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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170963
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】回転モーターおよびロボットアーム
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/27 20220101AFI20221104BHJP
   H02K 21/24 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
H02K1/27 503
H02K1/27 501M
H02K21/24 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021077274
(22)【出願日】2021-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】西田 秀明
(72)【発明者】
【氏名】田中 邦章
【テーマコード(参考)】
5H621
5H622
【Fターム(参考)】
5H621BB01
5H621BB07
5H621GA04
5H621GB10
5H621HH01
5H622AA04
5H622CA02
5H622CA06
5H622CA10
5H622CB02
5H622CB03
5H622PP03
5H622PP19
(57)【要約】
【課題】磁石の表面部分は減磁しない回転モーターを提供する。
【解決手段】モーター1は第1ステーター4とローター3とを備え、ローター3は、回転軸2と接続するフレーム13と、フレーム13に固定される永久磁石14と、を備え、第1ステーター4からローター3に向かう方向を下段上向磁化方向38としたときに、永久磁石14は、磁化方向が下段上向磁化方向38である複数の下段主磁極磁石44と、磁化方向が下段上向磁化方向38と異なる方向である複数の下段第2右向副磁石35及び下段第2左向副磁石37、を備え、下段主磁極磁石44は、下段上向磁化方向38の負側に配置される下段第1上向主磁石32と、フレーム13に固定される下段第2上向主磁石34と、を備え、下段上向磁化方向38に沿って永久磁石14を見るとき、下段第1上向主磁石32と下段第2右向副磁石35及び下段第2左向副磁石37との一部が重なる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルを備えるステーターと、
前記コイルとギャップを隔てて配置され前記ステーターに対して回転するローターと、を備え、
前記ローターは、
回転軸と接続するローターフレームと、
前記ローターフレームに固定される磁石と、を備え、
前記ステーターから前記ローターに向かう方向を第1方向としたときに、前記磁石は、磁化方向が前記第1方向である複数の主磁極磁石と、磁化方向が前記第1方向と異なる方向である複数の副磁極磁石と、を備え、
前記主磁極磁石は、前記第1方向の負側に配置される第1主磁極磁石と、前記第1方向の正側に配置され、前記ローターフレームに固定される第2主磁極磁石と、を備え、
前記副磁極磁石と前記第2主磁極磁石とは互いに前記第1方向と直交する第2方向を向く面で接触し、
前記第1方向に沿って前記磁石を見るとき、前記第1主磁極磁石の一部と前記副磁極磁石とが重なり、前記第1主磁極磁石の一部と前記第2主磁極磁石とが重なることを特徴とする回転モーター。
【請求項2】
請求項1に記載の回転モーターであって、
前記第2主磁極磁石は前記ローターフレームに固定される面を有することを特徴とする回転モーター。
【請求項3】
請求項1または2に記載の回転モーターであって、
前記副磁極磁石は前記ローターフレームに固定される面を有することを特徴とする回転モーター。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の回転モーターであって、
隣り合う前記第1主磁極磁石は前記第1方向の負側の端部同士が接触することを特徴とする回転モーター。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の回転モーターであって、
前記ローターフレームは複数の突起を備え、前記副磁極磁石は前記突起の間に固定されることを特徴とする回転モーター。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の回転モーターであって、
前記第1方向と前記回転軸の軸方向とが同じ方向であることを特徴とする回転モーター。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか一項に記載の回転モーターであって、
前記第1方向と前記回転軸の軸方向とが直交することを特徴とする回転モーター。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の回転モーターを備えることを特徴とするロボットアーム。
【請求項9】
請求項8に記載のロボットアームであって、
前記回転モーターは請求項6に記載の回転モーターであり、
回転軸は軸方向に延びる貫通孔を有し、前記貫通孔には、電線が挿通されることを特徴とするロボットアーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転モーターおよびロボットアームに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ハルバッハ配列のラジアルギャップモーターが特許文献1に開示されている。それによると、ローターはハルバッハ磁石配列を備える。ハルバッハ磁石配列は磁化方向が半径方向である主磁極磁石としての主永久磁石と磁化方向が周方向を向く副磁極磁石としての補永久磁石とが交互に配置される。
【0003】
ローターの外周側にステーターが配置される。主永久磁石のステーター側の磁極はN極とS極とが交互に配置される。補永久磁石では周方向にN極とS極とが並んで配置される。主永久磁石と補永久磁石とがハルバッハ磁石配列になっている。
【0004】
磁束は主永久磁石のN極からエアギャップに向って出る。磁束は補永久磁石をまたいで、別の主永久磁石のS極に入る。S極に入った磁束はその主永久磁石のN極に移行する。N極に移行した磁束は、補永久磁石を通過して、もとの主永久磁石のS極を通り、S極からN極に移行する。このように、磁束は循環する磁気回路を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-015906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のハルバッハ磁石配列では補永久磁石の両側の主永久磁石が離れている。このため、補永久磁石を通過する磁束は補永久磁石のエアギャップに面する表面部分を通り難い。その結果、補永久磁石の表面部分は減磁してしまい、モーター全体の磁気特性が低下するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
回転モーターは、コイルを備えるステーターと、前記コイルとギャップを隔てて配置され前記ステーターに対して回転するローターと、を備え、前記ローターは、回転軸と接続するローターフレームと、前記ローターフレームに固定される磁石と、を備え、前記ステーターから前記ローターに向かう方向を第1方向としたときに、前記磁石は、磁化方向が前記第1方向である複数の主磁極磁石と、磁化方向が前記第1方向と異なる方向である複数の副磁極磁石と、を備え、前記主磁極磁石は、前記第1方向の負側に配置される第1主磁極磁石と、前記第1方向の正側に配置され、前記ローターフレームに固定される第2主磁極磁石と、を備え、前記副磁極磁石と前記第2主磁極磁石とは互いに前記第1方向と直交する第2方向を向く面で接触し、前記第1方向に沿って前記磁石を見るとき、前記第1主磁極磁石の一部と前記副磁極磁石とが重なり、前記第1主磁極磁石の一部と前記第2主磁極磁石とが重なる。
【0008】
ロボットアームは、上記に記載の回転モーターを備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態にかかわる回転モーターの概略構成を示す模式側断面図。
図2】ローターの構成を示す要部模式平面図。
図3】磁石の構成を説明するための要部模式側面図。
図4】磁力線を説明するための要部模式側面図。
図5】第2実施形態にかかわる磁石の構成を説明するための要部模式側面図。
図6】第3実施形態にかかわる磁石の構成を説明するための要部模式側面図。
図7】第4実施形態にかかわる磁石の構成を説明するための要部模式側面図。
図8】第5実施形態にかかわる磁石の構成を説明するための要部模式側面図。
図9】第6実施形態にかかわる磁石の構成を説明するための要部模式側面図。
図10】第7実施形態にかかわる磁石の構成を説明するための要部模式側面図。
図11】第8実施形態にかかわる回転モーターの概略構成を示す模式側断面図。
