(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182157
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】印刷処理プログラム及び印刷処理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20221201BHJP
G06T 11/60 20060101ALI20221201BHJP
H04N 1/393 20060101ALI20221201BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20221201BHJP
B41J 3/36 20060101ALI20221201BHJP
B41J 3/46 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
G06F3/12 354
G06F3/12 304
G06F3/12 351
G06F3/12 378
G06T11/60 100A
H04N1/393
B41J29/00 T
B41J3/36 T
B41J3/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089541
(22)【出願日】2021-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水谷 愛子
【テーマコード(参考)】
2C055
2C061
5B050
5C076
【Fターム(参考)】
2C055CC05
2C055GG00
2C055GG01
2C055GG11
2C061AP01
2C061AP10
2C061AS06
2C061AS08
2C061CQ05
2C061CQ23
5B050AA09
5B050BA06
5B050BA11
5B050BA12
5B050BA13
5B050BA18
5B050BA20
5B050CA07
5B050DA04
5B050EA19
5B050FA02
5B050FA03
5B050FA05
5C076AA21
5C076AA22
5C076CB04
(57)【要約】
【課題】背景画像の種別に応じて背景画像データのサイズの変倍の有無を自動的に切り替え、印刷作業を効率化する。
【解決手段】操作端末10の制御回路102は、S20で、印字ラベルLの地模様となる背景画像の選択を受け付け、受け付けられた背景画像が、所定の図像パターンが繰り返されるパターン画像であるか、パターン画像以外の写真画像であるか、をS30で判定し、パターン画像であると判定された場合には、S50,S70,S95において、当該パターン画像に対応するパターン画像PTにおける図像パターンのサイズを長尺の被印字テープ203の幅に係わらず変倍調整せず、S30で背景画像が写真画像であると判定された場合には、当該写真画像に対応する写真画像Phのサイズを長尺の被印字テープ203の幅に合わせて変倍調整し、パターン画像PT又は写真画像Phを含む印刷データをS105でラベル作成装置20へ出力する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の印刷媒体に印刷して印刷物を作成する印刷装置に接続される端末装置であって、制御部と、操作部と、を有する端末装置の前記制御部に対し、
前記操作部を介し、前記印刷物の地模様となる背景画像の選択を受け付ける選択受付ステップと、
前記選択受付ステップで選択が受け付けられた前記背景画像が、所定の図像パターンが繰り返されるパターン画像であるか、前記パターン画像以外の非パターン画像であるか、を判定する画像判定ステップと、
前記画像判定ステップで前記背景画像が前記パターン画像であると判定された場合には、当該パターン画像に対応する第1背景画像データにおける前記図像パターンのサイズを前記長尺の印刷媒体の幅に係わらず変倍調整せず、前記画像判定ステップで前記背景画像が前記非パターン画像であると判定された場合には、当該非パターン画像に対応する第2背景画像データのサイズを前記長尺の印刷媒体の幅に合わせて変倍調整する画像調整ステップと、
前記第1背景画像データ又は前記第2背景画像データを含む印刷データを前記印刷装置へ出力するデータ出力ステップと、
を実行させるための、印刷処理プログラム。
【請求項2】
前記画像判定ステップで前記背景画像が前記非パターン画像であると判定された場合に、前記画像調整ステップでは、
前記変倍調整された第2背景画像データが前記印刷媒体の長尺方向に沿って複数回繰り返され、その繰り返し回数は前記長尺の印刷媒体の幅に合わせて可変に設定される、請求項1記載の印刷処理プログラム。
【請求項3】
前記画像判定ステップで前記背景画像が前記非パターン画像であると判定された場合に、前記画像調整ステップでは、
前記第2背景画像データの上下方向が前記印刷媒体の幅方向に一致し、前記第2背景画像データの上下方向寸法が前記印刷媒体の幅方向寸法に合わせて変倍調整される、請求項2記載の印刷処理プログラム。
【請求項4】
長尺の印刷媒体に印刷して印刷物を作成する印刷装置に接続される端末装置が実行する印刷処理方法であって、
前記印刷物の地模様となる背景画像の選択を受け付ける選択受付ステップと、
