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特開2022-173182カメラを用いるレーザープロジェクションマーキングの自動ガイド・位置決め及びリアルタイム補正方法
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  • 特開-カメラを用いるレーザープロジェクションマーキングの自動ガイド・位置決め及びリアルタイム補正方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173182
(43)【公開日】2022-11-18
(54)【発明の名称】カメラを用いるレーザープロジェクションマーキングの自動ガイド・位置決め及びリアルタイム補正方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/00 20060101AFI20221111BHJP
   G06T 7/70 20170101ALI20221111BHJP
   G01B 11/26 20060101ALI20221111BHJP
【FI】
G01B11/00 H
G06T7/70 Z
G01B11/26 H
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022001977
(22)【出願日】2022-01-08
(31)【優先権主張番号】202110497634.2
(32)【優先日】2021-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522011986
【氏名又は名称】光量信息科技(寧波)有限公司
【氏名又は名称原語表記】LIGHTVISION TECHNOLOGY LIMITED
【住所又は居所原語表記】Room 210-1077, floor 2, building 003, No. 750, Chuangyuan Road, Ningbo high-tech zone, Zhejiang, 315000, China
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】▲塗▼ 俊超
(72)【発明者】
【氏名】徐 兵
(72)【発明者】
【氏名】史 慈南
【テーマコード(参考)】
2F065
5L096
【Fターム(参考)】
2F065AA04
2F065AA37
2F065BB05
2F065BB28
2F065DD03
2F065FF04
2F065FF28
2F065GG04
2F065LL13
2F065LL62
2F065QQ24
2F065QQ25
2F065QQ31
2F065TT02
5L096CA02
5L096CA17
5L096EA15
5L096EA16
5L096EA26
5L096FA67
5L096FA69
(57)【要約】      (修正有)
【課題】カメラを用いてレーザープロジェクションマーキングの自動ガイド・位置決め及びリアルタイム補正を行う。
【解決手段】事前にカメラ200とプロジェクションマーキングシステム100との間の相対的な姿勢の位置関係を決定し、カメラを利用して反射ターゲットを有する被投影対象の位置姿勢をリアルタイムに監視し、被投影対象の位置姿勢の変化が閾値を超えた場合、プロジェクションマーキングシステムと被投影対象との間の位置姿勢の補正を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラを用いるレーザープロジェクションマーキングの自動ガイド・位置決め及びリアルタイム補正方法であって、
前記カメラを用いるプロジェクションマーキングシステムを標定し、前記プロジェクションマーキングシステムの入力する制御デジタル信号と、対応する出射光のプロジェクションマーキングシステム座標系における空間ベクトルとの間のマッピング関係を得;ガイド・位置決めに参加する前記カメラを標定し、前記カメラの内部パラメータを得るステップ1と、
前記カメラと前記プロジェクションマーキングシステムとの間の相対的な姿勢の位置関係を求めるステップ2と、
表面に反射ターゲットを配置した被投影対象が前記プロジェクションマーキングシステムの投影領域内にある時、前記カメラを制御して前記被投影対象の表面に配置された前記反射ターゲットに対応する画像をサンプリングし、サンプリングにより被投影対象座標系における前記反射ターゲットの空間座標を得、前記ステップ1で標定された前記カメラの内部パラメータの助けを借りて前記カメラと前記被投影対象との間の相対的な姿勢の位置関係を求めるステップ3と、
