(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158027
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】システム、方法、および、コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20221006BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
G06F3/12 329
G06F3/12 310
G03G21/00 396
G03G21/00 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021062628
(22)【出願日】2021-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001058
【氏名又は名称】鳳国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】八十嶋 瑞穂
【テーマコード(参考)】
2H270
【Fターム(参考)】
2H270KA59
2H270KA62
2H270LA60
2H270LA62
2H270LA87
2H270LA88
2H270LA94
2H270NC02
2H270NC07
2H270NC22
2H270ND13
2H270ND21
2H270ND25
2H270ND36
2H270QB03
2H270RA09
2H270RA10
2H270RA11
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC08
(57)【要約】
【課題】消耗品の残量に関する通知を柔軟に行う。
【解決手段】
消耗品の残量が残量閾値より大きい値から残量閾値以下の値に低下したことを示す低下情報をユーザに通知するための通知条件が満たされるか否かを判断する。通知条件が満たされないと判断される場合には、ユーザに情報を通知するように構成された通知装置に低下情報を通知させずに、通知条件が満たされると判断される場合には、通知装置に低下情報を通知させる処理である通知制御処理を実行する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷実行部の消耗品の残量に関する情報を通知するシステムであって、
印刷実行部の消耗品の残量が残量閾値より大きい値から前記残量閾値以下の値に低下したことを示す低下情報をユーザに通知するための通知条件が満たされるか否かを判断する通知条件判断処理を実行する通知条件判断部と、
前記通知条件が満たされないと判断される場合には、前記ユーザに情報を通知するように構成された通知装置に前記低下情報を通知させずに、前記通知条件が満たされると判断される場合には、前記通知装置に前記低下情報を通知させる処理である通知制御処理を実行する通知制御部と、
を備え、
前記通知条件は、
(1)前記印刷実行部を対象とする未完の印刷ジョブが前記ユーザの端末からの印刷要求に基づく印刷ジョブを含まないことを示す第1条件と、
(2)前記印刷実行部を対象とする未完の印刷ジョブが印刷サーバからの印刷要求に基づく印刷ジョブを含むことを示す第2条件と、
(3)前記通知装置と前記印刷実行部との間の距離の指標値が、前記距離が所定の距離閾値より大きいことを示す第3条件と、
(4)前記印刷実行部を備える印刷装置の操作が特定のユーザに許容されており、かつ、前記特定のユーザに対応付けられたユーザ識別データが、前記通知装置に対応付けられたユーザ識別データとは異なることを示す第4条件と、
のうちの1以上の条件を用いて構成される、
システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記通知条件判断処理において前記通知条件が満たされないと判断された後に、特定の時間の経過を待つ処理と、
前記特定の時間の経過後に、前記残量を前記残量閾値より大きい値に回復させるための所定の処理が行われたことを示す回復条件が満たされない場合に、前記通知装置に前記低下情報を通知させる通知処理、または、前記通知条件判断処理と前記通知制御処理とを含む処理、を実行する処理と、
を実行する低残量通知部を備える、
システム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムであって、
前記低残量通知部は、前記通知条件判断処理と前記通知制御処理とを含む前記処理ではなく前記通知処理を実行する、
システム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであって、
制御サーバと、
前記ユーザの前記端末と、
を含み、
前記端末は、前記通知装置と、前記通知条件判断部と、前記通知制御部と、を備え、
前記制御サーバは、
前記印刷実行部の前記消耗品の前記残量が前記残量閾値より大きい前記値から前記残量閾値以下の前記値に低下したことを示す低下条件が満たされるか否かを判断する低下条件判断部と、
前記低下条件が満たされると判断される場合に、前記低下条件が満たされることを示す低下条件データを前記端末に送信する条件送信部と、
を備え、
前記端末の前記通知条件判断部と前記通知制御部とは、前記低下条件データが受信された場合に、前記通知条件判断処理と前記通知制御処理とを実行する、
システム。
【請求項5】
請求項4に記載のシステムであって、
前記端末は、前記通知条件判断処理において前記通知条件が満たされないと判断される場合に、前記通知条件が満たされないことを示す非通知データを前記制御サーバに送信する非通知送信部を備え、
前記制御サーバは、
前記非通知データが受信された後、特定の時間の経過を待つ処理と、
前記特定の時間の経過後に、前記残量を前記残量閾値より大きい値に回復させるための所定の処理が行われたことを示す回復条件が満たされない場合に、前記通知装置に前記低下情報を通知させる指示、または、前記通知条件判断処理と前記通知制御処理とを含む処理を実行するための指示を、前記端末に送信する指示送信処理と、
を実行する指示送信部を備える、
システム。
【請求項6】
請求項5に記載のシステムであって、
前記指示送信処理は、前記通知条件判断処理と前記通知制御処理とを含む前記処理を実行するための前記指示ではなく、前記通知装置に前記低下情報を通知させる前記指示を、前記端末に送信する、
システム。
【請求項7】
印刷実行部の消耗品の残量に関する情報を通知する方法であって、
印刷実行部の消耗品の残量が残量閾値より大きい値から前記残量閾値以下の値に低下したことを示す低下情報をユーザに通知するための通知条件が満たされるか否かを判断する通知条件判断処理を実行する通知条件判断工程と、
前記通知条件が満たされないと判断される場合には、前記ユーザに情報を通知するように構成された通知装置に前記低下情報を通知させずに、前記通知条件が満たされると判断される場合には、前記通知装置に前記低下情報を通知させる処理である通知制御処理を実行する通知制御工程と、
を備え、
前記通知条件は、
(1)前記印刷実行部を対象とする未完の印刷ジョブが前記ユーザの端末からの印刷要求に基づく印刷ジョブを含まないことを示す第1条件と、
(2)前記印刷実行部を対象とする未完の印刷ジョブが印刷サーバからの印刷要求に基づく印刷ジョブを含むことを示す第2条件と、
(3)前記通知装置と前記印刷実行部との間の距離の指標値が、前記距離が所定の距離閾値より大きいことを示す第3条件と、
(4)前記印刷実行部を備える印刷装置の操作が特定のユーザに許容されており、かつ、前記特定のユーザに対応付けられたユーザ識別データが、前記通知装置に対応付けられたユーザ識別データとは異なることを示す第4条件と、
のうちの1以上の条件を用いて構成される、
方法。
【請求項8】
印刷実行部の消耗品の残量に関する情報を通知するコンピュータのためのコンピュータプログラムであって、
印刷実行部の消耗品の残量が残量閾値より大きい値から前記残量閾値以下の値に低下したことを示す低下情報をユーザに通知するための通知条件が満たされるか否かを判断する通知条件判断処理を実行する通知条件判断機能と、
前記通知条件が満たされないと判断される場合には、前記ユーザに情報を通知するように構成された通知装置に前記低下情報を通知させずに、前記通知条件が満たされると判断される場合には、前記通知装置に前記低下情報を通知させる処理である通知制御処理を実行する通知制御機能と、
をコンピュータに実現させ、
前記通知条件は、
(1)前記印刷実行部を対象とする未完の印刷ジョブが前記ユーザの端末からの印刷要求に基づく印刷ジョブを含まないことを示す第1条件と、
(2)前記印刷実行部を対象とする未完の印刷ジョブが印刷サーバからの印刷要求に基づく印刷ジョブを含むことを示す第2条件と、
(3)前記通知装置と前記印刷実行部との間の距離の指標値が、前記距離が所定の距離閾値より大きいことを示す第3条件と、
(4)前記印刷実行部を備える印刷装置の操作が特定のユーザに許容されており、かつ、前記特定のユーザに対応付けられたユーザ識別データが、前記通知装置に対応付けられたユーザ識別データとは異なることを示す第4条件と、
