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特開2022-161639測定装置、レーザ装置、及び、採点システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161639
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】測定装置、レーザ装置、及び、採点システム
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20221014BHJP
   G01C 3/06 20060101ALI20221014BHJP
   G02B 26/10 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
G01S7/481 A
G01C3/06 120Q
G02B26/10 104Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021066593
(22)【出願日】2021-04-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】森河 剛
(72)【発明者】
【氏名】手塚 耕一
(72)【発明者】
【氏名】飯田 弘一
(72)【発明者】
【氏名】境 克司
【テーマコード(参考)】
2F112
2H045
5J084
【Fターム(参考)】
2F112AD01
2F112BA06
2F112CA12
2F112DA02
2F112DA25
2H045BA13
2H045BA22
2H045BA41
5J084AA04
5J084AA05
5J084AA10
5J084AA13
5J084AB07
5J084AD01
5J084BA04
5J084BA36
5J084BA38
5J084BA50
5J084BB02
5J084BB04
5J084BB15
5J084BB27
5J084BB28
5J084CA23
5J084CA34
5J084EA04
(57)【要約】
【課題】高精度に形状を測定できる測定装置、レーザ装置、及び、採点システムを提供する。
【解決手段】測定装置は、第1スロー軸を有する第1レーザ光を出力する第1光源と、第2スロー軸を有する第2レーザ光を出力する第2光源と、前記第1スロー軸と前記第2スロー軸とが直交するように前記第1レーザ光と前記第2レーザ光を合成する合成部と、前記合成部によって合成された合成レーザ光を出力する出力部と、前記出力部から出力された合成レーザ光の反射光を受光する受光部とを含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1スロー軸を有する第1レーザ光を出力する第1光源と、
第2スロー軸を有する第2レーザ光を出力する第2光源と、
前記第1スロー軸と前記第2スロー軸とが直交するように前記第1レーザ光と前記第2レーザ光を合成する合成部と、
前記合成部によって合成された合成レーザ光を出力する出力部と、
前記出力部から出力された合成レーザ光の反射光を受光する受光部と
を含む、測定装置。
【請求項2】
前記合成部は、
前記第1スロー軸及び前記第2スロー軸が直交した状態で前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光が入射され、前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光を合成して出力する光学合成素子を有する、請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記第1光源、前記第2光源、及び前記光学合成素子は、前記第1レーザ光の前記第1スロー軸方向における強度分布の中心と、前記第2レーザ光の前記第2スロー軸方向における強度分布の中心とが一致するようにアライメントされた状態で配置される、請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
第1スロー軸を有する第1レーザ光を出力する第1光源と、
前記第1スロー軸に対して直交する第2スロー軸を有する第2レーザ光を出力する第2光源と、
前記第1光源から出力される前記第1レーザ光をコリメートする第1コリメータレンズと、
前記第2光源から出力される前記第2レーザ光をコリメートする第2コリメータレンズと、
前記第1コリメータレンズでコリメートされた前記第1レーザ光と、前記第2コリメータレンズでコリメートされた前記第2レーザ光とを合成して出力する光学合成素子と、
前記光学合成素子によって合成された合成レーザ光を出力する出力部と、
前記出力部から出力された合成レーザ光の反射光を受光する受光部と
を含む、測定装置。
【請求項5】
前記第2光源は、前記第1光源に対して、前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光の伝搬方向に垂直な断面視において、前記第2スロー軸が前記第1スロー軸に対して直交するように配置される、請求項4に記載の測定装置。
【請求項6】
前記第1光源、前記第2光源、前記第1コリメータレンズ、前記第2コリメータレンズ、及び前記光学合成素子は、前記第1レーザ光の前記第1スロー軸方向における強度分布の中心と、前記第2レーザ光の前記第2スロー軸方向における強度分布の中心とが一致するようにアライメントされた状態で配置される、請求項4又は5に記載の測定装置。
