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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162837
(43)【公開日】2022-10-25
(54)【発明の名称】パンコーティング装置
(51)【国際特許分類】
   B01J 2/00 20060101AFI20221018BHJP
   B05C 3/08 20060101ALI20221018BHJP
【FI】
B01J2/00 B
B05C3/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021067863
(22)【出願日】2021-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000112912
【氏名又は名称】フロイント産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102853
【弁理士】
【氏名又は名称】鷹野 寧
(72)【発明者】
【氏名】味園 隼人
(72)【発明者】
【氏名】北原 淳平
(72)【発明者】
【氏名】武内 優貴
【テーマコード(参考)】
4F040
4G004
【Fターム(参考)】
4F040AA20
4F040AB00
4F040BA32
4F040DB30
4G004BA01
(57)【要約】
【課題】コーティングパンの外側から一人で短時間かつ安全に着脱可能なバッフルを備えたパンコーティング装置を提供する。
【解決手段】コーティングパン2には、通気孔7が設けられた胴部5と、胴部外周側に設けられた摺動枠31と、摺動枠31間に取り付けられた仕切板32が設けられている。胴部内周側にはバッフル板10が設置され、胴部5にはパン外からバッフル板10を挿入可能なバッフル取付孔36が形成されている。バッフル板10は、バッフルユニット42のベースプレート45に立設されている。バッフルユニット42は、バッフル取付孔36にバッフル板10を挿入した状態で、サムターンクランパ44により、胴部5の外周側に着脱自在に取り付けられる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸線を中心に回転自在に設けられ、その内部にコーティング処理の対象となる被処理物が収容されるコーティングパンを備え、
前記コーティングパンは、通気孔が設けられた胴部と、前記胴部の外周側に周方向に沿って設けられた一対の枠体と、前記胴部の外周側に設けられ前記両枠体間に周方向に離間して配設された仕切部材と、を有するパンコーティング装置であって、
前記胴部の内周側に設置されるバッフル板と、前記バッフル板が立設されたベースプレートと、を備えるバッフルユニットと、
前記胴部の前記両枠体間に形成され、前記コーティングパン外から前記バッフル板を挿入可能なバッフル取付孔と、
前記バッフル取付孔に前記バッフル板を挿入した状態で、前記胴部の外周側にて、前記ベースプレートを前記コーティングパンに固定する固定手段と、を有することを特徴とするパンコーティング装置。
【請求項2】
請求項1記載のパンコーティング装置において、
前記コーティングパンは、前記バッフル取付孔に臨んで前記両枠体間に設けられ、前記バッフルユニットが取り付けられるバッフル装着部を有し、
前記バッフル装着部は、前記胴部に固定された金属製のフレームと、前記フレームの内側に配置される合成樹脂製のブロック部材と、を有し、
前記ブロック部材は、前記バッフル板が挿入されるバッフル挿入孔を有することを特徴とするパンコーティング装置。
【請求項3】
請求項2記載のパンコーティング装置において、
前記ブロック部材は、前記フレームの高さよりも高い寸法に形成されたプレート当接部を有し、
前記バッフルユニットは、前記ベースプレートが前記プレート当接部に当接した状態で、前記固定手段により前記胴部の外周側に固定されることを特徴とするパンコーティング装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載のパンコーティング装置において、
前記ブロック部材の前記バッフル挿入孔は、前記バッフル板の厚さよりも広い幅で、かつ、前記胴部の前記バッフル取付孔よりも狭い幅に形成されてなることを特徴とするパンコーティング装置。
【請求項5】
請求項1~4の何れか1項に記載のパンコーティング装置において、
前記バッフルユニットは、前記ベースプレートの前記バッフル板とは反対側の面に立設されたリブプレートを備え、
前記仕切部材は、前記リブプレートが挿入可能な切欠部を備え、
前記リブプレートは、前記バッフル取付孔に前記バッフル板を挿入し前記バッフルユニットを前記固定手段にて前記胴部の外周側に固定した状態で、前記仕切部材に形成された前記切欠部内に配置されることを特徴とするパンコーティング装置。
【請求項6】
請求項5記載のパンコーティング装置において、
前記バッフルユニットは、複数の前記リブプレートと、前記リブプレート間に取り付けられたハンドルバーと、有することを特徴とするパンコーティング装置。
【請求項7】
請求項1~6の何れか1項に記載のパンコーティング装置において、