図12】磁石の構成を説明するための要部模式平面図。
図13】第9実施形態にかかわるロボットの構成を示す概略斜視図。
図14】従来例にかかわる磁石の構成を説明するための要部模式側面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
第1実施形態
図1に示す回転モーターとしてのモーター1は、ダブルステーター構造を採用したアキシャルギャップモーターである。モーター1は、回転軸2と接続し、回転軸2と共に回転する円板状をなすローター3を備える。回転軸2及びローター3は中心軸2aを中心に回転する。モーター1は、回転軸2の軸方向においてローター3を挟んで配置されているステーターとしての第1ステーター4及びステーターとしての第2ステーター5を備える。ローター3は第1ステーター4及び第2ステーター5に対して相対回転する。
【0011】
中心軸2aに沿う両方向を軸方向6とする。ローター3の円周に沿う両方向を「第2方向としての周方向7」とする。ローター3の径に沿って外側に向かう方向を径方向8とする。第2ステーター5から第1ステーター4に向かう方向を下方向9とする。第1ステーター4から第2ステーター5に向かう方向を上方向10とする。下方向9に見たときの時計回りの方向を第1周方向11とする。下方向9に見たときの反時計回りの方向を第2周方向12とする。
【0012】
ローター3は、ローターフレームとしてのフレーム13と、フレーム13に支持された磁石としての永久磁石14と、を備える。フレーム13は回転軸2と接続し、回転軸2に固定される。永久磁石14はフレーム13の軸方向6側に接着固定される。永久磁石14は着磁磁石である。永久磁石14は下段永久磁石15及び上段永久磁石16により構成される。下段永久磁石15及び上段永久磁石16は軸方向6から見たとき重なっている。下段永久磁石15は第1ステーター4側に配置され、上段永久磁石16は第2ステーター5側に配置される。下段永久磁石15の下面15aは第1ステーター4と対向し、上段永久磁石16の上面16aは第2ステーター5と対向する。
【0013】
第1ステーター4及び第2ステーター5は、ローター3を軸方向6の両側から挟み込むように配置される。ローター3の下方向9には隙間を介して第1ステーター4が配置される。ローター3の上方向10には隙間を介して第2ステーター5が配置される。
【0014】
第1ステーター4は円環状をなすボトムケース17と、複数の第1ステーターコア18と、各第1ステーターコア18に配置されているコイルとしての第1コイル19と、を備える。第1ステーターコア18はボトムケース17の上方向10に配置される。尚、複数の第1ステーターコア18の間には、第1ステーターコア18をつなぐために、図示しないバックヨークが設けられている。
【0015】
第2ステーター5は円環状をなすトップケース20と、複数の第2ステーターコア21と、各第2ステーターコア21に配置されているコイルとしての第2コイル22と、を有する。第2ステーターコア21は、トップケース20の下方向9に配置されている。尚、複数の第2ステーターコア21の間には、第2ステーターコア21をつなぐために、図示しないバックヨークが設けられている。
【0016】
次に、第1ステーター4の構成について説明する。第1ステーター4及び第2ステーター5は互いに同様の構成であるため、以下では、第1ステーター4を代表に説明し、第2ステーター5については、その説明を省略する。
【0017】
ボトムケース17の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム合金、マグネシウム合金、チタン合金のような金属材料、アルミナ、ジルコニアのようなセラミックス材料、エンジニアリングプラスチックのような樹脂材料等が挙げられる。他にも、ボトムケース17の構成材料としては、例えば、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)、GFRP(Glass Fiber Reinforced Plastics)のような各種繊維強化プラスチックが挙げられる。他にも、ボトムケース17の構成材料としては、例えば、FRC(Fiber Reinforced Ceramics)、FRM(Fiber Reinforced Metallics)のような繊維強化複合材料等が挙げられる。
【0018】
ボトムケース17の構成材料は、非磁性材料であるのが好ましい。ボトムケース17が磁束の影響を受けにくくなり、トルクの低下等の問題が発生しにくくなる。尚、非磁性材料とは、比透磁率が0.9以上3.0以下程度となる材料のことをいう。
【0019】
第1ステーター4は複数の第1ステーターコア18を有する。第1ステーターコア18は、周方向7に沿って等間隔に並んでいる。各第1ステーターコア18は、例えば、電磁鋼板の積層体、磁性粉末の圧粉体等の各種磁性材料、特に軟磁性材料で構成される。
【0020】
各第1ステーターコア18は、例えば、溶融、接着剤、溶接等によってボトムケース17に固定されていてもよいし、各種係合構造を用いてボトムケース17に係合していてもよい。
【0021】
第1コイル19は、第1ステーターコア18の外周に巻き付けられている。そして、第1ステーターコア18及び第1コイル19で電磁石が構成される。第1コイル19は、第1ステーターコア18に巻き付けた導線であってもよいし、あらかじめ導線をボビン等に巻き取っておき、これを第1ステーターコア18の外周に嵌め込んだものであってもよい。
【0022】
モーター1は、図示しない通電回路を有し、各第1コイル19は、この通電回路に接続されている。各第1コイル19へは、所定の周期または所定のパターンで通電される。例えば、各第1コイル19に三相交流を印加すると、電磁石から磁束が生じ、対向する永久磁石14に対して力が作用する。この状態が周期的に繰り返されることにより、ローター3が回転軸2まわりに回転する。ローター3は第1コイル19とギャップを隔てて配置され第1ステーター4に対して回転する。同様に、ローター3は第2コイル22とギャップを隔てて配置され第2ステーター5に対して回転する。
【0023】
第1ステーター4は、その全体が樹脂でモールドされていてもよい。樹脂でモールドすることにより、ボトムケース17と第1ステーターコア18とを互いに固定することができる。
【0024】
第1ステーター4と第2ステーター5とはセンターケース23を介して接続される。センターケース23はローター3の外側に位置し、円筒状をなしている。
【0025】
ボトムケース17とフレーム13とはクロスローラーベアリング24を介して回転可能に接続される。クロスローラーベアリング24は内輪25と、外輪26と、コロ27と、を備える。ボトムケース17は内輪25と接続され、フレーム13は外輪26と接続される。内輪25及び外輪26はコロ27を介して互いに回転する。ローター3は、第1ステーター4及び第2ステーター5に対して回転可能に支持される。
【0026】
回転軸2は軸方向6に延びる貫通孔2bを有する。貫通孔2bには、電線28が挿通される。
【0027】
図2は、ローター3を下方向9に見たときの平面図である。図2には円板状をなすローター3の周方向7のうち一部が図示されている。図2に示すように、ローター3はフレーム13及び永久磁石14を備える。フレーム13は円板状をなす。フレーム13の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム合金、マグネシウム合金、チタン合金のような金属材料、アルミナ、ジルコニアのようなセラミックス材料、エンジニアリングプラスチックのような樹脂材料、等が挙げられる。他にも、フレーム13の構成材料としては、例えば、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)、GFRP(Glass Fiber Reinforced Plastics)のような各種繊維強化プラスチック、FRC(Fiber Reinforced Ceramics)、FRM(Fiber Reinforced Metallics)のような繊維強化複合材料等が挙げられる。
【0028】
フレーム13の構成材料は、非磁性材料であるのが好ましい。これにより、フレーム13が磁束の影響を受けにくくなり、トルクの低下等の問題が発生しにくくなる。尚、非磁性材料とは、比透磁率が0.9以上3.0以下程度となる材料のことをいう。
【0029】
永久磁石14としては、例えば、ネオジム磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石、ボンド磁石等が挙げられるが、これらには限定されない。
【0030】
永久磁石14は、例えば、接着剤、締結具、緊縛具等を用いて、フレーム13に固定される。また、接着剤とその他の手段とを併用するようにしてもよい。永久磁石14を覆うように接着剤やモールド樹脂を配置してもよい。本実施形態では、例えば、永久磁石14はフレーム13に接着固定される。
【0031】
図3図2のローター3を径方向8の逆方向から見た図である。図3に示すように、ローター3が備える永久磁石14はハルバッハ磁石配列で配置されている。