前記選択受付ステップで選択が受け付けられた前記背景画像が、所定の図像パターンが繰り返されるパターン画像であるか、前記パターン画像以外の非パターン画像であるか、を判定する画像判定ステップと、
前記画像判定ステップで前記背景画像が前記パターン画像であると判定された場合には、当該パターン画像に対応する第1背景画像データにおける前記図像パターンのサイズを前記長尺の印刷媒体の幅に係わらず変倍調整せず、前記画像判定ステップで前記背景画像が前記非パターン画像であると判定された場合には、当該非パターン画像に対応する第2背景画像データのサイズを前記長尺の印刷媒体の幅に合わせて変倍調整する画像調整ステップと、
前記第1背景画像データ又は前記第2背景画像データを含む印刷データを前記印刷装置へ出力するデータ出力ステップと、
を有する、印刷処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷処理プログラム及び印刷処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、背景画像の画像データを配置した背景データと文字等の入力データとを合わせた印刷データに基づき、テープ印刷装置によりラベルテープに印刷を行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、印刷媒体に印刷する背景画像データのサイズを適宜に伸縮させることができるが、そのためには、ユーザの手動操作による変倍の設定が必要であった。そのため、ユーザは、背景画像データごとにサイズを変倍するのかしないのかを手動で設定しなければならず、効率的な印刷作業の実現のためにはさらなる改良の余地があった。
【0005】
本発明は、前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは、背景画像の種別に応じて背景画像データのサイズの変倍の有無を自動的に切り替え、印刷作業を効率化することを可能とする印刷処理プログラム及び印刷処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明は、長尺の印刷媒体に印刷して印刷物を作成する印刷装置に接続される端末装置であって、制御部と、操作部と、を有する端末装置の前記制御部に対し、前記操作部を介し、前記印刷物の地模様となる背景画像の選択を受け付ける選択受付ステップと、前記選択受付ステップで選択が受け付けられた前記背景画像が、所定の図像パターンが繰り返されるパターン画像であるか、前記パターン画像以外の非パターン画像であるか、を判定する画像判定ステップと、前記画像判定ステップで前記背景画像が前記パターン画像であると判定された場合には、当該パターン画像に対応する第1背景画像データにおける前記図像パターンのサイズを前記長尺の印刷媒体の幅に係わらず変倍調整せず、前記画像判定ステップで前記背景画像が前記非パターン画像であると判定された場合には、当該非パターン画像に対応する第2背景画像データのサイズを前記長尺の印刷媒体の幅に合わせて変倍調整する画像調整ステップと、前記第1背景画像データ又は前記第2背景画像データを含む印刷データを前記印刷装置へ出力するデータ出力ステップと、を実行させる。
【0007】
本願発明の印刷処理プログラムが端末装置の制御部で実行されると、選択受付ステップと、画像判定ステップと、画像調整ステップと、データ出力ステップと、が行われる。
操作部を介しユーザが背景画像を選択すると、その選択結果が選択受付ステップで受け付けられる。選択された背景画像の種別、すなわち図像パターンが繰り返されるパターン画像であるか非パターン画像であるかが画像判定ステップで判定される。
パターン画像であると判定された場合は、当該パターン画像に対応する第1背景画像データにおける図像パターンのサイズは画像調整ステップにおいて特に変倍調整されない。その一方、非パターン画像であると判定された場合は、当該非パターン画像に対応する第2背景画像データのサイズは画像調整ステップにおいて印刷媒体の幅に合わせて変倍調整される。
サイズが変倍調整されなかった第1背景画像データ、若しくは、サイズが変倍調整された第2背景画像データは、データ出力ステップにおいて印刷装置へと出力される。印刷装置は、データ出力ステップで出力された背景画像データに係る印刷を実行する。
本願発明によれば、選択された背景画像の種別に応じて、対応する背景画像データのサイズの変倍の有無が自動的に切り替えられるため、印刷作業を効率化することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、背景画像の種別に応じて背景画像データのサイズの変倍の有無を自動的に切り替え、印刷作業を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る操作端末の外観を表す正面図、右側面図、及び、操作端末の機能的構成を表す機能ブロック図である。
【
図2】ラベル作成装置の機能的構成を表す機能ブロック図である。
【
図3】パターン画像データに基づき生成される印字ラベルの外観の例を表す説明図である。
【
図4】写真画像データに基づき生成される印字ラベルの外観の例を表す説明図である。
【
図5】操作端末において表示される画像一覧画面の例を表す説明図である。
【
