(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170496
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】空気清浄機
(51)【国際特許分類】
F24F 8/80 20210101AFI20221102BHJP
F24F 13/08 20060101ALI20221102BHJP
F24F 13/28 20060101ALI20221102BHJP
A61L 9/16 20060101ALI20221102BHJP
B01D 46/00 20220101ALI20221102BHJP
【FI】
F24F8/80 200
F24F8/80 110
F24F8/80 170
F24F8/80 236
F24F8/80 310
F24F8/80 252
F24F13/08 B
F24F8/80 135
F24F13/28
A61L9/16 F
B01D46/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076653
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100213687
【弁理士】
【氏名又は名称】平松 大輝
(72)【発明者】
【氏名】大澤 直勝
(72)【発明者】
【氏名】飯島 竜太
(72)【発明者】
【氏名】大森 経右
(72)【発明者】
【氏名】市橋 昌志
(72)【発明者】
【氏名】大西 純慈
【テーマコード(参考)】
3L081
4C180
4D058
【Fターム(参考)】
3L081AA02
3L081AA10
3L081AB03
3L081BB05
4C180AA07
4C180DD09
4C180HH05
4C180LL15
4C180MM10
4D058JA13
4D058JB26
4D058KA06
4D058KC33
4D058KC64
4D058KC81
4D058LA04
4D058QA01
4D058QA03
4D058QA11
4D058QA13
4D058UA25
(57)【要約】
【課題】吹出口から吹き出された空気が吸込口から再度吸い込まれることを抑制できる空気清浄機を提供する。
【解決手段】空気清浄機1は筐体2、送風機81、82、フィルタ6を備える。筐体2には吸込口51~53、吹出口55、空洞部10が形成される。空洞部10は吸込口51~53と吹出口55とつながる。送風機81、82は空洞部10に設けられ、ファン823を有する。フィルタ6は空洞部10に設けられる。送風機81、82はファン823の回転によって筐体2外から吸込口51~53を介して空洞部10に空気を吸い込み、空洞部10に吸い込まれた空気を、フィルタ6を通して吹出口55に向けて流し、フィルタ6を通った空気を、吹出口55から筐体2の外部に吹き出す。吸込口51~53が開口する吸込方向は吹出口55が開口する吹出方向と交差する。吹出口55の開口面積は吸込口51~53の開口面積よりも小さい。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込口および吹出口が形成された筐体であって、前記吸込口および前記吹出口とつながる空洞部が前記筐体の内部に形成された前記筐体と、
前記空洞部に設けられた2つの送風機であって、回転することで気流を発生させるファンを有する前記2つの送風機と、
前記空洞部に設けられたフィルタと
を備え、
前記2つの送風機は、前記ファンの回転によって前記筐体の外部から前記吸込口を介して前記空洞部に空気を吸い込み、前記空洞部に吸い込まれた前記空気を、前記フィルタを通して前記吹出口に向けて流し、前記フィルタを通った前記空気を、前記吹出口から前記筐体の外部に吹き出し、
前記吸込口が開口する吸込方向は、前記吹出口が開口する吹出方向と交差し、
前記吹出口の開口面積は、前記吸込口の開口面積よりも小さい
ことを特徴とする空気清浄機。
【請求項2】
前記2つの送風機は、前記吹出方向において、互いに相対して配置されることを特徴とする請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項3】
前記吸込口は、前記吸込方向の一方側に開口し、
前記空気清浄機は、
前記2つの送風機のそれぞれによって前記吹出口から吹き出される前記空気を、前記吸込方向の他方側に案内するルーバを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の空気清浄機。
【請求項4】
前記ルーバは、前記吸込方向に対して、45度~60度傾斜する羽板を含むことを特徴とする請求項3に記載の空気清浄機。
【請求項5】
前記吹出口に嵌るルーバを備え、
前記ルーバは、第一弾性部材を介して、前記送風機に当接することを特徴とする請求項1または2に記載の空気清浄機。
【請求項6】
前記ルーバは、前記吹出口に嵌り、且つ第一弾性部材を介して、前記送風機に当接することを特徴とする請求項3または4に記載の空気清浄機。
【請求項7】
前記送風機は、前記ファンを支持する支持部を有し、
前記筐体は、前記空洞部を第一空洞部と第二空洞部とに区画する区画壁を有し、
前記2つの送風機のいずれか一方は、前記第一空洞部に配置され、
前記フィルタは、前記第二空洞部に配置され、
前記区画壁には、前記ファンに向けて突出する突出部が設けられ、
前記突出部の先端は、前記ファンから離れた位置に配置されることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の空気清浄機。
【請求項8】
前記区画壁には、前記支持部に向けて突出し、前記支持部と当接する当接部が設けられ、
前記区画壁から前記突出部の先端までの長さは、前記区画壁から前記当接部の先端までの長さよりも短いことを特徴とする請求項7に記載の空気清浄機。
【請求項9】
前記筐体は、第二弾性部材が設けられるための支持面部を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の空気清浄機。
【請求項10】
前記第二弾性部材の静止摩擦係数は、前記支持面部の静止摩擦係数よりも大きいことを特徴とする請求項9に記載の空気清浄機。
【請求項11】
前記第二弾性部材は、単位面積あたりの25%圧縮荷重値が0.133N/mm2以下であることを特徴とする請求項9または10に記載の空気清浄機。
【請求項12】
前記筐体は、
前記フィルタが着脱されるための開口が形成されたケースと、
前記ケースに対して着脱可能な蓋であって、前記ケースに取り付けられた状態で前記開口を閉塞する前記蓋と
を備え、
前記蓋には、前記吸込口と、前記蓋を前記ケースから取り外すための把持部とが形成されることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の空気清浄機。
【請求項13】
前記筐体は、
前記フィルタが着脱されるための開口が形成されたケースと、
前記ケースに対して着脱可能な蓋であって、前記ケースに取り付けられた状態で前記開口を閉塞する前記蓋と
を備え、
前記蓋には、前記吸込口と前記蓋を前記ケースから取り外すための把持部が形成されることを特徴とする請求項9から11のいずれかに記載の空気清浄機。
【請求項14】
前記筐体は、第二弾性部材が設けられるための支持面部を含み、
前記開口は、前記吸込方向の一方側に開口し、
前記支持面部は、前記筐体において前記吸込方向の他方側に位置することを特徴とする請求項12に記載の空気清浄機。
【請求項15】
前記開口は、前記吸込方向の一方側に開口し、
前記支持面部は、前記筐体において前記吸込方向の他方側に位置することを特徴とする請求項13に記載の空気清浄機。
【請求項16】
前記筐体には、前記把持部を覆うようにシールが貼り付けられるための貼付部が形成されることを特徴とする請求項12~15のいずれかに記載の空気清浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献に記載の空気清浄機では、吸込口と吹出口が本体に形成され、送風機が本体内に収納される。送風機は本体外部の空気を吸込口から吸い込み、吹出口から本体外部へと空気を吹き出す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記空気清浄機では、吹出口から吹き出された空気が吸込口から再度吸い込まれる可能性がある。吹出口から吹き出された空気は清浄された空気なので、上記空気清浄機では、清浄されていない空気の吸込効率が低下する可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、吹出口から吹き出された空気が吸込口から再度吸い込まれることを抑制できる空気清浄機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る空気清浄機は、吸込口および吹出口が形成された筐体であって、前記吸込口および前記吹出口とつながる空洞部が前記筐体の内部に形成された前記筐体と、前記空洞部に設けられた2つの送風機であって、回転することで気流を発生させるファンを有する前記2つの送風機と、前記空洞部に設けられたフィルタとを備え、前記2つの送風機は、前記ファンの回転によって前記筐体の外部から前記吸込口を介して前記空洞部に空気を吸い込み、前記空洞部に吸い込まれた前記空気を、前記フィルタを通して前記吹出口に向けて流し、前記フィルタを通った前記空気を、前記吹出口から前記筐体の外部に吹き出し、前記吸込口が開口する吸込方向は、前記吹出口が開口する吹出方向と交差し、前記吹出口の開口面積は、前記吸込口の開口面積よりも小さいことを特徴とする。
