(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178598
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】通過防止装置及び桝装置
(51)【国際特許分類】
A01M 29/34 20110101AFI20221125BHJP
E03F 5/14 20060101ALI20221125BHJP
E03F 5/10 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
A01M29/34
E03F5/14
E03F5/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021085521
(22)【出願日】2021-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】000201582
【氏名又は名称】前澤化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】栗原 伸記
(72)【発明者】
【氏名】庭野 資士
(72)【発明者】
【氏名】羽鳥 博之
【テーマコード(参考)】
2B121
2D063
【Fターム(参考)】
2B121AA11
2B121BB25
2B121BB27
2B121EA21
2B121FA12
2D063DA07
2D063DB04
(57)【要約】
【課題】害虫等の侵入物の侵入を防止できる侵入防止装置を提供する。
【解決手段】侵入防止装置3は、雨水桝2の立上管7の内周面における任意位置に取り付けるC字状の基体31と、この基体31に着脱可能に取り付ける網状の侵入防止体32とを備える。侵入防止体32は、雨水は通過可能であるが害虫は通過不可能な複数の通水孔を有する網状部材42と、この網状部材42の外周部に装着した弾性部材41とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の対象物の通過を防止するための通過防止装置であって、
配管部に取り付けられる基体と、
前記基体に取り付けられ、前記対象物が通過不可能な通水孔を有する通過防止体と
を備えることを特徴とする通過防止装置。
【請求項2】
通過防止体は、基体に取り付けられる弾性部を有する
ことを特徴とする請求項1記載の通過防止装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の通過防止装置を排水桝の配管部に備える
ことを特徴とする桝装置。
【請求項4】
基体は、排水桝の配管部に取り付けられた状態で、前記排水桝内に設置される容器の外径よりも大きな内径を有する
ことを特徴とする請求項3記載の桝装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の対象物の通過を防止するための通過防止装置及び桝装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載された雨水桝が知られている。
【0003】
この従来の雨水桝は、主として公共雨水桝として使用されるもので、施工の際には、例えばホルソーを用いて桝本体の側面に流入口を形成し、この形成した流入口に雨水流入管を接続する。また、立上管の上端部には、貫通孔が形成された蓋体を着脱可能に取り付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のような場合には、例えば害虫等の侵入物が蓋体の貫通孔から雨水桝内に侵入するおそれがある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、特定の対象物の通過を防止できる通過防止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る通過防止装置は、特定の対象物の通過を防止するための通過防止装置であって、配管部に取り付けられる基体と、前記基体に取り付けられ、前記対象物が通過不可能な通水孔を有する通過防止体とを備えるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、特定の対象物の通過を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る侵入防止装置を具備した桝装置全体を示す断面図である。
【
図2】(a)は同上侵入防止装置を示す部分斜視図、(b)は同上侵入防止装置を示す分解斜視図である。
【
図3】(a)及び(b)は同上侵入防止装置の設置手順を示す図である。