【0032】
ローター3の下段永久磁石15は下段第1永久磁石29及び下段第2永久磁石31にて構成される。下段第1永久磁石29は下段第2永久磁石31より下方向9に配置される。
【0033】
下段第1永久磁石29は互いに接する主磁極磁石及び第1主磁極磁石としての下段第1上向主磁石32及び第1主磁極磁石としての下段第1下向主磁石33を備える。下段第1上向主磁石32及び下段第1下向主磁石33は回転軸2の円周に沿ってこの順に繰り返し配置される。
【0034】
下段第2永久磁石31は互いに接する主磁極磁石及び第2主磁極磁石としての下段第2上向主磁石34、副磁極磁石としての下段第2右向副磁石35、下段第2下向主磁石36及び副磁極磁石としての下段第2左向副磁石37を備える。下段第2上向主磁石34、下段第2右向副磁石35、下段第2下向主磁石36及び下段第2左向副磁石37は回転軸2の円周に沿ってこの順に繰り返し配置される。
【0035】
第1ステーター4からローター3に向かう方向が第1方向としての下段上向磁化方向38である。下段上向磁化方向38は上方向10と同じ方向である。下段下向磁化方向39は下段上向磁化方向38の逆方向である。右向磁化方向41は第2周方向12と同じ方向である。左向磁化方向42は第1周方向11と同じ方向である。右向磁化方向41及び左向磁化方向42は下段上向磁化方向38と異なる方向である。
【0036】
永久磁石14内の矢印は磁化方向43を示す。下段第1上向主磁石32及び下段第2上向主磁石34の磁化方向43は下段上向磁化方向38である。ローター3から第1ステーターコア18に向かう方向が下段下向磁化方向39である。下段第1下向主磁石33及び下段第2下向主磁石36の磁化方向43は下段下向磁化方向39である。下段第2右向副磁石35の磁化方向43は右向磁化方向41である。下段第2左向副磁石37の磁化方向43は左向磁化方向42である。
【0037】
永久磁石14は、磁化方向43が下段上向磁化方向38である複数の下段第1上向主磁石32及び複数の下段第2上向主磁石34と、を備える。さらに、永久磁石14は、磁化方向43が下段上向磁化方向38と異なる右向磁化方向41である複数の下段第2右向副磁石35と、磁化方向43が下段上向磁化方向38と異なる左向磁化方向42である複数の下段第2左向副磁石37と、を備える。さらに、永久磁石14は、磁化方向43が下段下向磁化方向39である複数の下段第1下向主磁石33及び複数の下段第2下向主磁石36と、を備える。
【0038】
主磁極磁石としての下段主磁極磁石44は、下段上向磁化方向38の負側に配置される下段第1上向主磁石32と、下段上向磁化方向38の正側に配置され、フレーム13に固定される下段第2上向主磁石34と、を備える。下段第2右向副磁石35と下段第2上向主磁石34とは互いに下段上向磁化方向38と直交する周方向7を向く面で接触する。下段第2左向副磁石37と下段第2上向主磁石34とは互いに下段上向磁化方向38と直交する周方向7を向く面で接触する。下段上向磁化方向38に沿って下段永久磁石15を見るとき、下段第1上向主磁石32と下段第2右向副磁石35との一部が重なる。さらに、下段第1上向主磁石32と下段第2左向副磁石37との一部が重なる。下段第1上向主磁石32の一部と下段第2上向主磁石34とが重なる。
【0039】
この構成によれば、周方向7にて下段第2右向副磁石35及び下段第2左向副磁石37と下段第2上向主磁石34とが並んで配置される。下段第1上向主磁石32は下段第2上向主磁石34の下段上向磁化方向38の負側に配置される。下段第1上向主磁石32側から下段第2上向主磁石34側を見るとき、下段第1上向主磁石32と下段第2右向副磁石35とが重なり、下段第1上向主磁石32と下段第2左向副磁石37とが重なる。周方向7において下段第1上向主磁石32は下段第2上向主磁石34よりも下段第2右向副磁石35及び下段第2左向副磁石37側に突出する。このとき、隣り合う下段第1上向主磁石32と下段第1下向主磁石33との間の距離は隣り合う下段第2上向主磁石34と下段第2下向主磁石36との間の距離より短い。
【0040】
図4に示すように、隣り合う下段第1上向主磁石32と下段第1下向主磁石33との間の距離が短いとき、下段第1上向主磁石32は下段上向磁化方向38の負側に位置する部分であって第1周方向11の端部である第1部分46及び下段上向磁化方向38の負側に位置する部分であって第2周方向12の端部である第2部分47にも大量の磁力線45を通過させることができる。すなわち、下段第1上向主磁石32と下段第2右向副磁石35及び下段第2左向副磁石37とが重なる部分においては、下段第1上向主磁石32から下段第2右向副磁石35及び下段第2左向副磁石37に向って磁力線が流れ、下段第1上向主磁石32と下段第2上向主磁石34とが重なる部分においては、下段第1上向主磁石32から下段第2上向主磁石34に向って磁力線が流れる。従って、下段第1上向主磁石32の第1部分46及び第2部分47が減磁することを抑制できる。
【0041】
図14に示す従来例のように、下段第1永久磁石29がないときには、下段第2右向副磁石35は下段上向磁化方向38の正側における磁束密度が高くなり、下段上向磁化方向38の負側における磁束密度が低くなる。特に下段第2右向副磁石35は周方向7の両側の端部である第3部分48と第4部分49において磁束密度が低くなる。このように磁束密度が低い部分では第1ステーター4及び第2ステーター5の磁束の影響や熱の影響を受けたときに磁化方向43が不揃いになり易い。従って、第3部分48及び第4部分49では磁化が劣化し易い。
【0042】
同様に、下段第2左向副磁石37は周方向7の両側の端部である第6部分51と第7部分52において磁束密度が低くなる。従って、第6部分51及び第7部分52では磁化が劣化し易い。
【0043】
図4に示す下段永久磁石15では磁束密度が低くなる部分が生じ難い為、下段永久磁石15の磁化が劣化することを抑制できる。
【0044】
図3に示すローター3の上段永久磁石16は上段第1永久磁石53及び上段第2永久磁石54にて構成される。上段第1永久磁石53は上段第2永久磁石54より上方向10に配置される。
【0045】
上段第1永久磁石53は互いに接する主磁極磁石及び第1主磁極磁石としての上段第1下向主磁石55及び第1主磁極磁石としての上段第1上向主磁石56を備える。上段第1下向主磁石55及び上段第1上向主磁石56は回転軸2の円周に沿ってこの順に繰り返し配置される。
【0046】
上段第2永久磁石54は互いに接する主磁極磁石及び第2主磁極磁石としての上段第2下向主磁石57、副磁極磁石としての上段第2右向副磁石58、上段第2上向主磁石59及び副磁極磁石としての上段第2左向副磁石61を備える。上段第2下向主磁石57、上段第2右向副磁石58、上段第2上向主磁石59及び上段第2左向副磁石61は回転軸2の円周に沿ってこの順に繰り返し配置される。
【0047】
第2ステーター5からローター3に向かう方向が第1方向としての上段下向磁化方向62である。上段下向磁化方向62は下方向9と同じ方向である。上段上向磁化方向63は上段下向磁化方向62の逆方向である。右向磁化方向41及び左向磁化方向42は上段下向磁化方向62と異なる方向である。
【0048】
上段第1下向主磁石55及び上段第2下向主磁石57の磁化方向43は上段下向磁化方向62である。ローター3から第2ステーターコア21に向かう方向が上段上向磁化方向63である。上段第1上向主磁石56及び上段第2上向主磁石59の磁化方向43は上段上向磁化方向63である。上段第2右向副磁石58の磁化方向43は右向磁化方向41である。上段第2左向副磁石61の磁化方向43は左向磁化方向42である。
【0049】
永久磁石14は、磁化方向43が上段下向磁化方向62である複数の上段第1下向主磁石55及び複数の上段第2下向主磁石57と、を備える。さらに、永久磁石14は、磁化方向43が上段下向磁化方向62と異なる右向磁化方向41である複数の上段第2右向副磁石58と、磁化方向43が上段下向磁化方向62と異なる左向磁化方向42である複数の上段第2左向副磁石61と、を備える。さらに、永久磁石14は、磁化方向43が上段上向磁化方向63である複数の上段第1上向主磁石56及び複数の上段第2上向主磁石59と、を備える。
【0050】
主磁極磁石としての上段主磁極磁石64は、上段下向磁化方向62の負側に配置される上段第1下向主磁石55と、上段下向磁化方向62の正側に配置され、フレーム13に固定される上段第2下向主磁石57と、を備える。上段第2右向副磁石58と上段第2下向主磁石57とは互いに上段下向磁化方向62と直交する周方向7を向く面で接触する。上段第2左向副磁石61と上段第2下向主磁石57とは互いに上段下向磁化方向62と直交する周方向7を向く面で接触する。上段下向磁化方向62に沿って上段永久磁石16を見るとき、上段第1下向主磁石55と上段第2右向副磁石58との一部が重なる。さらに、上段第1下向主磁石55と上段第2左向副磁石61との一部が重なる。上段第1下向主磁石55の一部と上段第2下向主磁石57とが重なる。
【0051】