前記固定手段は、前記バッフルユニット側に設けられたサムターンクランパと、前記胴部側に設けられ前記バッフル取付孔に前記バッフル板を挿入した状態で前記サムターンクランパと係合するカムケースと、を有することを特徴とするパンコーティング装置。
【請求項8】
請求項1~6の何れか1項に記載のパンコーティング装置において、
前記固定手段は、前記胴部側に設けられたトグルクランプと、前記バッフルユニット側に設けられ前記バッフル取付孔に前記バッフル板を挿入した状態で前記トグルクランプにてよって押圧されるクランプ押圧部と、を有することを特徴とするパンコーティング装置。
【請求項9】
請求項1~8の何れか1項に記載のパンコーティング装置において、
前記パンコーティング装置はさらに、
前記コーティングパン内の前記被処理物に対し処理気体を供給する給気部と、
前記給気部から前記コーティングパン内に供給された前記処理気体を前記コーティングパン外に排出する排気部と、を備え、
前記枠体は前記給気部及び前記排気部と摺接し、前記胴部の前記両枠体間に配置された前記通気孔を介して、前記処理気体が流通することを特徴とするパンコーティング装置。
【請求項10】
請求項1~9の何れか1項に記載のパンコーティング装置において、
前記コーティングパンの前記胴部は、断面多角形状に形成され、
前記仕切部材は、多角形断面の頂点部及び前記頂点部の間の平面部に配設されることを特徴とするパンコーティング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーティングパン(回転ドラム)内に収容した被処理物に対しコーティング処理を行うパン型のコーティング装置(パンコーティング装置)に関し、特に、コーティングパンの外部から着脱可能なバッフルを備えたパンコーティング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パンコーティング装置では、コーティングパン(以下、適宜パンと略記する)内に錠剤や粉粒体等の被処理物(以下、被処理物として錠剤を例にとって述べる)を収容し、パン内にて錠剤を転動させつつ、そこにコーティング剤をスプレーすることにより、錠剤のコーティング処理を行っている。コーティング処理に際しては、コーティング剤のスプレーと並行して、あるいは、スプレー処理後にコーティングパン内に錠剤乾燥用の処理気体(乾燥エア)を供給し、錠剤表面に延展したコーティング剤を乾燥させコーティング被膜を形成する。
【0003】
このようなパンコーティング装置では、パン内における錠剤の混合・撹拌を促進するため、パン内部にバッフル(邪魔板)が適宜配置される。一方、錠剤のコーティング処理においては、製品ごと、あるいは実験スケールによって錠剤の仕込み量が異なる場合があり、仕込み量が変わると錠剤層とバッフルとの関係も変化する。したがって、バッフル高さが適正に設定されていないと、バッフルの汚れやコーティング被膜のバラツキなど、コーティング処理に際し種々の問題が生じる可能性がある。そこで、このような課題を解消すべく、錠剤の仕込み量に応じて高さを変更できるようにしたバッフルが提案されている(特許文献1)。
【0004】
しかし、特許文献1のバッフルは、高さを適宜変更できるものの、パン内に人が入ってバッフルの交換作業を行う必要がある。このため、パンの外側からバッフル自体を交換可能とし、バッフル高さを変更する際のパン内作業を廃して作業性の向上を図ったものがさらに提案されている(特許文献2)。また、パン外からバッフルを交換可能としたものとして、特許文献3のように、パン胴部の壁体内側にバッフルを取り付け、壁体ごとバッフルを交換する方式も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-251207号公報
【特許文献2】特開2020-192518号公報
【特許文献3】特開2021-28052号公報
【特許文献4】特公平7-63608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2のバッフルは、パン内にバッフル固定用の台座が突設されており、コーティング処理の際、パン内にて転動する錠剤がそこに乗り上げ、錠剤の流れが乱れるなど、錠剤の転動状態に影響を与えるおそれがある。この点、特許文献3のバッフルには台座のような部位はないが、パン胴部の壁体全体を交換する形となるため、部材の体格や重量が大きく(錠剤150kg処理機用にて8kg程度)、作業者一人では交換作業が難しい場合がある、という問題があった。
【0007】
本発明の目的は、コーティングパンの外側から一人で短時間かつ安全に着脱可能なバッフルを備えたパンコーティング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のパンコーティング装置は、回転軸線を中心に回転自在に設けられ、その内部にコーティング処理の対象となる被処理物が収容されるコーティングパンを備え、前記コーティングパンは、通気孔が設けられた胴部と、前記胴部の外周側に周方向に沿って設けられた一対の枠体と、前記胴部の外周側に設けられ前記両枠体間に周方向に離間して配設された仕切部材と、を有するパンコーティング装置であって、前記胴部の内周側に設置されるバッフル板と、前記バッフル板が立設されたベースプレートと、を備えるバッフルユニットと、前記胴部の前記両枠体間に形成され、前記コーティングパン外から前記バッフル板を挿入可能なバッフル取付孔と、前記バッフル取付孔に前記バッフル板を挿入した状態で、前記胴部の外周側にて、前記ベースプレートを前記コーティングパンに固定する固定手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
