の主たる作用、効果>
以上説明したように、制御部2Aは、オフセット幅wと、カラム数nに関する情報とを取得する。制御部2Aは、インクリボン9Aの単位印刷領域Eを使用して、一回の印刷で被印字物Pに印刷するオブジェクトObに関する情報を取得する。制御部2Aは、取得された情報に基づき、複数の単位印刷領域E毎にオブジェクトObが被印字物Pに印刷される場合のインクリボン9Aに形成されるリボンの使用跡に関する情報を表示する。
【0097】
ユーザは、インクリボン9Aがどのように使用されるかを事前に把握できる。故に、印刷システム1は、ユーザにとって利便性が高い印刷データを表示できる。
【0098】
制御部2Aは、インクリボン9Aの幅寸法をWとし、オフセット幅をwとし、及び単位印刷領域Eの個数をnとし、W<w×nの条件となる場合、被印字物Pへの印刷を実行不能であること警告する。故に、ユーザは、被印字物Pへの印刷が実行不能であることを、印刷前に認識できる。
【0099】
制御部2Aは、サーマルヘッド24の前後方向における印刷が有効な幅である印刷有効幅をWhとし、オフセット幅をwとし、単位印刷領域Eの個数をnとし、Wh<w×nの条件となる場合、被印字物Pへの印刷を実行不能であることを警告する。故に、ユーザは、被印字物Pへの印刷が実行不能であることを、印刷前に認識できる。
【0100】
制御部2Aは、複数の単位印刷領域Eを予め定められた順番に使用して、オブジェクトObの印刷を実行する。制御部2Aは、複数の単位印刷領域Eの使用する順番を識別する識別情報を表示する。故に、ユーザは、何れの順番でインクリボン9Aの単位印刷領域Eが使用されるかを容易に把握できる。
【0101】
制御部2Aは、単位印刷領域Eに印刷するオブジェクトObの情報を受け付ける。制御部2Aは、受け付けられたオブジェクトObが、単位印刷領域Eに収まるか否かを判断する。制御部2Aは、オブジェクトObが単位印刷領域Eに収まらないと判断された場合、オブジェクトObの入力を制限する。ユーザは、オブジェクトObの入力を制限されるので、入力したいオブジェクトObが単位印刷領域Eに収まらないと認識できる。
【0102】
制御部2Aは、単位印刷領域Eに印刷するオブジェクトObの情報を入力可能である。制御部2Aは、受け付けられたオブジェクトObが、単位印刷領域Eに収まるか否かを判断する。制御部2Aは、オブジェクトObが単位印刷領域Eに収まらないと判断された場合、オブジェクトObの改行を無効とする。ユーザは、オブジェクトObの改行を制限されるので、入力したいオブジェクトObが単位印刷領域Eに収まらないと認識できる。
【0103】
制御部2Aは、単位印刷領域Eに印刷するオブジェクトObの情報を入力可能である。制御部2Aは、受け付けられたオブジェクトObが、単位印刷領域Eに収まるか否かを判断する。制御部2Aは、オブジェクトObが単位印刷領域Eに収まらないと判断された場合、単位印刷領域Eに収まるようにオブジェクトObを縮小補正する。故に、印刷装置2は、補正されたオブジェクトObを単位印刷領域Eに印刷可能となる。
【0104】
制御部2Aは、インクリボン9Aの前後方向における位置が固定された状態で、印刷を実行する。制御部2Aは、複数の加熱素子24Aのうち前後方向の前方側において、使用可能な単位印刷領域Eに対向する加熱領域A1を選択する。制御部2Aは、選択された加熱領域A1の加熱素子24Aを選択的に加熱することで、印刷位置に搬送されたインクリボン9Aの単位印刷領域Eを使用して印刷を実行する。制御部2Aは、インクリボン9Aの前後方向の後方側において使用可能な単位印刷領域Eがある場合、複数の加熱素子24Aのうち、加熱領域A1よりも前後方向の後方側の領域であり、使用可能な単位印刷領域Eに対向する加熱領域A2(A3)を選択する。制御部2Aは、選択された加熱領域A2(A3)の加熱素子24Aを選択的に加熱することで、搬送方向に搬送されたインクリボン9Aの未使用の単位印刷領域Eを使用して印刷を実行する。制御部2Aは、インクリボン9Aの前後方向の後方側において使用可能な単位印刷領域Eが無い場合、複数の加熱素子24Aのうち、加熱領域A1に対応する加熱素子24Aを選択的に加熱することで、搬送されたインクリボン9Aの未使用の単位印刷領域Eを使用して印刷を実行する。故に、ユーザは、インクリボン9Aを効率よく使用できる。また、印刷動作前にインクリボン9Aの使用跡がタブレット11に表示されるので、インクリボン9Aの使用形態を印刷動作の動作モードに対応して適切に確認することができる。
