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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161258
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】包装装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/14 20060101AFI20221014BHJP
   B65B 57/00 20060101ALI20221014BHJP
   B65B 9/087 20120101ALI20221014BHJP
【FI】
B65B57/14
B65B57/00 H
B65B9/087
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021065926
(22)【出願日】2021-04-08
(71)【出願人】
【識別番号】393027121
【氏名又は名称】シブヤパッケージングシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】沢田 清
(72)【発明者】
【氏名】下村 純平
【テーマコード(参考)】
3E050
【Fターム(参考)】
3E050AA02
3E050AB02
3E050AB08
3E050BA05
3E050CA01
3E050CB01
3E050DB01
3E050DD03
3E050DD08
3E050DF03
3E050DH01
3E050FA05
3E050FB02
3E050FB07
3E050HA02
3E050HA03
3E050HB01
(57)【要約】
【課題】外装フィルム内の正しい位置に物品を挿入する。
【解決手段】外袋製造装置14により2つ折りした外装フィルムF1を搬送する。挿入グリッパ22により物品Mを把持して外装フィルムF1の開口側から外装フィルムF1内に物品Mを挿入する。本シールユニット14Bで外装フィルムF1をシールする。X線検査装置18で物品Mを外装フィルムF1内に密封した製品Pを撮影して、外装フィルム内に収容されている物品の位置を検出する。リニアガイド24により挿入グリッパ22を外装フィルムF1に対して接近離隔可能とする。検出装置18によって検出される物品Mの位置と基準位置とのズレ量を算出する。ズレ量とリニアガイド24の調整量との関係からズレ量に応じた調整量を求める。リニアガイド24により挿入グリッパ22を調整量分移動させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ折りした外装フィルムを搬送する外装フィルム搬送手段と、
物品を把持して前記外装フィルムの開口側から外装フィルム内に前記物品を挿入する挿入グリッパと、
前記外装フィルムにシールを行うシール手段と、
外装フィルムを撮影して、当該外装フィルム内に収容されている物品の位置を検出する検出手段とを備え、
前記挿入グリッパを外装フィルムに対して接近離隔させる挿入グリッパ移動機構と、
前記挿入グリッパ移動機構を制御する制御手段と、
前記検出手段によって検出される物品の位置と基準位置とのズレ量を算出するズレ量算出手段と、
前記ズレ量と前記挿入グリッパ移動機構の調整量との関係を記憶する記憶手段とを設け、
前記ズレ量に応じた調整量を求め、前記挿入グリッパ移動機構によって挿入グリッパを前記調整量分移動させることによりズレ量を減少させるよう制御する
ことを特徴とする包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つ折りした外装フィルム内に物品を挿入し周囲をシールして密封する包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コーヒーやお茶などが充填された抽出バッグなどの物品は酸化や品質の劣化を防ぐため、物品を外装フィルム内に収容して包装している。例えば、特許文献1では、内容物供給装置によって内容物を把持し、上方から下方へと搬送される帯状重ねフィルムに側方から物品を供給している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5357968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような装置では、生産開始時に物品を外袋へ挿入する挿入グリッパの位置や、仮シール、本シール位置の調整を行う。しかし、生産中に外袋に挿入する物品の位置がずれることがある。例えば、抽出バッグは、コーヒーや茶葉が充填されたシートを切断して製造されるが、個々の抽出バッグの寸法には若干の誤差があるため、挿入グリッパの抽出バック把持位置にも若干の位置ずれが生じる。位置がずれた状態で抽出パックが外装フィルムに挿入されると、外装フィルム内における抽出バッグの位置がずれ、抽出バッグの縁部がシール部に挟まれ、不良品が発生することがある。