のうちの1以上の条件を用いて構成される、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、印刷実行部の消耗品の残量に関する情報を通知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像の印刷にプリンタが用いられている。プリンタは、画像を印刷するために、インクやトナーなど、種々の消耗品を利用する。特許文献1は、消耗品の残量に関する情報をパーソナルコンピュータの表示モニタに表示させる技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
消耗品の残量に関する通知が頻繁に行われる場合、ユーザは通知を煩わしく感じ得る。一方、通知が行われない場合、ユーザが消耗品の残量の低下に気付くことが遅れ得る。
【0005】
本明細書は、消耗品の残量に関する通知を柔軟に行うことができる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示された技術は、以下の適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]印刷実行部の消耗品の残量に関する情報を通知するシステムであって、印刷実行部の消耗品の残量が残量閾値より大きい値から前記残量閾値以下の値に低下したことを示す低下情報をユーザに通知するための通知条件が満たされるか否かを判断する通知条件判断処理を実行する通知条件判断部と、前記通知条件が満たされないと判断される場合には、前記ユーザに情報を通知するように構成された通知装置に前記低下情報を通知させずに、前記通知条件が満たされると判断される場合には、前記通知装置に前記低下情報を通知させる処理である通知制御処理を実行する通知制御部と、を備え、前記通知条件は、(1)前記印刷実行部を対象とする未完の印刷ジョブが前記ユーザの端末からの印刷要求に基づく印刷ジョブを含まないことを示す第1条件と、(2)前記印刷実行部を対象とする未完の印刷ジョブが印刷サーバからの印刷要求に基づく印刷ジョブを含むことを示す第2条件と、(3)前記通知装置と前記印刷実行部との間の距離の指標値が、前記距離が所定の距離閾値より大きいことを示す第3条件と、(4)前記印刷実行部を備える印刷装置の操作が特定のユーザに許容されており、かつ、前記特定のユーザに対応付けられたユーザ識別データが、前記通知装置に対応付けられたユーザ識別データとは異なることを示す第4条件と、のうちの1以上の条件を用いて構成される、システム。
【0008】
この構成によれば、ユーザが消耗品の残量に気付き易い場合に、システムは、通知装置による通知を抑制できる。また、ユーザが消耗品の残量に気付きにくい場合に、システムは、通知装置に低下情報を通知させることができる。
【0009】
なお、本明細書に開示の技術は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、情報通知方法、情報通知システム、サーバ、印刷装置、端末、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体(例えば、一時的ではない記録媒体)、等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】システム1000の構成を示すブロック図である。
【
図2】(A)-(E)は、端末装置200の表示部240の表示の例を示す説明図である。
【
図3】第1データ受信処理の例を示すフローチャートである。
【
図4】第1制御処理の例を示すフローチャートである。
【
図5】第2データ受信処理の例を示すフローチャートである。
【
図6】残量状況確認処理の例を示すフローチャートである。
【
図7】制御サーバ500による処理の別の実施例を示すフローチャートである。
【
図8】制御サーバ500による処理の別の実施例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
A.第1実施例:
A-1.システム1000の構成:
図1は、システム1000の構成を示すブロック図である。このシステム1000は、複合機100と、端末装置200と、印刷サーバ400と、制御サーバ500と、販売サイトサーバ600と、を備えている。印刷サーバ400と制御サーバ500と販売サイトサーバ600とは、インターネットITに接続されている。複合機100と端末装置200とは、ローカルエリアネットワークLNに接続されている。ローカルエリアネットワークLNは、インターネットITに接続されている。複合機100と端末装置200とは、ローカルエリアネットワークLNとインターネットITを介して、サーバ400、500、600と通信可能である。
【0012】
複合機100は、CPU110と、記憶装置115と、表示部140と、操作部150と、印刷実行部160と、読取実行部170と、通信インタフェース180と、ブルートゥースインタフェース190と、を備えている(ブルートゥースは登録商標)。これらの要素は、バスを介して互いに接続されている。記憶装置115は、揮発性記憶装置120と、不揮発性記憶装置130と、を含んでいる。複合機100は、印刷実行部160を備える印刷装置の例である。
【0013】
表示部140は、画像を表示する装置であり、例えば、液晶ディスプレイである。操作部150は、ユーザによる操作を受け取る装置であり、例えば、表示部140上に重ねて配置されたタッチパネルを含んでいる。ユーザは、操作部150を操作することによって、種々の指示を複合機100に入力可能である。
【0014】
印刷実行部160は、所定の方式(例えば、レーザ方式や、インクジェット方式)で、用紙(印刷媒体の一例)上に印刷材を用いて画像を印刷する装置である。以下、印刷実行部160は、CMYKの4色のインクを印刷材として用いるインクジェットプリンタであることとする。印刷実行部160は、CMYKのそれぞれのインクカートリッジを備えている。インクカートリッジは、インクカートリッジ内のインクの残量が少ない場合に、新たなインクカートリッジに交換される。読取実行部170は、CCDやCMOSなどの光電変換素子を用いて光学的に原稿等の対象物を読み取ることによって、読み取った画像(「スキャン画像」と呼ぶ)を表すスキャンデータを生成する。
【0015】
通信インタフェース180は、他の装置と通信するためのインタフェースである(例えば、有線LANインタフェース、IEEE802.11の無線インタフェース)。本実施例では、通信インタフェース180は、ローカルエリアネットワークLNに接続されている。
【0016】
ブルートゥースインタフェース190は、アンテナを含み、ブルートゥース方式に準拠した近距離無線通信を行うためのインタフェースである。ブルートゥースインタフェース190は、端末装置200などのローカルデバイスを、複合機100に接続する。
【0017】
CPU110は、データ処理装置の例である。揮発性記憶装置120は、例えば、DRAMであり、不揮発性記憶装置130は、例えば、フラッシュメモリである。不揮発性記憶装置130は、プログラムPG1と、ユーザ識別データ132と、を格納している。CPU110は、プログラムPG1を実行することによって、種々の処理を実行する。CPU110は、プログラムPG1の実行に利用される種々の中間データを、記憶装置115(例えば、揮発性記憶装置120、または、不揮発性記憶装置130)に、一時的に格納する。CPU110によって実行される処理と、ユーザ識別データ132と、の詳細については、後述する。なお、本実施例では、プログラムPG1は、複合機100の製造者によって、ファームウェアとして、不揮発性記憶装置130に予め格納されている。
【0018】
印刷サーバ400は、クライアント装置(例えば、図示しないスマートフォンやパーソナルコンピュータなど)に、ネットプリントサービスを提供する。ネットプリントサービスは、インターネットITなどのネットワークを介して複合機100などのプリンタに画像を印刷させるサービスである。本実施例では、ネットプリントサービスは、クライアント装置によって送信される電子メールに含まれる画像データによって示される画像を、プリンタに印刷させる。このようなネットプリントサービスは、メール印刷とも呼ばれる。
【0019】
印刷サーバ400は、CPU410と、記憶装置415と、通信インタフェース480と、を備えている。これらの要素は、バスを介して互いに接続されている。記憶装置415は、揮発性記憶装置420と、不揮発性記憶装置430と、を含んでいる。
【0020】
通信インタフェース480は、他の装置と通信するためのインタフェースである(例えば、有線LANインタフェース、IEEE802.11の無線インタフェース)。本実施例では、通信インタフェース480は、インターネットITに接続されている。
【0021】
CPU410は、プロセッサとも呼ばれ、データ処理を行うデータ処理装置の例である。揮発性記憶装置420は、例えば、DRAMであり、不揮発性記憶装置430は、例えば、フラッシュメモリである。不揮発性記憶装置430は、プログラムPG4と、ジョブデータ431と、ユーザデータ432と、を格納している。CPU410は、プログラムPG4を実行することによって、ネットプリントサービスを提供するための処理を実行する。CPU410は、プログラムPG4の実行に利用される種々の中間データを、記憶装置415(例えば、揮発性記憶装置420、または、不揮発性記憶装置430)に、一時的に格納する。CPU410によって実行される処理と、データ431、432と、の詳細については、後述する。
