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特開2022-177521通信システム、第1通信装置、第2通信装置、第1通信プログラム、及び第2通信プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177521
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】通信システム、第1通信装置、第2通信装置、第1通信プログラム、及び第2通信プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 12/082 20210101AFI20221124BHJP
   H04W 8/00 20090101ALI20221124BHJP
   H04W 84/20 20090101ALI20221124BHJP
   H04W 76/10 20180101ALI20221124BHJP
   H04W 76/30 20180101ALI20221124BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20221124BHJP
   H04W 12/0431 20210101ALI20221124BHJP
【FI】
H04W12/082
H04W8/00 110
H04W84/20
H04W76/10
H04W76/30
H04W84/10 110
H04W12/0431
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083835
(22)【出願日】2021-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】松本 隆
(72)【発明者】
【氏名】牛呂 朋之
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA33
5K067AA35
5K067BB21
5K067DD11
5K067DD17
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE23
5K067FF02
5K067HH22
5K067JJ13
(57)【要約】
【課題】認証状態の解除における利便性を向上させ、かつ意図していない通信装置との認証状態への移行を抑制する。
【解決手段】通信システム100は、マスタ・スレーブ方式により無線通信が可能な第1通信装置1及び第2通信装置2を備える。第1通信装置は、受付部と、解除信号送信部と、第1解除部とを備える。受付部は、認証状態の解除指示、及び次に第2通信装置との認証状態に移行するマスタである他の通信装置の指定を受け付ける。解除信号送信部は、該他の通信装置を示す識別情報、及び解除信号を第2通信装置に送信する。第1解除部は、解除指示後に、認証状態の解除処理を行う。第2通信装置は、解除信号の受信に応じて、認証状態の解除処理を行う第2解除部を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスタ・スレーブ方式により無線通信が可能な第1通信装置(1、1a、1b)及び第2通信装置(2)を備え、前記第1通信装置はマスタとして機能すると共に、前記第2通信装置はスレーブとして機能し、前記第1及び第2通信装置は、互いに認証された認証状態に移行可能である通信システム(100)であって、
前記第1通信装置は、
前記第1通信装置と前記第2通信装置とが前記認証状態にある場合に、前記認証状態の解除指示、及び、次に前記第2通信装置との前記認証状態に移行する前記マスタである他の通信装置の指定を受け付ける受付部(S100、S110、S200、S205)と、
前記解除指示に応じて、前記他の通信装置を示す識別情報、及び、前記認証状態の解除を要求する解除信号を、前記無線通信により前記第2通信装置に送信する解除信号送信部(S110、S205)と、
前記解除指示を受け付けた後に、前記第2通信装置との前記認証状態を解除するための処理を行う第1解除部(S115、S210)と、
を備え、
前記第2通信装置は、
前記解除信号の受信に応じて、前記第1通信装置との前記認証状態を解除するための処理を行う第2解除部(S125、S220)
を備える通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の通信システムであって、
前記第2通信装置は、
