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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168378
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/445 20180101AFI20221031BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20221031BHJP
   G06F 21/44 20130101ALI20221031BHJP
【FI】
G06F9/445
G06F13/00 500A
G06F21/44
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021073772
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】嶋崎 由恵
【テーマコード(参考)】
5B084
5B376
【Fターム(参考)】
5B084AA01
5B084AA12
5B084AB36
5B084AB38
5B084BA09
5B084BB03
5B084DA12
5B084DB08
5B084DC02
5B084DC03
5B376AA02
5B376AA22
5B376AA38
(57)【要約】
【課題】利便性および操作性の向上を図る。
【解決手段】情報処理装置1は、制御部1aと記憶部1bを備える。情報処理装置1がサーバ装置2に接続することで、装置間で通信が行われる。情報処理装置1に、サーバ装置2に接続するための接続情報が格納された外部媒体m1が設置される。制御部1aは、情報処理装置1の電源起動時に、接続情報を外部媒体m1から読み出して、読み出した接続情報を記憶部1bに保存する。制御部1aは、記憶部1bから接続情報を読み出し、読み出した接続情報にもとづいてサーバ装置2に接続する。制御部1aは、サーバ装置2から送信される設定ファイルを受信する。制御部1aは、設定ファイルに記載の機能のパラメータの設定を自装置に対して実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と、
サーバ装置に接続するための接続情報が格納された外部媒体が設置された場合、電源起動時に前記接続情報を前記外部媒体から読み出して、読み出した前記接続情報を前記記憶部に保存し、前記記憶部から読み出した前記接続情報にもとづいて前記サーバ装置に接続し、前記サーバ装置から送信される設定ファイルを受信して、前記設定ファイルに記載の機能のパラメータの設定を自装置に対して実行する制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記記憶部は、BIOS(Basic Input Output System)のプログラムが格納されているBIOS領域を有し、前記制御部は、前記外部媒体から読み出した前記接続情報を前記BIOS領域に保存する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記設定ファイルは、前記サーバ装置を経由してネットワークにアクセスするための機能、前記ネットワーク上でHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)通信を行うための機能、OS(Operating System)のプログラムの更新に関連する機能、および電子証明書をインストールするための機能のうち、少なくとも1つの機能の設定を行うための前記パラメータを含む請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記サーバ装置に対して接続許可を受けるためのアクセス権限情報を保存し、
前記制御部は、前記接続情報にもとづいて前記サーバ装置に接続する際、前記アクセス権限情報を含む接続要求パケットを生成し、前記接続要求パケットを前記サーバ装置に送信して、前記サーバ装置から接続許可パケットが返信された場合に前記サーバ装置に接続する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記記憶部は、BIOS(Basic Input Output System)のプログラムが格納されているBIOS領域を有し、前記アクセス権限情報は前記BIOS領域に保存される請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータに、
サーバ装置に接続するための接続情報が格納された外部媒体が設置された場合、
電源起動時に前記接続情報を前記外部媒体から読み出し、
読み出した前記接続情報をメモリに保存し、
前記メモリから読み出した前記接続情報にもとづいて前記サーバ装置に接続し、
前記サーバ装置から送信される設定ファイルを受信して、前記設定ファイルに記載の機能のパラメータの設定を自装置に対して行う、
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
エッジコンピューティングシステムは、各フィールド(学校、社会インフラ等)に位置する情報処理装置(無線端末等)から取得したデータをエッジ拠点に配置されたエッジサーバで処理し、処理結果をクラウドやサービス利用者側のフィールド等に提供するシステムである。
