(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182458
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】食品用粉末状日持ち向上剤
(51)【国際特許分類】
A23L 3/3508 20060101AFI20221201BHJP
A23L 13/60 20160101ALN20221201BHJP
A23L 19/12 20160101ALN20221201BHJP
【FI】
A23L3/3508
A23L13/60 Z
A23L19/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021090027
(22)【出願日】2021-05-28
(71)【出願人】
【識別番号】516089979
【氏名又は名称】株式会社ウエノフードテクノ
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100138911
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻井 陽子
(72)【発明者】
【氏名】加藤 紘平
(72)【発明者】
【氏名】藤原 宏子
【テーマコード(参考)】
4B016
4B021
4B042
【Fターム(参考)】
4B016LC06
4B016LG06
4B016LK01
4B016LK04
4B016LK05
4B016LK20
4B021LA41
4B021MC01
4B021MK02
4B021MK20
4B021MK21
4B021MP01
4B042AD20
4B042AG07
4B042AH01
4B042AK04
4B042AK05
4B042AP02
(57)【要約】
【課題】食品成分の影響による抗菌力の低下が少なく、酵母および乳酸菌に対し、優れた日持ち向上効果を有する食品用粉末状日持ち向上剤を提供する。
【解決手段】酢酸ナトリウム100重量部に対し、有機酸および/またはその酸性塩類を0.2~25重量部、分子量400未満のキレート剤を2~100重量部およびグリセリン脂肪酸エステルを2~20重量部を含有する、ここで、該有機酸および/またはその酸性塩類はグルコン酸ではなく、該グリセリン脂肪酸エステルは、構成脂肪酸の炭素数が10~12である、食品用粉末状日持ち向上剤を提供する。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酢酸ナトリウム100重量部に対し、有機酸および/またはその酸性塩類を0.2~25重量部、分子量400未満のキレート剤を2~100重量部およびグリセリン脂肪酸エステルを2~20重量部を含有する、ここで、該有機酸および/またはその酸性塩類はグルコン酸ではなく、該グリセリン脂肪酸エステルは、構成脂肪酸の炭素数が10~12である、食品用粉末状日持ち向上剤。
【請求項2】
有機酸および/またはその酸性塩類が酢酸、フマル酸、クエン酸、グルタミン酸、リンゴ酸、乳酸、コハク酸、アジピン酸、フィチン酸、並びにこれらのナトリウム塩、カリウム塩およびカルシウム塩からなる群から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の食品用粉末状日持ち向上剤。
【請求項3】
キレート剤がグルコン酸、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム、グルコノデルタラクトン、ピロリン酸二水素二ナトリウム、クエン酸三ナトリウムからなる群から選ばれる1種以上である、請求項1または2に記載の食品用粉末状日持ち向上剤。
【請求項4】
グリセリン脂肪酸エステルが、モノグリセリン脂肪酸エステルおよび/またはジグリセリン脂肪酸エステルである、請求項1~3のいずれか一項に記載の食品用粉末状日持ち向上剤。
【請求項5】
1重量%水溶液を調製した際のpHが4.5~6.8である、請求項1~4のいずれか一項に記載の食品用粉末状日持ち向上剤。
【請求項6】
酵母および乳酸菌の増殖抑制に用いられる、請求項1~5のいずれか一項に記載の食品用粉末状日持ち向上剤。
【請求項7】
酵母がSaccharomyces cerevisiae、Candida albicans、Pichia anomala、Pichia farinosaからなる群から選ばれる1種以上である、請求項6に記載の食品用粉末状日持ち向上剤。
【請求項8】
乳酸菌がLactobacillus brevis、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus plantarum、Leuconostoc mesenteroidesからなる群から選ばれる1種以上である、請求項6に記載の食品用粉末状日持ち向上剤。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の食品用粉末状日持ち向上剤を食品に添加することを特徴とする食品の日持ち向上方法。
【請求項10】