この構成によれば、周方向7において上段第1下向主磁石55は上段第2下向主磁石57よりも上段第2右向副磁石58及び上段第2左向副磁石61側に突出する。このとき、隣り合う上段第1下向主磁石55と上段第1上向主磁石56との間の距離は隣り合う上段第2下向主磁石57と上段第2上向主磁石59との間の距離より短い。
【0052】
図4に示すように、隣り合う上段第1下向主磁石55と上段第1上向主磁石56との間の距離が短いとき、上段第1下向主磁石55は上段下向磁化方向62の負側に位置する部分であって第1周方向11の端部である第8部分65及び上段下向磁化方向62の負側に位置する部分であって第2周方向12の端部である第9部分66にも磁力線45を通過させることができる。従って、上段第1下向主磁石55の第8部分65及び第9部分66が減磁することを抑制できる。
【0053】
図14に示す従来例のように、上段第1永久磁石53がないときには、上段第2右向副磁石58は上段下向磁化方向62側の正側における磁束密度が高くなり、上段下向磁化方向62の負側における磁束密度が低くなる。特に上段第2右向副磁石58は周方向7の両側の端部である第10部分67と第11部分68において磁束密度が低くなる。従って、第10部分67及び第11部分68では磁化が劣化し易い。
【0054】
同様に、上段第2左向副磁石61は周方向7の両側の第12部分69と第13部分71との磁束密度が低くなる。従って、第12部分69及び第13部分71では磁化が劣化し易い。
【0055】
図4に示す上段永久磁石16では磁束密度が低くなる部分が生じ難い為、上段永久磁石16の磁化が劣化することを抑制できる。
【0056】
図3に示すように、下段第2上向主磁石34はフレーム13に固定される面としての第1面34aを有する。上段第2下向主磁石57はフレーム13に固定される面としての第2面57aを有する。この構成によれば、下段第2上向主磁石34及び上段第2下向主磁石57を容易にフレーム13に直接固定することができる。下段第2上向主磁石34とフレーム13との間に固定部材が設置されないので、下段上向磁化方向38における下段主磁極磁石44の長さを長くできる。この為、下段主磁極磁石44の磁力を強くできる。同様に、上段第2下向主磁石57とフレーム13との間に固定部材が設置されないので、上段下向磁化方向62における上段主磁極磁石64の長さを長くできる。この為、上段主磁極磁石64の磁力を強くできる。
【0057】
下段第2右向副磁石35はフレーム13に固定される面としての第3面35aを有する。この構成によれば、下段第2右向副磁石35を容易にフレーム13に固定することができる。下段第2左向副磁石37はフレーム13に固定される面としての第4面37aを有する。この構成によれば、下段第2左向副磁石37を容易にフレーム13に固定することができる。上段第2右向副磁石58はフレーム13に固定される面としての第5面58aを有する。この構成によれば、上段第2右向副磁石58を容易にフレーム13に固定することができる。上段第2左向副磁石61はフレーム13に固定される面としての第6面61aを有する。この構成によれば、上段第2左向副磁石61を容易にフレーム13に固定することができる。
【0058】
隣り合う下段第1上向主磁石32及び下段第1下向主磁石33は下段上向磁化方向38の負側の端部としての第1端部32a及び端部としての第2端部33a同士が接触する。さらに、隣り合う下段第1上向主磁石32及び下段第1下向主磁石33は下段上向磁化方向38の負側の端部としての第3端部32b及び端部としての第4端部33b同士が接触する。
【0059】
この構成によれば、下段上向磁化方向38の負側における下段第1上向主磁石32及び下段第1下向主磁石33同士の距離をさらに近づけることができる。従って、下段第1上向主磁石32及び下段第1下向主磁石33は下段上向磁化方向38の負側に位置する部分であって周方向7の両側の端にある部分が減磁することを抑制できる。
【0060】
隣り合う上段第1下向主磁石55及び上段第1上向主磁石56は上段下向磁化方向62の負側の端部としての第5端部55a及び端部としての第6端部56a同士が接触する。さらに、隣り合う上段第1下向主磁石55及び上段第1上向主磁石56は上段下向磁化方向62の負側の端部としての第7端部55b及び端部としての第8端部56b同士が接触する。
【0061】
この構成によれば、上段下向磁化方向62の負側における上段第1下向主磁石55及び上段第1上向主磁石56同士の距離をさらに近づけることができる。従って、上段第1下向主磁石55及び上段第1上向主磁石56は上段下向磁化方向62の負側に位置する部分であって周方向7の両側の端にある部分が減磁することを抑制できる。
【0062】
モーター1では下段上向磁化方向38及び上段下向磁化方向62と回転軸2の軸方向6とが同じ方向である。この構成によれば、モーター1はアキシャルギャップモーターであるので、下段上向磁化方向38及び上段下向磁化方向62の長さが短いモーターにすることができる。
【0063】
尚、モーター1はダブルステーター構造であったが、シングルステーター構造であっても同様の効果が得られる。
【0064】
永久磁石14を構成する磁石はそれぞれ1つの方向に磁化されている。各磁石の磁化方向43は1つの方向なので、各磁石をそれぞれ1回の磁化で着磁させることができる。従って、生産性良くモーター1を製造することができる。
【0065】
下段永久磁石15では下段第2右向副磁石35と下段第2左向副磁石37との間に下段第2上向主磁石34が配置される。下段第2上向主磁石34があることにより、下段第2上向主磁石34及び下段第1上向主磁石32からなる下段主磁極磁石44は下段上向磁化方向38の長さを長くできる。この為、下段主磁極磁石44は磁力を強くすることができる。上段永久磁石16においても、上段第2下向主磁石57があることにより、上段第2下向主磁石57及び上段第1下向主磁石55からなる上段主磁極磁石64は上段下向磁化方向62の長さを長くできる。この為、上段主磁極磁石64は磁力を強くすることができる。
【0066】
第2実施形態
本実施形態が第1実施形態と異なるところは、下段第1永久磁石29及び上段第1永久磁石53の配置が異なる点にある。尚、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0067】
図5に示すように、回転モーターとしてのモーター74のローター75は磁石としての永久磁石76を備える。永久磁石76は下段永久磁石77及び上段永久磁石78を備える。下段永久磁石77は下段第1永久磁石79及び下段第2永久磁石31を備える。上段永久磁石78は上段第2永久磁石54及び上段第1永久磁石81を備える。
【0068】
下段第1永久磁石79は下段第1上向主磁石82及び下段第1下向主磁石83を備える。下段第1上向主磁石82と下段第1下向主磁石83とは間隔を開けて配置される。下段上向磁化方向38から下段永久磁石77を見るとき下段第1上向主磁石82と下段第2上向主磁石34とは一部が重なり、重ならない領域がある。この構成では、下段第1上向主磁石82と下段第1下向主磁石83との間に永久磁石76が無いので、減磁することを抑制できる。
【0069】
上段第1永久磁石81は上段第1下向主磁石84及び上段第1上向主磁石85を備える。上段第1下向主磁石84と上段第1上向主磁石85とは間隔を開けて配置される。上段下向磁化方向62から上段永久磁石78を見るとき上段第1下向主磁石84と上段第2下向主磁石57とは一部が重なり、重ならない領域がある。この構成では、上段第1下向主磁石84と上段第1上向主磁石85との間に永久磁石76が無いので、減磁することを抑制できる。
【0070】
下段永久磁石77では下段第2右向副磁石35と下段第2左向副磁石37との間に下段第2上向主磁石34が配置される。下段第2上向主磁石34があることにより、下段第2上向主磁石34及び下段第1上向主磁石82からなる下段主磁極磁石44は下段上向磁化方向38の長さを長くできる。この為、下段主磁極磁石44は磁力を強くすることができる。上段永久磁石78においても、上段第2下向主磁石57があることにより、上段第2下向主磁石57及び上段第1下向主磁石84からなる上段主磁極磁石64は上段下向磁化方向62の長さを長くできる。この為、上段主磁極磁石64は磁力を強くすることができる。
【0071】
第3実施形態
本実施形態が第1実施形態と異なるところは、下段第1永久磁石29が下段第2永久磁石31より薄く、上段第1永久磁石53が上段第2永久磁石54より薄い点にある。尚、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0072】
図6に示すように、回転モーターとしてのモーター88のローター89は磁石としての永久磁石91を備える。永久磁石91は下段永久磁石92及び上段永久磁石93を備える。下段永久磁石92は下段第1永久磁石94及び下段第2永久磁石95を備える。上段永久磁石93は上段第2永久磁石96及び上段第1永久磁石97を備える。
【0073】
