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▶ 長谷部 俊六の特許一覧

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  • 特開-通路型消毒システム 図1
  • 特開-通路型消毒システム 図2
  • 特開-通路型消毒システム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161470
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】通路型消毒システム
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/18 20060101AFI20221014BHJP
【FI】
A61L2/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021066323
(22)【出願日】2021-04-09
(71)【出願人】
【識別番号】520273371
【氏名又は名称】長谷部 俊六
(74)【代理人】
【識別番号】100157428
【弁理士】
【氏名又は名称】大池 聞平
(74)【代理人】
【識別番号】110003155
【氏名又は名称】特許業務法人バリュープラス
(72)【発明者】
【氏名】長谷部 俊六
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA28
4C058BB07
4C058EE26
4C058JJ06
4C058JJ24
(57)【要約】
【課題】通り抜ける人に対し消毒を行う通路型消毒システムにおいて、通路空間と外部との間の通気性を向上させる。
【解決手段】通路型消毒システム5は、入口17及び出口18が形成されて人が通り抜ける通路空間16が内部に形成された通路形成箱体10と、通路空間16を通り抜ける人を消毒する消毒装置30とを備えている。通路形成箱体10では、通路空間16における人の進行方向の側方に臨む側壁部19に、通路空間16を通路形成箱体10の外部に連通させる複数の通気口22が形成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口及び出口が形成されて、人が通り抜ける通路空間が内部に形成された通路形成箱体と、
前記通路空間を通り抜ける人を消毒する消毒装置とを備え、
前記通路形成箱体では、前記通路空間における人の進行方向の側方に臨む側壁部に、前記通路空間を前記通路形成箱体の外部に連通させる複数の通気口が形成されている、通路型消毒システム。
【請求項2】
前記側壁部は、前記複数の通気口が所定方向に並ぶように形成された外側壁と、前記外側壁の内側に重ねられた網戸とにより構成されている、請求項1に記載の通路型消毒システム。
【請求項3】
前記外側壁は、ガラリにより構成されている、請求項2に記載の通路型消毒システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通り抜ける人を消毒する通路型消毒システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するために、様々な施設の入口には、プッシュ式などの消毒液が設置されている。また、消毒液のミストを噴霧して、通り抜ける人を自動で消毒する通路型消毒システムも考えられている。
【0003】
特許文献1には、この種の通路型消毒システムとして、殺菌システムユニットが記載されている。この殺菌システムユニットは、建物の通路や出入口に設置されるものである。この殺菌システムユニットでは、壁面体により人が通行できる通路空間が形成され、通路空間内にて殺菌用薬液が噴霧される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-261596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の通路型消毒システムは、通路空間の出入口が設けられているものの、通路空間の左右の側壁は遮蔽されている。出入口では空気の出入りはあるものの、人が遮蔽物となって新鮮な空気が外部から流入しにくくなる虞がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、通り抜ける人に対し消毒を行う通路型消毒システムにおいて、通路空間と外部との間の通気性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するべく、第1の発明は、入口及び出口が形成されて、人が通り抜ける通路空間が内部に形成された通路形成箱体と、通路空間を通り抜ける人を消毒する消毒装置とを備え、通路形成箱体では、通路空間における人の進行方向の側方に臨む側壁部に、通路空間を通路形成箱体の外部に連通させる複数の通気口が形成されている、通路型消毒システムである。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、側壁部は、複数の通気口が所定方向に並ぶように形成された外側壁と、外側壁の内側に重ねられた網戸とにより構成されている。
【0009】
第3の発明は、第2の発明において、外側壁は、ガラリにより構成されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、通路空間における人の進行方向の側方に臨む側壁部に、通路空間を外部に連通させる複数の通気口が形成されている。そのため、通路形成箱体の入口及び出口において人が遮蔽物となって新鮮な空気が外部から流入しにくい場合であっても、新鮮な空気が、複数の通気口を通じて通路空間に供給される。本発明によれば、通路型消毒システムにおいて、通路空間と外部との間の通気性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係る通路型消毒システムの斜視図である。
図2図2は、図1のA-A断面図である。
図3図3は、実施形態に係る通路型消毒システムの使用状態を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の一例であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0013】