【0007】
上記態様によれば、吸込方向が吹出方向と交差するので、空気は吸込口から遠ざかるように、吹出口から吹き出される。さらに、吹出口の開口面積が吸込口の開口面積よりも小さいので、吹出口からの空気の吹出速度が吸込口からの空気の吸込速度よりも大きくなる。このため、吹出口からの空気の吹出速度が吸込口からの空気の吸込速度よりも小さい場合に比べて、吹出口から吹き出された空気は吸込口からさらに遠ざかる。よって、空気清浄機は、吹出口から吹き出された空気が吸込口から再度吸い込まれることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】空気清浄機1を前左上方から見た斜視図である。
【
図2】空気清浄機1を後右下方から見た斜視図である。
【
図4】
図1に示す蓋4がケース3から取り外された状態の空気清浄機1を前左上方から見た斜視図である。
【
図5】空気清浄機1を前左上方から見た分解斜視図である。
【
図6】
図3に示すVI-VI線矢視方向の断面図である。
【
図7】
図3に示すVI-VI線矢視方向において、空気清浄機1の左右両端部の拡大断面図である。
【
図8】
図3に示すVIII-VIII線矢視方向の断面図である。
【
図9】空気清浄機1Aを前方から見た模式図である。
【
図10】空気清浄機1Bを前方から見た模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態に係る空気清浄機1について図面を参照して説明する。以下では、
図1の上方、下方、右下方、左上方、左下方、および右上方を、それぞれ、空気清浄機1の上方、下方、前方、後方、左方、および右方とする。
【0010】
<筐体2>
図1~
図3に示すように、空気清浄機1は筐体2を備える。筐体2は直方体状を有し、前後方向よりも上下方向に長く、上下方向よりも左右方向に長い。筐体2はケース3と蓋4を含む。ケース3は下壁31と上壁32と前壁33と後壁34と左壁35と右壁36を含む。下壁31、上壁32、前壁33、後壁34、左壁35、および右壁36は、それぞれ、板であり、筐体2の下面21、上面22、前面23、後面24、左面25、および右面26を形成する。
【0011】
図2に示す下壁31と
図1に示す上壁32は前後左右方向に延び、上下方向において互いに相対する。
図1に示すように、前壁33は下壁31の前端311から上壁32の前端321まで延びる。
図2に示すように、後壁34は下壁31の後端312から上壁32の後端322まで延びる。前壁33と後壁34は前後方向において互いに相対する。
【0012】
図1に示すように、左壁35は下壁31の左端313から上壁32の左端323よりも下側の位置まで延びる。本実施形態では、左壁35の上端351は、上下方向において、下壁31から上壁32までの高さの略1/4の位置に位置する。左壁35には凹部355が形成される。凹部355は左壁35から右方に凹む。
【0013】
図2に示すように、右壁36は下壁31の右端314から上壁32の右端324よりも下側の位置まで延びる。本実施形態では、右壁36の上端361は、上下方向において、下壁31から上壁32までの高さの略1/4の位置に位置し、
図1に示す左壁35の上端351の高さと同じ高さに位置する。左壁35と右壁36は左右方向において互いに相対する。
【0014】
図4に示すように、上壁32には開口325が形成される。開口325は平面視矩形状を有し、前後方向よりも左右方向に長い。開口325は上壁32の前端321から上壁32の後端322まで延び、且つ上壁32の左端323よりも右側の位置から上壁32の右端324よりも左側の位置まで延びる。
【0015】
図1に示すように、蓋4は板であり、平面視で開口325の形状に対応する形状を有する。本実施形態では蓋4は長方形状を有し、前後方向よりも左右方向に長い。蓋4はケース3に対して着脱可能である。蓋4がケース3に取り付けられた状態では、蓋4は開口325を閉塞する。この状態では、蓋4は上壁32とともに筐体2の上面22を形成する。
図4に示すように、
図1に示す蓋4がケース3から取り外された状態では、開口325が上方に開放される。以下では、断りがない限り、蓋4がケース3に取り付けられた状態(
図1~
図3参照)を基準として説明する。
【0016】
図1に示すように、蓋4の左端40には把持部41が設けられる。拡大領域Wは、
図3に示すI-I線矢視方向において、把持部41および把持部41の周辺の端面図を示す。把持部41を前後方向に直交する平面で切った断面形状は、上方に開口するU字状を有し、一端411から他端412まで延びる。一端411は、蓋4の左端40において前後方向の中央部に接続する。他端412は一端411よりも上方まで延び、後述の平面領域328よりも上方に延びる。
【0017】
把持部41において他端412の下側の位置には係止片413が設けられる。係止片413は把持部41において他端412の下側の位置から左方に突出する。把持部41は、他端412が一端411に対して近づきまたは離れるように左右方向に弾性変形できる。把持部41はスナップフィットであり、係止片413が上壁32の下側に係合することで、蓋4がケース3に取り付けられた状態を維持する。
【0018】
図1~
図3に示すように、筐体2の上面22、前面23、および後面24にはそれぞれ複数のリブ29が設けられる。複数のリブ29は左右方向に延びる。複数のリブ29は筐体2の上面22から上方に突出し、前後方向に並ぶ。複数のリブ29は筐体2の前面23から前方に突出し、上下方向に並ぶ。複数のリブ29は筐体2の後面24から後方に突出し、上下方向に並ぶ。
【0019】
図3に示すように、筐体2には貼付部28が形成される。貼付部28は所定領域であり、上壁32と蓋4をまたいで形成される。貼付部28は筐体2の上面22のうち平面領域328を含む。平面領域328は筐体2の上面22の前後方向中央において、開口325の左端326の左側に形成され、平面視で矩形状を有する。平面領域328は、平面視で上壁32のうち係止片413が係合する部位と重なる位置に形成される(
図1参照)。平面領域328にはリブ29が設けられていない。このため、筐体2の上面22において、平面領域328は平面領域328以外の部位、すなわち複数のリブ29がある部位に比べてシール(図示略)の貼り付け性に優れる。
【0020】
筐体2の上面22には吸込口51が形成される。詳細には、吸込口51は蓋4に形成され、複数の開口511によって構成される。複数の開口511は前後左右方向において格子状に並ぶ。複数の開口511は蓋4を上下方向に貫通する。したがって、吸込口51の開口方向は上下方向である。
【0021】
図1に示すように、筐体2の前面23には吸込口52が形成される。吸込口52は左右方向において開口325の左端326と右端327の間に位置し、複数の開口521によって構成される。複数の開口521は上下左右方向において格子状に並び、前壁33を前後方向に貫通する。したがって、吸込口52の開口方向は前後方向であり、吸込口51の開口方向(上下方向)と直交する。
【0022】
図2に示すように、筐体2の後面24には吸込口53が形成される。吸込口53は左右方向において開口325の左端326と右端327の間に位置し、複数の開口531によって構成される。複数の開口531は上下左右方向において格子状に並び、後壁34を前後方向に貫通する。したがって、吸込口53の開口方向は前後方向であり、吸込口52の開口方向(前後方向)と平行である。すなわち、吸込口53の開口方向(前後方向)は吸込口51の開口方向(上下方向)と直交する。筐体2の外部の空気は後述の送風機81、82(
図5参照)の駆動により、吸込口51、52、53から筐体2の内部に吸い込まれる。
【0023】