下段第1永久磁石94は下段第1上向主磁石98及び下段第1下向主磁石99を備える。下段第2永久磁石95は下段第2上向主磁石101、下段第2右向副磁石102、下段第2下向主磁石103及び下段第2左向副磁石104を備える。下段第1永久磁石94は下段第2永久磁石95より薄くなっている。この構成では、下段第1永久磁石94が薄いので、下段第1永久磁石94が減磁することを抑制できる。
【0074】
上段第1永久磁石97は上段第1下向主磁石105及び上段第1上向主磁石106を備える。上段第2永久磁石96は上段第2下向主磁石107、上段第2右向副磁石108、上段第2上向主磁石109及び上段第2左向副磁石111を備える。上段第1永久磁石97は上段第2永久磁石96より薄くなっている。この構成では、上段第1永久磁石97が薄いので、上段第1永久磁石97が減磁することを抑制できる。
【0075】
第4実施形態
本実施形態が第1実施形態と異なるところは、各磁石の位置決め用の部材を備える点にある。尚、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0076】
図7に示すように、回転モーターとしてのモーター114のローター115はローターフレームとしてのフレーム116及び磁石としての永久磁石117を備える。永久磁石117は下段永久磁石118及び上段永久磁石119を備える。下段永久磁石118は下段第1永久磁石121及び下段第2永久磁石122を備える。上段永久磁石119は上段第2永久磁石123及び上段第1永久磁石124を備える。
【0077】
下段第1永久磁石121は下段第1上向主磁石125及び下段第1下向主磁石126を備える。下段第2永久磁石122は下段第2上向主磁石127、下段第2右向副磁石35、下段第2下向主磁石128及び下段第2左向副磁石37を備える。
【0078】
フレーム116は下段第2上向主磁石127と対向する場所に突起としての第1突起116aを備える。フレーム116は下段第2下向主磁石128と対向する場所に突起としての第2突起116bを備える。フレーム116は第1突起116a及び第2突起116bを備え、下段第2右向副磁石35及び下段第2左向副磁石37は第1突起116a及び第2突起116bの間に固定される。従って、フレーム116は複数の突起を備え、副磁極磁石は突起の間に固定される。この構成によれば、フレーム116に対して下段第2右向副磁石35及び下段第2左向副磁石37を容易に位置精度良く配置することができる。
【0079】
下段第1上向主磁石125は下段第2上向主磁石127と対向する場所に第1穴125aを備える。下段第2上向主磁石127は第1穴125aと対向する場所に第2穴127aを備える。第1穴125a及び第2穴127aには位置決め部材129が挿入される。位置決め部材129は円柱状である。この構成によれば、下段第2上向主磁石127に対して下段第1上向主磁石125を容易に位置精度良く配置することができる。
【0080】
下段第1下向主磁石126は下段第2下向主磁石128と対向する場所に第3穴126aを備える。下段第2下向主磁石128は第3穴126aと対向する場所に第4穴128aを備える。第3穴126a及び第4穴128aには位置決め部材129が挿入される。この構成によれば、下段第2下向主磁石128に対して下段第1下向主磁石126を容易に位置精度良く配置することができる。
【0081】
上段第1永久磁石124は上段第1下向主磁石131及び上段第1上向主磁石132を備える。上段第2永久磁石123は上段第2下向主磁石133、上段第2右向副磁石58、上段第2上向主磁石134及び上段第2左向副磁石61を備える。
【0082】
フレーム116は上段第2下向主磁石133と対向する場所に突起としての第3突起116cを備える。フレーム116は上段第2上向主磁石134と対向する場所に突起としての第4突起116dを備える。フレーム116は第3突起116c及び第4突起116dを備え、上段第2右向副磁石58及び上段第2左向副磁石61は第3突起116c及び第4突起116dの間に固定される。従って、フレーム116は複数の突起を備え、副磁極磁石は突起の間に固定される。この構成によれば、フレーム116に対して上段第2右向副磁石58及び上段第2左向副磁石61を容易に位置精度良く配置することができる。
【0083】
上段第1下向主磁石131は上段第2下向主磁石133と対向する場所に第5穴131aを備える。上段第2下向主磁石133は第5穴131aと対向する場所に第6穴133aを備える。第5穴131a及び第6穴133aには位置決め部材129が挿入される。位置決め部材129は円柱状である。この構成によれば、上段第2下向主磁石133に対して上段第1下向主磁石131を容易に位置精度良く配置することができる。
【0084】
上段第1上向主磁石132は上段第2上向主磁石134と対向する場所に第7穴132aを備える。上段第2上向主磁石134は第7穴132aと対向する場所に第8穴134aを備える。第7穴132a及び第8穴134aには位置決め部材129が挿入される。この構成によれば、上段第2上向主磁石134に対して上段第1上向主磁石132を容易に位置精度良く配置することができる。
【0085】
第5実施形態
本実施形態が第1実施形態と異なるところは、各磁石の位置決め用の凹凸を備える点にある。尚、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0086】
図8に示すように、回転モーターとしてのモーター137のローター138はローターフレームとしてのフレーム139及び磁石としての永久磁石141を備える。永久磁石141は下段永久磁石142及び上段永久磁石143を備える。下段永久磁石142は下段第1永久磁石144及び下段第2永久磁石145を備える。上段永久磁石143は上段第2永久磁石146及び上段第1永久磁石147を備える。
【0087】
下段第1永久磁石144は下段第1上向主磁石148及び下段第1下向主磁石149を備える。下段第2永久磁石145は下段第2上向主磁石151、下段第2右向副磁石35、下段第2下向主磁石152及び下段第2左向副磁石37を備える。
【0088】
フレーム139は下段第2上向主磁石151の角と対向する場所に突起としての第1突起139a及び突起としての第2突起139bを備える。フレーム139は下段第2下向主磁石152の角と対向する場所に突起としての第3突起139c及び突起としての第4突起139dを備える。フレーム139は第2突起139b及び第3突起139cを備え、下段第2右向副磁石35は第2突起139b及び第3突起139cの間に固定される。
【0089】
フレーム139は第1突起139a及び第4突起139dを備え、下段第2左向副磁石37は第1突起139a及び第4突起139dの間に固定される。従って、フレーム139は複数の突起を備え、副磁極磁石は突起の間に固定される。この構成によれば、フレーム139に対して下段第2右向副磁石35及び下段第2左向副磁石37を容易に位置精度良く配置することができる。
【0090】
下段第1上向主磁石148は下段第2上向主磁石151と対向する場所に第1凸部148aを備える。下段第2上向主磁石151は第1凸部148aと対向する場所に第1穴151aを備える。第1凸部148aは第1穴151aに挿入される。この構成によれば、下段第2上向主磁石151に対して下段第1上向主磁石148を容易に位置精度良く配置することができる。
【0091】
下段第1下向主磁石149は下段第2下向主磁石152と対向する場所に第2凸部149aを備える。下段第2下向主磁石152は第2凸部149aと対向する場所に第2穴152aを備える。第2凸部149aは第2穴152aに挿入される。この構成によれば、下段第2下向主磁石152に対して下段第1下向主磁石149を容易に位置精度良く配置することができる。
【0092】
上段第1永久磁石147は上段第1下向主磁石153及び上段第1上向主磁石154を備える。上段第2永久磁石146は上段第2下向主磁石155、上段第2右向副磁石58、上段第2上向主磁石156及び上段第2左向副磁石61を備える。
【0093】
フレーム139は上段第2下向主磁石155と対向する場所の角に突起としての第5突起139e及び突起としての第6突起139fを備える。フレーム139は上段第2上向主磁石156と対向する場所の角に突起としての第7突起139g及び突起としての第8突起139hを備える。フレーム139は第5突起139e及び第7突起139gを備え、上段第2右向副磁石58は第5突起139e及び第7突起139gの間に固定される。
【0094】
フレーム139は第8突起139h及び第6突起139fを備え、上段第2左向副磁石61は第8突起139h及び第6突起139fの間に固定される。従って、フレーム139は複数の突起を備え、副磁極磁石は突起の間に固定される。この構成によれば、フレーム139に対して上段第2右向副磁石58及び上段第2左向副磁石61を容易に位置精度良く配置することができる。
【0095】
上段第1下向主磁石153は上段第2下向主磁石155と対向する場所に第3凸部153aを備える。上段第2下向主磁石155は第3凸部153aと対向する場所に第1穴155aを備える。第3凸部153aは第1穴155aに挿入される。この構成によれば、上段第2下向主磁石155に対して上段第1下向主磁石153を容易に位置精度良く配置することができる。