食品用粉末状日持ち向上剤を食品全量に対して0.3~3重量%添加することを特徴とする請求項9に記載の日持ち向上方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酵母および乳酸菌の増殖を抑制し、優れた静菌効果を発揮する食品用粉末状日持ち向上剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、中食の需要が高まっており、スーパー等で購入した惣菜を家庭で喫食する機会が増えている。惣菜類を各店舗で製造する場合、数多くの原料を用い、多種多様な惣菜類を製造するため、必然的に二次汚染のリスクが高まり、腐敗や食中毒の発生が増加している。
【0003】
腐敗の原因となる菌は多く存在するが、その中でも酵母や乳酸菌は増殖を抑制することが難しい菌として知られている。酵母や乳酸菌は、低pH域においても増殖しやすく、食品の保存性を高める酢酸等の成分が効きにくいことが、要因と考えられている。
【0004】
したがって、酵母や乳酸菌の増殖を抑制し、食品の保存性を高める日持ち向上剤が求められている。
【0005】
上記のような背景から、これらの問題を解決しようとする提案がこれまでにもなされている。
【0006】
特許文献1および2には、グリシンに酢酸ナトリウムやグルコン酸ナトリウムを組み合わせた食品防腐剤が記載されている。しかしながら、グリシンは耐熱性菌に対しては有効であるものの、酵母や乳酸菌の増殖抑制効果は十分とは言えないものであった。
【0007】
特許文献3には、キレート剤、界面活性剤、有機酸および有機酸の塩を組み合わせた食品用殺菌剤が提案されている。しかしながら、これらの成分は多岐にわたるため、組み合わせによっては、酵母や乳酸菌の増殖抑制効果が不十分であった。また、この殺菌剤は、食品に付着させた後、急速凍結させる必要があり、冷凍変性が生じやすい食品には不向きであった。
【0008】
特許文献4には、グリセリン脂肪酸エステルとカルコン酸を含む食品用日持向上剤が提案されている。しかしながら、グリセリン脂肪酸エステルは、in vitroでの試験では高い抗菌力を発揮するが、澱粉や蛋白質などの食品成分存在下では大幅に抗菌力が低下し、充分な効果を得ることが困難なものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開昭57-206371号公報
【特許文献2】特開2000-201660号公報
【特許文献3】特開2003-70451号公報
【特許文献4】特開2019-140974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、食品成分の影響による抗菌力の低下が少なく、酵母および乳酸菌に対し増殖抑制効果を有し、優れた日持ち向上効果を有する食品用粉末状日持ち向上剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、酢酸ナトリウムに、特定の有機酸および/またはその酸性塩類、特定のキレート剤および特定の乳化剤を特定の割合で配合することにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。
【0012】
すなわち、本発明は、酢酸ナトリウム100重量部に対し、有機酸および/またはその酸性塩類を0.2~25重量部、分子量400未満のキレート剤を2~100重量部およびグリセリン脂肪酸エステルを2~20重量部を含有する、ここで、該有機酸および/またはその酸性塩類はグルコン酸ではなく、該グリセリン脂肪酸エステルは、構成脂肪酸の炭素数が10~12である、食品用粉末状日持ち向上剤を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の食品用粉末状日持ち向上剤は、食品成分の存在下であっても酵母および乳酸菌の増殖を抑制し得ることから、畜肉製品、水産練り製品、各種惣菜類等に幅広く使用される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の食品用粉末状日持ち向上剤における酢酸ナトリウムは、食品に対して使用可能なものであれば特に限定されず、例えば食品添加物として市販されるものであってもよく、酢酸ナトリウム三水和物の脱水等、公知の方法により製造したものであってもよい。また、酢酸ナトリウムとしては、無水酢酸ナトリウムを用いるのが好ましい。
【0015】
本発明の食品用粉末状日持ち向上剤における酢酸ナトリウムの含有量は、日持ち向上剤全重量に対し、40~90重量%であることが好ましく、45~88重量%であることがより好ましく、50~85重量%であることがさらに好ましい。
【0016】
本発明の食品用粉末状日持ち向上剤における有機酸および/またはその酸性塩類は、食品に対して使用可能なものであればよい(ただし、グルコン酸を除く)。具体的には、酢酸、フマル酸、クエン酸、グルタミン酸、リンゴ酸、乳酸、コハク酸、アジピン酸、フィチン酸、コハク酸一ナトリウム、フマル酸一ナトリウム、クエン酸一カリウム等が挙げられる。その中でも、日持ち向上効果に優れる点で酢酸が好ましい。尚、本発明において酸性塩類とは、水溶液にした際に酸性を呈するものを指す。
【0017】