前記ステップ3で得られた前記カメラと前記被投影対象との間の相対的な姿勢の位置関係、前記被投影対象座標系における前記反射ターゲットの空間座標、及び、前記ステップ2で得られた前記カメラと前記プロジェクションマーキングシステムとの間の相対的な姿勢の位置関係を介して、前記プロジェクションマーキングシステム座標系における前記反射ターゲットのおおよその空間的位置を求めるステップ4と、
前記ステップ1で標定されたマッピング関係、および、前記ステップ4で得られた前記プロジェクションマーキングシステム座標系における前記反射ターゲットのおおよその空間的位置を介して、前記プロジェクションマーキングシステムがこれら前記反射ターゲットに近似的に投影するためにレーザーガルバノスキャナへ入力すべき制御デジタル信号を求めるステップ5と、
前記ステップ5で得られたデジタル信号をさらに処理して、前記プロジェクションマーキングシステムが反射ターゲット中心に正確に投射するために、前記レーザーガルバノスキャナへ入力すべき前記制御デジタル信号を決定するステップ6と、
前記ステップ1で標定されたマッピング関係、前記ステップ6で得た前記デジタル信号、および、前記被投影対象座標系における前記反射ターゲットの空間座標を介して、前記プロジェクションマーキングシステムと前記被投影対象との間の相対的な姿勢の位置関係を求め、前記カメラによる前記プロジェクションマーキングシステムと前記被投影対象との間のガイド・位置決めを完了するステップ7と、
前記カメラを制御して一定のフレームレートに従い前記被投影対象表面の前記反射ターゲットの画像をリアルタイムでサンプリングし、サンプリング結果と前記ステップ3内の前記反射ターゲットの画像サンプリング結果とを比較し、両者の差が設定された閾値を超えた場合、前記被投影対象の位置姿勢に変化が生じたと判定するステップ8と、
位置姿勢が変化した後の前記被投影対象表面の反射ターゲットサンプリング画像が安定したら、安定後の新しい前記反射ターゲットのリアルタイムサンプリング画像位置を取得し、前記ステップ3~ステップ7に従い前記プロジェクションマーキングシステムと前記被投影対象との間の位置姿勢の合わせを改めて実現し、前記カメラによる前記プロジェクションマーキングシステムと前記被投影対象との間の位置姿勢のリアルタイム監視と補正を完了するステップ9と、
を含むことを特徴とする、カメラを用いるレーザープロジェクションマーキングの自動ガイド・位置決め及びリアルタイム補正方法。
【請求項2】
前記ステップ2は、
N個の前記反射ターゲットを貼った標定板を前記ステップ1の前記プロジェクションマーキングシステムの前記投影領域内に置き、前記カメラが前記プロジェクションマーキングシステムの前記投影領域を観測できるように前記カメラの視野を調整するステップ2.1と、
前記カメラと前記標定板との間の相対的な姿勢の位置関係を得、前記プロジェクションマーキングシステムと前記標定板との間の相対的な姿勢の位置関係を得るステップ2.2と、
前記投影領域のサイズに応じて、前記標定板の配置位置を変更し、前記ステップ2.2を繰り返し、複数の前記カメラと前記標定板との間の相対的な姿勢の位置関係及び複数の前記プロジェクションマーキングシステムと前記標定板との間の相対的な姿勢の位置関係を得るステップ2.3と、
前記ステップ2.3で得られた複数の前記カメラと前記標定板との間の相対的な姿勢の位置関係及び複数の前記プロジェクションマーキングシステムと前記標定板との間の相対的な姿勢の位置関係に基づき、前記カメラと前記プロジェクションマーキングシステムとの間の相対的な姿勢の位置関係を求めるステップ2.4と、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のカメラを用いるレーザープロジェクションマーキングの自動ガイド・位置決め及びリアルタイム補正方法。
【請求項3】
前記ステップ2.2内で前記カメラを制御して、前記ステップ2.1内の前記標定板に対し画像をサンプリングし、前記カメラと前記標定板との間の相対的な姿勢の位置関係を得;
前記プロジェクションマーキングシステムを制御して、前記投影領域内の前記標定板上の反射ターゲットポイントをスキャンし、前記プロジェクションマーキングシステムと前記標定板との間の相対的な姿勢の位置関係を得る、
を含むことを特徴とする、請求項2に記載のカメラを用いるレーザープロジェクションマーキングの自動ガイド・位置決め及びリアルタイム補正方法。