【0022】
制御サーバ500は、複合機100の状態に関するデータを、管理用の端末(本実施例では、端末装置200)に送信する処理を実行する。制御サーバ500は、CPU510と、記憶装置515と、通信インタフェース580と、を備えている。これらの要素は、バスを介して互いに接続されている。記憶装置515は、揮発性記憶装置520と、不揮発性記憶装置530と、を含んでいる。
【0023】
通信インタフェース580は、他の装置と通信するためのインタフェースである(例えば、有線LANインタフェース、IEEE802.11の無線インタフェース)。本実施例では、通信インタフェース580は、インターネットITに接続されている。
【0024】
CPU510は、データ処理装置の例である。揮発性記憶装置520は、例えば、DRAMであり、不揮発性記憶装置530は、例えば、フラッシュメモリである。不揮発性記憶装置530は、プログラムPG5と、非表示記録データ533と、端末データ534と、を格納している。CPU510は、プログラムPG5を実行することによって、通知のための制御処理を実行する。CPU510は、プログラムPG5の実行に利用される種々の中間データを、記憶装置515(例えば、揮発性記憶装置520、または、不揮発性記憶装置530)に、一時的に格納する。CPU510によって実行される処理と、非表示記録データ533と、端末データ534と、の詳細については、後述する。
【0025】
端末装置200は、複合機100の状態を管理するための装置である(例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ等)。端末装置200は、CPU210と、記憶装置215と、表示部240と、操作部250と、通信インタフェース280と、ブルートゥースインタフェース290と、を備えている。これらの要素は、バスを介して互いに接続されている。記憶装置215は、揮発性記憶装置220と、不揮発性記憶装置230と、を含んでいる。
【0026】
表示部240は、画像を表示する装置であり、例えば、液晶ディスプレイである。操作部250は、ユーザによる操作を受け取る装置であり、例えば、表示部240上に重ねて配置されたタッチパネルを含んでいる。ユーザは、操作部250を操作することによって、種々の指示を端末装置200に入力可能である。
【0027】
通信インタフェース280は、他の装置と通信するためのインタフェースである(例えば、有線LANインタフェース、IEEE802.11の無線インタフェース)。本実施例では、通信インタフェース280は、ローカルエリアネットワークLNに接続されている。
【0028】
CPU210は、データ処理装置の例である。揮発性記憶装置220は、例えば、DRAMであり、不揮発性記憶装置230は、例えば、フラッシュメモリである。不揮発性記憶装置230は、プログラムPG2と、ジョブデータ231と、ユーザ識別データ232と、を格納している。CPU210は、プログラムPG2を実行することによって、制御アプリケーションとしての機能を実行する。
【0029】
CPU210は、プログラムPG2の実行に利用される種々の中間データを、記憶装置(例えば、揮発性記憶装置220、または、不揮発性記憶装置230)に、一時的に格納する。CPU210によって実行される処理の詳細については、後述する。なお、本実施例では、制御アプリケーションのプログラムPG2は、図示しないサーバによって提供される。これに代えて、プログラムPG2は、メモリカードなどの携帯型の記録媒体によって提供されてよい。
【0030】
A-2.表示画面:
図2(A)-
図2(E)は、端末装置200の表示部240による表示の例を示す説明図である。
図2(A)は、表示部240に表示された制御アプリケーションのアイコンIAを示している。ユーザは、アイコンIAを操作することによって、制御アプリケーションを起動できる。アイコンIAの操作は、例えば、操作部250(本実施例では、タッチパネル)のアイコンIAと重なる部分をタップすることによって、行われる。後述するボタンの操作についても、同様である。
【0031】
図2(B)は、制御アプリケーションのメイン画面の例を示している。メイン画面D1は、ローカル印刷のボタンB1と、リモート印刷のボタンB2と、設定のボタンB3と、を示している。ローカル印刷は、ネットプリントサービスを利用せずに、直接的に印刷装置(本実施例では、複合機100)に印刷要求を送信することによって、印刷装置に画像を印刷させる処理である。リモート印刷は、ネットプリントサービスを利用して印刷装置(本実施例では、複合機100)に画像を印刷させる処理である。設定のボタンB3は、制御アプリケーションの種々の設定を行うための設定画面(図示省略)を表示するためのボタンである。制御アプリケーションの設定は、印刷装置の選択と、リモート印刷のためのアカウント情報の入力と、を含んでいる。
【0032】
図2(C)は、ローカル印刷の設定画面の例を示している。この設定画面D2は、ローカル印刷のボタンB1(
図2(B))の操作によって、表示される。設定画面D2は、印刷対象のデータを選択するための複数のボタン(ここでは、ファイル、写真など)を示している。ユーザは、設定画面D2のボタンを操作することによって、印刷対象の画像を選択し、ローカル印刷を進行できる。
【0033】
図2(D)は、リモート印刷の設定画面の例を示している。この設定画面D3は、リモート印刷のボタンB2(
図2(B))の操作によって、表示される。設定画面D3は、印刷対象のデータを選択するための複数のボタン(ここでは、ファイル、写真など)を示している。ユーザは、設定画面D3のボタンを操作することによって、印刷対象の画像を選択し、リモート印刷を進行できる。
【0034】
図2(E)は、複合機100の状態に関する通知の例を示している。
図2(E)の例では、「イエロの残量が少ないです」というメッセージMSが、表示されている。メッセージMSは、後述する低下情報の例である。制御アプリケーションは、このような印刷材の残量に関する通知を、制御する。
【0035】
A-3.制御処理:
図3は、第1データ受信処理の例を示すフローチャートである。本実施例では、複合機100(
図1)は、定期的に、インクの残量を示す残量データを、制御サーバ500に送信する。残量データは、印刷実行部160の各インクの残量(単位は、例えば、%)を示している。図示を省略するが、本実施例では、複合機100は、印刷材の残量を測定する残量測定装置を備えている。複合機100のCPU110は、残量測定装置によって測定された各色の残量を示す残量データを、制御サーバ500に送信する。残量測定装置は、印刷材の残量を測定する種々の装置であってよい。印刷実行部160がインクジェット方式のプリンタである場合、残量測定装置は、例えば、インクカートリッジのうちのインクを収容する部分(例えば、収容室)に光を照射する光源と、収容室からの反射光、または、収容室を透過した透過光を検出する光学センサと、を含んでいる。印刷実行部160がレーザ方式のプリンタである場合、残量測定装置は、例えば、トナー残量に応じて変化する静電容量を測定する装置であってよい。また、残量測定装置は、省略されてよい。この場合、CPU110は、印刷に用いられた印刷材の量を算出することによって、各色の残量を算出してよい。例えば、CPU110は、印刷材の新たなカートリッジが取り付けられた状態の残量(例えば、100%)から、印刷材の新たなカートリッジが取り付けられてからの印刷材の使用量を減算することによって、残量を算出してよい。
【0036】
制御サーバ500は、複合機100から残量データを受信したことに応じて、
図3の処理を開始する。S110では、制御サーバ500のCPU510は、複合機100からの残量データを取得する。CPU510は、取得した残量データを、記憶装置515(例えば、不揮発性記憶装置530)に格納する。S120では、CPU510は、不揮発性記憶装置530を参照して、非表示記録データ533が格納されているか否かを判断する。後述するように、インクの残量が残量閾値以下に低下した場合、端末装置200は、低残量を端末装置200のユーザに通知し得る(例えば、
図2(E))。非表示記録データ533が不揮発性記憶装置530に格納されていることは、インクの残量が残量閾値以下に低下したにも関わらずに、端末装置200がユーザに低残量を通知しなかったことを示している。非表示記録データ533は、インクの色毎に、準備される。なお、本実施例では、残量閾値は、予め決められている(例えば、残量閾値は、5%以上、20%以下の範囲内)。
【0037】
非表示記録データ533が格納されていない場合(S120:No)、CPU510は、S150へ移行する。非表示記録データ533が格納されている場合(S120:Yes)、S130で、CPU510は、非表示記録データ533に対応付けられた色の残量が増加したか否かを判断する。CPU510は、S110で記憶装置515に格納された残量データの履歴を参照する。CPU510は、今回のS110で取得された残量が、前回のS110で取得された残量よりも多い場合に、残量が増加したと判断する。残量の増加は、通常は、印刷材のカートリッジの交換や、印刷材を収容するための容器への印刷材の補充など、残量が残量閾値よりも大きくなるのに十分な量の印刷材の供給によって引き起こされる。従って、残量が増加した場合、残量は残量閾値よりも大きいと推定される。
