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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184505
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】貯湯式給湯機
(51)【国際特許分類】
   F24H 15/00 20220101AFI20221206BHJP
【FI】
F24H1/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021092402
(22)【出願日】2021-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】米谷 博
(72)【発明者】
【氏名】平本 立一
(72)【発明者】
【氏名】阿久津 久枝
(72)【発明者】
【氏名】清村 一樹
(72)【発明者】
【氏名】谷津 純兵
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 祐介
(72)【発明者】
【氏名】上林 武英
【テーマコード(参考)】
3L122
【Fターム(参考)】
3L122AA02
3L122AA63
3L122AA64
3L122AA71
3L122AB22
3L122BA13
3L122DA13
3L122EA01
3L122EA09
3L122EA24
3L122FA02
3L122GA07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】比較的小さな補助電源から供給される直流電力により貯湯式給湯機からの給湯を行うことができるようにする。
【解決手段】本開示における貯湯式給湯機100は交流を直流に変換する変換回路と、変換回路で変換された直流電力を供給する直流回路と、一端が直流回路に接続され他端に直流電力を供給可能な補助電源に接続できる接続部を有する外部電源接続部14と、加熱手段102で加熱された水を貯留する貯湯タンク1から湯を取り出して流通させる出湯配管2と、水源からの水を流通させる給水配管20a、20bと、直流電力によって作動して給水配管の水と出湯配管の湯とを混合する混合弁3と、混合弁で混合した水の温度を検知する温度センサ4と、混合弁の水と湯との混合比を制御して給湯設定温度の水を給湯する給湯運転を実行する制御部8と、を備える。制御部は補助電源から供給される直流電力により混合弁を動作させ給湯運転を実行できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主電源から供給される交流電力を直流電力に変換する変換回路と、
前記交流電力を供給する交流回路と、
前記変換回路で変換された直流電力を供給する直流回路と、
一端が前記直流回路に接続され、他端に直流電力を供給可能な補助電源に接続できる接続部を有する外部電源接続部と、
水を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段により加熱された水を貯留する貯湯タンクと、
前記貯湯タンクに貯留された水を流通させる出湯配管と、
水源からの水を流通させる給水配管と、
前記直流回路に接続されて前記直流回路からの直流電力によって作動すると共に、前記給水配管と前記出湯配管とに接続されて、前記給水配管からの水と前記出湯配管からの水とを混合する混合弁と、
前記混合弁で混合した水の温度を検知する温度センサと、
前記温度センサの検知温度と給湯設定温度とに応じて、前記給水配管からの水と前記出湯配管からの水との前記混合弁における混合比を制御して、前記給湯設定温度の水を給湯する給湯運転を実行する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記主電源から交流電力の供給が無く、かつ、前記外部電源接続部に前記補助電源が接続されている場合、前記補助電源から供給される直流電力により前記混合弁を動作させ、前記給湯運転を実行できるように構成されている、
ことを特徴とする貯湯式給湯機。
【請求項2】
前記制御部は、
前記外部電源接続部に接続された前記補助電源からの直流電力を利用して前記給湯運転をする場合、
前記給湯設定温度に応じて前記混合弁の混合比を制御した後、前記温度センサによって検知される温度と前記給湯設定温度との差が基準値以内である間、前記混合弁への前記直流電力の供給を停止する、
ことを特徴とする請求項1に記載の貯湯式給湯機。
【請求項3】
前記制御部は、
前記外部電源接続部に接続された前記補助電源からの直流電力を利用して前記給湯運転をする場合、
前記給湯設定温度に応じて前記混合弁を制御した後、前記温度センサによって検知される温度と前記給湯設定温度との差が基準値以内である間、前記混合弁の混合比の制御を停止する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の貯湯式給湯機。
【請求項4】