本発明にあっては、コーティングパンの外部からバッフルユニットをコーティングパンの胴部外周に取り付けることにより、バッフル板がバッフル取付孔に挿入され、パン内にバッフル板が突設される。このため、コーティングパン内に作業員が入ることなく、バッフル板をパン外から適宜交換でき、コンタミネーションや作業員の安全性などの懸念なく、バッフル交換が可能となる。また、バッフル板とベースプレートからなるバッフルユニットは比較的軽いため、短時間かつ安全に1人でバッフル交換作業を行える。さらに、バッフル板が、台座のような突出物のない状態でパン内に配設されるため、被処理物の転動状態に対する突出物による悪影響を無くすことができる。
【0010】
前記パンコーティング装置において、前記コーティングパンに、前記バッフル取付孔に臨んで前記両枠体間に設けられ、前記バッフルユニットが取り付けられるバッフル装着部を設け、前記バッフル装着部に、前記胴部に固定された金属製のフレームと、前記フレームの内側に配置される合成樹脂製のブロック部材と、を設け、前記ブロック部材に、前記バッフル板が挿入されるバッフル挿入孔を設けるようにしても良い。
【0011】
また、前記ブロック部材に、前記フレームの高さよりも高い寸法に形成されたプレート当接部を設け、前記バッフルユニットを、前記ベースプレートが前記プレート当接部に当接した状態で、前記固定手段により前記胴部の外周側に固定するようにしても良い。さらに、前記ブロック部材の前記バッフル挿入孔を、前記バッフル板の厚さよりも広い幅で、かつ、前記胴部の前記バッフル取付孔よりも狭い幅に形成しても良い。
【0012】
加えて、前記バッフルユニットに、前記ベースプレートの前記バッフル板とは反対側の面に立設されたリブプレートを設けると共に、前記仕切部材に、前記リブプレートが挿入可能な切欠部を設け、前記リブプレートが、前記バッフル取付孔に前記バッフル板を挿入し前記バッフルユニットを前記固定手段にて前記胴部の外周側に固定した状態で、前記仕切部材に形成された前記切欠部内に配置されるようにしても良い。この場合、前記バッフルユニットに、複数の前記リブプレートと、前記リブプレート間に取り付けられたハンドルバーを設けても良い。
【0013】
一方、前記固定手段として、前記バッフルユニット側に設けられたサムターンクランパと、前記胴部側に設けられ前記バッフル取付孔に前記バッフル板を挿入した状態で前記サムターンクランパと係合するカムケースと、を設けて良い。また、前記固定手段として、前記胴部側に設けられたトグルクランプと、前記バッフルユニット側に設けられ前記バッフル取付孔に前記バッフル板を挿入した状態で前記トグルクランプにてよって押圧されるクランプ押圧部と、を設けても良い。
【0014】
さらに、前記パンコーティング装置に、前記コーティングパン内の前記被処理物に対し処理気体を供給する給気部と、前記給気部から前記コーティングパン内に供給された前記処理気体を前記コーティングパン外に排出する排気部と、を設け、前記枠体を前記給気部及び前記排気部と摺接させ、前記胴部の前記両枠体間に配置された前記通気孔を介して、前記処理気体が流通するようにして良い。
【0015】
また、前記コーティングパンの前記胴部を断面多角形状に形成し、前記仕切部材を、多角形断面の頂点部及び前記頂点部の間の平面部に配設するようにしても良い。
【発明の効果】
【0016】
本発明のパンコーティング装置用バッフルによれば、バッフル板とバッフル板が立設されたベースプレートを備えるバッフルユニットを設け、コーティングパン胴部に形成されたバッフル取付孔にバッフル板を挿入した状態で、固定手段によってベースプレートをコーティングパンに固定するようにしたので、コーティングパンの外部からバッフルユニットをパン胴部外周に取り付けることにより、コーティングパン内にバッフル板を設置できる。これにより、コーティングパン内に作業員が入ることなく、バッフル板をパン外から適宜交換でき、コンタミネーションや作業員の安全性などの懸念なく、短時間かつ安全に1人でバッフル交換作業を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態1であるパンコーティング装置の側面図である。
図2図1のパンコーティング装置の正面図である。
図3】コーティングパン内に設置されたバッフル板の様子を示す説明図である。
図4】コーティングパン外周に形成される通気空間の構成を示す説明図である。
図5】本発明の実施の形態1であるパンコーティング装置に装備されるシステムバッフルの構成を示す説明図である。
図6】(a)はベースフレームの平面図、(b)はその側面図である。
図7】(a)はインサートブロックの平面図、(b)は(a)のA-A線に沿った断面図である。
図8図5のシステムバッフルにおけるバッフル板の取り付け状態を示す説明図である。