【0005】
本発明は、外装フィルム内の正しい位置に物品を挿入することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の包装装置は、2つ折りした外装フィルムを搬送する外装フィルム搬送手段と、物品を把持して前記外装フィルムの開口側から外装フィルム内に前記物品を挿入する挿入グリッパと、前記外装フィルムにシールを行うシール手段と、外装フィルムを撮影して、当該外装フィルム内に収容されている物品の位置を検出する検出手段とを備え、前記挿入グリッパを外装フィルムに対して接近離隔させる挿入グリッパ移動機構と、前記挿入グリッパ移動機構を制御する制御手段と、前記検出手段によって検出される物品の位置と基準位置とのズレ量を算出するズレ量算出手段と、前記ズレ量と前記挿入グリッパ移動機構の調整量との関係を記憶する記憶手段とを設け、前記ズレ量に応じた調整量を求め、前記挿入グリッパ移動機構によって挿入グリッパを前記調整量分移動させることによりズレ量を減少させるよう制御することを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、外装フィルム内の正しい位置に物品を挿入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態である包装装置における各構成部の配置および処理作業の流れを説明する模式的図である。
図2】移載ユニットを外袋製造装置側から見た正面図である。
図3】移載ユニットを上方から見た平面図である。
図4図2の正面図において省略されたグリッパ開閉機構の構成を示す部分的な正面図である。
図5図3のA-A断面図である。
図6図3のB-B断面図である。
図7】検査装置で撮影された製品のX線画像に基づき物品の位置ずれを検出する様子を示す模式図である。
図8】ズレ量とリニアガイドによる移載ユニットのX軸方向への移動量(調整量)の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態である包装装置における各構成部の配置、および処理作業の流れを説明する模式的図である。
【0010】
包装装置10は、2つ折りした外装フィルムF1の内側に物品Mを挿入するとともに物品Mの周囲の外装フィルムF1をシールして密封する。物品Mは、例えばコーヒーや茶葉を内容物とする抽出バッグであるが、これらに限定されるものではない。包装装置10は、物品Mを製造する内袋製造装置12と、外装フィルムF1で物品Mを個別に密封する外袋製造装置(外装フィルム搬送手段)14と、内袋製造装置12で製造された物品Mを把持して2つ折りした外装フィルムF1の内側の所定位置(基準位置)に挿入する移載ユニット16と、外袋製造装置14で外装フィルムF1で密封された物品Mの製品P内での位置を検査する検査装置(検出手段)18と、検査装置18で得られたデータに基づき移載ユニット16の位置を調整する制御装置(制御手段、ズレ量算出手段、記憶手段)20とを備える。なお、本実施形態において、検査装置18はX線検査装置である。
【0011】
内袋製造装置12は、例えば長手方向に2つ折りにしたシート状の不織布F2を、その開口部を上向きにして水平方向に連続搬送(X軸方向)する。内袋製造装置12において、2つ折りにされた不織布F2は、シーラにより所定間隔で縦シールされる。その後、縦シール部Svにより分けられた各区画に対して、上方に配置された充填ノズル12Aからコーヒーや茶葉などの内容物が所定量充填される。以下の説明では、不織布F2の水平搬送方向をX軸方向、垂直下向き方向をZ軸方向、X軸およびZ軸に直交する水平方向をY軸方向として参照する。
【0012】
内容物が投入された各区画の上辺開口部がシーラにより横シールされて密封される。横シール部Shおよび縦シール部Svにより各区画に内容物が密封された不織布F2は、切断ユニットにより縦シール部Svにおいて切断され、個別の物品(抽出バッグ)Mに分離される。分離された物品Mは、その上辺が一対のベルト12Bにより順次把持され、前後一定の距離を隔てて水平方向(X軸方向)に搬送される。なお、シーラ、充填ノズル12A、および切断ユニットは、連続搬送される不織布F2に同期して搬送方向に往復移動しながら、不織布F2のシール処理、充填処理、切断処理を行う。
