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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022016526
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】情報提供システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220114BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20220114BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06T7/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021185419
(22)【出願日】2021-11-15
(62)【分割の表示】P 2018142053の分割
【原出願日】2018-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】514074496
【氏名又は名称】株式会社インキュビット
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】北村 尚紀
(57)【要約】
【課題】特にセキュリティ上のリスクを低減するとともにユーザから得られるデータの有
効活用を行う技術を提供すること。
【解決手段】本発明は、 管理サーバと、当該管理サーバとネットワークを介して接続さ
れた複数の情報取得機器とを含む情報提供システムであって、
前記情報取得機器は:
判定条件情報を含むミッション情報を受信し;
前記判定条件情報に基づいて第1の外界情報を取得し、当該第1の外界情報が判定条
件を満たすか否かを判定し;
前記判定に基づく判定結果情報を生成し;
前記判定結果情報を前記管理サーバに送信する、
情報提供システム。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理サーバと、当該管理サーバとネットワークを介して接続された複数の情報取得機器
とを含む情報提供システムであって、
前記情報取得機器は:
判定条件情報を含むミッション情報を受信し;
前記判定条件情報に基づいて第1の外界情報を取得し、当該第1の外界情報が判定条
件を満たすか否かを判定し;
前記判定に基づく判定結果情報を生成し;
前記判定結果情報を前記管理サーバに送信する、
情報提供システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報提供システムであって、
前記情報取得機器は、前記判定結果情報を所定の送信条件に従って、前記管理サーバに
送信する、
情報提供システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報提供システムであって、
前記情報取得機器は、前記判定結果情報を、所定時間毎に前記管理サーバに送信する、
情報提供システム。
【請求項4】
請求項2又は請求項3のいずれかに記載の情報提供システムであって、
前記情報取得機器は、前記判定結果情報を、送信指示に従って前記管理サーバに送信す
る、
情報提供システム。
【請求項5】
管理サーバと、当該管理サーバとネットワークを介して接続された複数の情報取得機器
とを含む情報提供システムであって、
前記情報取得機器は:
ミッション情報を参照して、判定条件情報及び加工処理情報を生成し;
前記判定条件情報に基づいて第1の外界情報を取得し、当該第1の外界情報が判定条
件を満たすか否かを判定し;
当該第1の外界情報が判定条件を満たす場合に第2の外界情報を取得し、前記加工処
理情報に基づいて当該第2の外界情報を加工して加工情報を生成し;
前記加工情報を前記管理サーバに送信する、
情報提供システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像解析に基づく画像への情報付加をサーバの処理負荷を増やすこと
なく行いつつ、処理に応じた報酬を付与するシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-16187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1と同様に、ユーザが設置したカメラ等から画像データや映像データを受
信し、相当の報酬を当該ユーザに付与するサービスが知られている。かかるサービスは、
例えば、防犯目的や、環境調査等を目的としているものである。
【0005】
具体的には、ユーザが設置したカメラから常に画像(映像)を送り続け、送信した時間
毎に報酬を付与するものや、カメラで取得した画像を枚数毎に報酬を付与するものもある
