(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164888
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】広告表示装置
(51)【国際特許分類】
B66B 3/00 20060101AFI20221020BHJP
【FI】
B66B3/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139725
(22)【出願日】2022-09-02
(62)【分割の表示】P 2021560783の分割
【原出願日】2019-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】502250178
【氏名又は名称】ジャパンエレベーターサービスホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104190
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】澤田 聡志
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 和隆
(57)【要約】
【課題】エレベーターのカゴ内で広告表示を実現すること。
【解決手段】表示画面202を備えエレベーター130のカゴ131内で広告を表示する広告表示装置120であって、表示対象とする広告に関する広告情報のURLを特定し、特定されたURLに基づいて、広告サーバ110または広告主の端末装置140からネットワーク101を介して、表示対象とする広告に関する広告情報を受信して、メモリ402に格納し、格納された広告情報に基づいて、広告表示装置120の表示画面202に広告を表示させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面を備えエレベーターの利用者に対して広告を表示する広告表示装置であって、
表示の対象となる広告に関する広告情報のURL(Uniform Resource Locator)を特定する特定部と、
前記特定部によって特定されたURLに基づいて、表示対象とする広告に関する前記広告情報を、自装置内の記憶領域に格納する格納制御部と、
前記格納制御部によって前記記憶領域に格納された前記広告情報に基づいて、前記表示画面に広告を表示させる表示制御部と、
を備えたことを特徴とする広告表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エレベーターのカゴ内で広告を表示する広告表示装置、エレベーター用広告システムおよびエレベーター用広告表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベーターのカゴ内で広告をおこなう各種の技術がある。関連する技術として、具体的には、従来、たとえば、エレベーターのカゴの内壁面であって乗員の視線の高さよりも上側の位置において、表示画面が乗員側に向くように傾斜させた状態で支持部材によって支持された情報処理装置が備える表示画面に、ネットワークに接続された管理サーバから送信された広告などの画像情報を当該ネットワークから直接受信して表示するようにした技術があった(たとえば、下記特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された従来の技術は、カゴ内における広告の表示実績を把握することができず、カゴ内において広告が有効におこなわれているかを確認することが難しいという問題があった。
【0005】
また、上述した特許文献1に記載された従来の技術は、表示画面に表示される画像を見ている乗員を撮影して記憶することにより、カゴ内の乗員に対して情報を提供するとともに、カゴ内で発生するおそれがある犯罪行為などの抑止を目的としているものの、カゴ内において広告が有効におこなわれているかを確認することが難しいという問題があった。
【0006】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、広告の表示実績の信頼性を確保することができるエレベーター用広告システムおよびエレベーター用広告表示プログラムを提供することを目的とする。
【0007】
また、この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、特に、エレベーターのカゴ内における広告の表示実績の信頼性を確保することができるエレベーター用広告システムおよびエレベーター用広告表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかるエレベーター用広告システムは、表示画面を備えエレベーターのカゴ内で広告を表示する広告表示装置と、当該広告表示装置が表示する広告に関する広告情報ごとに設定され当該広告情報の格納位置を示すURLを管理する広告管理装置と、を備えたエレベーター用広告システムであって、前記広告表示装置において表示対象とする広告に関する広告情報のURLを特定する特定部と、前記特定部によって特定されたURLに基づいて、表示対象とする広告に関する前記広告情報を、前記広告表示装置の記憶領域に格納する格納制御部と、前記格納制御部によって前記記憶領域に格納された前記広告情報に基づいて、前記表示画面に広告を表示させる表示制御部と、前記格納制御部によって前記記憶領域に前記広告情報が格納された数をURLごとに計数する算出部と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、この発明にかかるエレベーター用広告システムは、上記の発明において、前記算出部が、URLごとに計数した計数結果に基づいて、URLごとに課金額を算出することを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかるエレベーター用広告システムは、上記の発明において、前記格納制御部が、前記表示制御部により前記表示画面に表示させた広告に関する前記広告情報を、前記記憶領域から削除することを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかるエレベーター用広告システムは、上記の発明において、前記カゴ内を撮影する撮影部を備え、前記表示制御部が、前記撮影部によって撮影された画像情報に基づいて、前記カゴ内に乗員が存在する場合に、前記表示画面に広告を表示させることを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかるエレベーター用広告システムは、上記の発明において、前記広告表示装置が、タブレット型端末であることを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかるエレベーター用広告システムは、上記の発明において、前記広告管理装置が、前記広告表示装置と一体に設けられていることを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかるエレベーター用広告システムは、上記の発明において、前記広告管理装置は、前記広告表示装置と別体に設けられたコンピュータ装置であることを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかるエレベーター用広告システムは、上記の発明において、前記広告管理装置が、前記エレベーターの遠隔地に設けられているコンピュータ装置であることを特徴とする。
【0016】
また、この発明にかかるエレベーター用広告システムは、上記の発明において、前記広告管理装置が、前記エレベーターと当該エレベーターの遠隔地に設置された遠隔監視サーバと通信可能な監視装置であることを特徴とする。
【0017】
また、この発明にかかるエレベーター用広告表示プログラムは、コンピュータに、表示対象とする広告に関する広告情報のURLを特定し、特定されたURLに基づいて、表示対象とする広告に関する前記広告情報を所定の記憶領域に格納し、前記記憶領域に格納された前記広告情報に基づいて、エレベーターのカゴ内に設けられた表示画面に広告を表示させ、前記記憶領域に前記広告情報が格納された数をURLごとに計数する、処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
この発明にかかるエレベーター用広告システムおよびエレベーター用広告表示プログラムによれば、広告の表示実績の信頼性を確保することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、この発明にかかる実施の形態の広告システムのシステム構成を示す説明図である。
【
図2】
図2は、広告表示装置の設置の一例を示す説明図である。
【
図3】
図3は、広告表示装置の外観の一例を示す説明図である。
【
図4A】
図4Aは、広告表示装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4B】