【請求項4】
前記ステップ2.2で前記カメラによる前記標定板の画像サンプリングで得られた画像内の反射ターゲットの中心位置、標定板座標系における反射ターゲット中心位置の空間座標、及び前記ステップ1で得られた前記カメラの内部パラメータに基づいて、前記カメラと前記標定板との間の相対的な姿勢の位置関係を求めることを特徴とする、請求項3に記載のカメラを用いるレーザープロジェクションマーキングの自動ガイド・位置決め及びリアルタイム補正方法。
【請求項5】
前記ステップ5で得られたデジタル信号を前記ステップ6でさらに処理する時、前記ステップ5で得られたデジタル信号を中心として1つの矩形レーザースキャン領域を定め、前記領域内においてレーザーグリッド線の方式で前記領域内にある前記反射ターゲットをスキャンし位置決めすることで、前記プロジェクションマーキングシステムが前記反射ターゲット中心に正確に投射するためにレーザーガルバノスキャナへ入力すべき前記制御デジタル信号を決定することを特徴とする、請求項1に記載のカメラを用いるレーザープロジェクションマーキングの自動ガイド・位置決め及びリアルタイム補正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザーポジショニングプロジェクション技術分野に関し、特に、カメラを用いるレーザープロジェクションマーキングの自動ガイド・位置決め及びリアルタイム補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空間3次元(3D)曲線のレーザープロジェクションマーキング技術は、工業生産内の部品のデジタル化設計情報を実際の製品の製造現場に直接表示させることができ、拡張現実技術の重要な一部であり、デジタル化製造、デジタル化計測分野に幅広く活用されている。レーザープロジェクションマーキング技術の具体的な実現は、基本的に商用化されているレーザーガルバノスキャナプロジェクションマーキングシステムに依存する。前記システムを介してターゲット曲線(被投影対象)に対してレーザープロジェクションマーキングを実行する前に、まずプロジェクションマーキングシステムとターゲット曲線との位置姿勢を合わせる必要がある。現在、アライメントプロセスは、一般的に位置決めを支援するため、手動ガイドに依存する必要がある。すなわち、人手でレーザープロジェクションマーキングシステムを操作して、被投影対象の表面に配置された位置決め用の反射ターゲットによっておおよその位置を見つけ出す。全ての反射ターゲットのおおよその位置を見つけ出した後、レーザープロジェクションマーキングシステムは、反射ターゲットのおおよその位置に基づいて検索範囲を設定し、この範囲内で反射ターゲットを正確にスキャンして位置決めし、アライメントプロセスを完了する。
【0003】
レーザープロジェクションマーキングシステム自体は、観測および測定の能力を備えていない。そのため、外部の要因により被投影対象の全体的な位置姿勢が変化した場合、プロジェクションマーキングシステムは、この位置姿勢の変化をモニタリングできないため、投射された空間曲線が設計位置からずれてしまっていた。直ちにこの位置ずれを補正するため、定期的に投影部位を手動で検査する必要があり、ずれ状況が見つかった場合には、再度手動ガイドを介してプロジェクションマーキングシステムを制御して被投影対象の位置姿勢に再度合わせる。このため、レーザープロジェクションマーキング技術の自動化ならびにスマート化のレベルは、高くなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、カメラを用いるレーザープロジェクションマーキングの自動ガイド・位置決め及びリアルタイム補正方法を提供することである。本発明は、レーザープロジェクションマーキングシステムが無人状態で被投影対象を自動的にガイド・位置決めすることを可能にし、被投影対象の位置姿勢をリアルタイムでモニタリング及び補正することもできる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の技術的手段として、カメラを用いるレーザープロジェクションマーキングの自動ガイド・位置決め及びリアルタイム補正方法であって、次のステップ1~9を含む。すなわち、
カメラを用いるプロジェクションマーキングシステムを標定し、プロジェクションマーキングシステムの入力する制御デジタル信号と対応する出射光のプロジェクションマーキングシステム座標系における空間ベクトルとの間のマッピング関係を得;ガイド・位置決めに参加するカメラを標定し、カメラの内部パラメータを得るステップ1、
