(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170419
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
F01P 7/02 20060101AFI20221102BHJP
F01P 11/10 20060101ALI20221102BHJP
F01P 3/18 20060101ALI20221102BHJP
B60H 1/32 20060101ALI20221102BHJP
B60K 11/04 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
F01P7/02 Z
F01P11/10 B
F01P3/18 Q
F01P7/02 J
F01P7/02 E
B60H1/32 626E
B60K11/04 J
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076525
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】本荘 拓也
(72)【発明者】
【氏名】小澤 信二郎
【テーマコード(参考)】
3D038
3L211
【Fターム(参考)】
3D038AA06
3D038AB00
3D038AC01
3D038AC17
3L211BA03
3L211DA25
3L211GA25
(57)【要約】
【課題】駆動源の運転状況に応じて駆動源の冷却部に適切な流量の外気を取り込むことができる車両を提供する。
【解決手段】車両は、内燃機関、電動モータ11、上段シャッタ機構23、下段シャッタ機構24、第1ラジエータ14、第2ラジエータ16、シャッタ制御装置を備える。上段シャッタ機構23は上段通気口21を開閉操作する。下段シャッタ機構24は下段通気口22を開閉操作する。第1ラジエータ14は、少なくとも上段通気口21と対峙して配置され、内燃機関を冷却する冷却液の熱を外気に放熱する。第2ラジエータ16は、下段通気口22と対峙して配置され、電動モータ11の駆動ユニット15を冷却する冷却液の熱を外気に放熱する。シャッタ制御装置は、駆動ユニット15を冷却する要求があったときに、下段通気口22を開くように下段シャッタ機構24を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の駆動源である内燃機関、及び、電動モータと、
車両前部に配置された上段通気口を開閉操作する上段シャッタ機構と、
車両前部の前記上段通気口の下方に配置された下段通気口を開閉操作する下段シャッタ機構と、
少なくとも前記上段通気口と対峙して配置され、前記内燃機関を冷却する冷却液の熱を外気に放熱する第1ラジエータと、
前記下段通気口と対峙して配置され、前記電動モータの駆動ユニットを冷却する冷却液の熱を外気に放熱する第2ラジエータと、
前記上段シャッタ機構と前記下段シャッタ機構を制御するシャッタ制御装置と、を備え、
前記シャッタ制御装置は、前記駆動ユニットを冷却する要求があったときに、前記下段通気口を開くように前記下段シャッタ機構を制御することを特徴とする車両。
【請求項2】
前記シャッタ制御装置は、前記第2ラジエータに冷却液を流す第2冷却回路の内部の液温が所定の液温閾値以上のときには、前記下段通気口を開くように前記下段シャッタ機構を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記下段通気口に対峙する位置には、前記第1ラジエータ及び前記第2ラジエータよりも後方に位置される周辺部品に、前記第1ラジエータと前記第2ラジエータをバイパスして外気を流す冷却ダクトが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項4】
前記内燃機関と前記電動モータの少なくとも一方の動力を変速するトランスミッションと、
前記トランスミッションを潤滑及び冷却する潤滑冷却回路と、
前記第2冷却回路と前記潤滑冷却回路の間で熱交換を行う回路熱交換部と、
前記第2冷却回路の冷却液を前記回路熱交換部に流すバイパス通路に介装された開閉バルブと、
前記開閉バルブを制御するバルブ制御装置と、をさらに備え、
前記バルブ制御装置は、前記潤滑冷却回路の内部の潤滑油の油温が所定の油温閾値以上のときに、前記開閉バルブを開くように制御することを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項5】
前記シャッタ制御装置は、前記第2冷却回路の液温が前記所定の液温閾値未満のときには、前記潤滑冷却回路の内部の油温に拘らず、前記下段通気口を閉じるように前記下段シャッタ機構を制御することを特徴とする請求項4に記載の車両。
【請求項6】
