(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177545
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】車載センサ洗浄装置
(51)【国際特許分類】
B60S 1/62 20060101AFI20221124BHJP
B05B 1/10 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
B60S1/62 100
B60S1/62 120B
B60S1/62 120C
B05B1/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083885
(22)【出願日】2021-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 慶洋
【テーマコード(参考)】
3D225
4F033
【Fターム(参考)】
3D225AA11
3D225AC02
3D225AC04
3D225AC19
3D225AD22
4F033AA04
4F033BA02
4F033BA03
4F033DA01
4F033EA01
4F033LA12
4F033LA13
4F033NA01
(57)【要約】
【課題】部品点数及び重量の増加を抑制する。
【解決手段】車載センサ洗浄装置10は、流体が噴射される噴射口を有するノズル18と、ノズル18と接続され、ノズル18側へ向かう流体が通過するハウジング下部流路20E及びハウジング上部流路20Cを有するハウジング20と、を備えている。また、車載センサ洗浄装置10は、ハウジング下部流路20Eに設けられ、ノズル18側へ向かう流体が当たることで作動する羽根車22を備えている。さらに、車載センサ洗浄装置10は、羽根車22とノズル18との間に設けられ、羽根車22の運動エネルギをノズル18に伝達することでノズル18を変位させるウォームギヤ34、ウォームホイール36、回転プレート38及びロッド40を備えている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が噴射される噴射口(16)を有するノズル(18)と、
前記ノズルと接続され、前記ノズル側へ向かう流体が通過する中間流路(20C、20E)を有する中間流路部(20)と、
前記中間流路に設けられ、前記ノズル側へ向かう流体が当たることで作動する作動部(22)と、
前記作動部と前記ノズルとの間に設けられ、前記作動部の運動エネルギを前記ノズルに伝達することで前記ノズルを変位させる伝達部(24)と、
を備えた車載センサ洗浄装置(10、44、48、50)。
【請求項2】
前記作動部は、前記ノズル側へ向かう流体が当たることで回転する羽根車(22)とされ、
前記伝達部は、前記羽根車の回転力を前記ノズルに伝達することで該ノズルを揺動させる揺動部(38、40)を含んで構成されている請求項1に記載の車載センサ洗浄装置。
【請求項3】
前記作動部は、前記ノズル側へ向かう流体が当たることで回転する羽根車とされ、
前記伝達部は、前記羽根車の回転力を前記ノズルに伝達することで該ノズルを回転させる請求項1に記載の車載センサ洗浄装置。
【請求項4】
前記伝達部は、前記羽根車の回転を減速する減速部(34、36)を含んで構成されている請求項2又は請求項3に記載の車載センサ洗浄装置。
【請求項5】
前記ノズル側へ向かう流体が通過すると共に前記中間流路と独立して設けられた迂回流路(46A)を有する迂回流路部(46)をさらに備えた請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の車載センサ洗浄装置。
【請求項6】
前記噴射口から噴射される流体及び作動部を作動させる流体は、前記中間流量へ供給される圧縮空気となっている請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の車載センサ洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車載センサ洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、車両に設けられたセンサシステムが開示されている。この文献に記載されたセンサシステムは、車載光学センサと、車載光学センサの光学面を洗浄する車載センサ洗浄装置と、を備えている。車載センサ洗浄装置は、噴射口から空気が噴射されるノズルと、空気をノズルに供給するポンプと、ノズルを所定の範囲で往復回転させるモータ及び減速機構と、を含んで構成されている。そして、ポンプからノズルへ空気が供給されることで、ノズルの噴射口から空気が噴射される。また、モータが作動することで、ノズルの向きが変更されて、ノズルの噴射口から噴射される空気の向きが変更される。このようにして、ノズルの噴射口から噴射された空気を車載光学センサの光学面の広い範囲に当てることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載された車載センサ洗浄装置の構成は、ノズルの噴射口から噴射された空気を車載光学センサの光学面の広い範囲に当てることができるという観点では有用な構成ではある。しかしながら、上記特許文献1に記載された車載センサ洗浄装置の構成では、ノズルを変位させるモータが必要となること等により、車載センサ洗浄装置の部品点数及び重量の増加を抑制するという観点で改善の余地がある。