前記解除信号を受信した後に、前記他の通信装置を示す識別情報を含み、前記他の通信装置との前記認証状態に移行可能であることを報知する報知情報を、前記無線通信により送信する報知情報送信部(S130)
をさらに備え、
前記第1通信装置は、
前記報知情報に含まれる前記識別情報が前記第1通信装置を示す場合に、前記第1通信装置との前記認証状態への移行を要求する移行信号を、前記無線通信により前記第2通信装置に送信する移行信号送信部(S145)と、
前記報知情報に含まれる前記識別情報が前記第1通信装置を示す場合に、前記第2通信装置との前記認証状態に移行するための処理を行う第1移行部(S150)と、
をさらに備え、
前記第2通信装置は、
前記移行信号の受信に応じて、前記第1通信装置との前記認証状態に移行するための処理を行う第2移行部(S155)
をさらに備える通信システム。
【請求項3】
請求項2に記載の通信システムであって、
前記第1通信装置は、
暗証コードの入力を受け付け、前記暗証コードに基づいて、前記第2通信装置との前記認証状態に移行可能であるか否かを判定する判定部(S140、S145)
をさらに備え、
前記移行信号送信部は、前記第2通信装置との前記認証状態に移行可能であると判定された場合に、前記無線通信により前記移行信号を前記第2通信装置に送信し、
前記第1移行部は、前記第2通信装置との前記認証状態に移行可能であると判定された場合に、前記第2通信装置との前記認証状態に移行するための処理を行う
通信システム。
【請求項4】
請求項1に記載の通信システムであって、
前記第2通信装置は、
前記解除信号を受信した後に、前記解除信号と共に受信した前記識別情報が示す前記第1通信装置との前記認証状態に移行可能であることを報知する報知情報を、前記無線通信により該第1通信装置に送信する報知情報送信部(S225)
をさらに備え、
前記第1通信装置は、
前記報知情報を受信した後に、前記第1通信装置との前記認証状態への移行を要求する移行信号を、前記無線通信により前記第2通信装置に送信する移行信号送信部(S235)と、
前記報知情報を受信した後に、前記第2通信装置との前記認証状態に移行するための処理を行う第1移行部(S240)と、
をさらに備え、
前記第2通信装置は、
前記移行信号の受信に応じて、前記第1通信装置との前記認証状態に移行するための処理を行う第2移行部(S245)
をさらに備える
通信システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の通信システムであって、
前記第1通信装置と前記第2通信装置とは、Bluetooth Low Energy(Bluetoothは登録商標)に準拠した前記無線通信を行う
通信システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の通信システムであって、
前記第2通信装置は、冷凍機に設けられる
通信システム。
【請求項7】
マスタ・スレーブ方式による無線通信におけるマスタとして機能する通信装置であって、前記無線通信におけるスレーブとして機能する第2通信装置(2)と、互いに認証された認証状態に移行可能な通信装置である第1通信装置(1、1a、1b)であって、
前記第1通信装置は、
前記第1通信装置と前記第2通信装置とが前記認証状態にある場合に、前記認証状態の解除指示、及び、次に前記第2通信装置との前記認証状態に移行する前記マスタである他の通信装置の指定を受け付ける受付部(S100、S110、S200、S205)と、
前記解除指示に応じて、前記他の通信装置を示す識別情報、及び、前記認証状態の解除を要求する解除信号を、前記無線通信により前記第2通信装置に送信する解除信号送信部(S110、S205)と、
前記解除指示を受け付けた後に、前記第2通信装置との前記認証状態を解除するための処理を行う第1解除部(S115、S210)と、
を備え、
前記第2通信装置は、
前記解除信号の受信に応じて、前記第1通信装置との前記認証状態を解除するための処理を行う第2解除部(S125、S220)
を備える
第1通信装置。
【請求項8】
マスタ・スレーブ方式による無線通信におけるスレーブとして機能する通信装置であって、前記無線通信におけるマスタとして機能する第1通信装置(1、1a、1b)と、互いに認証された認証状態に移行可能な通信装置である第2通信装置(2)であって、
前記第1通信装置は、
前記第1通信装置と前記第2通信装置とが前記認証状態にある場合に、前記認証状態の解除指示、及び、次に前記第2通信装置との前記認証状態に移行する前記マスタである他の通信装置の指定を受け付ける受付部(S100、S110、S200、S205)と、
