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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177522
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】報知装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20221124BHJP
【FI】
G08G1/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083836
(22)【出願日】2021-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】王 斌
(72)【発明者】
【氏名】栗本 真也
(72)【発明者】
【氏名】天木 博文
(72)【発明者】
【氏名】辻田 翔
(72)【発明者】
【氏名】中西 悠平
(72)【発明者】
【氏名】神谷 成美
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC14
5H181FF05
5H181FF25
5H181FF32
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL06
(57)【要約】
【課題】潜在的な危険を報知することができる報知装置を提供すること。
【解決手段】報知装置1は、第1情報取得ユニットと、第2情報取得ユニットと、交通状況特定ユニットと、危険予測ユニットと、報知ユニットと、を備える。第1情報取得ユニットは、車両3の周囲の状況を表す第1情報を、センサ19を用いて取得する。第2情報取得ユニットは、車両の走行状態を表す第2情報を取得する。交通状況特定ユニットは、(a)車両の周囲の状況、(b)車両の位置、(c)車両の将来の挙動、及び(d)車両の走行状態を含む交通状況を特定する。危険予測ユニットは、交通状況に基づき、車両に関する危険を予測する。報知ユニットは、危険を予測した場合、報知を行う。危険は、第1情報に表れていない危険を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
報知装置(1)であって、
車両(3)の周囲の状況を表す第1情報を、センサ(19)を用いて取得するように構成された第1情報取得ユニット(9)と、
前記車両の走行状態を表す第2情報を取得するように構成された第2情報取得ユニット(9)と、
前記第1情報及び前記第2情報を含む情報に基づき、(a)前記車両の周囲の状況、(b)前記車両の位置、(c)前記車両の将来の挙動、及び(d)前記車両の走行状態を含む交通状況を特定するように構成された交通状況特定ユニット(11)と、
前記交通状況特定ユニットが特定した前記交通状況に基づき、前記車両に関する危険を予測するように構成された危険予測ユニット(13)と、
前記危険予測ユニットが前記危険を予測した場合、報知を行う報知ユニット(15)と、
を備え、
前記危険予測ユニットが予測する前記危険は、前記第1情報に表れていない前記危険を含む、
報知装置。
【請求項2】
請求項1に記載の報知装置であって、
前記危険予測ユニットが予測する前記危険は、前記第1情報に表れている前記危険をさらに含む、
報知装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の報知装置であって、
前記危険予測ユニットが予測した前記危険を回避するための車両制御を行うように構成された車両制御ユニット(17)をさらに備える、
報知装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の報知装置であって、
前記報知ユニットは、前記危険の程度に応じて報知の方法を切り替えるように構成された、
報知装置。
【請求項5】
請求項4に記載の報知装置であって、
前記報知の方法は、聴覚的報知、視覚的報知、及び触覚的報知から成る群から選択される1以上である、
報知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は報知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に危険予測装置が開示されている。危険予測装置は、画像センサ、レーザセンサ等を用いて、車両の周辺状況に関する観測状況を取得する。危険予測装置は、観測状況に基づき、危険を予測する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-91039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両の周囲に潜在的な危険が存在することがある。潜在的な危険とは、車両に搭載されたセンサ等を用いて得られる情報には未だ表れていない危険である。潜在的な危険を車両の乗員に報知することができれば、車両の乗員は潜在的な危険を予測することができる。その結果、車両の安全性が向上する。