(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022157732
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】車両制御装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B60L 8/00 20060101AFI20221006BHJP
B60L 15/20 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
B60L8/00
B60L15/20 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021062127
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】阿部 典行
【テーマコード(参考)】
5H125
【Fターム(参考)】
5H125AA01
5H125AC09
5H125AC12
5H125CA04
5H125CA18
5H125CD02
5H125EE52
5H125EE61
5H125EE66
(57)【要約】
【課題】効率よく発電すること。
【解決手段】太陽光発電による電力で走行する車両に用いられる車両制御装置であって、走行予定の経路である走行経路上の日射量を示す日射情報を取得する日射情報取得部と、前記日射情報取得部によって取得された日射情報と、日射量と速度とを対応付けた情報とに基づいて、前記走行経路上における目標とする目標速度を決定する目標速度決定部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光発電による電力で走行する車両に用いられる車両制御装置であって、
走行予定の経路である走行経路上の日射量を示す日射情報を取得する日射情報取得部と、
前記日射情報取得部によって取得された日射情報と、日射量と速度とを対応付けた情報とに基づいて、前記走行経路上における目標とする目標速度を決定する目標速度決定部と、
を備える車両制御装置。
【請求項2】
前記車両は、運転者の操作がなくても走行する自動運転車両であり、
前記目標速度決定部によって決定された前記目標速度に基づいて、車速を制御する車速制御部を備える、
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項3】
前記車両は、運転者が運転する車両であり、
前記目標速度決定部によって決定された前記目標速度に基づいて、車速の変更を運転者に推奨する車速変更推奨部を備える、
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項4】
前記日射情報取得部は、目的地に到着するまで、所定タイミングで日射情報を取得し、
前記目標速度決定部は、前記所定タイミングで取得された日射情報に基づいて、前記目標速度を補正する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の車両制御装置。
【請求項5】
前記所定タイミングで取得された日射情報と、前記目標速度の決定に用いられた日射情報とを比較した比較結果を取得する比較結果取得部と、
前記目標速度決定部は、前記比較結果が所定の閾値を超える場合に、前記目標速度を補正する、
請求項4に記載の車両制御装置。
【請求項6】
前記目標速度決定部は、車速を変更する際の加減速に関する情報に基づいて、車速を前記目標速度に変更する際の目標とする加減速を決定する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の車両制御装置。
【請求項7】
自車両の周囲を走行する周辺車両の走行状態に関する情報を取得する走行状態取得部を備え、
前記目標速度決定部は、前記加減速に関する情報と、前記走行状態に関する情報とに基づいて、前記加減速を決定する、
請求項6に記載の車両制御装置。
【請求項8】
前記目標速度決定部は、前記走行経路上の制約に関する道路制約情報に基づいて、前記目標速度を決定する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の車両制御装置。
【請求項9】
前記目標速度決定部は、前記走行経路上における事故の発生率を示す事故発生率情報に基づいて、前記目標速度を決定する、
請求項1から8のいずれか1項に記載の車両制御装置。
【請求項10】
太陽光発電による電力で走行する車両に用いられるコンピュータが、
走行予定の経路である走行経路上の日射量を示す日射情報を取得し、
取得した日射情報と、日射量と速度とを対応付けた情報とに基づいて、前記走行経路上における目標とする目標速度を決定する、
制御方法。
【請求項11】
太陽光発電による電力で走行する車両に用いられるコンピュータに、
走行予定の経路である走行経路上の日射量を示す日射情報を取得させ、
取得した日射情報と、日射量と速度とを対応付けた情報とに基づいて、前記走行経路上における目標とする目標速度を決定させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両制御装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽光によって発電された電力を用いて走行する車両が知られている。関連する技術として、日射条件の良い走行経路を選択することや、一時的に日陰を通過する場合には太陽光発電を行う装置をオフにしないようにすることなどが開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-125803号公報