前記第1ラジエータに冷却液を流す第1冷却回路の内部の液温が第1閾値以上でかつ第2閾値未満であるときには、前記シャッタ制御装置は、前記上段通気口を開き、かつ、前記下段通気口を閉じるように前記上段シャッタ機構と前記下段シャッタ機構を制御し、
前記第1冷却回路の内部の液温が前記第2閾値以上であるときには、前記シャッタ制御装置は、前記上段通気口と前記下段通気口を開くように前記上段シャッタ機構と前記下段シャッタ機構を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項7】
前記第1ラジエータは、前記上段通気口と前記下段通気口に対峙していることを特徴とする請求項6に記載の車両。
【請求項8】
前記上段通気口と対峙して配置され、空調装置の冷媒回路を流れる冷媒の凝縮熱を外気に放熱するコンデンサをさらに備え、
前記シャッタ制御装置は、前記空調装置が稼働しているときには、前記上段通気口を開くように前記上段シャッタ機構を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動源として内燃機関と電動モータを備えた車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両のエンジンルーム内の機器の冷却技術として、エンジンルーム内の機器の発熱状況に応じて、車両の前部の通気口を開閉するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の車両は、車両の前部に上段通気口と下段通気口が設けられ、その各通気口に上段シャッタ機構と下段シャッタ機構が設けられている。上段シャッタ機構と下段シャッタ機構は、エンジンルーム内の内燃機関や電動モータ、空調装置(コンデンサ)等の機器の発熱状況(作動状況)に応じて上下の通気口を開閉する。
具体的には、エンジンルーム内の機器の発熱量が最も多い状況では、上段通気口と下段通気口の両方を開くように上段シャッタと下段シャッタを制御し、エンジンルーム内の機器の発熱量が最も少ない状況では、上段通気口と下段通気口の両方を閉じるように上段シャッタと下段シャッタを制御する。また、エンジンルーム内の機器の発熱量が中程度の場合には、上段通気口を閉じ、かつ下段通過口を開くように上段シャッタと下段シャッタを制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、駆動源として内燃機関と電動モータを持つ車両では、発熱量の多い内燃機関による走行と、内燃機関よりも発熱量の少ない電動モータによる走行が、車両の走行状況に応じて切り替わる。このため、この種の車両では、内燃機関による走行時と電動モータによる走行時に、各駆動源の冷却部に適切な流量の外気を取り込むことができれば、機器の冷却性能と走行抵抗の低減をより高いレベルで両立させることができる。しかし、特許文献1に記載の車両では、このような観点からはシャッタ機構の制御は行われていない。
【0006】
そこで本発明は、駆動源の運転状況に応じて駆動源の冷却部に適切な流量の外気を取り込むことができる車両を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る車両は、上記課題を解決するために、以下の構成を採用した。
即ち、本発明に係る車両は、車両の駆動源である内燃機関(例えば、実施形態のエンジン10)、及び、電動モータ(例えば、実施形態の電動モータ11)と、車両前部に配置された上段通気口(例えば、実施形態の上段通気口21)を開閉操作する上段シャッタ機構(例えば、実施形態の上段シャッタ機構23)と、車両前部の前記上段通気口の下方に配置された下段通気口(例えば、実施形態の下段通気口22)を開閉操作する下段シャッタ機構(例えば、実施形態の下段シャッタ機構24)と、少なくとも前記上段通気口と対峙して配置され、前記内燃機関を冷却する冷却液の熱を外気に放熱する第1ラジエータ(例えば、実施形態の第1ラジエータ14)と、前記下段通気口と対峙して配置され、前記電動モータの駆動ユニット(例えば、実施形態の駆動ユニット15)を冷却する冷却液の熱を外気に放熱する第2ラジエータ(例えば、実施形態の第2ラジエータ16)と、前記上段シャッタ機構と前記下段シャッタ機構を制御するシャッタ制御装置(例えば、実施形態の制御装置25)と、を備え、前記シャッタ制御装置は、前記駆動ユニットを冷却する要求があったときに、前記下段通気口を開くように前記下段シャッタ機構を制御することを特徴とする。
【0008】
上記の構成により、電動モータの駆動時等に電動モータの駆動ユニットを冷却する要求があると、シャッタ機構は下段通気口を開くように下段シャッタ機構を制御する。これにより、第2ラジエータと対峙する下段通気口が開き、下段通気口を通して第2ラジエータに外気が流れ込む。この結果、内燃機関が駆動しない状況であっても、電動モータの冷却部である第2ラジエータが適切な流量の外気によって効率良く冷却される。
