(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022016097
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】基板搬送装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20220114BHJP
F24F 7/06 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
H01L21/68 A
F24F7/06 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020119379
(22)【出願日】2020-07-10
(71)【出願人】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】特許業務法人開知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大槻 孝行
【テーマコード(参考)】
3L058
5F131
【Fターム(参考)】
3L058BF01
3L058BF03
3L058BF08
5F131CA12
5F131DA22
5F131DB51
5F131HA01
5F131JA08
(57)【要約】
【課題】基板搬送ロボットの動作により発生するクリーンエアーの巻き上がりや床面からの跳ね返りで発生する異物の巻き上がりを抑制し、基板搬送空間内で清浄なダウンフローを形成することができる基板搬送装置を実現する。
【解決手段】基板搬送装置101は、基板を支持するハンドリングアーム207を有し、基板搬送空間101A内を移動して、基板を搬送する基板搬送ロボット103と、基板搬送空間101A内にダウンフローを形成し、基板搬送ロボット103が移動することにより生じる異物巻き上がりを抑制するダウンフロー形成機構401、402、403とを備える。これにより、基板搬送ロボット103の動作により発生するクリーンエアーの巻き上がりや床面からの跳ね返りで発生する異物の巻き上がりを抑制することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を支持するハンドリングアームを有し、基板搬送空間内を移動して、基板を搬送する基板搬送ロボットと、
前記基板搬送空間内にダウンフローを形成し、前記基板搬送ロボットが移動することにより生じる異物巻き上がりを抑制するダウンフロー形成機構と、
を備えることを特徴とする基板搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板搬送装置において、
前記ダウンフロー形成機構が、前記基板搬送ロボットの前記ハンドリングアームより下方に位置に配置されることを特徴とする基板搬送装置。
【請求項3】
請求項1に記載の基板搬送装置において、
前記ダウンフロー形成機構は、多孔子状の異物巻き上がり防止板と、前記異物巻き上がり防止板の下面部に配置されたファンとを有し、前記異物巻き上がり防止板は、前記基板搬送ロボットのボディー部分と前記ハンドリングアームとの間に配置されることを特徴とする基板搬送装置。
【請求項4】
請求項1に記載の基板搬送装置において、
前記ダウンフロー形成機構は、多孔子状の異物巻き上がり防止板と、前記異物巻き上がり防止板の下面部に配置されたファンとを有し、前記ファンの動作を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記基板搬送ロボットが所定の移動位置に位置するときに前記ファンが動作するように制御することを特徴とする基板搬送装置。
【請求項5】
請求項1に記載の基板搬送装置において、
前記基板搬送空間の上方部からのダウンフローを形成するファンフィルタユニット機構を備えることを特徴とする基板搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気清浄空間を形成するファンフィルタユニットを備えた空気清浄空間内で、基板を搬送する基板搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の工場では、半導体基板の異物付着を防止するために、基板は専用の格納箱に収容されている。格納箱は、基板搬送装置を有する製造装置や検査装置等に設置された後、基板搬送装置に設けられている基板格納箱開閉装置によって開放され、格納されている基板は基板搬送ロボットによって取り出される。
【0003】