【特許文献2】特開2016-163473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、最短距離や最小のエネルギーとなる経路を選択して車速や加速度を決定するに過ぎず、効率よく発電することができないことがあった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、効率よく発電することができることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る車両制御装置、制御方法、及びプログラムは、以下の構成を採用した。
(1):この発明の一態様に係る車両制御装置は、太陽光発電による電力で走行する車両に用いられる車両制御装置であって、走行予定の経路である走行経路上の日射量を示す日射情報を取得する日射情報取得部と、前記日射情報取得部によって取得された日射情報と、日射量と速度とを対応付けた情報とに基づいて、前記走行経路上における目標とする目標速度を決定する目標速度決定部と、を備える。
【0007】
(2):上記(1)の態様において、前記車両は、運転者の操作がなくても走行する自動運転車両であり、前記目標速度決定部によって決定された前記目標速度に基づいて、車速を制御する車速制御部を備える。
【0008】
(3):上記(1)の態様において、前記車両は、運転者が運転する車両であり、前記目標速度決定部によって決定された前記目標速度に基づいて、車速の変更を運転者に推奨する車速変更推奨部を備える。
【0009】
(4):上記(1)から(3)のいずれかの態様において、前記日射情報取得部は、目的地に到着するまで、所定タイミングで日射情報を取得し、前記目標速度決定部は、前記所定タイミングで取得された日射情報に基づいて、前記目標速度を補正する。
【0010】
(5):上記(4)の態様において、前記所定タイミングで取得された日射情報と、前記目標速度の決定に用いられた日射情報とを比較した比較結果を取得する比較結果取得部と、前記目標速度決定部は、前記比較結果が所定の閾値を超える場合に、前記目標速度を補正する。
【0011】
(6):上記(1)から(5)のいずれかの態様において、前記目標速度決定部は、車速を変更する際の加減速に関する情報に基づいて、車速を前記目標速度に変更する際の目標とする加減速を決定する。
【0012】
(7):上記(6)の態様において、自車両の周囲を走行する周辺車両の走行状態に関する情報を取得する走行状態取得部を備え、前記目標速度決定部は、前記加減速に関する情報と、前記走行状態に関する情報とに基づいて、前記加減速を決定する。
【0013】
(8):上記(1)から(7)のいずれかの態様において、前記目標速度決定部は、前記走行経路上の制約に関する道路制約情報に基づいて、前記目標速度を決定する。
【0014】
(9):上記(1)から(8)のいずれかの態様において、前記目標速度決定部は、前記走行経路上における事故の発生率を示す事故発生率情報に基づいて、前記目標速度を決定する。
【0015】
(10):この発明の一態様に係る制御方法は、太陽光発電による電力で走行する車両に用いられるコンピュータが、走行予定の経路である走行経路上の日射量を示す日射情報を取得し、取得した日射情報と、日射量と速度とを対応付けた情報とに基づいて、前記走行経路上における目標とする目標速度を決定する。
【0016】
(11):この発明の一態様に係るプログラムは、太陽光発電による電力で走行する車両に用いられるコンピュータに、走行予定の経路である走行経路上の日射量を示す日射情報を取得させ、取得した日射情報と、日射量と速度とを対応付けた情報とに基づいて、前記走行経路上における目標とする目標速度を決定させる。
【発明の効果】
【0017】
(1)~(11)によれば、効率よく発電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施形態1に係る車両Mの構成の一例を示す図である。
【
図3】実施形態1に係る車両制御装置100の一例を示す図である。
【
図4】実施形態1に係る車両制御装置100が行う車両制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】実施形態2に係る車両制御装置100の一例を示す図である。
【
図6】実施形態2に係る車両制御装置500が行う車両制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態2に係る車速変更の推奨を示す画面例である。
【
図8】実施形態2に係る車速変更の推奨を示す画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[実施形態]
以下、図面を参照し、本発明の車両、制御装置、制御方法、及びプログラムの実施形態1、2について説明する。
【0020】
[実施形態1]
[車両Mの一例]
図1は、実施形態1に係る車両Mの構成の一例を示す図である。
図1に示す車両Mは、太陽光によって発電された電力を用いて走行する電気自動車(EV車:Electric Vehicle)である。なお、車両Mは、EV車であるが、太陽光パネル101を備える車両であれば、これに限らない。例えば、車両Mは、HV車(Hybrid Vehicle)や、PHV車(Plug-in Hybrid Vehicle)とすることも可能である。