【0009】
前記シャッタ制御装置は、前記第2ラジエータに冷却液を流す第2冷却回路の内部の液温が所定の液温閾値(例えば、実施形態の液温閾値Tm1)以上のときには、前記下段通気口を開くように前記下段シャッタ機構を制御するようにしても良い。
【0010】
この場合、電動モータの駆動に伴って第2冷却回路の内部の液温が所定の液温閾値以上になると、下段シャッタ機構が下段通気口を開き、下段通気口を通して第2ラジエータに外気が流れ込むようになる。したがって、内燃機関が駆動しない状況であっても、電動モータの冷却部である第2ラジエータが適切な流量の外気によって効率良く冷却される。
【0011】
前記下段通気口に対峙する位置には、前記第1ラジエータ及び前記第2ラジエータよりも後方に位置される周辺部品(例えば、実施形態のマウント部品5、ステアリング部品6、トランスミッション20)に、前記第1ラジエータと前記第2ラジエータをバイパスして外気を流す冷却ダクト(例えば、実施形態の冷却ダクト28)が配置されるようにしても良い。
【0012】
この場合、下段シャッタ機構によって下段通気口が開かれると、外気が下段通気口を通して第2ラジエータに流れ込むとともに、冷却ダクトを通して後方の周辺部品の周囲にも効率良く流れ込む。この結果、第1ラジエータや第2ラジエータによって加熱されていない外気により、周辺部品を効率良く冷却することが可能になる。
【0013】
車両は、前記内燃機関と前記電動モータの少なくとも一方の動力を変速するトランスミッション(例えば、実施形態のトランスミッション20)と、前記トランスミッションを潤滑及び冷却する潤滑冷却回路(例えば、実施形態の潤滑冷却回路30)と、前記第2冷却回路と前記潤滑冷却回路の間で熱交換を行う回路熱交換部(例えば、実施形態の回路熱交換部33)と、前記第2冷却回路の冷却液を前記回路熱交換部に流すバイパス通路(例えば、実施形態のバイパス通路31)に介装された開閉バルブ(例えば、実施形態の開閉バルブ32)と、前記開閉バルブを制御するバルブ制御装置(例えば、実施形態のバルブ制御装置25A)と、をさらに備え、前記バルブ制御装置は、前記潤滑冷却回路の内部の潤滑油の油温が所定の油温閾値(例えば、実施形態の油温閾値Tk1)以上のときに、前記開閉バルブを開くように制御するようにしても良い。
【0014】
この場合、トランスミッション用の潤滑冷却回路の潤滑油の油温が所定の油温閾値以上になると、バルブ制御装置が駆動ユニット冷却用の第2冷却回路の開閉バルブを開き、第2ラジエータによって冷却された第2冷却回路内の冷却液が回路熱交換部に流れ込む。これにより、回路熱交換部において、第2冷却回路内の冷却液と潤滑冷却回路内の潤滑油が熱交換され、潤滑冷却回路内の潤滑油が冷却されることになる。したがって、本構成を採用した場合には、下段通気口を通して第2ラジエータを冷却する外気により、潤滑冷却回路内の潤滑液の所定の油温閾値以上の昇温が抑制される。
【0015】
前記シャッタ制御装置は、前記第2冷却回路の液温が前記所定の液温閾値未満のときには、前記潤滑冷却回路の内部の油温に拘らず、前記下段通気口を閉じるように前記下段シャッタ機構を制御するようにしても良い。
【0016】
この場合、第2冷却回路の液温が所定の液温閾値未満のときには、下段通気口が下段シャッタ機構によって閉じられることにより、第2冷却回路内の冷却液を適温に達するまで早期に昇温させることが可能になる。このとき、下段通気口が下段シャッタ機構によって閉じられるため、車両の走行抵抗は抑制される。
また、このとき、第2冷却回路内の冷却液の液温は低温(所定の液温閾値未満の温度)であるため、トランスミッション用の潤滑冷却回路の潤滑油の油温が所定の油温閾値以上になって回路熱交換部による熱交換が行われると、潤滑冷却回路内の潤滑油が回路熱交換部を通して冷却されることになる。
【0017】
前記第1ラジエータに冷却液を流す第1冷却回路の内部の液温が第1閾値(例えば、実施形態の第1閾値Tn1)以上でかつ第2閾値(例えば、実施形態の第2閾値Tn2)未満であるときには、前記シャッタ制御装置は、前記上段通気口を開き、かつ、前記下段通気口を閉じるように前記上段シャッタ機構と前記下段シャッタ機構を制御し、前記第1冷却回路の内部の液温が前記第2閾値以上であるときには、前記シャッタ制御装置は、前記上段通気口と前記下段通気口を開くように前記上段シャッタ機構と前記下段シャッタ機構を制御するようにしても良い。
【0018】
この場合、内燃機関冷却用の第1冷却回路の内部の液温が第1閾値以上でかつ第2閾値未満であるときには、上段通気口だけが上段シャッタ機構によって開かれる。これにより、上段通気口を通過する外気によって第1ラジエータが適正温度に冷却されるとともに、下段通気口が開かれることによる車両の走行抵抗の増大が抑制される。