前記解除指示に応じて、前記他の通信装置を示す識別情報、及び、前記認証状態の解除を要求する解除信号を、前記無線通信により前記第2通信装置に送信する解除信号送信部(S110、S205)と、
前記解除指示を受け付けた後に、前記第2通信装置との前記認証状態を解除するための処理を行う第1解除部(S115、S210)と、
を備え、
前記第2通信装置は、
前記解除信号の受信に応じて、前記第1通信装置との前記認証状態を解除するための処理を行う第2解除部(S125、S220)
を備える第2通信装置。
【請求項9】
マスタ・スレーブ方式による無線通信におけるマスタとして機能する通信装置であって、前記無線通信におけるスレーブとして機能する第2通信装置(2)と互いに認証された認証状態に移行可能な通信装置である第1通信装置(1、1a、1b)としてコンピュータを動作させる第1通信プログラムであって、
前記第1通信プログラムは、
前記第1通信装置と前記第2通信装置とが前記認証状態にある場合に、前記認証状態の解除指示、及び、次に前記第2通信装置との前記認証状態に移行する前記マスタである他の通信装置の指定を受け付ける受付部(S100、S110、S200、S205)と、
前記解除指示に応じて、前記他の通信装置を示す識別情報、及び、前記認証状態の解除を要求する解除信号を、前記無線通信により前記第2通信装置に送信する解除信号送信部(S110、S205)と、
前記解除指示を受け付けた後に、前記第2通信装置との前記認証状態を解除するための処理を行う第1解除部(S115、S210)と、
としてコンピュータを動作させ、
前記第2通信装置は、
前記解除信号の受信に応じて、前記第1通信装置との前記認証状態を解除するための処理を行う第2解除部(S125、S220)
を備える
第1通信プログラム。
【請求項10】
マスタ・スレーブ方式による無線通信におけるスレーブとして機能する通信装置であって、前記無線通信におけるマスタとして機能する第1通信装置(1、1a、1b)と互いに認証された認証状態に移行可能な通信装置である第2通信装置(2)としてコンピュータを動作させる第2通信プログラムであって、
前記第1通信装置は、
前記第1通信装置と前記第2通信装置とが前記認証状態にある場合に、前記認証状態の解除指示、及び、次に前記第2通信装置との前記認証状態に移行する前記マスタである他の通信装置の指定を受け付ける受付部(S100、S110、S200、S205)と、
前記解除指示に応じて、前記他の通信装置を示す識別情報、及び、前記認証状態の解除を要求する解除信号を、前記無線通信により前記第2通信装置に送信する解除信号送信部(S110、S205)と、
前記解除指示を受け付けた後に、前記第2通信装置との前記認証状態を解除するための処理を行う第1解除部(S115、S210)と、
を備え、
前記第2通信プログラムは、
前記解除信号の受信に応じて、前記第1通信装置との前記認証状態を解除するための処理を行う第2解除部(S125、S220)
としてコンピュータを動作させる第2通信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信システム、第1通信装置、第2通信装置、第1通信プログラム、及び第2通信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
Bluetooth(登録商標)に準拠した無線通信におけるマスタ及びスレーブは、ペアリングの実行により、互いに認証された状態である認証状態に移行する。また、特許文献1に記載されているように、スレーブに対する操作により、このような認証状態を解除する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-181610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、1つのスレーブとの認証状態に移行可能なマスタが複数存在し、スレーブとの認証状態に移行するマスタが頻繁に切り替わる場合が想定される。この場合に、特許文献1の技術のように、認証状態の解除に際しスレーブに対する操作が必要であるとすると、ユーザにとって不便な可能性がある。また、一度認証状態が解除された後に、意図していない通信装置とスレーブとが、認証状態に移行する可能性がある。
【0005】
