(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167704
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】銃口装着部品および玩具銃
(51)【国際特許分類】
F41A 21/32 20060101AFI20221027BHJP
F41A 21/30 20060101ALI20221027BHJP
A63H 33/18 20060101ALI20221027BHJP
A63H 5/04 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
F41A21/32
F41A21/30
A63H33/18 A
A63H5/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021073683
(22)【出願日】2021-04-23
(71)【出願人】
【識別番号】592153584
【氏名又は名称】株式会社東京マルイ
(74)【代理人】
【識別番号】100134430
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 卓士
(72)【発明者】
【氏名】岩澤 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】岩澤 茂
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150CA13
2C150EH09
2C150EH16
(57)【要約】
【課題】着脱容易性と組付け精度の両立を図る銃口装着部品および玩具銃を提供すること。
【解決手段】銃口装着部品の銃口部に対する着脱容易性と組付け精度の両立を図るため、銃本体側銃口部と接する第1筒状部品と、筒状第1部品に対してスライド可能で、本体側銃口をロック機構によって嵌め込むことのできる第2筒状部品と、第2筒状部品をロック機構に噛み合うように付勢するばねと、を備えた銃口装着部品および、その銃口装着部品を備えた玩具銃。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
銃本体側銃口部と接する第1筒状部品と、
前記第1筒状部品に対してスライド可能で、前記本体側銃口部をロック機構によって嵌め込むことのできる第2筒状部品と、
前記第2筒状部品を前記ロック機構に噛み合うように付勢するばねと、
を備えた銃口装着部品。
【請求項2】
前記第1筒状部品の内周面が、前記銃口部の外周面と接することにより位置決めが行われる請求項1に記載の銃口装着部品。
【請求項3】
前記第1筒状部品が、機能部品と螺合するネジ部とを備えた請求項1または2に記載の銃口装着部品。
【請求項4】
前記第1筒状部品と前記第2筒状部品の間に前記ばねが取り付けられた請求項1から3のいずれか1項に記載の銃口装着部品。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の銃口装着部品を備えた玩具銃。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銃口装着部品および玩具銃に関する。
【背景技術】
【0002】
上記技術分野において、特許文献1には、銃アクセサリを銃本体に接続する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献に記載の技術では、着脱容易性と組付け精度の両立を図ることができなかった。
【0005】
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明にかかる銃口装着部品は、
銃本体側銃口部と接する第1筒状部品と、
前記第1筒状部品に対してスライド可能で、前記本体側銃口部をロック機構によって嵌め込むことのできる第2筒状部品と、
前記第2筒状部品を前記ロック機構に噛み合うように付勢するばねと、
を備えた。
上記目的を達成するため、本発明にかかる玩具銃は、
上記銃口装着部品を備えた。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、銃口装着部品の着脱容易性と組付け精度の両立を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る玩具銃の銃口およびその装着部品の構成を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係る玩具銃の銃口およびその装着部品の構成を説明する図である。
【
図3】第1実施形態に係る玩具銃の銃口およびその装着部品の構成を説明する図である。
【
図4】第1実施形態に係る玩具銃の銃口およびその装着部品の構成を説明する図である。
【
図5】第1実施形態に係る玩具銃の銃口およびその装着部品の構成を説明する図である。
【
図6】第1実施形態に係る玩具銃の銃口およびその装着部品の構成を説明する図である。
【
図7】第1実施形態に係る玩具銃の銃口およびその装着部品の構成を説明する図である。
【
図8】第1実施形態に係る玩具銃の銃口およびその装着部品の変形例の構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0010】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての銃口装着部品(muzzle device)100について、
図1から
図8を用いて説明する。
図1は、銃口部150と銃口装着部品100の概要を示す概略斜視図である。銃口装着部品100は、銃口部150に取り付けられる部品であれば、どのような部品でもよい。例えば、消音機能を有するサプレッサ(Suppressor)や、実銃において火花を隠す機能を有するフラッシュハイダ(Flach Hider)や、実銃において反動減少機能を有するマズルブレーキ(Muzzle Brake)や、蓄光BB弾を光らせる機能を有するフルオートトレーサ(Fullauto Tracer)などが含まれる。
【0011】
銃口部150の先端部分152は、薄肉円筒形状となっている。銃口部150の先端部分152から所定距離だけ離れた位置には、銃口装着部品100をワンタッチ(押し込んで60度回転)で装着できるスリーラグ(three lugまたはtri lug)規格に基づいた3つの凸部151が外周面に設けられている。しかし本発明は、スリーラグ規格に限定されるものではなく、押し込んで取り付ける機構であれば、ツーラグ(two lug)またはフォーラグ(four lug)または他の規格のアダプタ形状でもよい。