図6】操作端末において表示されるテープ幅選択画面の例を表す説明図である。
【
図7】操作端末において表示されるテープ幅選択画面の他の例を表す説明図である。
【
図8】本発明の一実施形態の印刷処理プログラムに基づき操作端末の制御回路により実行される制御手順を表すフローチャートである。
【
図9】パターン画像が透過領域と非透過領域とにより構成される変形例における、操作端末において表示される画像一覧画面及びパターン色設定画面の例を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0011】
<操作端末>
本実施形態に係る印刷処理プログラムを実行する操作端末10を
図1(a)~(c)に示す。
操作端末10は、ラベル作成装置20に接続される。「接続」は、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等のインタフェースを介した無線接続、及び、USBケーブル等を介した有線接続、の両方を含む。
操作端末10は、被印字テープ(後述)に所望の画像を形成するための印刷データを生成し、ラベル作成装置20に出力する。ラベル作成装置20は、操作端末10から取得した印刷データに対応した画像を被印字テープに対して形成し、印字ラベル(後述)を形成する。操作端末10が端末装置の一例であり、ラベル作成装置20が印刷装置の一例である。
【0012】
図1(a)及び
図1(b)に示すように、操作端末10は、タッチパネル112と、ユーザが適宜の操作を可能な操作ボタン110と、対象物を撮影可能なカメラ111と、を備える。操作端末10は、図示ではスマートフォンの例であるが、タブレット型コンピュータ等、ラベル作成装置20と接続可能な他の情報端末でもよい。
タッチパネル112は、各種情報を表示するとともに、ユーザが各種操作を実行可能である。タッチパネル112の操作機能部分と操作ボタン110とを総称し、以下適宜「操作部110等」と称する。操作部110等が操作部の一例である。
カメラ111は、レンズ111Aを備えており、ユーザが、操作ボタン110等を操作することで起動し、対象物を撮影する。
【0013】
図1(c)に示すように、操作端末10は、操作ボタン110、カメラ111、及びタッチパネル112に加え、制御回路102と、メモリ106と、通信制御部108と、を有する。
【0014】
制御回路102は、ROM102A、RAM102B、及びCPU102Cを備えている。制御回路102は、CPU102Cの演算機能により、RAM102Bの一時記憶機能を利用しつつ、ROM102Aに記憶された各種プログラムを実行する。各種プログラムには、後述する
図8のフローを実行するための本実施形態の印刷処理プログラムが含まれる。制御回路102が制御部の一例である。
【0015】
通信制御部108は、ラベル作成装置20との間で行われる情報通信の制御を行う。制御回路102は、通信制御部108を介し、ラベル作成装置20と各種情報やデータの送受が可能である。
メモリ106は例えばEEPROM等の不揮発性メモリであり、パターン画像記憶部106Aと、写真画像記憶部106Bと、を有する。パターン画像記憶部106Aには、所定の絵柄や図像やシンボル等(以下適宜、単に「図像パターン」と称する)を規則的に繰り返す、予め用意されたパターン画像が複数種類記憶されている。写真画像記憶部106Bには、例えばカメラ111が撮像した写真画像が記憶されている。写真画像記憶部106Bには、カメラ111で撮像した写真画像以外に、操作端末10の外部から無線通信等を介し適宜に取得された写真画像も併せて記憶されている。写真画像が非パターン画像の一例である。
【0016】
<ラベル作成装置>
図2に示すように、ラベル作成装置20は、カートリッジホルダ216と、搬送装置209と、印字ヘッド205と、カッタ207と、表示部212と、操作部210と、通信制御部208と、制御回路202と、メモリ206と、を有する。
【0017】
カートリッジホルダ216は、被印字テープ203を供給可能なカートリッジ201を着脱可能に構成されている。被印字テープ203が長尺の印刷媒体の一例である。
搬送装置209は、カートリッジ201のテープロール204から繰り出される被印字テープ203を搬送する。印字ヘッド205は、搬送装置209により搬送される被印字テープ203に対し所望の画像を形成する。
カッタ207は、ユーザがカットレバー213を操作することで駆動される。カッタ207は、印字ヘッド205により印刷が終了した被印字テープ203を切断し、印字ラベルを生成する。印字ラベルが印刷物の一例である。
操作部210では、ユーザが各種操作を実行可能である。表示部212は、各種情報や各種メッセージを表示する。
【0018】
制御回路202は、ROM202A、RAM202B、及びCPU202Cを備えている。制御回路202は、CPU202Cの演算機能により、RAM202Bの一時記憶機能を利用しつつ、ROM202Aに記憶された各種プログラムを実行する。制御回路202は、搬送装置209及び印字ヘッド205を含むラベル作成装置20全体の制御を行う。
通信制御部208は、操作端末10との間で行われる情報通信の制御を行う。制御回路202は、通信制御部208を介し、操作端末10と各種情報やデータの送受が可能である。