前記補助電源として、携帯通信端末用のモバイルバッテリを使用可能であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の貯湯式給湯機。
【請求項5】
前記直流回路は、前記補助電源からの直流電圧を、前記直流回路を介して電力供給を受ける直流負荷が必要とする電圧に変換する変圧回路を備えることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の貯湯式給湯機。
【請求項6】
前記貯湯式給湯機は、前記貯湯タンクと、前記給水配管と、前記変換回路と、前記直流回路と、前記混合弁と、前記温度センサと、前記制御部とを内蔵する外郭ケースを、更に備え、
前記外部電源接続部は、
前記直流回路に接続される前記一端が、前記外郭ケースの内部に配置され、
前記接続部が、前記外郭ケースの外側に配置されている、
ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の貯湯式給湯機。
【請求項7】
前記直流回路に配線を介して接続されると共に、前記貯湯式給湯機が使用される宅内に設置され、前記給湯設定温度の設定の入力を受け付ける給湯温度設定手段を、更に備え、
前記接続部は、前記給湯温度設定手段に配置されると共に、前記直流回路に接続された前記配線に接続されている、
ことを特徴とする、請求項1から5の何れか1項に記載の貯湯式給湯機。
【請求項8】
前記外部電源接続部は、前記補助電源を、前記接続部に接続した状態で保持するための保持部を、更に備えることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の貯湯式給湯機。
【請求項9】
前記外部電源接続部は、前記接続部を照らすための照明手段を、更に備えることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の貯湯式給湯機。
【請求項10】
前記給湯設定温度の設定の入力を受け付ける給湯温度設定手段を、更に備え、
前記制御部は、前記外部電源接続部に接続された前記補助電源からの直流電力を利用して前記給湯運転を実行している間、前記給湯温度設定手段との通信周期を、前記主電源から供給される電力により前記給湯運転を実行している場合の通信周期に比べて長い周期とする、
ことを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の貯湯式給湯機。
【請求項11】
前記貯湯式給湯機の運転動作に関する情報を通知する通知手段を、更に備え、
前記制御部は、前記外部電源接続部に接続された前記補助電源からの直流電力を利用して前記給湯運転を実行している間、前記通知手段による前記情報の通知周期を、前記主電源から供給される電力により前記給湯運転を実行している場合の通知周期に比べて長い周期とする、
ことを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載の貯湯式給湯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、貯湯式給湯機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、災害発生時におけるライフラインの安定性の観点から、停電時等の非常時に、商用電源に代わる補助電源により作動できる給湯機が開発されている。例えば、特許文献1には、リモコンに、車のバッテリ等の補助電源を接続するための接続端子を備えるガス給湯機が記載されている。このガス給湯機は、停電等によって商用電源からの交流電力の供給が断たれた場合、補助電源を接続して直流電力を供給することで、給湯動作を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-050252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の給湯機では、供給される水をその都度加熱して給湯が行われる。このため給湯時には常に高い電力が必要となる。従って、特許文献1の給湯機を、補助電源からの電力供給によって安定して動作させるためには、大容量の補助電源が必要となる。また、ガス給湯機の場合、給湯時には、燃焼ガスを排気するためのファン用モータを動作させる必要がある。このモータは交流電源で動作する。従って、ガス給湯機を、直流電源である補助電源からの電力によって動作可能とするためには、直流を交流に変換するためのインバータを配置する必要がある。しかし、直流を交流に変換するインバータは高価であるため、これを配置すれば、ガス給湯機の製品価格の上昇が避けられない。また、直流から交流への変換時には電気的ノイズが発生する虞がある。従って、補助電源からの電力供給によってガス給湯機を動作させる場合、誤動作を起こす虞がある。
【0005】