【0105】
制御部2Aは、所定の印刷位置に搬送されたインクリボン9Aの単位印刷領域Eを使用して、被印字物Pの前後方向における所定の中央部に印刷を実行する。制御部2Aは、インクリボン9Aの前後方向の後方側において使用可能な単位印刷領域Eがある場合、オフセット幅wの分だけインクリボン9Aを前後方向の前方側へ搬送する。制御部2Aは、被印字物Pを搬送方向に対して単位印刷領域Eの搬送方向における幅の分だけ搬送された被印字物Pの印刷領域に対して、搬送されたインクリボン9Aの未使用の単位印刷領域Eを使用して印刷を実行する。制御部2Aは、インクリボン9Aの前後方向の後方側において使用可能な単位印刷領域Eが無い場合、インクリボン9Aを搬送方向へ搬送する。制御部2Aは、搬送方向に対して搬送された被印字物Pの印刷領域に対して、搬送されたインクリボン9Aの未使用の単位印刷領域Eを使用して印刷を実行する。制御部2Aは、インクリボン9Aの前後方向の前方側において使用可能な単位印刷領域Eがある場合、オフセット幅wの分だけインクリボン9Aを前後方向の後方側へ搬送する。故に、ユーザは、インクリボン9Aを効率よく使用できる。また、印刷動作前にインクリボン9Aの使用跡がタブレット11に表示されるので、インクリボン9Aの使用形態を印刷動作の動作モードに対応して適切に確認することができる。
【0106】
制御部2Aは、取得されたカラムに関する情報に基づき、一回の印刷により使用されるインクリボン9Aの単位印刷領域E毎に使用される順番を示す情報を識別可能に表示する。
【0107】
印刷システム1は、単位印刷領域E毎に使用される順番を示す情報を識別可能に表示する。故に、印刷システム1は、ユーザにとって利便性が高い印刷データを表示できる。
【0108】
制御部2Aは、単位印刷領域E毎の印刷の順番に応じて単位印刷領域Eを枠F(図6(a))で囲み、印刷の順番に応じて枠を切り替えて表示する。制御部2Aは、単位印刷領域E毎の印刷の順番に応じて、単位印刷領域E毎に色彩(図6(b)の白色と黒色)を付して表示する。制御部2Aは、単位印刷領域E毎の印刷の順番に対応する番号(図6(a)の<1>~<3>)を表示する。故に、印刷システム1は、単位印刷領域Eの使用される順番を識別可能に表示できる。
【0109】
<変形例>
本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。上記実施形態では、印刷システム1により編集画面R及び印刷結果のイメージ図が編集及び表示されたがこれに限らない。例えば、印刷装置2以外の感熱型の印刷装置に表示部を設けて表示させてもよい。
【0110】
表示処理、及び印刷処理は印刷装置2の制御部2Aによって実行された。これに対し、外部機器8は、印刷システム1に含まれてもよい。表示処理、及び印刷処理の一部又は全部は、コントローラ7の制御部7A、又は、外部機器8の制御部8A、又は、タブレット11の制御部により実行されてもよい。
【0111】
上記実施形態では、タブレット11に編集画面R、印刷結果のイメージ図等が表示されたがこれに限らない。例えば、PCなどのディスプレイなどに表示してもよい。
【0112】
上記実施形態では、オートモードの説明は、カラム数n=2の場合で説明したがこれに限らない。カラム数nは、ユーザにより適宜設定されればよい。また、上記実施形態では、マニュアルモードでの説明は、カラム数nが3の場合且つオフセット幅wが5mmであったたがこれに限らない。これらのカラム情報は、ユーザにより適宜設定されればよい。例えば、オフセット幅w、幅寸法W、サーマルヘッド24の印刷が有効な印刷有効幅Wh等は、適宜変更されてもよい。