メモリ206は例えばEEPROM等の不揮発性メモリであり、各種情報を記憶可能である。
【0019】
<印字ラベルの作成>
上記構成の本実施形態では、操作端末10からラベル作成装置20へ送信される印刷データが、印字ラベルの地模様となる背景画像を形成するための背景画像データを含む。ラベル作成装置20は、送信された背景画像データに基づく印刷を被印字テープ203に対して実行し、印字ラベルを作成する。印刷データに含ませる背景画像データは、ユーザの所望する内容を適宜に選択することができる。本実施形態では、背景画像データの種類として、前述の図像パターンが繰り返される上記パターン画像と、上記写真画像との2種類のうちいずれかを、適宜に選択して用いることができる。
【0020】
<パターン画像による印字ラベルの例>
上記パターン画像を用いて生成された印字ラベルの例を
図3(a)~(c)に示す。
図3(a)~(c)において、この例の印字ラベルL1,L2,L3には、上記地模様としての背景画像BG1,BG2,BG3(以下適宜、「背景画像BG1等」と総称する)が印刷されるとともに、その上に「ABCD」の文字列Tが印刷されている。印字ラベルL1,L2,L3の大きさは互いに異なり、印字ラベルL3が最も大きく、印字ラベルL1が最も小さく、印字ラベルL2がその中間の大きさとなっている。各印字ラベルL1~L3のサイズの詳細については後述する。
【0021】
背景画像BG1,BG2,BG3では、いずれも、複数の「雲」の形状を備えた図像パターンの間に、小さな「星」の形状を備えた図像パターンが配置されている。本実施形態では、互いに大きさの異なるこれら印字ラベルL1,L2,L3において、背景画像BG1,BG2,BG3の各図像パターン、この例では「雲」「星」の大きさやそれらの間隔を含む配置態様が、互いに異なることなく同一である。
【0022】
<写真画像による印字ラベルの例>
上記写真画像を用いて生成された印字ラベルの例を
図4(a)~(c)に示す。
図4(a)~(c)において、この例の印字ラベルL4,L5,L6には、上記地模様としての背景画像BG4,BG5,BG6(以下適宜、「背景画像BG4等」と総称する)が印刷されるとともに、その上に前述と同様の「ABCD」の文字列Tが印刷されている。印字ラベルL4,L5,L6の大きさは互いに異なり、印字ラベルL6が最も大きく、印字ラベルL4が最も小さく、印字ラベルL5がその中間の大きさとなっている。各印字ラベルL4~L6のサイズの詳細については後述する。
【0023】
背景画像BG4,BG5,BG6では、いずれも、同一内容の「犬」の写真画像が複数回繰り返して配置されている。本実施形態の別の特徴は、互いに大きさの異なるこれら印字ラベルL4,L5,L6において、背景画像BG4,BG5,BG6を構成する写真画像、この例では「犬」の写真画像の大きさや繰り返し回数が互いに異なっていることである。なお、以下適宜、印字ラベルL1~L3,L4~L6等を単に「印字ラベルL」と総称する。
【0024】
本実施形態の要部は、上記のようにパターン画像又は写真画像を用いて印字ラベルを作成するときの画像データの処理手法にある。以下、その詳細を
図5~
図8により説明する。
【0025】
<画像一覧画面>
ユーザが操作端末10の操作部110等を操作することで、前述の本実施形態の印刷処理プログラムに基づき、タッチパネル112に適宜の画像一覧画面112Aが表示される(
図5(a)及び
図5(b)参照)。画像一覧画面112Aには、パターン画像選択ボタン112aと、写真画像選択ボタン112bと、色選択ボタン112cと、が設けられている。パターン画像選択ボタン112aは、上記背景画像としてパターン画像を選択するためのボタンであり、写真画像選択ボタン112bは、上記背景画像として写真画像を選択するためのボタンである。色選択ボタン112cについては後述する。
【0026】
図5(a)には、パターン画像選択ボタン112aが選択された後の画像一覧画面112Aを示す。図示のように、上記ボタン112a~cの下部に、パターン画像記憶部106Aに記憶されているすべてのパターン画像のサムネイルPtが一覧表示される。ユーザは、一覧表示された複数のサムネイルPtの中から、印字ラベルLにおいて背景画像として印刷したいもの1つを操作部110等の操作により適宜に選択することができる。選択したサムネイルPtに対応するパターン画像は、画像一覧画面112Aの上部に設けた画像表示欄112fに表示される(
図5(a)では図示省略)。
【0027】
図5(b)には、写真画像選択ボタン112bが選択された後の画像一覧画面112Aを示す。図示のように、上記ボタン112a~cの下部に、写真画像記憶部106Bに記憶されているすべての写真画像のサムネイルPhが一覧表示される。各写真画像の縦横比はバラバラである場合であっても、画像一覧画面112Aにおいては、各写真画像を略正方形状にトリミングしたサムネイルPhが一覧表示される。ユーザは、一覧表示された複数のサムネイルPhの中から、印字ラベルLにおいて背景画像として印刷したいもの1つを操作部110等の操作により適宜に選択することができる。選択したサムネイルPhに対応する写真画像は、画像一覧画面112Aの上部に設けた画像表示欄112fに表示される(
図5(b)では図示省略)。
【0028】
<テープ幅選択画面>
図5(a)又は