本開示は、以上の課題を解決することを目的とし、インバータの内蔵の有無に関わらず、比較的小さな補助電源から供給される直流電力により給湯運転を行うことができるように改良された貯湯式給湯機を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示における貯湯式給湯機は、主電源から供給される交流電力を直流電力に変換する変換回路と、交流電力を供給する交流回路と、変換回路で変換された直流電力を供給する直流回路と、一端が直流回路に接続され、他端に直流電力を供給可能な補助電源に接続できる接続部を有する外部電源接続部と、水を加熱する加熱手段と、加熱手段により加熱された水を貯留する貯湯タンクと、貯湯タンクに貯留された水を流通させる出湯配管と、水源からの水を流通させる給水配管と、直流回路に接続されて直流回路からの直流電力によって作動すると共に、給水配管と出湯配管とに接続されて、給水配管からの水と出湯配管からの水とを混合する混合弁と、混合弁で混合した水の温度を検知する温度センサと、温度センサの検知温度と給湯設定温度とに応じて、給水配管からの水と出湯配管からの水との混合弁における混合比を制御して、給湯設定温度の水を給湯する給湯運転を実行する制御部と、を備える。制御部は、主電源から交流電力の供給が無く、かつ、外部電源接続部に補助電源が接続されている場合、補助電源から供給される直流電力により混合弁を動作させ、給湯運転を実行できるように構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示の貯湯式給湯機によれば、主電源からの電力供給ができない場合でも、補助電源からの直流電力を交流に変換することなく利用して、設定された水温の湯を安定的に給湯することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施の形態1に係る貯湯式給湯機の全体構成を示す模式図である。
図2】本開示の実施の形態1に係る貯湯式給湯機の制御基板の概略構成図である。
図3】本開示の実施の形態1に係る貯湯式給湯機の補助電源接続口の外観を示す模式図である。
図4】本開示の実施の形態1に係る貯湯式給湯機の補助電源接続口の概略構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。また以下の実施の形態では、「水」、「湯」、及び、「湯水」等の表現を用いるが、これらは水の温度を厳密に限定するものではなく、特に温度の限定がない場合、低温の水から、高温の湯まで、あらゆる温度の液体の水が含まれうるものとする。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る貯湯式給湯機の全体構成を示す模式図である。図1に示されるように、貯湯式給湯機100は、貯湯タンクユニット101と加熱手段102とリモコン103とを備えている。貯湯タンクユニット101と加熱手段102とは、配管104a、104b及び図示しない電気配線を介して接続されている。貯湯タンクユニット101の下部には、外部接続配管口を有するケコミ11が設けられている。
【0011】
加熱手段102は、例えば、ヒーター等によって水を加熱する加熱手段である。加熱手段102は、冷凍サイクルを利用して水を加熱するヒートポンプユニットであってもよい。
【0012】
リモコン103は、ユーザーインターフェースの例である。図示を省略するが、リモコン103には、表示部、操作部、スピーカ、マイク等が搭載されている。リモコン103は、表示部及び操作部の両方の機能を有するタッチスクリーンを備えてもよい。リモコン103の操作部は、貯湯式給湯機100の運転動作及び設定値に関する指令の操作入力を受け付ける入力手段であって、例えば給湯設定温度の入力を受け付ける給湯温度設定手段としての機能を有する。ユーザー等の人間は、操作部のスイッチ等を操作することで、貯湯式給湯機100を遠隔操作したり、各種の設定などを行ったりすることができる。表示部は、ユーザー等の人間に貯湯式給湯機100の運転状態等に関する情報を通知する通知手段としての機能を有する。リモコン103は、例えば台所、リビング、浴室などの壁に設置されたものでもよい。あるいは、例えばスマートフォンのような携帯情報端末を、リモコン103のようなユーザーインターフェースとしての機能を有するように構成してもよい。複数のリモコン103が複数個所に設置された構成としてもよい。
【0013】
貯湯タンクユニット101は、貯湯タンク1を備えている。貯湯タンク1には、外部の水源に接続された給水配管20aが接続され、給水配管20aを介して水が供給される。貯湯タンク1に供給された水は、配管104a等を介して加熱手段102に送水されて、加熱手段102により加熱される。加熱手段102により加熱された高温水は配管104b等を介して貯湯タンク1に送水されて貯湯される。
【0014】
貯湯タンクユニット101内には、湯水混合弁3が配置されている。湯水混合弁3には、貯湯タンク1の上部に接続された出湯配管2と、外部の水源に接続された給水配管20bとが接続されている。湯水混合弁3には、貯湯タンク1から取り出され出湯配管2を介して供給される高温のタンク水と、水源からの給水配管20bを介して供給される低温水とが供給される。湯水混合弁3は、供給されたタンク水と高温水とを混合し、設定された給湯設定温度に調整した湯を流出させる。
【0015】