【請求項7】
前記出力部は、前記合成レーザ光を2軸方向に走査する走査装置である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項8】
第1スロー軸を有する第1レーザ光を出力する第1光源と、
第2スロー軸を有する第2レーザ光を出力する第2光源と、
前記第1スロー軸と前記第2スロー軸とが直交するように前記第1レーザ光と前記第2レーザ光を合成する合成部と
を含む、レーザ装置。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の測定装置と、
前記測定装置から出力される前記合成レーザ光と、前記測定装置によって受光される前記反射光とに基づいて、対象物までの距離を測定する測距部と、
前記測距部によって測定される距離に基づいて前記対象物の動作を採点する採点部と
を含む、採点システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置、レーザ装置、及び、採点システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、2つの半導体レーザ素子を含む半導体レーザが提案されている。2つの半導体レーザ素子は、90°の角度をなすチップ台の銅製ヒートシンク上に接着されている。各半導体レーザ素子は、略楕円形状のビーム断面を有するレーザビームを出射する。お互いに90°異なったビーム分布を持つレーザビームが重なり合うと、4回対称の断面を有するビームとなる。特に重なり合った中央部分では、より円形に近い形状で強度が倍になった状態になる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平07-147473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の半導体レーザでは、2つのレーザビームの合成レーザ光の断面形状が4回対称になるのは半導体レーザからの距離が所定の距離になる位置に限られ、所定の距離よりも近い領域と、所定の距離よりも遠い領域とでは、合成レーザ光の断面形状は非対称である。
【0005】
このように合成レーザ光の断面形状が非対称な場合は、対象物の形状を正しく計測することができない。
【0006】
そこで、高精度に形状を測定できる測定装置、レーザ装置、及び、採点システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態の測定装置は、第1スロー軸を有する第1レーザ光を出力する第1光源と、第2スロー軸を有する第2レーザ光を出力する第2光源と、前記第1スロー軸と前記第2スロー軸とが直交するように前記第1レーザ光と前記第2レーザ光を合成する合成部と、前記合成部によって合成された合成レーザ光を出力する出力部と、前記出力部から出力された合成レーザ光の反射光を受光する受光部とを含む。
【発明の効果】
【0008】
高精度に形状を測定できる測定装置、レーザ装置、及び、採点システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態の測定装置100を含む採点システム10の一例を示す図である。
図2】測定装置100の構成の一例を示すブロック図である。
図3】測定装置100の一例を示す図である。
図4】投光部110とレーザ出力部110Aを示す図である。
図5】レーザダイオード111を説明する図である。
図6】レーザダイオード111、112の配置を示す図である。
図7】レーザダイオード111、112から出射され、コリメータレンズ113、114でコリメートされるレーザ光の出射方向に垂直な断面における強度分布を説明する図である。
図8】対象物5Aの検出方法を説明する図である。
図9】比較用の検出方法を説明する図である。
図10】比較用の検出方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の測定装置、レーザ装置、及び、採点システムを適用した実施形態について説明する。
【0011】
<実施形態>
図1は、実施形態の測定装置100を含む採点システム10の一例を示す図である。採点システム10は、複数の測定装置100とPC(Personal Computer)20とを含む。図1には2つの測定装置100を示す。
【0012】
採点システム10は、一例として体操競技場に設けられ、2つの測定装置100からレーザ光100A1、100A2を出射し、競技者5で反射された反射波を受光することによって、競技者5の体の各部までの距離と角度を測定する。競技者5の体は対象物の一例である。採点システム10は、競技者5の骨格を認識し、認識した骨格の形状から技を判定し、PC20のディスプレイ20Aに審判支援画面を表示する。審判支援画面は、競技の審判員の判断を支援する情報を表示する画面であり、一例として、測定した骨格の形状を三次元で複数の角度から表示するマルチアングルビューと、採点アルゴリズムに従って技の採点を自動的に行う自動採点ビューとを表示可能である。自動採点ビューでは、採点結果がディスプレイ20Aに表示される。
【0013】
