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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181497
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】包装用補助台紙
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/04 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
B65D77/04 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088486
(22)【出願日】2021-05-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2020年12月8日~2021年2月24日の間にジェックス株式会社2021年春新商品発表会にて出品,2021年2月16日にジェックス株式会社のウェブサイトに掲載,2020年11月30日~2021年1月29日の間にジェックス株式会社の各支店にて公開,2020年12月16日~2021年2月15日の間に商談にて公開,2021年2月16日~5月26日の間に各業者に卸した
(71)【出願人】
【識別番号】393022746
【氏名又は名称】ジェックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西野 和美
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA11
3E067AB01
3E067AB08
3E067AB16
3E067BA06B
3E067BA10B
3E067BA12C
3E067BB01B
3E067BB14C
3E067BB15C
3E067BB16C
3E067CA24
3E067EA06
3E067EC32
3E067FA04
3E067FC01
3E067FC03
3E067FC04
3E067GD07
(57)【要約】
【課題】包装袋のシール不良を抑えることができる包装用補助台紙を提供する。
【解決手段】包装用補助台紙4は、包装袋2に包装物3を収容するための包装用補助台紙4であって、基部41と、基部41の両端縁から延出すると共に基部41に対し起立するように折り曲げられる第1起立部42及び第2起立部43と、を備え、第1起立部42は、包装袋2の中に気体を充填するための充填ノズル5との接触を避ける回避部422を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装袋に包装物を収容するための包装用補助台紙であって、
基部と、前記基部の両端縁から延出すると共に前記基部に対し起立するように折り曲げられる第1起立部及び第2起立部と、を備え、
前記第1起立部は、前記包装袋の中に気体を充填するための充填ノズルとの接触を避ける回避部を備える、包装用補助台紙。
【請求項2】
前記第1起立部及び前記第2起立部は、前記包装袋への収容方向に沿って配置され、
前記第1起立部及び前記第2起立部は、前記収容方向の前端縁から後方に向かって傾斜する傾斜部を備える、請求項1に記載の包装用補助台紙。
【請求項3】
前記第1起立部及び前記第2起立部は、前記包装袋への収容方向に沿って配置され、
前記基部は、前記第1起立部及び前記第2起立部の前記収容方向の前端縁よりも延出する延出部を備える、請求項1又は2に記載の包装用補助台紙。
【請求項4】
前記第1起立部及び前記第2起立部は、前記包装袋への収容方向に沿って配置され、
前記基部の前記収容方向の後方に配置され折り曲げ可能な折曲可能部を備える、請求項1~3の何れか1項に記載の包装用補助台紙。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装物を包装袋に収容するための包装用補助台紙に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基部と、基部の両端縁から延出すると共に基部に対し起立するように折り曲げられる起立部と、を備える、包装用補助台紙が知られている(例えば、特許文献1)。ところで、包装袋の中に気体を充填する工程(以下、充填工程という)において充填ノズルを包装袋から引き抜く際、充填ノズルが起立部に引っ掛かることによって包装用補助台紙及び包装袋がノズル引き抜き方向に引っ張られることがあった。これにより、充填ノズル引き抜き後において包装袋のシール位置が安定せず、包装袋のシール不良が生じた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第2596270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明の目的は、包装袋のシール不良を抑えることができる包装用補助台紙を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