図9】本発明の実施の形態2であるパンコーティング装置に装備されるシステムバッフルの構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1,2は、本発明の実施の形態1であるパンコーティング装置1(以下、コーティング装置1と略記する)の全体構成を示す説明図であり、図1はその側面図、図2は正面図である。図1,2のコーティング装置1は、いわゆる全周パンチングタイプのコーティングパン(以下、パンと略記する)2を使用したジャケットレスタイプの構成となっている。パン2内には、コーティング処理の対象となる錠剤(被処理物)3が収容され、そこにコーティング液を噴霧することにより、錠剤3のコーティング処理が行われる。
【0019】
図1に示すように、コーティング装置1は、筐体4のパン室4a内にパン2を回転自在に設置した構成となっている。パン2は、ほぼ水平な回転軸線Oを中心に回転し、その内部には、錠剤3が投入される。パン2は、断面八角形の胴部5と、胴部5の両端に形成された錐台状のコニカル部6とを備えている。胴部5はステンレス製の多孔板(パンチングプレート)にて形成されており、胴部5の外周は多数個の通気孔7により通気可能な構成となっている。胴部5の内周側(パン内部側)には、図3に示すように、ステンレス鋼製のバッフル板10が設置されている。当該コーティング装置1では、バッフル板10は、パン外部から適宜交換、取り付け可能となっている。
【0020】
コニカル部6は、孔のないステンレス製板材にて形成されている。一方のコニカル部6の端部(図1において左側:パン2の一端側)には、錠剤3が投入、排出される前面開口部8が形成されている。他方のコニカル部6の端部(図1において右側:パン2の他端側)は、エンドプレート9にて閉鎖されている。エンドプレート9には回転軸11が取り付けられており、回転軸11は、パン室4aの図1において右側に配された機械室4b側に延伸している。機械室4bには、電動モータを用いた図示しないドラム回転機構が配置されており、モータの回転に伴ってパン2がチェーン駆動され、回転軸線Oを中心に回転する。なお、パン2の図1において左端側は、図示しないローラによって支持されている。
【0021】
コーティング装置1では、パン胴部5の軸方向両端部(コニカル部6との接続部)に、パン外周縁に沿うように一対の摺動枠(枠体)31が取り付けられている。摺動枠31は外形円形の円環状に形成されており、軸方向に向かって対向する形で胴部5の外周側に前後各1個、合計2個設けられている。両摺動枠31の間には、仕切板(仕切部材)32が互いに周方向に離間した状態で複数個設けられている。仕切板32は胴部外周面5aに立設されており、その軸方向両端部は摺動枠31に、また、底面部は胴部外周面5aにそれぞれ溶接固定されている。
【0022】
仕切板32は、高さの低い(20~30mm程度)の仕切板32aと、高さの高い(80~100mm程度)仕切板32bとから構成されている。低い仕切板32aは、断面八角形の胴部5における八角形の各頂点部33aに配設され、高い仕切板32bは、各頂点部33aの間の平面部33bに2枚配置されている。胴部5の外側には、摺動枠31と仕切板32a,32bによって複数個の通気空間34が形成されている。図4は、通気空間34の構成を示す説明図である。
【0023】
図4に示すように、通気空間34は、仕切板32a,32bにより、各頂点部33a間に3区画設けられている。つまり、コーティング装置1では、胴部5の各頂点部33a間をさらに複数(ここでは、3個)の区画に分割して通気空間34が設けられている。したがって、コーティング装置1では、胴部5の周囲に独立した通気空間34が3個×8=24個形成されている。仕切板32は両摺動枠31の間にリブ状に設置されており、各仕切板32は、胴部5の外周部に通気空間34を区分形成しつつ、摺動枠31の強度を担保している。仕切板32bには、パン外からバッフル板10を取り付けるための切欠部35が設けられている。
【0024】
通気空間34内の胴部外周面5aには、バッフル板10を挿入設置するためのバッフル取付孔36が設けられている。バッフル取付孔36は、胴部5を貫通するように周方向に沿って延設されており、軸方向に対し傾斜した状態に形成されている。本発明によるコーティング装置1では、通気空間34内にさらに、バッフル取付孔36に対応して、バッフル板10をパン外から着脱可能としたシステムバッフル41が設けられている。システムバッフル41は、バッフル板10を備えたバッフルユニット42と、胴部外周面5aに設けられたバッフル装着部43とから構成され、バッフル取付孔36に臨んで配設される。バッフルユニット42は、バッフル取付孔36にバッフル板10を挿入する形で、パン外部から胴部外周面5aに装着、固定される。
【0025】
図2に示すように、筐体4の正面(図1において左側)は3分割構造となっている。筐体正面の中央には前面ドア12が、その両側にはユニットカバー13a,13bが設けられている。前面ドア12は、一方のユニットカバー13aに回動自在に支持され、筐体4に対し開閉自在に設けられている。ユニットカバー13a,13bも筐体4に対し開閉自在に設けられている。前面ドア12の正面には点検扉14が取り付けられており、また、前面ドア12の下部には、処理完了後の製品を取り出すための製品排出口15が設けられている。