【0003】
エッジサーバでデータを処理することで、ネットワークを経由したクラウドへのデータ転送を節約できるので、データ処理のリアルタイム性を確保でき、また通信量削減によるコスト低減等が可能になる。一方、エッジサーバに情報処理装置が無線接続して通信を行う場合、情報処理装置に対して、設定ファイルにもとづく各種機能のパラメータの設定が行われる。
【0004】
関連技術としては、例えば、ネットワーク中継装置に設定する構成定義を隣接するネットワーク中継装置間で配布して、障害発生時にネットワークの回復を行う技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-104351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従前の情報処理装置に対する設定ファイルにもとづくパラメータ設定は、情報処理装置のOS(Operating System)の起動後に、ユーザによるマニュアル作業によって行われている。
【0007】
しかし、情報処理装置に故障が生じて、その後リカバリした場合、故障前に設定してあったパラメータが消失してしまう可能性がある。この場合、リカバリした情報処理装置をエッジサーバに接続して使用する際は、ユーザは情報処理装置に対して設定ファイルのパラメータを再設定することになり、利便性および操作性が低いという問題がある。
【0008】
1つの側面では、本発明は、設定ファイルのパラメータの自動設定を行って利便性および操作性の向上を図った情報処理装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、情報処理装置が提供される。情報処理装置は、記憶部と、サーバ装置に接続するための接続情報が格納された外部媒体が設置された場合、電源起動時に接続情報を外部媒体から読み出して、読み出した接続情報を記憶部に保存し、記憶部から読み出した接続情報にもとづいてサーバ装置に接続し、サーバ装置から送信される設定ファイルを受信して、設定ファイルに記載の機能のパラメータの設定を自装置に対して実行する制御部とを有する。
また、上記課題を解決するために、コンピュータに上記情報処理装置と同様の制御を実行させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
1側面によれば、利便性および操作性の向上が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】情報処理装置の一例を説明するための図である。
図2】情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図3】情報処理端末およびエッジサーバの機能ブロックの一例を示す図である。
図4】情報処理端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5】情報処理端末の全体動作の一例を示すフローチャートである。
図6】情報処理端末による接続情報の読み出し時の動作の一例を示すフローチャートである。
図7】情報処理端末による設定ファイルの実行時の動作の一例を示すフローチャートである。
図8】特定の情報処理端末に対する接続許可を行う場合の情報処理端末側の動作の一例を示す図である。
図9】特定の情報処理端末に対する接続許可を行う場合のエッジサーバ側の動作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は情報処理装置の一例を説明するための図である。情報処理装置1は、制御部1aと記憶部1bを備える。情報処理装置1がサーバ装置2に接続することで、装置間で通信が行われる。
【0013】
制御部1aの機能は、例えば、情報処理装置1が備える図示しないプロセッサが、所定のプログラムを実行することによって実現する。記憶部1bは、情報処理装置1の主記憶装置として使用され、例えば、サーバ装置2に接続するための接続情報等が記憶される。
【0014】
〔ステップS1〕情報処理装置1に、サーバ装置2に接続するための接続情報が格納された外部媒体m1が設置される。接続情報には、サーバ装置2を識別するためのSSID(Service Set Identifier)およびサーバ装置2に接続するためのパスワードが少なくとも含まれる。また、外部媒体m1としては、例えば、情報処理装置1に対して挿抜可能なUSB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリを使用することができる。
【0015】
〔ステップS2〕制御部1aは、情報処理装置1の電源起動時に、接続情報を外部媒体m1から読み出して、読み出した接続情報を記憶部1bに保存する。
〔ステップS3〕制御部1aは、記憶部1bから接続情報を読み出し、読み出した接続情報にもとづいてサーバ装置2に接続する。
【0016】
〔ステップS4〕制御部1aは、サーバ装置2から送信される設定ファイルを受信する。
〔ステップS5〕制御部1aは、設定ファイルに記載の機能のパラメータの設定を自装置(情報処理装置1)に対して実行する。
【0017】
このように、情報処理装置1では、サーバ装置に接続するための接続情報が格納された外部媒体が設置されると、接続情報を外部媒体から読み出して記憶部に保存し、記憶部から読み出した接続情報にもとづいてサーバ装置に接続する。そして、サーバ装置から送信される設定ファイルを受信して、設定ファイルに記載の機能のパラメータの設定を自装置に対して実行する。