図4Bは、広告管理サーバのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【
図5A】
図5Aは、広告管理データベースの一例を示す説明図である。
【
図5B】
図5Bは、広告管理テーブルの一例を示す説明図である。
【
図6】
図6は、広告表示装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、広告表示装置の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるエレベーター用広告システム(以下、「広告システム」という)およびエレベーター用広告表示プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0021】
(広告システムのシステム構成)
まず、この発明にかかる実施の形態の広告システムのシステム構成について説明する。
図1は、この発明にかかる実施の形態の広告システムのシステム構成を示す説明図である。
図1に示すように、この発明にかかる実施の形態の広告システム100は、広告管理サーバ(広告管理装置)110と、広告表示装置120と、を含んでいる。広告管理サーバ110は、インターネットなどのネットワーク101に接続されている。
【0022】
広告管理サーバ110は、エレベーター130の乗員に対する広告に関する広告情報などを記憶する。広告情報は、広告管理サーバ110に代えて、あるいは、広告管理サーバ110に加えて、たとえば、ネットワーク101に接続された広告主の端末装置140に記憶されていてもよい。
【0023】
広告管理サーバ110や広告主の端末装置140は、たとえば、汎用的なサーバコンピュータ装置によって実現することができる。また、広告主の端末装置140は、汎用的なパーソナルコンピュータやスマートフォンなどネットワーク101に接続可能な情報端末装置によって実現されるものであってもよい。
【0024】
広告表示装置120は、ネットワーク101に接続されており、ネットワーク101を介して、ネットワーク101に接続された外部装置との間で無線または有線による通信をおこなう通信機能を備えている。これにより、広告表示装置120は、ネットワーク101を介して、広告管理サーバ110や広告主の端末装置140から広告情報を取得することができる。広告表示装置120は、たとえば、タブレット型端末によって実現することができる。タブレット型端末は、エレベーター専用品ではなく、市販品によって実現してもよい。
【0025】
広告表示装置120は、エレベーター130のカゴ(乗りかご)131内に設置されている。エレベーター130は、複数階建てのビル内などに設置され、建物における各階床を、鉛直方向に沿って貫通する昇降路を備えている。カゴ131は、昇降路内において上下動可能に設けられており、人や物品を搭載する。カゴ131は、1つの昇降路に1つずつ設けられている。
【0026】
昇降路には、カゴ131の昇降動作にかかわる駆動機構132が設けられている。駆動機構132は、たとえば、昇降路における上部に設けることができ、巻上機132a、ロープ132b、カウンタウエイト132cなどによって構成されている。また、駆動機構132は、さらに、電磁ブレーキや調速機を備えている(いずれも図示を省略する)。
【0027】
カゴ131には、操作盤133が設けられている。操作盤133は、各種の操作ボタンを含む操作ボタン群や、カゴ131が位置する階床などを表示する表示器などを備えている(
図2を参照)。また、操作盤133は、マイクおよびスピーカー(いずれも
図4を参照)を備えており、インターフォンの機能を実現する。操作盤133は、操作盤133用の制御基板を備えている。
【0028】
昇降路における各階床に対応した位置(乗り場)134には、扉134aが設けられている。乗り場134に設けられた扉134aは、インターロックなどと称される装置で施錠されている。エレベーター130が停止階に到着した状態で、カゴ131に設けられたモーター(図示を省略する)を駆動すると、カゴ131の扉131aの駆動機構部分とインターロックとがかみ合ってインターロックによる施錠が解放され、扉131aおよび扉134aが連動して開閉する。
【0029】
各乗り場134には、それぞれ、操作盤135が設置されている。操作盤135は、それぞれ、乗り場呼びボタンや、カゴ131が位置する階床などを表示する表示器などを備えている(いずれも図示を省略する)。各乗り場134に設けられた操作盤135は、それぞれ、操作盤135用の制御基板を備えている。
【0030】
エレベーター130は、エレベーター130が備える各部を駆動制御する制御基板136を備えている。制御基板136は、たとえば、巻上機132aを駆動制御し、カゴ131を昇降させる。また、制御基板136は、たとえば、操作盤133用の制御基板や操作盤135用の制御基板と接続されており、操作盤133用の制御基板や操作盤135用の制御基板との間で信号の送受信をおこなう。
【0031】
制御基板136は、ネットワーク101を介して、エレベーター130の遠隔地に設置された管理サーバコンピュータ(図示を省略する)と接続されていてもよい。この場合、管理サーバコンピュータは、制御基板136との間で無線または有線による通信をおこなうことにより、制御基板136を介して、エレベーター130の動作を監視したり、遠隔制御したりすることができる。
【0032】
(広告表示装置120の設置例)
図2は、広告表示装置120の設置の一例を示す説明図である。
図2においては、エレベーター130のカゴ131内の様子を示している。
図2に示すように、操作盤133は、カゴ131の内面であって、カゴ131に対して乗員が出入りする出入り口部分の扉131aと同じ面に設けられている。操作盤133の操作ボタン群133aは、たとえば、行先階ボタン、扉開閉ボタン、非常ボタンなどを含む。表示器133bは、カゴ131が位置する階床などを表示する。
【0033】
広告表示装置120は、それぞれ、筐体201を備えている。筐体201の一面側には、表示画面202およびレンズ203が設けられている。表示画面202が設けられた状態の筐体201は、平板形状の外観をなす。表示画面202は、横方向に長い長方形状をなし、たとえば、エレベーター130の運行にかかる情報や広告などを表示する。
【0034】
表示画面202は、具体的には、液晶表示器(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、7セグメントディスプレイなどによって実現される。レンズ203は、図示を省略する撮像素子とともに撮影装置(
図4における符号403を参照)を構成する。
【0035】
撮影装置は、レンズ203と撮像素子との間に1または複数のレンズや、当該複数のレンズ203のうちの少なくとも1つのレンズを光軸方向に沿って移動させる可動機構などを備えていてもよい。撮影装置は、具体的には、たとえば、コントラストAF(AutoFocus)や位相差AFなどのパッシブ方式により焦点を合わせるAFユニットによって実現される。撮影装置は、カゴ131内における、あらかじめ設定された撮影範囲を撮影する。
【0036】
乗員は、カゴ131に乗り込む際には扉131aに対向する面(背面)を向いているが、カゴ131内にいる際およびカゴ131から降りる際には、扉131aが設けられた面(正面)を向く。このため、正面に広告表示装置120を設けることで、乗員が広告表示装置120に対面する機会を確実につくることができる。乗員と広告表示装置120とを対面させることにより、手荷物などによって遮られることなく、乗員の顔を撮影することができる。
【0037】
また、広告表示装置120を天井204の近くに設けることにより、乗員は、手荷物などによって遮られることなく、表示画面202を容易に見ることができるようになる。これにより、表示画面202に表示した広告に高い広告効果を発揮させることができる。また、広告表示装置120を天井204の近くに設けることにより、カゴ131内の乗員は、表示画面202を見るために顔を上げた姿勢をとる。これにより、乗員の表情を確実に撮影することができる。
【0038】
さらに、広告表示装置120を天井204の近くに設けることにより、乗員は、通常の状態で手を伸ばしても広告表示装置120に容易に触れることができない。したがって、乗員により、不用意に広告表示装置120に触れられたり、不正操作されたり、壊されたりすることを防止することができる。
【0039】
また、広告表示装置120は、
図2に示すような正面の壁(内壁)に代えて、背面や側面の壁(内壁)に設けるようにしてもよい。広告表示装置120をカゴ131の背面の壁に設けることによって、乗員は、カゴ131内に入ってくる際にも、広告表示装置120を見ることができる。さらに、広告表示装置120は、カゴ131の正面と背面とにそれぞれ設けてもよい。これにより、乗員は、カゴ131内に入る際、および、カゴ131内から出る際に、広告表示装置120を見ることができる。広告表示装置120を背面あるいは側壁面のいずれに設ける場合も、広告表示装置120は、天井204に近い上側の位置に設けることが好ましい。