【0026】
コーティング装置1にはさらに、パン2内に処理気体を供給する給気部16と、給気部16からパン2内に供給された処理気体をドラム外に排出する排気部17が設けられている。筐体上面4cには、給気部16の給気孔18と、排気部17の排気孔19が設けられており、それぞれ、図示しない外部給気ダクト、外部排気ダクトが接続される。給気孔18は、筐体4内に配された給気ダクト21を介して給気チャンバ22と接続され、給気部16を構成している。排気孔19は、筐体4内に配された排気ダクト23を介して排気チャンバ24と接続され、排気部17を構成している。
【0027】
給気チャンバ22はパン2の胴部5に隣接・対向する形で配設されており、摺動枠31と摺接する合成樹脂製のシール部材(図示せず)を有している。給気部16に供給される処理気体は、給気チャンバ22から通気空間34、通気孔7を介してパン2内に供給される。コーティング装置1では、通気空間34が仕切板32によって小区画に分けられているため、摺動枠31と給気チャンバ22の間のシール部分を小さくすることができ、シール性の向上が図られると共に、シール部材も削減される。
【0028】
また、排気チャンバ24は、パン2の図2において左下部に、パン2の胴部5に近接・対向する形で配設されている。排気チャンバ24にも、摺動枠31と摺接する合成樹脂製のシール部材(図示せず)が設けられている。パン2内に供給された処理気体は、通気孔7、通気空間34を介して排気チャンバ24に抜け、排気ダクト23、排気孔19を通って装置外へと排出される。この場合も、通気空間34が仕切板32によって小区画に分けられているため、摺動枠31と排気チャンバ24の間のシール部分を小さくすることができ、シール性の向上やシール部材の削減が図られる。
【0029】
パン2内にはさらに、コーティング液噴霧用のスプレーガン25が配置されている。スプレーガン25は、ガンホルダ26に取り付けられており、パン2の前面開口部8からドラム内に挿入され、装置正面側からドラム内に出し入れ自在に設けられている。スプレーガン25には、ガンホルダ26内に収容された図示しないホースを介して、コーティング液や噴霧エアが供給される。スプレーガン25は、パン2内にて錠剤層面に対して垂直方向に上下移動し、パン2内の錠剤3に対し、所定のスプレー位置から所望のタイミングでコーティング液等が適宜スプレーされ、コーティング処理が実施される。
【0030】
ここで、当該コーティング装置1は、前述のように、バッフル板10をパン外部から交換、取り付け可能としたシステムバッフル41を装備している。図5は、システムバッフル41の構成を示す説明図である。図5に示すように、システムバッフル41は、バッフル板10を備えたバッフルユニット42を、通気空間34内に配されたバッフル装着部43に取り付ける構成となっている。バッフルユニット42は、サムターンクランパ44によって、胴部5側のバッフル装着部43に固定される。バッフルユニット42は、サムターンクランパ44の操作により、バッフル装着部43に対し容易に着脱可能となっており、錠剤3の仕込み量に応じて、バッフル板10をパン外から適宜交換できるよう構成されている。なお、サムターンクランパ44には、市販の製品を適宜使用可能である。
【0031】
バッフルユニット42は、バッフル板10と、バッフル板10が立設する形で取り付けられた帯板状のベースプレート45とを備えている。ベースプレート45には、バッフル板10とは反対側の面にリブプレート46が立設されている。リブプレート46は、バッフルユニット42をバッフル装着部43に取り付けたとき、仕切板32bの切欠部35に嵌まるようになっている。リブプレート46間には、棒状部材からなるハンドルバー47が取り付けられている。ハンドルバー47は、バッフルユニット42の着脱の際に取っ手として用いられると共に、リブプレート46の立設強度を担保している。また、ベースプレート45には、サムターンクランパ44が取り付けられるクランパ取付部48が、プレート長手方向の両端部近傍に幅方向に突出する形で4カ所設けられている。
【0032】
一方、バッフル装着部43は、台枠状の金属製ベースフレーム51と、ベースフレーム51の内側に挿入配置される合成樹脂製(例えば、ポリアセタール)のインサートブロック(ブロック部材)52を備えている。また、ベースフレーム51の両端部近傍の幅方向両側には、クランパ取付部48と対応する形でカムケースホルダ53が4個設けられている。カムケースホルダ53内には、サムターンクランパ44と係合するカムケース54が取り付けられている。ベースフレーム51とカムケースホルダ53は別部品となっており、それぞれ胴部外周面5aに溶接固定される。なお、ベースフレーム51とカムケースホルダ53を一体の部材としても良い。
【0033】
図6は、ベースフレーム51の構成を示す説明図である。ベースフレーム51は、全長約500mm、幅約35mm、高さ約12mmの枠体であり、長手方向に対向しつつ延びる2枚の側枠部55と、側枠部55の長手方向両端部の上面に取り付けられたブロック係合枠56とから構成されている。側枠部55は、バッフル取付孔36を挟むように胴部外周面5aに固定されている。ブロック係合枠56は、両側枠部55間に架け渡される形で側枠部55の両端部に配されている。ベースフレーム51の中央は、側枠部55とブロック係合枠56に囲まれる形で開口部57となっている。開口部57には、インサートブロック52が挿入配置される。