図1に示すように、筐体2の左面25には吹出口55が形成される。吹出口55は開口であり、左側面視矩形状を有する。吹出口55は上壁32の左端323と前壁33の左端331と後壁34の左端341と左壁35の上端351によって囲まれる。したがって、吹出口55の開口方向は左右方向であり、吸込口51、52、53のそれぞれの開口方向(上下方向または前後方向)と直交する。筐体2の内部の空気は後述の送風機81(
図5参照)の駆動により、吹出口55から筐体2の外部に吹き出される。
【0024】
図2に示すように、筐体2の右面26には吹出口56が形成される。吹出口56は開口であり、右側面視矩形状を有する。吹出口56は上壁32の右端324と前壁33の右端332と後壁34の右端342と右壁36の上端361によって囲まれる。したがって、吹出口56の開口方向は左右方向であり、吹出口55の開口方向(左右方向)と平行である。すなわち、吹出口56の開口方向(左右方向)は吸込口51、52、53のそれぞれの開口方向(上下方向または前後方向)と直交する。筐体2の内部の空気は後述の送風機82(
図5参照)の駆動により、吹出口56から筐体2の外部に吹き出される。
【0025】
本実施形態では、
図1に示す吹出口55の開口面積は
図1~
図3に示す吸込口51、52、53の開口面積よりも小さい。
図2に示す吹出口56の開口面積は
図1~
図3に示す吸込口51、52、53の開口面積よりも小さい。
【0026】
図1に示す吹出口55の開口面積は、上壁32の左端323と前壁33の左端331と後壁34の左端341と左壁35の上端351によって囲まれた領域の面積である。
図2に示す吹出口55の開口面積は、上壁32の右端324と前壁33の右端332と後壁34の右端342と右壁36の上端361によって囲まれた領域の面積である。
図1~
図3に示す吸込口51、52、53の開口面積は、
図3に示す複数の開口511の全部の面積の合計と、
図1に示す複数の開口521の全部の面積の合計と、
図2に示す複数の開口531の全部の面積の合計を合算した面積である。
【0027】
図2に示すように、筐体2の下面21には凹部211、212、213、214が形成される。凹部211、212、213、214は、それぞれ、下面21の四隅に位置し、下面21から上方に凹む。凹部211、213は前後方向において互いに同じ位置に位置する。凹部212、214は前後方向において互いに同じ位置に位置する。凹部211、212は左右方向において互いに同じ位置に位置する。凹部213、214は左右方向において互いに同じ位置に位置する。詳細には、凹部211、212は平面視で後述の送風機81と重なる位置に位置する(
図6参照)。凹部213、214は平面視で後述の送風機82と重なる位置に位置する(
図6参照)。
【0028】
図2、
図5に示すように、
図2に示す凹部211、212、213、214には、それぞれ、第二弾性部材215、216、217、218が接着される。このため、第二弾性部材215、216は後述の送風機81の直下に位置する(
図6参照)。第二弾性部材217、218は後述の送風機82の直下に位置する(
図6参照)。
【0029】
第二弾性部材215、216、217、218は円柱状を有し、筐体2の下面21よりも下方に突出する。本実施形態では、第二弾性部材215、216、217、218はゴムであり、本実施形態では単位面積あたりの25%圧縮荷重値が0.133N/mm2以下の発泡ウレタンである。25%圧縮荷重値は、部材の厚みの25%分を圧縮するときに必要な圧力である。
【0030】
本実施形態では、第二弾性部材215、216、217、218の静止摩擦係数は、それぞれ、筐体2の下面21の静止摩擦係数よりも大きい。第二弾性部材215、216、217、218の静止摩擦係数は、それぞれ、凹部211の底面の静止摩擦係数よりも大きい。第二弾性部材215、216、217、218の静止摩擦係数は、ユーザによって後述のスライドスイッチ8が操作された場合に、ユーザが筐体2を支えなくても筐体2が設置面99に対して動かない程度の大きさである。
【0031】
図5~
図8に示すように、ケース3は中壁37を含む。中壁37は上下方向において下壁31と上壁32の間に位置する。中壁37は板であり、左壁35の上端351から右壁36の上端361まで延びる。中壁37は、上下方向において下壁31と上壁32のそれぞれと互いに相対する。
【0032】
図6に示すように、筐体2の内部には空洞部10と収容部19が形成される。空洞部10は空間であり、上壁32と前壁33と後壁34と中壁37によって囲まれる。
図4に示すように、空洞部10の上端は
図1に示す吸込口51とつながる。空洞部10の前端は吸込口52とつながる。空洞部10の後端は
図2に示す吸込口53とつながる。
図6に示すように、空洞部10の左端は吹出口55とつながる。空洞部10の右端は吹出口56とつながる。収容部19は空間であり、下壁31と
図1に示す前壁33と
図2に示す後壁34と左壁35と右壁36と中壁37によって囲まれる。
【0033】
図6、
図7に示すように、中壁37には区画壁371、372と仕切部375が設けられる。区画壁371は左右方向において開口325の左端326の位置に位置する。区画壁372は左右方向において開口325の右端327の位置に位置する。区画壁371、372は板であり、
図5に示す前壁33から後壁34まで延び、且つ中壁37から上壁32まで延びる。
【0034】
区画壁371にはスリット373が複数形成される(
図8参照)。複数のスリット373は区画壁371を左右方向に貫通する。区画壁372にはスリット374が複数形成される(
図5参照)。複数のスリット374は区画壁371を左右方向に貫通する。
【0035】
区画壁371、372は左右方向において互いに相対し、空洞部10を左空洞部11、右空洞部12、中空洞部13に区画する。左空洞部11は、空洞部10のうち区画壁371よりも左側の空間である。右空洞部12は、空洞部10のうち区画壁372よりも右側の空間である。中空洞部13は、空洞部10のうち左右方向において区画壁371、372によって挟まれた空間であり、蓋4の下側に位置する。左空洞部11と中空洞部13はスリット373を介して互いにつながる。右空洞部12と中空洞部13はスリット374を介して互いにつながる。
【0036】
図7に示すように、区画壁371には突出部381と複数の当接部391が設けられる。突出部381は左側面視で区画壁371の中央部から左方に突出する。複数の当接部391は本実施形態では4つであり、それぞれ、区画壁371の四隅から左方に突出する。
図6は、4つの当接部391のうち後方に位置する2つの当接部391を示す。左右方向において、区画壁371から複数の突出部381のそれぞれの先端383までの長さH1は、互いに同じ長さであり、区画壁371から複数の当接部391のそれぞれの先端393までの長さH2よりも短い。
【0037】
区画壁372には突出部382と複数の当接部392が設けられる。突出部382は右側面視で区画壁372の中央部から右方に突出する。複数の当接部392は本実施形態では4つであり、区画壁372の四隅から右方に突出する。
図6、
図7は、4つの当接部392のうち後方に位置する2つの当接部392を示す。左右方向において、区画壁372から複数の突出部382のそれぞれの先端384までの長さH3は、互いに同じ長さであり、区画壁372から複数の当接部392のそれぞれの先端394までの長さH4よりも短い。
【0038】
図6に示すように、仕切部375は中空洞部13に設けられ、仕切壁376、377を有する。仕切壁376、377は板状を有し、中壁37から上方に蓋4よりも下側の位置まで延びる。仕切壁376、377の上下方向の長さは互いに等しい。
【0039】
仕切壁376は中空洞部13の左右方向中央に位置する。仕切壁376は、前壁33よりも後側の位置と後壁34よりも前側の位置の間で前後方向に延びる。前後方向において、仕切壁376の長さは、前壁33と後壁34の間の距離の半分以上であることが好ましく、本実施形態では、前壁33と後壁34の間の距離の1/2~3/5である。前後方向において、仕切壁376の前端と前壁33の間の距離、および仕切壁376の後端と後壁34の間の距離は、それぞれ、前壁33と後壁34の間の距離の1/5~1/4であり、仕切壁376の長さよりも短い。仕切壁376は中空洞部13を左右方向に区画する。
【0040】
仕切壁377は中空洞部13の前後方向中央に位置する。仕切壁377は、区画壁371よりも右側の位置と区画壁372よりも左側の位置の間で左右方向に延びる。本実施形態では、仕切壁377の左右方向の長さは仕切壁376の前後方向の長さの略1/3である。仕切壁377は中空洞部13を前後方向に区画する。
【0041】
<送風機81、82>
図5、