包装用補助台紙は、包装袋に包装物を収容するための包装用補助台紙であって、基部と、前記基部の両端縁から延出すると共に前記基部に対し起立するように折り曲げられる第1起立部及び第2起立部と、を備え、前記第1起立部は、前記包装袋の中に気体を充填するための充填ノズルとの接触を避ける回避部を備える。
【0006】
斯かる構成によれば、起立部に回避部を設けることにより、包装袋の中に挿入した充填ノズルを引き抜く際、ノズルが起立部と接触して包装用補助台紙及び包装袋が充填ノズルの引き抜き方向に引っ張られることを防止することができる。これにより、充填ノズル引き抜き後において包装袋のシール位置が安定し、包装袋のシール不良を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、一実施形態に係る包装体の斜視図である。
図2図2は、同実施形態に係る包装用補助台紙の斜視図である。
図3図3は、同実施形態に係る包装用補助台紙の展開図である。
図4図4は、同実施形態に係る包装体の充填工程を示す図である。
図5図5は、他の実施形態に係る包装用補助台紙の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態に係る包装用補助台紙について、図1図4を参照しながら説明する。なお、各図(図5も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0009】
図1は、包装袋2の中に包装物3及び包装用補助台紙4が収容された包装体1を示す斜視図であり、図2は、包装用補助台紙4を示す斜視図である。図1及び図2に示すように、本実施形態に係る包装体1は、包装袋2と、包装袋2に収容される包装物3と、包装袋2に収容されると共に包装物3を載置する包装用補助台紙4と、を備える。
【0010】
本実施形態において、包装体1は、さらに乾燥剤(不図示)を備えているが、斯かる構成に限られない。乾燥剤は、包装袋2に収容されると共に包装用補助台紙4を挟んで包装物3と反対側(下側)に配置されている。包装用補助台紙4を包装袋2に収容することにより、乾燥剤が包装物に接触し難くすることができる。
【0011】
包装袋2は、合成樹脂フィルムによって形成され、端部がシールされている。本実施形態に係る包装袋2は、シール機による熱溶着によってシールされているが、これに限られない。合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムなどを用いることができるが、これに限られない。
【0012】
包装物3は、動物用飼料である。本実施形態に係る包装物3は、小動物(うさぎやハムスターなど)用飼料(例えば、ブロッコリーの葉)である。なお、包装物3は、動物用飼料に限られず、例えば、人が食する菓子、海苔などの食品であってもよい。
【0013】
図3は、包装用補助台紙4の展開図である。図2及び図3に示すように、包装用補助台紙4は、断裁された板紙を折り曲げることによって形成されている。包装用補助台紙4(板紙)としては、例えば、コートボール紙を用いることができるが、これに限られない。本実施形態に係る包装用補助台紙4(板紙)の紙の目は、左右方向(折り曲げた場合は上下方向)に流れているが、これに限られない。
【0014】
包装用補助台紙4は、包装物3が載置される基部41と、基部41の両側縁から延出すると共に基部41に対し上方向(包装物3(図1参照)の載置側)に起立するように折り曲げられる第1起立部42及び第2起立部43と、折り曲げ可能な折曲可能部44と、を備える。第1起立部42及び第2起立部43を設けることにより、包装物3に上方から外力が加わることを抑えることができる。これにより、例えば、包装物3が割れることを防止することができる。
【0015】
基部41は、第1起立部42及び第2起立部43の前端縁よりも前方向に延出する延出部411を備える。本実施形態に係る基部41は、略長方形状に形成されているが、斯かる形状に限られない。そして、延出部411の両側縁は、前方向に向かって幅狭に形成されている。これにより、作業者は、延出部411の両側縁に沿わせて包装用補助台紙4を包装袋2に容易に収容することができる。
【0016】