【0013】
外袋製造装置14では、側方から樹脂やアルミなどを含むシート状の外装フィルムF1が連続供給される。供給される外装フィルムF1は、垂直下向き(Z軸方向)に折り曲げられるとともに2つ折りにされ、2つ折りにされた外装フィルムF1の開口部は内装製造装置12側に向けて配置される。
【0014】
内袋製造装置12のベルト12Bの下方、かつ外袋製造装置14における外装フィルムF1の開口部の前方には、移載ユニット16が配置される。移載ユニット16は、ベルト12Bに保持される物品Mを把持して、外装フィルムF1の開口部から、2つ折りの外装フィルムF1の内側の基準位置に物品Mを挿入するための挿入グリッパ22を備える。また、移載ユニット16は、リニアガイド(挿入グリッパ移動機構)24を含む直動機構により支持される。リニアガイド24は、移載ユニット16全体を外装フィルムF1に向けて水平方向(X軸方向)に進退可能である。
【0015】
本実施形態の外袋製造装置14は、垂直下向き(Z軸方向)に搬送される外装フィルムF1の山折り部に沿って配置されるボールネジ15を備える。ボールネジ15には、上(上流側)から順に、3つのナット15A、15B、15Cがそれぞれ所定の間隔を空けて螺装されており、ナット15A、15B、15Cには、それぞれ仮シールユニット14A、本シールユニット14B、切断ユニット14Cが取り付けられる。
【0016】
仮シールユニット14Aは、挿入グリッパ22により2つ折りの外装フィルムF1内に挿入される物品Mの下方部を仮シールする。すなわち、物品Mの下辺に沿った2カ所と、1つ下の物品Mの上辺に沿った2カ所と、外装フィルムF1の開口部に沿った物品Mの側辺下方部1カ所と、1つ下の物品Mの側辺上方部1カ所の合計6カ所を仮シールする(仮シール部S1)。
【0017】
仮シールユニット14Aの下方(下流側)に位置する本シールユニット(シール手段)14Bは、上記6カ所の仮シール部S1を接続するように本シールを行う。これにより、本シールユニット14Bにおいて処理中の物品Mの下辺から側辺(開口部)全体に掛けた外装フィルムF1が連続的にシールされるとともに、1つ下の物品Mの上辺全体がシールされ、1つ下の物品Mの周囲は完全に密封される。図1では、本シール部がS2で示される。
【0018】
本シールユニット14Bの下方(下流側)に位置する切断ユニット14Cは、2つ折りにされた外装フィルムF1において最も下方に位置する物品Mを収容した製品の上辺に沿った本シール部S2と、その1つ上の製品の下辺に沿った本シール部S2との間を冷却切断する。密封された外装フィルムF1が個別の製品Pに切り分けられると、製品Pはシュートなどを介して供給コンベヤ18Aに送られ、供給コンベヤ18Aにより検査装置18へ供給される。なお、仮シールユニット14A、本シールユニット14B、切断ユニット14Cは、ボールネジ15を回転するサーボモータ15Dの駆動により、連続搬送される外装フィルムF1に同期して、その搬送方向(Z軸方向)に沿って往復移動しながら、シール処理および切断処理を行う。
【0019】
検査装置18で検査された製品Pは、排出コンベヤ18Bにより下流へと搬送される。検査装置18では製品PのX線画像が撮影され、物品Mの外装フィルムF1内の位置が把握される。外装フィルムF1内の物品Mの位置関係に関するデータは制御装置20に送られ、後述する移載ユニット調整処理に用いられる。また、検査が終了した製品Pは排出コンベヤ18Bから排出される。なお、検査において、物品Mのシール部S2への噛み込みが見つかった場合には、同製品Pを排出コンベヤ18Bから排除するための信号を出力する。なお、図1において、内袋製造装置12、外袋製造装置14、移載ユニット16は各部を側面から見た図であり、供給コンベヤ18A、検査装置18、排出コンベヤ18Bは各部上から見た図である。
【0020】
次に、図2図6を参照して、本実施形態における移載ユニット16の構造について説明する。図2は、移載ユニット16を外袋製造装置14側から見た正面図であり、図3は、上方から見た平面図である。図4は、図2の正面図において省略されたグリッパ開閉機構の構成を示す部分的な正面図である。また、図5は、図3のA-A断面図、図6図3のB-B断面図である。
【0021】