図7に示すように、空気清浄機1は2つの送風機81、82を備える。送風機81は左空洞部11に配置される。送風機81は軸流型であり、支持部811とモータ812と
図7に示すファン813を含む。支持部811はケーシングであり、左側面視で矩形筒状を有する。以下では、支持部811の右端814によって囲まれた領域を「吸気部816」といい、支持部811の左端815によって囲まれた領域を「排気部817」という。
【0042】
モータ812は左側面視で支持部811の中央に配置されように、支持部811に固定される。モータ812の出力軸はモータ812から右方に延びる。ファン813は支持部811内に配置され、モータ812の出力軸に固定される。したがって、ファン813の回転軸は左右方向に延びる。
【0043】
ファン813の軸方向(左右方向)は吸込口51の開口方向(上下方向)、吸込口52の開口方向(前後方向)、吸込口53の開口方向(前後方向)と直交する。ファン813の軸方向(左右方向)は吹出口55の開口方向(左右方向)および吹出口56の開口方向(左右方向)と平行である。
【0044】
ファン813は回転することで吸気部816から排気部817に向けて気流を発生させる。これにより、空気は送風機81の右側から左側に向けて流れる。すなわち、吸気部816はファン813に対して、ファン813の回転により発生する気流の上流側の領域であり、排気部817はファン813に対して、ファン813の回転により発生する気流の下流側の領域である。
【0045】
送風機81は、吸気部816が排気部817に対して右側に配置された状態で、シール部材819を介してケース3に固定される。この場合、複数の当接部391のそれぞれの先端393が支持部811の右端814に当接する。複数の突出部381のそれぞれの先端383はファン813から右方に離れた位置に配置される。シール部材819は軟質ウレタンフォームで構成される。シール部材819は支持部811の周壁と、上壁32、前壁33、後壁34、および中壁37のそれぞれとの間の間隙を埋める。シール部材819は送風機81による空気の吸込効率を向上させる。
【0046】
送風機82は右空洞部12に配置され、送風機81と同じ構造を有する。すなわち、送風機82は支持部821とモータ822とファン823を含む。支持部821は支持部811に対応する。モータ822はモータ812に対応する。モータ822の出力軸はモータ822から左方に延びる。ファン823はファン813に対応する。吸気部826は支持部821の左端824によって囲まれた領域である。排気部827は支持部821の右端825によって囲まれた領域である。
【0047】
シール部材829はシール部材819に対応する。送風機82は、吸気部826が排気部827に対して左側に配置された状態で、シール部材829を介してケース3に固定される。この場合、複数の当接部392のそれぞれの先端394が支持部821の左端824に当接する。突出部382の先端384はファン823から左方に離れた位置に配置される。
【0048】
ファン823の軸方向(左右方向)は吸込口51の開口方向(上下方向)、吸込口52の開口方向(前後方向)、吸込口53の開口方向(前後方向)と直交する。ファン823の軸方向(左右方向)は吹出口55の開口方向(左右方向)および吹出口56の開口方向(左右方向)と平行であり、ファン813の軸方向(左右方向)と平行である。
【0049】
ファン823は回転することで吸気部826から排気部827に向けて気流を発生させる。これにより、空気は送風機82の左側から右側に向けて流れる。すなわち、送風機81、82は互いに反対方向に向けて気流を発生させる。
【0050】
本実施形態では、2つの送風機81、82は左右方向において互いに相対する。本実施形態において、「2つの送風機81、82が互いに相対する」とは吸気部816、826が互いに相対することを意味し、すなわち、吸気部816から排気部817に向かう方向(右方から左方に向かう方向)と吸気部826から排気部827に向かう方向(左方から右方に向かう方向)が互いに反対方向を向くように、2つの送風機81、82が配置された状態を意味する。
【0051】
<ルーバ71、72>
図5、
図7に示すように、空気清浄機1はルーバ71、72を備える。ルーバ71は吹出口55に嵌り、枠711と複数の縦板712と複数の羽板713と複数の閉塞板714を備える。枠711は左側面視で吹出口55の形状と同じ形状を有し、本実施形態では矩形状を有する。
【0052】
複数の縦板712は枠711内において上下方向に延び、左右方向に並ぶ。複数の羽板713は枠711内において左右方向に延び、上下方向に並ぶ。羽板713は上方から下方に向かうにつれて右方から左方に向かって延びる。
図7に示すように、吸込口51の開口方向において上方から下方に延びる基準線Vを定義し、基準線Vと一致する角度を0度とする。本実施形態では、基準線Vに対する羽板713の左方への角度θ1は55度である。
【0053】
図5に示すように、ルーバ71には枠711内において複数の縦板712と複数の羽板713によって複数の開口715が形成される。閉塞板714は複数の開口715のうち、四隅の開口715と、中央部の開口715に設けられる。このため、ユーザは左側面視で筐体2の左面25のうち閉塞板714がある部分からは筐体2の内部を視認できない。これにより、空気清浄機1の意匠性が向上する。
【0054】
空気清浄機1は筐体2の左面25のうち閉塞板714がある部分から、棒、埃等の異物が筐体2の内部に侵入することを抑制できる。吹出口55からの空気の吹出速度に対して、四隅の開口715と中央部の開口715の閉塞の有無が与える影響は、他の開口715の閉塞の有無に比べて小さい。したがって、閉塞板714は吹出口55からの空気の吹出速度の低下を抑制しつつ、棒、埃等の異物が吹出口55から筐体2内に入ることを抑制できる。
【0055】
本実施形態では、ルーバ71の開口面積は吸込口51、52、53の開口面積よりも小さい。ルーバ71の開口面積は複数の開口715のうち閉塞板714によって閉塞されていない開口715の面積の合計である。
【0056】
上記ルーバ71の構成によれば、ルーバ71の右側から左側に複数の開口715を介して空気が流れると、ルーバ71の左側では、複数の羽板713によって基準線Vに対して左方に55度傾斜する方向に空気が流れる。このように、ルーバ71は送風機81によって吹出口55から吹き出される空気を下方に案内する。
【0057】
ルーバ71には第一弾性部材716、717が設けられる。第一弾性部材716、717は角柱状を有し、ルーバ71の右面に固定される。詳細には、第一弾性部材716は複数の閉塞板714のうち後上角部の閉塞板718の右面に接着される。第一弾性部材717は複数の閉塞板714のうち前下角部の閉塞板719の右面に接着される。第一弾性部材716、717はスポンジである。ルーバ71は第一弾性部材716、717を介して送風機81に当接する(第一弾性部材716については
図7参照)。詳細には、ルーバ71は第一弾性部材716、717を介して支持部811に当接する。
【0058】
送風機81は第一弾性部材716、717の弾性力によって左方から右方に向かって押圧される。複数の当接部391は送風機81を介して第一弾性部材716、717の弾性力を受ける。これにより、送風機81の左右方向の位置が維持される。
【0059】
ルーバ72は吹出口56に嵌り、ルーバ71と同じ構造を有する。すなわち、ルーバ72は枠721と複数の縦板722と複数の羽板723と複数の閉塞板724を備える。枠721は枠711に対応する。縦板722は縦板712に対応する。羽板723は羽板713に対応する。基準線Vに対する羽板723の右方への角度θ2は55度である。閉塞板724は閉塞板714に対応する。本実施形態では、複数の羽板723は基準線Vに対して右方に55度傾斜する。
【0060】
ルーバ72には複数の開口725が形成される。開口725は開口715に対応する。ルーバ72の開口面積は吸込口51、52、53の開口面積よりも小さい。ルーバ72の開口面積は複数の開口725のうち閉塞板724によって閉塞されていない開口725の面積の合計である。
【0061】
ルーバ72には第一弾性部材726、727が設けられる。第一弾性部材726、727は第一弾性部材716、717に対応する。第一弾性部材726は複数の閉塞板724のうち前上角部の閉塞板728の左面に接着される。第一弾性部材727は複数の閉塞板724のうち後下角部の閉塞板729の左面に接着される。ルーバ72は第一弾性部材726、727を介して支持部821に当接する(第一弾性部材727については
図7参照)。送風機81の左右方向の位置は、第一弾性部材716、717の弾性力と複数の当接部392によって維持される。
【0062】