【0018】
これにより、情報処理装置1に対する設定ファイルにもとづくパラメータ設定のユーザによるマニュアル作業が不要となる。また、例えば、情報処理装置1の故障等の原因で既に設定してあったパラメータが消失したとしても、ユーザは接続情報が格納される外部媒体を、リカバリした情報処理装置1に設置するだけでパラメータの自動設定を実行することができる。このため、利便性および操作性の向上を図ることが可能になる。
【0019】
[第2の実施の形態]
次に本発明の機能をエッジコンピューティングに適用した場合の第2の実施の形態について以降詳しく説明する。
<システム構成>
図2は情報処理システムの構成の一例を示す図である。情報処理システム1-1は、情報処理端末10a、10b(総称する場合は情報処理端末10と呼ぶ)、エッジサーバ20およびWSUS(Windows Server Update Services)サーバ30を備える。
【0020】
エッジサーバ20とWSUSサーバ30は、LAN(Local Area Network)を介して接続される。情報処理端末10a、10bは、無線を介してエッジサーバ20に接続される。
情報処理端末10a、10bは、図1の情報処理装置1の機能を有し、例えば、業務で使われるブラウザを搭載したタブレット端末である。エッジサーバ20は、図1のサーバ装置2の機能を有し、システムの運用管理を行うサーバ型のエッジコンピュータである。情報処理端末10a、10bとエッジサーバ20は無線接続して装置間で通信が行われる。
【0021】
WSUSサーバ30は、Windows(登録商標)のOS(Operating System)の更新プログラムを配布するサーバである。WSUSサーバ30は、エッジサーバ20を介して、更新プログラムを情報処理端末10a、10bに配布する。
【0022】
<機能ブロック>
図3は情報処理端末およびエッジサーバの機能ブロックの一例を示す図である。情報処理端末10は、制御部11および記憶部12を有し、エッジサーバ20は、制御部21および記憶部22を有する。制御部11は図1の制御部1aの機能を実現し、記憶部12は図1の記憶部1bの機能を実現する。
【0023】
情報処理端末10において、制御部11は、接続情報読み出し部11a、無線接続部11b、および設定ファイル実行部11cを含む。接続情報読み出し部11aは、外部媒体m1が情報処理端末10に設置された場合に、エッジサーバ20と無線接続するための接続情報(SSID/パスワード)を、外部媒体m1から読み出して、記憶部12に格納する。
【0024】
無線接続部11bは、エッジサーバ20に対して無線接続するための接続制御を行う。この場合、無線接続部11bは、記憶部12から接続情報を読み出し、読み出した接続情報にもとづいてエッジサーバ20に無線接続する。また、無線接続部11bは、記憶部12に後述のアクセス権限情報が格納されている場合、アクセス権限情報を含む接続要求パケットを生成してエッジサーバ20に送信する。
【0025】
設定ファイル実行部11cは、エッジサーバ20によって無線接続が許可された場合、エッジサーバ20から送信される設定ファイルを受信し、設定ファイルに記載の機能のパラメータの設定を実行する。記憶部12は、接続情報、アクセス権限情報、およびエッジサーバ20から送信された設定ファイルを記憶する。
【0026】
エッジサーバ20において、制御部21は、情報処理端末10に対して無線接続するための接続制御を行う。例えば、制御部21は、情報処理端末10から送信された接続要求パケットにアクセス権限情報が含まれている場合、接続許可パケットを情報処理端末10に返信して、情報処理端末10と無線接続する。
【0027】
また、制御部21は、情報処理端末10からの無線接続のアクセスを受けた場合、設定ファイルを情報処理端末10に送信する。記憶部22は、情報処理端末10に送信すべき設定ファイルを記憶する。
【0028】
<ハードウェア構成>
図4は情報処理端末のハードウェア構成の一例を示す図である。情報処理端末10は、プロセッサ(コンピュータ)100によって全体制御されている。プロセッサ100は、制御部11の機能を有する。
【0029】
プロセッサ100には、バス103を介して、メモリ101、入出力インタフェース102およびネットワークインタフェース104が接続されている。
プロセッサ100は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはPLD(Programmable Logic Device)である。またプロセッサ100は、CPU、FPGA、MPU、DSP、ASIC、PLDのうちの2以上の要素の組み合わせであってもよい。
【0030】
メモリ101は、記憶部12の機能を有し、情報処理端末10の主記憶装置として使用される。メモリ101には、プロセッサ100に実行させるOSのプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、メモリ101には、プロセッサ100による処理に要する各種データが格納される。
【0031】