【0040】
なお、広告表示装置120は、カゴ131内のどの位置に設置してもよく、カゴ131の広さ(定員数)、カゴ131の高さ、カゴ131の形状(床が正方形あるいは長方形など)、エレベーター130の種類(シースルー型、壁面に鏡の有り無し)、外扉の種類(窓の有り無し)などを勘案した最適な位置に設置することができる。
【0041】
広告表示装置120は、エレベーター130の設置後に、後付けすることができる。また、広告表示装置120は、設置後に、自由にその設置位置を変更できるようにしてもよい。広告表示装置120は、たとえば、カゴ131の内壁面へのネジ止めにより設置することができる。広告表示装置120を内壁面にネジ止めすることにより、落下を確実に防止することができる。ネジ止めは、内壁面に限らず、ステーなどを介してカゴ131の天井204に施してもよい。広告表示装置120は、ネジ止め以外の方法(たとえばマグネットや粘着テープなどを使用するなど)によって設置してもよい。
【0042】
広告表示装置120を後付けする場合は、広告表示装置120に、コンセントプラグ205を設けるようにしてもよい。また、カゴ131には、コンセントプラグ205の挿入を受け付けるプラグソケット206が設けられていてもよい。プラグソケット206は、コンセントプラグ205が挿入されることによって当該コンセントプラグ205とともに配線用差込接続器を構成する。具体的には、たとえば、日本において汎用的に用いられているAタイプのプラグソケットを用いることができる。
【0043】
プラグソケット206は、Aタイプに限るものではない。具体的には、たとえば、インドやインドネシアなどにおいて広く用いられているB3タイプやCタイプのプラグソケットを用いてもよく、香港などにおいて広く用いられているBFタイプのプラグソケットを用いてもよい。
【0044】
あるいは、プラグソケット206は、韓国などにおいて広く用いられているSEタイプのプラグソケットを用いてもよく、台湾などにおいて広く用いられているOタイプのプラグソケットを用いてもよい。中国など、複数タイプのプラグソケットが普及している国や地域においては、Aタイプ、Bタイプ、Cタイプ、B3タイプ、BFタイプ、SEタイプ、Oタイプなど様々なタイプの中から、エレベーター130を設置する地域に応じた任意のタイプのプラグソケットを用いることが好ましい。
【0045】
プラグソケット206は、カゴ131の外側であってカゴ131の天井204の上に設けられたカゴ上ボックスが収容する基板の電気回路に電気的に接続されている。これにより、プラグソケット206を介して、当該プラグソケット206に接続された電気機器に給電することができる。プラグソケット206は、カゴ上ボックスが収容する基板の電気回路の端子に直接結線されているものに限らず、当該端子に接続された電力線に接続されていてもよい。このような電力線にプラグソケット206を接続する場合、当該電力線に分岐用のコネクタを設け、当該コネクタにプラグソケット206を接続することができる。
【0046】
図2に示すように、プラグソケット206がカゴ131内に露出している場合、当該プラグソケット206は、カゴ131内の高い位置に配置することが好ましい。
図2においては、カゴ131の側面における上側や、カゴ131の天井面にプラグソケット206が設けられた例を示している。このように、カゴ131内に露出したプラグソケット206をカゴ131内の高い位置に配置することにより、雨天時に傘や衣服から飛んだ水滴が付着することを防止でき、また、盗電や子供などによる悪戯をしにくくすることができる。
【0047】
プラグソケット206は、1つのカゴ131に1つ設けられていてもよく、1つのカゴ131に複数個設けられていてもよい。1つのカゴ131に複数のプラグソケット206を設ける場合、当該複数のプラグソケット206を並べて配置してもよく、複数箇所に分散して配置してもよい。プラグソケット206は、たとえば、当該プラグソケット206がカゴ131の内壁面(天井面)と同一面内に位置するように配置するとよい。
【0048】
また、カゴ131には、プラグソケット206に代えて、図示を省略する、接栓座を設けるようにしてもよい。接栓座は、図示を省略するカゴ上ボックスが収容する電気回路から供給される電源を、当該接栓座に接続された広告表示装置120に対して供給する機能を備える。具体的には、たとえば、電源供給用の配線を備えたレセクタブルを用いることによって、接栓座に接続された電気機器に対して電源を供給することができる。なお、レセクタブルは、電源供給用の配線に加えて、信号伝送用の配線を備えていてもよい。
【0049】
接栓座を実現するレセクタブルは、当該レセクタブルに接続されている広告表示装置120の動作中に抜き差しすることができるホットプラグによって実現することが好ましい。接栓座を実現するレセクタブルは、さらに、図示を省略する制御回路を介して広告表示装置120への給電をおこなうようにしてもよい。
【0050】
また、接栓座は、たとえば、USBコネクタによって実現してもよい。接栓座を実現するレセクタブルとしてのUSBコネクタは、たとえば、USB Type-Aコネクタ、Micro USBコネクタ、Micro USB Type-Bコネクタ、USB Type-Cコネクタなど公知の各種のUSBコネクタのレセクタブルによって実現することができる。
【0051】
また、接栓座を実現するレセクタブルは、USBインタフェースのコネクタ(レセクタブル)に限るものではなく、たとえば、IEEE 1394コネクタ、PS/2コネクタ、D-Subコネクタ、DINコネクタ、同軸コネクタ、その他公知の各種の通信用のコネクタによって実現されるものであってもよい。
【0052】
接栓座を実現するレセクタブルは、1つのカゴ131に1つ設けられていてもよく、1つのカゴ131に複数設けられていてもよい。1つのカゴ131に複数の接栓座を実現するレセクタブルを設ける場合、通信I/Fのコネクタは1種類であってもよく、複数種類であってもよい。
【0053】
接栓座を実現するレセクタブルは、たとえば、当該レセクタブルの端部がカゴ131の内壁面と同一面内に位置するように配置することができる。また、接栓座を実現するレセクタブルは、たとえば、当該レセクタブルの端部がカゴ131の内壁面よりもカゴ131の内側に飛び出していてもよく、カゴ131の内壁面から凹んだ位置に配置してもよい。
【0054】
(広告表示装置120の外観)
つぎに、広告表示装置120の外観について説明する。
図3は、広告表示装置120の外観の一例を示す説明図である。
図3に示すように、広告表示装置120の表示画面202は、横方向に長い長方形をなす。
【0055】
表示画面202は、防犯カメラ映像表示領域302、管理情報表示領域303、各種情報表示領域304、広告表示領域(広告エリア)305などのように複数(この実施の形態においては4つ)の領域から構成されるものであってもよい。このように、4つの領域に区切って表示することによって、各種情報を効率よく乗員に伝えることができる。
【0056】
表示画面202の左下側の長方形の広告表示領域305を囲むように、上側から右側にかけて、防犯カメラ映像表示領域302、管理情報表示領域303、各種情報表示領域304が逆「L」字状に設けられている。防犯カメラ映像表示領域302は、左側に設けられ、それに続いて、管理情報表示領域303が横長に設けられる。防犯カメラ映像表示領域302には、表示画面202の下側に配置されたレンズ203を備えた撮影装置によって撮影された映像をリアルタイムで表示するようにしてもよい。
【0057】
また、この管理情報表示領域303では、長いメッセージである場合は、右側から左側に流れるようにメッセージが表示される。管理情報表示領域303を表示画面202の上側に設けたのは、表示画面202の上側は、乗員にとっては視認しやすく、それ故に、比較的重要な管理情報を確実に乗員に伝えることができる。
【0058】
また、右側の側面には、縦長に各種情報表示領域304が設けられており、
図3に示すような天気予報や、交通情報、ニュースなど、エレベーター130の乗員に通知したい各種情報を表示する。各種情報表示領域304では、多くの情報を表示する場合は、下側から上側へ流れるように表示するようにしてもよい。具体的には、たとえば、各地域の天気予報を表示する場合は、新しい地域の情報は、順次下から表示され、古い地域の情報は上側へ移動してから、消去するようにしてもよい。また、その逆に、上側から、下側へ流れるように表示してもよい。また、左右どちらかへ流れるように表示してもよい。このように、各種情報表示領域304では、表示する情報の内容によって、表示形態を変えることができる。
【0059】