【0005】
本開示は上記事実を考慮し、部品点数及び重量の増加を抑制することができる車載センサ洗浄装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する車載センサ洗浄装置(10、44、48、50)は、流体が噴射される噴射口(16)を有するノズル(18)と、前記ノズルと接続され、前記ノズル側へ向かう流体が通過する中間流路(20C、20E)を有する中間流路部(20)と、前記中間流路に設けられ、前記ノズル側へ向かう流体が当たることで作動する作動部(22)と、前記作動部と前記ノズルとの間に設けられ、前記作動部の運動エネルギを前記ノズルに伝達することで前記ノズルを変位させる伝達部(24)と、を備えている。
【0007】
この様に構成することで、部品点数及び重量の増加を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】車載センサ及び第1実施形態の車載センサ洗浄装置を示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態の車載センサ洗浄装置を示す正面図である。
【
図3】第1実施形態の車載センサ洗浄装置を示す側面図である。
【
図4】第1実施形態の車載センサ洗浄装置を示す平面図である。
【
図5】第1実施形態の車載センサ洗浄装置を示す底面図である。
【
図6】第2実施形態の車載センサ洗浄装置を示す側面図である。
【
図7】車載センサ及び第3実施形態の車載センサ洗浄装置を示す斜視図である。
【
図8】第3実施形態の車載センサ洗浄装置を示す側面図である。
【
図9】車載センサ及び第4実施形態の車載センサ洗浄装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1~
図5を用いて本開示の第1実施形態に係る車載センサ洗浄装置10について説明する。
【0010】
図1に示されるように、本実施形態の車載センサ洗浄装置10は、車両の前部に設けられた車載センサ12を洗浄するためのものである。なお、車載センサ12は、一例として赤外線レーザを出射して、物体から反射された散乱光を受光することで、物体との距離等を計測するためのものである。この車載センサ12は、赤外線レーザが透過する光学面14を備えており、光学面14は車両前方側へ向けられている。なお、以下の説明において、前後左右上下の方向を示して説明するときは、車両の前後左右上下の方向を示すものとし、また各図に適宜示す矢印FRは前方向、矢印UPは上方向、矢印RHは右方向、矢印LHは左方向をそれぞれ示すものとする。
【0011】
図2~
図5に示されるように、車載センサ洗浄装置10は、圧縮空気が噴射される噴射口16を有するノズル18と、ノズル18側へ向かう流体が通過する中間流路部としてのハウジング20と、ハウジング20に設けられた作動部としての羽根車22と、を備えている。また、車載センサ洗浄装置10は、羽根車22の回転に伴う運動エネルギをノズル18に伝達することで当該ノズル18を変位させる伝達部24を備えている。
【0012】
図3及び
図5に示されるように、ノズル18は、その前端部が下方側に向けてL字状に曲げられた管状に形成されている。このノズル18の前端部に形成された開口は、圧縮空気が噴射される噴射口16となっている。また、ノズル18は、連結ホース26を介して後述するハウジング20に接続されている。
【0013】
ハウジング20は、前後方向を軸方向とする円筒状に形成されたハウジング上部20Aと、ハウジング上部20Aの下方側に配置されていると共にハウジング上部20Aと一体に形成されたハウジング下部20Bと、を備えている。
【0014】
ハウジング上部20Aは、前方側が開放されていると共に後方側が閉止された有底円筒状に形成されている。このハウジング上部20Aの内部には、後述する伝達部24の一部を構成するウォームギヤ34及びウォームホイール36が設けられている。なお、ハウジング上部20Aの前端には、第1カバープレート28が取り付けられている。これにより、ハウジング上部20Aの前端側が第1カバープレート28によって閉止されるようになっている。ここで、ハウジング上部20A内の空間は、圧縮空気が通過する中間流路としてのハウジング上部流路20Cとなっている。また、ハウジング上部20Aは、上方側へ向けて突出する筒状のノズル接続部20Dを備えている。このノズル接続部20Dはハウジング上部流路20Cとつながっている。また、ノズル接続部20Dには、連結ホース26が接続されている。