【0006】
しかしながら、カメラで取得した画像(ローデータ)をリアルタイムでサービス提供業
者に送信した場合、個人情報やセキュリティの観点から漏洩リスク開示リスクが発生する
【0007】
そこで、本発明は、特にプライバシーやセキュリティ上のリスクを低減するとともにユ
ーザから得られる画像の有効活用を行う技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば
管理サーバと、当該管理サーバとネットワークを介して接続された複数の情報取得機器
とを含む情報提供システムであって、
前記情報取得機器は:
判定条件情報及び加工処理情報を含むミッション情報を受信し;
前記判定条件情報に基づいて第1の外界情報を取得し、当該第1の外界情報が判定条
件を満たすか否かを判定し;
当該第1の外界情報が判定条件を満たす場合に第2の外界情報を取得し、前記加工処
理情報に基づいて当該第2の外界情報を加工して加工情報を生成し;
前記加工情報を前記管理サーバに送信する、
情報提供システム
が得られる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、外界情報に含まれる対象物を検出・加工する判定部及び加工部を情報
取得機器側に設けたことにより、所謂ローデータを管理サーバに送信する必要がなく、セ
キュリティや個人情報の漏洩・不要な開示を防ぐことができる。
【0010】
換言すれば、本発明を利用することによって、ユーザはカメラ等の取得部を常時起動し
ながら、必要な情報のみを管理サーバに対して提供することができる。
【0011】
また、本発明によれば、ユーザは自己の端末さえあれば、複数のミッション情報を受信
することにより複数の報酬を得ることが可能となり、本システムに対して積極的な参加を
促すことができる。
【0012】
更に、本発明によれば、ユーザは、自己の許容できる範囲の情報を管理サーバに提供す
ることとできるため、セキュリティを自分の意志でコントロールすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態による情報提供システムの構成図である。
図2図1の管理サーバの機能ブロック図を示す図である。
図3図1の情報取得機器の機能ブロック図を示す図である。
図4】本発明による情報取得機器側の情報処理の流れを説明する図である。
図5】本発明による管理サーバ側の情報処理の流れを説明する図である。
図6】カメラで取得する領域を示す図である。
図7】ユーザのHMDに表示される表示例である。
図8】情報取得機器から管理サーバに送信される情報の種類を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の実施の形態による情報提供シス
テムは、以下のような構成を備える。
[項目1]
管理サーバと、当該管理サーバとネットワークを介して接続された複数の情報取得機器
とを含む情報提供システムであって、
前記情報取得機器は:
判定条件情報を含むミッション情報を受信し;
前記判定条件情報に基づいて第1の外界情報を取得し、当該第1の外界情報が判定条
件を満たすか否かを判定し;
前記判定に基づく判定結果情報を生成し;
前記判定結果情報を前記管理サーバに送信する、
情報提供システム。
[項目2]
項目1に記載の情報提供システムであって、
前記情報取得機器は、前記判定結果情報を所定の送信条件に従って、前記管理サーバに
送信する、
情報提供システム。
[項目3]
請求項2に記載の情報提供システムであって、
前記情報取得機器は、前記判定結果情報を、所定時間毎に前記管理サーバに送信する、
情報提供システム。
[項目4]
請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の情報提供システムであって、
前記情報取得機器は、前記判定結果情報を、送信指示に従って前記管理サーバに送信す
る、
情報提供システム。
[項目5]
管理サーバと、当該管理サーバとネットワークを介して接続された複数の情報取得機器
とを含む情報提供システムであって、
前記情報取得機器は:
ミッション情報を参照して、判定条件情報及び加工処理情報を生成し;
前記判定条件情報に基づいて第1の外界情報を取得し、当該第1の外界情報が判定条
件を満たすか否かを判定し;
当該第1の外界情報が判定条件を満たす場合に第2の外界情報を取得し、前記加工処
理情報に基づいて当該第2の外界情報を加工して加工情報を生成し;
前記加工情報を前記管理サーバに送信する、
情報提供システム。
【0015】
(第1の実施の形態)
<構成>
図1は、本実施の形態による情報提供システムを構成する要素を示す概略図である。な
お、図の構成は一例であり、これら以外の要素が含まれていてもよい。
【0016】