また、内燃機関冷却用の第1冷却回路の内部の液温が第2閾値以上であるときには、上段通気口と下段通気口が上段シャッタ機構と下段シャッタ機構によって開かれる。これにより、上段通気口と下段通気口を通過する大量の外気によって第1ラジエータでの冷却液の迅速な冷却が行われるととも、周辺部品も効率良く冷却される。
【0019】
前記第1ラジエータは、前記上段通気口と前記下段通気口に対峙することが望ましい。
【0020】
この場合、上段通気口と下段通気口が上段シャッタ機構と下段シャッタ機構によって開かれると、上段通気口と下段通気口を通過した外気が第1ラジエータの広い範囲に効率良く当たり、第1ラジエータの内部を流れる冷却液が迅速に冷却されることになる。したがって、本構成を採用した場合には、内燃機関冷却用の第1ラジエータの冷却性能を上段シャッタ機構と下段シャッタ機構の制御によって効果的に切り換えることができる。
【0021】
車両は、前記上段通気口と対峙して配置され、空調装置(例えば、実施形態の空調装置12)の冷媒回路を流れる冷媒の凝縮熱を外気に放熱するコンデンサ(例えば、実施形態のコンデンサ17)をさらに備え、前記シャッタ制御装置は、前記空調装置が稼働しているときには、前記上段通気口を開くように前記上段シャッタ機構を制御するようにしても良い。
【0022】
この場合、空調装置が稼働しているときには、上段通気口が上段シャッタ機構によって開かれ、空調装置のコンデンサが外気によって冷却されるようになる。このため、本構成を採用した場合には、内燃機関冷却用の第1ラジエータを流れる冷却液の温度に拘わらず、空調装置のコンデンサの放熱機能を確保することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る車両は、電動モータの駆動ユニットを冷却する要求があったときに、シャッタ制御装置が、電動モータ用の第2ラジエータと対峙する下段通気口を開くように下段シャッタ機構を制御する。このため、本発明に係る車両では、駆動源の運転状況に応じて駆動源の冷却部に適切な流量の外気を取り込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】実施形態の車両を車両前後方向に沿って縦断面にした要部の概略構成図。
【
図2】実施形態の車両のエンジンルーム内の下部側構成部材の平面図。
【
図3】実施形態の車両の冷却回路の一部を示す回路図。
【
図4】実施形態の車両の制御の流れを示すフローチャート。
【
図5】実施形態の車両の制御の流れを示すフローチャート。
【
図6】実施形態の車両の制御の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、前進走行する車両における向きと同一とする。また、図面の適所には、車両の前方を指す矢印FRと、車両の左側方を指す矢印LHと、車両の上方を指す矢印UPが記されている。
【0026】
図1は、本実施形態の車両1の前部を車両前後方向に沿って縦断面にした要部の概略構成図である。
図1において、符号2は、運転席の前方に設けられたエンジンルームである。エンジンルーム2内には、車両前後方向に略沿って延びる図示しない一対のフロントサイドフレームが配置されている。一対のフロントサイドフレームには、サブフレーム3を介して駆動源である内燃機関10(以下、「エンジン10」と称する。)と電動モータ11が支時されている。エンジン10と電動モータ11は、トランスミッション20(
図3参照)とともに一体ブロックとしてエンジンルーム2内の略中央部に配置されている。
エンジン10と電動モータ11は、制御装置25により、車両の走行状況に応じて駆動が適宜制御される。また、電動モータ11は、車両の制動時に制御装置25による制御によって回生発電を行う。
【0027】
エンジン10と電動モータ11の前方側には、エンジン10、電動モータ11、空調装置12の各冷却部を外気によって冷却するための冷却ブロック13が配置されている。
冷却ブロック13は、エンジン10の冷却液の熱を外気に放熱するための第1ラジエータ14と、電動モータ11の駆動ユニット15(PDU)を冷却する冷却液の熱を外気に放熱するための第2ラジエータ16と、空調装置12の冷媒回路(冷凍サイクル)の凝縮熱を外気に放熱するためのコンデンサ17と、第1ラジエータ14の後方に配置された冷却ファン18と、を備えている。第2ラジエータ16は、第1ラジエータ14の前面側の下方領域に配置され、コンデンサ17は、第1ラジエータ14の前面側の上方領域に配置されている。第1ラジエータ14は発熱量の多いエンジン10の冷却液の熱を放熱するため、前面側の第2ラジエータ16やコンデンサ17に比較して大型に形成されている。
【0028】