本開示の1つの局面では、潜在的な危険を報知することができる報知装置を提供することが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の1つの局面は、報知装置(1)である。報知装置は、車両(3)の周囲の状況を表す第1情報を、センサ(19)を用いて取得するように構成された第1情報取得ユニット(9)と、前記車両の走行状態を表す第2情報を取得するように構成された第2情報取得ユニット(9)と、前記第1情報及び前記第2情報を含む情報に基づき、(a)前記車両の周囲の状況、(b)前記車両の位置、(c)前記車両の将来の挙動、及び(d)前記車両の走行状態を含む交通状況を特定するように構成された交通状況特定ユニット(11)と、前記交通状況特定ユニットが特定した前記交通状況に基づき、前記車両に関する危険を予測するように構成された危険予測ユニット(13)と、前記危険予測ユニットが前記危険を予測した場合、報知を行う報知ユニット(15)と、を備える。前記危険予測ユニットが予測する前記危険は、前記第1情報に表れていない前記危険を含む。
【0006】
本開示の1つの局面である報知装置は、第1情報に表れていない危険が予測される交通状況において、報知を行うことができる。すなわち、報知装置は、センサが危険を検知する前に潜在的な危険の存在を報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】報知装置の構成を表すブロック図である。
図2】報知装置の機能的構成を表すブロック図である。
図3】報知装置が実行する処理を表すフローチャートである。
図4】交通状況を表す説明図である。
図5】交通状況を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
1.報知装置1の構成
報知装置1の構成を、図1図2に基づき説明する。例えば、図1に示すように、報知装置1は車両3に搭載されている。報知装置1は、CPU5と、例えば、RAM又はROM等の半導体メモリ(以下、メモリ7とする)と、を有するマイクロコンピュータを備える。
【0009】
報知装置1の各機能は、CPU5が非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、メモリ7が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。また、このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。なお、報知装置1は、1つのマイクロコンピュータを備えてもよいし、複数のマイクロコンピュータを備えてもよい。
【0010】
報知装置1は、図2に示すように、情報取得ユニット9と、交通状況特定ユニット11と、危険予測ユニット13と、報知ユニット15と、車両制御ユニット17と、を備える。
図1に示すように、報知装置1は、センサ群19、情報供給部21、スピーカ23、表示器25、及び車両制御部27と、情報の送受信が可能となるように接続している。センサ群19、情報供給部21、スピーカ23、表示器25、及び車両制御部27は、例えば、車両3に搭載されている。情報供給部21の一部又は全部は、例えば、車両3の外部にあってもよい。その場合、情報供給部21の一部又は全部は、例えば、無線通信により、報知装置1に情報を供給することができる。
【0011】
センサ群19は、例えば、カメラ、ライダー(LiDAR)等を含む。センサ群19は、車両3の周囲の状況を検出し、周囲の状況を表す情報(以下では第1情報とする)を報知装置1に供給する。周囲の状況として、例えば、車両3の周囲における物標の存在の有無、車両3から物標までの距離、車両3を基準とする物標の方向、物標の速度、物標の移動方向、物標の挙動、物標の種類、物標の大きさ、物標の形状等が挙げられる。
【0012】
物標として、例えば、他の車両、歩行者、バイク、自転車、固定物、道路、交差点、信号機、車線境界線等が挙げられる。他の車両として、例えば、大型車等が挙げられる。他の車両の挙動として、例えば、渋滞車列に属すること、Uターンすること、停車すること等が挙げられる。歩行者の挙動として、例えば、車両3の前方に飛び出すこと等が挙げられる。
【0013】
また、周囲の状況として、例えば、車両3の周囲における気象の状況、気温等が挙げられる。気象の状況として、例えば、晴天、雨天、降雪、積雪等が挙げられる。
情報供給部21は、車両3の走行状態を表す情報(以下では第2情報とする)を報知装置1に供給する。車両3の走行状態として、例えば、車両3の速度、加速度、操舵角度、ウインカの点灯状態等が挙げられる。
【0014】
また、情報供給部21は、例えば、車両3の将来の挙動を表す情報を報知装置1に供給する。将来の挙動として、例えば、直進、右左折、停止、発進、車線変更、交差点への進入、交差点内での待機、交差点からの退出等が挙げられる。将来とは、例えば、現時点の数秒後から、数分後までの範囲を意味する。情報供給部21は、例えば、車両3の自動運転を実行する部分から、車両3の将来の挙動を表す情報を取得することができる。
【0015】