管理情報表示領域303と各種情報表示領域304との境には、明確な区切りはなくてもよい。これにより、表示する状況に応じて、管理情報表示領域303を右側に長くしたり、また、各種情報表示領域304を上側に長くしたりすることができる。また、表示する情報によっては、管理情報表示領域303と、各種情報表示領域304とを、一続きとして、使用することもできる。
【0060】
このように、表示画面202をレイアウトすることで、広告を表示しながら、それ以外の情報も同時に、乗員に伝えることができる。表示画面202は、通常は、
図3に示すようなレイアウトであるが、状況によって、このレイアウトを変更してもよい。たとえば、エレベーター130の故障などの緊急事態が生じた場合は、広告エリアを消去して、必要な情報を表示するようにしてもよい。また、広告の表示演出として、表示画面202の全面を広告表示としてもよい。
【0061】
(広告表示装置120のハードウエア構成)
つぎに、広告表示装置120のハードウエア構成について説明する。
図4Aは、広告表示装置120のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図4Aに示すように、広告表示装置120は、CPU401と、メモリ402と、撮影装置(カメラ)403と、通信インタフェース(I/F)404と、表示画面(ディスプレイ)202と、スピーカー405と、マイク406と、振動センサ407と、照度センサ408と、を備えている。各構成部401~408は、バス400によって接続されている。
【0062】
CPU401は、メモリ402に記憶されたプログラムを実行することによって、広告表示装置120の装置全体の制御をつかさどる。メモリ402は、CPU401が実行するプログラムを記憶する。メモリ402は、具体的には、たとえば、この発明にかかる実施の形態のエレベーター用広告表示プログラムを記憶する。
【0063】
また、メモリ402は、表示対象とする広告に関する広告情報や、広告管理テーブル(
図5Bを参照)を含む各種情報を記憶することができる。また、メモリ402は、メモリ402に広告情報が格納された数(回数)や、URLごとに算出された課金額(
図7を参照)を、URLごとに記憶することができる。
【0064】
メモリ402は、ハードディスクメモリのほか、ICメモリ、SSD(Solid State Drive)などであってもよい。また、メモリ402は、広告表示装置120に対して、広告表示装置120に設けられたカードスロットを介して着脱可能なメモリカードであってもよい。メモリカードは、たとえば、SD(Secure Digital)メモリカードなどのICカードによってその機能を実現することができる。メモリカードは、外付けハードディスク、USBメモリ、SSDなどによって、その機能を実現するようにしてもよい。
【0065】
撮影装置403は、撮像素子を備え、撮像素子がレンズ203を通して受光した光を電気信号に変換することによって、画像情報(撮影データ)を取得する。撮影装置403は、静止画を撮影するものであってもよく、動画を撮影するものであってもよい。動画は、所定時間間隔で撮影された静止画を連続して再生するものを含む。画像情報は、所定の動画・音声データの圧縮方式の標準規格(たとえば、MPEG(Moving Picture Experts Group)など)によって圧縮されたものであってもよい。
【0066】
通信I/F404は、通信回線を通じて広告表示装置120とインターネットなどのネットワーク101とを接続するインタフェースであって、ネットワーク101と広告表示装置120の内部とのインタフェースをつかさどり、外部装置からのデータの入力および外部装置へのデータの出力を制御する。
【0067】
通信I/F404は、たとえば、Wi-Fi(登録商標)による無線インタフェースである。また、通信I/F404は、携帯電話回線(たとえばLTE(Long Term Evolution)、PHS(Personal Handy-phone System)などの無線通信のインタフェースであってもよく、また、モデムやLANアダプタなどの有線通信のインタフェースを採用することができる。また、エレベーター130が遠隔監視などのために有しているネットワーク101に接続し、そのネットワーク101を介して、情報の送受信をおこなうようにしてもよい。また、通信I/F404は、たとえば、USBインタフェースによって実現してもよい。
【0068】
表示画面202は、液晶表示器(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、7セグメントディスプレイなどによって実現される。スピーカー405は、音声信号である電気信号によって振動板を振動させて音を発生させる。また、スピーカー405は、音声信号を出力する出力端子であってもよく、当該出力端子に外部スピーカーを接続して、音を発生させるようにしてもよい。
【0069】
マイク406は、カゴ131内の音声を集音する。振動センサ407は、カゴ131の振動を検出する。振動センサ407は、たとえば、加速度センサなどによって実現することができる。照度センサ408は、カゴ131内の照度(明るさ)を検出する。照度センサ408は、たとえば、フォトトランジスタやフォトダイオードを用いて実現することができる。
【0070】
電源制御ユニット409は、たとえば、コンセントプラグ205などを介して供給を受けたAC電源の電圧を調整する電圧調整部(電源ICなど)によって実現することができる。電源制御ユニット409は、具体的には、たとえば、コンセントプラグ205、当該コンセントプラグ205に接続されたケーブル、および、コンセントプラグ205を介して供給を受けたAC電源から所定の直流電力を取り出す変圧回路、整流回路、安定化回路などによって構成されるACアダプタによって実現することができる。
【0071】
また、広告表示装置120は、リチウム電池などのバッテリー(蓄電池)を、さらに備えていてもよい。すなわち、電源制御ユニット409には、蓄電池が含まれていてもよい、あるいは、電源制御ユニット409は、蓄電池を接続する接続端子を備えていてもよい。これにより、蓄電池を容易に交換することができる。このように、電源制御ユニット409は、コンセントプラグ205を介して供給された電源を、広告表示装置120の各部へ供給する。
【0072】
その他、図示は省略するが、広告表示装置120は、メモリカードI/F、入出力デバイス、電源制御部、GPS受信機などを備えていてもよい。メモリカードI/Fは、カードスロットを介して広告表示装置120と接続されるインタフェースである。メモリカードI/Fは、メモリカードと内部のインタフェースをつかさどり、メモリカードからのデータの入力およびメモリカードへのデータの出力を制御する。
【0073】
入出力デバイスは、たとえば、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーまたはボタンによって実現することができる。また、入出力デバイスは、マイク、ディスプレイ(タッチパネル)、他の情報処理装置を接続可能な接続端子などによって実現されるものであってもよい。電源制御部は、外部からの電源の供給を受けるコンセントプラグおよびケーブルと、供給を受けた電源の電圧を調整する、広告表示装置120の内部に備えられた電圧調整部を含む。また、広告表示装置120は、リチウム電池などのバッテリーを備えていてもよい。
【0074】
GPS受信機は、3つないし5つのGPS衛星からの電波を受信し、GPS衛星との幾何学的位置を求めるために、GPS衛星からの電波を受信してGPS測位データを出力する。GPS受信機により、広告表示装置120の現在位置を把握することができる。
【0075】
(広告管理サーバ110のハードウエア構成の一例)
つぎに、広告管理サーバ110のハードウエア構成について説明する。
図4Bは、広告管理サーバ110のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図4Bに示すように、広告管理サーバ110は、CPU411と、メモリ412と、通信I/F413と、を備えている。各構成部411~413は、バス410によって接続されている。
【0076】
CPU411は、メモリ412に記憶されたプログラムを実行することによって、広告管理サーバ110の装置全体の制御をつかさどる。メモリ412は、CPU411が実行するプログラムを記憶している。メモリ412は、具体的には、たとえば、この発明にかかる実施の形態のエレベーター用広告表示プログラムを記憶する。また、メモリ412は、広告管理データベース(
図5Bを参照)を含む各種情報を記憶している。メモリ412は、たとえば、ハードディスクメモリ、SSD、ICメモリなどによって実現することができる。
【0077】
通信I/F413は、通信回線を通じて広告管理サーバ110とネットワーク101とを接続するインタフェースであって、ネットワーク101と広告管理サーバ110の内部とのインタフェースをつかさどり、外部装置からのデータの入力および外部装置へのデータの出力を制御する。
【0078】
(広告管理データベースの一例)
つぎに、広告管理データベースの一例について説明する。