図2、5、6に示されるように、本実施形態の移載ユニット16は、台座25の上に配置されるリニアガイド24に支持される。リニアガイド24は、内袋製造装置12の搬送方向(X軸方向)に平行な一対のレール24Aと、移載ユニット16の底面16Aを4ヶ所で支持し、一対のレール24A上を摺動する2組(合計4つ)のスライダ24Bとを備える。また、リニアガイド24は、X軸方向に沿ったボールネジ26を備え、ボールネジ26に螺装されるナット26Aは、移載ユニット16の底面16Aに取り付けられる。ボールネジ26は、伝動ベルト26Bを介して台座25に取り付けられるサーボモータ26Cにより回転され、サーボモータ26Cの回転は、制御装置20により制御される。これにより、移載ユニット16はレール24Aに沿って外袋製造装置14において垂直下向き(Z軸方向)に移送される外装フィルムF1に向けて水平(X軸方向)に進退され、外装フィルムF1に対する挿入グリッパ22の位置(距離)が調整される。
【0022】
移載ユニット16は、挿入グリッパ22を内袋製造装置12と外袋製造装置14との間で往復移動するグリッパ移動機構と、挿入グリッパ22の開閉を行うグリッパ開閉機構とを備える。図1図3図5に示されるように、挿入グリッパ22は、先端部が平行に水平方向(X軸方向)に延在する一対のグリッパ本体22Aと、各グリッパ本体22Aの基端部をその上端で支持し、垂直方向下向き(Z軸方向)に延出する一対の平行なグリッパ支持部22Bとを備える。なお、本実施形態において、グリッパ本体22Aの基端部側は、先端部側よりも離間して配置される。
【0023】
グリッパ支持部22Bは、上下2カ所に横方向(Y軸方向)外側に延出するピボット軸22Cをそれぞれ備え、ピボット軸22Cは上下一対のリンク22Dの一端を軸支する。4つのリンク22Dの他端はそれぞれ4つの回転部28の各々に一体的に取り付けられ平行クランク機構を構成する。回転部28は、水平方向(Y軸方向)に配置された上下一対の平行なスプライン軸30A、30Bにそれぞれスプライン嵌合される。回転部28は、回転部スプライン軸30A、30Bの軸方向に沿って摺動可能、かつ一体的に回転可能とされる。なお、スプライン軸30A、30Bの両端は、フレーム側板32によって回転自在に保持される。
【0024】
(グリッパ移動機構)
挿入グリッパ22の内袋製造装置12と外袋製造装置14との間における往復移動は、Y軸周りに回転するY軸回転モータ34の正逆回転により実現される。Y軸回転モータ34の回転軸は、レバー34Bを用いたクランク機構を介してX軸方向に延在する連接ロッド36の後端に連結され、連接ロッド36の先端はレバー36Aを用いたクランク機構を介して下側のスプライン軸30Bに連結される。また、下側のスプライン軸30Bは、平行クランク機構を構成するZ軸に沿って配置されるリンク38A、38B、38Cを介して上側スプライン軸30Aに連結される。これにより、上下のスプライン軸30A、30Bは、Y軸回転モータ34の正逆回転に合わせて、略90度の範囲で正逆回転される。
【0025】
スプライン軸30A、30Bの各々にスプライン嵌合する4つの回転部28は、スプライン軸30A、30Bの回転に合わせて回転され、平行クランク機構を構成するリンク22Dは、それぞれ略90度の範囲で揺動される。これにより、グリッパ22は、グリッパ本体22Aの水平な姿勢を維持したまま、内袋製造装置12のベルト12Bから物品Mを受け取る物品受取位置(上方かつ後退位置)と、外袋製造装置14の外装フィルムF1内に物品Mを受け渡す物品受渡位置(下方かつ前進位置)との間で往復移動される。
【0026】
(グリッパ開閉機構)
グリッパ22の開閉運動は、X軸周りに回転するX軸回転モータ40の正逆回転により実現される。X軸回転モータ40の回転軸は、クランク機構を介して略Y軸方向に延在する連接ロッド42の一端に連結され、他端は回転ディスク44の外周に軸支される。回転ディスク44の中心に設けられた回転軸は、ボア部46によりX軸に沿って軸支され、ボア部46は支持部材48により支持される。
【0027】
回転ディスク44の外周には、回転軸を中心として反対側にそれぞれリンク50の一端が軸支される。各リンク50は略Y軸方向に沿って、回転ディスク44から外側に向けて配置され、他端はリンク保持部材52にそれぞれ軸支される。リンク保持部材52は、それぞれXZ平面に沿って延在する連結プレート54に取り付けられ、各連結プレート54は、上下の回転部28に取り付けられる。これにより、X軸回転モータ40が正逆回転されると、回転ディスク44を中心とするリンク機構によりスプライン軸30A、30Bの両側に設けられた回転部28が互いに反対向きに往復移動され、グリッパ22が開閉される。