【0021】
車両Mは、運転者の操作がなくても自動で走行する自動運転を行うことが可能な車両である。自動運転は、例えば、常にシステムが全ての運転タスクを実施する完全自動運転である。なお、自動運転は、例えば、ACC(Adaptive Cruise Control)、LKAS(Lane Keep Assist System)、CMBS(Collision Mitigation Brake System)、トラフィックジャムアシスト機能などの運転支援機能のうち、少なくともいずれか1つの機能がオンになる状態であってもよい。
【0022】
図1に示すように、車両Mは、車両制御装置100と、太陽光パネル101と、充電制御部102と、バッテリ103と、モータ104と、駆動輪105とを備える。車両制御装置100は、車両全体の制御を司る。車両制御装置100は、車両Mが備える各種センサの検出結果や、入力される各種情報を用いて、運転を制御する。車両制御装置100は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)によって実現される。
【0023】
太陽光パネル101は、太陽の光エネルギーを吸収して電気を発電する。充電制御部102は、太陽光パネル101によって発電された電気をバッテリ103に充電させる。モータ104は、車両制御装置100の制御に基づいて、バッテリ103に充電された電気を用いて駆動輪105を駆動回転させる。なお、車両Mは、前方を撮像する車載カメラと、後方を撮像する車載カメラとを備える。
【0024】
[実施形態の概要の一例]
図2は、実施形態1の概要の一例を示す図である。本実施形態では、晴天時に、車両Mが最大限の太陽エネルギーを得ることを目的に、車両Mの速度を調整するようにしている。
図2に示すように、車両Mは、晴天時に出発地Pから目的地Dまで、太陽光による発電量を考慮して、車速分布マップ220が示す速度で走行する。
【0025】
図2に示す概要
図200は、日射分布マップ210と、車速分布マップ220と、発電量情報230と、所要時間情報240とを含む。日射分布マップ210は、走行予定の経路である走行経路上における日射量の分布を示す。具体的には、日射分布マップ210は、第1の位置から第2の位置までの経路上における各場所(各領域)の日射量の多寡を示すマップである。第1の位置は、例えば、出発地、現在の位置、将来通過する予定の位置などである。また、第2の位置は、例えば、目的地、第1地点の通過後に通過する予定の位置などである。
【0026】
日射分布マップ210は、経路上の日射量の多寡を示す。本実施形態では、説明の便宜上、日射量は、「多」、「中」、「少」の3段階の多寡で表すこととする。日射分布マップ210において、「日射」(図示の日射領域211)は、道路上に日光を遮るものがない場所を示しており、すなわち、日射量が「多」である場所を示す。また、日陰が生じる並木道を示す「並木」や、曇り空を示す「日陰(雲)」(図示の日陰領域212)は、日射量が「中」である場所を示す。また、日光がほとんど入らない「トンネル」は、日射量が「少」を示すこととなる。
【0027】
車速分布マップ220は、走行経路上における車速に関するマップである。具体的には、車速分布マップ220は、経路上の位置ごとの目標とする速度(および目標とする加速度)を示すマップである。ここで、効率よく発電を行うにあり、日射量と車速とは、増減に関して相反する関係となる。具体的には、効率よく発電を行うには、日射量が多いときには低速走行が有効であり、日射量が中のときには中速走行が有効であり、日射量が少ないときには高速走行が有効である。車速分布マップ220において、日射領域211に対応する速度は低速を示しており、日陰領域212に対応する速度は高速を示している。
【0028】
なお、速度は、安全上および法律上、問題がない程度の速度とする。具体的には、速度は、最高速度とした場合でも、法定速度や指定速度を超えることのない速度である。また、低速は、周辺車両の速度を考慮した速度であり、例えば、周辺車両の速度よりも1~2割程度、遅い速度である。なお、周辺車両が存在しない場合は、ユーザの選択に応じた任意の速度とすることも可能である。また、車両Mは、自動運転車両であるため、ユーザが車内で所要を済ませることができる。このため、目的地Dまで最短で到着することを最優先させる必要はない。このことから、周辺車両が存在しない場合には、到着時刻を考慮せずに、より遅い速度とすることも可能である。
【0029】
また、車速分布マップ220は、目標速度に移行させる際の加速度を示すマップでもある。例えば、車速分布マップ220において、低速から中速に移行させる際の加速度221(傾き)は、低速から高速に移行させる際の加速度222(傾き)よりも小さいことを示している。すなわち、図示において、低速から中速に移行させる際には緩やかに加速させ、低速から高速に移行させる際にはそれよりも大きい加速度で加速させることを示している。
【0030】
発電量情報230は、経路上の位置ごとの目標とする発電量を示す。ここで、太陽光発電の発電量は、日射量の増加に伴って増加する関係となっている。具体的には、発電量は、日射量が多いときには多く、日射量が中のときには中であり、日射量が少ないときには少ない関係となっている。また、日射量が多い場所では低速走行となることからも、発電量は多くなる。一方で、日射量が少ない場所では高速走行となることからも、発電量は少なくなる。具体的には、発電量情報230において、日射領域211に対応する発電量は多いことを示しており、日陰領域212に対応する発電量は少ないことを示している。