<フィルタ6>
図4~
図8に示すように、空気清浄機1はフィルタ6を備える。フィルタ6は中空洞部13に配置され、中空洞部13に対して着脱可能である。フィルタ6はHEPAフィルタであり、ウイルス、ゴミ、塵埃等を空気から取り除いて、空気を清浄する。フィルタ6はプリーツ構造を有し、上フィルタ61と前フィルタ62と後フィルタ63とを含む。
【0063】
図5に示すように、上フィルタ61は前後左右方向に延びる。前フィルタ62は左右方向に延び、上フィルタ61の前端から下方に延びる。後フィルタ63は左右方向に延び、上フィルタ61の後端から下方に延びる。後フィルタ63は前後方向において前フィルタ62と相対する。したがって、フィルタ6を左右方向に直交する平面で切った断面形状は、下方に開口するU字状を有する(
図8参照)。
【0064】
図8に示すように、中空洞部13にフィルタ6が配置され、且つ蓋4がケース3に取り付けられた状態で、上フィルタ61は吸込口51の下側に位置し、前フィルタ62は吸込口52の後側に位置し、後フィルタ63は吸込口53の前側に位置する。
【0065】
図4に示すように、中空洞部13にフィルタ6が配置され、且つ蓋4がケース3から取り外された状態で、上フィルタ61は開口325から露出する。フィルタ6の前後方向の長さは開口325の前後方向の長さよりも短い。フィルタ6の左右方向の長さは開口325の左右方向の長さよりも短い。このため、ユーザは、開口325を介して中空洞部13に対してフィルタ6を着脱できる。
【0066】
図5に示すように、フィルタ6の左右両端には一対の保形部材64、65が設けられる。一対の保形部材64、65は板状を有し、不織布で構成される。保形部材64は保形部641と凸部642を含む。保形部材65は保形部651と凸部652を含む。
【0067】
保形部641、651はフィルタ6の断面形状と同一形状を有し、本実施形態では下方に開口するU字状を有する。保形部641はフィルタ6の左端に接着される。保形部651はフィルタ6の右端に接着される。保形部641、651はフィルタ6の断面形状をU字状に維持するように、フィルタ6を保形する。凸部642、652は、それぞれ、保形部641、651の上端から上側に延びる。中空洞部13にフィルタ6が配置され、且つ蓋4がケース3から取り外された状態で、凸部642、652は上フィルタ61の上面よりも上方に突出する。中空洞部13にフィルタ6が配置され、且つ蓋4がケース3に取り付けられた場合、凸部642は左方に折り曲げられ、且つ凸部652は右方に折り曲げられる。これにより、フィルタ6は、凸部642、652が上壁32よりも上方に突出しない状態で中空洞部13に配置される(
図1参照)。
【0068】
保形部641の左右両面には、一対のシール部材66、67が接着される。シール部材66、67はフィルタ6の断面形状と同一形状を有し、本実施形態では、下方に開口するU字状を有する。シール部材66、67は軟質ウレタンフォームで構成される。シール部材66は左右方向において保形部641と区画壁371の間隙を埋めて、筐体2内の気密性を高める。シール部材67は左右方向において保形部651と区画壁372の間隙を埋めて、筐体2内の気密性を高める。シール部材66、67は送風機81、82によるフィルタ6を介した空気の吸込効率を向上させる。
【0069】
<空気清浄機1の電気的構成>
図5に示すように、空気清浄機1はスライドスイッチ8と制御基板9を備える。スライドスイッチ8は前壁33の右下部に設けられ、上下方向において中壁37の位置よりも下側に位置する。ユーザはスライドスイッチ8を左右方向に操作することで、空気清浄機1の電源のONとOFFを切り替えることができる。
【0070】
図6に示すように、制御基板9は収容部19に配置される。制御基板9には制御回路(図示略)とUSBコネクタ91と複数のケーブルコネクタ92が設けられる。USBコネクタ91は凹部355から筐体2の外部に露出する。USBコネクタ91にはUSBケーブル(図示略)が筐体2の外部から接続される。空気清浄機1にはUSBケーブルを介して電源が供給される。複数のケーブルコネクタ92のそれぞれにはケーブル93、94、95が接続される。
図5に示すケーブル93、94は、それぞれ、モータ812、822と制御基板9とを互いに接続する。
図6に示すケーブル95はスライドスイッチ8と制御基板9を互いに接続する。
【0071】
<空気清浄機1の使用方法>
図1に示すように、空気清浄機1は、筐体2の下面21が設置面99と相対するように、設置面99に設置される。設置面99は机の天板、床等である。ユーザはUSBコネクタ91にUSBケーブル(図示略)を接続する。これにより、空気清浄機1は電源の供給を受けることが可能な状態になる。この状態で、ユーザはスライドスイッチ8を左方から右方に移動させることで、空気清浄機1の電源をオフからオンに切り替える。これにより、空気清浄機1に電源が供給され、空気清浄機1による動作が開始される。
【0072】
図6に示すように、制御基板9はモータ812、822を駆動し、ファン813、823を回転させる。ファン813が回転することで、吸気部816から排気部817に向けて気流が発生する。ファン823が回転することで、吸気部826から排気部827に向けて気流が発生する。これにより、筐体2の外部から吸込口51、52、53を介して中空洞部13に空気が吸い込まれる。
【0073】
中空洞部13に吸い込まれた空気は、フィルタ6を通る。詳細には、吸込口51を介して中空洞部13に吸い込まれた空気は、上フィルタ61の中を上側から下側に向けて通る。吸込口52を介して中空洞部13に吸い込まれた空気は、前フィルタ62の中を前側から後側に向けて通る。吸込口53を介して中空洞部13に吸い込まれた空気は、後フィルタ63の中を後側から前側に向けて通る。これにより、フィルタ6は中空洞部13に吸い込まれた空気を清浄する。
【0074】
フィルタ6を通った空気は、吹出口55または吹出口56に向けて流れる。吹出口55に向けて流れた空気は、吸気部816から排気部817に向けて流れる。吹出口56に向けて流れた空気は、吸気部826から排気部827に向けて流れる。吸気部816から排気部817に向けて流れた空気はルーバ71によって下方に案内されながら吹出口55から筐体2の外部に吹き出される。吸気部826から排気部827に向けて流れた空気はルーバ72によって下方に案内されながら吹出口56から筐体2の外部に吹き出される。
【0075】
<フィルタ6の交換方法>
図1に示すように、ユーザは把持部41の他端412を一端411に近づくように右方に押し付ける。これにより、係止片413と上壁32の係合が解除される。この状態でユーザは把持部41を上方に持ち上げる。これにより、蓋4がケース3から取り外される。
【0076】
図4に示すように、ユーザは凸部642、652を把持して、開口325を介して中空洞部13からケース3の外部にフィルタ6と取り出す。ユーザは凸部642、652を把持して、開口325を介してケース3の外部から中空洞部13に新たなフィルタ6を取り付ける。
【0077】
図1に示すように、ユーザは蓋4を把持部41の他端412を右方に押し付けながらケース3に取り付ける。ユーザは把持部41から手を離す。これにより、把持部41の他端412が一端411から離れるように左方に弾性変形し、係止片413が上壁32に係合する。蓋4がケース3に取り付けられた場合、フィルタ6は、凸部642が左方に折り曲げられ、且つ凸部652が右方に折り曲げられた状態で、中空洞部13に配置される。ユーザは
図3に示す貼付部28にシール(図示略)を貼り付ける。シールは把持部41を覆うように貼付部28に貼り付けられる。以上により、フィルタ6の交換が完了する。
【0078】
<本実施形態の作用効果>
以下説明する本実施形態の作用効果は例示である。以下では、吸込口51~53の開口方向、すなわち上下方向または前後方向を「吸込方向」といい、吹出口55、56の開口方向、すなわち左右方向を「吹出方向」という。吹出口55または吹出口56からの空気の吹出速度を単に「吹出速度」といい、吸込口51~53からの空気の吸込速度を単に「吸込速度」という。
【0079】
本実施形態では、空気清浄機1が2つの送風機81、82を備えるので、送風機81、82のいずれかが省略された場合に比べて、吹出速度と吸込速度の両方を大きくできる。吸込方向が吹出方向と直交するので、空気は吸込口51~53から遠ざかるように、吹出口55、56から吹き出される。さらに、吹出口55、56のそれぞれの開口面積が吸込口51~53の開口面積よりも小さいので、吹出速度が吸込速度よりも大きくなる。このため、吹出速度が吸込速度よりも小さい場合に比べて、吹出口55、56のそれぞれから吹き出された空気は吸込口51~53からさらに遠ざかる。よって、空気清浄機1は、吹出口55、56のそれぞれから吹き出された空気が吸込口51~53から再度吸い込まれることを抑制できる。