2つの測定装置100は、体操競技場の床又は壁等に設置され、PC20と一例として無線通信によってデータ通信が可能である。2つの測定装置100は、レーザ光100A1、100A2を二次元的にスキャン(走査)したときに競技者5で反射された反射波を受光し、競技者5の動きの三次元的な位置を表すデータをPC20に送信する。競技者5の動きの三次元的な位置を表すデータとは、体操競技場において、測定装置100に対する競技者5の体の各部までの距離と角度を表すデータである。
【0014】
PC20は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、入出力インターフェース、及び内部バス等を含むコンピュータによって実現される。PC20は、主制御部21、採点部22、及びメモリ23を有する。主制御部21及び採点部22は、PC20が実行するプログラムの機能(ファンクション)を機能ブロックとして示したものである。メモリ23はPC20のメモリを機能的に表したものである。
【0015】
主制御部21は、PC20の処理を統括する処理部であり、採点部22が実行する処理以外の処理を実行する。採点部22は、2つの測定装置100から取得する競技者5の動きの三次元的な位置を表すデータ等に基づいて、マルチアングルビュー又は自動採点ビューの審判支援画面をディスプレイ20Aに表示するための処理等を行う。自動採点ビューの審判支援画面を表示する際には、採点部22は、2つの測定装置100から取得する競技者5の動きの三次元的な位置を表すデータから骨格を認識し、技を行っているときの基準となる骨格データとを比較することによって採点を行う。基準となる骨格データは、体のそれぞれの部位の角度や位置などを表す。メモリ23は、主制御部21及び採点部22が処理を行うために必要なプログラム及びデータ等を格納する。
【0016】
図2は、測定装置100の構成の一例を示すブロック図である。測定装置100は、投光部110、受光部120、及びECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)130を含む。筐体101は、一例として箱型で樹脂製のケースであり、投光部110、受光部120、及びECU130を収容する。
【0017】
投光部110は、レーザダイオード(LD)111、112、及び、MEMSミラー(Micro Electro Mechanical Systems)118を有する。レーザダイオード111、112は、それぞれ第1光源、第2光源の一例である。レーザダイオード111が出射するレーザ光は第1レーザ光の一例であり、レーザダイオード112が出射するレーザ光は第2レーザ光の一例である。レーザダイオード111、112は、マルチモードレーザダイオードである。
【0018】
MEMSミラー118は、レーザダイオード111、112から出射されるレーザ光を合成した合成レーザ光を二次元的に走査する走査装置の一例であるとともに、合成レーザ光を出力する出力部の一例である。MEMSミラー118は、反射板の角度を検出し、角度を表す信号を出力するセンサを内蔵する。センサの出力信号は、一例として反射板の角度に応じた静電容量値を表す。投光部110は、レーザダイオード111、112及びMEMSミラー118以外にコリメータレンズ等の構成要素を有するが、ここでは省略する。
【0019】
受光部120は、受光素子121を有する。受光部120は、複数の受光素子121を有するが、図2では1つの受光素子121を示す。受光素子121は、一例としてPD(Photo Diode)であり、例えばアバランシェフォトダイオード(APD)を用いることができる。受光部120は、複数の受光素子121以外の構成要素を有するが、ここでは省略する。
【0020】
ECU130は、投光部110及び受光部120の制御を行う制御装置である。ECU130は、レーザ発振回路131、MEMS駆動回路132、センサ信号入力部133、受光回路134、切替回路135、時間計測回路136、制御回路137、CPU(Central Processing Unit)138、及び通信部139を有する。CPU138は、測距部の一例である。
【0021】
レーザ発振回路131は、水晶発振器等を含み、制御回路137によって制御されてレーザダイオード111、112にレーザ光を発振させる回路である。MEMS駆動回路132は、制御回路137によって制御されてMEMSミラー118にスキャンを行わせる回路であり、反射板を駆動するための電圧値を出力する。センサ信号入力部133は、MEMSミラー118の反射板の角度を検出するセンサの検出値を表すセンサ信号が入力される回路であり、制御回路137は、センサ信号入力部133から入力されるセンサ信号を用いてMEMSミラー118のフィードバック制御を行う。
【0022】
受光回路134は、受光素子121の出力信号に対して増幅等の波形処理を行う回路である。切替回路135は、制御回路137によって制御されて複数の受光素子121を時系列的に切り替える回路である。受光回路134は、切替回路135によって切り替えられた(選択された)受光素子121の出力信号に対して増幅等の波形処理を行う。時間計測回路136は、制御回路137によって制御され、受光回路134の出力信号に基づいて、レーザダイオード111、112がレーザ光を発振してから受光素子121で受光されるまでの経過時間を計測し、計測した経過時間を表すデータをCPU138に出力する回路である。また、時間計測回路136は、受光回路134の出力信号に基づいて、受光強度が閾値以上になった場合には、受光強度が閾値以上になったことを表すデータをCPU138に出力する。受光強度が閾値以上になったことを表すデータは、対象物5Aで反射されたレーザ光100Bを受光したことを表し、対象物5Aが存在することを表す。