図5Aは、広告管理データベースの一例を示す説明図である。広告管理データベースは、たとえば、広告管理サーバ110のメモリ412に設けることができる。
図5Aに示すように、広告管理データベース510は、識別ID、URL(Uniform Resource Locator)、ファイル名、契約期間、広告対象条件、格納回数のフィールドを備える。
【0079】
広告管理データベース510においては、各フィールドに情報を設定することによりレコードが構成される。具体的に、1つのレコードは、それぞれ対応する識別IDのフィールド、URLのフィールド、ファイル名のフィールド、契約期間のフィールド、広告対象条件のフィールド、格納回数のフィールドに該当する情報を設定することによって構成される。
【0080】
識別IDは、各レコードを一意に識別する識別子を示す。URLは、広告情報のURLを示す。ファイル名は、広告情報のファイル名を示す。広告情報は、広告表示装置120の表示画面202に広告を表示するための情報であって、たとえば、静止画や動画などの画像ファイルによって実現することができる。広告情報は、HTMLファイルであってもよく、画像ファイルおよびHTMLファイルによって構成されるものであってもよい。広告情報は、音声情報を含んでいてもよい。
【0081】
広告情報は、たとえば、広告管理サーバ110のメモリ412に記憶することができる。広告情報は、広告管理サーバ110のメモリ412に限らず、広告管理サーバ110がアクセス可能な、ネットワーク101上の記憶装置に記憶されていてもよい。具体的に、広告情報は、たとえば、広告主の端末装置140に記憶されていてもよい。
【0082】
広告情報には、それぞれ、あらかじめ割り当てられたURLが設定されている。URLは、たとえば、広告主との間で契約が成立する都度、あるいは、広告情報にかかるファイル名が確定する都度、広告管理サーバ110の管理者などによって当該広告主(契約ごと)に割り当てられる。広告情報に対するURLの設定は、たとえば、広告管理サーバ110の管理者などがおこなう。広告情報に対するURLの設定は、広告主側でおこなってもよい。
【0083】
広告情報は、特典に関する特典情報を含んでいてもよい。特典に関する特典情報とは、たとえば、エレベーター130の乗員のみが提供を受けられ、それ以外の人は提供を受けられない利点などである。具体的には、広告主が提供する商品やサービスに対する割引や特別待遇などである。たとえば、特典情報は、商品またはサービスに対する割引クーポンであってもよい。
【0084】
特典情報には、広告を表示したエレベーター130、当該エレベーター130が設置された建物(マンションやオフィスビル)および当該建物が存在する地域(住所による区分あるいは距離による区分によって特定された地域など)の少なくともいずれか1つを特定する情報が含まれていてもよい。
【0085】
ここで、エレベーター130を特定する情報は、具体的には、たとえば、住所や電話番号などであってもよく、また、エレベーター管理会社が各エレベーター130を管理する際に各エレベーター130にそれぞれ付与しているID番号などであってもよい。また、エレベーター130が設置された建物を特定する情報は、具体的には、たとえば、当該エレベーター130が設置されている建物名、住所、電話番号などであってもよく、また、エレベーター管理会社が各エレベーター130を管理する際に各建物にそれぞれ付与しているID番号などであってもよい。
【0086】
エレベーター130が設置された建物が存在する地域を特定する情報は、具体的には、当該建物の住所の単位(○○町一丁目など)や、当該建物の所在地の緯度経度情報から、その所在地を中心としたエリア(半径○○m以内など)、あるいは、当該建物の所在地から最寄りの交通機関(地下鉄駅など)を中心としたエリアなどであってもよい。
【0087】
契約期間は、自装置またはエレベーター130の管理者と、広告主と、の間に成立した契約に基づいて定められる。具体的に、契約期間は、たとえば、契約開始日および契約満了日によって定められる。あるいは、契約期間は、契約開始日および契約期間の長さ(「1ヶ月」、「3ヶ月」など)によって定められるものであってもよい。
【0088】
広告対象条件は、広告の表示対象となる条件を示す。広告対象条件は、たとえば、「東京23区内」、「東京都中央区」などのようにエレベーター130が設置されている地域によって設定してもよく、「居住用」、「オフィスビル」などのようにエレベーター130が設置されている建物の用途や規模などによって設定してもよい。広告対象条件は、たとえば、広告主によって指定される。広告対象条件は、設定されていなくてもよい。広告対象条件が設定されていない場合、すべての広告表示装置120を広告の表示対象とすることができる。
【0089】
広告表示装置120が設置されたエレベーター130が設置されている地域や、当該エレベーター130が設置されている建物の用途や規模などは、たとえば、広告管理サーバ110のメモリ412において、エレベーター130ごとに割り当てられた識別IDごとに、あらかじめ記憶されている。広告管理サーバ110のメモリ412は、さらに、エレベーター130ごとに割り当てられた識別IDと、エレベーター130に設置された広告表示装置120の識別IDと、を関連付けて記憶している。これにより、いずれの広告表示装置120にどの広告を表示するかを特定することができる。
【0090】
格納回数は、広告管理サーバ110による管理対象とする広告表示装置120のメモリ402に広告情報が格納された回数を示す。格納回数は、URLごとに計数される。広告管理サーバ110が複数台の広告表示装置120を管理対象とする場合、広告管理データベース510における格納回数は、各広告表示装置120においてURLごとに計数された格納回数の合計数を示す。
【0091】
広告管理サーバ110は、所定のタイミングで広告表示装置120と通信をおこなうことにより、広告表示装置120が記憶するURLごとの格納回数を取得する。具体的に、広告管理サーバ110は、たとえば、「1分ごと」、「5分ごと」、「12時間ごと」のように所定の時間間隔で、広告表示装置120が記憶するURLごとの格納回数を取得する。あるいは、広告管理サーバ110は、たとえば、「毎日0時00分」、「毎正時」などのように、定められた時刻が到来するごとに、広告表示装置120が記憶するURLごとの格納回数を取得してもよい。
【0092】
広告システム100において、URLごとの格納回数の取得に際しては、たとえば、広告管理サーバ110から広告表示装置120に対して、URLごとの格納回数の取得要求を出力し、取得要求に応じて広告表示装置120から出力されるURLごとの格納回数を取得する。あるいは、広告管理サーバ110からの取得要求にかかわらず、所定のタイミングで広告表示装置120から出力されるURLごとの格納回数を取得してもよい。
【0093】
広告管理データベース510が記憶する情報は、たとえば、広告管理サーバ110の管理者などによって、適宜、更新される。具体的に、広告管理サーバ110の管理者などは、たとえば、広告主から渡される広告情報(data1、data2、・・・)を、該当するURLに関連付けることによって、広告管理データベース510が記憶する情報を更新する。また、契約期間が過ぎた広告情報を適宜消去することによって、広告管理データベース510が記憶する情報を更新する。
【0094】
広告管理データベース510は、広告管理サーバ110のメモリ412に設けられているものに限らない。広告管理データベース510は、広告管理サーバ110のメモリ412に代えて、たとえば、広告管理サーバ110と通信可能な外部記憶装置に設けられていてもよい。あるいは、広告管理データベース510は、広告管理サーバ110のメモリ412、および、広告管理サーバ110と通信可能な外部記憶装置に分散して設けられているものであってもよい。
【0095】
(広告管理テーブルの一例)
つぎに、広告管理テーブルの一例について説明する。
図5Bは、広告管理テーブルの一例を示す説明図である。広告管理テーブルは、たとえば、CPU401が、ネットワーク101を介さずに検索することが可能な場所に設けられる。具体的に、広告管理テーブルは、たとえば、広告表示装置120のメモリ402に設けることができる。
【0096】
図5Bに示すように、広告管理テーブル520は、識別ID、URL、ファイル名、契約期間、格納回数のフィールドを有している。広告管理テーブル520においては、各フィールドに情報を設定することによりレコードが構成される。具体的に、1つのレコードは、それぞれ対応する識別IDのフィールド、URLのフィールド、ファイル名のフィールド、契約期間のフィールド、格納回数のフィールドに該当する情報が設定されることによって構成される。
【0097】