【
図4】(c)ないし(e)は
図3に続く設置手順を示す図である。
【
図5】(a)ないし(d)は泥溜め容器の取出手順を示す図である。
【
図6】本発明の第2の実施の形態に係る侵入防止装置を示す図である。
【
図7】本発明の第3の実施の形態に係る侵入防止装置を示す図である。
【
図8】本発明の第4の実施の形態に係る侵入防止装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の第1の実施の形態について
図1ないし
図5を参照して説明する。
【0011】
図1において、1は桝装置で、この桝装置1は、排水である雨水が流入する排水桝である雨水桝2と、この雨水桝2内に設置され、特定の対象物としての侵入物である害虫(例えば蚊等)の通過(侵入)を防止する通過防止装置である侵入防止装置3とを具備している。
【0012】
この
図1に図示した例は、蓋体9を通過した害虫が雨水桝2内に向かって侵入するのを防止するために、地中に埋設された既設の雨水桝2の立上管7の内周面における任意位置(所望位置)に対して、侵入防止装置3を特殊な工具を用いることなく工具レスで後付けにより設置した例である。
【0013】
雨水桝2は、
図1に示すように、例えば合成樹脂製のもので、桝本体6と、この桝本体6に立設された上下方向の配管部である立上管(排水が流れる流路)7と、この立上管7の上端部に固定的に取り付けられた蓋受け体8と、この蓋受け体8に着脱可能に取り付けられた蓋体9とを備えている。なお、雨水桝2は、合成樹脂製には限定されず、例えばコンクリート製でもよい。
【0014】
桝本体6は、流入口部11と、流出口部12と、掃除口部13と、泥溜め部(容器収納部)14とを有している。そして、一側方に向かって開口した流入口部11には、流入管16の下流端部が接続されている。他側方に向かって開口した流出口部12には、流出管17の上流端部が接続されている。上方に向かって開口した掃除口部13には、円筒状の掃除管である立上管7の下端部が接続されている。
【0015】
泥溜め部14には、有底円筒状で上面開口状の容器である泥溜め容器18が着脱可能に収納されている。この泥溜め容器18は、雨水や泥等が溜まる容器本体19と、この容器本体19の上端部に設けられた取手20とを有している。なお、例えば蚊が桝本体6内に侵入した場合、泥溜め容器18に溜まった雨水にボウフラが発生するおそれがある。
【0016】
蓋受け体8は、立上管7の上端部の内周側に固定的に接続された接続部である挿入部21と、蓋体9が着脱可能に嵌着された蓋受け部22とを有している。そして、蓋受け部22には円形状の開口部23が形成され、この開口部23が蓋体9によって開閉可能に閉鎖されている。この開口部23は、短円筒状の蓋受け体8の内部空間24の上側部分で構成されている。
【0017】
また、蓋受け部22は、蓋体9の外周部の下面を受け止めて支持する内方突出状で円環状の支持部分25を有している。この支持部分25の内径は、立上管7の内径よりも小さい。
【0018】
なお、蓋受け体8は、立上管7の上端部の内周側に接続される構成には限定されず、立上管7の上端部の外周側に接続される接続部(受口)を有する構成等でもよい。
【0019】
蓋体(格子蓋)9は、上下面に貫通した複数の孔部である貫通孔28を有している。各貫通孔28は、雨水に加えて、蚊等の害虫も通過可能な大きさに形成されている。それゆえ、蓋体9の下方には、貫通孔28を通過した害虫の所定位置への侵入(例えば下方の泥溜め容器18内への侵入等)を防止するための侵入防止装置3が配置されている。
【0020】
侵入防止装置(害虫侵入防止装置)3は、
図2にも示すように、雨水桝2の立上管7の内周面における任意位置に、変形に基づいて固定的に取り付けられた拡縮変形可能なC字状の支持体である基体31と、この基体31に着脱可能に取り付けられ、上下面に貫通した複数の孔部である通水孔33を有する通過防止体である侵入防止体32とを備えている。
【0021】
侵入防止体32の各通水孔33は、蓋体9の貫通孔28よりも小さく、雨水は通過可能であるが、特定の大きさの害虫(対象物)は通過不可能な大きさに形成されている。具体的には、通水孔33は、4.5mm~5.5mmの大きさの蚊が通過できないように、それよりも小さい寸法、すなわち例えば3mm~4mmの程度の寸法に形成されている。
【0022】
基体31は、例えば弾性変形可能な合成樹脂製のC字状部材35のみで構成されている。このC字状部材35は、平面視でC字状に湾曲した帯板状のもので、周方向の一部に切欠部36を有している。また、C字状部材35は、立上管7の内周面に固定的に取り付けられる取付面部37を外周面に有し、かつ、侵入防止体32の外周部が着脱可能に取り付けられて当該外周部を支持(位置決め固定)する支持部38を上部に有している。