【0006】
カメラとプロジェクションマーキングシステムとの間の相対的な姿勢の位置関係を求めるステップ2、
【0007】
表面に反射ターゲットを配置した被投影対象がプロジェクションマーキングシステムの投影領域内に現れた時、カメラを制御して被投影対象の表面に配置された反射ターゲットに対応する画像をサンプリングし、サンプリングにより被投影対象座標系における反射ターゲットの空間座標を得、ステップ1で標定されたカメラの内部パラメータの助けを借りてカメラと被投影対象との間の相対的な姿勢の位置関係を求めるステップ3、
【0008】
ステップ3で得られたカメラと被投影対象との間の相対的な姿勢の位置関係、被投影対象座標系における反射ターゲットの空間座標及びステップ2で得られたカメラとプロジェクションマーキングシステムとの間の相対的な姿勢の位置関係を介してプロジェクションマーキングシステム座標系における反射ターゲットのおおよその空間的位置を求めるステップ4、
【0009】
ステップ1で標定されたマッピング関係、ステップ4で得られたプロジェクションマーキングシステム座標系における反射ターゲットのおおよその空間的位置を介して、プロジェクションマーキングシステムがこれら反射ターゲットに近似的に投影するためにレーザーガルバノスキャナへ入力すべき制御デジタル信号を求めるステップ5、
【0010】
ステップ5で得られたデジタル信号をさらに処理して、プロジェクションマーキングシステムが反射ターゲット中心に正確に投射するためにレーザーガルバノスキャナへ入力すべき制御デジタル信号を決定するステップ6、
【0011】
ステップ1で標定されたマッピング関係、ステップ6で得たデジタル信号、被投影対象座標系における反射ターゲットの空間座標を介して、プロジェクションマーキングシステムと被投影対象との間の相対的な姿勢の位置関係を求め、カメラによるプロジェクションマーキングシステムと被投影対象との間のガイド・位置決めを完了するステップ7、
【0012】
カメラを制御して一定のフレームレートに従い被投影対象表面の反射ターゲットの画像をリアルタイムでサンプリングし、サンプリング結果とステップ3内の反射ターゲットの画像サンプリング結果とを比較し、両者の差が設定された閾値を超えた場合、被投影対象の位置姿勢に変化が生じたと判定するステップ8、
【0013】
位置姿勢が変化した後の被投影対象表面の反射ターゲットサンプリング画像が安定したら、安定後の新しい反射ターゲットのリアルタイムサンプリング画像位置を取得し、ステップ3~ステップ7に従いプロジェクションマーキングシステムと被投影対象との間の位置姿勢の合わせを改めて実現し、カメラによるプロジェクションマーキングシステムと被投影対象との間の位置姿勢のリアルタイム監視と補正を完了するステップ9。
【0014】
前記カメラを用いるレーザープロジェクションマーキングの自動ガイド・位置決め及びリアルタイム補正方法において、前記ステップ2は、具体的にステップ2.1~2.4を含む。すなわち、
【0015】
N個の反射ターゲットを貼った標定板をステップ1のプロジェクションマーキングシステムの投影領域内に置き、カメラがプロジェクションマーキングシステムの投影領域を観測できるようにカメラの視野を調整するステップ2.1、
【0016】
カメラと標定板との間の相対的な姿勢の位置関係を得、プロジェクションマーキングシステムと標定板との間の相対的な姿勢の位置関係を得るステップ2.2、
【0017】
投影領域のサイズに応じて、標定板の配置位置を変更し、ステップ2.2を繰り返し、複数のカメラと標定板との間の相対的な姿勢の位置関係及び複数のプロジェクションマーキングシステムと標定板との間の相対的な姿勢の位置関係を得るステップ2.3、
【0018】
ステップ2.3で得られた複数のカメラと標定板との間の相対的な姿勢の位置関係及び複数のプロジェクションマーキングシステムと標定板との間の相対的な姿勢の位置関係に基づき、カメラとプロジェクションマーキングシステムとの間の相対的な姿勢の位置関係を求めるステップ2.4。
【0019】
前記カメラを用いるレーザープロジェクションマーキングの自動ガイド・位置決め及びリアルタイム補正方法において、前記ステップ2.2内でカメラを制御して、ステップ2.1内の標定板に対し画像をサンプリングし、カメラと標定板との間の相対的な姿勢の位置関係を得;
【0020】