また、情報供給部21は、例えば、その他の情報を報知装置1に供給する。その他の情報として、例えば、車両3の位置を表す情報等が挙げられる。車両3の位置を表す情報として、例えば、GPS信号と地図情報との組み合わせ等が挙げられる。車両3の位置を表す情報の内容として、例えば、直線道路内、交差点内、交差点の手前等に車両3がいることがある。また、車両3の位置を表す情報の内容として、例えば、車両3から、交差点、横断歩道、停止線等までの距離がある。
【0016】
また、情報供給部21は、例えば、路車間通信によって道路交通情報を取得し、報知装置1に供給する。道路交通情報として、例えば、渋滞や交通規制等を表す情報が挙げられる。路車間通信を実現するシステムとして、例えば、VICS(登録商標)、TSPS等が挙げられる。道路交通情報は、例えば、第1情報として用いることができる。
【0017】
スピーカ23は、車両3の車室内に設置されている。スピーカ23は音声を出力することができる。車両3の乗員は、スピーカ23の音声を聴くことができる。
表示器25は、車両3の車室内に設置されている。表示器25は、画像又は光を表示することができる。車両3の乗員は、表示器25が表示した画像又は光を視認することができる。表示器25として、例えば、LCD、LED等が挙げられる。
【0018】
車両制御部27は、車両3に対し、車両制御を行うことができる。車両制御の内容として、例えば、減速、停止、操舵等が挙げられる。操舵は、例えば、車両3と物標との衝突を避けることができる方向への操舵である。
【0019】
2.報知装置1が実行する処理
報知装置1が所定時間ごとに繰り返し実行する処理を、図3図5に基づき説明する。図3のステップ1では、情報取得ユニット9が、センサ群19を用いて第1情報を取得する。
【0020】
ステップ2では、情報取得ユニット9が、情報供給部21から、第2情報を取得する。
ステップ3では、情報取得ユニット9が、情報供給部21から、他の情報を取得する。他の情報は、車両3の将来の挙動を表す情報、車両3の位置を表す情報、及び、道路交通情報を含む。
【0021】
ステップ4では、交通状況特定ユニット11が、前記ステップ1~3で取得した情報に基づき、車両3の周囲における交通状況を特定する。交通状況は、(a)車両3の周囲の状況、(b)車両3の位置、(c)車両3の将来の挙動、及び(d)車両3の走行状態を含む。
【0022】
交通状況特定ユニット11は、例えば、前記(a)を、第1情報と、道路交通情報とに基づき特定する。交通状況特定ユニット11は、例えば、前記(b)を、車両3の位置を表す情報に基づき特定する。交通状況特定ユニット11は、例えば、前記(c)を、車両3の将来の挙動を表す情報に基づき特定する。交通状況特定ユニット11は、例えば、前記(d)を、第2情報に基づき特定する。
【0023】
ステップ5では、危険予測ユニット13が、前記ステップ4で特定した交通状況に基づき、車両3に関する危険を予測する処理を実行する。この処理を以下で具体的に説明する。メモリ7は、表1に示す複数の交通状況を予め記憶している。例えば、報知装置1の出荷時に、交通状況はメモリ7に記憶されている。例えば、報知装置1の出荷後、メモリ7に記憶された交通状況を更新することができる。
【0024】
【表1】
【0025】
記憶されている複数の交通状況には、1~7の番号が付されている。番号1~7の交通状況は、要予測イエロー、イエロー、及びレッドに分類されている。
要予測イエローの交通状況は、潜在的な危険が存在する交通状況である。ただし、潜在的な危険は、第1情報には表れていない。要予測イエローの交通状況の場合、例えば、第1情報から、差し迫った危険、違反状態、危険の兆候等は認識されない。要予測イエローの交通状況において、車両3の乗員が危険を予測することなく運転を行うと、交通事故が生じる可能性がある。
【0026】
イエローの交通状況は、危険が存在する交通状況である。イエローの交通状況の場合、例えば、第1情報から、交通事故の兆候が認められる。イエローの交通状況の場合、例えば、交通事故を回避するためには、車両3の乗員又は車両3が直ちに対処する必要がある。
【0027】
レッドの交通状況は、イエローの交通状況よりも危険の度合いが一層高い状況である。レッドの交通状況の場合、例えば、車両3の乗員又は車両3が交通事故を回避するための対処を行っても、交通事故に至る可能性が高い。
【0028】
番号1の交通状況は、要予測イエローに分類されている。番号1の交通状況において、(a)車両3の周囲の状況は、図4に示すように、対向車線31に渋滞車列33がある状況である。番号1の交通状況において、(b)車両3の位置は、直線道路34の上である。直線道路34の前方に信号と横断歩道はない。番号1の交通状況において、(c)車両3の将来の挙動は、直進である。番号1の交通状況において、(d)車両3の走行状態は、時速50km以上の速度で直進中の状態である。
【0029】
番号2の交通状況は、イエローに分類されている。番号2の交通状況において、(a)車両3の周囲の状況は、図4に示すように、対向車線31に渋滞車列33がある状況である。さらに、渋滞車列33を横断し、直線道路34に向かっている、図示しない歩行者がある。車両3から歩行者までの距離は30m以下である。番号2の交通状況において、(b)~(d)は番号1の交通状況と同様である。
【0030】