車両前部の車幅方向中央領域には、車両前面側とエンジンルーム2内を連通させる上段通気口21と下段通気口22が配置されている。上段通気口21は、冷却ブロック13のコンデンサ17の前面に対峙する位置に配置され、下段通気口22は、冷却ブロック13の第2ラジエータ16の前面に対峙する位置に配置されている。なお、コンデンサ17と第2ラジエータ16の後方に位置される第1ラジエータ14は、上部領域がコンデンサ17を挟んで上段通気口21に対峙し、下部領域が第2ラジエータ16を挟んで下段通気口22に対峙している。
【0029】
上段通気口21には、上段通気口21を開閉するための上段シャッタ機構23が設けられている。上段シャッタ機構23には、ルーバー等の開閉動作部を操作するためのアクチュエータ23aが設けられている。同様に、下段通気口22には、下段通気口22を開閉するための下段シャッタ機構24が設けられている。下段シャッタ機構24にも、ルーバー等の開閉動作部を操作するためのアクチュエータ24aが設けられている。上段シャッタ機構23と下段シャッタ機構24の各アクチュエータ23a,24aは、制御装置25(シャッタ制御装置)によって制御される。制御装置25による上段シャッタ機構23と下段シャッタ機構24の制御については後に詳述する。
【0030】
図2は、エンジンルーム2内の下部側構成部材の平面図である。なお、
図2中の符号Wfは、トランスミッション20を介して動力源(エンジン10、電動モータ11)によって駆動される前輪である。
図1,
図2に示すように、エンジンルーム2内の底部にはアンダーカバー26が配置されている。アンダーカバー26は、車両前部のフロントバンパフェイス27の下辺から、サブフレーム3の下面に沿って車室のフロアパネル(図示せず)まで延びている。すなわち、アンダーカバー26は、冷却ブロック13やエンジン10、電動モータ11、トランスミッション20、駆動源のマウント部品5、ステアリング部品6等の下方を覆うように形成されている。
【0031】
アンダーカバー26の前部側の上面には、下段通気口22の下部領域を通過した外気を、第2ラジエータ16と第1ラジエータ14をバイパスして、エンジンルーム2内の第1ラジエータ14の後方領域に流すための冷却ダクト28が配置されている。冷却ダクト28は、下段通気口22の下部領域に後方側から対峙する幅広のベースダクト部28Aと、ベースダクト部28Aの後部に対向して配置される分岐ダクト部28Bを備えている。ベースダクト部28Aの前端部には、下段通気口22の後面に対向する吸気口28aが形成されている。分岐ダクト部28Bには、エンジン10と電動モータ11の前面側に向かって開口する中央排出口28bと、エンジン10と電動モータ11を車幅方向外側に迂回した位置において、車両後方側に向かって開口する一対の側部排出口28cが形成されている。下段通気口22の下部領域を通過した外気は、中央排出口28bを通してエンジン10や電動モータ11に冷却風として流れ込むとともに、側部排出口28cを通してその他の周辺部品(例えば、マウント部品5、ステアリング部品6、トランスミッション20)に冷却風として流れ込む。
【0032】
冷却ブロック13の第1ラジエータ14は、エンジン10の図示しないウォータジャケット内に冷却液を流す第1冷却回路(図示せず)に配置されている。第1ラジエータ14は、第1回路内においてエンジン10を冷却した冷却液の熱を外気に放熱する。第1冷却回路には、当該回路内を流れる冷却液の温度を検出する第1温度センサS1(
図1参照)が設けられている。第1温度センサS1の検出信号は、制御装置25に入力される。制御装置25は、第1温度センサS1の検出信号を受け、検出信号に応じて上段シャッタ機構23と下段シャッタ機構24とを制御する。
【0033】
具体的には、制御装置25では、第1冷却回路内の液温に関し、第1閾値Tn1と第2閾値Tn2(Tn1<Tn2)が決められている。制御装置25は、第1冷却回路の内部の冷却液の液温が第1閾値Tn1以上でかつ第2閾値Tn2未満であるときには、上段通気口21を開き、かつ、下段通気口22を閉じるように上段シャッタ機構23と下段シャッタ機構24の各アクチュエータ23a,24aを制御する。また、制御装置25は、第1冷却回路の内部の冷却液の液温が第2閾値Tn2以上であるときには、上段通気口21と下段通気口22を開くように上段シャッタ機構23と下段シャッタ機構24の各アクチュエータ23a,24aを制御する。
なお、第1冷却回路の内部の冷却液の液温が第1閾値Tn1未満のときには、後述する第2冷却回路29の内部の冷却液の液温や空調装置12の作動状況が上段通気口21を開く条件を満たしていなければ、制御装置25は、上段通気口21を閉じるように上段シャッタ機構23を制御する。
【0034】
図3は、電動モータ11の駆動ユニット15(PDU)を冷却するための第2冷却回路29と、トランスミッション20や電動モータ11の機械動作部に潤滑油を循環供給する潤滑冷却回路30を示す回路図である。