【0096】
上段第1上向主磁石154は上段第2上向主磁石156と対向する場所に第4凸部154aを備える。上段第2上向主磁石156は第4凸部154aと対向する場所に第2穴156aを備える。第4凸部154aは第2穴156aに挿入される。この構成によれば、上段第2上向主磁石156に対して上段第1上向主磁石154を容易に位置精度良く配置することができる。
【0097】
第6実施形態
本実施形態が第1実施形態と異なるところは、下段第2右向副磁石35、下段第2左向副磁石37、上段第2右向副磁石58及び上段第2左向副磁石61がそれぞれ2つに分割される点にある。尚、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0098】
図9に示すように、回転モーターとしてのモーター159のローター161はフレーム13及び磁石としての永久磁石162を備える。永久磁石162は下段永久磁石163及び上段永久磁石164を備える。下段永久磁石163は下段第1永久磁石29及び下段第2永久磁石165を備える。上段永久磁石164は上段第2永久磁石166及び上段第1永久磁石53を備える。
【0099】
下段第2永久磁石165は下段第2上向主磁石34、下段第2右向下部副磁石167、下段第2右向上部副磁石168、下段第2下向主磁石36、下段第2左向下部副磁石169及び下段第2左向上部副磁石171を備える。
【0100】
下段第2右向上部副磁石168は下段第2右向下部副磁石167の上方向10に重ねて配置される。下段第2右向上部副磁石168及び下段第2右向下部副磁石167は下段第2上向主磁石34と下段第2下向主磁石36との間に配置される。
【0101】
下段第2左向上部副磁石171は下段第2左向下部副磁石169の上方向10に重ねて配置される。下段第2左向上部副磁石171及び下段第2左向下部副磁石169は下段第2下向主磁石36と下段第2上向主磁石34との間に配置される。
【0102】
下段第2右向下部副磁石167及び下段第2右向上部副磁石168は、第1実施形態の下段第2右向副磁石35に比べて細長いので反磁界がかかり難いため、減磁し難くできる。下段第2左向下部副磁石169及び下段第2左向上部副磁石171は、第1実施形態の下段第2左向副磁石37に比べて細長いので反磁界がかかり難いため、減磁し難くできる。
【0103】
上段第2永久磁石166は上段第2下向主磁石57、上段第2右向下部副磁石172、上段第2右向上部副磁石173、上段第2上向主磁石59、上段第2左向下部副磁石174及び上段第2左向上部副磁石175を備える。
【0104】
上段第2右向上部副磁石173は上段第2右向下部副磁石172の上方向10に重ねて配置される。上段第2右向上部副磁石173及び上段第2右向下部副磁石172は上段第2下向主磁石57と上段第2上向主磁石59との間に配置される。
【0105】
上段第2左向上部副磁石175は上段第2左向下部副磁石174の上方向10に重ねて配置される。上段第2左向上部副磁石175及び上段第2左向下部副磁石174は上段第2上向主磁石59と上段第2下向主磁石57との間に配置される。
【0106】
上段第2右向下部副磁石172及び上段第2右向上部副磁石173は、第1実施形態の上段第2右向副磁石58に比べて細長いので反磁界がかかり難いため、減磁し難くできる。上段第2左向下部副磁石174及び上段第2左向上部副磁石175は、第1実施形態の上段第2左向副磁石61に比べて細長いので反磁界がかかり難いため、減磁し難くできる。
【0107】
第7実施形態
本実施形態が第1実施形態と異なるところは、径方向8の逆方向から永久磁石14を見るとき上向主磁石、左向副磁石、下向主磁石及び右向副磁石がそれぞれ三角形であり、この順に配置される点にある。尚、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0108】
図10に示すように、回転モーターとしてのモーター178のローター179はフレーム13及び磁石としての永久磁石181を備える。永久磁石181は下段永久磁石182及び上段永久磁石183を備える。下段永久磁石182では下段上向主磁石184、下段右向副磁石185、下段下向主磁石186、下段左向副磁石187がこの順に循環して配置される。下段上向主磁石184、下段右向副磁石185、下段下向主磁石186、下段左向副磁石187は径方向8の逆方向から見た形状が三角形である。下段上向主磁石184及び下段下向主磁石186は三角形の一辺が第1ステーター4を向く。下段右向副磁石185及び下段左向副磁石187は三角形の一辺がフレーム13に固定される。
【0109】
下段上向主磁石184及び下段下向主磁石186は第1ステーター4側の角が互いに接近している。下段右向副磁石185及び下段左向副磁石187は第1ステーター4に近づく程周方向7の長さが短くなる。このため、下段右向副磁石185及び下段左向副磁石187が減磁することを抑制できる。
【0110】
上段永久磁石183では上段下向主磁石188、上段右向副磁石189、上段上向主磁石191、上段左向副磁石192がこの順に循環して配置される。上段下向主磁石188、上段右向副磁石189、上段上向主磁石191、上段左向副磁石192は径方向8の逆方向から見た形状が三角形である。上段下向主磁石188及び上段上向主磁石191は三角形の一辺が第2ステーター5を向く。上段右向副磁石189及び上段左向副磁石192は三角形の一辺がフレーム13に固定される。
【0111】
上段下向主磁石188及び上段上向主磁石191は第2ステーター5側の角が互いに接近している。上段右向副磁石189及び上段左向副磁石192は第2ステーター5に近づく程周方向7の長さが短くなる。このため、上段右向副磁石189及び上段左向副磁石192が減磁することを抑制できる。
【0112】
第8実施形態
本実施形態が第1実施形態と異なるところは、ラジアルギャップモーターである点にある。尚、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0113】
図11に示すように、回転モーターとしてのモーター195は回転軸196を備える。回転軸196にはローター197が固定される。ローター197は回転軸196と共に回転する。ローター197はローターフレームとしてのフレーム198を備える。フレーム198は支持部198a、ローターフレームとしての内側フレーム198b、ローターフレームとしての外側フレーム198cを備える。支持部198aは円板状であり、回転軸196の径方向200に延在する。支持部198aは内側フレーム198b及び外側フレーム198cを支持する。内側フレーム198b及び外側フレーム198cはそれぞれ円筒形である。内側フレーム198b及び外側フレーム198cは回転軸196と同軸に配置される。内側フレーム198bは外側フレーム198cより回転軸196の近くに配置される。内側フレーム198b及び外側フレーム198cの一端は支持部198aに固定される。内側フレーム198b及び外側フレーム198cは支持部198aを介して回転軸196と接続する。
【0114】
内側フレーム198bの外周側には磁石としての内側磁石199が固定される。内側磁石199は内側第1磁石201及び内側第2磁石202を備える。内側第1磁石201及び内側第2磁石202は円筒形であり、回転軸196と同軸に配置される。内側第2磁石202が内側フレーム198bに固定される。内側第1磁石201が内側第2磁石202に重ねて配置される。
【0115】
外側フレーム198cの内周側には磁石としての外側磁石203が固定される。外側磁石203は外側第1磁石204及び外側第2磁石205を備える。外側第1磁石204及び外側第2磁石205は円筒形であり、回転軸196と同軸に配置される。外側第2磁石205が外側フレーム198cに固定される。外側第1磁石204が外側第2磁石205に重ねて配置される。内側磁石199及び外側磁石203は回転軸196と一緒に回転する。
【0116】
回転軸196には第1ベアリング206及び第2ベアリング207の内輪が設置される。第1ベアリング206及び第2ベアリング207の外輪にはステーター208が設置される。ステーター208に対してローター197が回転すする。ステーター208は軸支持部209、中間支持部211及びコイル支持部212を備える。
【0117】
軸支持部209及びコイル支持部212は円筒形であり、回転軸196と同軸に配置される。軸支持部209は第1ベアリング206及び第2ベアリング207の外輪に設置される。中間支持部211は円板状であり、回転軸196の径方向200に延在する。中間支持部211は軸支持部209とコイル支持部212とに接続する。
【0118】
コイル支持部212にはコイル213が設置される。従って、ステーター208はコイル213を備える。コイル213は内側磁石199と外側磁石203との間にギャップを隔てて配置される。従って、ローター197はコイル213とギャップを隔てて配置される。ローター197はステーター208に対して回転する。回転軸196に沿う方向を軸方向214とする。