番号3の交通状況はレッドに分類されている。番号3の交通状況において、(a)車両3の周囲の状況は、図4に示すように、対向車線31に渋滞車列33がある状況である。さらに、車両3の前方において、渋滞車列33を構成していた車両がUターンし、車両3の前方に飛び出した。車両3から、Uターンした車両までの距離は15m以下である。番号3の交通状況において、(b)~(d)は番号1の交通状況と同様である。
【0031】
番号4の交通状況は要予測イエローに分類されている。番号4の交通状況において、(a)車両3の周囲の状況は、図5に示すように、車両3の前方に大型車35がある状況である。さらに、車両3から大型車35までの距離は18m以上30m未満である。番号4の交通状況において、(b)~(d)は番号1の交通状況と同様である。
【0032】
番号5の交通状況は要予測イエローに分類されている。番号5の交通状況において、(b)車両3の位置は、交差点の手前である。車両3から交差点までの距離は30m以内である。番号5の交通状況において、(a)、(c)~(d)は番号4の交通状況と同様である。
【0033】
番号6の交通状況はイエローに分類されている。番号6の交通状況において、(a)車両3の周囲の状況は、図5に示すように、車両3の前方に大型車35がある状況である。さらに、車両3から大型車35までの距離は18m以上30m未満である。さらに、大型車35の前方の交差点にある信号の表示が青から黄に変化した。番号6の交通状況において、(b)~(d)は番号5の交通状況と同様である。
【0034】
番号7の交通状況はレッドに分類されている。番号7の交通状況において、(a)車両3の周囲の状況は、車両3の前方の大型車35が停止した状況である。さらに、車両3から大型車35までの距離は18m未満である。番号7の交通状況において、(b)~(d)は番号6及び番号7の交通状況と同様である。
【0035】
メモリ7は、番号1~7の交通状況のそれぞれに関連付けて、予測される危険を記憶している。危険とは、車両3に関する危険である。例えば、番号1の交通状況に対して、対向車線31にある渋滞車列33の間から、人又は車両が飛び出すこと、という危険が関連付けて記憶されている。番号2~7の交通状況についても、それぞれ、表1に記載の危険が関連付けて記憶されている。
【0036】
要予測イエローに分類された交通状況には、潜在的な危険が関連付けられている。潜在的な危険は、第1情報には表れていない。例えば、番号1の交通状況に関連付けられた危険を構成する、渋滞車列33の間から飛び出す人又は車両は、第1情報には表れていない。また、番号4の交通状況に関連付けられた危険を構成する、大型車の急停止は、第1情報には表れていない。また、番号5の交通状況に関連付けられた危険を構成する、大型車の急停止及び信号は、第1情報には表れていない。
【0037】
イエロー又はレッドに分類された交通状況には、第1情報に表れている危険が関連付けられている。
危険の程度は、交通状況の分類により異なる。イエローに分類された交通状況の危険の程度は、要予測イエローに分類された交通状況の危険の程度より高い。レッドに分類された交通状況の危険の程度は、イエローに分類された交通状況の危険の程度よりさらに高い。
【0038】
危険予測ユニット13は、番号1~7の交通状況の中で、前記ステップ4で特定した交通状況と一致する交通状況(以下では一致状況とする)を探す処理を実行する。また、危険予測ユニット13は、一致状況が見つかった場合、一致状況と関連付けられた危険をメモリ7から読み出す。
【0039】
なお、番号1~7の交通状況の中から一致状況を探し、一致状況に関連付けられた危険をメモリ7から読み出すことは、前記ステップ4で特定した交通状況に基づき、危険を予測することに対応する。
【0040】
ステップ6では、前記ステップ5の処理において、危険を予測することができたか否かを、危険予測ユニット13が判断する。危険を予測することができたとは、前記ステップ4で特定した交通状況と一致する一致状況が見つかり、危険をメモリ7から読み出すことができたことである。危険を予測することができなかったとは、前記ステップ4で特定した交通状況と一致する一致状況が見つからず、危険をメモリ7から読み出すことができなかったことである。
【0041】
危険を予測することができた場合、本処理はステップ7に進む。危険を予測することができなかった場合、本処理を終了する。
ステップ7では、報知ユニット15が、スピーカ23及び表示器25の少なくとも一方を用いて報知を行う。報知の方法として、例えば、聴覚的報知、視覚的報知、及び触覚的報知から成る群から選択される1以上が挙げられる。聴覚的報知とは、車両3の乗員が聴覚により認識できる報知である。聴覚的報知として、例えば、音声による報知、発話による報知等が挙げられる。視覚的報知とは、車両3の乗員が視覚により認識できる報知である。視覚的報知として、例えば、色の表示による報知等が挙げられる。触覚的報知とは、車両3の乗員が触覚により認識できる報知である。触覚的報知として、例えば、振動による報知等が挙げられる。聴覚的報知は、スピーカ23により行われる。視覚的報知は、表示器25により行われる。触覚的報知は、例えば、図示しない振動発生器等により行われる。
【0042】