本発明の食品用粉末状日持ち向上剤における有機酸および/またはその酸性塩類の割合は、酢酸ナトリウム100重量部に対し、0.2~25重量部であり、0.3~20重量部が好ましく、0.4~18重量部がより好ましく、0.5~17.5重量部がさらに好ましい。有機酸および/またはその酸性塩類の割合が酢酸ナトリウム100重量部に対し0.2重量部未満である場合、pHが高くなり静菌効果が得られにくい傾向があり、酢酸ナトリウム100重量部に対し25重量部を超える場合、酸味が強く、食品本来の風味が損なわれる傾向がある。
【0018】
本発明の食品用粉末状日持ち向上剤は、分子量が400未満であるキレート剤を含有する。キレート剤の分子量は、350未満であるものが好ましく、170~300であるものがより好ましい。キレート剤の分子量が400以上の場合、静菌効果が不十分となる傾向がある。
【0019】
使用するキレート剤の種類は、食品に添加可能なものであれば特に限定されず、グルコン酸(分子量=196.16)、グルコン酸ナトリウム(分子量=218.14)、グルコン酸カリウム(分子量=234.25)、グルコノデルタラクトン(分子量=178.14)、ピロリン酸二水素二ナトリウム(分子量=221.94)、クエン酸三ナトリウム(分子量=258.07)等が挙げられる。これらキレート剤の中でも、食品の味質に与える影響が少ない点で、有機酸またはその塩であるキレート剤が好ましく、より具体的には、グルコン酸ナトリウム、グルコノデルタラクトンがより好ましく、グルコン酸ナトリウムがさらに好ましい。
【0020】
本発明の食品用粉末状日持ち向上剤におけるキレート剤の割合は、酢酸ナトリウム100重量部に対し、2~100重量部であり、3~70重量部がより好ましく、3.5~60重量部がさらに好ましい。酢酸ナトリウムに対するキレート剤の割合が上記範囲外となる場合、静菌効果が不十分となる傾向がある。
【0021】
本発明の食品用粉末状日持ち向上剤は、さらにグリセリン脂肪酸エステルを含有する。グリセリン脂肪酸エステルは、構成脂肪酸が炭素数10~12の飽和の直鎖または分岐鎖の脂肪酸であればいずれも使用可能であるが、食品の風味に対する影響が少ない点で、モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。より具体的には、モノグリセリンカプリン酸エステル、モノグリセリンラウリン酸エステル、ジグリセリンラウリン酸エステルが好ましく、モノグリセリンラウリン酸エステル、ジグリセリンラウリン酸エステルがより好ましく、モノグリセリンラウリン酸エステルがさらに好ましい。
【0022】
本発明の食品用粉末状日持ち向上剤におけるグリセリン脂肪酸エステルの割合は、酢酸ナトリウム100重量部に対し、2~20重量部であり、2.5~18重量部が好ましく、3~17重量部がより好ましく、3.5~16重量部がさらに好ましい。グリセリン脂肪酸エステルの割合が酢酸ナトリウム100重量部に対し2重量部未満である場合、静菌効果が不十分となる傾向があり、酢酸ナトリウム100重量部に対し20重量部を超える場合、エグ味が強く食品本来の風味が損なわれる傾向がある。
【0023】
本発明の食品用粉末日持ち向上剤は、各原料を撹拌、混練、加熱等の工程を経て粉末化することで得られる。その製造方法は特に限定されず、全ての原料を同時に加えて撹拌、混練し粉末を得てもよく、各原料を順次加えて撹拌、混練し粉末を得てもよい。
【0024】
本発明の食品用粉末状日持ち向上剤は、水に溶解させた水溶液の形態としても利用可能である。水溶液とした際のpHは、4.5~6.8が好ましく、4.8~6.3がより好ましく、5.1~5.8がさらに好ましい。pHが4.5未満の場合、酸味が強く食品本来の風味が損なわれる傾向があり、pHが6.8を超えると静菌効果が不十分となる傾向がある。尚、pHはいずれも1重量%水溶液におけるpHである。
【0025】
本発明の食品用粉末状日持ち向上剤を食品に添加する際の添加方法は特に限定されず、混合、浸漬、噴霧のいずれの方法であってもよいが、作業性の点で食品の原材料と共に混合する方法が好ましい。
【0026】
本発明の食品用粉末状日持ち向上剤の添加量は、対象食品に応じて適宜決定すればよいが、一般的には、食品全重量に対する割合が0.3~3重量%となるように添加するのが好ましく、0.5~2重量%がより好ましく、0.6~1.5重量%がさらに好ましい。本発明の食品用粉末状日持ち向上剤の割合が、食品全量に対し0.3重量%未満である場合、静菌効果が不十分となる傾向があり、3重量%を超える場合、酸味やエグ味が強く食品本来の風味が損なわれる傾向がある。
【0027】
本発明の食品用粉末状日持ち向上剤によれば、一般細菌のみならず、酵母および乳酸菌の増殖を抑制し、優れた日持ち向上効果が得られる。
【0028】
本発明の食品用粉末状日持ち向上剤によって増殖抑制し得る酵母としては、Saccharomyces cerevisiae、Candida albicans、Pichia anomala、Pichia farinosa等が挙げられるが、特にSaccharomyces cerevisiaeを効果的に増殖抑制し得る。
【0029】