本開示の1つの局面は、認証状態の解除における利便性を向上させ、かつ意図していない通信装置との認証状態への移行を抑制できる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様はマスタ・スレーブ方式により無線通信が可能な第1通信装置(1、1a、1b)及び第2通信装置(2)を備える通信システム(100)である。第1通信装置はマスタとして機能すると共に、第2通信装置はスレーブとして機能し、第1及び第2通信装置は、互いに認証された認証状態に移行可能である。第1通信装置は、受付部(S100、S110、S200、S205)と、解除信号送信部(S110、S205)と、第1解除部(S115、S210)と、を備える。第1通信装置と第2通信装置とが認証状態にある場合に、受付部は、認証状態の解除指示、及び、次に第2通信装置との認証状態に移行するマスタである他の通信装置の指定を受け付ける。解除信号送信部は、解除指示に応じて、他の通信装置を示す識別情報、及び、認証状態の解除を要求する解除信号を、無線通信により第2通信装置に送信する。第1解除部は、解除指示を受け付けた後に、第2通信装置との認証状態を解除するための処理を行う。第2通信装置は、解除信号の受信に応じて、第1通信装置との認証状態を解除するための処理を行う第2解除部(S125、S220)を備える。
【0007】
このような構成によれば、マスタである第1通信装置に解除指示を行うことで、マスタと、スレーブである第2通信装置との認証状態が解除される。このため、スレーブとの認証状態に移行可能なマスタが複数存在し、スレーブとの認証状態に移行するマスタが頻繁に切り替わる場合に、スレーブに対する操作を行うことなく認証状態が解除される。これにより、より容易に認証状態を解除し得る。
【0008】
また、認証状態を解除する際、スレーブである第2通信装置には、次に認証状態に移行するマスタの識別情報が送信される。このため、スレーブは、次に認証状態に移行すべきマスタを把握できる。
【0009】
したがって、認証状態の解除における利便性を向上させ、かつ意図していない通信装置との認証状態への移行を抑制できる。
なお、本開示の一態様は、上述した通信システムにおける第1通信装置に関するものである。また、本開示の一態様は、上述した通信システムにおける第2通信装置に関するものである。このような第1通信装置及び第2通信装置を共に用いることで、同様の効果が得られる。
【0010】
また、本開示の一態様は、コンピュータを上述した第1通信装置として動作させる第1通信プログラムに関するものである。また、本開示の一態様は、コンピュータを上述した第2通信装置として動作させる第2通信プログラムに関するものである。このような通信プログラムに従いコンピュータを動作させることで、同様の効果が得られる。
【0011】
なお、この欄及び請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】通信システムのブロック図である。
図2】第1実施形態におけるペアリング状態の解除及びペアリングの実行処理、ならびに冷凍機の制御処理を表すシーケンス図である。
図3】第2実施形態におけるペアリング状態の解除及びペアリングの実行処理を表すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
図1に示す通信システム100は、複数の情報端末1と、冷凍機2とを備える。情報端末1と冷凍機2とは、情報端末1をマスタ、冷凍機2をスレーブとするマスタ・スレーブ方式の無線通信が可能に構成されている。つまり、情報端末1と冷凍機2との間の無線通信は、主に情報端末1により制御される。具体的には、情報端末1と冷凍機2とは、Bluetooth Low Energy(Bluetoothは、登録商標)に準拠した無線通信が可能となっている。以後、Bluetooth Low EnergyをBLEと記載する。
【0014】
情報端末1と冷凍機2とは、BLEに準拠したペアリングを実行可能となっている。以後、ペアリングが実行された状態を、ペアリング状態と記載する。ペアリング状態とは、情報端末1と冷凍機2とが互いに認証された状態であり、ペアリング状態に移行することで、情報端末1と冷凍機2とは、所定の機能を実現するための無線通信を行うことが可能となる。また、詳細は後述するが、ペアリング状態は解除することが可能である。
【0015】
情報端末1とは、例えば、PCであっても良いし、スマートフォン等の携帯端末であっても良い。情報端末1は、ユーザI/F10と、制御部11と、無線通信部12とを備える。
【0016】
