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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158450
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】スライドホルダ及びステージ
(51)【国際特許分類】
   G02B 21/34 20060101AFI20221006BHJP
   G02B 21/00 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
G02B21/34
G02B21/00
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021063365
(22)【出願日】2021-04-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】519067666
【氏名又は名称】株式会社CYBO
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】グローバル・アイピー東京特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】新田 尚
(72)【発明者】
【氏名】杉村 武昭
(72)【発明者】
【氏名】兼松 美貴
【テーマコード(参考)】
2H052
【Fターム(参考)】
2H052AD14
2H052AE12
(57)【要約】
【課題】積み重ね可能なスライドホルダ、及び、スライドホルダを載置可能なステージを提供する。
【解決手段】複数のスライドガラスを保持可能なスライドホルダ1は、スライドガラス2を固定する弾性部18を有する第1の長辺部10であって、内周の底面20にテーパ面22を有する第1の長辺部10と、第1の長辺部10に対向する第2の長辺部12と、第1の長辺部10と第2の長辺部12の端部を接続し、互いに対向する第1の短辺部14及び第2の短辺部16と、を有する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスライドガラスを保持可能なスライドホルダであって、
前記スライドガラスを固定する弾性部を有する第1の長辺部であって、内周の底面にテーパ面を有する第1の長辺部と、
前記第1の長辺部に対向する第2の長辺部と、
前記第1の長辺部と前記第2の長辺部の端部を接続し、互いに対向する第1の短辺部及び第2の短辺部と、
を有する、スライドホルダ。
【請求項2】
前記第2の長辺部、前記第1の短辺部、及び、前記第2の短辺部は、それぞれ、内周の底面にテーパ面を有する、
請求項1に記載のスライドホルダ。
【請求項3】
前記第1の長辺部、前記第2の長辺部、前記第1の短辺部、及び、前記第2の短辺部の底面と前記テーパ面の成す角度は、60度以下である、
請求項1又は2に記載のスライドホルダ。
【請求項4】
前記第1の長辺部、前記第2の長辺部、前記第1の短辺部、及び、前記第2の短辺部は、一体形成される、
請求項1~3のいずれかに記載のスライドホルダ。
【請求項5】
前記第1の長辺部、前記第2の長辺部、前記第1の短辺部、及び、前記第2の短辺部は、樹脂製である、
請求項1~4のいずれかに記載のスライドホルダ。
【請求項6】
前記第1の長辺部、前記第2の長辺部、前記第1の短辺部、及び、前記第2の短辺部は、射出成型される、
請求項4又は5に記載のスライドホルダ。
【請求項7】
前記第1の長辺部、前記第2の長辺部、前記第1の短辺部、及び、前記第2の短辺部は、それぞれ、
底面に壁部を有する台座部と、
前記台座部の上方に突出する凸部であって、前記壁部よりも小さい外形を有する凸部と、を有する、
請求項1~6のいずれかに記載のスライドホルダ。
【請求項8】
前記第1の長辺部、前記第2の長辺部、前記第1の短辺部、及び、前記第2の短辺部の少なくともいずれかは、壁部に切り欠き部を有する、
請求項7に記載のスライドホルダ。
【請求項9】
請求項8に記載のスライドホルダを載置可能な枠状のステージであって、
前記切り欠き部において前記スライドホルダを支持する支持部を内周に有し、