【0038】
S130の判断結果がNoである場合、CPU510は、S150へ移行する。S130の判断結果がYesである場合、S140で、CPU510は、増加した残量に対応付けられた色の非表示記録データ533を、不揮発性記憶装置530から削除する。そして、CPU510は、S150へ移行する。
【0039】
図示を省略するが、不揮発性記憶装置530は、インクの色毎の残量低下フラグを格納している。ONの残量低下フラグは、残量が残量閾値以下であることを示し、OFFの残量低下フラグは、残量が残量閾値より大きいことを示している。S140では、CPU510は、残量が増加した色の残量低下フラグを、OFFに設定する。
【0040】
S150では、CPU510は、低下条件が満たされるか否かを判断する。低下条件は、インクの残量が残量閾値より大きい値から残量閾値以下の値に低下したことを示している。CPU510は、前回のS110で取得された残量が残量閾値より大きく、今回のS110で取得された残量が残量閾値以下である場合に、低下条件が満たされると判断する。S150の判断は、インクの色毎に行われる。なお、CPU510は、低下条件が満たされる場合、低下条件を満たす色の残量低下フラグを、OFFからONに変更する。
【0041】
S150の判断結果がYesである場合、S160で、CPU510は、登録済の端末装置に、第1種低下条件データを送信する。第1種低下条件データは、低下条件が満たされることを示している。本実施例では、第1種低下条件データは、低下条件を満たす色も示している。端末データ534(
図1)は、登録済の端末装置の識別情報を示している。CPU510は、端末データ534を参照して、第1種低下条件データの宛先の端末装置を決定する。本実施例では、登録済の端末装置が、端末装置200であることとする。端末装置200のユーザは、複合機100の管理ユーザである。なお、端末装置の識別情報は、端末装置を識別する任意の情報であってよい(例えば、装置に固有な製造番号、IPアドレス、MACアドレスなど)。
【0042】
S160の後、CPU510は、
図3の処理を終了する。S150の判断結果がNoである場合、CPU510は、S160を実行せずに、
図3の処理を終了する。
【0043】
図4は、第1制御処理の例を示すフローチャートである。本実施例では、端末装置200のCPU210は、制御サーバ500から第1種低下条件データ(
図3:S160)を受信したことに応じて、
図4の処理を開始する。S210では、CPU210は、プログラムPG2を実行することによって、制御アプリケーションを起動する。
図4の処理は、制御アプリケーションによる処理である。既に制御アプリケーションが起動済である場合、S210は省略される。
【0044】
S220では、CPU210は、制御サーバ500からの第1種低下条件データを取得する。S230では、CPU210は、複合機100のローカル印刷のジョブであるローカルジョブを示すジョブデータ231(
図1)を参照する。本実施例では、CPU210は、
図2(C)の設定画面D2を通じて入力された指示に従って、ローカル印刷のジョブを生成し、生成したローカルジョブのデータをジョブデータ231に追加する。CPU210は、生成したローカルジョブに従って、複合機100に印刷要求を送信する。印刷が完了した場合、CPU210は、完了したローカルジョブのデータを、ジョブデータ231から削除する。端末装置200が未完のローカルジョブを有する場合、ジョブデータ231は、ローカルジョブを示すデータを含んでいる。ジョブデータ231によって示されるローカルジョブは、複合機100の印刷実行部160を対象とする未完の印刷ジョブであり、端末装置200からの印刷要求に基づく印刷ジョブである。
【0045】
S240では、CPU210は、複合機100の印刷実行部160を対象とする印刷ジョブがローカルジョブを含むか否かを判断する。ジョブデータ231がローカルジョブを示すデータを含む場合(S240:Yes)、端末装置200のユーザは、複合機100に画像を印刷させるローカル印刷を進行している。従って、ユーザは、複合機100のインクの残量が少ないことを容易に知ることができる。例えば、ユーザは、複合機100の表示部140を観察することによって、残量が少ないことを容易に知ることができる。そこで、本実施例では、CPU210は、残量が少ないことをユーザに通知せずに、S340へ移行する。
図2(E)のメッセージMSのような表示は、省略される。
【0046】
S340では、CPU210は、制御サーバ500に、非表示データを送信する。非表示データは、残量が少ないことを示す情報(具体的には、後述する低下情報)を表示部140に表示しなかったことを示している。また、非表示データは、低下情報に対応付けられた印刷材の色も、示している。S340の後、CPU210は、
図4の処理を終了する。
【0047】
ジョブデータ231がローカルジョブを示すデータを含まない場合(S240:No)、S250で、CPU210は、印刷サーバ400に、複合機100のリモートジョブを問い合わせる。問合せに応じて、印刷サーバ400のCPU410は、複合機100のリモート印刷のジョブであるリモートジョブを示すジョブデータ431(
図1)を参照する。本実施例では、端末装置200のCPU210は、
図2(D)の設定画面D3を通じて入力された指示に従って、リモート印刷の要求を、印刷サーバ400に送信する。印刷サーバ400のCPU410は、リモート印刷の要求に応じて、リモートジョブを生成し、生成したリモートジョブのデータをジョブデータ431に追加する。印刷サーバ400は、端末装置200に限らず、他の種々の装置から、リモート印刷の要求を受信し得る。印刷サーバ400のCPU410は、生成したリモートジョブに従って、複合機100に印刷要求を送信する。印刷が完了した場合、CPU410は、完了したリモートジョブのデータを、ジョブデータ431から削除する。印刷サーバ400が未完のリモートジョブを有する場合、ジョブデータ431は、リモートジョブを示すデータを含んでいる。ジョブデータ431によって示されるリモートジョブは、複合機100の印刷実行部160を対象とする未完の印刷ジョブであり、印刷サーバ400からの印刷要求に基づく印刷ジョブである。
【0048】
図4のS250では、印刷サーバ400のCPU410は、ジョブデータ431がリモートジョブを示すデータを含む場合、印刷サーバ400がリモートジョブを有することを示すデータを端末装置200に送信する。ジョブデータ431がリモートジョブを示すデータを含まない場合、CPU410は、印刷サーバ400がリモートジョブを有していないことを示すデータを端末装置200に送信する。
【0049】
S260では、端末装置200のCPU210は、印刷サーバ400からのデータを参照し、複合機100の印刷実行部160を対象とする印刷ジョブがリモートジョブを含むか否かを判断する。ジョブデータ431がリモートジョブのデータを含む場合(S260:Yes)、印刷材の残量は、リモート印刷によって低減する。端末装置200のユーザは、このような残量の低減に気付くことは難しい。そこで、本実施例では、CPU210は、S330へ移行する。S330では、CPU210は、低下情報を表示部240に表示する。
図2(E)のメッセージMSは、低下情報の例である。低下情報は、残量が残量閾値より大きい値から残量閾値以下の値に低下したことを示している。本実施例では、低下情報は、さらに、低下した残量に対応するインクの色を示している。低下情報は、メッセージMSのような文章を含んでよい。また、低下情報は、インクの色と残量とを示すピクトグラムを含んでよい。本実施例では、CPU210は、端末装置200上で動作するオペレーティングシステムの通知機能を用いて、低下情報を表示部240に表示する。S330の後、CPU210は、
図4の処理を終了する。
【0050】
ジョブデータ431がリモートジョブのデータを含まない場合(S260:No)、S270で、CPU210は、ブルートゥースインタフェース290が有効であるか否かを判断する。ブルートゥースインタフェース290の有効化と無効化とは、通常は、ユーザによって行われる。
【0051】
ブルートゥースインタフェース290が無効である場合(S270:No)、CPU210は、S300へ移行する。ブルートゥースインタフェース290が有効である場合(S270:Yes)、S280で、CPU210は、ブルートゥースを利用して端末装置200と複合機100との間の距離を測定する機能(距離測定機能と呼ぶ)が有効であるか否かを判断する。ブルートゥースを利用する距離測定は、例えば、通信相手からの電波の特徴(例えば、強度や位相)を用いて距離を推定することによって、行われる。
【0052】
距離測定機能は、距離(単位は、例えば、センチメートル、または、メートル)を示すデータを出力してよい。これに代えて、距離測定機能は、距離を複数の段階(例えば、近、中、遠の3段階)で表すデータを出力してよい。一般的には、距離測定機能は、距離と相関を有する値である指標値を示すデータを出力する種々の機能であってよい(距離の指標値は、距離自体を含む)。
【0053】