【0023】
制御回路137は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって実現され、CPU138から入力されるコマンドに基づいて、レーザ発振回路131、MEMS駆動回路132、切替回路135、及び時間計測回路136の制御を行う回路である。
【0024】
CPU138は、制御回路137及び通信部139を制御するCPUチップであり、内部メモリを有する。CPU138は、時間計測回路136から入力される経過時間を表すデータと、経過時間が得られたときのMEMSミラー118の角度を表す角度データとを用いて、競技者5の動きの三次元的な位置を表すデータを生成する。時間計測回路136から入力される経過時間を表すデータに基づいて、測定装置100から競技者5の体の各部までの距離を測定できる。このような距離の測定(測距)は、測距部としてのCPU138によって行われる。競技者5の動きの三次元的な位置を表すデータは、測定装置100から競技者5の体の各部までの距離と、距離の測定に用いる経過時間が得られたときのMEMSミラー118の角度を表す角度データとを関連付けたデータである。また、競技者5の動きの三次元的な位置を表すデータは、経過時間が得られたときの時刻を表す時刻データを含んでよい。
【0025】
通信部139は、PC20と無線通信を行う通信部であり、CPU138によって生成される競技者5の動きの三次元的な位置を表すデータをPC20に送信する。通信部139は、例えば、BLUETOOTH(登録商標)のような近距離無線通信、又は、無線LAN(Local Area Network)等によってPC20と無線通信を行う。なお、通信部139は、データケーブル等を介してPC20と有線LAN(Local Area Network)での通信を行ってもよい。また、複数の測定装置100を用いる場合、同期させるための手段として各測定装置100の通信部139を使用してもよい。
【0026】
図3は、測定装置100の一例を示す図である。図3(A)に示すように、測定装置100は、筐体101、投光部110、及び受光部120を含む。投光部110は、レーザ装置の一例である。また、筐体101は、投光部110及び受光部120に対応した投光レンズ102A及び受光レンズ102Bをそれぞれ有する。投光レンズ102A及び受光レンズ102Bは筐体101に取り付けられている。なお、図3(A)には図1の競技者5の代わりに対象物5Aを示す。
【0027】
投光部110は、筐体101内に設けられ、レーザ出力部110A、及びMEMSミラー118を有する。レーザ出力部110Aは、図2に示す2つのレーザダイオード111、112と光学系を有し、レーザ光100AをMEMSミラー118に向けて出力する。レーザ出力部110Aの詳細については図4及び図5を用いて後述する。
【0028】
MEMSミラー118は、レーザ光100Aをスキャンし、投光レンズ102Aを通じて対象物5Aに向けて出力する。MEMSミラー118は、一例として図3(B)に示すように、始点Sから終点Eにかけて二次元的にラスタースキャンを行うことによって、対象物5Aを全体的にスキャンする。ラスタースキャンを行う二次元的な領域は、対象物5Aの全体を含む領域である。なお、レーザ光100Aは、図1に示すレーザ光100A1、100A2の各々に相当する。
【0029】
受光部120は、筐体101内に設けられ、受光素子121及び集光レンズ122を有する。対象物5Aで反射された反射波としてのレーザ光100Bは、受光レンズ102Bを通じて筐体101内に入射し、集光レンズ122で集光されて受光素子121で受光される。受光素子121は複数あり、図2に示すECU130によって時系列的に1又は2以上の受光素子121が選択されて順番にレーザ光100Bを受光する。
【0030】
測定装置100は、レーザ光100Aを出射してからレーザ光100Bとして受光するまでの時間と、レーザ光100Bの受光強度と、MEMSミラー118の角度とに基づいて、測定装置100に対する対象物5Aの各部の位置を表す三次元的なデータを生成し、PC20に送信する。対象物5Aの各部の位置を表す三次元的なデータは、対象物5Aの形状の三次元的な位置を表すデータである。測定装置100は、レーザ光100Aを二次元的にスキャンしながら出射から受光までの経過時間を計測するとともに、受光強度が対象物5Aの有無を判断するための閾値以上になった領域をCPU138が認識することにより、CPU138が測定装置100に対する対象物5Aの各部の位置を表す三次元的なデータを作成する。
【0031】
図4は、投光部110とレーザ出力部110Aの一例を示す図である。ここでは、XYZ座標系を定義して説明する。X軸に平行な方向(X方向)、Y軸に平行な方向(Y方向)、Z軸に平行な方向(Z方向)は、互いに直交する。
【0032】
図4(A)には+Y方向側からのXZ面視における構成を示し、図4(B)には+X方向側からのYZ面視における構成を示す。すなわち、図4(A)と図4(B)には、角度が90度異なる方向から見た構成を示す。一例として、図4(A)に示す構成は上面から見た構成であり、図4(B)に示す構成は側面から見た構成である。