【0028】
X軸回転モータ40およびY軸回転モータ34が同期して駆動されることにより、グリッパ22は、物品受取位置と物品受渡位置との間を往復するとともに、物品受取位置において閉じられてベルト12Bに保持され物品Mを把持し、物品受渡位置において開放されて物品Mを外装フィルムF1内に投入する。
【0029】
(移載ユニット調整処理)
次に図7図8を参照して、本実施形態における移載ユニット調整処理について説明する。
【0030】
図7は、検査装置18で撮影された製品PのX線画像に基づき物品Mの位置ずれを検出する様子を示す模式図である。図に示されるように、シール部(斜線部)S2は、製品Pの上辺および下辺に沿った形成された横シール部と、2つ折りの外装フィルムF1の開口部であった側辺に沿って形成された縦シール部とからなる。外袋製造装置14において適正に物品Mが2つ折りされた外装フィルムF1内に挿入されシールされた場合、図7に示すように物品Mは、製品Pの略中央に位置し、物品Mの各辺はシール部S2から離間している。
【0031】
移載ユニット調整処理では、まず検査装置18において、製品PのX線画像から製品P、すなわち外装フィルムF1の外周縁が検出されるとともに、外装フィルムF1内に物品Mの外周縁が検出される。外装フィルムF1の山折部を除く3辺に沿った外縁部から所定領域(斜線部)は、あらかじめ設定された外縁部からの数値により外袋製造装置14においてシールが施されたシール部S2として認識される。次に、物品Mの外装フィルムF1内における位置ずれが制御装置20において判定される。本実施形態では、外装フィルムF1の山折部(図の左辺)と縦シール部(図の右辺)との間で、物品Mが左右にどれ程ずれているか(ズレ量)が算出される。図示例では、幅方向略中央の基準線(基準位置)Lに対し、物品Mの中央線が左右にどれ程ずれているかがズレ量として算出される。例えば物品Mが基準線Lに対して左側にずれていれば+のズレ量、右側にずれていれば-のズレ量として算出される。
【0032】
図8は、ズレ量とリニアガイド24による移載ユニット16のX軸方向への移動量(調整量)の関係を示すグラフである。図7図8の例では、ズレ量と調整量の間には負の相関が示される。これらの関係は予め実験などで求められ、制御装置20の記憶部(記憶手段)に記憶されている。例えば、図7において物品Mが左にずれている場合には、求められる調整量はマイナスの値となり、移載ユニット16は、リニアガイド24によりX軸マイナス方向に調整量分移動される。一方、右にずれている場合には、求められる調整量はプラスの値となり、移載ユニット16は、リニアガイド24によりX軸プラス方向に調整量分移動される。なお、本実施例では所定数(例えば20個)の製品Pのズレ量を算出し、それらを平均した値を調整量の算出に用いている。
【0033】
以上のように、本実施形態の包装装置によれば、外装フィルムに密封される物品のズレ量を検出し、これに基づき移載ユニットの位置をフィードバック制御し、物品の位置ずれをリアルタイムで補正することができる。これにより、常に外装フィルム内の正しい位置に物品を挿入することができ、物品の外袋への噛み込の発生を防止でき、不良品の発生を抑えることができる。
【0034】
なお、本実施形態では図7の左右方向のズレ量に対して移載ユニット16の位置を調整したが、図7の上下方向のズレ量に対しては仮シールユニット14A、本シールユニット14B、切断ユニット14Cを昇降させるサーボモータ15Dを制御することによって調整することが可能である。例えば、製品Pを20個検査してズレ量の平均が基準位置から1mm程上にずれていた場合は、仮シールユニット14A、本シールユニット14B、切断ユニット14Cを今までより1mm上昇させた高さで処理を行うように調整することも可能である。
【0035】
また、本実施形態では垂直下向き(Z軸方向)に搬送される外装フィルムF1に対して水平方向(X軸方向)から物品Mを挿入する構成であったが、外装フィルムF1を水平方向に搬送して物品Mを上方から挿入する構成であっても良い。
【符号の説明】
【0036】
10 包装装置
12 内袋製造装置
14 外袋製造装置(外装フィルム搬送手段)
14B 本シールユニット(シール手段)
18 検査装置(検出手段)
20 制御装置(制御手段、ズレ量算出手段、記憶手段)
22 挿入グリッパ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8