メモリ101は、情報処理端末10の補助記憶装置としても使用され、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。メモリ101は、補助記憶装置として、フラッシュメモリやSSD(Solid State Drive)等の半導体記憶装置やHDD(Hard Disk Drive)等の磁気記録媒体を含んでもよい。
【0032】
バス103に接続されている周辺機器としては、入出力インタフェース102およびネットワークインタフェース104がある。入出力インタフェース102は、キーボードやマウス等の情報入力装置を接続可能であって、情報入力装置から送られてくる信号をプロセッサ100に送信する。また、入出力インタフェース102には、ディスプレイやスピーカが接続されて画像/音声情報を出力する。
【0033】
さらに、入出力インタフェース102は、周辺機器を接続するための通信インタフェースとしても機能する。例えば、入出力インタフェース102は、レーザ光等を利用して、光ディスクに記録されたデータの読み取りを行う光学ドライブ装置を接続することができる。光ディスクには、Blu-rayDisc(登録商標)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(Rewritable)等がある。
【0034】
また、入出力インタフェース102は、メモリ装置やメモリリーダライタを接続することができる。メモリ装置は、入出力インタフェース102との通信機能を搭載した記録媒体である。メモリリーダライタは、メモリカードへのデータの書き込み、またはメモリカードからのデータの読み出しを行う装置である。メモリカードは、カード型の記録媒体である。
【0035】
ネットワークインタフェース104は、ネットワークに接続してネットワークインタフェース制御を行う。ネットワークインタフェース104は、例えば、NIC(Network Interface Card)、無線LAN(Local Area Network)カード等を使用することもできる。ネットワークインタフェース104で受信されたデータは、メモリ101やプロセッサ100に出力される。
【0036】
以上のようなハードウェア構成によって、情報処理端末10の処理機能を実現することができる。例えば、情報処理端末10は、プロセッサ100がそれぞれ所定のプログラムを実行することで本発明の処理を行うことができる。
【0037】
情報処理端末10は、例えば、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、本発明の処理機能を実現する。情報処理端末10に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。
【0038】
例えば、情報処理端末10に実行させるプログラムを補助記憶装置に格納しておくことができる。プロセッサ100は、補助記憶装置内のプログラムの少なくとも一部を主記憶装置にロードし、プログラムを実行する。
【0039】
また、光ディスク、メモリ装置、メモリカード等の可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、例えば、プロセッサ100からの制御により、補助記憶装置にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ100が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。なお、エッジサーバ20もコンピュータを備えて、図4に示した同様のハードウェアにより実現することができる。
【0040】
<情報処理端末の全体動作>
図5は情報処理端末の全体動作の一例を示すフローチャートである。
〔ステップS11〕エッジサーバ20に接続するための接続情報が格納されている外部媒体m1が、情報処理端末10に設置される。接続情報には、エッジサーバ20を識別するためのSSIDおよびエッジサーバ20に接続するためのパスワードが少なくとも含まれる。また、外部媒体m1は、例えば、情報処理端末10に対して挿抜可能なUSBフラッシュメモリを使用することができる。
【0041】
〔ステップS12〕情報処理端末10の電源ボタンが押下され、情報処理端末10が起動する。
〔ステップS13〕情報処理端末10の制御部11は、外部媒体m1から接続情報(SSID/パスワード)を読み出し、記憶部12内のBIOS(Basic Input Output System)のプログラムが格納されている領域(BIOS領域)に接続情報を書き込む。
【0042】
〔ステップS14〕制御部11は、OSのセットアップ(開封作業)を行う。このとき、情報処理端末10の使用許諾の確認やアカウントの作成等が行われる。
〔ステップS15〕情報処理端末10のOSが起動すると(情報処理端末10が使用できる状態になると)、制御部11は、BIOS領域に格納された接続情報(SSID/パスワード)にもとづいて、接続対象のエッジサーバ20に対して無線接続する。
【0043】
〔ステップS16〕エッジサーバ20から情報処理端末10に向けて設定ファイルが送信される(情報処理端末10に設定ファイルがダウンロードされる)。制御部11は、エッジサーバ20から取得した設定ファイルにもとづいて、各機能の設定を実行する。
【0044】
上記のように、記憶部12は、BIOSのプログラムが格納されているBIOS領域を有し、制御部11は、外部媒体m1から読み出した接続情報をBIOS領域に保存する。これにより、OSの起動後に、BIOSのプログラムの起動に伴って接続情報も制御部11によって読み出されるので、情報処理端末10の立ち上げ時にエッジサーバ20に対して無線接続を自動的に開始することが可能になる。