【0033】
投光部110は、レーザダイオード111、112、コリメータレンズ113、114、反射ミラー115、偏光ビームスプリッタ116、反射ミラー117、及びMEMSミラー118を有する。これらのうち、レーザダイオード111、112、コリメータレンズ113、114、反射ミラー115、偏光ビームスプリッタ116、及び反射ミラー117は、レーザ出力部110Aを構築する。コリメータレンズ113、114は、それぞれ、第1コリメータレンズ、第2コリメータレンズの一例である。偏光ビームスプリッタ116は、光学合成素子の一例であるとともに、合成部の一例である。
【0034】
図4(A)に示すように、レーザダイオード111、112の出力側にはコリメータレンズ113、114がそれぞれ配置される。コリメータレンズ114の出力側には反射ミラー115が配置される。コリメータレンズ113と反射ミラー115の出力側には、偏光ビームスプリッタ116が配置され、偏光ビームスプリッタ116の出力側には反射ミラー117が配置される。また、図4(B)に示すように、反射ミラー117の出力側にはMEMSミラー118が配置される。
【0035】
図4(A)には、コリメータレンズ113を通過して偏光ビームスプリッタ116に入射するレーザ光の光路Aと、コリメータレンズ114を通過して反射ミラー115で反射されて偏光ビームスプリッタ116に入射するレーザ光の光路Bとを示す。反射ミラー115は全反射ミラー又は誘電体多層膜ミラーである。図4(B)は、図4(A)とは90度異なる方向から示すため、光路A、Bが重なっている。また、図4(B)では、図示の便宜上、反射ミラー115と偏光ビームスプリッタ116をZ方向にずらして示す。
【0036】
レーザダイオード111、112から出射され、コリメータレンズ113、114でコリメートされた2つのレーザ光は、XZ平面内で光路A、Bに沿って偏光ビームスプリッタ116に入射する。コリメータレンズ113、114でレーザ光をコリメートするとは、レーザ光をFAST軸方向において平行光に調整して出力することをいう。光路Aのレーザ光は、偏光ビームスプリッタ116を透過し、光路Bのレーザ光は偏光ビームスプリッタ116で反射ミラー117に向けて反射されるため、光路A、Bのレーザ光は偏光ビームスプリッタ116で合成されて反射ミラー117に向けて出力される。反射ミラー117は全反射ミラー又は誘電体多層膜ミラーである。
【0037】
偏光ビームスプリッタ116で合成されたレーザ光は、反射ミラー117で+Y方向側に反射され、MEMSミラー118で反射されてレーザ光100Aとして+Z方向側に出力される。MEMSミラー118をスキャンすることにより、レーザ光100AをXY平面内で二次元的にスキャンすることができる。測定装置100と対象物5Aとの距離に応じて、対象物5Aの全体が含まれるようにMEMSミラー118をスキャンする範囲を設定することにより、競技者5のように動き回る対象物5Aの体の全体をレーザ光100Aでスキャンすることができる。
【0038】
図5は、レーザダイオード111を説明する図である。レーザダイオード111、112は同一であるため、ここではレーザダイオード111について説明する。レーザダイオード111は、マルチモードレーザダイオードであり、図5(A)に示すように、SLOW軸(スロー軸)とFAST軸(ファスト軸)を有する。マルチモードレーザダイオードは、高出力化するためにレーザ光の発光領域がSLOW軸方向に広がっている。
【0039】
このため、図5(A)、図5(B)に示すように、レーザダイオード111から出射され、コリメータレンズ113でコリメートされたレーザ光の出射方向(伝搬方向)に垂直な断面の形状は、X軸方向が長く、Y軸方向が短い略楕円形状になる。レーザ光の出射方向(伝搬方向)に垂直な断面の形状は、レーザ光の伝搬方向に垂直な断面視において得られる形状である。
【0040】
また、図5(B)に示すように、X軸方向のレーザ光の強度分布と、Y軸方向のレーザ光の強度分布とは横方向の拡がりが異なる。レーザ光の強度分布は、レーザ光の光量分布である。マルチモードレーザダイオードは、レーザ光の発光領域をSLOW軸方向に広げることで高出力化を図りつつ、出射端面でのレーザ光の密度が低下させ、高出力化に伴う光学的損傷が起こりにくくしている。
【0041】
図6は、レーザダイオード111、112の配置を示す図である。レーザダイオード111、112は、レーザ光の出射方向に垂直な断面において、SLOW軸の方向が90度異なるように投光部110に配置される。換言すれば、レーザダイオード112は、レーザダイオード111に対して、互いが出射するレーザ光の伝搬方向に垂直な断面視において、レーザダイオード112のレーザ光のSLOW軸がレーザダイオード111のレーザ光のSLOW軸に対して直交するように投光部110に配置される。レーザダイオード111のレーザ光のSLOW軸は第1スロー軸の一例であり、レーザダイオード112のレーザ光のSLOW軸は第2スロー軸の一例である。
【0042】