【0023】
そして、このようなC字状部材35のみからなる基体31の外径は、径方向内方側である縮径側に弾性変形する前の状態(配管部への取り付け前の状態である拡大状態)では立上管7の内径よりも大きいが、縮径側に弾性変形(縮径弾性変形)した後の状態(配管部への取り付け後の縮小状態)では立上管7の内径と同じである。
【0024】
それゆえ、縮径弾性変形した後の基体31は、
図2(a)からも明らかなように、弾性変形に基づく弾性復元力によって立上管7の内周面に密着して固定的に取り付けられている。この取り付け後の縮小状態の基体31の内径は、下方に位置する泥溜め容器18の外径よりも大きい。つまり、泥溜め容器18は、その縮小状態の基体31内を通過可能である。なお、基体31は、接着剤等の固定手段を用いて立上管7の内周面に強固に固定してもよい。また、基体31は、C字状部材35に限定されずに、板状であっても配管内の壁に追従して、侵入防止体32が引っ掛かる部分(引掛部)となればよい。
【0025】
侵入防止体(網状体)32は、例えば弾性変形可能な複数、すなわち例えば2つの部材で構成されている。具体的には、侵入防止体32は、
図2(b)からも明らかなように、取り付け後の状態の基体31の支持部38に着脱可能に取り付けられて載置状態に支持される円環状のゴム製の弾性部である弾性部材41と、この弾性部材41の凹溝部43に着脱可能に嵌着されて保持される円板状の金属製の網状部である網状部材42とによって構成されている。
【0026】
弾性部材41は、網状部材42の外周部を保持する保持部である凹溝部43を内周側に有し、かつ、基体31の支持部38と嵌脱可能に嵌合する嵌合部である嵌合凹部44を外周側の下面に有している。また、弾性部材41は、立上管7の内周面に着脱可能に取り付けられる取付面部45を外周面に有している。なお、弾性部材41の外径は、立上管7の内径と同じか、それよりも少し大きい。
【0027】
網状部材42は、雨水が通過可能(空気も通過可能)でかつ害虫が通過不可能な複数の通水孔33を有する平面状の網状(メッシュ状)に形成されている。そして、網状部材(網)42は、外周側の枠部47に着脱可能(着脱不可能であってもよい)に装着された弾性部材41を介して、基体(網受)31に着脱可能に取り付けられる。
【0028】
つまり、弾性部材41は、網状部材42を基体31に着脱可能に連結するための連結部材である。すなわち、侵入防止体32は、弾性変形可能な環状の弾性部である弾性部材41を外周側に有し、この弾性部材41が基体31と網状部材42との間に位置する。
【0029】
なお、弾性部材41を用いずに、網状部材42を基体31に直接取り付けるようにしてもよい。また、網状部材42は、金属製(金属製であれば腐食防止の観点からSUS製が好ましい)のみならず、高分子性材料により成形されていてもよい。樹脂製であれば、例えば成形性に優れるポリ塩化ビニル等を用いて所定の周期構造を有するメッシュや、所定の開孔径を不織布状に成形したものを使用できる。また、樹脂製のパイプに対して摩擦抵抗の高い素材であれば、配管部の壁面(内周面)への簡易固定が容易にできる。当該素材としては、例えば、ゴムやエラストマー等が挙げられる。
【0030】
次に、既設の雨水桝2に侵入防止装置3を設置する際の設置手順について説明する。
【0031】
まず、
図3(a)及び(b)に示すように、作業者は、蓋体9を蓋受け体8から取り外して開口部23を開口させた後、拡縮可能な基体31に対して両側から押圧力を加えることにより、当該基体31を縮径弾性変形させながら、蓋受け体8の内部空間24を通過させて立上管7内に挿入する。
【0032】
そして、立上管7内の任意位置で押圧力を解除すると、基体31は、当該基体31の弾性復元力によって拡径することにより、立上管7の内周面における任意位置に固定的に取り付けられる。こうして、基体31は、立上管7の内周面の所望位置に対して簡易的に固定される。なお、例えば接着剤を使用して基体31を立上管7の内周面に接着固定してもよい。
【0033】
次いで、
図4(c)及び(d)に示すように、作業者は、拡縮可能な侵入防止体32、すなわち網状部材42の外周側に弾性部材41を装着したもの(言い換えると、弾性部材41の内周側に網状部材42をセットしたもの)を、少し縮径弾性変形させながら蓋受け体8の内部空間24を通過させて立上管7内に挿入して、基体31に着脱可能に取り付ける。
【0034】
つまり、立上管7の内周面における任意位置に固定的に取り付けられた縮小状態の基体31に対して、その基体31の上方から侵入防止体32を嵌合載置するように取り付ける。