報知ユニット15は、例えば、前記ステップ5で読み出した危険の程度に応じて、報知の方法を選択する。危険の程度が変化した場合、報知ユニット15は、報知の方法を切り替える。
【0043】
ステップ8では、車両制御ユニット17が、車両制御を実行するか否かを判断する。表1に示すように、メモリ7は、番号1~7の交通状況のそれぞれに関連付けて、車両制御を記憶している。番号iの交通状況に関連付けて記憶された車両制御は、番号iの交通状況に関連付けられた危険を回避するための車両制御である。iは、1~7の自然数である。例えば、番号2の交通状況に関連付けられた車両制御は、「渋滞車列33を横断する歩行者との衝突」を回避するための車両制御である。
【0044】
車両制御ユニット17は、一致状況に関連付けられた車両制御が「なし」以外である場合、車両制御を実行すると判断し、ステップ9に進む。車両制御ユニット17は、一致状況に関連付けられた車両制御が「なし」である場合、車両制御を実行しないと判断し、本処理を終了する。
【0045】
ステップ9では、車両制御ユニット17が、車両制御部27を用い、一致状況に関連付けられた車両制御を実行する。車両制御は、危険を回避するための車両制御である。
3.報知装置1が奏する効果
(1A)報知装置1は、前記ステップ4で特定した交通状況が、要予測イエローに分類される交通状況に一致する場合、報知を行う。要予測イエローに分類される交通状況は、第1情報に表れていない危険が予測される交通状況である。よって、報知装置1は、第1情報に表れていない危険が予測される交通状況において、報知を行うことができる。
【0046】
すなわち、報知装置1は、センサ群19が危険を検知する前に報知を行うことができる。その結果、車両3の乗員又は車両3は、危険を早期に予測することができる。
(1B)報知装置1は、前記ステップ4で特定した交通状況が、イエロー又はレッドに分類される交通状況に一致する場合も、報知を行う。そのため、車両3の乗員は、イエロー又はレッドに分類される交通状況であることを認識することができる。
【0047】
(1C)報知装置1は、危険を回避するための車両制御を実行する。そのため、車両3が危険を回避できる可能性が一層大きくなる。
(1D)報知装置1は、危険の程度に応じて報知の方法を切り替える。そのため、車両3の乗員は、報知の方法から、危険の程度を理解することができる。
【0048】
(1E)報知の方法は、聴覚的報知、視覚的報知、及び触覚的報知から成る群から選択される1以上である。車両3の乗員は、報知の方法の違いを一層容易に理解することができる。
<他の実施形態>
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0049】
(1)番号1~7の交通状況は、他の交通状況であってもよい。番号1~7の交通状況における速度、距離等の数値は、他の数値であってもよい。メモリ7に記憶された交通状況の数は7以外の数であってもよい。
【0050】
(2)報知装置1は、第1情報、第2情報、又は他の情報を、車車間通信、路車間通信、又は歩車間通信により取得してもよい。
(3)報知装置1の機能の一部又は全部は、車両3の外部に存在する装置により実現されてもよい。車両3の外部に存在する装置として、例えば、サーバ、クラウド等が挙げられる。また、センサ群19の一部又は全部は、車両3の外部に設置されていてもよい。
【0051】
(4)一致状況は、前記ステップ4で特定した交通状況と完全に一致しなくてもよい。例えば、一致状況は、前記ステップ4で特定した交通状況との類似の程度が閾値以上である交通状況である。
【0052】
(5)本開示に記載の報知装置1及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の報知装置1及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の報知装置1及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されてもよい。報知装置1に含まれる各部の機能を実現する手法には、必ずしもソフトウェアが含まれている必要はなく、その全部の機能が、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現されてもよい。
【0053】
(6)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【0054】
(7)上述した報知装置1の他、当該報知装置1を構成要素とするシステム、当該報知装置1としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体、危険の予測方法、報知方法、危険の回避方法等、種々の形態で本開示を実現することもできる。
【符号の説明】
【0055】
1…報知装置、3…車両、5…CPU、7…メモリ、9…情報取得ユニット、11…交通状況特定ユニット、13…危険予測ユニット、15…報知ユニット、17…車両制御ユニット、19…センサ群、21…情報供給部、23…スピーカ、25…表示器、27…車両制御部、31…対向車線、33…渋滞車列、34…直線道路、35…大型車
図1
図2
図3
図4
図5