【0031】
所要時間情報240は、出発地Pから目的地Dまでの経路上における各場所を通過する際の所要時間を示す。例えば、日射が多い場所では、低速で移動することから、所要時間を要する。具体的には、図示では、日射領域211を通過するのに、時間T1を要することを示している。一方で、日射が少ない場所では、高速で移動することから、所要時間が短くなる。具体的には、図示では、日陰領域212を通過するのに、時間T2を要することを示している。なお、日陰領域212は、日射領域211よりも長い区間であるが、日陰領域212では高速移動となることから、日陰領域212の通過に要する時間T2は、日射領域211の通過に要する時間T1よりも短くなっている。
【0032】
このように、本実施形態では、日射量の多い場所では車両Mを低速で走行させ、日射量の少ない場所では高速で走行させるため、効率よく発電することができるようにしている。具体的には、日射が良好な箇所では、車両Mの速度を実用上問題が無い程度まで低下させて発電時間をなるべく長くする。一方で、雲、並木、トンネルなど、日射条件の悪い箇所では、車両Mの速度を、安全上および法律上問題がない程度まで増加させて滞在時間をなるべく短くし、損失を減らすようにしている。
【0033】
[実施形態1に係る車両制御装置100の一例]
図3は、実施形態1に係る車両制御装置100の一例を示す図である。
図3に示すように、車両制御装置100は、日射情報取得部301と、日射分布マップ生成部302と、車速分布マップ生成部303と、目標速度決定部304と、車速制御部305と、走行状態取得部306と、許容速度マップ生成部307と、比較結果取得部308とを備える。
【0034】
これらの構成要素は、それぞれ、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め車両制御装置100のHDDやフラッシュメモリ等の記憶装置(不図示)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROM等の着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで車両制御装置100のHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。
【0035】
また、車両制御装置100は、記憶部310を備える。記憶部310は、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等の記憶装置により実現される。なお、記憶部に記憶される情報は、車両制御装置100がアクセス可能な外部の装置に記憶されていてもよい。
【0036】
日射情報取得部301は、走行経路上の日射量を示す日射情報を取得する。走行経路は、例えば、出発地Pから目的地Dまでの経路である。日射情報は、インターネットなどの通信情報と、車載カメラなどの映像情報と、太陽光パネル101の発電量とを含む。具体的に説明すると、日射情報取得部301は、インターネット、テレビ、ラジオなどの通信情報(天気情報)から日射情報を取得する。また、日射情報取得部301は、車両Mの前方を撮像する車載カメラの撮像結果から日射情報を取得する。また、日射情報取得部301は、太陽光パネル101が発電する発電量から日射情報を取得する。
【0037】
また、日射情報は、地図データにも含まれる。地図データは、例えば、並木道であることの情報を含む。なお、並木道は、時間帯や季節によって日陰のできる位置が異なる場合がある。このため、日射量を取得するために参照する地図データは、時間帯や季節ごとの地図データとする。
【0038】
日射情報は、経路上の場所ごとに、日射量について「多」、「中」、「少」のいずれかの多寡を示す情報である。なお、日射情報取得部301は、「日射」、「並木」、「日陰」、「トンネル」を示す経路上の情報を取得してもよい。ただし、これらの経路上の情報は多寡を示す情報と対応付けられており、日射情報取得部301は、取得した経路上の情報から、多寡を示す情報を導出するようにしてもよい。
【0039】
記憶部310は、対応情報311を記憶する。対応情報311は、効率よく発電するための日射量と速度とを対応付けた情報である。対応情報311は、日射量と車速とについて増減が相反する関係となることを示す情報である。具体的には、対応情報311は、日射量と目標速度とを以下のように対応付けた情報である。
・日射量「少」-目標速度「高速」。
・日射量「中」-目標速度「中速」。
・日射量「多」-目標速度「低速」。
【0040】
なお、対応情報311は、以下のように発電量と対応付けられる。
・日射量「少」-目標速度「高速」-発電量「少」。
・日射量「中」-目標速度「中速」-発電量「中」。
・日射量「多」-目標速度「低速」-発電量「多」。
【0041】
目標速度決定部304は、対応情報311を参照し、日射情報取得部301によって取得された日射情報に基づいて、走行経路上における目標とする目標速度を決定する。具体的には、例えば、日射情報取得部301によって取得された日射情報が「多」の日射量を示す場合、目標速度決定部304は、対応情報311を参照し、「低速」の目標速度を決定する。これにより、日射量が「多」のときに、多くの発電量を得ることができる。