【0035】
こうして、侵入防止体32は、配管部への固定状態の基体31によって水平姿勢に支持されて、立上管7内の任意位置に位置決め固定される。
【0036】
このとき、基体31の支持部38と侵入防止体32の嵌合凹部44とは、互いに嵌脱可能に嵌合している。なお、このような嵌合ではなく、例えば基体31上への単なる載置による取り付けでもよく、また、例えばマグネット、面ファスナー、テーパ(嵌入)等の比較的簡便な手段によって侵入防止体32が基体31に着脱可能に取り付けられるようにしてもよい。要するに、基体31と侵入防止体32との分離可能な連結手段は任意である。
【0037】
次いで、
図4(e)に示すように、最後に、作業者は蓋体9を蓋受け体8に取り付けて開口部23を閉鎖して、侵入防止装置3の設置作業が完了する。
【0038】
このように、作業者は、何ら特殊な工具を用いることなく、侵入防止装置3を既設の雨水桝2の立上管7の内周面における任意位置に工具レスで設置可能である。
【0039】
なお、上記図示した例では、予め網状部材42の外周側に弾性部材41を装着しておいたセット状態の侵入防止体32を、そのセット状態のまま雨水桝2内に挿入(挿出も可能)する場合について説明したが、例えば弾性部材41を雨水桝2内に挿入して基体31に取り付けた後、網状部材42をその取り付け状態の弾性部材41に取り付けるようにしてもよい。また、後述する
図5の例でも同様で、網状部材42を弾性部材41から取り外した後、弾性部材41を基体31から取り外すようにしてもよい。
【0040】
また、次に、泥溜め容器18を雨水桝2内から取り出す際の取出手順について説明する。
【0041】
図5(a)の如く雨水を含む泥等からなる沈殿物50が容器本体19内に溜まった泥溜め容器18を、雨水桝2の泥溜め部14内から取り出す場合には、まず、作業者は、
図5(b)に示すように、蓋体9を蓋受け体8から取り外して開口部23を開口させる。
【0042】
次いで、
図5(c)に示すように、作業者は、侵入防止体32をセット状態のまま基体31から取り外した後、当該侵入防止体32を少し縮径弾性変形させながら蓋受け体8の内部空間24を通過させて雨水桝2内から取り出す。このとき、基体31は、立上管7の内周面に対して固定された状態のままである。なお、必要に応じて基体31を雨水桝2内から取り出してもよく、また、基体31の取付位置を適宜調整することも可能である。
【0043】
次いで、
図5(d)に示すように、作業者は、取手20を持って泥溜め容器18を持ち上げることにより、当該泥溜め容器18を基体31内及び蓋受け体8内を順次通過させて、雨水桝2内から取り出す。こうして泥溜め容器18の取出作業が完了する。
【0044】
なお、泥溜め容器18内の沈殿物50を除去した後、泥溜め容器18を泥溜め部14内の位置に戻すとともに、侵入防止体32を基体31に取り付けて元の状態にする。
【0045】
そして、上述した侵入防止装置3によれば、蚊等の害虫(対象物である侵入物)が雨水桝2の桝本体6内に侵入することを適切に防止でき、よって、泥溜め容器18内の雨水にボウフラ等が発生するのを効果的に防ぐことができる。
【0046】
また、例えば、流入口部11や流出口部12から偶然に桝本体6内に入り込んだ害虫、または、泥溜め容器18内でボウフラ等の幼虫が成長した成虫は、侵入防止体32を通過できないため、雨水桝2外への害虫や成虫(蚊等の飛翔性の害虫のみならず、ムカデ等の多足類といった、所定のサイズよりも大きな害虫)の拡散を防止できる。従って、桝本体6内に向けた通過の防止、また桝本体6外に向けた通過の防止を図ることにより、害虫の繁殖や拡散を防止できる。
【0047】
しかも、侵入防止体32の通水孔33よりも大きな対象物(例えば4.5mm~5.5mmの大きさのものやそれ以上に大きなのもの(例えば、石、落葉、たばこ等のごみ))は、侵入防止体32を通過できないため、そのような大きな対象物が泥溜め容器18内に溜まって詰まることを防止できる。
【0048】
また、何ら特殊な工具を用いることなく、侵入防止装置3を既設の雨水桝2の立上管(配管部)7の内周面における任意位置に容易に後付け設置でき、また泥溜め容器18の掃除も容易にできる。それゆえ、例えば専用の桝を設計する必要もなく、任意の既設桝に侵入防止装置3を工具レスで容易に設置できる。なお、侵入防止装置3は、新設桝に対しても同様に、立上管7の内周面の任意位置に工具レスで容易に設置できる。
【0049】