広告表示装置120は、定期的、あるいは、あらかじめ定められた所定のタイミングで広告管理サーバ110にアクセスし、広告管理データベース510が記憶するレコードのうち、自装置に該当するレコードを取得して、広告管理テーブル520を更新する。具体的に、広告表示装置120は、たとえば、広告管理サーバ110に対して、自装置に割り当てられた識別IDとともに、広告管理テーブル520の取得要求を出力する。広告管理サーバ110は、広告管理テーブル520の取得要求に応じて、広告管理データベース510から該当するレコードを抽出し、該当する広告表示装置120に対して、抽出したレコードを含む応答を出力する。
【0098】
広告表示装置120は、広告管理データベース510が記憶するレコードのうち、契約期間に該当するレコードのみを取得してもよい。これにより、広告管理テーブル520における契約期間のフィールドが不要になり、メモリ402において広告管理テーブル520が占める記憶容量を抑えることができる。
【0099】
また、広告表示装置120は、広告管理サーバ110や広告主の端末装置140から、広告情報を取得する。そして、広告表示装置120は、広告情報を取得する都度、当該広告情報に対応するURLに関連付けて、格納回数の計数値を1ずつカウントアップする。そして、所定のタイミングで広告管理サーバ110と通信をおこなうことにより、計数したURLごとの格納回数およびURLに関する情報を、広告管理サーバ110に出力する。
【0100】
具体的に、広告表示装置120は、たとえば、広告管理サーバ110から出力された取得要求を受け付けた場合に、計数したURLごとの格納回数、および、当該格納回数の分格納した広告情報のURLに関する情報を、広告管理サーバ110に出力する。あるいは、広告表示装置120は、たとえば、「1分ごと」、「5分ごと」、「12時間ごと」のように所定の時間間隔で、計数したURLごとの格納回数、および、当該格納回数の分格納した広告情報のURLに関する情報を、広告管理サーバ110に出力してもよい。
【0101】
また、あるいは、広告表示装置120は、たとえば、「毎日0時00分」、「毎正時」などのように、定められた時刻が到来するごとに、計数したURLごとの格納回数、および、当該格納回数の分格納した広告情報のURLに関する情報を、広告管理サーバ110に出力してもよい。さらに、広告表示装置120は、たとえば、エレベーター130が節電モードに切り替わる都度、計数したURLごとの格納回数、および、当該格納回数の分格納した広告情報のURLに関する情報を、広告管理サーバ110に出力してもよい。
【0102】
(広告表示装置120の機能的構成)
つぎに、広告表示装置120の機能的構成の一例について説明する。
図6は、広告表示装置120の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図6において、広告表示装置120は、制御部(特定部、格納制御部、算出部)601と、取得部602と、記憶部(記憶領域)603と、撮影部604と、表示制御部605と、出力部606と、表示画面202と、を含む構成となっている。
【0103】
制御部601は、広告表示装置120の全体を制御する。制御部601は、具体的には、たとえば、
図4Aに示したCPU401が、メモリ402などに記憶されたプログラムを実行することによって、その機能を実現することができる。制御部601は、たとえば、表示対象とする広告のURLを特定する。具体的に、制御部601は、広告管理テーブル520を参照して、現在表示している広告(あるいは、現在広告の表示を停止している場合は直前に表示していた広告)に対応するURLの次順位のURLを、表示対象とする広告のURLとして特定する。
【0104】
図5Bに示す広告管理テーブル520の場合、現在表示している広告に対応するURLが「https://www.jes.jp/index/data1」であれば、広告管理テーブル520に含まれる識別IDのうち、当該URLに対応する識別ID「LF1」に含まれる数字「1」のつぎに大きい数字「3」を含む識別ID「LF3」に対応するURL「https://www.jes.jp/index/data3」を、表示対象とする広告のURLとして特定する。
【0105】
取得部602は、制御部601によって特定されたURLに基づいて、表示対象とする広告に関する広告情報を取得する。取得部602は、具体的には、たとえば、
図4Aに示したCPU401や通信I/F404などによってその機能を実現することができる。取得部602は、図示を省略する、広告管理サーバ110や広告主の端末装置140などから、ネットワーク101を介して、広告情報を取得することができる。また、取得部602は、エレベーター130の乗員が備えるスマートフォンなどの情報端末装置から広告情報を取得するようにしてもよい。
【0106】
取得部602は、たとえば、表示中の広告にかかる広告情報の表示終了が近づいた場合に、該当する広告情報を取得する。あるいは、取得部602は、たとえば、1つの広告情報にかかる広告の表示が終了した場合に、該当する広告情報を取得してもよい。あるいは、取得部602は、たとえば、記憶部603における空き記憶容量に応じて、該当する広告情報を取得してもよい。取得部602は、たとえば、プログレッシブダウンロード方式により広告情報を取得してもよく、ストリーミング方式(オンデマンド型)により広告情報を取得してもよい。
【0107】
取得部602は、たとえば、広告管理テーブル520を参照し、現在時刻が契約期間内に含まれる広告にかかる広告情報を取得する。広告管理テーブル520が、契約期間に該当するURLのみを含む場合はこの限りではなく、取得部602は、契約期間に関する判断をおこなうことなく、取得部602が特定したURLに対応する広告情報を取得する。
【0108】
記憶部603は、取得部602によって取得された広告情報を記憶する。記憶部603は、具体的には、たとえば、
図4Aに示したメモリ402などによってその機能を実現することができる。記憶部603は、取得部602によって取得された広告情報をそのまま記憶してもよく、また、一旦、取得部602によって取得された広告情報について、制御部601によって表示用に加工されたものを記憶するようにしてもよい。
【0109】
記憶部603は、同時に多数の広告情報を記憶するのではなく、たとえば、表示対象とする1つの広告情報のみを記憶する。これにより、記憶部603の機能を実現するメモリ402の記憶容量を抑えることができる。あるいは、記憶部603は、表示中の広告にかかる広告情報と、当該広告のつぎに表示対象とする所定数(たとえば、1つ)の広告情報と、を記憶してもよい。これによっても、広告表示装置120が表示対象とするすべての広告を記憶する場合と比較して、記憶部603の機能を実現するメモリ402の記憶容量を抑えることができる。
【0110】
そして、記憶部603は、表示が終了した広告にかかる広告情報を消去する。記憶部603は、たとえば、1つの広告の表示が終了し、つぎの広告の表示が開始された場合に、表示が終了した広告にかかる広告情報を消去する。あるいは、記憶部603は、表示が終了した広告にかかる広告情報を、続いて取得された広告情報に更新(上書き)してもよい。
【0111】
記憶部603は、取得部602によって取得された広告情報を、たとえば、インプレッション単位で記憶する。この場合、記憶部603は、1インプレッション分の広告の表示が終了するまで、当該広告にかかる1インプレッション分の広告情報を記憶し、当該広告の表示の終了にともない、表示が終了した広告にかかる広告情報を消去(更新)する。
【0112】
あるいは、記憶部603は、取得部602によって取得された広告情報を、インプレッション単位で記憶せずに、パケット単位で記憶してもよい。この場合、記憶部603は、記憶している広告情報を、表示に供されたパケット単位で消去(更新)する。
【0113】
撮影部604は、カゴ131内を撮影する。撮影部604は、具体的には、たとえば、
図4Aに示した撮影装置403などによってその機能を実現することができる。撮影部604によって記憶された画像情報は、たとえば、記憶部603に記憶してもよく、通信I/F404を介して広告管理サーバ110に出力してもよい。
【0114】
制御部601は、撮影部604によって撮影された画像情報を解析し(画像認識)、カゴ131内における乗員の有無を判断する。具体的に、制御部601は、たとえば、画像(静止画や動画)から特定の規則や意味を持つ領域を選別して取り出すことによって、人物の特徴を認識して検出するパターン認識技術を用いて、カゴ131内における乗員の有無を判断することができる。
【0115】
表示制御部605は、取得部602によって取得され、記憶部603に記憶された広告情報に基づいて、表示画面202に広告を表示する。表示制御部605は、具体的には、たとえば、
図4Aに示したCPU401が、メモリ402などに記憶されたプログラムを実行することによって、その機能を実現することができる。
【0116】
表示制御部605は、たとえば、記憶部603において、1インプレッション分の広告にかかる広告情報が記憶されている場合、すなわち、表示対象とする広告にかかる広告情報がダウンロードされている場合に、表示画面202での広告の表示(ダウンロード再生)をおこなう。すなわち、表示制御部605は、取得部602による広告情報の取得が完了した後に、広告の表示を開始する。