【0015】
ハウジング下部20Bは、下方側が開放された箱状に形成されている。このハウジング下部20Bの内部には、後述する羽根車22が設けられている。なお、ハウジング下部20Bの下端には、第2カバープレート30が取り付けられている。これにより、ハウジング下部20Bの下端側が第2カバープレート30によって閉止されるようになっている。ここで、ハウジング下部20B内の空間は、圧縮空気が通過する中間流路としてのハウジング下部流路20Eとなっている。このハウジング下部流路20Eとハウジング上部流路20Cとは、ハウジング上部20Aとハウジング下部20Bとの境界部に形成された連通孔を介してつながっている。なお、ハウジング上部20Aとハウジング下部20Bとの境界部には、後述する羽根車22とウォームギヤ34との係合部22Bが挿通される挿通孔が形成されている。また、ハウジング下部20Bは、後方側へ向けて突出する筒状のポンプ接続部20Fを備えている。このポンプ接続部20Fはハウジング下部流路20Eとつながっている。また、ポンプ接続部20Fには、図示しない連結ホースを介して図示しないポンプが接続されている。これにより、ポンプからの圧縮空気をハウジング下部20Bのハウジング下部流路20E内へ供給することが可能となっている。
【0016】
羽根車22は、上下方向を厚み方向とする円板状に形成された円板部22Aと、円板部22Aの中心部から上方側へ突出する係合部22Bと、円板部22Aから下方側へ向けて突出すると共に円板部の周方向に等間隔に配置された3つの羽根22Cと、を備えている。この羽根車22は、第1軸部材32を介して上下方向を回転軸方向として回転可能に支持されている。また羽根車22の羽根22Cの上下方向位置とハウジング下部20Bのポンプ接続部20Fの上下方向位置とは、ほぼ同じ位置となっている。これにより、ポンプ接続部20Fからハウジング下部20Bのハウジング下部流路20Eへ供給された圧縮空気が羽根車22の羽根22Cに当たるようになっている。
【0017】
図2~
図4に示されるように、伝達部24は、羽根車22と一体に回転するウォームギヤ34と、ウォームギヤ34と噛み合うウォームホイール36と、ウォームホイール36一体に回転する回転プレート38と、回転プレート38とノズル18とを連結するロッド40と、を含んで構成されている。
【0018】
減速部の一部を構成するウォームギヤ34は、ハウジング20のハウジング上部20A内に配置されている。また、ウォームギヤ34の下端部は、羽根車22の係合部22Bと係合されている。さらに、ウォームギヤ34は、第1軸部材32を介して上下方向を回転軸方向として回転可能に支持されている。また、ウォームギヤ34の外周部には螺旋状の歯部が形成されている。
【0019】
減速部の他の一部を構成するウォームホイール36は、ハウジング20のハウジング上部20A内に配置されている。ウォームホイール36の外周部には、ウォームギヤ34の歯部と噛み合う複数の外歯が形成されている。また、ウォームホイール36の軸心部には、第2軸部材42が固定されている。この第2軸部材42の後端部はハウジング上部20Aに支持されており、第2軸部材42の前端側は第1カバープレート28を貫通した状態で当該第1カバープレート28に支持されている。これにより、ウォームホイール36が、前後方向を回転軸方向として回転可能に支持されている。
【0020】
揺動部の一部を構成する回転プレート38は、ハウジング20の外側でかつ第1カバープレート28の前方側に配置されている。この回転プレート38は、前後方向を厚み方向とする円板状に形成された回転プレート本体38Aと、回転プレート本体38Aの前面における径方向外側の部分から前方側へ向けて突出するロッド係合部38Bと、を備えている。回転プレート本体38Aの軸芯部は、第2軸部材42の前端部に固定されている。これにより、回転プレート38とウォームホイール36とが一体回転可能となっている。
【0021】
揺動部の他の一部を構成するロッド40は、矩形板状に形成されている。このロッド40には、長孔状に形成された係合孔40Aが当該ロッド40の長手方向に沿って形成されている。係合孔40Aの下端側には、回転プレート38のロッド係合部38Bが挿入されている。また、係合孔40Aの上端部には、ノズル18が挿入された状態で当該ノズル18が係止されている。
【0022】
(本実施形態の作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0023】
図2~
図5に示されるように、以上説明した本実施形態の車載センサ洗浄装置10では、ハウジング20のポンプ接続部20Fからハウジング下部20Bのハウジング下部流路20Eへ圧縮空気が供給されて、この圧縮空気が羽根車22の羽根22Cに当たると、羽根車22が回転する。
【0024】