前記スライドホルダを載置した状態において、前記スライドホルダの前記底面と前記ステージの底面が一致するステージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞などの対象物が塗布されたスライドガラスを顕微鏡で撮像するためのスライドホルダ及びステージに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、対象物が塗布されたスライドガラスを保持する金属製のスライドホルダが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2020-504328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の金属製のスライドホルダは、多数のスライドホルダを積み重ねて使用することを想定して設計されたものではない。そのため、スライドガラスを顕微鏡で撮像する際に、装置内部に搭載可能なスライドホルダの枚数が限定されるものである。また、スライドホルダ自体が高価であり、スライドガラスをスライドホルダに装着したまま長期間保存することは現実的ではなく、測定の度にスライドガラスを装着する必要がある。
【0005】
本発明は、積み重ね可能なスライドホルダ、及び、スライドホルダを載置可能なステージを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点は、複数のスライドガラスを保持可能なスライドホルダであって、
前記スライドガラスを固定する弾性部を有する第1の長辺部であって、内周の底面にテーパ面を有する第1の長辺部と、
前記第1の長辺部に対向する第2の長辺部と、
前記第1の長辺部と前記第2の長辺部の端部を接続し、互いに対向する第1の短辺部及び第2の短辺部と、
を有する、スライドホルダである。
【0007】
本発明の第2の観点は、スライドホルダを載置可能な枠状のステージであって、
前記切り欠き部において前記スライドホルダを支持する支持部を内周に有し、
前記スライドホルダを載置した状態において、前記スライドホルダの前記底面と前記ステージの底面が一致するステージである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、積み重ね可能なスライドホルダ、及び、スライドホルダを載置可能なステージを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態のスライドホルダの斜視図
図2図1のA-A線斜視断面図
図3】実施形態のスライドホルダの底面の斜視図
図4】変形例のスライドホルダの底面の斜視図
図5】撮像時におけるスライドガラスを保持したスライドホルダの断面図
図6】(a)は、撮像時におけるスライドガラスを保持した実施形態のスライドホルダの断面図、(b)は、撮像時におけるスライドガラスを保持した比較例のスライドホルダの断面図
図7】変形例の複数のスライドホルダを積層した状態の図1のB-B線断面図
図8】変形例の複数のスライドホルダを積層した状態の図1のC-C線断面図
図9】スライドホルダを載置するステージの斜視図
図10図9のA-A線矢視断面図
図11】顕微鏡システムの概略構成図
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態>
以下、実施形態のスライドホルダ1について説明する。図1は、実施形態のスライドホルダ1の斜視図である。図2は、図1のA-A線斜視断面図である。図3は、実施形態のスライドホルダ1の底面の斜視図である。実施形態のスライドホルダ1は、複数(例えば、4枚)のスライドガラス2を保持可能である。
【0011】
図1図3に示すように、スライドホルダ1は、第1の長辺部10と、第2の長辺部12と、第1の短辺部14と、第2の短辺部16とを有する。第1の長辺部10は、スライドガラス2を固定する弾性部18を有する。本実施形態の第1の長辺部10は、複数(例えば、4つ)の弾性部18を有する。弾性部18は、例えば、ばねによりスライドガラス2の固定部が外力により弾性変形して可動する構造であり、第1の長辺部10から第2の長辺部12へ向かう方向に沿って、スライドガラス2を付勢する。
第2の長辺部12は、第1の長辺部10に対向する。第1の短辺部14は、第1の長辺部10と第2の長辺部の端部を接続する。第2の短辺部16は、第1の長辺部10と第2の長辺部の他の端部を接続する。第1の短辺部14と第2の短辺部16とは、互いに対向する。
【0012】
第1の長辺部10と、第2の長辺部12と、第1の短辺部14と、第2の短辺部16とは、一体形成される。これにより、枠状のスライドホルダ1が形成される。第1の長辺部10と、第2の長辺部12と、第1の短辺部14と、第2の短辺部16は、樹脂製(ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリフタルアミド、ポリオキシメチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチレンテレフタレートなど)である。第1の長辺部10と、第2の長辺部12と、第1の短辺部14と、第2の短辺部16は、射出成型される。このとき、枠状のスライドホルダ1の全体の樹脂の厚さが均一であることが好ましい。