【0042】
なお、日射情報は、インターネットなどの通信情報と、車載カメラなどの映像情報と、太陽光パネル101の発電量とのうち、少なくとも一の情報を含んでいればよい。このため、目標速度決定部304は、例えば、インターネットなどの通信情報のみに基づいて、走行経路上における目標とする目標速度を決定してもよい。また、例えば、目標速度決定部304は、車載カメラなどの映像情報のみに基づいて、走行経路上における目標とする目標速度を決定してもよい。
【0043】
目標速度の決定について、詳細に説明する。目標速度決定部304は、日射分布マップ生成部302と、車速分布マップ生成部303とを備える。日射分布マップ生成部302は、日射情報取得部301によって取得された日射情報に基づいて、日射分布マップ210を生成する。日射分布マップ210は、走行経路上の各場所について、日射量の多寡を示す情報をマップ化したものである。なお、以下において、目的地Dを設定した際に生成された日射分布マップ210を「初期の日射分布マップ210」という場合がある。
【0044】
車速分布マップ生成部303は、記憶部310に記憶されている対応情報311を参照し、日射分布マップ生成部302によって生成された日射分布マップ210に基づいて、走行経路上の各場所における目標速度を示す車速分布マップ220を生成する。具体的には、例えば、車速分布マップ生成部303は、日射量が「少」の場所における目標速度を高速とし、日射量が「多」の場所における目標速度を低速とした車速分布マップ220を生成する。
【0045】
車速制御部305は、目標速度決定部304によって決定された目標速度に基づいて、車速を制御する。具体的には、車速制御部305は、車速分布マップ生成部303によって生成された車速分布マップ220を示す情報に基づいて、車速を制御する。車速制御部305は、モータ104を制御して、走行経路上の場所ごとに、車速分布マップ220が示す速度および加速度で車両Mを走行させる。
【0046】
[日射分布マップ210の補正について]
また、日射情報取得部301は、目的地Dに到着するまで、所定タイミングで日射情報を随時取得する。ここで、車載カメラは、車両Mの走行中、移り変わる前方の景色を撮像する。日射情報取得部301は、車載カメラによって撮像された撮像結果から、日射情報を取得する。所定タイミングは、日射情報に関する撮像結果が得られるタイミングであり、例えば、前方に雲が撮像されたタイミングなどである。例えば、日射情報取得部301は、前方に雲が撮像された場合、雲が存在する場所の位置を特定するとともに、日射量の情報として「日陰」(=「少」)を取得する。
【0047】
なお、日射情報取得部301は、車載カメラの撮像結果から日射情報をのみならず、目的地Dに到着するまで、太陽光パネル101によって発電される発電量や、インターネットなどから日射情報を随時(所定タイミングで)取得する。なお、以下では、目的地Dまでに随時取得される日射情報のうち、最新の日射情報を「観察情報」という場合がある。
【0048】
日射分布マップ生成部302は、観察情報に基づいて、日射分布マップ210を補正する。このため、目的地Dに到着するまでの間に、日射分布マップ210は、随時補正(更新)されることになる。このように、本実施形態では、日射分布マップ210に基づいて車速分布マップ220を生成し、車載カメラによって撮像された撮像結果(観察情報)に基づいて車速分布マップ220をその場で修正する。
【0049】
比較結果取得部308は、所定タイミングで取得された日射情報と、目標速度の決定に用いられた日射情報とを比較した比較結果を取得する。比較結果は、例えば、所定タイミングにおける日射量と、目標速度が決定された際の日射量との差(または比率)である。日射分布マップ生成部302は、当該比較結果が所定の閾値を超える場合に、日射分布マップ210を補正する。なお、閾値は、太陽光パネル101の性能や、消費電力によって変わる値である。日射分布マップ210が補正されると、車速分布マップ生成部303は、補正後の日射分布マップ210に基づいて、車速分布マップ220を補正する。
【0050】
なお、比較結果取得部308が比較結果を取得するようにしているが、車両制御装置100が当該比較を行う機能部を備えていてもよい。具体的には、車両制御装置100は、所定タイミングで取得された日射情報と、目標速度の決定に用いられた日射情報とを比較する比較部を備えていてもよい。
【0051】
[車両Mの加減速について]
記憶部310は、予め速度遷移マップ312を記憶する。速度遷移マップ312は、車速を変更する際の加減速に関する情報である。具体的には、速度遷移マップ312は、ある車速から目標の車速まで速度を変更(加減速)する場合に、乗り心地、走行損失を考慮して、滑らかで適切な速度の推移曲線となるよう計算された駆動力を示すマップである。
【0052】
目標速度決定部304は、速度遷移マップ312を参照し、車速を目標速度に変更する際の目標とする加減速を決定する。加減速の決定について、具体的に説明する。車速分布マップ生成部303は、記憶部310に記憶される速度遷移マップ312と、日射分布マップ210とに基づいて、車速分布マップ220を生成する。
【0053】
ここで、上述したように、トンネルでは、高速で走行することになる。仮に、前方に車両がいる場合に、トンネルの入口付近で急加速したとすると、前方の車両との車間距離が短くなってしまう。また、トンネルから出ると、低速で走行することになる。仮に、後方に車両がいる場合に、急減速したとすると、追突されるおそれがある。このため、車両制御装置100は、周辺の車両を考慮して、加減速を行うようにしている。