湯水混合弁3で調温された湯は、給湯配管5を介して、シャワー、台所や洗面所の蛇口などの給湯端末へ供給されるか、あるいは、風呂給湯配管6を介して浴槽に供給される。給湯配管5の途中には、給湯配管5内を流れる湯の温度を検知する温度センサ4が取付けられている。風呂給湯配管6の途中には、風呂機能部品ユニット13が配置されている。風呂機能部品ユニット13は、風呂給湯の開始・停止及び保温などを行うための機能部品を含む。但し、風呂機能部品ユニット13に替えて、複数の機能部品が風呂給湯配管6の複数箇所に個別に配置されていても良い。
【0016】
貯湯タンクユニット101は、制御基板7を内蔵する。制御基板7は貯湯タンクユニット101内の漏電遮断器9に接続されている。漏電遮断器9には、外部接続電線10の一端が接続されている。外部接続電線10の他端側は、ケコミ11内を通して貯湯タンクユニット101の外部に配置され、商用電源等の主電源が供給される電線に接続される。
【0017】
図2は、制御基板の概略構成図である。図2に示されるように、制御基板7は、交流電源で作動する交流回路7aと、整流回路7bと、制御部8である直流回路とを備えている。整流回路7bは、主電源から供給される交流電力を直流電力に変換する変換回路として機能する。
【0018】
貯湯タンクユニット101には、交流電力で動作する交流負荷と、直流電力で動作する直流負荷とが内蔵されている。交流回路7aには、交流電力で動作する交流負荷が接続されており、交流負荷は、交流回路7aを介して交流電力の供給を受ける。また、交流電力は整流回路7bを介して直流電力に変換されて制御部8に供給される。制御部8である直流回路には、少なくとも、温度センサ4、湯水混合弁3、及び、リモコン103を含む直流負荷が接続されている。これら直流負荷は、制御部8の直流回路から直流電力の供給を受ける。
【0019】
制御部8は、メモリ及びプロセッサを有するマイクロコンピュータを備える。制御部8には、温度センサ4の他、貯湯式給湯機100が備える各種のセンサと、リモコン103と、加熱手段102と、湯水混合弁3等の各種弁類及びポンプ類等のアクチュエータとが、電気的に接続されている。制御部8は、各種のセンサ及びリモコン103からの入力情報に基づいて、加熱手段102の動作、ポンプ類等の動作、及び、弁類の流路方向あるいは切り替え位置等を制御することで、貯湯式給湯機100の動作を制御する。
【0020】
具体的に、例えば、制御部8は、貯湯式給湯機100の給湯運転の動作を制御する。給湯運転に際し、制御部8は、温度センサ4により給湯される湯水の温度を検知して、給湯される湯水の温度が、リモコン103で設定された給湯設定温度となるように、湯水混合弁3におけるタンク水と低温水との混合比を制御する。なお、貯湯式給湯機100において、給湯運転に必要な電気部品はすべて直流負荷である。従って、給湯運転は、直流電力のみによって実行することができる。
【0021】
図2に示されるように、制御部8には、コネクタ部8aと変圧回路8bとが設けられている。コネクタ部8aは、外部電源接続部の直流回路に接続する側の端部であって、制御部8の直流回路上に配置され、後述する補助電源接続口14の接続部14bに電気的に接続されている。変圧回路8bは、直流回路に供給される直流電力の電圧を、接続された直流負荷それぞれに適した電圧に変圧する。例えば、供給される直流電圧が12Vであって、湯水混合弁3のアクチュエータに要する電圧が12Vであれば、同一電圧であるので、変圧回路8bは変圧することなく直流電力を湯水混合弁3に供給する。一方、例えば、供給される直流電圧12Vに対し、温度センサ4が5Vで動作する場合、直流電圧は、変圧回路8bを経て5Vに変圧された後、温度センサ4に給電される。
【0022】
図1に示されるように、貯湯タンクユニット101は、補助電源接続口14を備えている。図3は、補助電源接続口14の外観を示す模式図である。補助電源接続口14は、制御部8の直流回路上のコネクタ部8aとともに、補助電源を接続するための外部電源接続部として機能する。図3に示されるように、補助電源接続口14は、貯湯タンクユニット101の外郭ケースの前面側に露出して配置されている。補助電源接続口14の配置位置は任意であるが、人の手の届く範囲であって、接続作業の比較的容易な箇所に設置されることが望ましい。
【0023】
図4は、補助電源接続口14の概略構成を示す斜視図である。本実施の形態では、補助電源としてモバイルバッテリを用いることを想定している。図4に示されるように、補助電源接続口14は、モバイルバッテリを保持する保持部14aを備える。使用者は、補助電源を保持部14aに配置することで、補助電源を手で保持しなくて済むようになる。
【0024】
補助電源接続口14は、更に、接続部14bと、接続部14bを収納する蓋部14eと、を有する。接続部14bは、モバイルバッテリとの接続可能なコネクタを備える。種々のモバイルバッテリが有する端子形状に対応するため複数のコネクタが配置されていてもよい。接続部14bは、上述したコネクタ部8aを介して、制御部8の直流回路に接続されている。
【0025】