基板搬送ロボットは、空気清浄空間内にて、基板を基板の処理室に搬送する機構である。基板搬送ロボットは、ハンドリングアームに取り付けられたハンドにより基板を取り出し、製造装置や検査装置等へ基板の受け渡しを行っている。
【0004】
半導体の製造、計測、検査等を行う装置は、ファンフィルタユニットを備え、局所クリーン化空間を形成した基板搬送装置に搭載されている搬送ロボットにより搬送された基板の処理を行なう。
【0005】
処理終了後、基板は局所クリーン化空間を形成した基板搬送装置の搬送ロボットにより基板格納箱に戻され、次の工程に進む。
【0006】
このように、半導体基板へ異物が付着することを防止するため、自動化されている。
【0007】
局所クリーン化空間を形成した基板搬送装置内は、その内部空間に上部のファンフィルタユニットからの清浄な空気によるダウンフローを供給し、内圧を高めることによって、外部からの異物の侵入を抑制している。
【0008】
特許文献1には、搬送装置内を移動する搬送ロボットの走行装置を、側壁に設けることによって、装置上部に設置されたファンフィルタユニットから排気口に至るまでのダウンフローにとっての障害物をなくし、ダウンフローによる清浄化効果を高めた基板搬送装置が開示されている。
【0009】
また、特許文献2には、床部分に設けた開口部から塵埃を排出する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第4909919号公報
【特許文献2】特開2010-3867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記従来技術における基板搬送装置は、基板搬送装置の上部に設置されたファンフィルタユニットからのクリーンエアーと基板搬送装置の下面に設置された排気口からの排気によりダウンフローが形成されている。
【0012】
また、床面は多孔子状になっており、排気口から排気されたクリーンエアーは、床下へ流れることにより、ダウンフローを形成している。基板搬送装置の基板搬送ロボットは基板搬送空間内を高速で移動し、基板を高速で搬送する。
【0013】
従来の技術では、基板搬送ロボットが基板搬送空間内を高速で移動する場合、基板搬送装置内の気体は基板搬送ロボットにより押され、基板搬送装置内の側面の壁にぶつかり、上下左右の流れを形成する。
【0014】
また、基板搬送装置の設置された床面が多孔子状になっていない場合、排気口から排気されたクリーンエアーは、床面に反射し、上方向や左右方向の流れを形成する。床面から跳ね返ったエアーは、基板搬送装置内へ流入する場合があり、基板搬送装置内の壁や床面から微細な異物を巻き上げ、ファンフィルタユニットからのダウンフローの風を乱し、気流が乱れ、基板やワークの汚染につながる可能性がある。
【0015】
製造装置や検査装置等では、多くのウェーハを処理するため、搬送装置の高速化が進んでおり、基板搬送ロボットの移動動作も高速化している。そのため、この問題はさらに発生しやすくなる可能性がある。
【0016】
この巻き上げられる異物を防ぐためにはファンフィルタユニットからのダウンフローの風量を上げる必要があるが、ファンフィルタユニットの風量を上げると、フィルタの集塵率低下やフィルタの目詰まりのほか、基板搬送装置の設置された床面が多孔子板になっていない場合、排気口から排気されたクリーンエアーは、より強く床から跳ね返り、基板搬送装置内部に流入する原因となる。
本開示の目的は、基板搬送ロボットの動作により発生するクリーンエアーの巻き上がりや床面からの跳ね返りで発生する異物の巻き上がりを抑制し、基板搬送空間内で清浄なダウンフローを形成することができる基板搬送装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するため、本開示は次のように構成される。
【0018】
基板搬送装置において、基板を支持するハンドリングアームを有し、基板搬送空間内を移動して、基板を搬送する基板搬送ロボットと、前記基板搬送空間内にダウンフローを形成し、前記基板搬送ロボットが移動することにより生じる異物巻き上がりを抑制するダウンフロー形成機構と、を備える。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、基板搬送ロボットの動作により発生するクリーンエアーの巻き上がりや床面からの跳ね返りで発生する異物の巻き上がりを抑制し、基板搬送空間内で清浄なダウンフローを形成することができる基板搬送装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施例1に係る基板搬送装置の概略構成図である。