ユーザI/F10は、ユーザからの入力を受け付ける入力部と、ユーザに各種情報を表示する表示部とを有する。なお、入力部とは、例えば、タッチパネル、複数のボタン、キーボード等により構成されていても良い。また、表示部とは、例えば、液晶ディスプレイ等により画像を表示する構成であっても良い。
【0017】
制御部11は、CPUと半導体メモリ等とを有する周知のコンピュータを中心に構成される。CPUが半導体メモリに記憶されたプログラムを実行することで、情報端末1の各機能が実現される。制御部11は、記憶部11aを備えると共に、ペアリング実行部11bと、ペアリング解除部11cと、冷凍機制御部11dと、状態取得部11eとして機能する。
【0018】
記憶部11aは、読出し及び書き込みが可能な不揮発性の記憶媒体であり、例えば、HDD、又はフラッシュメモリ等であっても良い。
ペアリング実行部11bは、情報端末1における冷凍機2とのペアリングを実行するための処理を行う。
【0019】
ペアリング解除部11cは、情報端末1における冷凍機2とのペアリング状態を解除するための処理を行う。
冷凍機制御部11dは、冷凍機2内の温度、又は除霜のインターバルの時間等の設定情報を冷凍機2に通知するための処理を行う。
【0020】
状態取得部11eは、冷凍機2から受信した冷凍機2の内部の状態をユーザI/F10に表示するための処理を行う。
無線通信部12は、BLEに準拠した無線通信により冷凍機2等の通信装置と通信を行う。
【0021】
冷凍機2は、無線通信部20と、制御部21と、冷凍機駆動部22とを備える。なお、冷凍機2は、一例として、文字や画像を表示可能な液晶ディスプレイ等の表示装置を備えていなくても良い。
無線通信部20は、BLEに準拠した無線通信により情報端末1等の通信装置と通信を行う。
【0022】
制御部21は、CPUと半導体メモリ等とを有する周知のコンピュータを中心に構成される。CPUが半導体メモリに記憶されたプログラムを実行することで、冷凍機2の各機能が実現される。制御部21は、記憶部21aを備えると共に、ペアリング実行部21bと、ペアリング解除部21cと、冷凍機制御部21dと、状態取得部21eとして機能する。
【0023】
記憶部21aは、読出し及び書き込みが可能な不揮発性の記憶媒体であり、例えば、HDD、又はフラッシュメモリ等であっても良い。
ペアリング実行部21bは、冷凍機2における情報端末1とのペアリングを実行するための処理を行う。
【0024】
ペアリング解除部21cは、冷凍機2における情報端末1とのペアリング状態を解除するための処理を行う。
冷凍機制御部21dは、情報端末1から通知された設定情報、冷凍機2の内部の状態、又は記憶部21aに記憶された設定情報等に基づいて、冷凍機2の制御を行う。
【0025】
状態取得部21eは、冷凍機2の内部の状態を取得し、情報端末1に通知するための処理を行う。
冷凍機駆動部22は、制御部21からの指示に応じて、冷凍機2におけるコンプレッサ、膨張弁、及びファン等を制御する。
【0026】
[1-2.処理]
次に、第1実施形態の通信システム100における、第1情報端末1aと冷凍機2とのペアリング状態を解除し、第2情報端末1bと冷凍機2とのペアリングを新たに行う処理について、図2のシーケンス図を用いて説明する。
【0027】
[1-2-1.ペアリング状態の解除処理について]
第1情報端末1aと冷凍機2とがペアリング状態である場合において、S100では、第1情報端末1aの制御部11は、ユーザI/F10を介して、第1情報端末1aの次に冷凍機2とのペアリング状態に移行する1又は複数の第2情報端末1bの指定を受け付ける。具体的には、例えば、制御部11は、第2情報端末1bに固有に付された識別情報の入力を受け付けても良い。また、例えば、制御部11は、ユーザI/F10を介して、冷凍機2とのペアリングが可能な情報端末1を表示し、表示されたもののうちのいずれかを、冷凍機2とペアリングを行う第2情報端末1bとする選択を受け付けても良い。
【0028】
S105では、制御部11は、ユーザI/F10を介して、暗証コードの入力を受け付ける。
S110では、制御部11は、ユーザI/F10を介して、ペアリング状態を解除するための解除指示の入力を受け付ける。そして、制御部11は、解除指示に応じて、第1情報端末1aと冷凍機2とのペアリング状態の解除を要求する解除信号を生成し、無線通信部12を介して、解除信号を冷凍機2に対して送信する。この時、制御部11は、無線通信部12を介して、S100において指定された1又は複数の第2情報端末1bを示す識別情報、及びS105において入力された暗証コードを冷凍機2に対して送信する。