【0013】
第2の長辺部12は、スライドガラス2を受ける爪部28を有する。本実施形態の第2の長辺部12は、複数(例えば、8つ)の爪部28を有する。爪部28は、弾性部18によって付勢されたスライドガラス2を受ける。爪部28の下にスライドガラス2を押し込み、爪部28に対して弾性部18で押すことにより、スライドガラス2がスライドホルダ1に保持される。本実施形態では、2つ(一対)の爪部28が1つの弾性部18に対応する。
【0014】
第1の長辺部10は、内周の底面20にテーパ面22を有する。好ましくは、第1の長辺部10と、第2の長辺部12と、第1の短辺部14と、第2の短辺部16のそれぞれが、内周の底面20にテーパ面22を有する。第1の長辺部10と、第2の長辺部12と、第1の短辺部14と、第2の短辺部16において、各底面20と各テーパ面22とのなす角は同一であることが好ましい。各底面20と各テーパ面22とのなす角は、60度以下であることが好ましい。
【0015】
第1の長辺部10は、弾性部18の弾性力によってスライドガラス2を第2の長辺部12の方向に押し当てることで、スライドガラス2を保持する。また、好ましくは、第1の長辺部10は、上面にスライドガラス設置面21を有する。スライドガラス設置面21は、スライドガラス2が下方向に脱落しないように、スライドガラス2を保持する。また、保持したスライドガラス2が上方向にずれることを防ぐため、弾性部18の上部には、突起部19が形成されることが好ましい。
【0016】
なお、スライドガラス2の大きさにはばらつきがあり、様々な大きさのスライドガラス2を弾性部18で適切に保持できることが好ましい。そのため、弾性部18の変位可能なストロークの範囲は、スライドガラス2の長軸方向の長さのばらつきよりも大きいことが好ましい。例えば、スライドガラス2のサイズのばらつきが±0.5ミリメートルある場合、弾性部18のストロークは1ミリメートル以上であることが好ましい。
【0017】
弾性部18が十分なストロークを得るために、例えば、弾性部18は、スライドガラス設置面21から張り出したばね構造とすることができる。ばね構造に十分な長さを持たせることができるため、素材のしなりやねじれによる変位を稼ぐことができ、弾性部18のストロークが大きくなる。
【0018】
なお、弾性部18のばね構造をスライドガラス設置面21から張り出した構造とする場合、スライドガラス設置面21や弾性部18のばね構造は、平面視でテーパ面22と重複することが好ましい。
また、スライドガラス2を保持する際にばね構造がねじれて変形する。そのため、第1の長辺部10とばね構造の連結部がスライドガラス設置面21よりも低いことが好ましい。これにより、ばね構造のねじれに伴い、連結部が上方へ変形し、スライドガラス2を上方に移動させたとしても、ばね構造がスライドガラス2と干渉することを抑制できる。
【0019】
第1の長辺部10と、第2の長辺部12と、第1の短辺部14と、第2の短辺部16は、それぞれ、台座部24と、凸部26と、を有する。台座部24は、スライドホルダ1の外枠を形成する。各台座部24は、底面20に壁部23を有する。凸部26は、第1の長辺部10と、第2の長辺部12と、第1の短辺部14と、第2の短辺部16の上方に突出する。枠状のスライドホルダ1において、各凸部26は、各壁部23よりも小さい外形を有する。
【0020】
第1の長辺部10と、第2の長辺部12と、第1の短辺部14と、第2の短辺部16の少なくともいずれかは、壁部23に切り欠き部30を有する。本実施形態では、第1の短辺部14と、第2の短辺部16の壁部23が、それぞれ、2つの切り欠き部30を有する。図3に示すように、各壁部23は、切り欠き部30において、底面20と同じ高さとなることが好ましい。
なお、切り欠き部30の数は特に限定されない。また、第1の長辺部10と、第2の長辺部12との壁部23が切り欠き部30を有してもよいし、第1の長辺部10と、第2の長辺部12と、第1の短辺部14と、第2の短辺部16の全ての壁部23が切り欠き部30を有してもよい。
【0021】