【
図2】実施例1に係る基板搬送装置の概略構成図である。
【
図3】実施例2に係る基板搬送装置の概略構成図である。
【
図4】実施例3に係る基板搬送装置の平面図である。
【
図5】ファンの動作タイミングの判断工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態について説明する。
【0022】
なお、以下に説明する実施例は、基板搬送領域内に正常なダウンフローを形成し、基板搬送ロボットの動作や床面からの跳ね返り流入によって巻き上げられる異物の基板付着を抑制することができる基板搬送装置に関するものである。
【0023】
本実施例では主に、基板搬送ロボットのハンドリングアームより下の高さに多孔子の板を設け、さらにファンを設けることで、基板搬送空間内に正常なダウンフローを形成する機構について説明する。
【0024】
ダウンフローが形成されることで、基板搬送ロボット動作により発生した異物が巻き上がり基板に付着することを抑制することが可能となる。
【0025】
上記構成によれば、基板搬送ロボットがより高速で動作することやファンフィルタユニットの風速を上げても異物の付着を抑制することが可能となる。
【実施例0026】
(実施例1)
図1および
図2は、本開示の実施例1に係る基板搬送装置101の概略構成図である。
【0027】
図1は、基板搬送装置101の側面図であり、
図2は基板搬送装置101の平面図である。
【0028】
図1及び
図2において、基板搬送装置101内に設置された基板搬送ロボット103は、基板搬送空間101A内を移動し、基板208を複数枚格納してある基板格納箱とその箱を開閉する基板格納箱開閉装置204、205、206の近辺に移動する。つまり、基板搬送ロボット103は、移動位置201、202、203に移動する。
【0029】
基板搬送ロボット103は、基板格納箱開閉装置204、205、206によって開けられた基板格納箱より、基板を支持するハンドリングアーム207のハンドで基板208を保持する。基板搬送装置101内の基板搬送空間101Aの上方部にはファンフィルタユニット102が配置され、このファンフィルタユニット102により、基板搬送空間101Aの上方部からのダウンフローが形成されており、基板搬送ロボット103の動作により発生した異物を基板搬送装置101の外部へ排出する。
【0030】
基板搬送装置101の動作制御は、制御BOX(制御部)209により制御される。制御BOX209の近辺には、プリアライメント装置210が配置されている。
【0031】
基板搬送ロボット103のボディー部分とハンドリングアーム207との間に異物巻き上がり防止のための多孔子状の異物巻き上がり防止板401を配置する。さらに、異物巻き上がり防止板の下面部における両端部(基板搬送ロボット103が移動方向の両端部)にファン402、403を配置する。ファン402及び403は、排気口104への方向に流れる空気流を形成する。ファン402及び403の動作は、制御BOX209により制御される。
【0032】
基板搬送ロボット103の動作により発生した異物は、多孔子状の板である異物巻き上がり防止板401により巻き上がりが抑制され、ファン402及び403が形成する空気流により、異物が巻き上がることなく基板搬送装置101の外部へ排出される。基板搬送装置101の基板搬送空間101Aには乱流の発生が抑制され、正常なダウンフローが形成され、搬送する基板に異物が付着することを抑制できる。
【0033】
異物巻き上がり防止のための多孔子状の板である異物巻き上がり防止板401は、基板搬送ロボット103が移動する部分に穴をあけて開口部501を形成する。この開口部501により、ハンドリングアーム207を含む上部が板401より上に出るようにする。
【0034】
また、異物巻き上がり防止板401の他の部分は5mm~10mmの円や長円穴、矩形穴を多数空けた構成とすることで、下からの異物の巻き上がりを抑制することができ、基板搬送空間101A内に正常なダウンフローを形成できる。
【0035】
図1及び
図2に示した例は、基板搬送装置101が設置された床板105の面が多孔子状になっていない場合の例である。この場合、床板105からの反射風302が発生するが、基板搬送装置101の基板搬送空間101Aには乱流の発生が抑制された、正常なダウンフローが形成されているため、反射風302による異物が基板搬送装置101内に流入することを抑制することができる。床板105に沿って流れる空気流301も発生するが、基板搬送装置101の外部方向に流れるので、空気流301による基板搬送装置101内への異物の侵入は回避される。