【0029】
S115では、制御部11は、冷凍機2とのペアリング状態を解除するための処理を行う。
S120では、冷凍機2の制御部21は、受信した第2情報端末1bを示す識別情報及び暗証コードを記憶部21aに保存する。
【0030】
S125では、制御部21は、第1情報端末1aとのペアリング状態を解除するための処理を行う。
[1-2-2.ペアリングの実行処理について]
S130では、冷凍機2の制御部21は、無線通信部20を介して、冷凍機2の周囲の通信装置に対してBLEに準拠したアドバタイズを行う。アドバタイズによって、次に冷凍機2とのペアリング状態に移行する第2情報端末1bを示す識別情報を含み、第2情報端末1bとのペアリング状態に移行可能であることを報知する報知情報が送信される。一方、第2情報端末1bの制御部11は、無線通信部12を介して、報知情報を冷凍機2から受信する。
【0031】
S135では、報知情報を受信した制御部11は、ユーザI/F10を介して、冷凍機2に関する情報を表示する。
S140では、制御部11は、ユーザI/F10を介して、暗証コードの入力を受け付ける。
【0032】
S145では、制御部11は、S140で受け付けた暗証コードに基づいて、第2情報端末1bと冷凍機2とがペアリング状態に移行可能か否か判定する。具体的には、制御部11は、S140で受け付けた暗証コードと、予め第2情報端末1bの記憶部11aに保存されている暗証コードとを比較しても良い。この他にも、制御部11は、S120で冷凍機2に保存された暗証コードを、S130で報知情報と共に冷凍機2から受信し、該暗証コードと、S140で受け付けた暗証コードとを比較しても良い。そして、比較したこれらの暗証コードが同一である場合は、制御部11は、第2情報端末1bと冷凍機2とがペアリング状態に移行可能であると判定しても良い。
【0033】
S145において、第2情報端末1bと冷凍機2とがペアリング状態に移行可能であると判定された場合、制御部11は、第2情報端末1bと冷凍機2とのペアリング状態への移行を要求する移行信号を生成する。なお、制御部11は、S140における暗証コードの入力の受け付け、及びS145における暗証コードに基づく上述の判定を行うことなく、移行信号を生成しても良い。そして、制御部11は、無線通信部12を介して、移行信号を冷凍機2に対して送信する。
【0034】
S150では、制御部11は、冷凍機2とのペアリングを実行するための処理を行う。また、S155では、冷凍機2の制御部21は、第2情報端末1bとのペアリングを実行するための処理を行う。なお、該処理において、第2情報端末1bと冷凍機2との間で、ペアリングを実行するための無線通信が行われても良い。これらの処理により、第2情報端末1b及び冷凍機2は、ペアリング状態に移行する。
【0035】
[1-2-3.冷凍機2の制御処理について]
そして、第2情報端末1bと冷凍機2とがペアリング状態となった後には、例えば、以下のようにして、第2情報端末1bにより冷凍機2が制御される。
【0036】
S160では、第2情報端末1bの制御部11は、ユーザI/F10を介して、冷凍機2を制御するための指示を受け付ける。そして、制御部11は、該指示に応じて、無線通信部20を介して、冷凍機2に対し、冷凍機2を制御するための制御信号を送信する。具体的には、制御信号とは、例えば、冷凍機2のコンプレッサ、膨張弁、及びファン等を制御するための信号であっても良いし、冷凍機2内の温度、除霜のインターバルの時間等を設定するための信号であっても良い。また、制御信号とは、例えば、冷凍機2の内部の状態の送信を要求するものであっても良い。
【0037】
また、制御部11は、制御信号と共に、冷凍機2に対して暗証コードを送信しても良い。具体的には、制御部11は、S140にて入力された暗証コードを再度送信しても良いし、ユーザI/F10を介して新たに入力された暗証コードを送信しても良い。
【0038】
一方、制御信号及び暗証コードを受信した冷凍機2の制御部21は、受信した暗証コードと、記憶部21aに保存されている暗証コードとに基づき、制御信号に基づく処理の実行を許可するか否かを決定する(S165)。具体的には、制御部21は、これらの暗証コードが一致する場合には、該処理の実行を許可しても良い。
【0039】