図5(b)の画像一覧画面112Aにおいてユーザが1つのパターン画像又は写真画像を選択すると、タッチパネル112に、被印字テープ203の幅を選択するためのテープ幅選択画面112Bが表示される。
【0029】
図5(a)の画像一覧画面112AにおいてサムネイルPtが選択された場合に表示されるテープ幅選択画面112Bを
図6(a)~(c)に示す。
図6(a)~(c)に示すように、テープ幅選択画面112Bでは、下部にテープ幅選択欄112dが設けられるとともに、上部に背景画像プレビュー欄112eが設けられる。テープ幅選択欄112dには、選択可能な被印字テープ203のテープ幅が複数種類表示される。この例では、「9mm」「12mm」「19mm」「25mm」「50mm」の5種類のテープ幅が選択可能である。
【0030】
図6(a)は、操作部110等の操作によりテープ幅選択欄112dのテープ幅「9mm」がチェックされた状態を表している。この場合、図示のように、背景画像プレビュー欄112eにおいて、前述の選択されたサムネイルPtに対応した1つのパターン画像PT1が、テープ幅が当該9mmである印字ラベルLの背景画像のプレビューとして表示される。
同様に、
図6(b)及び
図6(c)は、テープ幅選択欄112dのテープ幅「19mm」「50mm」がチェックされた状態をそれぞれ表している。背景画像プレビュー欄112eには、前述の選択されたサムネイルPtに対応したパターン画像PT2,PT3が、テープ幅が当該「19mm」「50mm」である印字ラベルLの背景画像のプレビューとしてそれぞれ表示される。なお、プレビューされたパターン画像PT1,PT2,PT3が、第1背景画像データの一例である。以下適宜、パターン画像PT1,PT2,PT3等を単に「パターン画像PT」と総称する。
【0031】
図6(a)~(c)に示すように、パターン画像PT1,PT2,PT3では、いずれも、複数の「雲」の形状を備えた図像パターンの間に、小さな「星」の形状を備えた図像パターンが配置されている。前述のテープ幅設定の違いに対応して互いに大きさの異なるこれらパターン画像PT1,PT2,PT3において、上記図像パターンすなわち「雲」「星」の大きさやそれらの間隔を含む配置態様は、互いに異なることなく同一となっている。「雲」「星」の1つの図像パターンの大きさは、被印字テープ203のテープ幅の設定に応じて変倍されることはなく常に一定である。
【0032】
図5(b)の画像一覧画面112AにおいてサムネイルPhが選択された場合に表示されるテープ幅選択画面112Bを
図7(a)~(c)に示す。
図7(a)~(c)において、
図6と同様、テープ幅選択画面112Bは、テープ幅選択欄112d及び背景画像プレビュー欄112eを含む。テープ幅選択欄112dでは「9mm」「12mm」「19mm」「25mm」「50mm」のテープ幅が選択可能である。
【0033】
図7(a)は、操作部110等の操作によりテープ幅選択欄112dのテープ幅「9mm」がチェックされた状態を表している。背景画像プレビュー欄112eでは、上記サムネイルPhに対応した1つの写真画像Ph1をテープ長さ方向に5回繰り返した写真画像体PH1が、テープ幅が当該9mmである印字ラベルLの背景画像のプレビューとして表示される。
【0034】
同様に、
図6(b)及び
図6(c)は、テープ幅選択欄112dのテープ幅「19mm」「50mm」がチェックされた状態をそれぞれ表している。背景画像プレビュー欄112eには、写真画像体PH2,PH3が、テープ幅が当該「19mm」「50mm」である印字ラベルLの背景画像のプレビューとしてそれぞれ表示される。
【0035】
写真画像体PH2では、テープ幅が写真画像Ph1に係わる前述の9mmよりも大きいことに対応し、上記サムネイルPhに対応する1つの写真画像Ph2が上記写真画像Ph1よりも拡大変倍されている。また、写真画像Ph2のテープ長さ方向への繰り返し回数が3回に減少している。
写真画像体PH3では、テープ幅がさらに大きいことに対応し、上記サムネイルPhに対応する1つの写真画像Ph3がさらに拡大変倍され、写真画像Ph3のテープ長さ方向への繰り返し回数がさらに2回に減少している。
【0036】
上述のように、テープ幅設定の違いに対応して互いに大きさの異なる画像体PH1,PH2,PH3において、上記写真画像Ph1,Ph2,Ph3の上下方向は、被印字テープ203のテープ幅方向に一致する。上記写真画像Ph1,Ph2,Ph3の大きさ、特に上下方向寸法は、被印字テープ203のテープ幅の設定に応じて変倍される(後述のS70,S95参照)。上記写真画像Ph1,Ph2,Ph3が被印字テープ203の長さ方向に沿って複数回繰り返されるときの繰り返し回数は、被印字テープ203のテープ幅の設定に合わせて可変に設定される(後述のS70,S95参照)
【0037】
なお、プレビューされた写真画像体PH1,PH2,PH3における上記写真画像Ph1,Ph2,Ph3が、第2背景画像データの一例である。以下適宜、写真画像Ph1,Ph2,Ph3等を単に「写真画像Ph」と総称し、写真画像体PH1,PH2,PH3等を単に「写真画像体PH」と総称する。
【0038】
<生成される印字ラベルの外観>
図3(a)~(c)に戻り、印字ラベルL1,L2,L3は、
図6(a)~(c)に示したテープ幅選択画面112Bでの設定及び表示に対応してそれぞれ印刷された場合の例である。