【0080】
2つの送風機81、82は、吹出方向において、互いに相対して配置される。このため、ファン813、823の回転によって吹出方向に空気が流れる。よって、空気清浄機1は、2つの送風機81、82が吹出方向において互いに相対しない場合に比べて、吹出速度を大きくできる。
【0081】
吸込口51は吸込方向の一方側(上方)に開口する。ルーバ71、72は、それぞれ、2つの送風機81、82のそれぞれによって吹出口55、56のそれぞれから吹き出される空気を、吸込方向の他方側(下方)に案内する。このため、吸込口51から空気が吸い込まれる方向(上方)とは反対側(下方)に向けて、吹出口55、56のそれぞれから空気が吹き出される。よって、空気清浄機1は、吹出口55、56のそれぞれから吹き出された空気が吸込口51~53から再度吸い込まれることを抑制できる。
【0082】
例えば、基準線Vに対する羽板713の左方への角度θ1が45度よりも小さい場合、基準線Vに対する羽板713の左方への角度θ1が45度以上の場合に比べて、吹出口55から吹き出される空気うち羽板713に衝突する空気の量が増加する可能性がある。これにより、吹出口55からの吹出速度が低下する可能性がある。例えば、基準線Vに対する羽板713の左方への角度θ1が60度よりも大きい場合、ルーバ71は、基準線Vに対する羽板713の左方への角度θ1が60度以下の場合に比べて、吹出口55から吹き出される空気を下方に案内することが難しい。すなわち、ルーバ71は、基準線Vに対する羽板713の左方への角度θ1が60度以下の場合に比べて、吹出口55から吹き出される空気を、吹出口55に対して吸込口51とは反対側に案内することが難しい。基準線Vに対する羽板713の左方への角度θ1は45度以上且つ60度以下であれば、空気清浄機1は、吹出口55からの吹出速度の低下を抑制しつつ、吹出口55から吹き出された空気が吸込口51から再度吸い込まれることを抑制できる。本実施形態では、羽板713、723は吸込方向に対して55度傾斜する。このため、空気清浄機1は、吹出速度の低下を抑制しつつ、吹出口55、56のそれぞれから吹き出された空気が吸込口51~53から再度吸い込まれることを抑制できる。ルーバ71において、吹出口55から吹き出される空気を下方に案内できれば、基準線Vに対する羽板713の左方への角度θ1は55度よりも大きくてもよいし、55度よりも小さくてもよい。上述の理由により、基準線Vに対する羽板713の左方への角度θ1は45度以上且つ60度以下であることが好ましい。なお、基準線Vに対する羽板713の左方への角度θ1が小さいほど、左側面視で開口715を介して筐体2の内部を視認することが難しくなる。このため、基準線Vに対する羽板713の左方への角度θ1が小さいほど、空気清浄機1の意匠性が向上する。さらに、空気清浄機1は基準線Vに対する羽板713の左方への角度θ1が小さいほど、開口715から棒、埃等の異物が筐体2の内部に侵入することを抑制できる。一方、基準線Vに対する羽板713の左方への角度θ1が大きいほど、空気清浄機1は吹出速度を大きくできる。ルーバ72もルーバ71と同様に変更できる。
【0083】
ルーバ71は、第一弾性部材716、717を介して、送風機81に当接する。ルーバ72は、第一弾性部材726、727を介して、送風機82に当接する。筐体2の落下等によってルーバ71、72に衝撃が加わる場合がある。この場合、ルーバ71、72への衝撃が第一弾性部材716、717、726、727によって吸収される。このため、ルーバ71、72への衝撃が送風機81、82に直接伝わることが抑制される。よって、空気清浄機1はルーバ71、72への衝撃によって送風機81、82が故障することを抑制できる。
【0084】
突出部381、382は、それぞれ、ファン813、823に向けて突出する。突出部381、382のそれぞれの先端383、384は、ファン813、823から離れた位置に配置される。例えば筐体2の落下によって、ファン813、823は、モータ812、822のそれぞれの出力軸から外れるように、支持部811、821から区画壁371、372側に移動する場合がある。この場合、ファン813、823は突出部381、382に当接する。このため、ファン813、823が支持部811、821から外れることが抑制される。突出部381、382のそれぞれの先端383、384はファン813、823から離れた位置に配置されるので、突出部381、382がファン813、823の回転を阻害することが抑制される。よって、空気清浄機1はファン813、823の回転が突出部381、382によって阻害されることを抑制しつつ、ファン813、823が支持部811、821から外れることを突出部381、382によって抑制できる。
【0085】
当接部391、392は、それぞれ、支持部811、821に当接する。このため、支持部811、821が筐体2に対して動くことが当接部391、392によって抑制される。区画壁371、372から突出部381、382の先端383、384までの長さH1、H3が、区画壁371、372から当接部391、392の先端393、394までの長さH2、H4よりも短いので、突出部381、382がファン813、823に当接する前に当接部391、392が支持部811、821に当接する。よって、空気清浄機1は、支持部811、821が筐体2に対して動くことを当接部391、392によって抑制しつつ、ファン813、823の回転が突出部381、382によって阻害されることを抑制できる。
【0086】
筐体2の下面21には第二弾性部材215~218が設けられる。筐体2の下面21と設置面99とが互いに相対するように空気清浄機1が設置面99に設置される場合がある。この場合、第二弾性部材215~218が設置面99と当接するので、第二弾性部材215~218と設置面99の間の摩擦によって空気清浄機1が設置面99に対して滑ることが抑制される。よって、空気清浄機1はタック性を向上できる。
【0087】
第二弾性部材215~218の静止摩擦係数は、筐体2の下面21の静止摩擦係数よりも大きい。このため、第二弾性部材215~218の静止摩擦係数が筐体2の下面21の静止摩擦係数よりも小さい場合に比べて、設置面99と第二弾性部材215~218の間の摩擦によって空気清浄機1が設置面99に対して滑ることがさらに抑制される。よって、空気清浄機1はタック性をさらに向上できる。
【0088】
第二弾性部材215~218は、単位面積あたりの25%圧縮荷重値が0.133N/mm2以下である。空気清浄機1の動作時の振動は第二弾性部材215~218を介して設置面99に伝達される。第二弾性部材215~218の25%圧縮荷重値が0.133N/mm2の場合、空気清浄機1は、動作時の振動が第二弾性部材215~218を介して設置面99に伝達される場合の振動伝達率を100%未満に抑制できる。よって、空気清浄機1は、動作時の振動が設置面99に伝達することを抑制できる。なお、第二弾性部材215~218の振動伝達率は、筐体2から第二弾性部材215~218に伝達される振動の大きさに対する、第二弾性部材215~218から設置面99に伝達される振動の大きさの比率である。
【0089】
吸込口51と把持部41が蓋4に形成される。このため、ユーザは把持部41を持って蓋4をケース3から取り外すことができる。よって、空気清浄機1は、蓋4がケース3から取り外される場合に、ユーザが吸込口51を触ることを抑制できる。このため、空気清浄機1は、ユーザによって蓋4がケース3に対して着脱される場合に、吸込口51が汚れることを抑制できる。空気清浄機1は、清浄前の空気が接触した吸込口51に、ユーザが直接触れることを抑制でき、衛生的である。
【0090】
開口325は、吸込方向の一方側(上方)に開口する。このため、筐体2の下面21と設置面99が互いに相対するように空気清浄機1が設置面99に設置されると、蓋4がケース3に対して設置面99とは反対側に配置される。よって、空気清浄機1は蓋4をケース3から取り外しやすい。
【0091】
筐体2には貼付部28が形成される。このため、貼付部28にシールが貼られると、把持部41がシールによって覆われる。よって、空気清浄機1は、ユーザによって把持部41が意図せず触られることを抑制できる。
【0092】
<対応記載>
上記実施形態において、吸込口51~53が本発明の「吸込口」に相当する。吹出口55、56が本発明の「吹出口」に相当する。筐体2が本発明の「筐体」に相当する。空洞部10が本発明の「空洞部」に相当する。送風機81、82が本発明の「送風機」に相当する。ファン813、823が本発明の「ファン」に相当する。フィルタ6が本発明の「フィルタ」に相当する。空気清浄機1の上下方向と前後方向が本発明の「吸込方向」に相当する。空気清浄機1の左右方向が本発明の「吹出方向」に相当する。