【0119】
コイル213のある部分のステーター208から内側磁石199に向かう方向を第1方向としての内側第1方向215とする。内側磁石199はローター197の一部であるので、コイル213のある部分のステーター208と内側磁石199との関係において内側第1方向215はステーター208からローター197に向かう方向である。
【0120】
コイル213のある部分のステーター208から外側磁石203に向かう方向を第1方向としての外側第1方向216とする。外側磁石203はローター197の一部であるので、コイル213のある部分のステーター208と外側磁石203との関係において外側第1方向216はステーター208からローター197に向かう方向である。内側第1方向215と外側第1方向216とは逆向きの方向である。
【0121】
図12は軸方向214から内側磁石199、外側磁石203及びコイル213を見た図である。図12に示すように、ローター197が備える内側磁石199及び外側磁石203はハルバッハ磁石配列で配置されている。
【0122】
内側第1磁石201は互いに接する主磁極磁石及び第1主磁極磁石としての内側第1内向主磁石217及び第1主磁極磁石としての内側第1外向主磁石218を備える。内側第1内向主磁石217及び内側第1外向主磁石218は回転軸196の円周に沿ってこの順に繰り返し配置される。
【0123】
内側第2磁石202は互いに接する主磁極磁石及び第2主磁極磁石としての内側第2内向主磁石219、副磁極磁石としての内側第2右向副磁石221、内側第2外向主磁石222及び副磁極磁石としての内側第2左向副磁石223を備える。内側第2内向主磁石219、内側第2右向副磁石221、内側第2外向主磁石222及び内側第2左向副磁石223は回転軸196の円周に沿ってこの順に繰り返し配置される。
【0124】
内側磁石199及び外側磁石203内の矢印は磁化方向43を示す。内側第1内向主磁石217及び内側第2内向主磁石219の磁化方向43は内側第1方向215である。内側第1外向主磁石218及び内側第2外向主磁石222の磁化方向43は内側第1方向215と逆の方向である。
【0125】
図12において右回り224は時計回りの方向である。左回り225は反時計回りの方向である。右回り224及び左回り225の両方を含む方向を第2方向としての周方向226とする。周方向226は内側第1方向215及び外側第1方向216と異なる方向である。
【0126】
内側磁石199は、磁化方向43が内側第1方向215である複数の内側第1内向主磁石217及び複数の内側第2内向主磁石219と、を備える。さらに、内側磁石199は、磁化方向43が内側第1方向215と異なる右回り224である複数の内側第2右向副磁石221と、磁化方向43が内側第1方向215と異なる左回り225である複数の内側第2左向副磁石223と、を備える。さらに、内側磁石199は、磁化方向43が内側第1方向215の逆方向である複数の内側第1外向主磁石218及び複数の内側第2外向主磁石222と、を備える。
【0127】
主磁極磁石としての内側主磁極磁石227は、内側第1方向215の負側に配置される内側第1内向主磁石217と、内側第1方向215の正側に配置され、フレーム198に固定される内側第2内向主磁石219と、を備える。内側第2右向副磁石221と内側第2内向主磁石219とは互いに内側第1方向215と直交する周方向226を向く面で接触する。内側第2左向副磁石223と内側第2内向主磁石219とは互いに内側第1方向215と直交する周方向226を向く面で接触する。内側第1方向215に沿って内側磁石199を見るとき、内側第1内向主磁石217と内側第2右向副磁石221の一部とが重なる。さらに、内側第1内向主磁石217と内側第2左向副磁石223の一部とが重なる。内側第1内向主磁石217の一部と内側第2内向主磁石219とが重なる。
【0128】
この構成によれば、周方向226において内側第1内向主磁石217は内側第2内向主磁石219よりも内側第2右向副磁石221及び内側第2左向副磁石223側に突出する。このとき、隣り合う内側第1内向主磁石217と内側第1外向主磁石218との間の距離は内側第2右向副磁石221または内側第2左向副磁石223を挟んで隣り合う内側第2内向主磁石219と内側第2外向主磁石222との間の距離より短い。
【0129】
このとき、内側第1内向主磁石217は内側第1方向215の負側に位置する部分であって右回り224の端にある部分及び内側第1方向215の負側に位置する部分であって左回り225の端にある部分にも磁力線45を通過させることができる。従って、内側第1内向主磁石217の第1部分228及び第2部分229が減磁することを抑制できる。内側磁石199では磁束密度が低くなる部分が生じ難い為、内側磁石199の磁化が劣化することを抑制できる。
【0130】
外側第1磁石204は互いに接する主磁極磁石及び第1主磁極磁石としての外側第1外向主磁石230及び第1主磁極磁石としての外側第1内向主磁石231を備える。外側第1外向主磁石230及び外側第1内向主磁石231は回転軸196の円周に沿ってこの順に繰り返し配置される。
【0131】
外側第2磁石205は互いに接する主磁極磁石及び第2主磁極磁石としての外側第2外向主磁石232、副磁極磁石としての外側第2右向副磁石233、外側第2内向主磁石234及び副磁極磁石としての外側第2左向副磁石235を備える。外側第2外向主磁石232、外側第2右向副磁石233、外側第2内向主磁石234及び外側第2左向副磁石235は回転軸196の円周に沿ってこの順に繰り返し配置される。
【0132】
外側第1外向主磁石230及び外側第2外向主磁石232の磁化方向43は外側第1方向216である。外側第1内向主磁石231及び外側第2内向主磁石234の磁化方向43は外側第1方向216と逆の方向である。
【0133】
外側磁石203は、磁化方向43が外側第1方向216である複数の外側第1外向主磁石230及び複数の外側第2外向主磁石232と、を備える。さらに、外側磁石203は、磁化方向43が外側第1方向216と異なる右回り224である複数の外側第2右向副磁石233と、磁化方向43が外側第1方向216と異なる左回り225である複数の外側第2左向副磁石235と、を備える。さらに、外側磁石203は、磁化方向43が外側第1方向216の逆方向である複数の外側第1内向主磁石231及び複数の外側第2内向主磁石234と、を備える。
【0134】
主磁極磁石としての外側主磁極磁石236は、外側第1方向216の負側に配置される外側第1外向主磁石230と、外側第1方向216の正側に配置され、フレーム198に固定される外側第2外向主磁石232と、を備える。外側第2右向副磁石233と外側第2外向主磁石232とは互いに外側第1方向216と直交する周方向226を向く面で接触する。外側第2左向副磁石235と外側第2外向主磁石232とは互いに外側第1方向216と直交する周方向226を向く面で接触する。外側第1方向216に沿って外側磁石203を見るとき、外側第1外向主磁石230と外側第2右向副磁石233の一部とが重なる。さらに、外側第1外向主磁石230と外側第2左向副磁石235の一部とが重なる。外側第1外向主磁石230の一部と外側第2外向主磁石232とが重なる。
【0135】
この構成によれば、周方向226において外側第1外向主磁石230は外側第2外向主磁石232よりも外側第2右向副磁石233及び外側第2左向副磁石235側に突出する。このとき、隣り合う外側第1外向主磁石230と外側第1内向主磁石231との間の距離は外側第2右向副磁石233または外側第2左向副磁石235を挟んで隣り合う外側第2外向主磁石232と外側第2内向主磁石234との間の距離より短い。
【0136】
このとき、外側第1外向主磁石230は外側第1方向216の負側に位置する部分であって右回り224の端にある部分及び外側第1方向216の負側に位置する部分であって左回り225の端にある部分にも磁力線45を通過させることができる。従って、外側第1外向主磁石230の第3部分237及び第4部分238が減磁することを抑制できる。外側磁石203では磁束密度が低くなる部分が生じ難い為、外側磁石203の磁化が劣化することを抑制できる。
【0137】
モーター195では内側第1方向215及び外側第1方向216と回転軸196の軸方向214とが直交する。この構成によれば、モーター195はラジアルギャップモーターであるので、半径方向の長さが短い回転モーターにすることができる。
【0138】
第9実施形態
本実施形態では第1実施形態~第8実施形態に記載のモーターを備えるロボットの説明をする。図13に示すロボット250は、例えば、対象物である各種ワークの搬送、組立、検査等の各作業で用いられる。ロボット250は、基台251、ロボットアーム252、第1駆動部253~第6駆動部258と、を有する。基台251は、水平な床259に載置されている。尚、基台251は、床259ではなく、壁、天井、架台等に載置されていてもよい。
【0139】