【0117】
表示制御部605は、たとえば、記憶部603において1パケット以上の広告情報が記憶されている場合に、当該記憶部603における1インプレッション分の広告にかかる広告情報を構成する複数のパケットの取得および記憶と並行して、表示画面202での広告の表示、すなわち、ストリーミング再生をおこなってもよい。すなわち、表示制御部605は、取得部602による1インプレッション分の広告情報の取得が完了する前に、広告の表示を開始する。
【0118】
表示制御部605は、記憶部603に記憶された広告情報を表示画面202に表示するようにしてもよく、また、記憶部603に記憶された広告情報について、制御部601によって加工された後に、表示画面202に表示するようにしてもよい。
【0119】
また、表示制御部605は、制御部601による判断結果すなわち撮影部604によって撮影された画像情報に基づいて、カゴ131内に乗員が存在する場合に表示画面202に広告を表示してもよい。これにより、カゴ131内に乗員が不在の際に広告が表示されることを回避し、乗員に対する広告の確実性の向上を図ることができる。
【0120】
表示制御部605は、広告情報に代えて、あるいは、
図3に示すように、広告情報とともに、メンテナンス予定などのエレベーター130の管理情報を、表示画面202に表示してもよい。管理情報は、たとえば、エレベーター130の管理者などによって適宜広告表示装置120に送信される。管理情報は、当該管理情報を表示画面202に表示する期間(表示開始日時や表示終了日時など)を示す情報を含んでいてもよい。
【0121】
表示制御部605は、広告情報に代えて管理情報を表示画面202に表示してもよく、広告情報とともに管理情報を表示画面202に表示してもよい。広告情報とともに管理情報を表示画面202に表示する場合、1つの表示画面202において、広告情報と管理情報とが同時期に表示される。この場合、具体的には、たとえば、表示画面202を複数の領域に分割し、1つの領域において広告情報を表示し、別の領域において管理情報を表示する。あるいは、広告情報の一部に、管理情報を重ねて表示してもよい。
【0122】
制御部601は、制御部601によって記憶部603に広告情報が格納された数(回数)を算出する。制御部601は、制御部601によって記憶部603に広告情報が格納された数(回数)を、URLごとに計数する。また、制御部601は、URLごとに計数した計数結果に基づいて、URLごとに課金額を算出する。具体的に、制御部601は、たとえば、広告の表示単価に、URLごとの計数結果を乗算することによって、URLごとに課金額を算出する。広告の表示単価は、計数結果にかかわらず一定であってもよく、計数結果が所定数を超えるごとに規定の割引率を乗算してもよい。
【0123】
記憶部603は、制御部601によって算出された、記憶部603に広告情報が格納された数(回数)を記憶する。記憶部603は、制御部601によって記憶部603に広告情報が格納された数(回数)を、URLごとに記憶する。また、記憶部603は、URLごとに算出された課金額を記憶する。記憶部603は、URLごとに算出された課金額を、URLごとに記憶する。
【0124】
出力部606は、制御部601によってURLごとに計数された、記憶部603に広告情報が格納された数に関する情報を出力する。また、出力部606は、URLごとに算出された課金額に関する情報を出力する。出力部606は、記憶部603に広告情報が格納された数に関する情報や、URLごとに算出された課金額に関する情報を、それぞれ該当するURLに関連付けて広告管理サーバ110に出力する。出力部606は、具体的には、たとえば、
図4Aに示したCPU401や通信I/F404などによってその機能を実現することができる。
【0125】
広告管理サーバ110は、複数の広告表示装置120から出力された、当該広告表示装置120における記憶部603に広告情報が格納された数に関する情報や、URLごとに算出された課金額に関する情報を受信する。そして、広告管理サーバ110は、複数の広告表示装置120から受信した情報に基づいて、複数の広告表示装置120の記憶部603にそれぞれ広告情報が格納された数をURLごとに算出する。また、広告管理サーバ110は、複数の広告表示装置120から受信した情報に基づいて、URLごとに課金額を算出する。
【0126】
このように、この実施の形態において、広告管理サーバ110は、この発明にかかる算出部の機能の一部を実現する。これにより、この実施の形態において、広告システム100は、広告管理サーバ110および広告表示装置120によって実現される。
【0127】
広告管理サーバ110は、広告表示装置120における記憶部603に広告情報が格納された数に関する情報をURLごとに出力したり、URLごとに算出された課金額に関する情報をURLごとに出力したりすることができる。具体的に、広告管理サーバ110は、これらの情報を、広告管理サーバ110に接続されたプリンタや表示装置(いずれも図示を省略する)に出力する。
【0128】
広告管理サーバ110は、さらに、いずれの広告表示装置120における記憶部603に広告情報が格納された数であるかを分別して出力してもよい。これにより、広告システム100の管理者は、広告表示装置120ごと、すなわち、エレベーター130ごとの広告の表示回数を正確に把握することができる。そして、これにより、いずれの広告表示装置120、すなわち、どのような立地のエレベーターの広告の表示回数が多いか(あるいは、少ないか)を正確に把握することができる。
【0129】
なお、この実施の形態においては、広告表示装置120を実現するタブレット型端末単体によっても、この発明にかかるエレベーター用広告システムが実現されている。すなわち、各広告表示装置120において、それぞれ、記憶部603に広告情報が格納された数を計数し、URLごとに課金額を算出することによって、広告表示装置120ごと、すなわち、エレベーター130ごとの広告の表示回数を正確に把握することができる。
【0130】
(広告表示装置120の処理手順の一例)
つぎに、広告表示装置120の処理手順の一例について説明する。
図7は、広告表示装置120の処理手順を示すフローチャートである。
図7のフローチャートにおいて、まず、広告情報の取得タイミングになるまで待機する(ステップS701:No)。
【0131】
ステップS701においては、たとえば、1つの広告情報にかかる広告の表示が終了した場合に、あるいは、表示中の広告にかかる広告情報の表示終了が近づいた場合に、広告情報の取得タイミングであると判断する。あるいは、ステップS701においては、たとえば、メモリ402における空き記憶容量に基づき、当該空き記憶容量が、あらかじめ設定した所定閾値以下になった場合に、広告情報の取得タイミングであると判断してもよい。
【0132】
ステップS701において、広告情報の取得タイミングである場合(ステップS701:Yes)、広告管理テーブル520を検索して(ステップS702)、該当するURLを特定する(ステップS703)。ステップS703においては、たとえば、現在表示中の広告にかかる広告情報に関連付けられたURLの次順位のURLを、表示対象とする広告のURLとして特定する。あるいは、現在広告の表示を停止している場合、ステップS703においては、たとえば、直前に表示していた広告にかかる広告情報に関連付けられたURLの次順位のURLを、表示対象とする広告のURLとして特定する。
【0133】
つぎに、ステップS703において特定されたURLに基づいて、広告情報を取得する(ステップS704)。ステップS704においては、ステップS703において特定されたURLに基づき、DNS(Domain Name System)サーバに問い合わせをおこなって該当する広告情報を記憶する記憶装置のIPアドレスを取得し、取得したIPアドレスが割り当てられた記憶装置にアクセスすることによって、該当する広告情報を取得することができる。ステップS704においては、取得した広告情報をインプレッション単位でメモリ402に記憶してもよく、パケット単位でメモリ402に記憶してもよい。
【0134】
つぎに、ステップS703において特定されたURLについて、メモリ402に広告情報が格納された数(回数)を計数し(ステップS705)、課金額を算出する(ステップS706)。そして、ステップS705において計数された数(回数)、および、ステップS706において算出された課金額を、ステップS703において特定されたURLに関連付けてメモリ402に記憶する(ステップS707)。ステップS707においては、先に記憶されている数(回数)や課金額を、最新の数(回数)や課金額に更新して記憶する。
【0135】
つぎに、撮影装置403によって撮影された画像情報に基づいて、カゴ131に乗員が存在するか否かを判断する(ステップS708)。ステップS708において、カゴ131に乗員が存在しない場合(ステップS708:No)、カゴ131に乗員が乗り込むまで待機する。