図3に示すように、第2冷却回路29は、電動式の送給ポンプP1と、駆動ユニット15(PDU)と、第2ラジエータ16と、が主回路29m内に配置されている。送給ポンプP1から送給された冷却液は、駆動ユニット15を冷却し、駆動ユニット15で吸熱した熱を第2ラジエータ16において外気に放熱する。なお、駆動ユニット15は、図示しない高圧バッテリの直流電流を三相交流に変換するインバータや直流電流の電圧変換を行うDC-DCコンバータ等を含み、作動に伴って高熱を発する。
また、第2冷却回路29は、駆動ユニット15の上流側と下流側を迂回して連通するバイパス通路31を備え、そのバイパス通路31に、開閉バルブ32と、後に詳述する回路熱交換部33が介装されている。
【0035】
第2冷却回路29の主回路29mには、主回路29m内を流れる冷却液の温度を検出する第2温度センサS2が設けられている。第2温度センサS2の検出信号は、制御装置25(
図1参照)に入力される。制御装置25は、第2温度センサS2の検出信号を受け、検出信号に応じて下段シャッタ機構24を制御する。
【0036】
具体的は、制御装置25では、第2冷却回路29内の液温に関し、所定の液温閾値Tm1が決められている。制御装置25は、第2冷却回路29の内部の冷却液の液温が液温閾値Tm1以上のときには、下段通気口22を開くように下段シャッタ機構24を制御する。つまり、制御装置25は、駆動ユニット15を冷却する要求があったときに、下段通気口22を開くように下段シャッタ機構24を制御する。
また、第2冷却回路29の内部の冷却液の液温が液温閾値Tm1未満のときには、制御装置25は、後述する潤滑冷却回路30内の油温に拘らず、下段通気口22を閉じるように下段シャッタ機構24を制御する。
【0037】
潤滑冷却回路30には、電動式の送給ポンプP2と、トランスミッション20(潤滑通路)と、電動モータ11(潤滑通路)と、回路熱交換部33と、が配置されている。回路熱交換部33は、潤滑冷却回路30を流れる潤滑油と、第2冷却回路29のバイパス通路31を流れる冷却液との間で熱交換を行う機器である。第2冷却回路29内を流れる冷却液は、第2ラジエータ16において外気に放熱を行うことができる。潤滑冷却回路30を流れる潤滑油は、回路熱交換部33において、第2冷却回路29内を流れる冷却液と熱交換することにより冷却される。
潤滑冷却回路30には、油温センサS3が設けられている。油温センサS3の検出信号は、バルブ制御装置25Aに入力される。バルブ制御装置25Aは、油温センサS3の検出信号を受け、検出信号に応じて第2冷却回路29内の開閉バルブ32を開閉制御する。
【0038】
具体的には、バルブ制御装置25Aでは、潤滑冷却回路30の油温に関し、所定の油温閾値Tk1が決められている。バルブ制御装置25Aは、潤滑冷却回路30の内部の潤滑油の油温が所定の油温閾値Tk1以上のときに、開閉バルブ32を開くように制御する。即ち、第2冷却回路29内の開閉バルブ32は、潤滑冷却回路30内の油温が油温閾値Tk1未満のときには、回路熱交換部33への冷却液の流入を遮断し、潤滑冷却回路30内の油温が油温閾値Tk1以上になったときに、回路熱交換部33への冷却液の流入を許容する。このため、潤滑冷却回路30内の油温が油温閾値Tk1以上になったときには、回路熱交換部33を通して冷却液によって潤滑冷却回路30内の潤滑油が冷却される。
なお、本実施形態では、上段シャッタ機構23と下段シャッタ機構24を制御する制御装置25(シャッタ制御装置)と、開閉バルブ32を制御するバルブ制御装置25Aが別構成されているが、両者は同じ制御装置によって構成されるようにしても良い。
【0039】
また、制御装置25には、空調装置12が稼働しているか否かを検出する検出信号が入力される。具体的には、例えば、空調装置12の冷媒回路内の図示しないコンプレッサの下流側の圧力が検出信号として用いられ、その検出信号が制御装置25に入力される。
制御装置25は、空調装置12が稼働しているときには、上段通気口21を開くように上段シャッタ機構を23を制御する。これにより、上段通気口21を通してコンデンサ17に外気が導入され、空調装置12による効率の良い冷房運転が可能になる。
【0040】
つづいて、
図4~
図6を参照して、制御装置25による冷却系の制御の一例について説明する。
最初に
図4~
図6のステップS101において、車両各部の状態量(例えば、温度や圧力)の診断(検出)を行う。
【0041】
図4のステップS102では、潤滑冷却回路30内の潤滑油の油温TATFが所定の油温閾値Tk1以上であるか否かを判定し、潤滑油の油温TATFが油温閾値Tk1以上に高い場合には、ステップS103に進み、潤滑油の油温TATFが油温閾値Tk1未満の場合には、ステップS104に進む。