【0054】
具体的に説明すると、走行状態取得部306は、車両Mの周囲を走行する周辺車両の走行状態に関する情報を取得する。周辺車両は、例えば、自車両の前方または後方を走行する車両である。周辺車両の走行状態に関する情報は、周辺車両の速度の情報や、車両Mと周辺車両との距離の情報を含む。走行状態取得部306は、前方を撮像する車載カメラ、および、後方を撮像する車載カメラの撮像結果から、周辺車両の走行状態に関する情報を取得する。
【0055】
目標速度決定部304は、速度遷移マップ312と、他の車両の走行状態に関する情報とを参照し、加減速を決定する。加減速の決定について、具体的に説明する。車速分布マップ生成部303は、他の車両の走行状態に関する情報に基づいて、車速分布マップ220における加減速を決定する。具体的には、車速分布マップ生成部303は、周辺車両への攻撃性(急加速、急減速)を考慮して、加減速を決定する。より具体的には、車速分布マップ生成部303は、周辺車両がいる場合に、急加速や急減速とならないように、加減速を決定する。
【0056】
[走行経路上の走行規制等について]
次に、走行経路上の走行規制等について説明する。許容速度マップ生成部307は、許容速度マップを記憶する。許容速度マップは、道路制約情報を含む。道路制約情報は、法規や時間、天候条件等による道路の使用上の制約である。具体的には、例えば、道路制約情報は、最高速度、最低速度、走行区分指定、時間指定、スクールゾーン、道路工事情報、通行制限情報(積雪、暴風)等の情報である。
【0057】
許容速度マップ生成部307は、これらの情報を、地図データから取得したり、インターネットやラジオなどを用いて取得したりする。例えば、最高速度、最低速度、走行区分指定、時間指定、スクールゾーンなどの情報は、地図データから取得される。また、道路工事情報、通行制限情報(積雪、暴風)は、インターネットなどから取得される。
【0058】
目標速度決定部304は、許容速度マップ生成部307を参照して、目標速度を決定する。目標速度の決定について、具体的に説明する。車速分布マップ生成部303は、許容速度マップに含まれる道路制約情報を参照して、車速分布マップ220を生成する。例えば、車速分布マップ生成部303は、スクールゾーンにおいて、急加速や高速での走行を行わない車速分布マップ220を生成する。
【0059】
また、許容速度マップは、事故発生率情報を含む。事故発生率情報は、走行経路上における事故の発生率を示す情報である。許容速度マップ生成部307は、事故発生率情報を、地図データから取得したり、インターネットやラジオなどを用いて取得したりする。車速分布マップ生成部303は、許容速度マップに含まれる事故発生率情報を参照して、車速分布マップ220を生成する。例えば、車速分布マップ生成部303は、事故の発生率が高い場所において、急加速や高速での走行を行わない車速分布マップ220を生成する。
【0060】
[実施形態1に係る車両制御装置100が行う車両制御処理]
図4は、実施形態1に係る車両制御装置100が行う車両制御処理の一例を示すフローチャートである。
図4において、車両制御装置100は、目的地Dが設定されて、経路探索が行われ、目的地Dまでの経路が決定したか否かを判断する(ステップS401)。日射情報取得部301は、経路が決定するまで待機し、経路が決定すると、日射情報を取得する(ステップS402)。そして、日射分布マップ生成部302は、日射情報に基づいて、初期の日射分布マップ210を生成する(ステップS403)。
【0061】
そして、許容速度マップ生成部307は、道路制約情報や事故発生率情報を取得して、許容速度マップを生成する(ステップS404)。次に、車速分布マップ生成部303は、日射分布マップ生成部302によって生成された日射分布マップ210と、許容速度マップ生成部307によって生成された許容速度マップとを用いて、車速分布マップ220を生成する(ステップS405)。そして、車速制御部305は、車速分布マップ220に基づいて車速を制御する(ステップS406)。
【0062】
次に、日射分布マップ生成部302は、観察情報が日射分布マップ210の許容範囲内であるか否かを判断する(ステップS407)。具体的には、日射分布マップ生成部302は、観察情報が示す日射量と、日射分布マップ210の生成時または補正時における日射量との差が閾値を超えるか否かを判断する。観察情報が日射分布マップ210の許容範囲内ではない場合、すなわち、観察情報が示す日射量と、日射分布マップ210の生成時または補正時における日射量との差が閾値を超える場合、日射分布マップ生成部302は、観察情報に基づいて日射分布マップ210を補正し(ステップS408)、ステップS405に移行させる。
【0063】
観察情報が日射分布マップ210の許容範囲内である場合、車両制御装置100は、目的地Dに到着したか否かを判断する(ステップS409)。目的地Dに到着しない場合、車両制御装置100は、ステップS406に戻る。目的地Dに到着した場合、車両制御装置100は、一連の処理を終了する。
【0064】