【0045】
また、BIOS領域に接続情報が保存されることで、BIOSのプログラム以外のデータを格納するデータ格納部(ストレージ等)に障害が発生しても、接続情報を読み出してエッジサーバ20にアクセスすることが可能になる。
【0046】
<設定ファイルの内容>
エッジサーバ20から情報処理端末10に向けて送信される設定ファイルについて説明する。設定ファイルには、以下のような各種機能の設定項目が少なくとも1つ含まれる。
【0047】
(1)エッジサーバ20を経由してネットワーク(インターネット等の外部ネットワーク)にアクセスするための機能。この機能の設定は、例えば、エッジサーバ20がプロキシサーバになって、エッジサーバ20経由でインターネットに情報処理端末10がアクセスするためのプロキシ設定に相当する。
(2)ネットワーク上でHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)通信を行うための機能。この機能の設定は、例えば、winhttpの設定に相当する。
【0048】
(3)OSのプログラムの更新に関連する機能。この機能の設定は、例えば、イントラネット(内部ネットワーク)上の更新サービスの場所を指定する設定や、インターネット上のWindowsupdateに接続しない設定、および配信の最適化をオフにする設定が相当する。なお、配信の最適化のオフ設定は、同じネットワーク内の他端末から更新プログラムをダウンロードすることが不可とする設定である。
【0049】
(4)電子証明書をインストールするための機能。この機能の設定は、エッジサーバ20との通信許可が証明される電子証明書をエッジサーバ20から受信して、情報処理端末10にインストールするためのものである。
【0050】
設定ファイルは、上記の(1)から(4)に示される機能のうち、少なくとも1つの機能の設定を行うためのパラメータが含まれる。このような設定ファイルが情報処理端末10によって自動的に設定されるため、各機能をユーザがマニュアル設定することが不要となり、作業効率を向上させることができる。
【0051】
<接続情報の読み出し時の動作>
図6は情報処理端末による接続情報の読み出し時の動作の一例を示すフローチャートである。
〔ステップS21〕制御部11は、外部媒体m1から接続情報(SSID/パスワード)を読み出して、BIOSのプログラムが格納されているBIOS領域に書き込む。
【0052】
〔ステップS22〕情報処理端末10のOSの起動後、制御部11は、BIOS領域に格納されているデータ(BIOSのプログラムおよび接続情報)の読み出しを行う。
〔ステップS23〕制御部11は、接続情報がBIOS領域に存在するか否かを判定する。存在する場合はステップS24に処理が進み、存在しない場合はステップS25に処理が進む。
【0053】
〔ステップS24〕制御部11は、接続情報にもとづいて、所定のエッジサーバ20に対して無線接続する。
〔ステップS25〕制御部11は、エラー表示を行う。
【0054】
<設定ファイルの実行時の動作>
図7は情報処理端末による設定ファイルの実行時の動作の一例を示すフローチャートである。
〔ステップS31〕エッジサーバ20から情報処理端末10に向けて、設定ファイルが情報処理端末10の所定の格納領域(ローカルディスク(C:)等)にダウンロードされる。
【0055】
〔ステップS32〕制御部11は、所定の格納領域に設定ファイルが存在するか否かを定期的に監視する。制御部11は、例えば、タスクスケジューラ機能に設定ファイル存在チェックの監視プロセスを登録することで、定期的な監視を実行することができる。所定の格納領域に設定ファイルが存在する場合はステップS33に処理が進み、存在しない場合はステップS32の処理を繰り返して監視を継続する。
【0056】
〔ステップS33〕制御部11は、設定ファイルにもとづく各機能のパラメータ設定を実行する。
〔ステップS34〕制御部11は、設定ファイルにもとづく各機能のパラメータ設定がすべて正常に実行されたか否かを判定する。すべて正常に実行された場合はステップS35に処理が進み、実行途中の場合はステップS33の処理に戻る。
【0057】
〔ステップS35〕制御部11は、所定の格納領域から設定ファイルを削除する。
〔ステップS36〕制御部11は、タスクスケジューラ機能による設定ファイル存在チェックの監視プロセスの登録を削除する。
【0058】
<特定の情報処理端末に対する接続許可>
図8は特定の情報処理端末に対する接続許可を行う場合の情報処理端末側の動作の一例を示す図である。
〔ステップS41〕情報処理端末10のOSの起動後、制御部11は、記憶部12からアクセス権限情報を読み出す。
【0059】
アクセス権限情報は、エッジサーバ20にアクセスして情報処理システム1-1内で通信を行うための権限を示す情報である。アクセス権限を有する情報処理端末のみがエッジサーバ20にアクセスして通信を行うことができる。
【0060】
情報処理端末としてA社製の端末を使用可とした場合、アクセス権限情報としては例えば、A社製であることがわかるOEM(Original Equipment Manufacturing)情報を使用することができる。なお、アクセス権限情報は、記憶部12内のBIOSのプログラムが格納されているBIOS領域に保存されている。