図4は、変形例のスライドホルダ1の底面の斜視図である。図4に示す変形例のスライドホルダ1は、図3に示す実施形態のスライドホルダ1と基本的なプロファイルは同一であるものの、底面20やテーパ面22の詳細な構成が異なる。変形例のスライドホルダ1は、底面20に複数のリブ32を有する。これにより、スライドホルダ1の厚さを薄くしつつ、スライドホルダ1の強度が高まる。また、スライドホルダ1の樹脂の厚さを均一にすることにより、射出成型時の樹脂の流動性が均一となる。
【0022】
図5は、撮像時におけるスライドガラス2を保持した実施形態のスライドホルダ1の断面図である。スライドホルダ1に保持されたスライドガラス2に透過照明系42で照射光を集光し、ドライタイプの対物レンズ40で観察する。透過照明系42は、例えば、コンデンサレンズを有する。ここで、対物レンズ40への光の最大入射角θと対物レンズ40の開口数NAとは、対物レンズ40とサンプルの間にある媒質の屈折率をnとすると、NA=n×sinθの関係を満たす。光の波長をλとすると、光学分解能σは、σ=0.61λ/sinθの関係を満たす。光学分解能σの値が小さいほど、より細かな対象を観察できる。そのため、対物レンズ40への光の最大入射角θを大きくすることが好ましい。
【0023】
図6(a)は、撮像時におけるスライドガラス2を保持した実施形態のスライドホルダ1の断面図である。図6(b)は、撮像時におけるスライドガラス2を保持した比較例のスライドホルダ1の断面図である。図6(a)に示すように、実施形態のスライドホルダ1は、少なくとも第1の長辺部10の内周の底面20にテーパ面22を有する。そのため、スライドガラス2に照射される照射光が、スライドホルダ1の内周の底面20と干渉することを抑制できる。図6(a)における有効撮像範囲をL1とする。
これに対し、図6(b)に示す比較例のスライドホルダ1は、内周の底面20にテーパ面22を有さない点において実施形態と異なる。そのため、比較例のスライドホルダ1では、スライドガラス2に照射される照射光が、スライドホルダ1の内周の底面20と干渉しやすくなる。そのため、図6(b)に示す比較例の有効撮像範囲L2は、実施形態の有効撮像範囲L1よりも狭くなる。
【0024】
開口数NAが0.5の場合、最大入射角θは30度となる。開口数NAが0.6の場合、最大入射角θは36.9度となる。開口数NAが0.7の場合、最大入射角θは44.4度となる。開口数NAが0.8の場合、最大入射角θは53.1度となる。
底面20とテーパ面22とのなす角αは、(90-θ)度となる。したがって、対物レンズ40の開口数NAによって定まる最大入射角θを考慮し、底面20とテーパ面22とのなす角αが(90-θ)度以下となるように、テーパ面22の傾斜角を設定することが好ましい。底面20とテーパ面22とのなす角αは、例えば、60度以下である。
【0025】
次に、図7及び図8を参照して、実施形態のスライドホルダ1を積層した状態を説明する。図7は、変形例の複数のスライドホルダ1を積層した状態の図1のB-B線断面図である。図8は、変形例の複数のスライドホルダ1を積層した状態の図1のC-C線断面図である。
上述したように、枠状のスライドホルダ1において、各凸部26は、各壁部23よりも小さい外形を有する。そのため、図7図8に示されるように、スライドホルダ1の上方に突出する凸部26は、上から積層されるスライドホルダ1の下方に延びる壁部23の内周側に位置する。凸部26の高さは、スライドガラス2の厚さよりも大きい。これにより、スライドガラス2を保持したスライドホルダ1を積層できる。
【0026】
スライドガラス2は、例えば、長さ76mm、幅26mm、厚さ0.8mm~1.5mmである。このスライドガラス2を4枚並べて保持可能なスライドホルダ1は、例えば、長さ127.76mm、幅85.48mm、高さ7.5mmの外形を有する。スライドホルダ1の外形は、例えば、96ウェルプレートなどで一般的なANSI/SBS規格に準じた外形形状を有してもよい。
なお、スライドホルダ1のサイズは、保持するスライドガラス2によって、適宜変更可能である。特に、スライドホルダ1の高さは、スライドガラス2を保持した際に、スライドホルダ1の上方にスライドガラス2が飛び出さない範囲で、適宜変更可能である。また、病理切片標本で使用する大型のスライドガラス2を用いる場合、スライドホルダ1が2枚の大型のスライドガラス2を並べて保持してもよい。
【0027】
次に、図9及び図10を参照して、実施形態のスライドホルダ1を載置するステージ50について説明する。図9は、スライドホルダ1を載置するステージ50の斜視図である。図10は、図9のA-A線矢視断面図である。