本実施形態は、本発明に係る通路型消毒システム5である。通路型消毒システム5は、通り抜ける人に対し消毒を行うシステムである。通路型消毒システム5は、図1及び図2に示すように、通路空間16を形成する通路形成箱体10と、通路空間16において消毒液のミストを自動で散布する消毒装置30とを備えている。また、消毒装置30以外に、表示部を有する体温計25と、手指消毒用の消毒液26とが設けられている。消毒液26は、手を近づけるとセンサーが検知して消毒液を噴射するものでもよいし、手動式又は足踏み式など使用者が自ら消毒液を噴射させるものでもよい。
【0014】
通路形成箱体10は、運搬可能な箱体である。通路形成箱体10は、略直方体状に形成されている。通路形成箱体10は、一対の底板部11及び天板部12と、底板部11と天板部12との間に互いに対面するように設けられた2枚の側壁部19とを備えている。通路形成箱体10では、2枚の側壁部19の間に、人が通り抜ける通路空間16が形成されている。通路空間16は一端側が入口17となり、他端側が出口18(図2参照)となる。
【0015】
通路形成箱体10では、入口17の面内、及び、出口18の面内に、板状の仕切部15が設けられている。本実施形態では、各仕切部15が網戸により構成されている。なお、入口17側又は出口18側の仕切部15は、スライド扉として構成してもよい。その場合は、スライド扉の収納部を設ける。また、スライド扉ではなく、片開き式など他のタイプの扉を設けてもよいし、扉を設ける場合は自動扉としてもよい。
【0016】
底板部11は、矩形状に形成されている。天板部12は、底板部11と略同じ形状及び大きさに形成されている。底板部11の各角部と天板部12の各角部との間には、4本の柱部13が設けられている。各柱部13は、下端部が底板部11に固定され、上端部が天板部12に固定されている。
【0017】
2枚の側壁部19は、互いに同じ形状及び大きさであり、ともに矩形状に形成されている。各側壁部19は、柱部13の間に取り付けられている。側壁部19各側壁部19は、図2に示すように、複数の通気口22が形成された外側壁20と、外側壁20の内側に重ねられた網戸21とにより構成されている。
【0018】
外側壁20は、少なくとも一部がガラリにより構成された板状の壁面材である。ガラリは、矩形の枠材に対し、複数のルーバー23が上下に並べて設けられた建材である。各ルーバー23は、横長で略矩形の板状に形成されている。ガラリでは、上下に隣り合うルーバー23間に、複数の通気口22が形成されている。各通気口22は、横長の開口である。
【0019】
外側壁20は、上下に亘ってガラリにより構成されている。但し、外側壁20では、上部にガラリを設けて下部に通気口のない遮蔽板を設けてもよいし、上部に遮蔽板を設けて下部にガラリを設けてもよい。網戸21は、外側壁20と同じ大きさである。すなわち、外側壁20の内側は、上下に亘って網戸21により構成されている。そのため、外部から虫や異物などが各通気口22を通って通路空間16に侵入することが抑制される。
【0020】
消毒装置30は、消毒液(例えば、次亜塩素酸ナトリウム)のミストを生成する霧化部(図示省略)と、霧化部により生成されたミストを下方に流す送風部31とを備えている。消毒装置30は、例えば、天板部12に取り付けられている。消毒装置30は、通路空間16の上側から、消毒液のミストを下方に散布する。なお、消毒装置30は、送風部31を用いずに、消毒液のミストを噴霧する構成としてもよい。また、消毒装置30は、入口17から出口18に向かう人の進行方向に沿って複数台設けてもよい。また、消毒装置30は、側壁部19に取り付けてもよい。
【0021】
なお、底板部11の上面には、通路空間16を通り抜ける人の足裏を消毒するための消毒マット27が敷設されている。また、通路空間16には、消毒液26にて手指消毒を行う時などに鞄を置くことができる棚28が設けられている。棚28は、消毒液26のすぐ横に配置することができる。例えば、棚28は、側壁部19のすぐ内側において柱部13間に架け渡した支持部材29に取り付けることができる。
【0022】
[本実施形態の効果等について]
本実施形態に係る通路型消毒システム5は、図3に示すように、建物50の出入口51のすぐ外側に設置される。建物50に出入りする人1は、通路型消毒システム5を通ることになる。通路型消毒システム5の入口17では、光学式の体温計25により、通路空間16に入る人1の体温が計測され、天板部12から吊り下げられた表示部に体温が表示される。また、通路空間16に入った人1は、側壁部19の内側に設けられた消毒液26で、手指の消毒を行うことができ、さらに消毒装置30から散布されるミストにより、全身が消毒される。そのため、建物50に入る人1の表面にウイルスがいる場合は、通路空間16を通ることで、ウイルス数が減少する。
【0023】
本実施形態では、通路空間16における人の進行方向の側方に臨む側壁部19に、通路空間16を外部に連通させる複数の通気口22が形成されている。そのため、通路形成箱体10の入口17及び出口18において人が遮蔽物となって新鮮な空気が外部から流入しにくい場合であっても、新鮮な空気が複数の通気口22を通じて通路空間16に供給される。本実施形態によれば、通路空間16と外部との間の通気性を向上させることができる。
【0024】
また、本実施形態では、外側壁20にガラリを用いているため、通気性を確保しつつ、通路形成箱体10の外部から通路空間16が視認されることを回避することができる。
【0025】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、側壁部19は、網戸21を省略してもよい。
【0026】
上述の実施形態において、外側壁20にガラリを用いずに、他の部材により複数の通気口22を形成してもよい。また、通気口22の形状は、矩形以外であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、通り抜ける人を消毒するための通路型消毒システム等に適用可能である。
【符号の説明】
【0028】
5 通路型消毒システム
10 通路形成箱体
16 通路空間
17 入口
18 出口
19 側壁部
20 外側壁
21 網戸
25 通気口
30 消毒装置
図1
図2
図3