このように、レーザダイオード111、112が出射するレーザ光は、出射方向に垂直な断面において、SLOW軸の方向が90度異なるため、偏光ビームスプリッタ116は、レーザダイオード111が出射するレーザ光のSLOW軸と、レーザダイオード112が出射するレーザ光のSLOW軸とが直交するように、2つのレーザ光を合成することになる。偏光ビームスプリッタ116には、レーザダイオード111が出射するレーザ光と、レーザダイオード112が出射するレーザ光とが、互いのSLOW軸が直交した状態で入射される。
【0043】
図7は、レーザダイオード111、112から出射され、コリメータレンズ113、114でコリメートされたレーザ光の出射方向に垂直な断面における強度分布を説明する図である。図7(A)には左側から右側にかけて、レーザダイオード111から出射され、コリメータレンズ113でコリメートされたレーザ光のY軸方向における強度分布、レーザダイオード112から出射され、コリメータレンズ114でコリメートされたレーザ光のY軸方向における強度分布、及び、コリメータレンズ113、114でコリメートされたレーザ光の合成レーザ光のY軸方向における強度分布を示す。図7(B)には左側から右側にかけて、レーザダイオード111から出射され、コリメータレンズ113でコリメートされたレーザ光のX軸方向における強度分布、レーザダイオード112から出射され、コリメータレンズ114でコリメートされたレーザ光のX軸方向における強度分布、及び、コリメータレンズ113、114でコリメートされたレーザ光の合成レーザ光のX軸方向における強度分布を示す。
【0044】
レーザダイオード111、112は、コリメータレンズ113、114でコリメートされたレーザ光の出射方向に垂直な断面において、SLOW軸の方向が90度異なるように配置されるため、図7(A)、図7(B)に示すように、レーザダイオード111から出射され、コリメータレンズ113でコリメートされたレーザ光のX軸方向における強度分布と、レーザダイオード112から出射され、コリメータレンズ114でコリメートされたレーザ光のY軸方向における強度分布とは等しい。同様に、レーザダイオード111から出射され、コリメータレンズ113でコリメートされたレーザ光のY軸方向における強度分布と、レーザダイオード112から出射され、コリメータレンズ114でコリメートされたレーザ光のX軸方向における強度分布とは等しい。このため、レーザダイオード111から出射され、コリメータレンズ113でコリメートされたレーザ光と、レーザダイオード112から出射され、コリメータレンズ114でコリメートされたレーザ光とを合成した合成レーザ光の強度分布は、X軸方向とY軸方向とで等しくなる。換言すれば、合成レーザ光の強度分布は、X軸方向とY軸方向とで対称である。
【0045】
このようなレーザダイオード111、112から出射され、コリメータレンズ113、114でコリメートされたレーザ光のSLOW軸の方向の分布を考慮して、レーザダイオード111、112、コリメータレンズ113、114、反射ミラー115、偏光ビームスプリッタ116は、次のように配置される。すなわち、レーザダイオード111から出射され、コリメータレンズ113でコリメートされたレーザ光のSLOW軸方向における強度分布の中心と、レーザダイオード112から出射され、コリメータレンズ114でコリメートされたレーザ光のSLOW軸方向における強度分布の中心とが一致するようにアライメントされた状態で配置される。
【0046】
なお、図7(A)に示す合成レーザ光のY軸方向の強度は、レーザダイオード111、112から出射され、コリメータレンズ113、114でコリメートされた2つのレーザ光のY軸方向の強度を足し合わせたものであるため、レーザダイオード112から出射され、コリメータレンズ114でコリメートされたレーザ光のY軸方向(SLOW軸方向)の強度を2倍にした場合の強度分布よりは鋭いピークを持つ、シャープな分布になる。同様に、図7(B)に示す合成レーザ光のX軸方向の強度は、レーザダイオード111、112から出射され、コリメータレンズ113、114でコリメートされた2つのレーザ光のX軸方向の強度を足し合わせたものであるため、レーザダイオード111から出射され、コリメータレンズ113でコリメートされたレーザ光のX軸方向(SLOW軸方向)の強度を2倍にした場合の強度分布よりは鋭いピークを持つ、シャープな分布になる。
【0047】
図8は、対象物5Aの検出方法を説明する図である。ここでは、MEMSミラー118でレーザ光100Aをスキャンして対象物5Aを検出する方法について説明する。図8の上側には、対象物5Aとレーザ光100Aの断面を示す。ここでは、一例としてレーザ光100Aを+X軸方向側にスキャンする場合について説明する。
【0048】
レーザ光100Aの断面形状は、図5(B)に示すレーザダイオード111の断面形状と、この断面形状をXY平面内で90度回転させた断面形状とを合わせた形状になる。レーザダイオード111、112は、レーザダイオード111から出射され、コリメータレンズ113でコリメートされたレーザ光のSLOW軸方向における強度分布の中心と、レーザダイオード112から出射され、コリメータレンズ114でコリメートされたレーザ光のSLOW軸方向における強度分布の中心とが一致するようにアライメントされた状態で配置されるためである。
【0049】