以上説明したように、本実施形態では、日射量と目標速度との関係を示す対応情報311を参照し、取得した日射情報に基づいて目標速度を決定するようにした。具体的には、目的地Dまでの走行経路が確定した際に、雲やトンネルなどの日射の遮蔽物についての情報を得て、走行経路全体に渡って発電量が最大になる車速分布マップ220を生成するようにした。これにより、走行経路上の各場所における速度を、日射量に応じた速度とすることができる。具体的には、日射量が多い場所を低速とし、日射量が少ない場所を高速とすることができる。したがって、効率よく発電することができる。
【0065】
また、本実施形態では、車両Mを自動運転車両とし、決定した目標速度に基づいて車速を制御するようにした。したがって、自動運転車両を効率よく発電することができる。
【0066】
また、本実施形態では、車両制御装置100は、目的地Dに到着するまで随時取得する観察情報に基づいて、目標速度を補正するようにした。したがって、走行経路上の日射量に応じて発電を行うことができる。
【0067】
また、本実施形態では、車両制御装置100は、観察情報と、目標速度の決定に用いられた日射情報とを比較した比較結果が所定の閾値を超える場合に、目標速度を補正するようにした。これにより、予測した日射量と実際の日射量とが、ある程度異なる場合に、日射分布マップ210および車速分布マップ220を補正することができる。したがって、日射分布マップ210および車速分布マップ220を頻繁に補正することを抑え、最適なタイミングで補正することができる。
【0068】
また、本実施形態では、車両制御装置100は、速度遷移マップ312を参照し、車速を目標速度に変更する際の目標とする加減速を決定するようにした。これにより、滑らかな加減速で適切な目標速度とすることができるとともに、効率よく発電することができる。
【0069】
また、本実施形態では、車両制御装置100は、速度遷移マップ312と、他の車両の走行状態に関する情報とを参照し、加減速を決定するようにした。これにより、周辺車両の走行状態を考慮した加減速を行うことができる。したがって、周辺車両との間で生じ得る事故を抑えることができるとともに、効率よく発電することができる。
【0070】
また、本実施形態では、車両制御装置100は、許容速度マップ生成部307を参照して、目標速度を決定するようにした。これにより、走行経路上の各場所において許容速度を考慮した速度で車両Mを走行させることができる。これにより、走行経路上の各場所を安全な速度で走行できるとともに、効率よく発電することができる。
【0071】
また、本実施形態では、車両制御装置100は、走行経路上における事故発生率情報を参照して、目標速度を決定するようにした。これにより、走行経路上の事故の発生率の高い場所では安全な速度とし且つ急加速をさせないようにして、車両Mを走行させることができる。これにより、走行経路上の各場所を安全に走行させきるとともに、効率よく発電することができる。
【0072】
[実施形態2]
次に、実施形態2について説明する。上述した実施形態1では、車両Mを自動運転車両とした。実施形態2では、車両Mを、運転者が運転する車両として説明する。運転者が運転するとは、例えば、運転者が全ての運転タスクを担うことである。なお、運転者が運転するとは、完全自動運転でなければよく、例えば、運転支援機能である、ACC、LKAS、CMBS、トラフィックジャムアシスト機能などのうち、いずれかの機能がオフの状態であってもよい。なお、以下の説明において、実施形態1で説明した内容と同様内容については、同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0073】
図5は、実施形態2に係る車両制御装置100の一例を示す図である。
図5に示す車両制御装置500は、車速制御部305に代えて、車速変更推奨部501を備えた点で、実施形態1の車両制御装置100(
図3参照)と異なる。車速変更推奨部501は、目標速度決定部304によって決定された目標速度に基づいて、車速の変更を運転者に推奨する。具体的には、車速制御部305は、車速分布マップ生成部303によって生成された車速分布マップ220を示す情報に基づいて、車速の変更を運転者に推奨する。
【0074】
車速変更推奨部501は、例えば、推奨する目標速度や目標加速度を通知する。例えば、目標速度とは異なる速度で走行している場合、車速変更推奨部501は、ディスプレイ510(
図7参照)に矢印を表示して、矢印の方向や矢印の色によって、速度の変更を運転者に促す。ディスプレイ510は、ヘッドアップディスプレイでもよいし、インストルメントパネルに設けられていてもよい。
【0075】
また、車速変更推奨部501は、ディスプレイ510を用いた視覚によって車速の変更を促すことに限らず、聴覚または触覚によって車速の変更を促してもよい。聴覚によって車線の変更を促すとは、例えば、スピーカを用いて、音声によって車速の変更を促すことである。触覚によって車速の変更を促すとは、例えば、ハンドル等の操作部をバイブレーション機能によって車速の変更を促すことである。
【0076】
なお、実施形態2に係る車両Mは、自動運転と、運転者による運転とを切り替え可能であってもよい。すなわち、車両制御装置500は、車速制御部305と、車速変更推奨部501との機能部を備えるようにし、自動運転とするか、運転者による運転とするかに応じて、これらの機能部の切り替え可能に動作させればよい。
【0077】
[実施形態2に係る車両制御装置500が行う車両制御処理]
図6は、車両制御装置500が行う車両制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、