【0034】
図7は、インサートブロック52の構成を示す説明図である。インサートブロック52は、全長約500mm、幅約30mm、高さ約12mm(中央部)の合成樹脂製ブロックであり、その幅方向中央部には、長手方向に沿ってバッフル挿入スリット(バッフル挿入孔)58が形成されている。バッフル挿入スリット58は、バッフル取付孔36に対応して、幅約6mm、長さ約470mmに形成されている。バッフル挿入スリット58は、ベースフレーム51内にインサートブロック52を配置するとバッフル取付孔36(幅約7mm、長さ約500mm)に臨んで配置される。
【0035】
バッフル装着部43では、次のようにしてインサートブロック52がベースフレーム51内に取り付けられる。ここではまず、ベースフレーム51の上方から、インサートブロック52の一端側を、一方のブロック係合枠56aの下に挿入するように開口部57内に差し込む。インサートブロック52の両端側には、その中央部59よりも高さが低い段部61(高さ約9.5mm)が形成されており、段部61は、胴部外周面5aに固定されたブロック係合枠56の下に挿入可能な高さとなっている。そこで、インサートブロック52を取り付ける際にはまず、一端側の段部61aを一方のブロック係合枠56aの下に挿入する。
【0036】
この場合、一端側の段部61aの長手方向寸法は、他端側の段部61bよりも長くなっており(例えば、61a:10mm、61b:4.5mm)、段部61a全体をブロック係合枠56aの下に入れると、他端側の段部61bが開口部57に入る長さとなっている。したがって、一端側の段部61aをブロック係合枠56aの下に深く差し込むと、その状態で他端側の段部61bを開口部57内に入れることが可能となる。そして、開口部57内に入れたインサートブロック52を長手方向にスライドさせ、他端側の段部61bを他方のブロック係合枠56bの下に挿入する。これにより、インサートブロック52が開口部57内に配設される。
【0037】
一方、ベースフレーム51の側枠部55には、その長手方向の略中央部に切欠部62が設けられている。切欠部62では、インサートブロック52の側面が露出した状態となっており、作業者がそこでインサートブロック52を掴めるようになっている。したがって、インサートブロック52をベースフレーム51から取り外す際は、切欠部62にてインサートブロック52の側面を持ち、ブロックを長手方向に移動させつつ各段部61をブロック係合枠56から抜き出す。これにより、インサートブロック52を開口部57から容易に取り出すことができる。
【0038】
また、ベースフレーム51の中央部(プレート当接部)59の高さ寸法H1は、側枠部55上に配されたブロック係合枠56の上面の高さ寸法H2よりも若干高くなっている(H1>H2;H1=約12mm程度)。したがって、インサートブロック52を開口部57内に配設すると、インサートブロック52の中央部59が側枠部55やブロック係合枠56よりも高くなる。すなわち、ベースフレーム51は、インサートブロック52から少し上方に突出した形で配置される。
【0039】
このようなシステムバッフル41を備えたコーティング装置1では、以下のような手順にてパン2外部からバッフル板10が取り付けられる。図8は、バッフル板10の取り付け状態を示す説明図である。ここでは、作業員はまずバッフルユニット42のハンドルバー47を持ち、バッフル板10をバッフル取付孔36に向けた形で、バッフルユニット42を胴部5に近付ける。次に、リブプレート46を仕切板32bの切欠部35に合わせつつ、バッフル取付孔36にバッフル板10を挿入し、ベースフレーム51のインサートブロック52上にベースプレート45を載置する。このとき、サムターンクランパ44はOFF状態としておき、サムターンクランパ44のシャフト44aをカムケース54のカム孔54aに挿入する。
【0040】
コーティング装置1では、厚さ約5mmのバッフル板10に対し、バッフル挿入スリット58は約6mm、バッフル取付孔36は約7mmに形成されている。したがって、バッフル取付孔36にバッフル板10を挿入する際、バッフル板10は、合成樹脂製インサートブロック52のバッフル挿入スリット58に案内されつつ、バッフル取付孔36内に挿入される。これにより、バッフル板10挿入の際、共に金属製のバッフル板10とバッフル取付孔36の当接を回避できる。また、ベースプレート45も、インサートブロック52の中央部59上面に当接する形でベースフレーム51上に載置されるため、金属同士の接触も生ぜず、部品、部材の損傷防止や金属粉の発生防止が図られる。
【0041】
また、バッフルユニット42を胴部5に取り付けたとき、仕切板32bの切欠部35にリブプレート46が挿入配置され、切欠部35はリブプレート46によって塞がれる(両側部の隙間は0.5~1mm程度)。その結果、仕切板32bによって区画された通気空間34内の3つの空間は、仕切りなく連通した状態とはならず、通気的にはほぼ独立性を維持した状態で保たれる。このため、給気チャンバ22から供給される処理気体は、流路が乱れることなく通気空間34からパン2内に供給され、通気効率の低下が抑えられる。