オペレーティングシステム、または、制御アプリケーションが、距離測定機能を有する場合、S280の判断結果は、Yesである。オペレーティングシステムと制御アプリケーションとの両方が、距離測定機能を有していない場合、S280の判断結果は、Noである。
【0054】
S280の判断結果がNoである場合、CPU210は、S300へ移行する。S280の判断結果がYesである場合、S290で、CPU210は、距離測定機能を利用して、端末装置200と複合機100との間の距離の指標値を取得する。そして、CPU210は、距離が距離閾値以下であることを指標値が示すか否かを判断する。本実施例では、距離閾値は、予め決められている(例えば、距離閾値は、ゼロより大きく、10m以下の範囲内)。なお、取得される指標値は、端末装置200に含まれる部材(例えば、表示部240)と複合機100との間の距離を示している、ということができる。
【0055】
距離が距離閾値以下であることを指標値が示す場合(S290:Yes)、端末装置200のユーザは、複合機100の近くにいる。従って、ユーザは、複合機100のインクの残量が少ないことを容易に知ることができる。そこで、本実施例では、CPU210は、残量が少ないことをユーザに通知せずに、S340を実行する。S340の後、CPU210は、
図4の処理を終了する。
【0056】
距離が距離閾値より大きいことを指標値が示す場合(S290:No)、CPU210は、S300へ移行する。
【0057】
S300では、CPU210は、複合機100に、複合機100の操作を許容されたユーザの識別データを問い合わせる。本実施例では、複合機100は、ユーザ認証に成功した場合にユーザによる操作を許容するように、構成されている。
【0058】
ここで、複合機100を操作するための処理について、説明する。この処理は、
図4の処理とは独立に、行われる。ユーザは、印刷などの処理を複合機100に実行させるために、複合機100の操作部150を操作することによって、ユーザ識別情報(例えば、ユーザ名)とパスワードとを入力する。複合機100のCPU110は、入力されたユーザ識別情報とパスワードを含むアカウント情報を、認証サーバに送信する。本実施例では、印刷サーバ400が、認証サーバとして動作する。印刷サーバ400のユーザデータ432は、ユーザ識別情報とパスワードとの正当な対応関係を表している。印刷サーバ400のCPU410は、受信したユーザ識別情報とパスワードとの対応関係が正当であるか否か(すなわち、ユーザ認証に成功したか否か)を、ユーザデータ432を参照して判断する。CPU410は、判断結果(すなわち、認証結果)を示す結果データを、複合機100に送信する。複合機100のCPU110は、受信した結果データを参照して、ユーザ認証が成功したか否かを判断する。結果データがユーザ認証の成功を示す場合、複合機100のCPU110は、ユーザ識別情報を示すユーザ識別データ132を不揮発性記憶装置130に格納し、印刷、コピーなどの印刷を利用する処理を実行するためのユーザによる操作を許容する。ユーザは、複合機100を操作することによって、印刷、コピーなどの印刷を利用する処理を、複合機100に実行させることができる。ユーザによる操作が終了した場合、CPU110は、複合機100の操作の許容を終了し、不揮発性記憶装置130からユーザ識別データ132を削除する。このように、本実施例では、複合機100は、印刷を利用する処理のための操作を、ユーザ識別情報(すなわち、ユーザ識別データ)を用いてユーザに許容し、ユーザによる操作が終了した場合に、印刷を利用する処理のための操作の許容を終了するように、構成されている。複合機100の操作がユーザに許容されている状態は、通常は、複合機100がユーザによって操作されている最中であることを、示している。結果データがユーザ認証の失敗を示す場合、複合機100のCPU110は、ユーザによる操作を許容せずに、エラーメッセージを表示部140に表示する。
【0059】
図4のS300では、複合機100のCPU110は、端末装置200からの問合せに応じて、不揮発性記憶装置130からユーザ識別データ132を検索する。ユーザ識別データ132が見つかった場合、CPU110は、ユーザ識別データ132を端末装置200へ送信する。ユーザ識別データ132が見つからなかった場合、CPU110は、ユーザによる操作が許容されていないことを示すデータを、端末装置200へ送信する。
【0060】
S310では、端末装置200のCPU210は、複合機100の操作を許容されたユーザを示すユーザ識別データ(操作ユーザデータとも呼ぶ)を取得したか否かを判断する。操作ユーザデータが取得されていない場合(S310:No)、CPU210は、S330を実行し、
図4の処理を終了する。
【0061】
操作ユーザデータが取得された場合(S310:Yes)、S320で、CPU210は、操作ユーザデータが、端末装置200のユーザを示す端末ユーザデータと同じか否かを判断する。本実施例では、端末ユーザデータは、端末装置200の制御アプリケーションを利用するために認証されたユーザ識別データである。上述したように、端末装置200の制御アプリケーションは、リモート印刷を実行可能である。端末装置200のCPU210は、リモート印刷のために、
図4の処理とは独立に、予め、ユーザ認証を行う。リモート印刷のためのユーザ認証の方法は、複合機100を操作するためのユーザ認証の方法と同じである。ユーザは、端末装置200の操作部250を操作することによって、ユーザ識別情報とパスワードとを入力する。端末装置200のCPU210は、アカウント情報を、認証サーバである印刷サーバ400へ送信し、結果データを印刷サーバ400から取得する。結果データがユーザ認証の成功を示す場合、端末装置200のCPU210は、ユーザ識別情報を示すユーザ識別データ232を不揮発性記憶装置230に格納する。このユーザ識別データ232が、端末ユーザデータである。なお、表示部240は、端末装置200に設けられている。従って、ユーザ識別データ232(端末ユーザデータ)は、表示部240に対応付けられたデータである、ということができる。
【0062】
図4のS320では、CPU210は、不揮発性記憶装置230からユーザ識別データ232を検索し、操作ユーザデータがユーザ識別データ232と同じであるか否かを判断する。操作ユーザデータがユーザ識別データ232と異なる場合と、ユーザ識別データ232が見つからない場合とには、S320の判断結果は、Noである。この場合、CPU210は、S330を実行し、
図4の処理を終了する。
【0063】
S320の判断結果がYesである場合、端末装置200のユーザは、複合機100の近くにいる。従って、ユーザは、複合機100のインクの残量が少ないことを容易に知ることができる。そこで、本実施例では、CPU210は、残量が少ないことをユーザに通知せずに、S340を実行する。S340の後、CPU210は、
図4の処理を終了する。
【0064】
図5は、第2データ受信処理の例を示すフローチャートである。本実施例では、制御サーバ500のCPU510は、端末装置200から非表示データ(
図4:S340)を受信したことに応じて、
図5の処理を開始する。S410では、CPU510は、端末装置200からの非表示データを取得する。S420では、CPU510は、非表示データに対応付けられた印刷材の色を示す非表示記録データ533を、不揮発性記憶装置530に格納する。
【0065】
S430では、CPU510は、残量状況確認処理を開始する。そして、CPU510は、
図5の処理を終了する。
【0066】
図6は、残量状況確認処理の例を示すフローチャートである。残量状況確認処理は、
図5のS420で新たに格納された非表示記録データ533に基づいて実行される。以下、残量状況確認処理の処理対象の印刷材の色(すなわち、非表示記録データ533によって示される印刷材の色)を、「対象色」と呼ぶ。
【0067】
S510では、制御サーバ500のCPU510は、待ち時間を決定する。本実施例では、CPU510は、S110(
図3)で記憶装置515に格納された残量データの履歴を参照し、対象色の残量が予め決められた基準量になるまでの時間を推定する。基準量は、残量閾値に予め決められた1未満の係数(例えば、0.5)を乗じることによって得られる量である。CPU510は、残量の履歴を用いて、単位時間当たりの残量の減少量(例えば、1日当たりの残量の減少量)を算出する。CPU510は、単位時間当たりの残量の減少量を用いて、残量が最新の残量から基準量になるまでの時間である基準時間を算出する。CPU510は、待ち時間を、この基準時間に決定する。
【0068】
S520では、CPU510は、時間の計測を開始する。S530では、CPU510は、待ち時間が経過したか否かを判断する。待ち時間が経過していない場合(S530:No)、CPU510は、S530を繰り返すことによって、待ち時間の経過を待つ。
【0069】
待ち時間が経過した場合(S530:Yes)、S540で、CPU510は、回復条件が満たされるか否かを判断する。回復条件は、残量を残量閾値より大きい値に回復させるための所定の処理が行われたことを示す条件である。本実施例では、残量を回復させるための所定の処理は、販売サイトサーバ600(