上記実施形態では、インクリボン9Aの使用跡を表示するとしたが、背景を黒で使用された文字部分を白抜きで表示してもよいし、黒枠に黒色で文字を表示してもよいし、これらに限定されない。インクリボン9Aの使用領域とオブジェクト内容をユーザが認識できれば、表示の色や縮尺は限定されない。また、表示の態様は、必ずしも正確な表示で無くてもよく、模式的に簡略化された表示であってもよい。
【0113】
上記実施形態では、オブジェクトObは、文字列であったがこれに限らない。例えば、オブジェクトObは、例えば、文字以外に図形、記号、絵等が入力されてもよい。
【0114】
上記実施形態では、枠Fは黒枠で表示されたがこれに限らない。例えば、黒以外の他の色で表現してもよい。また、タブレット11の操作により、枠Fの黒枠の位置が切り替えられたがこれに限らない。例えば、タブレット11は、枠Fの切り替えを行わずに、単位印刷領域E毎に異なる枠の色で表示してもよい。
【0115】
上記実施形態では、単位印刷領域E1~E3毎に、印刷の順番に対応する番号<1>~<3>が割り振られたがこれに限らない。他の文字、図形、記号などを用いてもよい。
【0116】
上記実施形態では、単位印刷領域E1~E3毎に、背景が白色と黒色で表示されたがこれに限らない。例えば、単位印刷領域E1に対して、背景を白とした場合、単位印刷領域E2、E3は、グレイアウトでもよい。
【0117】
上記実施形態では、印刷結果のイメージ図を単位印刷領域E1~E3に印刷される順番と対応して表示されたがこれに限らない。例えば、単位印刷領域E1~E3のイメージ図をまとめて表示してもよい。この場合、上記実施形態及び変形例で説明した方法を用いて、印刷順番を示す識別情報と共に表示してもよい。
【0118】
<その他>
左方は、本発明の「搬送方向」の一例である。前後方向は、本発明の「幅方向」の一例である。加熱領域A1は、本発明の「第一加熱領域」の一例である。加熱領域A2は、本発明の「第二加熱領域」の一例である。加熱領域A3は、本発明の「第三加熱領域」の一例である。S1の処理を実行する制御部2Aは、本発明の「第一取得手段」の一例である。S9の処理を実行する制御部2Aは、本発明の「第二取得手段」の一例である。S13、S15の処理を実行する制御部2Aは、本発明の「表示手段」の一例である。S21の処理を実行する制御部2Aは、本発明の「第一警告手段」の一例である。S23の処理を実行する制御部2Aは、本発明の「第二警告手段」の一例である。S9の処理を実行する制御部2Aは、本発明の「受付手段」の一例である。S11の処理を実行する制御部2Aは、本発明の「判断手段」の一例である。S31の処理を実行する制御部2Aは、本発明の「制限手段」の一例である。S31の処理を実行する制御部2Aは、本発明の「無効手段」の一例である。S27の処理を実行する制御部2Aは、本発明の「補正手段」の一例である。
【0119】
S105の処理を実行する制御部2Aは、本発明の「第一選択手段」の一例である。S107の処理を実行する制御部2Aは、本発明の「第一印刷手段」の一例である。S115の処理を実行する制御部2Aは、本発明の「第二選択手段」の一例である。S117処理を実行する制御部2Aは、本発明の「第二印刷手段」の一例である。S123の処理を実行する制御部2Aは、本発明の「第三選択手段」の一例である。S125の処理を実行する制御部2Aは、本発明の「第三印刷手段」の一例である。
【0120】
S203の処理を実行する制御部2Aは、本発明の「第一印刷手段」の一例である。S207の処理を実行する制御部2Aは、本発明の「第一搬送手段」の一例である。S213の処理を実行する制御部2Aは、本発明の「第二印刷手段」の一例である。S215の処理を実行する制御部2Aは、本発明の「第二搬送手段」の一例である。S217の処理を実行する制御部2Aは、本発明の「第三印刷手段」の一例である。S221の処理を実行する制御部2Aは、本発明の「第三搬送手段」の一例である。
【符号の説明】
【0121】
1 :印刷システム
2 :印刷装置
2A :制御部
2B :記憶部
2C :通信インタフェース
9A :インクリボン
24 :サーマルヘッド
24A :加熱素子
W :幅寸法
w :オフセット幅
Wh :印刷有効幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14