【0036】
本開示の実施例1によれば、基板搬送ロボット103の動作により発生するクリーンエアーの巻き上がりや床板105の面からの跳ね返りで発生する異物の巻き上がりを抑制し、基板搬送空間101A内で清浄なダウンフローを形成する基板搬送装置を実現することができる。
【0037】
図6、
図7及び
図8は、本開示の実施例1とは異なる構成の比較例を示す図である。
【0038】
図6、
図7及び
図8において、基板搬送装置1010に搭載された基板搬送ロボット1030は、ファンフィルタユニット1020によって与圧された基板搬送空間内にて、基板2080を搬送する。より具体的には、基板搬送装置1010の上部に設置されたファンフィルタユニット1020からのクリーンエアーが装置内の内圧を高めることによって、外部からの空気の侵入を遮断し、清浄な空間を保持している。
【0039】
また、ファンフィルタユニット1020によって供給されるクリーンエアーは、基板搬送装置1010の下面に設置された排気口1040によって排気され、排気されたクリーンエアーは、基板搬送装置が設置された床面1050に構成された多孔子板から床下に排気されることで、装置内にダウンフローが形成される。
【0040】
基板搬送ロボット1030はハンドリングアームとハンドを動作させるための駆動機構を備えており、上述のような清浄な空間内で基板2080の搬送を行っている。
【0041】
基板搬送装置1010は、基板2080を搬送する基板搬送ロボット1030、基板2080が格納された基板格納箱を開閉する機構を有する基板格納箱開閉装置2040、2050、2060を備えている。
【0042】
基板搬送ロボット1030は、搬送ロボット待機位置2010、2020、2030への移動が可能なように構成されており、それぞれの位置でハンドリングアーム2070のハンドにより基板格納箱への基板の出し入れを可能としている。ハンドリングアーム2070のハンドにより取り出された基板2080は、半導体製造装置や検査装置へ搬送される。
【0043】
基板搬送装置1010に搭載された基板搬送ロボット1030は、基板格納箱開閉装置2040、2050、2060によって開けられた基板格納箱からハンドリングアーム2070により、基板2080を取りだし、半導体製造装置や検査装置へ搬送する。その際に基板搬送ロボット1030が走行軸により高速で基板搬送装置1010内を左右に動作することで、基板搬送装置101内の気体は基板搬送ロボット1030により矢印の方向へ押され、基板搬送装置1010内の側面の壁にぶつかり、矢印3030の流れを形成する。
【0044】
また、基板搬送装置1010の設置された床面1050が多孔子板になっていない場合、排気口1040から排気されたクリーンエアーは、床から跳ね返り、矢印3020の流れを形成する。この矢印3020、3030の方向への空気の流れにより、基板搬送装置1010内の壁や床面から微細な異物を巻き上げ、ファンフィルタユニット1020からのダウンフローの風を乱し、気流が乱れ、基板やワークの汚染につながる可能性がある。
【0045】
このように、本開示の実施例1とは異なる比較例では、実施例1による効果を発揮することは困難である。
【0046】
(実施例2)
次に、本開示の実施例2について説明する。
【0047】
図3は、実施例2に係る基板搬送装置101の概略構成図であり、側面を表した図である。なお、
図1に示した実施例1と同等の部分には、同一の符号が付されている。
【0048】
実施例1と実施例2との相違点は、実施例2においては、実施例1におけるファンフィルタユニット102に代えてファンフィルタ601が配置されている点である。
【0049】
実施例2における基板搬送装置101に搭載されるファンフィルタユニット601は、実施例1におけるファンフィルタユニット102より小型のファンフィルタユニットである。例えば、ファンフィルタユニット601は、実施例1におけるファンフィルタユニット102の約半分の能力である。
【0050】
小型のファンフィルタユニット601であっても、異物巻き上がり防止のための多数穴の開いた異物巻き上がり防止板401の下面に設けたファン402、403により、ファンフィルタユニット601に覆われていない部分の空気を吸い込むことで、流れを作り出し、乱流の発生が抑制されたダウンフローを形成することができる。
【0051】
そして、異物巻き上がり防止板401により、基板搬送ロボット103の動作による異物巻き上がりを抑制することで、効率的に基板への異物付着を抑制することができる。
【0052】