本発明による情報提供システムは、管理サーバ1と、複数のユーザP1(情報取得機器
2:図示せず)と、複数の企業(企業端末:図示せず)とを有している。これらは、ネッ
トワークを介して、管理サーバ1を起点に互いに通信可能に接続されている。
【0017】
本実施の形態による情報提供システムは、管理サーバ1を介して企業端末から送信され
たミッション情報を情報取得機器2が受信し、当該情報取得機器2の取得部(GPS、カ
メラ、マイク等の入力部)で得た情報の中から所定の条件を満たす情報のみを切り出し(
又は加工して)管理サーバ1に送信し、報酬を得るものである。
【0018】
<ハードウェア構成>
情報提供システムのハードウェア構成について、図2及び図3を参照して説明する。本
実施の形態による管理サーバ1及び情報取得機器2は、次のようなハードウェア構成を有
している。なお、以下の構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。また同
等の機能を有する他の手段を適宜採用することも可能である。
【0019】
<管理サーバ1>
管理サーバ1は、情報取得機器2と企業端末と通信を介して情報処理を実行することに
より、情報提供システムの一部を構成する。管理サーバ1は、情報提供システム全体の処
理に関する機能を有している。
【0020】
図2は、管理サーバ1の機能ブロック図の例を示す図である。なお、図示される構成は
一例であり、これら以外の機能が付加されていてもよい。
【0021】
管理サーバ1は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コ
ンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現
されてもよい。
【0022】
管理サーバ1は、少なくとも、プロセッサ10、メモリ11、ストレージ12、送受信
部13、入出力部14等を備え、これらはバス15を通じて相互に電気的に接続される。
【0023】
プロセッサ10は、管理サーバ1全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受
信の制御、及びアプリケーションの実行に必要な情報処理等を行う演算装置である。例え
ばプロセッサ10はCPU(Central Processing Unit)であり
、ストレージ12に格納されメモリ11に展開されたプログラム等を実行して各情報処理
を実施する。
【0024】
メモリ11は、DRAM(Dynamic Random Access Memor
y)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD(Hard
Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ
11は、プロセッサ10のワークエリア等として使用され、また、管理サーバ1の起動時
に実行されるBIOS(Basic Input / Output System)、
及び各種設定情報等を格納する。
【0025】
ストレージ12は、アプリケーション・プログラム等の各種プログラムを格納する。各
処理に用いられるデータを格納したデータベースがストレージ22に構築されていてもよ
い。
【0026】
送受信部13は、管理サーバ1をネットワークに接続する。なお、送受信部13は、B
luetooth(登録商標)及びBLE(Bluetooth Low Energy
)の近距離通信インタフェースを備えていてもよい。送受信部は、企業端末より依頼を受
けて、生成されたミッション情報を情報取得機器に送信する。
【0027】
入出力部14は、キーボード・マウス類等の情報入力機器、及びディスプレイ等の出力
機器である。
【0028】
バス15は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号及び各
種制御信号を伝達する。
【0029】
<情報取得機器2>
【0030】
情報取得機器2は、管理サーバ1と通信を介して情報処理を実行することにより、情報
提供システムの一部を構成する。
【0031】
図3は、情報取得機器2の機能ブロック図の例を示す図である。なお、図示される構成
は一例であり、これら以外の機能が付加されていてもよい。
【0032】
情報取得機器2は、例えば映像、画像、音、温度等、何らかのセンサデバイスで取得可
能な外界の情報である。映像や画像の取得を目的として一例としては、カメラ付きのスマ
ートフォンやタブレット端末等の携帯通信機器、ARゴーグル等や単なるカメラ機器等が
挙げられる。また、が挙げられるが、パーソナルコンピュータのような汎用コンピュータ
であってもよい。
【0033】
図示されるように、情報取得機器2は、少なくとも、プロセッサ20、メモリ21、ス
トレージ22、送受信部23、入出力部24等を備え、これらはバス25を通じて相互に