ステップS103では、第2冷却回路29内の開閉バルブ32を開き、回路熱交換部33に第2冷却回路29内の冷却液を流す。この結果、潤滑冷却回路30内の潤滑油が冷却され、潤滑油が流れるトランスミッション20や電動モータ11の機械動作部が冷却される。
一方、ステップS104では、第2冷却回路29内の開閉バルブ32を閉じる。このとき、回路熱交換部33での冷却液と潤滑油の間の熱交換は行われない。
【0042】
この後、ステップS105では、第2冷却回路29内の冷却液の液温TwPCUが所定の液温閾値Tm1以上であるか否かを判定し、冷却液の液温TwPCUが液温閾値Tm1以上である場合には、ステップS106に進み、冷却液の液温TwPCUが液温閾値Tm1未満の場合には、ステップS107に進む。
ステップS106では、下段シャッタ機構24によって下段通気口22を開き、下段通気口22を通して外気を第2ラジエータ16に流す。これにより、第2ラジエータ16において、第2冷却回路29内の冷却液の熱が外気に放熱される。この結果、電動モータ11の駆動ユニット15が効率良く冷却されるようになる。また、このとき下段通気口22を通過した外気は、冷却ダクト28を通してエンジン10や電動モータ11、その他の周辺部品に冷却風として流れ込む。
一方、ステップS107では、下段シャッタ機構24によって下段通気口22を閉じる。この結果、下段通気口22に走行風が流入することによる走行抵抗の増大が抑制される。
ステップS106、若しくは、ステップS107が実行された後には、ステップS101にリターンする。
【0043】
図5のステップS201では、空調装置12の冷媒回路内のコンプレッサ直下の圧力PDが所定の圧力閾値Pj1以上であるか否かを判定し、コンプレッサ直下の圧力PDが圧力閾値Pj1以上である場合には、ステップS202に進み、コンプレッサ直下の圧力PDが圧力閾値Pj1未満の場合には、ステップS203に進む。
ステップS202では、上段シャッタ機構23によって上段通気口21を開き、上段通気口21を通して外気を空調装置12のコンデンサ17に流す。これにより、コンデンサ17によって冷媒の凝縮熱が外気に放熱され、空調装置12による効率の良い冷房運転や除湿運転が可能になる。
一方、ステップS203では、上段シャッタ機構23によって上段通気口21を閉じる。この結果、上段通気口21に走行風が流入することによる走行抵抗の増大が抑制される。
ステップS202、若しくは、ステップS203が実行された後には、ステップS101にリターンする。
【0044】
図6のステップS302では、エンジン10の冷却液(第1冷却回路内の冷却液)の液温Tw1が所定の第1閾値Tn1以上であるか否かを判定し、液温Tw1が第1閾値Tn1以上である場合には、ステップS303に進み、液温Tw1が第1閾値Tn1未満の場合には、ステップS304に進む。ステップS304では、上段シャッタ機構23によって上段通気口21を開じる。この結果、上段通気口21に走行風が流入することによる走行抵抗の増大が抑制される。
ステップS303では、エンジン10の冷却液(第1冷却回路内の冷却液)の液温Tw1が所定の第2閾値Tn2以上であるか否かを判定し、液温Tw1が第2閾値Tn2以上である場合には、ステップS305に進み、液温Tw1が第2閾値Tn2未満の場合には、ステップS306に進む。
ステップS305では、上段シャッタ機構23と下段シャッタ機構24によって上段通気口21と下段通気口22を開き、上段通気口21と下段通気口22を通して外気を第1ラジエータ14に流す。この結果、大量の外気が第1ラジエータ14を通過し、エンジン10の冷却液が効率良く冷却される。
一方、ステップS306では、上段シャッタ機構23によって上段通気口21を開き、上段通気口21を通して外気を第1ラジエータ14の上部領域に流す。この結果、エンジン10の冷却液が第1ラジエータ14を通して冷却される。
ステップS304、ステップS304、ステップS305のいずれかが実行された後には、ステップS101にリターンする。
【0045】
(実施形態の効果)
以上のように、本実施形態の車両1は、電動モータ11の駆動ユニット15を冷却する要求があったときに、制御装置25が第2ラジエータ16と対峙する下段通気口22を開くように下段シャッタ機構24を制御する。このため、本実施形態の車両1では、車両の駆動源の運転状況に応じて駆動源の冷却部に適切な流量の外気を取り込むことができる。
【0046】
また、本実施形態の車両1は、第2ラジエータ16に冷却液を流す第2冷却回路29の内部の液温TwPCUが所定の液温閾値Tm1以上のときに、制御装置25が下段通気口22を開くように下段シャッタ機構24を制御する。このため、電動モータ11の駆動に伴って第2冷却回路29の内部の液温TwPCUが所定の液温閾値Tm1以上になると、下段シャッタ機構24が下段通気口22を開き、下段通気口22を通して第2ラジエータ16に外気が流れ込むようになる。したがって、本実施形態の車両1を採用した場合には、エンジン10が駆動しない状況であっても、電動モータ11の駆動ユニット15の冷却部である第2ラジエータ16を適切な流量の外気によって効率良く冷却することができる。