さらに、侵入防止装置3は、雨水桝2の立上管7の内周面における任意位置に取り付けられる基体31と、この基体31とは別体で当該基体31に対して着脱可能に取り付けられる侵入防止体32とを備えるため、立上管7内の任意位置に容易かつ適切に設置できる。
【0050】
また、侵入防止体32は、基体31に着脱可能に取り付けられる弾性部材41と、この弾性部材41によって着脱可能(交換可能)に保持された網状部材42とを有するため、網状部材42が破損した際にはその網状部材42のみを交換できる。
【0051】
さらに、基体31は、径方向内方に弾性変形可能(拡縮可能)なC字状部材35で構成されているため、蓋受け体8の内部空間24を容易に通過できるとともに、内径が異なる各種の立上管7に適切に対応できる。
【0052】
次に、本発明の第2の実施の形態について
図6を参照して説明する。
【0053】
図6に示す侵入防止装置3の侵入防止体32は、上方に向かって凸状の逆椀形状に形成された網状部材42を有している。このため、例えばゴミ等の異物が雨水とともに立上管7内に流入した場合であっても、その異物は、逆椀形状の網状部材42の外周側に向かって案内されて弾性部材41上に溜まるため、網状部材42上には溜まりにくく、目詰まりが発生しにくい。
【0054】
なお、網状部材42は、例えば下方に向かって凸状の椀形状に形成した構成や、水平方向に対して傾斜する傾斜状に形成した構成でよく、また円錐形状、角錐形状等でもよい。
【0055】
次に、本発明の第3の実施の形態について
図7を参照して説明する。
【0056】
図7に示す侵入防止装置3は、基体31を備えず、変形可能(拡縮可能)な網状の侵入防止体32のみで構成されている。そして、この侵入防止体32は、縮径弾性変形した弾性部材41の弾性復元力により、その変形に基づいて立上管7の内周面における任意位置に着脱可能に取り付けられている。
【0057】
また、上述した各実施の形態における侵入防止体32は、当該侵入防止体32の着脱作業が容易にできるように、例えば取手、鎖や紐等の操作部を有するようにしてもよい。さらに、侵入防止体32の弾性部材41や網状部材42には、例えば忌避剤や殺虫剤等の薬剤が練り込みや含浸させてあって、雨水によりそれが溶出や浸出して泥溜め容器18に溜まるようにしてもよい。
【0058】
次に、本発明の第4の実施の形態について
図8を参照して説明する。
【0059】
図8に示す侵入防止装置3は、上記
図7のものと同様、基体31を備えず、変形可能(拡縮可能)な網状の侵入防止体32のみで構成されている。この侵入防止体32は、立上管7内に対して挿入出可能(出し入れ可能)な第1状態である縮小状態と、立上管7の内周面における任意位置に着脱可能に取り付け可能な第2状態である拡大状態とに選択的に変形可能(切換可能)となっている。
【0060】
すなわち例えば、侵入防止体32自体が拡縮できる構造であり、予め縮めておいた縮小状態の侵入防止体32をワンタッチ操作により立上管7内で展開させることで縮小状態から拡大状態にすることにより、その変形に基づいて当該侵入防止体32を立上管7の内周面における任意位置に着脱可能に取り付けることができる。
【0061】
このような侵入防止体32は、ワンタッチ操作に基づいて縮小状態及び拡大状態に選択的に変形する構成が好ましいが、この構成には限定されず、複数の操作によって変形する構成等でもよい。
【0062】
なお、上記いずれの実施の形態においても、通過防止装置を設置する配管部(流体が流れる管路部)は、立上管(縦管)である場合について説明したが、パイプである管には限定されず、例えば桝本体の一部や蓋受け体の一部等でもよく、また縦横も問わない。
【0063】
また、配管部や通過防止装置を構成する部材等の材質は、上記以外の材質でもよく任意である。
【0064】
さらに、通過防止体(通過防止装置)は、少なくとも一部(略全体が好ましいが)に網状部を有する網状の構成が好ましいが、網状の構成には限定されず、例えば水は通過可能であるが特定の対象物は通過不可能な通水孔を有する構成であれば任意である。
【0065】
また、基体は、1つの部材(例えばC字状部材)のみからなる構成には限定されず、例えば複数の部材で構成してもよい。
【0066】
なお、本発明のいくつかの実施の形態及びその変形例について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、各実施形態及び各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0067】
1 桝装置
3 通過防止装置である侵入防止装置
7 配管部である立上管
18 容器である泥溜め容器
31 基体
32 通過防止体である侵入防止体
33 通水孔
41 弾性部である弾性部材