【0042】
このようにして、切欠部35をリブプレート46にて塞ぎつつ、バッフル取付孔36にバッフル板10を挿入し、ベースフレーム51上にベースプレート45を載置した後、各サムターンクランパ44のノブ44bをON位置に回す。その結果、シャフト44aの先端部に取り付けられたピン44cがカム孔54aと係合し、サムターンクランパ44がロック状態となり、バッフルユニット42が胴部5に固定される。システムバッフル41では、このサムターンクランパ44の採用により、簡単なノブ操作でバッフルユニット42をバッフル装着部43に固定できる。
【0043】
一方、バッフル板10をパン2から取り外すときは、上記とは逆の作業により、バッフルユニット42を胴部5から離脱させる。すなわち、サムターンクランパ44をOFF位置としてピン44cの係合を解放し、その状態から、ハンドルバー47を持ってバッフル板10を引き抜く。この場合も、サムターンクランパ44の操作により、バッフルユニット42を簡単にバッフル装着部43から解放できる。これにより、バッフルユニット42が通気空間34から引き出され、パン2の胴部5から取り外される。
【0044】
このように、前記システムバッフル41を備えたパンコーティング装置1では、パン2の外部からバッフルユニット42をバッフル装着部43に取り付けることにより、バッフル板10がバッフル取付孔36に挿入され、パン2内にバッフル板10が突設される。このため、パン内に作業員が入ることなく、バッフル板10をパン外から適宜交換でき、コンタミネーションや作業員の安全性などの懸念なく、バッフル交換を行うことが可能となる。
【0045】
また、バッフルユニット42は、パン胴部の壁体を含む構成ではないため、ユニット全体を比較的軽く形成できる(錠剤150kg処理機用にて2kg程度)。このため、作業員は、ハンドルバー47を持って容易にバッフルユニット42の着脱作業を行うことができ、従来の交換可能なバッフルに比して、短時間かつ安全に1人でバッフル交換作業を行うことが可能となる。
【0046】
さらに、パン2に取り付けたバッフル板10も、パン内部に台座などが露出せず、突出物のないフラットな状態で配設される。したがって、バッフル基部の突起物により、パン内の錠剤の流れが乱されることがなく、錠剤の転動状態に対する突出物による悪影響を無くすことができ、良好な転動状態にてコーティング処理を行うことが可能となり、処理時間の短縮や製品品質の向上が図られる。
【0047】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2として、バッフルユニットの固定手段として、サムターンクランパに代えてトグルクランプを用いたシステムバッフルを備えたパンコーティング装置について説明する。なお、本実施形態のパンコーティング装置やシステムバッフルの基本構成は、バッフルユニットの固定手段を除き、実施の形態1のコーティング装置1、システムバッフル41と同様の構成となっている。したがって、以下の記載では、コーティング装置本体の説明は省略する。また、実施の形態1のコーティング装置1、システムバッフル41と同様の部分、部材については同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0048】
図9は、本発明の実施の形態2であるシステムバッフル71の構成を示す説明図である。システムバッフル71も、前述のシステムバッフル41と同様に、バッフルユニット72とバッフル装着部73とから構成されている。この場合、システムバッフル71では、前述のように、バッフルユニット72の固定手段としてトグルクランプ74が使用されており、先のサムターンクランパと同様に、簡単なレバー操作でバッフルユニット72をバッフル装着部73に固定したり、バッフル装着部73から解放したりできるようになっている。
【0049】
システムバッフル71では、パン2側にトグルクランプ74が4個取り付けられている。各トグルクランプ74は、胴部5のバッフル取付孔36に隣接して配置されており、胴部外周面5aにネジ止め等により固定されている。トグルクランプ74は、レバー75の回動操作により、シャフト76が上下動し、シャフト先端部76aが当接したワークを押圧固定するようになっている。なお、トグルクランプ74には、前述のサムターンクランパと同様、市販の製品を適宜使用できる。
【0050】
バッフルユニット72のベースプレート45には、実施の形態1のクランパ取付部48に代えて、クランプ押圧部77が設けられている。クランプ押圧部77は、ベースプレート45の長手方向の両端部近傍に幅方向に突出する形で4カ所設けられている。また、システムバッフル71のバッフル装着部73には、実施の形態1のカムケースホルダ53に代えて、押圧ベース78が設けられている。押圧ベース78は、ベースフレーム51の両端部近傍の幅方向両側に、クランプ押圧部77と対応する形で4個設けられている。なお、押圧ベース78とベースフレーム51を一体に構成しても良い。
【0051】