羽根車22が回転すると、羽根車22と一体回転可能に設けられたウォームギヤ34も回転する。ウォームギヤ34が回転すると、ウォームギヤ34と噛み合うウォームホイール36が回転する。また、ウォームホイール36が回転すると、ウォームホイール36と一体回転可能に設けられた回転プレート38も回転する。このように、羽根車22の回転がウォームギヤ34及びウォームホイール36によって減速されて回転プレート38に伝達される。
【0025】
また、回転プレート38が回転すると、ロッド40の下端側が左右方向に繰り返し変位される。これにより、ロッド40に係止されたノズル18が、左右方向に繰り返し揺動される。
【0026】
その一方で、ハウジング20のポンプ接続部20Fからハウジング下部20Bのハウジング下部流路20Eへ供給された圧縮空気は、ハウジング上部流路20C、連結ホース26及びノズル18を通じてノズル18の噴射口16から噴射される。そして、ノズル18の噴射口16から圧縮空気が噴射された状態でノズル18が左右方向に繰り返し揺動されることで、
図1に示されるように、ノズル18の噴射口16から噴射された圧縮空気を車載センサ12の光学面14の左右の広範囲に当てることができる。
【0027】
ここで、本実施形態の車載センサ洗浄装置10では、圧縮空気によって回転する羽根車22の運動エネルギをノズル18に伝達することで当該ノズル18を変位させる構成となっている。これにより、ノズル18を変位させるためのモータを設けることが不要となり、車載センサ洗浄装置10の部品点数及び重量の増加を抑制することができる。また、ノズル18を変位させるためのモータを設けることが不要となることにより、車載センサ洗浄装置10の消費電力を削減することができる。
【0028】
また、本実施形態では、羽根車22の回転がウォームギヤ34及びウォームホイール36によって減速されて回転プレート38に伝達されるようになっている。これにより、ノズル18を所望の周期で揺動させることができる。
【0029】
(第2実施形態の車載センサ洗浄装置44)
次に、
図6を用いて、本開示の第2実施形態に係る車載センサ洗浄装置44について説明する。なお、第2実施形態に係る車載センサ洗浄装置44において第1実施形態の車載センサ洗浄装置10と対応する部材及び部分には、第1実施形態の車載センサ洗浄装置10と対応する部材及び部分と同じ符号を付して、その説明を省略することがある。
【0030】
図6に示されるように、本実施形態の車載センサ洗浄装置44は、第1実施形態の車載センサ洗浄装置10の構成に加えて迂回流路部としてのバイパス管46が設けられていることに特徴がある。バイパス管46は、その内部が迂回流路46Aとされた筒状に形成されている。また、バイパス管46の一方側の端部は、ハウジング20のハウジング下部20Bに設けられたバイパス管接続部20Gに接続されている。このバイパス管接続部20Gはハウジング下部流路20Eとつながっている。また、バイパス管46の他方側の端部は、ノズル18の中間部に接続されている。
【0031】
以上説明した本実施形態の車載センサ洗浄装置44では、ハウジング20のポンプ接続部20Fからハウジング下部20Bのハウジング下部流路20Eへ供給された圧縮空気をハウジング上部流路20C及び連結ホース26を通じてノズル18側へ流すことができる。これに加えて、ハウジング20のポンプ接続部20Fからハウジング下部20Bのハウジング下部流路20Eへ供給された圧縮空気をバイパス管46の迂回流路46Aを通じてノズル18側へ流すことができる。これにより、本実施形態の車載センサ洗浄装置44では、前述の第1実施形態の車載センサ洗浄装置10と比べて、ノズル18の噴射口16から噴射される圧縮空気の勢いが弱まることを抑制することができる。
【0032】
(第3実施形態の車載センサ洗浄装置48)
次に、
図7及び
図8を用いて、本開示の第3実施形態に係る車載センサ洗浄装置48について説明する。なお、第3実施形態に係る車載センサ洗浄装置48において前述の車載センサ洗浄装置10、44と対応する部材及び部分には、前述の車載センサ洗浄装置10、44と対応する部材及び部分と同じ符号を付して、その説明を省略することがある。
【0033】
図7及び
図8に示されるように、本実施形態の車載センサ洗浄装置48は、圧縮空気が通過する軸部内流路42Aが第2軸部材42に設けられていると共に、ノズル18が第2軸部材42の前端部に取付けられていることに特徴がある。
【0034】
図8に示されるように、軸部内流路42Aの一方側の開口42Bは、第2軸部材42の軸方向の中間部から径方向外側に向けて開放されていると共にハウジング20のハウジング上部流路20Cとつながっている。また、軸部内流路42Aの他方側の開口42Cは、第2軸部材42の前端部から前方側へ向けて開放されていると共にノズル18とつながっている。
【0035】
以上説明した本実施形態の車載センサ洗浄装置48では、ハウジング20のポンプ接続部20Fからハウジング下部20Bのハウジング下部流路20Eへ圧縮空気が供給されて、この圧縮空気が羽根車22の羽根22Cに当たると、羽根車22が回転する。