印字ラベルL1,L2,L3には、
図6(a)、
図6(b)、
図6(c)のパターン画像PT1,PT2,PT3にそれぞれ対応した背景画像BG1,BG2,BG3が地模様としてそれぞれ印刷される。印字ラベルL1,L2,L3の幅W1,W2,W3は、
図6(a)~(c)のテープ幅選択画面112Bでのテープ幅の設定に基づき、W1<W2<W3、具体的にはW1=9[mm]、W2=19[mm]、W3=50[mm]である。印字ラベルL1,L2,L3の長さM1,M2,M3は、例えば、文字列「ABC」の印刷に必要な印字長及び幅W1,W2,W3に対応した適宜の長さとなっており、M1<M2<M3である。
【0039】
図4(a)~(c)に戻り、印字ラベルL4,L5,L6は、
図7(a)~(c)に示したテープ幅選択画面112Bでの設定及び表示に対応してそれぞれ印刷された場合の例である。
印字ラベルL4,L5,L6には、
図7(a)、
図7(b)、
図7(c)の写真画像体PH1,PH2,PH3にそれぞれ対応した背景画像BG4,BG5,BG6が地模様としてそれぞれ印刷される。前述と同様、印字ラベルL4,L5,L6の幅W1,W2,W3は、
図7(a)~(c)のテープ幅選択画面112Bでのテープ幅の設定に基づきW1=9[mm]、W2=19[mm]、W3=50[mm]である。印字ラベルL4,L5,L6の長さM1,M2,M3は、文字列「ABC」の印字長及び幅W1,W2,W3に対応した適宜の長さであり、M1<M2<M3である。
【0040】
<制御手順>
以上説明した手法を実現するために、本実施形態の印刷処理プログラムに基づき操作端末10の制御回路102により実行される制御手順を、
図8のフローチャートにより説明する。このフローチャートが行われることにより、本実施形態の印刷処理方法が実行される。
【0041】
S10で、印字ラベルLを作成する際の背景画像の選択を受け付けるための画面を表示し、S20で、操作部110等の操作を介した当該ユーザの選択が受け付けられる。具体的には、例えばタッチパネル112においてデフォルトで
図5(a)又は
図5(b)の画像一覧画面112Aが表示され、パターン画像選択ボタン112a又は写真画像選択ボタン112bのいずれかの選択が受け付けられる。あるいは、パターン画像選択ボタン112a又は写真画像選択ボタン112bを備えた、画像一覧画面112A以外の適宜の画面を表示し、その画面において上記ボタン112a又は112bの選択を受け付けてもよい。S20が選択受付ステップの一例である。
【0042】
S30で、S20で選択されたものがパターン画像であるか否かが判定される。具体的には、パターン画像選択ボタン112aが選択されたか否かが判定される。S30が選択受付ステップの一例である。なお、パターン画像選択ボタン112a、写真画像選択ボタン112bのいずれが選択されたかにより判定を行うのではなく、別の手法でもよい。例えば、操作端末10に記憶されているパターン画像及び写真画像すべてのサムネイルPt,Phを表示し、ユーザにより選択された1つのサムネイルを、適宜の画像解析によりパターン画像であるか写真画像であるかを判定してもよい。
【0043】
パターン画像選択ボタン112aが選択されていればS30がYes判定され、パターン画像記憶部106Aに記憶されたすべてのパターン画像のサムネイルPtがS35で画像一覧画面112Aにおいて一覧表示される(
図5(a)参照)。
【0044】
S40で、ユーザによる操作部110等の操作を介し、S35で一覧表示したものの中の1つのパターン画像の選択が受け付けられる。S45では、S40におけるパターン画像の選択に応じて、タッチパネル112にテープ幅選択画面112B(
図6参照)が表示され、テープ幅選択欄112dでの被印字テープ203の幅の選択が受け付けられる。
【0045】
S50では、S40での選択に対応した1つのパターン画像PTが、図像パターンのサイズが変倍されることなく、S45でのテープ幅選択に対応した大きさにてテープ幅選択画面112B(
図6参照)において表示される。その後、後述のS80に移行する。
【0046】
S30でパターン画像選択ボタン112aではなく写真画像選択ボタン112bが選択されていればNo判定され、写真画像記憶部106Bに記憶されたすべての写真画像のサムネイルPhがS55で画像一覧画面112Aにおいて一覧表示される(
図5(b)参照)。
【0047】
S60で、ユーザによる操作部110等の操作を介し、S55で一覧表示したものの中の1つの写真画像の選択が受け付けられる。S65では、S60における写真画像の選択に応じて、タッチパネル112にテープ幅選択画面112B(
図7参照)が表示され、テープ幅選択欄112dでの被印字テープ203の幅の選択が受け付けられる。
【0048】
S70では、S60での選択に対応した写真画像Phが、S65でのテープ幅選択に対応した大きさに拡大又は縮小変倍されかつ繰り返して配置された写真画像体PHが、テープ幅選択画面112B(
図7参照)において表示される。その後、S80に移行する。
【0049】
S80では、S30での判定結果に基づき、ユーザによりパターン画像及び写真画像のいずれが選択されているかを表す画像選択情報が、例えばメモリ106に登録され記憶される。S85では、前述の被印字テープ203に対するテープ幅設定の変更操作があったか否かが判定される。具体的には、前述の