また、図8の下側には、受光素子121で受光するレーザ光100B(反射光)のX軸方向における光量の変化を示すとともに、対象物5Aが存在するかどうかを判定するための閾値THを示す。対象物5Aで反射されたレーザ光100Bの光量が閾値TH以上になると、測定装置100は対象物5Aが存在すると判定する。対象物5Aが存在するときのMEMSミラー118の角度と、存在すると判定したときの距離とによって対象物5Aの三次元的な形状が分かる。なお、X座標がX0の位置は、X軸方向における対象物5Aの端部(エッジ)に相当し、対象物5AはX0よりも+X軸方向側に存在する。
【0050】
レーザ光100AがX1の位置にいるときに受光素子121が受光し始めるが光量は閾値TH未満である。レーザ光100Aが+X軸方向側にスキャンされてX2の位置に差し掛かると、光量が閾値TH以上になり、測定装置100は対象物5Aを検出する。また、レーザ光100Aの断面形状は、図7に示したようにX軸方向及びY軸方向において等しいため、レーザ光100AをY軸方向にスキャンしたときにも同じタイミングで対象物5Aを検出することができる。
【0051】
ここで、図9及び図10を用いて比較用のレーザ光を用いた場合の対象物5Aの検出方法について説明する。図9及び図10は、比較用の検出方法を説明する図である。比較用のレーザ光を出力する測定装置は、レーザダイオード111、112の両方を含まず、レーザダイオード111のみを含む測定装置である。
【0052】
まず、図9を用いて、レーザダイオード111のみを含む測定装置でレーザ光50をX軸方向にスキャンして対象物5Aを検出する方法について説明する。レーザダイオード111が出射するレーザ光50の出射方向に垂直な断面における形状は、X軸方向に長くY軸方向に短い略楕円形状である。レーザ光50がX1の位置にいるときに受光素子121が受光し始めるが光量は閾値TH未満である。レーザ光50が+X軸方向側にスキャンされてX2の位置に差し掛かると、光量が閾値TH以上になり、比較用の測定装置は対象物5Aを検出する。
【0053】
次に、図10を用いて、レーザダイオード111のみを含む測定装置でレーザ光50をY軸方向にスキャンして対象物5Aを検出する場合について説明する。レーザダイオード111が出射するレーザ光50の出射方向に垂直な断面における形状は、X軸方向に長くY軸方向に短い略楕円形状である。このため、レーザ光50がY1の位置にいるときに受光素子121が受光し始めるが光量は閾値TH未満である。レーザ光50が+Y軸方向側にスキャンされてY2の位置に差し掛かると、光量が閾値TH以上になり、比較用の測定装置は対象物5Aを検出する。位置Y1と位置Y0との距離は、図9に示す位置X1と位置X0との距離よりも短く、位置Y2と位置Y0との距離は、図9に示す位置X2と位置X0との距離よりも短い。
【0054】
このため、レーザダイオード111のみを含む測定装置でレーザ光50をX軸方向にスキャンする場合と、Y軸方向にスキャンする場合とでは、対象物5Aの端部(エッジ)を検出する位置が異なる。すなわち、X軸方向にスキャンする場合とY軸方向にスキャンする場合とで対象物5Aの検出精度(エッジ検出位置)が異なる。
【0055】
これに対して、図8に示すように、実施形態の測定装置100では、レーザ光100Aの出射方向に垂直な断面のサイズはX軸方向とY軸方向と等しく、XY平面内で90度回転させても点対称な形状であるため、X軸方向にスキャンする場合とY軸方向にスキャンする場合とで対象物5Aの検出精度(エッジ検出位置)が等しい。
【0056】
また、厳密に言えばレーザダイオード111、112が出射し、コリメータレンズ113、114でそれぞれコリメートされたレーザ光は、FAST軸方向においては、平行光であるが、SLOW軸方向においては、平行光にならず拡がりながら伝搬する。このため、レーザ光100Aの断面のサイズは、測定装置100から離れるにしたがって大きくなるが、X軸方向の長さとY軸方向の長さは、レーザダイオード111、112から出力されるレーザ光のSLOW軸方向の長さで決まるため、測定装置100からの距離によらずに常に等しい。このため、X軸方向にスキャンする場合とY軸方向にスキャンする場合とで対象物5Aの検出精度(エッジ検出位置)は、測定装置100からの距離によらずに常に等しくなる。
【0057】
したがって、高精度に形状を測定できる測定装置100、投光部110(レーザ装置)、及び、採点システム10を提供することができる。測定装置100、投光部110(レーザ装置)、及び、採点システム10の用途は、体操競技に限られるものではないが、体操競技のように測定装置100からの競技者5までの距離が大きく変化しうる測定環境には非常に適している。また、閾値THを高くすることにより、対象物5Aのエッジにより近い位置での検出が可能になる。
【0058】
また、レーザダイオード111、112のレーザ光のSLOW軸同士が直交した状態でレーザダイオード111、112からレーザ光が入射され、2つのレーザ光を合成して出力する偏光ビームスプリッタ116を有する。このため、合成レーザ光の断面は、2つのSLOW軸に対応した方向において対称になり、2つのSLOW軸に対応した方向において対象物を等しい精度で検出可能である。
【0059】
また、レーザダイオード111、112、及び偏光ビームスプリッタ116は、レーザダイオード111のレーザ光のSLOW軸方向における強度分布の中心と、レーザダイオード112のレーザ光のSLOW軸方向における強度分布の中心とが一致するようにアライメントされた状態で配置される。このため、合成レーザ光の断面は、2つのSLOW軸に対応した方向において完全に対称になり、2つのSLOW軸に対応した方向において対象物をより等しい精度で検出可能である。