システムバッフル71においても、バッフルユニット72をパン2の外部からバッフル装着部73に取り付けることにより、バッフル板10がパン2内にバッフル板10が突設される。この場合も、実施の形態1のシステムバッフル41と同様に、ハンドルバー47を用いてバッフルユニット72を把持し、胴部5のバッフル取付孔36にバッフル板10を挿入する。このとき、システムバッフル71では、トグルクランプ74を開放状態としておく。そして、リブプレート46を仕切板32bの切欠部35に合わせつつ、ベースフレーム51のインサートブロック52上にベースプレート45を載置する。
【0052】
バッフル装着部73にバッフルユニット72を載置した後、各トグルクランプ74をロック状態とする。すなわち、レバー75を操作してシャフト76を作動させ、シャフト先端部76aをクランプ押圧部77に押接する。これにより、クランプ押圧部77が押圧ベース78と押圧状態で密接し、バッフルユニット72がバッフル装着部73に固定される。一方、バッフル板10をパン2から取り外すときは、上記とは逆の作業により、バッフルユニット72を胴部5から離脱させる。すなわち、トグルクランプ74を開放状態とし、その状態から、ハンドルバー47を持ってバッフル板10を引き抜き、バッフルユニット72をパン2の胴部5から取り外す。
【0053】
このように、システムバッフル71を備えたパンコーティング装置も、パン内に作業員が入ることなく、バッフル板10をパン外から適宜交換でき、コンタミネーションや作業員の安全性などの懸念なく、バッフル交換が可能となる。また、バッフルユニット72も比較的軽量なため(サムターンクランパを有さないため、バッフルユニット42よりも軽い)、短時間かつ安全に1人でバッフル交換作業を行うことが可能となる。さらに、バッフル板10が突出物のないフラットな状態でパン内に配設されるため、良好な転動状態にてコーティング処理を行うことができる。
【0054】
本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、前述の実施形態では、バッフルユニットの固定手段として、サムターンクランパやトグルクランプを用いた例を示したが、固定手段は前述の2つには限定されず、パチン錠やボルト・ナットなど、着脱可能な固定手段であれば適宜採用可能である。また、各部材等の前述の各数値はあくまでも一例であり、本発明の構成が前記数値には限定されないことは言うまでもない。
【0055】
さらに、実施の形態1では、カムケースホルダ53を胴部外周面5aに溶接固定した構成を示したが、ネジ止めにより胴部外周面5aに着脱可能に設けても良い。その際、実施の形態2の押圧ベース78と部品を共用化し、仕様に応じて、サムターンクランパとトグルクランプを使い分けられるようにしても良い。加えて、前述のコーティング装置では、コーティングパンとして、錠剤の撹拌混合性向上の観点から、断面八角形状の胴部を備えたものを示したが、本発明は、円筒形状(断面円形状)の胴部を有するコーティングパンや、八角形以外の多角形断面(例えば、六角形や九角形、十角形など)のコーティングパンを用いたコーティング装置にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、薬や健康食品などの錠剤以外にも、ガムやチョコレートなどの菓子や他の食品のコーティング処理にも適用可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 パンコーティング装置
2 コーティングパン
3 錠剤(被処理物)
4 筐体
4a パン室
4b 機械室
4c 筐体上面
5 胴部
5a 胴部外周面
6 コニカル部
7 通気孔
8 前面開口部
9 エンドプレート
10 バッフル板
11 回転軸
12 前面ドア
13a,13b ユニットカバー
14 点検扉
15 製品排出口
16 給気部
17 排気部
18 給気孔
19 排気孔
21 給気ダクト
22 給気チャンバ
23 排気ダクト
24 排気チャンバ
25 スプレーガン
26 ガンホルダ
31 摺動枠(枠体)
32 仕切板(仕切部材)
32a 仕切板
32b 仕切板
33a 頂点部
33b 平面部
34 通気空間
35 切欠部
36 バッフル取付孔
41 システムバッフル
42 バッフルユニット
43 バッフル装着部
44 サムターンクランパ
44a シャフト
44b ノブ
44c ピン
45 ベースプレート
46 リブプレート
47 ハンドルバー
48 クランパ取付部
51 ベースフレーム
52 インサートブロック(ブロック部材)
53 カムケースホルダ
54 カムケース
54a カム孔
55 側枠部
56 ブロック係合枠
56a ブロック係合枠
56b ブロック係合枠
57 開口部
58 バッフル挿入スリット(バッフル挿入孔)
59 中央部(プレート当接部)
61 段部
61a 段部
61b 段部
62 切欠部
71 システムバッフル
72 バッフルユニット
73 バッフル装着部
74 トグルクランプ
75 レバー
76 シャフト
76a シャフト先端部
77 クランプ押圧部
78 押圧ベース
H1 インサートブロック中央部の高さ寸法
H2 ベースフレームのブロック係合枠上面の高さ寸法
O 回転軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9