【0047】
また、本実施形態の車両1は、下段通気口22に対峙する位置に、第1ラジエータ14と第2ラジエータ16をバイパスして外気をエンジンルーム2内に流す冷却ダクト28が配置されている。このため、下段通気口22が開かれたときに、冷却ダクト28を通してエンジンルーム2内の周辺部品(例えば、マウント部品5、ステアリング部品6、トランスミッション20)を効率良く冷却することができる。
【0048】
さらに、本実施形態の車両1は、潤滑冷却回路30の潤滑油の油温TATFが所定の油温閾値Tk1以上になると、バルブ制御装置25Aが駆動ユニット15冷却用の第2冷却回路29の開閉バルブ32を開き、第2ラジエータ16によって冷却された第2冷却回路29内の冷却液を回路熱交換部33に流す。これにより、回路熱交換部33において、第2冷却回路29内の冷却液と潤滑冷却回路30内の潤滑油の間で熱交換を行い、潤滑冷却回路30内の潤滑油を冷却することができる。したがって、本構成を採用した場合には、下段通気口22を通して第2ラジエータ16を冷却する外気により、潤滑冷却回路30内の潤滑液の所定の油温閾値Tk1以上の昇温を抑制することができる。
【0049】
また、本実施形態では、第2冷却回路29の液温が所定の液温閾値Tm1未満のときには、潤滑冷却回路30の内部の油温に拘らず、下段通気口22を閉じるように制御装置25が下段シャッタ機構24を制御する。このため、第2冷却回路29の液温が所定の液温閾値Tm1未満のときには、下段通気口22が閉じられることにより、第2冷却回路29内の冷却液を適温に達するまで早期に昇温させることができる。
また、このときの第2冷却回路29内の冷却液の液温は低温(所定の液温閾値Tm1未満の温度)であるため、潤滑冷却回路30の潤滑油の油温TATFが所定の油温閾値Tk1以上になって回路熱交換部33による熱交換が行われるときには、潤滑冷却回路30内の潤滑油を回路熱交換部33を通して冷却することができる。
【0050】
また、本実施形態の車両1は、エンジン冷却用の第1冷却回路の内部の液温が第1閾値Tn1以上でかつ第2閾値Tn2未満であるときには、上段通気口21だけが上段シャッタ機構23によって開かれる。このため、上段通気口21を通過する外気によって第1ラジエータ14を適正温度に冷却することができるとともに、下段通気口22に走行風が流入することによる車両の走行抵抗の増大を抑制することができる。
【0051】
さらに、本実施形態の車両1は、エンジン冷却用の第1冷却回路の内部の液温が第2閾値Tn2以上であるときには、上段通気口21と下段通気口22が上段シャッタ機構23と下段シャッタ機構24によって開かれる。このため、上段通気口21と下段通気口22を通過する大量の外気によって第1ラジエータ14での冷却液の迅速な冷却を行うことができるととも、周辺部品も効率良く冷却することができる。
【0052】
また、本実施形態の車両1では、第1ラジエータ14が上段通気口21と下段通気口22の両方に対峙しているため、上段通気口と下段通気口が開かれたときに、これらを通過する外気によって第1ラジエータ14の広い範囲を効率良く冷却することができる。したがって、本構成を採用した場合には、エンジン冷却用の第1ラジエータ14の冷却性能を上段シャッタ機構23と下段シャッタ機構24の制御によって効果的に切り換えることができる。
【0053】
また、本実施形態の車両1は、空調装置12が稼働しているときには、上段通気口21が上段シャッタ機構23によって開かれ、空調装置12のコンデンサ17が外気によって冷却されるようになる。このため、本構成を採用した場合には、エンジン冷却用の第1ラジエータ14を流れる冷却液の温度に拘わらず、コンデンサ17の放熱機能を確保することができる。
【0054】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0055】
1…車両
5…マウント部品(周辺部品)
6…ステアリング部品(周辺部品)
10…エンジン(内燃機関)
11…電動モータ
12…空調装置
14…第1ラジエータ
15…駆動ユニット
16…第2ラジエータ
17…コンデンサ
20…トランスミッション(周辺部品)
21…上段通気口
22…下段通気口
23…上段シャッタ機構
24…下段シャッタ機構
25…制御装置(シャッタ制御装置)
25A…バルブ制御装置
28…冷却ダクト
29…第2冷却回路
30…潤滑冷却回路
31…バイパス通路
32…開閉バルブ
33…回路熱交換部
Tn1…第1閾値
Tn2…第2閾値
Tm1…所定の液温閾値
Tk1…所定の油音閾値