【0060】
また、合成レーザ光のX軸方向及びY軸方向の強度分布は、レーザダイオード111又は112のいずれか一方から、合成レーザ光と同一の強度で出力され、コリメータレンズ113又は114のいずれか一方でコリメートされたレーザ光のSLOW軸方向の強度分布よりも鋭いピークを持つシャープな分布になる。このため、従来よりも対象物5Aのエッジの近くで検出可能になる。
【0061】
また、MEMSミラー118は、合成レーザ光を2軸方向に走査する走査装置であるため、対象物5Aの全体をスキャンすることができ、対象物5Aの全体までの距離を測定することができる。
【0062】
また、採点システム10は、測定装置100と、測定装置100から出力される合成レーザ光と測定装置100によって受光される反射光とに基づいて対象物5Aまでの距離を測定するCPU138と、CPU138によって測定される距離に基づいて対象物5Aの動作を採点する採点部22とを含む。このため、対象物までの距離によらずに高精度に距離を測定し、より正確に採点できる採点システム10を提供することができる。
【0063】
以上、本発明の例示的な実施形態の測定装置、レーザ装置、及び、採点システムについて説明したが、本発明は、具体的に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
第1スロー軸を有する第1レーザ光を出力する第1光源と、
第2スロー軸を有する第2レーザ光を出力する第2光源と、
前記第1スロー軸と前記第2スロー軸とが直交するように前記第1レーザ光と前記第2レーザ光を合成する合成部と、
前記合成部によって合成された合成レーザ光を出力する出力部と、
前記出力部から出力された合成レーザ光の反射光を受光する受光部と
を含む、測定装置。
(付記2)
前記合成部は、前記第1スロー軸及び前記第2スロー軸が直交した状態で前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光が入射され、前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光を合成して出力する光学合成素子を有する、付記1に記載の測定装置。
(付記3)
前記第1光源、前記第2光源、及び前記光学合成素子は、前記第1レーザ光の前記第1スロー軸方向における強度分布の中心と、前記第2レーザ光の前記第2スロー軸方向における強度分布の中心とが一致するようにアライメントされた状態で配置される、付記2に記載の測定装置。
(付記4)
第1スロー軸を有する第1レーザ光を出力する第1光源と、
前記第1スロー軸に対して直交する第2スロー軸を有する第2レーザ光を出力する第2光源と、
前記第1光源から出力される前記第1レーザ光をコリメートする第1コリメータレンズと、
前記第2光源から出力される前記第2レーザ光をコリメートする第2コリメータレンズ(114)と、
前記第1コリメータレンズでコリメートされた前記第1レーザ光と、前記第2コリメータレンズ(114)でコリメートされた前記第2レーザ光とを合成して出力する光学合成素子と、
前記光学合成素子によって合成された合成レーザ光を出力する出力部と、
前記出力部から出力された合成レーザ光の反射光を受光する受光部と
を含む、測定装置。
(付記5)
前記第2光源は、前記第1光源に対して、前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光の伝搬方向に垂直な断面視において、前記第2スロー軸が前記第1スロー軸に対して直交するように配置される、付記4に記載の測定装置。
(付記6)
前記第1光源、前記第2光源、前記第1コリメータレンズ、前記第2コリメータレンズ(114)、及び前記光学合成素子は、前記第1レーザ光の前記第1スロー軸方向における強度分布の中心と、前記第2レーザ光の前記第2スロー軸方向における強度分布の中心とが一致するようにアライメントされた状態で配置される、付記4又は5に記載の測定装置。
(付記7)
前記出力部は、前記合成レーザ光を2軸方向に走査する走査装置である、付記1乃至6のいずれか1項に記載の測定装置。
(付記8)
第1スロー軸を有する第1レーザ光を出力する第1光源と、
第2スロー軸を有する第2レーザ光を出力する第2光源と、
前記第1スロー軸と前記第2スロー軸とが直交するように前記第1レーザ光と前記第2レーザ光を合成する合成部と
を含む、レーザ装置。
(付記9)
付記1乃至7のいずれか1項に記載の測定装置と、
前記測定装置から出力される前記合成レーザ光と、前記測定装置によって受光される前記反射光とに基づいて、対象物までの距離を測定する測距部と、
前記測距部によって測定される距離に基づいて前記対象物の動作を採点する採点部と
を含む、採点システム。
【符号の説明】
【0064】
5 競技者
5A 対象物
10 採点システム
20 PC
22 採点部
100 測定装置
110 投光部
111、112 レーザダイオード
113、114 コリメータレンズ
116 偏光ビームスプリッタ
118 MEMSミラー
120 受光部
138 CPU
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10