第1起立部42は、第1起立部42の前端縁から後方に向かって傾斜する第1傾斜部421と、後述する充填ノズル5との接触を避ける回避部422と、を備える。本実施形態に係る第1起立部42は略長方形状であるが、斯かる形状に限られない。そして、本実施形態に係る第1傾斜部421は、第1起立部42の前端縁から後方に向かって円弧を描くように湾曲した形状である。
【0017】
本実施形態に係る回避部422は、第1起立部42の後端部を除去した形状であり、回避部422の後端縁は、前方に向かって傾斜している。回避部422を前方に向かって傾斜させることにより、第1起立部42の上下方向における強度を上げることができる。回避部422の後端縁は、充填ノズル5を挿入した際に回避部422と充填ノズル5とが干渉しない位置(基部41の後端縁よりも前側)に配置されている。
【0018】
第2起立部43は、第2起立部43の前端縁から後方に向かって傾斜する第2傾斜部431を備える。本実施形態に係る第2起立部43は、略長方形状であるが、斯かる形状に限られない。そして、本実施形態に係る第2傾斜部431は、第2起立部43の前端縁から後方に向かって円弧を描くように湾曲した形状(第1傾斜部421と同一形状)である。
【0019】
本実施形態においては、第1起立部42が基部41の右側に配置され、第2起立部43が基部41の左側に配置されている、という構成である。しかしながら、斯かる構成に限られず、例えば、第1起立部42が基部41の左側に配置され、第2起立部43が右側に配置されている、という構成であってもよい。
【0020】
本実施形態において、第1起立部42及び第2起立部43における紙の目は、上下方向に流れている。これにより、第1起立部42及び第2起立部43は、上下方向からの外力によって折り曲がり難くすることができる。
【0021】
折曲可能部44は、基部41の後方に配置されている。折曲可能部44は、後述する充填工程前に、上方向又は下方向を向くように折り曲げ可能である。本実施形態に係る折曲可能部44は、略長方形状であるが、斯かる形状に限られない。
【0022】
図3に示すように、包装用補助台紙4には、基部41と第1起立部42との間に第1折曲線L1と、基部41と第2起立部43との間に第2折曲線L2と、基部41と折曲可能部44との間に第3折曲線L3と、が設けられている。
【0023】
本実施形態において、第1折曲線L1は、基部41の右側縁に設けられ、第2折曲線L2は、基部41の左側縁に設けられている。なお、例えば、第1折曲線L1は、基部41の左側縁に設けられ、第2折曲線L2は、基部41の右側縁に設けられていてもよい。本実施形態に係る第3折曲線L3は、基部41の後端縁に設けられている。
【0024】
図4は、包装物3を省いた包装体1の充填工程を示す図である。図4に示すように、充填工程は、包装袋2の前部及び両側部を閉じ、包装袋2の中に包装物3及び包装用補助台紙4を収容した状態で進められる。本実施形態において、包装袋2の中に充填される気体は窒素であるが、これに限られない。
【0025】
本実施形態に係る包装体1の充填工程においては、包装体1が裏向けられた状態(包装体1の下面が上を向いた状態)で包装袋2の中に気体が充填される。充填工程の後に包装体1(包装袋2)の裏面(下面)に賞味期限などの印字をするためである。なお、充填工程においては、例えば、包装体1の上面が上を向いた状態で包装袋2の中に気体を充填してもよい。
【0026】
充填工程においては、後方から気体充填機(例えば、シール栄登(株)製SEV190)の充填ノズル5を包装袋2の中に挿入し、包装袋2の中に気体を充填する。そして、気体充填後、充填ノズル5を包装袋2から引き抜いて包装袋2の後部をシールする。
【0027】
以上より、本実施形態において、包装用補助台紙4は、包装袋2に包装物3を収容するための包装用補助台紙4であって、基部41と、基部41の両端縁から延出すると共に基部41に対し起立するように折り曲げられる第1起立部42及び第2起立部43と、を備え、第1起立部42は、包装袋2の中に気体を充填するための充填ノズル5との接触を避ける回避部422を備える、という構成が好ましい。
【0028】
斯かる構成によれば、第1起立部42に回避部422を設けることにより、包装袋2の中に挿入した充填ノズル5を引き抜く際、充填ノズル5が第1起立部と接触して包装用補助台紙4及び包装袋2が充填ノズル5の引き抜き方向(後方向)に引っ張られることを防止することができる。これにより、充填ノズル5の引き抜き後において包装袋2のシール位置が安定し、包装袋2のシール不良を抑えることができる。
【0029】
また、第1起立部42に回避部422を設けることにより、包装体1に手を添えて包装袋2の中に気体を充填し、充填後に包装体1から手を離した際に、充填ノズル5が第1起立部42と接触して包装体1の位置がずれることを防止することができる。これにより、包装体1の位置ずれによる包装袋2のシール不良を抑えることが出来る。