ロボットアーム252は、第1アーム261、第2アーム262、第3アーム263、第4アーム264、第5アーム265及び第6アーム266を備える。第6アーム266の先端には、図示しないエンドエフェクターを着脱可能に取り付けることができる。例えば、エンドエフェクターはワークを把持する。エンドエフェクターで把持するワークとしては、特に限定されず、例えば、電子部品、電子機器等が挙げられる。尚、本明細書では、第6アーム266を基準にしたときの基台251側を「基端側」とし、基台251を基準にしたときの第6アーム266側を「先端側」とする。エンドエフェクターとしては、特に限定されないが、ワークを把持するハンド、ワークを吸着する吸着ヘッド等が挙げられる。
【0140】
ロボット250は、基台251と、第1アーム261と、第2アーム262と、第3アーム263と、第4アーム264と、第5アーム265と、第6アーム266とが、基端側から先端側に向ってこの順に連結された単腕の6軸垂直多関節ロボットである。以下では、第1アーム261、第2アーム262、第3アーム263、第4アーム264、第5アーム265及び第6アーム266をそれぞれ「アーム」とも言う。第1アーム261~第6アーム266の長さは、それぞれ、特に限定されず、適宜設定可能である。尚、ロボットアーム252が有するアームの数は、1~5本または7本以上であってもよい。また、ロボット250は、スカラロボットであってもよく、2つまたはそれ以上のロボットアーム252を備える双腕ロボットであってもよい。
【0141】
基台251と第1アーム261とは、第1関節267を介して連結されている。第1アーム261は、基台251に対し、鉛直軸と平行な回動軸を回動中心として回動可能となっている。第1アーム261は、第1モーター268及び図示しない減速機を有する第1駆動部253の駆動により回動する。第1モーター268は、第1アーム261を回動させる駆動力を発生する。
【0142】
第1アーム261と第2アーム262とは、第2関節269を介して連結されている。第2アーム262は、第1アーム261に対し、水平面と平行な回動軸を回動中心として回動可能となっている。第2アーム262は、第2モーター271及び図示しない減速機を有する第2駆動部254の駆動により回動する。第2モーター271は、第2アーム262を回動させる駆動力を発生する。
【0143】
第2アーム262と第3アーム263とは、第3関節272を介して連結されている。第3アーム263は、第2アーム262に対し、水平面と平行な軸を回動中心として回動可能となっている。第3アーム263は、第3モーター273及び図示しない減速機を有する第3駆動部255の駆動により回動する。第3モーター273は、第3アーム263を回動させる駆動力を発生する。
【0144】
第3アーム263と第4アーム264とは、第4関節274を介して連結されている。第4アーム264は、第3アーム263に対し、第3アーム263の中心軸と平行な回動軸を回動中心として回動可能となっている。第4アーム264は、第4モーター275及び図示しない減速機を有する第4駆動部256の駆動により回動する。第4モーター275は、第4アーム264を回動させる駆動力を発生する。
【0145】
第4アーム264と第5アーム265とは、第5関節276を介して連結されている。第5アーム265は、第4アーム264に対し、第4アーム264の中心軸と直交する回動軸を回動中心として回動可能となっている。第5アーム265は、第5モーター277及び図示しない減速機を有する第5駆動部257の駆動により回動する。第5モーター277は、第5アーム265を回動させる駆動力を発生する。
【0146】
第5アーム265と第6アーム266とは、第6関節278を介して連結されている。第6アーム266は、第5アーム265に対し、第5アーム265の先端部の中心軸と平行な回動軸を回動中心として回動可能となっている。第6アーム266は、第6モーター279及び図示しない減速機を有する第6駆動部258の駆動により回動する。第6モーター279は、第6アーム266を回動させる駆動力を発生する。
【0147】
これらの第1モーター268~第6モーター279のうちの少なくとも1つに、前述した各実施形態にかかるモーターが用いられる。すなわち、ロボット250は、前述した各実施形態にかかるモーターを備える。
【0148】
この構成によれば、ロボットアーム252が備える第1モーター268~第6モーター279は主磁極磁石の減磁を抑制できる回転モーターである。従って、ロボットアーム252は主磁極磁石の減磁を抑制できるモーターを備えたロボットアームとすることができる。
【0149】
これらの第1モーター268~第6モーター279のうちの少なくとも1つの回転軸は第1実施形態に示す軸方向6に延びる貫通孔2bを有し、貫通孔2bには、電線28が挿通される。この構成によれば、回転軸2の貫通孔2bが電線28の経路になっている。従って、回転する部材間の内側に電線28を配置できる為、電線28が断線することを防止できる。
【0150】
第10実施形態
前記第8実施形態のモーター195は第1実施形態のモーター1をラジアルギャップモーターの形態にした物である。他にも、第2実施形態のモーター74~第7実施形態のモーター178をラジアルギャップモーターの形態にしても良い。このときにも、各実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0151】
第11実施形態
前記第1実施形態のモーター1は第1ステーターコア18に第1コイル19が巻かれており第2ステーターコア21に第2コイル22が巻かれていた。ステーターはコアレスでも良い。コギングを減らすことができる。
【0152】
第12実施形態
前記第9実施形態では6軸垂直多関節ロボットの第1モーター268~第6モーター279に、前述した各実施形態にかかる回転モーターが用いられる例を示した。他にも、第1モーター268~第6モーター279はスカラロボットや、工作機械、自動車、電車、家電製品等、モーターを備える装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0153】
1,74,88,114,137,159,178,195…回転モーターとしてのモーター、2b…貫通孔、3,75,89,115,138,161,179,197…ローター、4…ステーターとしての第1ステーター、5…ステーターとしての第2ステーター、6,214…軸方向、7,226…第2方向としての周方向、13,116,139,198…ローターフレームとしてのフレーム、14,76,91,117,141,162,181…磁石としての永久磁石、19…コイルとしての第1コイル、22…コイルとしての第2コイル、28…電線、32…主磁極磁石及び第1主磁極磁石としての下段第1上向主磁石、32a…端部としての第1端部、32b…端部としての第3端部、33…第1主磁極磁石としての下段第1下向主磁石、33a…端部としての第2端部、33b…端部としての第4端部、34…主磁極磁石及び第2主磁極磁石としての下段第2上向主磁石、34a…面としての第1面、35…副磁極磁石としての下段第2右向副磁石、37…副磁極磁石としての下段第2左向副磁石、38…第1方向としての下段上向磁化方向、43…磁化方向、44…主磁極磁石としての下段主磁極磁石、55…主磁極磁石及び第1主磁極磁石としての上段第1下向主磁石、55a…端部としての第5端部、56…第1主磁極磁石としての上段第1上向主磁石、56a…端部としての第6端部、57…主磁極磁石及び第2主磁極磁石としての上段第2下向主磁石、57a…面としての第2面、58…副磁極磁石としての上段第2右向副磁石、61…副磁極磁石としての上段第2左向副磁石、62…第1方向としての上段下向磁化方向、64…主磁極磁石としての上段主磁極磁石、116a,139a…突起としての第1突起、116b,139b…突起としての第2突起、116c,139c…突起としての第3突起、116d,139d…突起としての第4突起、139e…突起としての第5突起、139f…突起としての第6突起、139g…突起としての第7突起、139h…突起としての第8突起、196…回転軸、198b…ローターフレームとしての内側フレーム、198c…ローターフレームとしての外側フレーム、199…磁石としての内側磁石、203…磁石としての外側磁石、208…ステーター、213…コイル、215…第1方向としての内側第1方向、216…第1方向としての外側第1方向、217…主磁極磁石及び第1主磁極磁石としての内側第1内向主磁石、219…主磁極磁石及び第2主磁極磁石としての内側第2内向主磁石、221…副磁極磁石としての内側第2右向副磁石、223…副磁極磁石としての内側第2左向副磁石、227…主磁極磁石としての内側主磁極磁石、230…主磁極磁石及び第1主磁極磁石としての外側第1外向主磁石、231…第1主磁極磁石としての外側第1内向主磁石、232…主磁極磁石及び第2主磁極磁石としての外側第2外向主磁石、233…副磁極磁石としての外側第2右向副磁石、236…主磁極磁石としての外側主磁極磁石、252…ロボットアーム。
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