図1)を通じて対象色の印刷材を購入することである。CPU510は、販売サイトサーバ600に、複合機100のための対象色の印刷材の購入履歴を問い合わせる。販売サイトサーバ600は、購入履歴が見つかったか否かを示す回答データを制御サーバ500に送信する。回答データが、購入履歴が見つかったことを示す場合、CPU510は、回復条件が満たされると判断する(S540:Yes)。回答データが、購入履歴が見つからなかったことを示す場合、CPU510は、回復条件が満たされないと判断する(S540:No)。なお、購入履歴は、現時点を含む特定の検索期間から、検索される。検索期間は、低下条件が満たされた時を含むことが好ましい。検索期間は、低下条件が満たされた時と比べて過度に古い日時を含まないように、決定される。例えば、検索期間は、予め決められた長さ(例えば、1ヶ月)の期間であってよい。
【0070】
なお、販売サイトサーバ600は、複合機100に限らず、種々の印刷装置のために印刷材を販売し得る。購入履歴が複合機100のためのものであるか否かを判断する方法は、任意の方法であってよい。例えば、購入履歴が、端末装置200のユーザ識別データ232に対応付けられている場合に、その購入履歴が複合機100のためのものであると判断されてよい。これに代えて、購入履歴に対応付けられた宛先住所が、複合機100に対応付けられた宛先住所である場合に、その購入履歴が複合機100のためのものであると判断されてよい。
【0071】
S540の判断結果がNoである場合、対象色の残量が少ないことを複合機100の管理ユーザに通知することが好ましい。そこで、S550で、CPU510は、登録済の端末装置(本実施例では、端末装置200)に、第2種低下条件データを送信する。第2種低下条件データは、第1種低下条件データ(
図3:S160)とは異なり、無条件で、表示部240に低下情報を表示させる。第2種低下条件データは、第1種低下条件データと同様に、低下条件が満たされることと、低下条件を満たす色と、を示している。第1種低下条件データと第2種低下条件データとは、種類(第1種または第2種)を示すデータを含んでいる。端末装置200のCPU210は、制御サーバ500から第2種低下条件データを受信した場合、
図4の第1制御処理を実行せずに、無条件で、低下情報を表示部240に表示する(例えば、
図2(E))。これにより、端末装置200のユーザ(すなわち、複合機100の管理ユーザ)は、残量が少ないことを容易に知ることができる。このように、第2種低下条件データは、第1種低下条件データとは異なり、低下情報を表示部240に表示させる指示を示している。また、S550の処理は、表示部240に低下情報を表示させる通知処理の例である。
【0072】
S550の後、CPU510は、S560で、対象色の非表示記録データ533を不揮発性記憶装置530から削除する。そして、CPU510は、
図6の処理を終了する。
【0073】
S540の判断結果がYesである場合、低残量の通知の必要性は低い。CPU510は、S550を実行せずに、S560を実行する。そして、CPU510は、
図6の処理を終了する。
【0074】
以上のように、本実施例では、端末装置200は、
図4の処理を実行する。S230-S320の処理P1は、S330の処理(低下情報を表示部240に表示する処理)のための通知条件が満たされるか否かを判断する通知条件判断処理の例である。S330の処理は、低下情報をユーザに通知する処理の例である。表示部240は、ユーザに情報を通知するように構成された通知装置の例である。以下、S230-S320の処理P1を、通知条件判断処理P1とも呼ぶ。通知条件が満たされないと判断される場合には(S240:Yes、または、S290:Yes、または、S320:Yes)、CPU210は、S330を実行しない、すなわち、表示部240に低下情報を表示させない。通知条件が満たされると判断される場合には、CPU210は、表示部240に低下情報を表示させる(S330)。このように、通知条件が満たされないと判断される場合に、表示部240に低下情報を表示させずに、通知条件が満たされると判断される場合に、表示部240に低下情報を表示させる処理は、通知制御処理の例である。以下、S330の実行、または、S330のスキップを、通知条件判断処理P1の結果に従って行う処理P2を、通知制御処理P2とも呼ぶ。
【0075】
図4の処理では、通知条件は、以下の4個の条件を用いて構成されている。
(1)印刷実行部160を対象とする未完の印刷ジョブがユーザの端末(ここでは、端末装置200)からの印刷要求に基づく印刷ジョブを含まないことを示す第1条件C1(S240:No)
(2)印刷実行部160を対象とする未完の印刷ジョブが印刷サーバ400からの印刷要求に基づく印刷ジョブを含むことを示す第2条件C2(S260:Yes)
(3)通知装置(ここでは、表示部240)と印刷実行部160との間の距離の指標値が、距離が所定の距離閾値より大きいことを示す第3条件C3(S290:No)
(4)印刷実行部160を備える印刷装置(ここでは、複合機100)の操作が特定のユーザに許容されており、かつ、特定のユーザに対応付けられたユーザ識別データが、通知装置(ここでは、表示部240)に対応付けられたユーザ識別データとは異なることを示す第4条件C4(S320:No)
【0076】
通知条件は、具体的には、以下のように判断される。
(1)第1条件C1が満たされない場合(S240:Yes)、CPU210は、他の条件C2-C4に拘らず、通知条件が満たされないと判断する。
(2)第1条件C1が満たされ(S240:No)、かつ、第2条件C2が満たされる場合(S260:Yes)、CPU210は、他の条件C3、C4に拘らず、通知条件が満たされると判断する。
(3)第1条件C1が満たされ(S240:No)、かつ、第2条件C2が満たされず(S260:No)、かつ、第3条件C3が満たされない場合(S290:Yes)、CPU210は、第4条件C4に拘らず、通知条件が満たされないと判断する。
(4)第1条件C1が満たされ(S240:No)、かつ、第2条件C2が満たされず(S260:No)、かつ、第3条件C3が満たされず(S290:No)、かつ、第4条件C4が満たされない場合(S320:Yes)、CPU210は、通知条件が満たされないと判断する。
(5)第1条件C1が満たされ(S240:No)、かつ、第2条件C2が満たされず(S260:No)、かつ、第3条件C3と第4条件C4の両方が満たされる場合(S290:No、S320:No)、CPU210は、通知条件が満たされると判断する。
なお、説明を省略するが、通知条件は、他の場合にも、満たされる(例えば、S310の判断結果がNoである場合、通知条件は、満たされる)。
【0077】
4個の条件C1-C4は、いずれも、端末装置200のユーザが残量の低下に気付きにくいことを示している。従って、通知条件を4個の条件C1-C4を用いて構成することによって、CPU210は、ユーザが残量の低下に気付きにくい場合に、表示部240に低下情報を表示させることができる。また、CPU210は、ユーザが残量の低下に気付き易い場合には、表示部240による表示を抑制できる。なお、
図4に示すように、通知条件は、4個の条件C1-C4に加えて、他の条件(例えば、S270の条件など)を用いて、構成されてよい。
【0078】
なお、4個の条件C1-C4の優先順位は、
図4のフローチャートによって示される優先順に代えて、他の任意の優先順位であってよい。例えば、第2条件C2は、第1条件C1よりも優先されてよい。具体的には、第2条件C2が満たされる場合(S260:Yes)、CPU210は、他の条件C1、C3、C4に拘らず、通知条件が満たされると判断してよい。
【0079】
また、
図1に示すように、本実施例では、システム1000は、制御サーバ500と、端末装置200と、を含んでいる。上述したように、端末装置200は、表示部240を備えている。また、端末装置200は、
図4の通知条件判断処理P1と通知制御処理P2とを実行する。制御サーバ500は、
図3の処理を実行する。S150では、CPU510は、印刷実行部160の印刷材の残量が残量閾値より大きい値から残量閾値以下の値に低下したことを示す低下条件が満たされるか否かを判断する。低下条件が満たされると判断される場合に(S150:Yes)、S160では、CPU510は、低下条件が満たされることを示す第1種低下条件データを端末装置200に送信する。
図4の処理では、端末装置200のCPU210は、第1種低下条件データが受信された場合に(S220)、通知条件判断処理P1と通知制御処理P2を実行する。このように、制御サーバ500と端末装置200とを含むシステム1000は、表示部240による低下情報の表示を、適切に制御できる。
【0080】
また、
図4の処理では、端末装置200のCPU210は、通知条件判断処理P1において通知条件が満たされないと判断される場合に、S340で、通知条件が満たされないことを示す非表示データを制御サーバ500に送信する。制御サーバ500のCPU510は、非表示データが受信された場合に、以下の処理を実行する。