電気的に接続される。これらの機能は上述した管理サーバ1のものと同様であるため、こ
こでは詳細な説明は省略する。
【0034】
本実施の形態による情報取得機器2は、所謂監視カメラのように、所定の場所に設置さ
れたカメラである。
【0035】
上述した入出力部24は、少なくとも、入力部としてカメラ部242を備えている。
【0036】
カメラ部は、通常の固定カメラとしてもよいし、回動することによりその視界方位を可
変とするものであつてもよい。また、自己の位置を移動させることのできるものであって
もよい。
【0037】
図4に示されるように、本実施の形態による情報取得機器2は、機能ブロックとして、
受信部及び送信部の他に、判定部、加工部及び取得部を有している。これらの機能につい
ては後述する。
<データ>
図4に示されるように、本実施の形態によるミッション情報は、少なくとも判定条件情
報を有しており、このほかに、加工処理情報及び報酬情報を含んでいてもよい。なお、ミ
ッション情報全体や、判定条件情報、加工処理情報又は報酬情報の少なくともいずれかは
、管理サーバ1が生成してもよいし、情報取得機器側に一部又は全部を生成させることと
してもよい。
【0038】
判定条件情報は、情報取得機器2の取得部によって取得された情報(位置情報、カメラ
による画像・映像、時刻、温度、気圧、操作状況、その他情報取得機器の備えるセンサ群
で直接又は間接的に取得された情報)が所定の判定条件を満たすか否かを判定(認識)す
るために必要な情報(機能パッケージ)が含まれている。取得する情報は複数でもその組
み合わせであってもよい。
【0039】
加工処理情報は、上述した判定条件を満たした場合に取得部から得られる情報を加工す
るための情報(機能パッケージ)である。
【0040】
上述した判定条件情報及び加工処理情報は、例えば、カメラ部等で取得した画像(映像
)から対象物を抽出するためのロジックが含まれている。当該ロジックは例えば、画像認
識モデルや、(対象が音声の場合には)音声認識モデル等、対象物の抽出に必要な種々の
技術を採用することができる。
【0041】
例えば、道路のわきに設けられた固定カメラに対して「カメラで取得された情報から特
定の情報を抽出する、というものでもよい。この場合、道路上を走る車の有無の他、車の
車種、ナンバープレート、状態等の車の情報であってもよい。
【0042】
例えば、「街中に落ちている空き缶の放置場所情報」という趣旨のミッション情報の場
合、判定条件情報はカメラ部(取得部)に常時映像を取得させ当該映像の中に空き缶があ
るか否かを判定(認識)させるための情報であり、加工処理情報は、空き缶が落ちていた
ことを判定した際の情報取得機器の位置情報を取得させるための指示情報である。
【0043】
また「街中に放置されている車両のナンバープレートの情報」という趣旨のミッション
情報の場合、判定条件情報はカメラ部(取得部)に常時映像を取得させ当該映像の中に放
置車両があるか否かを判定させるための情報であり、加工処理情報は、放置車両からナン
バープレートを切り出すための情報や、ナンバープレートの文字を認識してテキスト情報
として抽出するための情報である。
【0044】
本実施の形態においては、判定条件情報のみを利用して、特定の状態にあるか否かを判
定し、当該判定の結果を判定結果情報としてサーバに送信することとしてもよい。すなわ
ち、加工情報を利用せずに、情報取得機器で取得した情報そのものやその一部を管理サー
バへ送信することとしてもよい。
【0045】
<処理の流れ>
続いて、図1図4及び図5を参照して、本実施の形態による情報提供システムの処理
の流れを説明する。図1に示されるように、本実施の形態による管理サーバ1は、複数の
情報取得機器2、2’と接続される。なお、図1は概略図であり、管理サーバ1は、1台
である必要はなく、また、各機能がクラウド経由で複数の端末に分散されていてもよい。
【0046】
本実施の形態においては、図示しない情報被提供者(その情報を望む企業など)は、管
理サーバ1に対して、依頼を行う。依頼は、例えば、「ある道路の交通量を調べたい」「
あるエリアの通行量と通行者の属性」「街中に放置されている空き缶の情報を知りたい」
、「違法駐車の情報を集めたい」、「コンビニエンスストアに入ったユーザの購入商品を
知りたい」等、例えば、主にカメラ部を利用して得られるユーザの視覚情報に関するもの
である。
【0047】
この際、企業側は、知りたい情報や集めたい情報に報酬を設定することとしてもよい。
例えば、「空き缶を一つ見つけたら0.1円」、「放置車両を1台見つけたら0.7円」
、「コンビニエンスストアにおいて購入した商品情報を提供してくれたら8円」などであ
る。報酬の設定の仕方は、個数・台数毎に設定したり、まとまった数によって設定したり