プロジェクションマーキングシステムを制御して、投影領域内の標定板上の反射ターゲットポイントをスキャンし、プロジェクションマーキングシステムと標定板との間の相対的な姿勢の位置関係を得る。
【0021】
前記カメラを用いるレーザープロジェクションマーキングの自動ガイド・位置決め及びリアルタイム補正方法において、前記ステップ2.2でカメラによる標定板の画像サンプリングで得られた画像内の反射ターゲットの中心位置、標定板座標系における反射ターゲット中心位置の空間座標、及びステップ1で得られたカメラの内部パラメータに基づいて、カメラと標定板との間の相対的な姿勢の位置関係を求める。
【0022】
前記カメラを用いるレーザープロジェクションマーキングの自動ガイド・位置決め及びリアルタイム補正方法において、ステップ5で得られたデジタル信号をステップ6でさらに処理する時、ステップ5で得られたデジタル信号を中心として1つの矩形レーザースキャン領域を定め、この領域内においてレーザーグリッド線の方式でこの領域内にある反射ターゲットをスキャン・位置決めすることで、プロジェクションマーキングシステムが反射ターゲット中心に正確に投射するために必要なレーザーガルバノスキャナの入力する制御デジタル信号を決定する。
【発明の効果】
【0023】
従来技術と比較して、本発明の有利な効果としては、本発明は、事前にカメラとレーザープロジェクションマーキングシステムとの間の姿勢の位置関係を標定することによって、手動の代わりにカメラがレーザープロジェクションマーキングシステムをガイドして反射ターゲットに対してレーザーをスキャンし、位置決めを実行できるようにさせるため、レーザープロジェクションマーキングシステムと被投影対象との間の姿勢の位置合わせを自動的に実現する。これに基づいて、カメラで被投影対象表面の反射ターゲット画像をリアルタイムにサンプリングし、被投影対象の位置姿勢をリアルタイムで監視することもでき、前後のサンプリング画像の位置を比較することにより、被投影対象の位置姿勢に変化が生じた時、投影されたレーザー曲線についてリアルタイムの位置姿勢補正を自動的に実行することで、実際の製造工程でのレーザープロジェクションマーキング作業の自動化及びスマート化のレベルを大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明のカメラでレーザープロジェクションマーキングシステムを自動的にガイドして被投影対象を位置決めする実施の概略図である。
図2】本発明のレーザープロジェクションマーキングシステムの内部構造を示す概略図である。
図3】本発明の反射ターゲットを貼った標定板でカメラとプロジェクションマーキングシステムの位置姿勢関係を決定する原理を示す概略図である。
図4】本発明におけるカメラがレーザープロジェクションマーキングシステムをガイドして被投影対象を位置決めする方法の原理を示す概略図である。
図5】本発明におけるカメラが被投影対象の位置姿勢を監視し、プロジェクションマーキングを自動的に補正する原理を示す概略図である。
図6】本発明のステップフローチャートである。
図7】本発明の具体的実施例における被投影対象とターゲット空間曲線のCADデジタルモデル図である。
図8】本発明の具体的実施例におけるカメラがレーザープロジェクションマーキングシステムをガイドして被投影対象を位置決めし、ターゲット空間曲線をレーザーマーキングするプロセス全体を示す図である。
図9】本発明の具体的実施例におけるカメラが被投影対象の位置姿勢に変化が生じたことをモニタリングした後、プロジェクションマーキングシステムを自動的にガイドして被投影対象を再度位置決めし、ターゲット曲線をマーキング・補正するプロセス全体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面及び実施形態を参照しつつ本発明をさらに説明するが、本発明を限定するため根拠としては使用されない。
【0026】
本発明の方法は、図1に示すようにレーザープロジェクションマーキングシステム100(以下、「プロジェクションマーキングシステム」という)、産業用カメラ200(以下、「カメラ」という)及び主幹制御装置300を用いる。
【0027】
うち、レーザープロジェクションマーキングシステム100は、図2に示すように、レーザーガルバノスキャナと、受光センシングデバイスとを備え、前記レーザーガルバノスキャナは、レーザー光源11と、ビームエキスパンダー12と、集束装置13と、2次元ガルバノスキャンヘッド14とを備える。前記受光センシングデバイスは、受光センサー21と、レンズフィルター22と、集束ミラー23と、ビームスプリッタ24とを備える。