図5又は
図6において「9mm」「12mm」「19mm」「25mm」「50mm」のいずれかが選択されて対応するプレビューが実行されている状態で、別のテープ幅が新たに選択されたか否かが判定される。
【0050】
別のテープ幅が選択されていない場合はS85がNo判定され、後述のS100へ移行する。別のテープ幅が選択された場合はS85がYes判定され、S95で、S80で登録された画像選択情報に応じた再設定処理が行われる。
【0051】
画像選択情報が「パターン画像の選択」であった場合は、S40での選択に対応した1つのパターン画像PTが、S85での新たなテープ幅選択に対応した大きさに変更されてテープ幅選択画面112B(
図6参照)において表示される。その際、前述のように、図像パターンのサイズが変倍されることはない。
画像選択情報が「写真画像の選択」であった場合は、新たな写真画像体PHが、テープ幅選択画面112B(
図7参照)において表示される。この写真画像体PHでは、S60での選択に対応した写真画像Phが、S85での新たなテープ幅選択に対応した大きさに変倍され、かつ、必要に応じて繰り返し回数が変更して配置されている。S95と、前述のS70及びS50が、画像調整ステップの一例である。
【0052】
S100では、背景画像の選択の変更操作があったか否かが判定される。S20で「パターン画像」が選択されてS30→S35→・・→S50→S80→・・S100で処理された状態で、適宜の操作で
図5の画像一覧画面112Aに戻って写真画像選択ボタン112bが選択された場合はYes判定される。S20で「写真画像」が選択されてS30→S55→・・→S70→S80→・・S100で処理された状態で、適宜の操作で
図5の画像一覧画面112Aに戻ってパターン画像選択ボタン112aが選択された場合もYes判定される。
【0053】
上記のようにYes判定された場合はS10に戻る。上記以外の場合はNo判定され、S105で、S10~S100による処理を終了したすべての画像データを含む印刷データがラベル作成装置へと出力される。S105がデータ出力ステップの一例である。
【0054】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態においては、操作部110等を介しユーザが背景画像を選択すると、その選択結果がS20で受け付けられる。選択された背景画像の種別、すなわち図像パターンが繰り返されるパターン画像であるか写真画像であるかが、S30で判定される。
【0055】
パターン画像が選択されたと判定された場合は、対応するパターン画像PTにおける図像パターンのサイズはS50,S70,S95において特に変倍調整されない。その一方、写真画像が選択されたと判定された場合は、対応する写真画像PhのサイズはS50,S70,S95において被印字テープ203の幅に合わせて変倍調整される。
【0056】
サイズの変倍調整が行われなかったパターン画像PT、若しくは、サイズが変倍調整された写真画像Phを含む印刷データは、S105においてラベル作成装置20へと出力される。ラベル作成装置20は、S105で出力された印刷データに係る印刷を実行する。
本実施形態によれば、選択された背景画像の種別に応じて、対応するデータのサイズの変倍の有無が自動的に切り替えられるため、印刷作業を効率化することができる。
【0057】
また、本実施形態では特に、背景画像が写真画像である場合、S50,S70,S95において、変倍調整された写真画像Phが被印字テープ203の長尺方向に複数回繰り返される。そのときの繰り返し回数は、被印字テープ203の幅に合わせて可変に設定される(
図7及び
図4参照)。
本実施形態によれば、背景画像が写真画像であって変倍調整される際、変倍後の写真画像Phが自動的に繰り返され、かつその繰り返し回数も被印字テープ203の幅に合わせて自動的に決定される。本実施形態によれば、ユーザの選択した背景画像を繰り返し用いて印字ラベルL4,L5,L6の地模様を適切に形成することができる。
【0058】
また、本実施形態では特に、背景画像が写真画像である場合、S50,S70,S95において、写真画像Phの上下方向を被印字テープ203の幅方向に一致させつつ、写真画像Phの上下方向寸法は被印字テープ203の幅方向寸法に合わせるように変倍が行われる(
図7、
図4参照)。本実施形態によれば、ユーザの選択した背景画像を被印字テープ203の幅方向寸法に合わせて変倍させて、印字ラベルLの地模様を適切に形成することができる。
【0059】
<変形例>
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0060】
(1)パターン画像が透過領域と非透過領域とにより構成される場合
本変形例において操作端末10のタッチパネル112において表示される上記画像一覧画面112Aの一例を
図9(a)に示す。
図5(a)を用いて上述したように、上記ボタン112a~cの下部に、パターン画像のサムネイルが一覧表示される。本変形例では、パターン画像と、透過領域と非透過領域とに分かれた特定パターン画像と、そのような区分のない、言い替えればすべてが非透過領域である通常のパターン画像と、が予め選択可能に用意される。図示の例では、特定パターン画像にそれぞれ対応した複数のサムネイルPt′と、上記実施形態と同様の通常のパターン画像に対応した複数のサムネイルPtと、が混在して一覧表示されている。サムネイルPt′,Ptを以下適宜、単に「特定サムネイルPt′」「通常サムネイルPt」と称する。