、探していた時間に応じて設定することとしてもよい。
【0048】
管理サーバ1は、当該依頼を上述したミッション情報として情報取得機器に送信し、情
報取得機器に所定の処理をさせる。ミッション情報としては、例えば、「空き缶/0.1
円」や「放置車両/0.7円」、「コンビニ内での視野情報/8円」という項目を含む。
【0049】
情報取得機器として、ユーザP1乃至ユーザPnがそれぞれ有するHMDを考えた場合
、各HMDに搭載されたカメラ部は、視界V1乃至視界Vnの情報を取得することが可能
である。
【0050】
この場合、ミッション情報を受信したユーザは、当該ミッション情報により特定される
ミッションに参加するか否かを選択することができる。ユーザがミッションに参加すると
参加情報が管理サーバ1に送信され、参加してミッションの識別情報と当該ユーザ(情報
取得機器)の識別情報とが対応付けられて管理される。
【0051】
<情報取得機器2側の処理>
より詳しくは、図4に示されるように、情報取得機器2の受信部は、管理サーバ1から
送信されたミッション情報を受信する。なお、この時、ミッション情報のうち、判定条件
情報又は加工処理情報のみをミッション情報として受信することとしてもよい。
【0052】
当該ミッション情報は、制御部に入力される。以下、上述した「ある道路の交通量と車
の属性」及び「あるエリアの通行量と通行者の属性」に関するミッション情報を受信した
場合に行われる夫々の処理を説明する。
【0053】
これらのミッション情報を受信した場合、判定部は、判定条件情報に基づいてカメラ部
の機能を有効にし常時映像を取得させるとともに、映像の中に車や通行者がいるか否かを
画像認識技術によって判定する。この際、車の車種に関する情報や、通行人の属性に関す
る情報を判定結果情報として更に取得することとしてもよい。カメラは共通のカメラを利
用してもよいし、異なるものを要してもよい。加工部は、判定結果に基づいてGPSから
位置情報を取得することとしてもよい。当該位置情報は加工情報として送信部に出力され
、管理サーバ1へ送信される。
【0054】
加工部は、更に、上述した機能の他に、取得した映像の中の車のナンバーのみをトリミ
ングしたり、ナンバー以外の部分にモザイクをかけたり、画像内から空き缶の個数のみを
抽出して数値データ(他の形式)に変換したり、空き缶の銘柄を抽出する処理を行うこと
としてもよい。また、時刻情報等、情報取得機器により得られる他の情報と共に送信する
こととしてもよい。
【0055】
なお、必要に応じて、取得部で取得したローデータを何らの加工もせずに送信部に出力
することとしてもよい。
【0056】
続いて、「街中に放置されている車両のナンバープレートの情報」を受信した場合、判
定部は、判定条件情報に基づいてカメラ部の機能を有効にし常時映像を取得させるととも
に、映像の中に停止している車両があるか否かを画像認識技術によって判定する。加工部
は、映像の中からナンバープレートの部分のみを抽出する。抽出された情報は送信部に出
力され、加工情報として管理サーバ1へ送信される。
【0057】
加工部は、更に、上述した機能の他に、画像のうちナンバープレートの部分のみをトリ
ミングしたり、ナンバープレート以外の部分にモザイクをかけたり、画像内からナンバー
プレートのテキストのみを抽出してテキストデータに変換したり、車両の車種の情報等も
抽出することとしてもよい。更にこれらの情報に加えて、GPSから位置情報を取得する
こととしてもよい。
【0058】
本実施の形態における画像認識モデルは、処理対象となる画像当該モデルに入力する。
次に、入力された画像から、認識対象となる領域を抽出する。例えば、認識対象となるの
が、対象情報に関する物(人)である場合、供給された画像から、それらと判断される領
域が抽出される。1つの画像から複数の領域が抽出されてもよい。
【0059】
その後、抽出された領域(その領域の画像)内から、特徴量を抽出する。抽出された特
徴量は、認識処理によってその内容が特定される。
【0060】
認識処理(画像認識モデル)としては、例えば、HMM(Hidden Markov
Model)やSVM(Support Vector Machine)など、認識
対象に適した方式が用いられる。そして、その用いられる方式に適した特徴量が抽出され
、パラメータが保持される。
【0061】
<管理サーバ側1の処理>
図5に示されるように、情報取得機器2から送信されたデータは、管理サーバ1の受信
部で受信される。受信されたデータは、制御部に入力され報酬計算部において報酬が計算
される。
【0062】
報酬の計算は評価条件に従って行われる。評価条件は、様々な観点で行われる。例えば
、情報取得機器から送信された情報がミッション情報によって提供対象となる情報ではな
い場合には0となる(すなわち、情報取得機器側における処理ミス等が発生していた場合