また、本発明の粉末状食品用日持ち向上剤によって増殖抑制し得る乳酸菌としては、Lactobacillus brevis、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus plantarum、Leuconostoc mesenteroides等が挙げられるが、特にLactobacillus brevisを効果的に増殖抑制し得る。
【0030】
本発明の食品用粉末状日持ち向上剤には、別途グリシン、チアミンラウリル硫酸塩、ショ糖脂肪酸エステル、卵白リゾチーム、カンゾウ油性抽出物、プロタミン、その他の静菌物質等の他の成分を1種類以上組み合わせて使用してもよい。
【0031】
本発明の食品用粉末状日持ち向上剤が使用可能な食品は特に制限されず、例えば、かまぼこ、ちくわ、はんぺん、魚肉ハム、ソーセージ等の水産練り製品類、ハム、ソーセージ、ベーコン、ハンバーグ、ミンチボール等の畜肉製品類、コロッケ、トンカツ、フライドチキン、魚フライ、唐揚げ等のフライ製品類、チャーハン、炊き込み御飯等の米飯類、中華麺、パスタ、うどん、そば等の麺類、ポテトサラダ、餃子、シュウマイ、卵焼き、煮物、和え物等の惣菜類、カレーパンや中華饅頭等の詰め物、サンドイッチの具材等のフィリング類、カスタードクリーム、ホイップクリーム、フラワーペースト等のクリーム類、カステラ、スポンジケーキ、饅頭、餡等の菓子類、ジャム等の果実加工品類などが挙げられる。
【0032】
本発明の食品用粉末状日持ち向上剤は、上記食品の中でも、酵母や乳酸菌の増殖が問題になることが多い、畜肉製品類、惣菜類の日持ち向上に特に適する。
【0033】
以下、実施例および比較例を示して本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例0034】
以下の実施例および比較例においては、下記の材料を使用した。
・酢酸ナトリウム(無水)(三菱ケミカル株式会社製)
・酢酸(日和合精株式会社製)
・フマル酸(株式会社日本触媒製)
・グルコン酸ナトリウム(扶桑化学工業株式会社製)
・グルコノデルタラクトン(扶桑化学工業株式会社製)
・テトラポリリン酸ナトリウム(燐化学工業株式会社製)
・ヘキサメタリン酸ナトリウム(太平化学産業株式会社製)
・ピロリン酸二水素二ナトリウム(太平化学産業株式会社製)
・グリセリン脂肪酸エステル1(ポエム(登録商標)M-300,理研ビタミン株式会社製)
・グリセリン脂肪酸エステル2(ポエム(登録商標)M-100,理研ビタミン株式会社製)
・ショ糖脂肪酸エステル(リョートー(登録商標)シュガーエステルP-1670,三菱ケミカル株式会社製)
・デキストリン(クラスターデキストリン(登録商標),グリコ栄養食品株式会社製)
【0035】
ハンバーグの保存性試験
実施例1~8および比較例1~8
表1~2に示す組成の食品用粉末状日持ち向上剤を調製した。調製した各製剤を用いたハンバーグを製造し、得られたハンバーグについて、保存性試験を実施した。
【0036】
ハンバーグの製造
鶏胸ひき肉60gとハンバーグヘルパー(ハウス食品株式会社製)29gと水10gと各製剤1g(食品全量に対し1重量%)をフードプロセッサー(パナソニック株式会社製、MK-K48P)に入れ、1分間混合した。調製したタネを10gずつ成形し、スチームコンベクションオーブン(タニコー株式会社製、TSCO-4EB)で10分間スチーム加熱した後、約1時間放冷し、保存性試験に供した。
【0037】
製造したハンバーグを無菌袋に入れ、乳酸菌としてLactobacillus brevis NBRC3345を約10CFU/gになるよう接種し、15℃で保存した。同様に酵母としてSaccharomyces cerevisiae NBRC0205を約10CFU/gになるよう接種し、15℃で保存した。乳酸菌については5日間経過後、酵母については6日間経過後に標準寒天培地またはポテトデキストロース寒天培地を用いた平板混釈法により、生菌数を測定し、下記評価基準により効果を判定した。結果を表1~2に示す。
【0038】
[評価基準]
乳酸菌
〇:5日間経過後の生菌数が106(CFU/g)未満
×:5日間経過後の生菌数が106(CFU/g)以上
酵母
〇:6日間経過後の生菌数が106(CFU/g)未満
×:6日間経過後の生菌数が106(CFU/g)以上
【0039】
【0040】
【0041】
官能評価
実施例1および比較例9~11
市販のポテトフレーク(日本ガーリック株式会社製)23.0gに食塩0.5g、熱湯64.5gを加えてよくかき混ぜ、放冷した後、市販のマヨネーズ12.0gを加え、ポテトサラダを調製した。調製したポテトサラダ全量に対して表3に示す実施例1および比較例9~11の食品用粉末状日持ち向上剤を1.0重量%添加した。得られたポテトサラダをパネラー12名が食し、酸味およびエグ味について評価した。下記の基準で実施例1を評価対照とした評価結果を表3に示す。
【0042】
[酸味の評価基準]
○:実施例1より酸味が弱い
△:実施例1と同等の酸味
×:実施例1より酸味が強い
[エグ味の評価基準]
○:実施例1よりエグ味が弱い
△:実施例1と同等のエグ味
×:実施例1よりエグ味が強い
【0043】