ステージ50は、枠状であり、スライドホルダ1よりも大きな外形を有する。枠状のステージ50は、内周に支持部52を有する。支持部52は、スライドホルダ1の切り欠き部30に対応する位置に設けられる。これにより、支持部52は、切り欠き部30においてスライドホルダ1を支持する。
【0028】
図10に示すように、スライドホルダ1を載置した状態で、スライドホルダ1の底面20とステージ50の底面54が一致することが好ましい。これにより、撮像時における対物レンズ40や透過照明系42によるスライドホルダ1やステージ50との光学的な干渉を抑制できる。
【0029】
次に、図11を参照して、顕微鏡システムについて説明する。図11は、顕微鏡システムの概略構成図である。顕微鏡システムは、ステージ50と、対物レンズ40と、結像光学系43と、撮像部44と、画像記録部46と、透過照明系42と、制御部60と、顕微鏡ステージ62と、を有する。
対物レンズ40が観察した画像は、撮像部44によって撮像される。撮像部44は、例えば、カメラである。撮像部44によって撮像された画像データは、画像記録部46に記録される。
【0030】
画像記録部46と制御部60は、例えば、それぞれをCPUやメモリ、不揮発性の記憶装置(SSDなど)、FPGAなどによる論理回路を有するコンピュータやマイクロコントローラで構成してもよいし、1台のコンピュータやマイクロコントローラに画像記録部46と制御部60の双方の機能を持たせて構成してもよい。
【0031】
制御部60は、撮像部44の撮像タイミングを制御する。また、制御部60は、ステージ50や顕微鏡ステージ62を移動制御できる。ここで、ステージ50に載置されたスライドホルダ1を撮像位置に移動してもよいし、ステージ50を固定したままで、顕微鏡ステージ62を移動させることにより、撮像位置を移動してもよい。このようにして、スライドガラス2状の複数の撮像位置における画像を連続して撮像できる。
なお、複数のスライドガラス2を同時に撮像するため、2つ以上の対物レンズ40、結像光学系43、撮像部44を並列に配置して、単一もしくは複数の画像記録部46と接続してもよい。
【0032】
複数のスライドガラス2を保持した状態で、積層された複数のスライドホルダ1は、プレートスタッカ(不図示)に格納される。プレートスタッカは、積層された複数のスライドホルダ1から、1枚ずつスライドホルダ1を自動的に取り出すことが出来る。
プレートスタッカから取り出されたスライドホルダ1は、ステージ50に載置される。
なお、プレートスタッカを用いずに、ステージ50にスライドホルダ1を1枚ずつ載置してもよい。
【0033】
以上、本発明のスライドホルダ及びステージについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。また、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0034】
1 スライドホルダ
2 スライドガラス
10 第1の長辺部
12 第2の長辺部
14 第1の短辺部
16 第2の短辺部
18 弾性部
19 突起部
20 底面
21 スライドガラス設置面
22 テーパ面
23 壁部
24 台座部
26 凸部
28 爪部
30 切り欠き部
32 リブ
40 対物レンズ
42 透過照明系
43 結像光学系
44 撮像部
46 画像記録部
50 ステージ
52 支持部
54 底面
60 制御部
62 顕微鏡ステージ
L1 有効撮像範囲
L2 有効撮像範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2021-05-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスライドガラスを保持可能なスライドホルダであって、
前記スライドガラスを固定する弾性部を有する第1の長辺部であって、内周の底面にテーパ面を有する第1の長辺部と、
前記第1の長辺部に対向する第2の長辺部と、
前記第1の長辺部と前記第2の長辺部の端部を接続し、互いに対向する第1の短辺部及び第2の短辺部と、
を有する、スライドホルダ。
【請求項2】
前記弾性部は、前記第1の長辺部から前記第2の長辺部へ向かう方向に前記スライドガラスを付勢可能である、
請求項1に記載のスライドホルダ。
【請求項3】
前記第1の長辺部は、上面にスライドガラス設置面を有し、
前記弾性部は、前記スライドガラス設置面から張り出したばね構造である、
請求項1又は2に記載のスライドホルダ。
【請求項4】
前記第2の長辺部、前記第1の短辺部、及び、前記第2の短辺部は、それぞれ、内周の底面にテーパ面を有する、
請求項1~3のいずれかに記載のスライドホルダ。
【請求項5】