【0093】
空気清浄機1の上方が本発明の「吸込方向の一方」に相当する。空気清浄機1の下方が本発明の「吸込方向の他方」に相当する。ルーバ71、72が本発明の「ルーバ」に相当する。羽板713、723が本発明の「羽板」に相当する。第一弾性部材716、717、726、727が本発明の「第一弾性部材」に相当する。支持部811、821が本発明の「支持部」に相当する。左空洞部11と右空洞部12が本発明の「第一空洞部」に相当する。中空洞部13が本発明の「第二空洞部」に相当する。区画壁371、372が本発明の「区画壁」に相当する。突出部381、382が本発明の「突出部」に相当する。当接部391、392が本発明の「当接部」に相当する。
【0094】
第二弾性部材215~218が本発明の「第二弾性部材」に相当する。筐体2の下面21が本発明の「支持面部」に相当する。開口325が本発明の「開口」に相当する。ケース3が本発明の「ケース」に相当する。蓋4が本発明の「蓋」に相当する。把持部41が本発明の「把持部」に相当する。貼付部28が本発明の「貼付部」に相当する。
【0095】
<第一変形例>
図9を参照し、第一変形例に係る空気清浄機1Aを説明する。空気清浄機1Aでは、送風機81、82に加えて送風機83、84をさらに備える点と、仕切部375Aの形状が空気清浄機1と異なる。すなわち、送風機81、82の個数は2個に限定されず、3個以上でもよい。空気清浄機1Aのその他の構成は空気清浄機1と同一である。
図9はフィルタ6の図示を省略する(後述の
図10も同様)。
【0096】
仕切部375Aは中仕切壁376Aと左仕切壁377Aと右仕切壁378Aを有する。中仕切壁376Aと左仕切壁377Aと右仕切壁378Aは板状を有し、前後方向に延びる。中仕切壁376Aは中壁37の左右方向中央から上方に延びる。左仕切壁377Aは中壁37のうち区画壁371よりも右側の位置から右斜め上方に中仕切壁376Aの上端よりも左側の位置まで延びる。右仕切壁378Aは中壁37のうち区画壁372よりも左側の位置から左斜め上方に中仕切壁376Aの上端よりも右側の位置まで延びる。中仕切壁376A、左仕切壁377A、および右仕切壁378Aのそれぞれの上端は上壁32から下方に離れた位置に配置される。
【0097】
中空洞部13は中仕切壁376A、左仕切壁377A、右仕切壁378A、区画壁371、372によって分割空洞部131、132、133、134に区画される。分割空洞部131は中空洞部13のうち左右方向において区画壁371と左仕切壁377Aによって挟まれた空間である。分割空洞部132は中空洞部13のうち左右方向において左仕切壁377Aと中仕切壁376Aによって挟まれた空間である。分割空洞部133は中空洞部13のうち左右方向において中仕切壁376Aと右仕切壁378Aによって挟まれた空間である。分割空洞部134は中空洞部13のうち左右方向において右仕切壁378Aと区画壁372によって挟まれた空間である。
【0098】
中壁37のうち左右方向において中仕切壁376Aと左仕切壁377Aのそれぞれの下端の間には開口378が設けられる。分割空洞部132は開口378を介して収容部19とつながる。中壁37のうち左右方向において中仕切壁376Aと右仕切壁378Aのそれぞれの下端の間には開口379が設けられる。分割空洞部133は開口379を介して収容部19とつながる。
【0099】
筐体2の下面21には吹出口57、58がさらに形成される。すなわち、吹出口55、56の個数は2個に限定されず、3個以上でもよい。空気清浄機1は吹出口55、56の一方を省略してもよい。
【0100】
吹出口57は開口であり、下壁31のうち左右方向において中仕切壁376Aと左仕切壁377Aの間に形成される。吹出口58は開口であり、下壁31のうち左右方向において中仕切壁376Aと右仕切壁378Aの間に形成される。吹出口57の開口面積は
図1~
図3に示す吸込口51、52、53の開口面積よりも小さい。吹出口58の開口面積は
図1~
図3に示す吸込口51、52、53の開口面積よりも小さい。
【0101】
空気清浄機1Aは送風機83、84を備える。送風機83、84は収容部19に固定される。送風機83は左右方向において中仕切壁376Aと左仕切壁377Aのそれぞれの下端の間に位置する。送風機83の吸気部831は上下方向において開口378と相対する。送風機83の排気部832は上下方向において吹出口57と相対する。送風機84は左右方向において中仕切壁376Aと右仕切壁378Aのそれぞれの下端の間に位置する。送風機84の吸気部841は上下方向において開口379と相対する。送風機84の排気部842は上下方向において吹出口58と相対する。
【0102】
以下、吸込口51、
図1に示す吸込口52、
図2に示す吸込口53のうち分割空洞部131、132、133、134のそれぞれとつながる部分を、それぞれ、「第一部分吸込口」、「第二部分吸込口」、「第三部分吸込口」、「第四部分吸込口」という。
【0103】
上記第一変形例の構成によれば、送風機81は、吸込口51~53のうち第一部分吸込口から分割空洞部131に空気を吸い込む。空気は、分割空洞部131に吸い込まれる過程でフィルタ6の中を通り、清浄される。送風機81は、分割空洞部131内の清浄された空気を、吹出口55から左方に吹き出す。
【0104】
送風機82は、吸込口51~53のうち第四部分吸込口から分割空洞部134に空気を吸い込む。空気は、分割空洞部134に吸い込まれる過程でフィルタ6の中を通り、清浄される。送風機82は、分割空洞部134内の清浄された空気を、吹出口56から右方に吹き出す。
【0105】
送風機83は、吸込口51~53のうち第二部分吸込口から分割空洞部132に空気を吸い込む。空気は、分割空洞部132に吸い込まれる過程でフィルタ6の中を通り、清浄される。送風機83は、分割空洞部132内の清浄された空気を、開口378を介して吹出口57から下方に吹き出す。
【0106】
送風機84は、吸込口51~53のうち第三部分吸込口から分割空洞部133に空気を吸い込む。空気は、分割空洞部133に吸い込まれる過程でフィルタ6の中を通り、清浄される。送風機84は、分割空洞部133内の清浄された空気を、開口379を介して吹出口58から下方に吹き出す。
【0107】
以上のように、空気清浄機1Aは4つの送風機81~84を有するので、空気清浄機1と比べて吸込口51~53から吸い込まれる単位時間当たりの空気の吸込量を大きくできる。空気清浄機1Aは、送風機81~84のそれぞれが駆動することにより形成される気流を、分割空洞部131~134を介して流す。このため、送風機81~84の駆動に応じて中空洞部13を流れる空気が互いに影響し合うことが、仕切部375Aによって抑制される。よって、空気清浄機1Aは、中空洞部13内で空気をスムーズに流すことができる。したがって、空気清浄機1Aは空気を清浄する効率を高めることができる。
【0108】
さらに、吹出口55、56、57、58のそれぞれの開口面積が吸込口51~53の開口面積よりも小さいので、吹出速度が吸込速度よりも大きくなる。このため、空気清浄機1Aは、空気清浄機1と同様に、吹出口55、56、57、58のそれぞれから吹き出された空気が吸込口51~53から再度吸い込まれることを抑制できる。
【0109】
第一変形例において、中仕切壁376A、左仕切壁377A、右仕切壁378Aのそれぞれの上端は互いに接続してもよい。中仕切壁376A、左仕切壁377A、右仕切壁378Aのそれぞれの上端は蓋4に接触してもよい。
【0110】
<第二変形例>
図10を参照し、第二変形例に係る空気清浄機1Bを説明する。空気清浄機1Bでは、筐体2がダクト38、39を含む点が空気清浄機1と異なる。ダクト38、39は管状を有し、2つの開口を有する。
【0111】
ダクト38の一方の開口は上壁32の左端323に接続する。ダクト38は右方から左方に向かうにつれて上方から下方に延びるように湾曲する。ダクト38内の空間は左空洞部11である。ダクト38の他方の開口は吹出口55であり、筐体2の下面21よりも上側の位置に配置される。送風機81において、排気部817は上下方向において吹出口55と相対する。
【0112】
ダクト39の一方の開口は上壁32の右端324に接続する。ダクト39は左方から右方に向かうにつれて上方から下方に延びるように湾曲する。ダクト39内の空間は右空洞部12である。ダクト38の他方の開口は吹出口56であり、筐体2の下面21よりも上側の位置に配置される。送風機82において、排気部827は上下方向において吹出口56と相対する。
【0113】