【0028】
前記主幹制御装置300は、制御盤と、コンピュータ本体とを備える。制御盤は、レーザーガルバノスキャナ及び受光センシングデバイスを協調的に制御する。コンピュータ本体は、システムのソフトウェアと制御盤、産業用カメラ200との間の通信に用いられる。前記受光センサー21は、レーザー光源11から発射された後に反射して戻ってくるレーザービーム信号を受光する。
【0029】
図3図6に示されるように、カメラを用いるレーザープロジェクションマーキングの自動ガイド・位置決め及びリアルタイム補正方法は、以下のステップを含む。
【0030】
カメラを用いるプロジェクションマーキングシステムを標定し、プロジェクションマーキングシステムの入力する制御デジタル信号Dと、対応する出射光のプロジェクションマーキングシステム座標系における空間ベクトルVとの間のマッピング関係D→Vを得;
ガイド・位置決めに参加するカメラを標定し、カメラの内部パラメータAを得る。
【0031】
ステップ2:カメラとプロジェクションマーキングシステムとの間の相対的な姿勢の位置関係を求める。
【0032】
ステップ2は、具体的には次のステップを含む。すなわち、
ステップ2.1:N個の反射ターゲットを貼った標定板をステップ1のプロジェクションマーキングシステムの投影領域内に置き、カメラがプロジェクションマーキングシステムの投影領域を観測できるようにカメラの視野を調整し;
【0033】
ステップ2.2:カメラを制御してステップ2.1内の標定板に対して画像をサンプリングし、カメラによる標定板の画像サンプリングで得られた画像内の反射ターゲットの中心位置
標定板座標系
における反射ターゲット中心位置の空間座標
及びステップ1で得られたカメラの内部パラメータAに基づいて、カメラと標定板との間の相対的な姿勢の位置関係
を求め;
【0034】
手動ガイド方式を通じてプロジェクションマーキングシステムを制御して投影領域における標定板上の反射ターゲットポイントをスキャンし、プロジェクションマーキングシステムと標定板との間の相対的な姿勢の位置関係
を得;
【0035】
ステップ2.3:投影領域のサイズに応じて、標定板の配置位置を変更し、ステップ2.2を繰り返し、M個のカメラと標定板との間の相対的な姿勢の位置関係
及び、M個のプロジェクションマーキングシステムと標定板との間の相対的な姿勢の位置関係
を得;
【0036】
ステップ2.4:ステップ2.3で得られたM個のカメラと標定板との間の相対的な姿勢の位置関係
及び、M個のプロジェクションマーキングシステムと標定板との間の相対的な姿勢の位置関係
に基づき、M個のカメラとプロジェクションマーキングシステムとの間の相対的な姿勢の位置関係
を求める。
をカメラとプロジェクションマーキングシステムとの間の最終的な、相対的な姿勢の位置関係とする。
【0037】
ステップ3:表面に反射ターゲットを配置した被投影対象が、プロジェクションマーキングシステムの投影領域内にある時、カメラを制御して被投影対象の表面に配置された反射ターゲットに対応する画像をサンプリングする。カメラによる被投影対象の画像のサンプリングで得られた画像内の反射ターゲットの中心位置
被投影対象座標系
における反射ターゲット中心位置の空間座標
及び、ステップ1で得られたカメラの内部パラメータAに基づいて、カメラと被投影対象との間の相対的な姿勢の位置関係
を求める。
【0038】
ステップ4:ステップ3で得られたカメラと被投影対象との間の相対的な姿勢の位置関係
、被投影対象座標系における反射ターゲットの空間座標
及び、ステップ2で得られたカメラとプロジェクションマーキングシステムとの間の相対的な姿勢の位置関係
を介して、プロジェクションマーキングシステム座標系における反射ターゲットのおおよその空間的位置
を求める。
【0039】
ステップ5:ステップ1で標定されたマッピング関係、ステップ4で得られたプロジェクションマーキングシステム座標系における反射ターゲットのおおよその空間的位置
を介して、プロジェクションマーキングシステムが、これら反射ターゲットに近似的に投影するために、レーザーガルバノスキャナへ入力すべき制御デジタル信号
を求める。
【0040】
ステップ6:ステップ5で得られたデジタル信号Dj cを中心として1つの矩形レーザースキャン領域を定め、この領域内においてレーザーグリッド線の方式でこの領域内にある反射ターゲットの位置をスキャンして特定することにより、プロジェクションマーキングシステムが、反射ターゲットの中心に正確に投影するために、レーザーガルバノスキャナへ入力すべき制御デジタル信号