図6のS520-S530は、特定の時間の経過を待つ処理である。CPU510は、この処理を、非表示データが受信された後に実行する。特定の時間の経過後に、CPU510は、以下の処理を実行する。すなわち、残量を残量閾値より大きい値に回復させるための所定の処理が行われたことを示す回復条件が満たされない場合に(S540:No)、CPU510は、S550を実行する。S550では、CPU510は、端末装置200に第2種低下条件データを送信する。端末装置200のCPU210は、第2種低下条件データを受信した場合には、表示部240に低下情報を表示させる。このように、S550の処理は、端末装置200の表示部240に低下情報を表示させる指示である第2種低下条件データを端末装置200に送信する処理である。従って、制御サーバ500と端末装置200とを含むシステム1000は、特定の時間の経過後に回復条件が満たされない場合には、操作部250に低下情報を表示させることができる。なお、制御サーバ500のCPU510は、これらの処理を実行する処理部(指示送信部とも呼ぶ)として、動作する。
【0081】
なお、
図6の処理では、制御サーバ500のCPU510は、特定の時間の経過を待つ処理(
図6のS520-S530)を、通知条件判断処理P1(
図4)において通知条件が満たされないと判断された後に、実行する。CPU510は、特定の時間の経過後に(S530:Yes)、回復条件が満たされない場合に(S540:No)、表示部240に低下情報を表示させる処理を実行する(S550)。本実施例では、制御サーバ500のCPU510は、これらの処理を実行する処理部(低残量通知部とも呼ぶ)として、動作する。
【0082】
B.第2実施例:
図7、
図8は、制御サーバ500による処理の別の実施例を示すフローチャートである。
図8は、
図7の続きの処理を示している。
図7、
図8の第2制御処理は、
図3、
図4の処理の代わりに、制御サーバ500によって実行される。本実施例では、制御サーバ500は、
図3の処理に加えて、通知条件が満たされるか否かを判断する処理(
図4の通知条件判断処理P1に相当する処理)と、判断結果に従って表示部240に低下情報を表示させる処理と、を実行する。なお、本実施例では、
図5の第2データ受信処理は、省略される。
図6の残量状況確認処理は、制御サーバ500によって、実行される。システムの構成は、第1実施例のシステム1000(
図1)の構成と同じである。
【0083】
制御サーバ500は、複合機100から残量データを受信したことに応じて、
図7の処理を開始する。
図7に示す処理と
図3の処理との間の差異は、S150の判断結果がYesである場合、制御サーバ500のCPU510が、S160(
図3)を実行せずに、
図8のS235aへ移行する点だけである。
図7のS110-S150は、
図3のS110-S150と、それぞれ同じである(詳細な説明を省略する)。
【0084】
図8のS235aでは、CPU510は、端末装置200にローカルジョブを問い合わせる。端末装置200のCPU210は、問合せに応じて、ジョブデータ231(
図1)がローカルジョブを示すデータを含むか否かを判断し、判断結果を示す結果データを制御サーバ500に送信する。S240は、
図4のS240と同じである。ジョブデータ231がローカルジョブを示すデータを含む場合、S240の判断結果は、Yesである。この場合、CPU510は、S343aへ移行する。
【0085】
S343aの処理は、
図5のS420の処理と同様である。CPU510は、低下条件(
図7:S150)を満たす印刷材の色を示す非表示記録データ533を、不揮発性記憶装置530に格納する。S347aでは、CPU510は、残量状況確認処理を開始する。そして、CPU510は、
図7、
図8の処理を終了する。残量状況確認処理は、
図6の実施例と同じである。
【0086】
S240の判断結果がNoである場合、CPU510は、S255へ移行する。S255の処理は、
図4のS250の処理と同じである。CPU510は、印刷サーバ400が複合機100のリモートジョブを有しているか否かを示すデータを、印刷サーバ400から受信する。
【0087】
S260の判断の条件は、
図4のS260の判断の条件と同じである。印刷サーバ400が複合機100のリモートジョブを有している場合(S260:Yes)、CPU510は、S335aへ移行する。S335aの処理は、
図6のS550の処理と同じである。CPU510は、登録済の端末装置(本実施例では、端末装置200)に、第2種低下条件データを送信する。端末装置200のCPU210は、制御サーバ500から第2種低下条件データを受信した場合、無条件で、低下情報を表示部240に表示する(例えば、
図2(E))。S335aの後、CPU510は、
図8の処理を終了する。
【0088】
S260の判断結果がNoである場合、S275aで、CPU510は、登録済の端末装置(本実施例では、端末装置200)に、端末装置200と複合機100との間の距離の指標値を問い合わせる。端末装置200のCPU210は、問合せに応じて、
図4のS270、S280と同じ判断処理を実行する。ブルートゥースインタフェース290が無効である場合と、距離測定機能が無効である場合とには、CPU210は、距離の指標値を取得できないことを示すデータを、制御サーバ500に送信する。ブルートゥースインタフェース290が有効であり、かつ、距離測定機能が有効である場合、CPU210は、距離測定機能を利用して、端末装置200と複合機100との間の距離の指標値を取得する。そして、CPU210は、指標値を示すデータを、制御サーバ500に送信する。
【0089】
S285aでは、制御サーバ500のCPU510は、指標値を示すデータを取得したか否かを判断する。指標値を示すデータを取得しなかった場合(S285a:No)、CPU510は、S300へ移行する。指標値を示すデータを取得した場合(S285a:Yes)、CPU510は、S290へ移行する。S290の判断の条件は、
図4のS290の判断の条件と同じである。
【0090】
距離が距離閾値以下であることを指標値が示す場合(S290:Yes)、CPU510は、S343a、S347aを実行し、
図7、
図8の処理を終了する。距離が距離閾値より大きいことを指標値が示す場合(S290:No)、CPU510は、S300へ移行する。
【0091】
S300の処理は、
図4のS300の処理と同じである。制御サーバ500のCPU510は、複合機100から、操作ユーザデータ、または、ユーザによる操作が許容されていないことを示すデータを、取得する。
【0092】
S305aでは、CPU510は、端末装置200に、端末ユーザデータを問い合わせる。端末装置200のCPU210は、問合せに応じて、ユーザ識別データ232(すなわち、端末ユーザデータ)を、制御サーバ500に送信する。
【0093】
S310aでは、CPU510は、操作ユーザデータと端末ユーザデータとの両方を取得したか否かを判断する。これらのデータの一方、または、両方を取得できなかった場合(S310a:No)、CPU510は、S335aを実行し、
図7、
図8の処理を終了する。これらのデータの両方を取得した場合(S310a:Yes)、CPU510は、S320へ移行する。
【0094】
S320の判断の条件は、
図4のS320の判断の条件と同じである。操作ユーザデータが端末ユーザデータと異なる場合(S320:No)、CPU510は、S335aを実行して、
図7、
図8の処理を終了する。操作ユーザデータが端末ユーザデータと同じである場合(S320:Yes)、CPU510は、S343a、S347aを実行して、
図7、
図8の処理を終了する。
【0095】
以上のように、第2実施例では、制御サーバ500は、
図8の処理を実行する。S235a-S320の処理P1aは、S335aの処理(低下情報を表示部240に表示する処理)のための通知条件が満たされるか否かを判断する通知条件判断処理の例である。S335aの処理は、低下情報をユーザに通知する処理の例である。表示部240は、ユーザに情報を通知するように構成された通知装置の例である。以下、S235a-S320の処理P1aを、通知条件判断処理P1aとも呼ぶ。通知条件が満たされないと判断される場合には(S240:Yes、または、S290:Yes、または、S320:Yes)、CPU510は、S335aを実行しない、すなわち、表示部240に低下情報を表示させない。通知条件が満たされると判断される場合には、CPU510は、表示部240に低下情報を表示させる(S335a)。このように、通知条件が満たされないと判断される場合に、表示部240に低下情報を表示させずに、通知条件が満たされると判断される場合に、表示部240に低下情報を表示させる処理は、通知制御処理の例である。以下、S335aの実行、または、S335aのスキップを、通知条件判断処理P1aの結果に従って行う処理P2aを、通知制御処理P2aとも呼ぶ。
【0096】
なお、第2実施例の通知条件は、第1実施例(
図4)の通知条件と同じである。従って、CPU510は、ユーザが残量の低下に気付きにくい場合に、表示部240に低下情報を表示させることができる。また、CPU510は、ユーザが残量の低下に気付き易い場合には、表示部240による表示を抑制できる。
【0097】
また、
図8の処理では、制御サーバ500のCPU510は、通知条件判断処理P1aにおいて通知条件が満たされないと判断される場合に、S347aで、
図6の処理を実行する。
図6のS520-S530は、特定の時間の経過を待つ処理である。CPU510は、この処理を、通知条件判断処理P1a(