前記第1の長辺部、前記第2の長辺部、前記第1の短辺部、及び、前記第2の短辺部の底面と前記テーパ面の成す角度は、60度以下である、
請求項1~4のいずれかに記載のスライドホルダ。
【請求項6】
前記弾性部を含む前記第1の長辺部、前記第2の長辺部、前記第1の短辺部、及び、前記第2の短辺部は、一体形成される、
請求項1~のいずれかに記載のスライドホルダ。
【請求項7】
前記弾性部を含む前記第1の長辺部、前記第2の長辺部、前記第1の短辺部、及び、前記第2の短辺部は、樹脂製である、
請求項1~のいずれかに記載のスライドホルダ。
【請求項8】
前記弾性部を含む前記第1の長辺部、前記第2の長辺部、前記第1の短辺部、及び、前記第2の短辺部は、射出成型される、
請求項又はに記載のスライドホルダ。
【請求項9】
前記第1の長辺部、前記第2の長辺部、前記第1の短辺部、及び、前記第2の短辺部は、それぞれ、
下方に延びる壁部を底面に有する台座部と、
前記台座部の上方に突出する凸部であって、前記壁部の内周側に位置する凸部と、を有する、
請求項1~のいずれかに記載のスライドホルダ。
【請求項10】
前記凸部の高さは、前記スライドガラスの厚さよりも大きい、
請求項9に記載のスライドホルダ。
【請求項11】
前記第1の長辺部、前記第2の長辺部、前記第1の短辺部、及び、前記第2の短辺部の少なくともいずれかは、前記壁部に切り欠き部を有する、
請求項9又は10に記載のスライドホルダ。
【請求項12】
請求項11に記載のスライドホルダを枠状のステージに載置可能な支持構造であって、
前記切り欠き部において前記スライドホルダを支持する支持部を内周に有し、
前記スライドホルダを載置した状態において、前記スライドホルダの前記底面と前記ステージの底面が一致するスライドホルダの支持構造
【手続補正書】
【提出日】2021-06-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスライドガラスを保持可能なスライドホルダであって、
前記スライドガラスを固定する弾性部を有する第1の長辺部であって、内周の底面にテーパ面を有する第1の長辺部と、
前記第1の長辺部に対向する第2の長辺部と、
前記第1の長辺部と前記第2の長辺部の端部を接続し、互いに対向する第1の短辺部及び第2の短辺部と、
を有
前記第1の長辺部、前記第2の長辺部、前記第1の短辺部、及び、前記第2の短辺部は、それぞれ、
下方に延びる壁部を底面に有する台座部と、
前記台座部の上方に突出する凸部であって、前記壁部の内周側に位置する凸部と、を有する、
スライドホルダ。
【請求項2】
前記弾性部は、前記第1の長辺部から前記第2の長辺部へ向かう方向に前記スライドガラスを付勢可能である、
請求項1に記載のスライドホルダ。
【請求項3】
前記第1の長辺部は、上面にスライドガラス設置面を有し、
前記弾性部は、前記スライドガラス設置面から張り出したばね構造である、
請求項1又は2に記載のスライドホルダ。
【請求項4】
前記第2の長辺部、前記第1の短辺部、及び、前記第2の短辺部は、それぞれ、内周の底面にテーパ面を有する、
請求項1~3のいずれかに記載のスライドホルダ。
【請求項5】
前記第1の長辺部、前記第2の長辺部、前記第1の短辺部、及び、前記第2の短辺部の底面と前記テーパ面の成す角度は、60度以下である、
請求項1~4のいずれかに記載のスライドホルダ。
【請求項6】
前記弾性部を含む前記第1の長辺部、前記第2の長辺部、前記第1の短辺部、及び、前記第2の短辺部は、一体形成される、
請求項1~5のいずれかに記載のスライドホルダ。
【請求項7】
前記弾性部を含む前記第1の長辺部、前記第2の長辺部、前記第1の短辺部、及び、前記第2の短辺部は、樹脂製である、
請求項1~6のいずれかに記載のスライドホルダ。
【請求項8】
前記弾性部を含む前記第1の長辺部、前記第2の長辺部、前記第1の短辺部、及び、前記第2の短辺部は、射出成型される、
請求項6又は7に記載のスライドホルダ。
【請求項9】
前記凸部の高さは、前記スライドガラスの厚さよりも大きい、
請求項に記載のスライドホルダ。
【請求項10】
前記第1の長辺部、前記第2の長辺部、前記第1の短辺部、及び、前記第2の短辺部の少なくともいずれかは、前記壁部に切り欠き部を有する、
請求項1~9のいずれかに記載のスライドホルダ。
【請求項11】
請求項10に記載のスライドホルダを枠状のステージに載置可能な支持構造であって、
前記切り欠き部において前記スライドホルダを支持する支持部を内周に有し、
前記スライドホルダを載置した状態において、前記スライドホルダの前記底面と前記ステージの底面が一致するスライドホルダの支持構造。