【0030】
また、本実施形態に係る包装用補助台紙4において、第1起立部42及び第2起立部43は、包装袋2への収容方向(前方向)に沿って配置され、第1起立部42及び第2起立部43は、収容方向の前端縁から後方に向かって傾斜する傾斜部(第1傾斜部421及び第2傾斜部431)を備える、という構成が好ましい。
【0031】
斯かる構成によれば、第1起立部42及び第2起立部43に傾斜部(第1傾斜部421及び第2傾斜部431)を設けることにより、包装用補助台紙4を傾斜部(第1傾斜部421及び第2傾斜部431)に沿わせて包装袋2に収容することができる。これにより、作業者は、包装用補助台紙4を包装袋2に容易に収容することができる。
【0032】
また、本実施形態に係る包装用補助台紙4は、第1起立部42及び第2起立部43は、包装袋2への収容方向(前方向)に沿って配置され、基部41は、第1起立部42及び第2起立部43の収容方向(前方向)の前端縁よりも延出する延出部411を備える、という構成が好ましい。
【0033】
斯かる構成によれば、基部41に延出部411を設けることによって、包装用補助台紙4を包装袋2の前側まで差し込むことができる。これにより、包装袋2の中で包装物3が包装用補助台紙4の裏側に回り込むことを抑えることができる。
【0034】
また、本実施形態に係る包装用補助台紙4は、第1起立部42及び第2起立部43は、包装袋2への収容方向(前方向)に沿って配置され、基部41の収容方向と反対側(後方)に配置され折り曲げ可能な折曲可能部44を備える、という構成が好ましい。
【0035】
斯かる構成によれば、折曲可能部44を折り曲げることによって、作業者は、包装袋2に包装用補助台紙4を収容する際に折曲可能部44を押して収容することができる。これにより、作業者は、包装用補助台紙4を包装袋2に容易に収容することができる。そして、例えば、充填ノズル5を包装袋2に挿入する際、折り曲げられた折曲可能部44を伸ばすことにより、充填ノズル5が折曲可能部44に干渉することを避けることができる。
【0036】
なお、包装用補助台紙4は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、包装用補助台紙4は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0037】
(1)本実施形態に係る包装用補助台紙4は、第1起立部42が充填ノズル5との接触を避ける回避部422を備える、という構成である。しかしながら、包装用補助台紙4は、斯かる構成に限られない。例えば、包装用補助台紙4は、第2起立部43が回避部422を備える、という構成であってもよい。また、例えば、包装用補助台紙4は、第1起立部42及び第2起立部43がそれぞれ回避部422を備える、という構成であってもよい。
【0038】
(2)本実施形態に係る第1起立部42及び第2起立部43は、包装袋2への収容方向(前方向)に沿って配置されている、という構成である。しかしながら、第1起立部42及び第2起立部43は、斯かる構成に限られない。例えば、図5に示すように、第1起立部42及び第2起立部43は、収容方向と交わる方向(左右方向)に沿って配置されている、という構成であってもよい。
【0039】
(3)本実施形態に係る回避部422は、第1起立部42の後端部を除去した形状であり、回避部422の後端縁は、前方に向かって傾斜している、という構成である。しかしながら、回避部422は、斯かる構成に限られない。例えば、図5に示すように、回避部422は、第1起立部42の端部の一部が長方形状に除去された形状である、という構成であってもよい。
【0040】
(4)本実施形態に係る第1傾斜部421(第2傾斜部431)は、第1起立部42の前端縁から後方に向かって円弧を描くように湾曲した形状である。しかしながら、第1傾斜部421(第2傾斜部431)は、斯かる形状に限られない。例えば、第1傾斜部421(第2傾斜部431)は、第1起立部42(第2起立部43)の前端縁から後方に向かって直線状に傾斜する形状であってもよい。
【0041】
(5)本実施形態に係る第1傾斜部421及び第2傾斜部431は、同一形状である、という構成である。しかしながら、第1傾斜部421及び第2傾斜部431は、斯かる構成に限られない。例えば、第1傾斜部421及び第2傾斜部431は、異なる形状である、という構成であってもよい。
【符号の説明】
【0042】
1…包装体、2…包装袋、3…包装物、4…包装用補助台紙、41…基部、411…延出部、42…第1起立部、421…第1傾斜部、422…回避部、43…第2起立部、431…第2傾斜部、44…折曲可能部、5…充填ノズル、L1…第1折曲線、L2…第2折曲線、L3…第3折曲線
図1
図2
図3
図4
図5