そして、上記処理の実行を許可した場合には、制御部21は、受信した制御信号に基づき処理を行う(S170)。具体的には、例えば、制御部21は、冷凍機駆動部22を介して、冷凍機2のコンプレッサ、膨張弁、及びファン等を制御しても良いし、冷凍機2内の温度や、除霜のインターバルの時間等を設定しても良い。また、例えば、制御部21は、冷凍機2の内部の状態を示す信号を生成し、無線通信部20を介して第2情報端末1bに送信しても良い。なお、該信号を受信した第2情報端末1bの制御部11は、冷凍機2の内部の状態を、ユーザI/F10を介して表示しても良い。
【0040】
[2.第2実施形態]
次に、第2実施形態の通信システム100について説明する。第2実施形態の通信システム100は、第1実施形態の通信システム100と同様の構成を有するが、情報端末1と冷凍機2とのペアリング状態の解除処理及びペアリングの実行処理において第1実施形態と相違する。以後、第2実施形態の通信システム100における、第1情報端末1aと冷凍機2とのペアリング状態を解除し、第2情報端末1bと冷凍機2とのペアリングを新たに行う処理について、図3のシーケンス図を用いて説明する。なお、第2実施形態の通信システム100において、第1実施形態と同様の処理については、説明を一部簡略化する。また、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0041】
[2-1.ペアリング状態の解除処理について]
S200では、第1情報端末1aの制御部11は、S100と同様にして、ユーザI/F10を介して、1又は複数の第2情報端末1bの指定を受け付ける。
【0042】
S205では、制御部11は、ユーザI/F10を介して、ペアリング状態の解除指示の入力を受け付ける。そして、制御部11は、解除指示に応じて、第1情報端末1aと冷凍機2とのペアリング状態の解除を要求する解除信号を生成し、無線通信部12を介して、解除信号、及び、1又は複数の第2情報端末1bを示す識別情報を冷凍機2に対して送信する。
【0043】
S210では、制御部11は、S115と同様にして、冷凍機2とのペアリング状態を解除するための処理を行う。
S215では、冷凍機2の制御部21は、受信した第2情報端末1bを示す識別情報を冷凍機2の記憶部21aに保存する。この時、制御部21は、記憶部21aに保存された、冷凍機2からのアドバタイズが可能な通信装置の識別情報が登録されたホワイトリストに、第2情報端末1bを示す識別情報を登録する。
【0044】
S220では、制御部21は、S125と同様にして、第1情報端末1aとのペアリング状態を解除するための処理を行う。
[2-2.ペアリングの実行処理について]
S225では、冷凍機2の制御部21は、無線通信部20を介して、ホワイトリストに登録されている識別情報が示す通信装置に対してBLEに準拠したアドバタイズを行う。アドバタイズによって、次に冷凍機2とのペアリング状態に移行する第2情報端末1bを示す識別情報を含み、第2情報端末1bとのペアリング状態に移行可能であることを報知する報知情報が送信される。なお、制御部21は、ホワイトリストを用いることなく、第2情報端末1bのみに対してBLEに準拠したアドバタイズを行っても良い。一方、第2情報端末1bの制御部11は、無線通信部12を介して、報知情報を冷凍機2から受信する。
【0045】
S230では、報知情報を受信した制御部11は、S135と同様にして、ユーザI/F10を介して、冷凍機2に関する情報を表示する。
S235では、制御部11は、第2情報端末1bと冷凍機2とのペアリング状態への移行を要求する移行信号を生成し、無線通信部12を介して、移行信号を冷凍機2に対して送信する。
【0046】
S240では、制御部11は、S150と同様にして、冷凍機2とのペアリングを実行するための処理を行う。また、S245では、冷凍機2の制御部21は、S155と同様にして、第2情報端末1bとのペアリングを実行するための処理を行う。
【0047】
[3.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(3a)マスタである第1情報端末1aに解除指示を行うことで、マスタと、スレーブである冷凍機2とのペアリング状態が解除される。このため、スレーブとのペアリング状態に移行可能なマスタが複数存在し、スレーブとのペアリング状態に移行するマスタが頻繁に切り替わる場合に、スレーブに対する操作を行うことなくペアリング状態が解除される。これにより、より容易にペアリング状態を解除し得る。
【0048】
また、ペアリング状態を解除する際、スレーブである冷凍機2には、次にペアリング状態に移行するマスタである第2情報端末1bの識別情報が送信される。このため、スレーブは、次にペアリング状態に移行すべきマスタが第2情報端末1bであることを把握できる。