上記第二変形例の構成によれば、送風機81、82は、それぞれ、吸込口51~53から中空洞部13に空気を吸い込む。空気は、中空洞部13に吸い込まれる過程でフィルタ6の中を通り、清浄される。送風機81、82は、それぞれ、中空洞部13内の清浄された空気を、吹出口55、56から下方に吹き出す。この場合、空気清浄機1Bはルーバ71、72を省略してもよい。
【0114】
空気清浄機1Bでは、吹出口55、56のそれぞれの開口面積が吸込口51~53の開口面積よりも小さいので、吹出速度が吸込速度よりも大きくなる。よって、空気清浄機1Bは、空気清浄機1と同様に、吹出口55、56のそれぞれから吹き出された空気が吸込口51~53から再度吸い込まれることを抑制できる。
【0115】
<その他の変形例>
本発明は、第一変形例、第二変形例に加えて、上記実施形態から種々変形できる。上記実施形態、第一変形例、第二変形例、および以下説明する変形例は、矛盾が生じない限り、適宜互いに組み合わせることができる。空気清浄機1はスライドスイッチ8に代えて、または加えてボタンスイッチ、タッチパネル、赤外線スイッチ等を備えてもよい。この場合、第二弾性部材215~218の静止摩擦係数はユーザによるスイッチ操作によって空気清浄機1が設置面99に対して動かない程度の大きさであることが好ましい。この場合、ユーザは筐体2を支えることなくスイッチ操作できる。
【0116】
空気清浄機1は、筐体2の下面21、上面22、前面23、後面24、左面25、および右面26のいずれの面が設置面99と相対するように設置されてもよい。空気清浄機1は設置面99に設置されずに使用されてもよい。例えば空気清浄機1は、筐体2の長手方向がマイクスタンドと平行となる向きで、筐体2の下面21がマイクスタンドに固定された状態で使用されてもよい。筐体2の外形は直方体状に限定されず、球体状、円柱状、角柱状(三角柱等)でもよい。吸込口51、52、53の開口方向は、吹出口55、56の開口方向と直交しなくても、少なくとも交差すればよい。
【0117】
吸込口51、52、53のいずれか一つまたは二つが筐体2に形成されなくてもよい。例えば筐体2には、吸込口51、52、53のうち吸込口52、53のみが形成され、吸込口51は形成されなくてもよい。例えば、筐体2には、吸込口51、52、53のうち吸込口51のみが形成され、吸込口52、53は形成されなくてもよい。筐体2の上面22、前面23、後面24に加えて下面21にも吸込口が形成されてもよい。吸込口は互いに接続する複数の壁、例えば上壁32と前壁33にまたがって形成されてもよい。
【0118】
ファン813、823の回転軸は左右方向に対して上方または下方に傾斜して延びてもよいし、左右方向に対して前方または後方に傾斜して延びてもよい。送風機81、82は、筐体2に対して回転可能に設けられてもよい。この場合、ユーザは、送風機81、82自体を回転させることで、ファン813、823の回転によって発生する気流の向きを調整してもよい。送風機81、82は軸流型に限定されず、斜流型、遠心型等でもよい。
【0119】
上記実施形態では、開口325は上壁32に形成される。これに対し、開口325は上壁32に代えて、または加えて下壁31、前壁33、後壁34、左壁35、および右壁36の一つまたは複数に形成されてもよいし、互いに接続する壁にまたがって形成されてもよい。開口325が複数形成される場合には、複数の蓋4が複数の開口325のそれぞれに着脱可能に設けられてもよい。
【0120】
フィルタ6の断面形状はU字状に限定されず、円形状、楕円形状、V字状等でもよい。上フィルタ61、前フィルタ62、および後フィルタ63はそれぞれ別体に構成されてもよい。フィルタ6は中空洞部13に位置しなくてもよく、例えば左空洞部11と右空洞部12のそれぞれに位置してもよい。この場合、例えばフィルタ6は左右方向において、送風機81と吹出口55の間と、送風機82と吹出口56の間のそれぞれに位置してもよい。すなわち、フィルタ6は左右方向において、送風機81、82の間に位置しなくてもよい。フィルタ6はHEPAフィルタに限定されず、ULPAフィルタ等でもよい。
【0121】
第二弾性部材215~218の代わりに粘着部材が凹部211~214に固定されてもよい。この場合、空気清浄機1はタック性を向上できる。空気清浄機1は第二弾性部材215~218の一部または全部を省略してもよい。第二弾性部材215~218の個数は5個以上でもよい。第二弾性部材215~218が設けられる位置は上記実施形態に限定されない。例えば第二弾性部材は、筐体2の下面21全体に固定されてもよい。第二弾性部材は、左右方向において中空洞部13と同じ位置に位置してもよい。詳細には、第二弾性部材は筐体2の下面21において、仕切部375の左右方向の位置と同じ位置に設けられてもよいし、仕切部375の前後方向の位置と同じ位置に設けられてもよいし、平面視で仕切部375と重なる位置に設けられてもよい。仕切部375は吸込口51から吸い込まれた空気によって振動する可能性がある。仕切部375の下側に第二弾性部材が設けられることで、空気清浄機1は仕切部375の振動を第二弾性部材によって吸収しやすい。下面21に凹部211~214が形成されず、下面21の少なくとも一部に直接に第二弾性部材が固定されてもよい。この場合、下面21が本発明の「支持面部」に相当する。
【0122】
第二弾性部材215~218は無発泡ウレタン、発泡シリコン、無発泡シリコン等のゴムでもよいし、スポンジ、ばね、フェルト等でもよい。第二弾性部材215~218において、単位面積あたりの25%圧縮荷重値は0.133N/mm2よりも大きくてもよい。
【0123】
第二弾性部材215、216、217、218の静止摩擦係数は、それぞれ、筐体2の下面21の静止摩擦係数以下であってもよい。第二弾性部材215、216、217、218の静止摩擦係数は、それぞれ、凹部211の底面の静止摩擦係数以下であってもよい。
【0124】
第一弾性部材716、717の個数は3つ以上であってもよい。空気清浄機1は第一弾性部材716、717の一部または全部を省略してもよい。この場合、ルーバ71は送風機81と直接当接してもよい。ルーバ71と送風機81は左右方向において互いに離れてケース3に固定されてもよい。第一弾性部材716、717はルーバ71の右面のうちいずれの位置に固定されてもよい。第一弾性部材716、717は、ルーバ71の右面には固定されずに送風機81において支持部811の右端814に固定されてもよいし、ルーバ71の右面と支持部811の右端814の両方に固定されてもよい。第一弾性部材726、727も第一弾性部材716、717と同様に変更できる。第一弾性部材716、717、726、727はスポンジに限定されず、ゴム、ばね、フェルト等でもよい。
【0125】
ケース3への送風機81の固定方法は上記実施形態に限定されない。例えば空気清浄機1は複数の当接部391の一部または全部を省略してもよいし、五つ以上の当接部391を備えてもよい。当接部391は中壁37から上方に突出してもよい。この場合、当接部391に支持部811が左方から当接することで、送風機81の左右方向の位置が決められる。送風機82のケース3への固定方法も送風機81と同様に変更できる。
【0126】
把持部41はスナップフィットに限定されない。すなわち、上記実施形態では、把持部41はユーザによって把持される機能と蓋4をケース3に取り付けられた状態を維持する機能を有する。これに対し、例えば把持部41は蓋4のうち吸込口51とは異なる位置から上方に延び、ケース3に取り付けられた状態を維持する機能を有しなくてもよい。
【0127】
上記実施形態では、蓋4はケース3から完全に取り外することができる。これに対し、蓋4は例えば蝶番を介してケース3と連結していてもよい。「蓋4がケース3に対して着脱可能」とは、蓋4がケース3に取り付けることができ、且つケース3から完全に取り外すことができる場合と、蓋4の一部がケース3と連結した状態で、蓋4がケース3に対して開閉できる場合の両方を含む。
【0128】
筐体2には、吸込口51~53の開口面積よりも小さい開口面積を有する吹出口が少なくとも1つ形成されればよい。すなわち、吹出口55、56のうち一方の開口面積は吸込口51~53の開口面積以上であってもよい。
【符号の説明】
【0129】
1 空気清浄機
2 筐体
3 ケース
4 蓋
6 フィルタ
10 空洞部
11 左空洞部
12 右空洞部
13 中空洞部
21 下面
28 貼付部
41 把持部
51~53 吸込口
55、56 吹出口
71、72 ルーバ
81、82 送風機
215~218 第二弾性部材
325 開口
371、372 区画壁
381、382 突出部
391、392 当接部
713、723 羽板
716、717、726、727 第一弾性部材
811、821 支持部
813、823 ファン