実施例2によれば、実施例1と同様な効果を得ることができる他、ファンフィルタユニット601を小型化することができる。
【0053】
(実施例3)
次に、本開示の実施例3について説明する。
【0054】
図4は、実施例3に係る基板搬送装置101の平面図である。
【0055】
図4においては、基板搬送ロボット103の動作向きを示しており、基板搬送ロボット103のそれぞれの移動位置及び動作向きに対応する異物巻き上がり防止板401の下面にファン602~609を追加して配置する。ファン602~609の動作は、制御BOX209によって制御される。
【0056】
図示した例では、基板搬送ロボット103の所定の移動位置が701、203、72であり、移動位置が701のとき、動作向きに対応するファンはファン602である。
【0057】
また、移動位置が203のとき、動作向きに対応するファンはファン605であり、移動位置が702のとき、動作向きに対応するファンはファン607である。
【0058】
基板搬送ロボット103が移動してきた際に、ファン602~609のうちの対応するファンを動作させることで、効率的にダウンフローを形成し、基板への異物付着を抑制し、基板搬送空間101A内に正常なダウンフローを形成することが可能である。
【0059】
図5は、ファン602~609の動作タイミングの判断工程を示すフローチャートである。
【0060】
図5のステップS1において、基板搬送装置101を制御する制御BOX209により基板搬送ロボット103の移動位置が確認される(監視される)。そして、ステップS2において、基板搬送ロボット103の移動位置がファン602~609のうちのいずれかが回転すべき(動作すべき)位置か否かを制御BOX209が判断する。
【0061】
ステップS2において、基板搬送ロボット103の移動位置がファン602~609のうちのいずれかが回転すべき位置では無い場合は、ステップS4に進み、ファン602~609の回転を停止する。そして、処理はステップS1に戻る。
【0062】
ステップS2において、基板搬送ロボット103の移動位置がファン602~609のうちのいずれかが回転すべき位置である場合は、ステップS3に進み、ファン602~609のうちの対応するファンの回転を開始させる。そして、一定条件(一定時間経過後や基板搬送ロボット103の位置が変化した等の条件)が成立すると、ステップS4に進み、ファンの回転が停止される。そして、処理はステップS1に戻る。
【0063】
実施例3によれば、実施例1と同様な効果が得られる他、複数のファン602~609を配置し、基板搬送ロボット103の移動位置に応じて、必要なファンが回転するように構成したので、高効率に基板への異物付着を抑制し、基板搬送空間内101Aに正常なダウンフローを形成することが可能となる。
【0064】
なお、その他の実施例としては、実施例3における複数のファン602~609を基板搬送ロボット103の移動位置に関係なく、ファン602~69を常に回転させておく例がある。
【0065】
ファン602~69を常に回転させておくことで、基板搬送装置101を制御する制御BOX209による基板搬送ロボット103の位置監視をする必要がなく、移動位置203、701、702へ移動した際に基板への異物付着を抑制し、基板搬送空間101A内に正常なダウンフローを形成することが可能となる。
【0066】
なお、本開示においては、基板搬送空間101A内にダウンフローを形成し、基板搬送ロボット103が基板搬送空間101A内を移動することにより生じる異物巻き上がりを抑制する機構をダウンフロー形成機構と定義する。
【0067】
実施例1及び実施例2におけるダウンフロー形成機構は、異物巻き上がり防止板401とファン402、403である。
【0068】
実施例3におけるダウンフロー形成機構は、異物巻き上がり防止板401、ファン602~609である。
【0069】
ダウンフロー形成機構は、基板搬送ロボット103にハンドリングアーム207より下方位置に配置される。
101・・・基板搬送装置、101A・・・基板搬送空間、102、601・・・ファンフィルタユニット、103・・・基板搬送ロボット、104・・・排気口、105・・・床板、201~203、701、702・・・基板搬送ロボットの移動位置、204~206・・・基板を複数枚収納できる箱とその箱を開閉する装置、207・・・ハンドリングアーム、208・・・基板、209・・・制御BOX、210・・・プリアライメント装置、301・・・空気流、302・・・反射風、401・・・異物巻き上がりを防止板、402、403、602~609・・・ファン、501・・・開口部