図6のフローチャートは、
図4のフローチャートと比較して、ステップS406に代えて、ステップS601~S606が挿入されている点で異なる。以下では、ステップS601~S606について説明する。
【0078】
ステップS405において、許容速度マップ生成部307によって車速分布マップ220が生成されると、車速変更推奨部501は、車速変更を行う場所か否かを判断する(すて601)。車速変更を行う場所とは、これまでの目標速度とは異なる目標速度で走行する場所である。車速変更を行う場所ではない場合、車速変更推奨部501は、ステップS407に移行させる。車速変更を行う場所である場合、車速変更推奨部501は、当該場所における速度変更が完了済みであるか否かを判断する(ステップS602)。当該場所における速度変更が完了済みである場合、車速変更推奨部501は、ステップS407に移行させる。
【0079】
当該場所における速度変更が完了済みではない場合、車速変更推奨部501は、車速分布マップ220に基づいて、車速変更を推奨する(ステップS603)。車速変更推奨部501は、この車速変更の推奨を受けて運転者が車速変更を完了させたか否かを判断する(ステップS604)。車速変更が完了した場合、すなわち、目標速度で走行した場合、車速変更推奨部501は、ステップS606に移行させて、当該推奨を終了する。車速変更が完了していない場合、車速変更推奨部501は、当該場所を通り過ぎたか否かを判断する(ステップS605)。
【0080】
当該場所を通り過ぎていない場合、車速変更推奨部501は、ステップS407に移行させる。当該場所を通り過ぎた場合、車速変更推奨部501は、当該推奨を終了し(ステップS606)、ステップS407に移行させる。
【0081】
[実施形態2に係る車速変更の推奨を示す画面例]
図7および
図8は、実施形態2に係る車速変更の推奨を示す画面例である。
図7および
図8において、ディスプレイ510は、推奨画面700(700a、700b)が表示されている。推奨画面700は、現在速度画像701(701a、701b)と、推奨速度画像702(702a、702b)と、日射量画像703(703a、703b)と、走行場所画像704(704a、704b)と、周辺車両画像705(705a、705b)とを含む。
【0082】
現在速度画像701は、現在の車速を示す。推奨速度画像702は、推奨する車速を示す。日射量画像703は、現在の日射量のゲージ表示である。走行場所画像704は、トンネルや並木など日射に関する走行場所を示す。周辺車両画像705は、前方および後方の車両の有無や車間距離を示す。
【0083】
図7の推奨画面700aは、トンネルに進入した際の加速を促す画面を示す。具体的には、推奨画面700aにおいて、現在速度画像701aは、時速50kmを示す。推奨速度画像702aは、推奨速度が10km加速させた速度であることを示す。日射量画像703aは、日射量が少ないことを示す。走行場所画像704aは、トンネル内を走行中であることを示している。周辺車両画像705aは、250m前方と、300m後方とに周辺車両が存在することを示している。このような推奨画面700aを表示することにより、運転者に、日射量が少ないことを認識させることができるとともに、加速を促すことができる。
【0084】
図8の推奨画面700bは、トンネルから出た直後の減速を促す画面を示す。具体的には、推奨画面700bにおいて、現在速度画像701bは、時速60kmを示す。推奨速度画像702bは、推奨速度が5km原則させた速度であることを示す。日射量画像703bは、日射量が多いことを示す。走行場所画像704bは、日射量の多い場所を走行中であることを示している。周辺車両画像705bは、300m前方と、50m後方とに周辺車両が存在することを示している。このような推奨画面700bを表示することにより、運転者に、日射量が多いことを認識させることができるとともに、減速を促すことができる。
【0085】
なお、周辺車両画像705bに示すように、50m後方に後続車が存在する。仮に、後続車との距離があるならば(例えば100m以上)、車速変更推奨部501は、10キロの減速を促す推奨速度画像702bを表示させる。ただし、図示においては、後続車との距離が短いので、5kmの減速を促す推奨速度画像702bを表示させている。また、推奨画面700bでは、注意画像710が表示されている。注意画像710は、減速による後続車の追突の注意を促す画像である。このような注意画像710を表示することにより、運転者に急減速を行わないことを促すことができる。
【0086】
以上説明したように、実施形態2では、運転者が運転する車両Mにおいて、決定した目標速度に基づいて車速を制御するようにした。したがって、運転者が運転する車両Mでも効率よく発電することができる。
【0087】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0088】
100…車両制御装置、101…太陽光パネル、102…充電制御部、103…バッテリ、104…モータ、105…駆動輪、210…日射分布マップ、220…車速分布マップ、301…日射情報取得部、302…日射分布マップ生成部、303…車速分布マップ生成部、304…目標速度決定部、305…車速制御部、306…走行状態取得部、307…許容速度マップ生成部、308…比較結果取得部、310…記憶部、311…対応情報、312…速度遷移マップ、501…車速変更推奨部、M…車両