【0061】
図9(a)は、操作部110等の操作を介しユーザにより1つの特定サムネイルPt′が選択された状態(「レ」印参照)を示している。特定サムネイルPt′に対応する上記特定パターン画像は、前述のように透過領域と非透過領域とを備える。透過領域については、色選択ボタン112cの操作を契機とした色選択(後述)によりユーザの所望の色とすることができる。
上記のようにサムネイルが一覧表示される際、特定サムネイルPt′については、デフォルト色パターン画像Pt0′と変更色パターン画像Pt1′と、が斜め方向の対角線SLを挟んで左上部及び右下部に表示される。上記透過領域がデフォルトの色設定となっている状態を表すのがデフォルト色パターン画像Pt0′であり、上記透過領域の色設定がデフォルトのもの以外に適宜に変更された状態を表すのが変更色パターン画像Pt1′である。
【0062】
図9(a)において、画像表示欄112fには、上述の選択された特定サムネイルPt′に対応したデフォルト色パターン画像Pt0′が表示されている。デフォルト色パターン画像Pt0′には、「花」の形状を備えた大小複数種類の図像パターンaと、「葉」の形状を備えた複数種類の図像パターンbと、が備えられている。図像パターンaの花の形状の内部領域が、上記非透過領域となっている。図像パターンbの内部領域、すなわち当該葉の形状の葉脈以外の部分は、上記透過領域となっている。またデフォルト色パターン画像Pt0′のうち、上記図像パターンa,b以外の下地領域cも、上記透過領域となっている。
【0063】
デフォルト色パターン画像Pt0′は、後述の変更色パターン画像Pt1′共々、詳細な説明は省略するが、データ上、複数の層すなわちレイヤーの積層構造となっている。
上記非透過領域では、複数のレイヤーのうち最上層において所定の色設定が定義されており、その結果、最上層よりも下側の層においてどのような色設定がなされていてもその設定は外観上は反映されず最上層の色設定が視認される。
上記透過領域では、複数のレイヤーのうち最上層において色設定が定義されておらず、その結果、最上層よりも下側の層における色設定がそのまま外観上反映されて視認される。本変形例では、この性質を利用して、色選択ボタン112cの操作を介し、図像パターンbの内部領域及び下地領域cの色をユーザの所望の色に変更することができる。
【0064】
図9(a)において、上述の「レ」印で示したように1つの特定サムネイルPt′のうち変更色パターン画像Pt1を選択した後、タッチパネル112には
図9(b)に示すパターン色設定画面112Cが表示される。
【0065】
図示のように、このパターン色設定画面112Cの下部には、上記透過領域の色を設定するための色パレット112gが設けられている。図示の例では、色パレット112gに表示されている多数の色区分のうち、操作部110等を介した適宜の操作により、1つの色区分CLが選択されている。これに対応して、画像表示欄112fには、図像パターンbの内部領域及び下地領域cの色が、色区分CLの色に変更された後の変更色パターン画像Pt1′が表示されている。
【0066】
なお、
図9(a)において、通常サムネイルPtが選択された場合は、タッチパネル112には上記パターン色設定画面112Cは表示されないか、あるいは、表示されるが色選択ボタン112cによる上記色選択はできなくなっている(図示省略)。
【0067】
本変形例によれば、パターン画像として特定パターン画像を用いることで、その一部の領域すなわち透過領域の色をユーザの所望の色に変えることができる。したがって、さらに利便性を向上することができる。
【0068】
(2)その他
以上においては、背景画像として写真画像が選択された場合、その写真画像に対し変倍処理等を行って生成した印刷データをラベル作成装置20へ送信したが、これに限られない。すなわち、上記写真画像に対し、コントラスト変更、色合い変更、マスキング、二値化等の適宜の処理を施した処理後画像を用いて上記同様の処理を行い、印刷データを生成してもよい。
【0069】
なお、以上において、
図1(c)、
図2等に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0070】
また、
図8に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0071】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0072】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0073】
10 操作端末(端末装置の一例)
20 ラベル作成装置(印刷装置の一例)
102 制御回路(制御部の一例)
110 操作ボタン(操作部の一例)
112 タッチパネル(操作部の一例)
203 被印字テープ(印刷媒体の一例)
L 印字ラベル(印刷物の一例)
Ph1~3 写真画像(第2背景画像データの一例)
PT1~3 パターン画像(第1背景画像データの一例)