図8)において通知条件が満たされないと判断された後に、実行する。CPU510は、特定の時間の経過後に(
図6:S530:Yes)、回復条件が満たされない場合に(S540:No)、表示部240に低下情報を表示させる処理を実行する(S550)。このように、制御サーバ500は、特定の時間の経過後に回復条件が満たされない場合には、操作部250に低下情報を表示させることができる。本実施例では、制御サーバ500のCPU510は、
図6のこれらの処理を実行する処理部(低残量通知部とも呼ぶ)として、動作する。
【0098】
C.変形例:
(1)通知装置は、画像を表示するように構成された表示部240に代えて、ユーザに情報を通知するように構成された任意の装置であってよい。例えば、通知装置は、光を発する発光装置(例えば、LEDなど)、音を出力する音出力装置(例えば、スピーカー、ブザーなど)、端末を振動させる振動装置(例えば、小型電気モータなど)のいずれかを含んでよい。
【0099】
(2)通知条件は、上記の条件C1-C4のうちの任意の1以上の条件を用いて構成されてよい。例えば、
図4、
図8の実施例において、条件C1-C4のうちの任意の3以下の条件が、省略されてよい。いずれの場合も、通知条件は、条件C1-C4のうちの通知条件に用いられない条件を考慮せずに、構成されてよい。また、通知条件は、条件C1-C4のうちの1以上の条件に加えて、条件C1-C4とは異なる条件を用いて構成されてよい。この場合も、通知条件は、条件C1-C4のうちの1以上の条件を用いて構成されている、といえる。通知条件が複数の条件を用いて構成される場合、複数の条件の優先順位は、予め任意に決定されてよい。
【0100】
(3)
図6のS530で用いられる待ち時間は、S510で説明した時間に限らず、複合機100の使用状況に応じて変化する種々の可変時間であってよい。例えば、CPU510は、複合機100の利用者数が多いほど短くなるように、待ち時間を決定してよい。また、CPU510は、待ち時間として、予め決められた固定時間(例えば、数時間、数日、数ヶ月など)を採用してよい。
【0101】
(4)
図6のS540で判断される回復条件は、購入履歴が見つかることに代えて、残量を残量閾値より大きい値に回復させるための所定の処理が行われたことを示す任意の条件であってよい。所定の処理は、例えば、印刷材のカートリッジが交換されたこと、であってよい。また、回復条件は、新たに取得された残量データ(S110(
図3、
図7))によって示される残量が残量閾値よりも大きいこと、であってよい。この回復条件は、カートリッジの交換、または、印刷材の補充が行われたことを示している。購入履歴が用いられない場合、販売サイトサーバ600は、システム1000から省略されてよい。
【0102】
(5)残量状況確認処理は、
図6で説明した処理に代えて、他の種々の処理であってよい。例えば、第1実施例において、
図6のS550で、制御サーバ500のCPU510は、第1種低下条件データを端末装置200に送信してよい。この場合、端末装置200のCPU210は、第1種低下条件データを受信したことに応じて、
図4の第1制御処理(通知条件判断処理P1と通知制御処理P2を含む)を実行する。第1種低下条件データは、通知条件判断処理P1と通知制御処理P2を含む処理を実行するための指示を示している。制御サーバ500のCPU510は、S550(
図6)の後には、S560を実行せずに、
図6の処理を終了する。
【0103】
また、第2実施例において、
図6のS540の判断結果がNoである場合に、制御サーバ500のCPU510は、S550、S560を実行せずに、
図8の第2制御処理(通知条件判断処理P1aと通知制御処理P2aを含む)を実行してよい。この場合、CPU510は、
図8のS335aの後に、対象色の非表示記録データ533を不揮発性記憶装置530から削除することが好ましい。
【0104】
いずれの場合も、対象色に関して、通知条件判断処理P1、P1aが繰り返し実行され得る。ここで、通知条件判断処理P1、P1aの実行回数が所定の閾値(例えば、2以上の整数)を超える場合には、通知条件が満たされるか否かに拘らずに、低下情報の通知が行われてよい。
【0105】
(6)ユーザ識別データは、ユーザ識別情報を示すデータに限らず、ユーザ識別情報に対応付けられたデータであってユーザ識別情報に固有な種々のデータであってよい。例えば、ユーザ識別データは、ユーザ識別情報であるユーザ名に対応付けられたユーザ番号を示すデータであってよい。
【0106】
(7)上記各実施例では、印刷サーバ400が、認証サーバとして動作する。これに代えて、制御サーバ500が、認証サーバとして動作してよい。また、認証サーバは、
図1に図示されていないサーバであってよい。また、認証サーバは、省略されてよい。
【0107】
(8)印刷装置は、複合機100(
図1)に代えて、印刷実行部を有する任意の装置であってよい。例えば、読取実行部170は、省略されてよい。このように、印刷装置は、単機能の印刷装置であってよい。
【0108】
(9)残量の通知に関する消耗品は、インクやトナーなどの印刷材に代えて、印刷実行部によって消費される任意の消耗品であってよい。例えば、低下情報は、用紙の残量に関する情報であってよい。
【0109】
(10)残量に関する情報を通知するシステムの構成は、
図1のシステム1000の構成に代えて、他の種々の構成であってよい。例えば、システムからは、リモート印刷の機能が省略されてよい。この場合、印刷サーバ400は、省略される。リモート印刷に関する第2条件C2も、省略される。また、複合機100は、ユーザ認証を用いずに、任意のユーザに操作を許容してよい。この場合、ユーザ認証に関する第4条件C4は、省略される。また、複合機100のブルートゥースインタフェース190は、省略されてよい。この場合、距離に関する第3条件C3は、省略される。また、システムからは、制御サーバ500が省略されてよい。この場合、複合機100が、制御サーバ500の処理(例えば、
図3、
図5、
図6の処理、または、
図7、
図8、
図6の処理)を、制御サーバ500の代わりに実行してよい。また、端末装置200が、制御サーバ500の処理を、制御サーバ500の代わりに実行してよい。
【0110】
一般的には、システムの構成は、通知条件判断処理(例えば、通知条件判断処理P1、P1a(
図4、
図8))を実行する処理部と、通知制御処理(例えば、通知制御処理P2、P2a(
図4、
図8))を実行する処理部と、を含む種々の構成であってよい。ここで、複合機100は、システムに含まれなくてよい。同様に、端末装置200は、システムに含まれなくてよい。また、システムは、ネットワークを介して互いに通信可能な複数の装置(例えば、コンピュータ)が、全体として、システムの機能を提供してよい。この場合、システムは、これら複数の装置を備えている。
【0111】
上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、通知条件判断処理P1、P1a(
図4、
図8)の機能を、専用のハードウェア回路によって実現してもよい。
【0112】
また、本発明の機能の一部または全部がコンピュータプログラムで実現される場合には、そのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(例えば、一時的ではない記録媒体)に格納された形で提供することができる。プログラムは、提供時と同一または異なる記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に格納された状態で、使用され得る。「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、メモリカードやCD-ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種ROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスクドライブ等のコンピュータに接続されている外部記憶装置も含み得る。
【0113】
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
【符号の説明】
【0114】
100…複合機、110…CPU、115…記憶装置、120…揮発性記憶装置、130…不揮発性記憶装置、132…ユーザ識別データ、140…表示部、150…操作部、160…印刷実行部、170…読取実行部、180…通信インタフェース、190…ブルートゥースインタフェース、200…端末装置、210…CPU、215…記憶装置、220…揮発性記憶装置、230…不揮発性記憶装置、231…ジョブデータ、232…ユーザ識別データ、240…表示部、250…操作部、280…通信インタフェース、290…ブルートゥースインタフェース、400…印刷サーバ、410…CPU、415…記憶装置、420…揮発性記憶装置、430…不揮発性記憶装置、431…ジョブデータ、432…ユーザデータ、480…通信インタフェース、500…制御サーバ、510…CPU、515…記憶装置、520…揮発性記憶装置、530…不揮発性記憶装置、533…非表示記録データ、534…端末データ、580…通信インタフェース、600…販売サイトサーバ、1000…システム