や、不正操作がされていた場合等)。また、対象情報を満たす情報であっても、既に同一
のものを送信している他のユーザがいた場合には、当該情報にデータとしての新しさはな
いことから低い報酬となる。
【0063】
このように、評価条件は、対象情報としての適格性、データの有用性の観点から定義さ
れる。なお、評価の観点はこれ以外にあってもよい。
【0064】
報酬計算部は、上記評価条件に基づいて当該ユーザに付与すべき報酬を補正し確定する
。報酬の補正は、基準金額に応じた係数を乗じたり、定数を増減させたりする方法が挙げ
られるがこれに限られない。
【0065】
確定した報酬は、情報取得機器2に通知される。
【0066】
<実施例>
図6は、道路わきのカメラで取得可能な外界情報である。例えば、管理サーバ側に対し
ては、映像中の車の車種(RV/セダン等)や車名を判定結果情報として、実際の映像に
重畳して(図示のごとく)送信することとしてもよい。
【0067】
図7においては、路上に停止された車を放置車両として認識し、当該車のナンバープレ
ートにカーソルが表示されている。この場合、当該ナンバープレートの情報が管理サーバ
1に送信される。
【0068】
同様に、図7においては、道路に捨てられた空き缶を認識し、当該空き缶にカーソルが
表示されている。この場合、当該空き缶が道路上にあったという情報が管理サーバ1に送
信される。
【0069】
上述したローデータ、判定結果情報、加工情報の送信は、逐次行うこととしてもよいし
、ある程度のデータがまとまってから行うこととしてもよい。
【0070】
上述したように、管理サーバ1は、情報取得機器から送信された分析結果に応じて、設
定された報酬をユーザ(情報取得機器)に付与する。
【0071】
図7は、情報取得機器2から管理サーバ1に送信される情報の種類を説明するイメージ
図である。上述したように、カメラ部で取得された情報の全てが管理サーバ1に送信され
るわけではない。換言すれば、管理サーバ1には、外界情報のうち、ミッション情報に含
まれる検知対象物に関する情報のみが抽出されて送信されることとなる。
【0072】
情報取得機器から管理サーバ1に送信される情報は例えば、次の3パターンが考えられ
る。空き缶のような場合には、その検知対象物の「有無」のみの情報が管理サーバ1に送
信される(1)。また、放置車両の場合にはナンバープレートの部分のみの画像データが
管理サーバ1に送信される場合(2)、ナンバープレートから文字情報を更に分析し(即
ち、(2)の情報を加工して)管理サーバ1に送信される場合等がある(3)。また他の
センサ群から得られた情報を付加して送信することとしてもよい(4)。
【0073】
このように、本実施の形態においては、情報取得機器のカメラ部で取得された情報のう
ち、ミッション情報に必要な部分だけが抽出された管理サーバ1に送信されることとして
いるため、データの軽量化を行うことに加えて次のような効果を得ることができる。
【0074】
即ち、本実施の形態によれば、所謂ローデータを管理サーバに送信する必要がないため
、セキュリティや個人情報の漏洩・不要な開示を防ぐことができる。
【0075】
また、本発明を利用することによって、ユーザはカメラ部を常時起動しながら、必要な
情報のみを管理サーバに対して提供することができる。即ち検知対象物をカメラ部で撮る
とき(放置車両を見つけた場合や、空き缶を見つけた場合等)のみカメラ部を起動すると
いった手間を省くことができる。
【0076】
また、複数のミッション情報を受信することにより複数の報酬を得ることが可能となり
、本システムに対して積極的な参加を促すことができる。この結果、ミッション情報に関
する依頼をおこなった企業への情報提供の効率化を図ることができる。
【0077】
なお、報酬情報は、情報取得機器から受け取る情報の量・内容に応じて変動させること
としてもよい。また、ユーザ側が管理サーバ1に対して送信される情報の量・内容をコン
トロールすることとしてもよい。
【0078】
以上説明した本実施の形態において、情報取得機器2は、所定の送信条件に従って、判
定結果情報や加工情報を管理サーバ1に送信してもよいし、所定時間毎に送信してもよい
し、送信指示に従って送信することとしてもよい。
【0079】
上述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定
して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良
することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0080】
図7に示されるように、本発明は、HMDのみならず、例えば、カメラ部を備えた無人
飛行体(ドローン等)、自動運転機能を有する自動車等にも適用することが可能である。