【0049】
したがって、ペアリング状態の解除における利便性を向上させ、かつ意図していない通信装置とのペアリング状態への移行を抑制できる。
(3b)スレーブである冷凍機2は、アドバタイズにより、次にペアリング状態に移行するマスタである第2情報端末1bの識別情報を含み、第2情報端末1bとのペアリング状態に移行可能であることを報知する報知情報を送信する。そして、第2情報端末1bは、受信した報知情報に該第2情報端末1bの識別情報が含まれていれば、スレーブとのペアリング状態に移行する。これにより、意図していない通信装置とのペアリング状態への移行を抑制できる。
【0050】
(3c)第1実施形態の通信システム100において、マスタである第2情報端末1bは、ユーザから受け付けた暗証コードに基づいて、スレーブである冷凍機2とのペアリング状態に移行可能か否かを判定する。そして、マスタは、スレーブとのペアリングを実行可能であると判定した場合に、スレーブとのペアリング状態に移行する。このため、マスタに対して正確な暗証コードが入力されない場合には、マスタとスレーブとのペアリングの実行が許可されない。これにより、より確実に意図していない通信装置とのペアリング状態への移行を抑制できる。
【0051】
(3d)第2実施形態の通信システム100において、スレーブである冷凍機2は、ホワイトリストに登録されている識別情報が示すマスタである第2情報端末1bに対してアドバタイズを行う。このため、ホワイトリストには登録されていない識別情報が示す通信装置に対しては、スレーブからアドバタイズが行われることがなく、第2情報端末1b以外の通信装置とスレーブとのペアリング状態への移行が抑制される。これにより、より確実に意図していない通信装置とのペアリング状態への移行を抑制できる。
【0052】
[4.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0053】
(4a)上記実施形態の通信システム100では、情報端末1と冷凍機2とのペアリング状態の解除及びペアリングの実行が行われる構成を例示した。しかし、通信システム100と同様の方法により、情報端末1と冷凍機2以外の通信装置とのペアリング状態の解除及びペアリングの実行が行われても良い。
【0054】
(4b)上記実施形態の通信システム100では、情報端末1と冷凍機2とは、BLEに準拠したマスタ・スレーブ方式の無線通信を行う構成を例示した。しかし、情報端末1と冷凍機2とは、BLE以外の通信規格に準拠したマスタ・スレーブ方式の無線通信を行っても良い。
【0055】
(4c)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしても良い。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしても良い。また、上記実施形態の構成の一部を省略しても良い。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換しても良い。
【0056】
[5.文言の対応関係]
本実施形態において、情報端末1、1a、1bが、第1通信装置に相当する。また、冷凍機2が、第2通信装置に相当する。また、ペアリング状態が、認証状態に相当する。さらに、ペアリング解除処理におけるS100、S110、S200、及びS205が、受付部に相当する。また、S110及びS205が、解除信号送信部に相当する。また、S115及びS210が、第1解除部に相当する。また、S125及びS220が、第2解除部に相当する。
【0057】
また、ペアリングの実行処理におけるS130及びS225が、報知情報送信部に相当する。また、S145及びS235が、移行信号送信部に相当する。また、S150及びS240が、第1移行部に相当する。また、S155及びS245が、第2移行部に相当する。また、S140及びS145が、判定部に相当する。
【符号の説明】
【0058】
1…情報端末、1a…第1情報端末、1b…第2情報端末、2…冷凍機、10…ユーザI/F、11…制御部、11a…記憶部、11b…ペアリング実行部、11c…ペアリング解除部、11d…冷凍機制御部、11e…状態取得部、12…無線通信部、20…無線通信部、21…制御部、21a…記憶部、21b…ペアリング実行部、21c…ペアリング解除部、21d…冷凍機制御部、21e…状態取得部、22…冷凍機駆動部、100…通信システム。
図1
図2
図3