【0136】
一方、ステップS708において、カゴ131に乗員が存在する場合(ステップS708:Yes)、ステップS704において取得された広告情報に基づいて、表示画面202に広告を表示して(ステップS709)、一連の処理を終了する。ステップS709においては、ダウンロード再生をおこなってもよく、ストリーミング再生をおこなってもよい。メモリ402に記憶された広告情報は、表示が終了したものから適宜消去する。
【0137】
なお、数(回数)の計数や課金額の算出、および、これらの数(回数)や課金額のメモリ402への記憶は、表示画面202における広告の表示後におこなってもよく、表示中におこなってもよい。
【0138】
メモリ402に記憶された数(回数)や課金額に関する情報は、たとえば、広告管理サーバ110から所定のタイミングで出力される取得要求に応じて、適宜広告管理サーバ110に出力され、広告管理サーバ110のメモリ412に設けられた広告管理データベース510に記憶される。あるいは、メモリ402に記憶された数(回数)や課金額に関する情報は、上述したように、広告管理サーバ110からの取得要求にかかわらず、所定のタイミングで広告表示装置120から出力から広告管理サーバ110に出力してもよい。
【0139】
上述した実施の形態においては、この発明にかかる広告管理装置が、広告管理サーバ110によって実現される広告システム100について説明したが、これに限るものではない。たとえば、広告管理サーバ110に代えて、エレベーター130の遠隔監視をおこなう遠隔監視サーバによって、この発明にかかる広告管理装置を実現してもよい。
【0140】
あるいは、広告表示装置120と別体に設けられているコンピュータ装置によって、この発明にかかる広告管理装置を実現してもよい。具体的には、たとえば、遠隔監視サーバおよび制御基板136との間で、それぞれ無線または有線による通信をおこなう通信機能を備え、遠隔監視サーバによるエレベーター130の遠隔監視を中継する監視装置によって、この発明にかかる広告管理装置を実現してもよい。
【0141】
また、この発明にかかるエレベーター用広告システムは、各広告表示装置120単体で実現されるものであってもよい。この場合、たとえば、表示画面202によって出力部606を実現し、広告情報が格納された数に関する情報や、URLごとに算出された課金額に関する情報を、それぞれ該当するURLに関連付けて、表示画面202に表示することによって出力することができる。
【0142】
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態の広告システム100は、表示画面202を備えエレベーター130のカゴ131内で広告を表示する広告表示装置120と、当該広告表示装置120が表示する広告に関する広告情報ごとに設定され当該広告情報の格納位置を示すURLを管理する広告管理サーバ110と、を備えている。そして、広告表示装置120において表示対象とする広告に関する広告情報のURLを特定し、特定されたURLに基づいて、表示対象とする広告に関する広告情報をメモリ402に格納し、格納された広告情報に基づいて、表示画面202に広告を表示させ、かつ、メモリ402に広告情報が格納された数をURLごとに計数するようにしたことを特徴としている。
【0143】
この発明にかかる実施の形態の広告システム100によれば、メモリ402に格納された広告情報の数をURLごとに計数することにより、カゴ131内における広告の表示回数を広告ごとに把握することができる。これにより、広告システム100の管理者は、広告主に対する、広告の表示実績の信頼性を確保することができ、広告主は、実際の広告の表示実績を正確に把握することができる。
【0144】
また、この発明にかかる実施の形態の広告システム100は、URLごとに計数した計数結果に基づいて、URLごとに課金額を算出するようにしたことを特徴としている。
【0145】
この発明にかかる実施の形態の広告システム100によれば、カゴ131内における広告の表示回数に応じて、広告ごとに課金額を算出することにより、広告主は、実際の表示回数に応じた課金額を負担するのみでよく、広告にかかるコストの適正化を図ることができる。
【0146】
また、この発明にかかる実施の形態の広告システム100は、表示画面202に表示させた広告に関する広告情報を、メモリ402から削除することを特徴としている。
【0147】
この発明にかかる実施の形態の広告システム100によれば、表示に供された広告に関する広告情報をメモリ402から削除することにより、同じ広告を次回表示する際には、当該広告に関する広告情報をあらためてメモリ402に格納することとなるため、広告の表示回数を正確に計数することができる。これにより、広告システム100の管理者は、広告主に対する、広告の表示実績の信頼性を確保することができる。
【0148】
また、この発明にかかる実施の形態の広告システム100は、カゴ131内を撮影する撮影装置403を備え、撮影装置403によって撮影された画像情報に基づいて、カゴ131内に乗員が存在する場合に、表示画面202に広告を表示させるようにしたことを特徴としている。
【0149】
この発明にかかる実施の形態の広告システム100によれば、カゴ131内に乗員がいない状態で広告を表示することを回避し、乗員に対する広告の確実性の向上を図ることができる。これにより、広告システム100の管理者は、広告主に対する、広告の表示実績の信頼性を確保することができる。
【0150】
また、この発明にかかる実施の形態の広告システム100は、広告表示装置120が、タブレット型端末であることを特徴としている。
【0151】
この発明にかかる実施の形態の広告システム100によれば、表示画面202や通信I/F404を備えた汎用的なタブレット型端末によって広告表示装置120を実現することにより、エレベーター130の設置後にカゴ131に広告表示装置120を容易に後付けすることができる。
【0152】
また、この発明にかかる実施の形態の広告システム100は、広告管理サーバ110が、広告表示装置120と別体に設けられたコンピュータ装置であることを特徴としている。
【0153】
この発明にかかる実施の形態の広告システム100によれば、広告表示装置120と広告管理サーバ110とを別体とすることにより、カゴ131内には広告の表示に要する最小限の部材を配置するだけでよい。これにより、カゴ131内に大きなスペースを確保することなく、エレベーター130の設置後に、広告システム100を容易に導入することができる。
【0154】
また、広告表示装置120と広告管理サーバ110とを別体とすることにより、既にカゴ131内に設置されている表示画面(エレベーター130の設置時にカゴ131に一体に取り付けられている表示画面など)を利用して、広告システム100を構成することもできる。これにより、エレベーター130の設置後に、広告システム100を容易に導入することができる。
【0155】
この発明にかかるエレベーター用広告システムにおいては、上述したように、エレベーター130および遠隔監視サーバと通信可能な監視装置によって広告管理装置を実現してもよい。これにより、エレベーターの監視装置によって広告管理装置を実現することにより、カゴ内には広告の表示に要する最小限の部材を配置するだけで、カゴ内に大きなスペースを確保することなく、エレベーターの設置後に、エレベーター用広告システムを容易に導入することができる。
【0156】
また、この発明にかかるエレベーター用広告システムにおいては、上述したように、広告管理装置が、広告表示装置120と一体に設けられていてもよい。広告表示装置120と広告管理装置とを一体とすることにより、エレベーター130の設置後に、エレベーター用広告システムを容易に導入することができる。
【0157】
なお、この実施の形態で説明したエレベーター用広告表示方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、CD-ROM、MO、DVD、USBメモリ、SSDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0158】
以上のように、この発明にかかるエレベーター用広告システムおよびエレベーター用広告表示プログラムは、エレベーターのカゴ内で広告を表示するエレベーター用広告システムおよびエレベーター用広告表示プログラムに有用であり、特に、カゴ内で有効に広告を表示するエレベーター用広告システムおよびエレベーター用広告表示プログラムに適している。
【符号の説明】
【0159】
100 広告システム
110 広告管理サーバ
120 広告表示装置
131 カゴ
140 広告主の端末装置
202 表示画面
510 広告管理データベース
520 広告管理テーブル
601 制御部
602 取得部
603 記憶部
604 撮影部
605 表示制御部
606 出力部