この場合、ミッション情報の検知対象物を分析する分析部を無人飛行体や自動車側に設け
ることとすればよい。
【0081】
また、上述したミッション情報は、例示したものに限られず、例えば、特定の人物や物
・現象等に関する情報の提供や、ユーザの自宅内に関する情報を対象としたものであって
もよい。
【0082】
なお、本発明による情報提供システムは、以下の構成をも備える。
【0083】
[構成1]
管理サーバと、当該管理サーバとネットワークを介して接続された複数の情報取得機器
とを含む情報提供システムであって、
前記情報取得機器は:
判定条件情報及び加工処理情報を含むミッション情報を受信し;
前記判定条件情報に基づいて第1の外界情報を取得し、当該第1の外界情報が判定条
件を満たすか否かを判定し;
当該第1の外界情報が判定条件を満たす場合に第2の外界情報を取得し、前記加工処
理情報に基づいて当該第2の外界情報を加工して加工情報を生成し;
前記加工情報を前記管理サーバに送信する、
情報提供システム。
【0084】
[構成2]
構成1に記載の情報提供システムであって、
前記情報取得機器は、前記加工情報を、その蓄積状況に応じて前記管理サーバに送信す
る、
情報提供システム。
【0085】
[構成3]
構成1又は構成2に記載の情報提供システムであって、
前記管理サーバは、前記ミッション情報を管理するミッション情報管理サーバと、前記
加工情報を受信する加工情報管理サーバとを含んでおり、
前記情報取得機器は:
前記ミッション情報を前記ミッション情報管理サーバから受信し;
前記加工情報を前記加工情報管理サーバに送信する、
情報提供システム。
【0086】
[構成4]
構成1乃至構成3のいずれかに記載の情報提供システムであって、
前記第1の外界情報の取得手段と、前記第2の外界情報の取得手段とは異なる、
情報提供システム。
【0087】
[構成5]
構成1乃至構成4のいずれかに記載の情報提供システムであって、
前記第2の外界情報は、前記第1の外界情報と同一の取得手段によって得られる、
情報提供システム。
【0088】
[構成6]
構成1乃至構成5のいずれかに記載の情報提供システムであって、
前記情報取得機器は、収音部を備えており、
前記第1の外界情報又は前記第2の外界情報の少なくともいずれかは当該収音部により
取得される音声情報である、
情報提供システム。
【0089】
[構成7]
構成1乃至構成6のいずれかに記載の情報提供システムであって、
前記管理サーバは、前記加工情報に応じて、前記ミッション情報に関連付けられた報酬
をユーザに付与する、
情報提供システム。
【0090】
[構成8]
構成1乃至構成7のいずれかに記載の情報提供システムであって、
前記管理サーバは、前記情報取得機器から取得した前記加工情報を評価条件に従って評
価し、
前記報酬は、前記評価に基づいて算定される、
情報提供システム。
【0091】
[構成9]
構成8に記載の情報提供システムであって、
前記加工処理情報の内容は、前記情報取得機器からの指定によって所定の範囲で変更可
能であり、
前記管理サーバは、前記指定に応じて前記報酬を補正する、
情報提供システム。
【0092】
[構成10]
管理サーバと、当該管理サーバとネットワークを介して接続された複数の情報取得機器
とを含む情報提供システムであって、
前記情報取得機器は:
判定条件情報を含むミッション情報を受信し;
前記判定条件情報に基づいて第1の外界情報を取得し、当該第1の外界情報が判定条
件を満たすか否かを判定し;
当該第1の外界情報における前記判定条件を満たす対象物の有無に関する情報を生成
し;
生成した前記情報を前記管理サーバに送信する、
情報提供システム。
【0093】
[構成11]
管理サーバと、当該管理サーバとネットワークを介して接続された複数の情報取得機器
とを含む情報提供システムであって、
前記情報取得機器は:
判定条件情報を含むミッション情報を受信し;
前記判定条件情報に基づいて第1の外界情報を取得し、当該第1の外界情報が判定条
件を満たすか否かを判定し;
当該第1の外界情報が判定条件を満たす場合に第2の外界情報を取得し;
前記第2の外界情報を前記管理サーバに送信する、
情報提供システム。
【0094】
[構成12]
管理サーバと、当該管理サーバとネットワークを介して接続された複数の情報取得機器
とを含む情報提供システムであって、
前記情報取得機器は:
判定条件情報を含むミッション情報を受信し;
前記判定条件情報に基づいて第1の外界情報を取得し、当該第1の外界情報が判定条
件を満たすか否かを判定し;
前記判定に基づく判定結果情報を生成し;
前記判定結果情報を前記管理サーバに送信する、
情報提供システム。
【符号の説明】
【0095】
1 管理サーバ
2、2’ 情報取得機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8