【0061】
〔ステップS42〕制御部11は、BIOS領域にアクセス権限情報が存在するか否かを判定する。アクセス権限情報が存在する場合はステップS43に処理が進む。アクセス権限情報が存在しない場合は終了する(エッジサーバ20にアクセスしても接続拒否される)。
〔ステップS43〕制御部11は、エッジサーバ20に無線接続する場合、アクセス権限情報を含めた接続要求パケットをエッジサーバ20に送信する。
【0062】
図9は特定の情報処理端末に対する接続許可を行う場合のエッジサーバ側の動作の一例を示す図である。なお、通信権限のある正当な情報処理端末を情報処理端末10-1、通信権限のない不当な情報処理端末を情報処理端末10-2とする。
〔ステップS51〕エッジサーバ20の制御部21は、情報処理端末10-1、10-2から送信された接続要求パケットを受信する。
【0063】
〔ステップS52〕制御部21は、接続要求パケットにアクセス権限情報が含まれるか否かを判定する。アクセス権限情報が含まれない場合はステップS53の処理に進み、アクセス権限情報が含まれる場合はステップS54の処理に進む。
【0064】
〔ステップS53〕制御部21は、アクセス権限情報を含まない接続要求パケットを送信した情報処理端末10-2の接続を拒否する。
〔ステップS54〕制御部21は、アクセス権限情報を含む接続要求パケットを送信した情報処理端末10-1に対して接続許可パケットを返信し、情報処理端末10-1の無線接続を許可する。
【0065】
このように、記憶部12は、エッジサーバ20に対して接続許可を受けるためのアクセス権限情報を保存する。そして、制御部11は、接続情報にもとづいてエッジサーバ20に接続する際、アクセス権限情報を含む接続要求パケットを生成してエッジサーバ20に送信し、エッジサーバ20から接続許可パケットが返信された場合にエッジサーバ20に無線接続する。これにより、不当な情報処理端末が情報処理システム1-1に接続された場合であっても、エッジサーバ20に対する接続を拒否することが可能になる。
【0066】
また、アクセス権限情報は、記憶部12内のBIOSのプログラムが格納されているBIOS領域に保存される。これにより、OSの起動後に、BIOSのプログラムの起動に伴ってアクセス権限情報も制御部11によって読み出されるので、情報処理端末10の立ち上げ時にアクセス権限情報を含む接続依頼パケットが生成されて、エッジサーバ20に対して無線接続を自動的に開始することが可能になる。
【0067】
また、BIOS領域にアクセス権限情報が保存されることで、BIOSのプログラム以外のデータを格納するデータ格納部(ストレージ等)に障害が発生しても、アクセス権限情報を読み出して接続依頼パケットを生成して、エッジサーバ20にアクセスすることが可能になる。
【0068】
上記で説明した本発明の情報処理装置1および情報処理端末10の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。この場合、情報処理装置1および情報処理端末10が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0069】
処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶部、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶部には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクには、CD-ROM/RW等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto Optical disk)等がある。
【0070】
プログラムを流通させる場合、例えば、そのプログラムが記録されたCD-ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶部に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0071】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶部に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶部からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0072】
また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送される毎に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP、ASIC、PLD等の電子回路で実現することもできる。
【0073】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。さらに、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 情報処理装置
1a 制御部
1b 記憶部
2 サーバ装置
m1 外部媒体
図1
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