を決定する。
【0041】
ステップ7:ステップ1で標定されたマッピング関係、ステップ6で得たデジタル信号
および、被投影対象座標系における反射ターゲットの空間座標
を介して、プロジェクションマーキングシステムと被投影対象との間の相対的な姿勢の位置関係を求め、カメラによるプロジェクションマーキングシステムと被投影対象との間のガイド・位置決めを完了する。
【0042】
ステップ8:カメラを制御して、一定のフレームレートに従って、被投影対象表面の反射ターゲットの画像をリアルタイムでサンプリングし、反射ターゲットのリアルタイムな中心位置Pj '=(uj ',vj '),j=1,2,・・・,nを抽出し、サンプリング結果Pj '=(uj ',vj '),j=1,2,・・・,nと、ステップ3内の反射ターゲットの画像サンプリング結果Pj=(uj,vj),j=1,2,・・・,nとを比較し、
両者の差が
の場合(ΔPは、設定された閾値である)、被投影対象の位置姿勢に変化が生じたと判定する。
【0043】
ステップ9:位置姿勢が変化した後の被投影対象表面の反射ターゲットのサンプリング画像が安定したら、安定後の新しい反射ターゲットのリアルタイムサンプリング画像位置Pj '=(uj ',vj '),j=1,2,・・・,nを取得し、ステップ3~ステップ7に従って、プロジェクションマーキングシステムと被投影対象との間の位置姿勢の位置合わせを改めて実現し、カメラによるプロジェクションマーキングシステムと被投影対象との間の位置姿勢のリアルタイム監視と補正を完了する。
【0044】
(本発明の具体的実施例)
図7に示すように、多面体を被投影対象とし、ターゲット空間曲線としてこの対象の表面に2つの五角形を選択してレーザーマーキングを実施する。なお、事前に多面体の表面に一定数量の反射ターゲット(図7)を配置し、反射ターゲットの空間的位置が事前に測定されている。図8に示すように、産業用カメラとプロジェクションマーキングシステムとの間の位置姿勢の関係を標定した後、カメラを制御して被投影対象の画像をサンプリングし、反射ターゲットの画像座標とカメラ自体の内部パラメータに基づいてカメラと多面体の位置決めを実現する。次にカメラ座標系内で得られた反射ターゲットの空間座標を通じてレーザープロジェクションマーキングシステムを自動的にガイドして多面体をレーザースキャンして位置決めし、最後にプロジェクションマーキングシステムと多面体との間の位置姿勢の関係の確認を完了する。これにより、プロジェクションマーキングシステムを制御してターゲット曲線に対してレーザープロジェクションマーキングすることができる。
【0045】
図9に示すように、多面体の位置姿勢に変化が生じた後、レーザーで投射された曲線が実際の位置からずれてしまう。この時カメラは、多面体表面の反射ターゲットの画像座標に明らかな変化が生じたことをモニタリングするため、自動補正がトリガーされる。反射ターゲットの画像座標が再度安定した後、まず新しい反射ターゲットの画像座標に従って多面体を視覚的に再度位置決めする。次にカメラ座標系における反射ターゲットの空間座標を改めて得て、プロジェクションマーキングシステムを再度ガイドして多面体に対してレーザースキャンし、位置決めを実施することにより、プロジェクションマーキングシステムと多面体との間の姿勢の位置関係を改めて得る。この新しい姿勢の位置関係を介してターゲット曲線に対してレーザープロジェクションマーキングを再度実施し、この時投射されたレーザー曲線も再度実際の位置と重なり、最後に自動補正プロセス全体を完了する。
【0046】
上記は本発明の好ましい実施形態にすぎず、本発明の保護範囲は上記実施例に限定されない。本発明の技術的思想の下でのすべての技術的手段は、本発明の保護範囲に属する。当業者であれば、本発明の原理を脱しない範囲内で各種の改良や潤色を加えることができ、かかる改良や潤色も本発明の保護範囲に網羅することを見なされるべきであることに留意されたい。
【符号の説明】
【0047】
100 レーザープロジェクションマーキングシステム
11 レーザー光源
12 ビームエキスパンダー
13 集束装置
14 2次元ガルバノスキャンヘッド
200 産業用カメラ
21 受光センサー
22 レンズフィルター
23 集束ミラー
24 ビームスプリッタ
300 主幹制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9