【0012】
図2は、銃口部150と銃口装着部品100の詳細構成を示す外観図である。銃口装着部品100は、例えば消音機能を有する機能部品202と、アダプタ部品201とが螺合されて構成されている。また、本実施形態の銃口部150は、照準を合わせるためのブレード(不図示)を備えたフロントサイト251と一体に構成されている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。つまり、銃口部150は、フロントサイト251と別体として設けられてもよいし、アウターバレルと一体に設けられてもよい。
【0013】
アダプタ部品201に銃口部150を挿入して押し込んだ状態210では、アダプタ部品201の外周部が機能部品202から離間して銃口部150側に当接する。この状態でアダプタ部品201の外周部を所定角度(ここでは60度)回転させてからリリースすると、アダプタ部品201が機能部品202側に戻り、銃口装着部品100が銃口部150にしっかりと固定された状態220となる。
【0014】
図3は、銃口部150と銃口装着部品100の内部構成を示す断面図である。銃口装着部品100のアダプタ部品201は、筒状部品301、302および付勢部材としてのばね303を備える。
筒状部品302は、銃口部150と接して、機能部品202の位置決めに寄与する。筒状部品301は、筒状部品302に対してスライド可能で、銃口部150をロック機構によって嵌め込むことができる。ばね303は、ロック機構の凸部151と筒状部品301が噛み合った状態で固定するよう、筒状部品302を、筒状部品301方向に付勢する。
【0015】
筒状部品302の前方(発射方向)には、機能部品202と螺合するためのねじ321が設けられている。なお、ここでは、機能部品202が筒状部品302に螺合されている構成について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、機能部品202が筒状部品302に接着されたり、ピン留されたりしていてもよい。また機能部品202と筒状部品302とが一体形成されていてもよい。
【0016】
筒状部品301は、アダプタ部品の201の外周部を構成し、筒状部品302およびばね303を収容する収容部材311と、収容部材311の前方側(発射方向側)の開口を封止する封止部材312と、封止部材312を収容部材311に固定するねじ313とを備えている。
【0017】
筒状部品302は、前後方向(銃口の軸に沿った方向)にスライド自在になるように筒状部品301の内部に収容されている。
【0018】
筒状部品302は、ばね303の射手側端部に当接しており、ばね303により後方(射手方向)に向けて付勢されている。これにより、筒状部品302のねじ321とは逆側の端面322は、収容部材311の内部に設けられた当接面314に当接している。
【0019】
図4は、筒状部品301の後方側開口315に銃口部150を挿入し、さらに筒状部品301を機能部品202から離間するように後方(射手方向)に向けて付勢した状態を示す銃口側からの正面
図401およびA-A断面
図402である。筒状部品301をばね303の付勢力に抗して射手側(銃本体側)へ付勢することにより端面322は当接面314から離間する。筒状部品302の内面には、筒状弾性部421が取り付けられており、そのため、銃口部150の先端部152を傷つけることなく筒状部品302の内部に挿入できる。
【0020】
図5は、
図4の状態から、さらに筒状部品301を、銃口部150側に付勢したまま銃口側から見て反時計回りに60度回転させた状態を示す銃口側からの正面
図501およびA-A断面
図502である。60度回転することにより、凸部151よりも後方側(射手側)の位置に、筒状部品301に設けられた爪516が対向するようになる。
【0021】
図6は、
図5の状態で筒状部品301から手を離した場合に、ばね303の弾性力により筒状部品301が、前方側(発射方向)に移動して、機能部品202に当接した状態を示す銃口側からの正面
図601およびA-A断面
図602である。
【0022】
爪516が、凸部151に当接することにより、銃口装着部品100が銃口部150にしっかりと固定される。
【0023】
また、このとき、銃口部150の先端部152の外周面が、筒状部品302の内周面621によって、しっかりと保持され、位置決めされる。一方。銃口部150の凸部151の外周面も、筒状部品302の内周面622によって、しっかりと保持され、位置決めされる。
【0024】
結果的に、銃口部150に対して、筒状部品302は、寸法公差の累積を回避して、非常に正確に位置決めされ、結果的に、筒状部品302のねじ321に螺合された機能部品202も、銃口部150に対して、ぐらつきなく正確に取り付けられ、芯出しができる。
【0025】
図7は、
図2のB-B断面図の変化を示す図である。筒状部品301が回転することにより、銃口部の凸部151に対向する構成が、切り欠き701から爪516に変わることがわかる。つまり、銃口部150を、銃口装着部品100に挿入する際には、3つの切り欠き701に3つの凸部151を挿入し、その後、アダプタ部品201を銃口部150側に押し込んで回せば、3つの凸部151に3つの爪部516が対向するように係止する。
筒状部品301は、内周面から軸方向に向けて延設された3本の行止部702を備えている。行止部702に凸部151が当接することにより、筒状部品301の回転(装着時は反時計回り、離脱時は時計回り)を一定範囲に制限することができる。回転時に行き過ぎて着脱操作が不確実になることを防止できる。行止部702は必須の構成ではなく、
図8に示すように、行止部702を形成しない構成でもよい。その場合、装着時、離脱時には、どちらの方向に回転させてもよいという効果がある。
【0026】
そのため、銃口装着部品100を簡易に着脱可能という機能性は維持しつつも、銃口装着部品100をガタツキなく銃口部150に装着でき、機能部品202を装着しても銃口部150から発射されたBB弾の発射精度を高く維持することが可能となる。さらに発射精度を向上させることで内部の機構に弾が当たって機能部品やBB弾が破損することを防止できる。
【0027】
[他の実施形態]
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の技術的範囲で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0028】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用されてもよいし、単体の装置に適用されてもよい。