【0036】
羽根車22が回転すると、羽根車22と一体回転可能に設けられたウォームギヤ34も回転する。ウォームギヤ34が回転すると、ウォームギヤ34と噛み合うウォームホイール36が回転する。また、ウォームホイール36が回転すると、ウォームホイール36と一体回転可能に設けられた第2軸部材42も回転する。このように、羽根車22の回転がウォームギヤ34及びウォームホイール36によって減速されて第2軸部材42に伝達される。
【0037】
また、第2軸部材42が回転すると、第2軸部材42の前端部に取り付けられたノズル18が一方向に回転する。
【0038】
その一方で、ハウジング20のポンプ接続部20Fからハウジング下部20Bのハウジング下部流路20Eへ供給された圧縮空気は、ハウジング上部流路20C、軸部内流路42A及びノズル18を通じてノズル18の噴射口16から噴射される。そして、ノズル18の噴射口16から圧縮空気が噴射された状態でノズル18が一方向に回転することで、
図7に示されるように、ノズル18の噴射口16から噴射された圧縮空気を車載センサ12の光学面14の左右の広範囲に当てることができる。また、本実施形態においても、ノズル18を変位させるためのモータを設けることが不要となり、車載センサ洗浄装置10の部品点数及び重量の増加を抑制することができる。
【0039】
(第4実施形態の車載センサ洗浄装置50)
次に、
図9を用いて、本開示の第4実施形態に係る車載センサ洗浄装置50について説明する。なお、第4実施形態に係る車載センサ洗浄装置50において前述の車載センサ洗浄装置10、44、48と対応する部材及び部分には、前述の車載センサ洗浄装置10、4448と対応する部材及び部分と同じ符号を付して、その説明を省略することがある。
【0040】
図9に示されるように、本実施形態の車載センサ洗浄装置50は、上下方向を軸方向とする円筒状に形成された車載センサ12の光学面14を洗浄するために用いられる。
【0041】
本実施形態の車載センサ洗浄装置50は、ノズル18がハウジング20に対して下方側に配置された姿勢で使用されること及びノズル18の形状が異なることを除いては前述の第3実施形態の車載センサ洗浄装置48と同様に構成されている。
【0042】
ノズル18は、第2軸部材42の前端部(
図8参照)から下方側へ伸びる第1ノズル部18Aと、第1ノズル部18Aの下端から第2軸部材42の径方向外側へ向けて伸びる第2ノズル部18Bと、を備えている。また、ノズル18は、第2ノズル部18Bにおける第1ノズル部18Aとは反対側の端から下方側へ伸びる第3ノズル部18Cを備えている。第3ノズル部18Cの先端(下端)は、車載センサ12の光学面14の上部に配置されている。
【0043】
以上説明した本実施形態の車載センサ洗浄装置50では、ノズル18の噴射口16から圧縮空気が噴射された状態でノズル18が一方向に回転することで、ノズル18の噴射口16から噴射された圧縮空気を車載センサ12の光学面14の周方向の全体に当てることができる。
【0044】
なお、以上説明した各実施形態の車載センサ洗浄装置10、44、48、50では、羽根車22の回転を減速するウォームギヤ34及びウォームホイール36を設けた例について説明したが、本開示はこれに限定されない。ノズル18を揺動させる周期やノズル18の回転数によっては、羽根車22の回転数を減速せずにノズル18に伝達してもよい。
【0045】
また、以上説明した各実施形態の車載センサ洗浄装置10、44、48、50では、圧縮空気によって羽根車22を回転させることでノズル18を変位させた例について説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、羽根車22に代わる作動部を圧縮空気で動かすことによってノズル18を変位させる構成としてもよい。
【0046】
さらに、以上説明した各実施形態の車載センサ洗浄装置10、44、48、50では、圧縮空気によって羽根車22を回転させると共に、圧縮空気によって車載センサ12の光学面14を洗浄した例について説明した例について説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、洗浄液によって羽根車22を回転させると共に、洗浄液によって車載センサ12の光学面14を洗浄する構成としてもよい。
【0047】
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0048】
10 車載センサ洗浄装置、16 噴射口、18 ノズル、20 ハウジング(中間流路部)、20C ハウジング上部流路(中間流路)、20E ハウジング下部流路(中間流路)、22 羽根車(作動部)、24 伝達部、34 ウォームギヤ(減速部)、36 ウォームホイール(減速部)、38 回転プレート(揺動部)、40 ロッド(揺動部)、44 車載センサ洗浄装置、46 バイパス管(迂回流路部)、46A 迂回流路、48 車載センサ洗浄装置、50 車載センサ洗浄装置