補助電源接続口14は、照明部14cを有している。照明部14cは、例えば、LED光源等の光源を含み、照明手段として機能する。照明部14cは、少なくとも接続部14bの近傍を照明する。これにより夜間などでも、モバイルバッテリの接続部14bへの接続を容易に行うことができる。また、照明部14cは、接続部14bだけでなく保持部14aの近傍まで照明できるようにしてもよい。これにより、夜間などでも、モバイルバッテリの保持部14aへの装着作業が容易となる。照明部14cは、照明のON/OFFを制御するスイッチ部(図示せず)を有すると共に、透明樹脂等を材料とする照明板14dを有している。なお、照明部14cの電源は、制御基板7の直流回路から供給される直流電力とする。但し、補助電源接続口14に別に設置された電池等の電源から、照明部14cに電力を供給する構成としてもよい。照明ON/OFFのスイッチは、人の移動による温度変化を検知して作動する熱センサースイッチ等であってもよい。
【0026】
以上の構成により、貯湯式給湯機100では、モバイルバッテリを補助電源接続口14の接続部14bに接続することで、モバイルバッテリからの直流電力を、コネクタ部8aを介して、制御部8の直流回路に供給することができる。直流回路には、給湯運転に必要な、温度センサ4と湯水混合弁3とリモコン103と制御部8とが接続され、これら直流負荷には、変圧回路8bでそれぞれに適した電圧に変換された直流電力が供給される。これにより、停電時等、商用電力等からの電力供給が断たれている間も、モバイルバッテリによる直流電力のみで、給湯設定温度の湯を供給する給湯運転を実行することができる。
【0027】
なお、制御部8は、モバイルバッテリからの直流電力で給湯運転を行う場合、給湯設定温度に応じて湯水混合弁3の混合比を制御した後の所定期間、湯水混合弁3への直流電力の供給を停止するか、あるいは、湯水混合弁3の混合比の制御を停止するように構成されていてもよい。ここで所定期間は、例えば、湯水混合弁3の混合比の制御後、温度センサ4によって検知される検知温度である給湯温度と給湯設定温度との差が基準値以内である間とすることができる。これにより、モバイルバッテリの電力を利用する場合の給湯運転における消費電力をより低減することができ、少ない容量のモバイルバッテリの電力を有効活用することができる。
【0028】
また、本実施の形態では、補助電源として携帯通信端末用のモバイルバッテリを使用する場合について説明した。携帯通信端末用のモバイルバッテリであれば、携帯通信端末機器の使用者の多くが保有している。従って、災害時等に商用電力の電力供給が断たれた状況下で給湯運転を実行できる可能性を高くすることができ、貯湯式給湯機100の利便性を向上させることができる。また、据付型の蓄電装置よりもモバイルバッテリの方が安価であり、使用者の経済的メリットを向上させることができる。但し、補助電源は、モバイルバッテリに限られず、小型の充電式電池、あるいは専用のバッテリを用いる構成としてもよい。
【0029】
また、本実施の形態では、制御部8は、変圧回路8bにより、補助電源から供給される直流電力の電圧を直流負荷それぞれに応じた電圧に変換して供給することができる。従って、電圧に関わらず補助電源を接続することができる。これにより停電時に使用できる補助電源の選択肢を多く確保することができ、貯湯式給湯機100の高い利便性を確保することができる。但し、変圧回路8bを有さず、直流負荷に必要な電圧に応じて設定された所定の電圧の補助電源のみを使用可能な構成としてもよい。
【0030】
また、本実施の形態では、補助電源接続口14は、貯湯タンクユニット101の外郭ケースの前面側に露出している場合について説明した。これより、補助電源の接続を容易にすることができる。しかしながら、補助電源接続口14は、貯湯タンクユニット101の外郭ケースの外面の他の部分に配置されたものであってもよい。また外郭ケースの内部に配置されていてもよい。但し、使用者の補助電源を接続し易さを考慮して、補助電源接続口14を配置することが望ましい。
【0031】
また、補助電源接続口14は、貯湯タンクユニット101に設置される場合に限られない。例えば補助電源接続口14は、宅内に設置されたリモコン103又はリモコン103の近傍に配置された構成としてもよい。この場合、補助電源接続口14の接続部14bは、リモコン103に内蔵された直流回路に接続され、この直流回路を介して、制御部8の直流回路に直流電力が供給される構成とする。これにより、宅内で補助電源を容易に接続することができる。
【0032】
また、貯湯式給湯機100は、補助電源による直流電力を利用して給湯運転を行う場合、例えば、制御部8とリモコン103との通信周期を、商用電源等の主電源からの電力供給により通常の給湯運転を行う場合の周期に比べて長くする構成を有するものとしてもよい。また、例えば、補助電源による直流電力を利用して給湯運転を行う場合における、リモコン103の表示部への貯湯式給湯機100の運転状態に関する情報の表示による通知周期を、通常の給湯運転を行う場合の通知周期に比べて長くする構成としてもよい。これにより、容量の小さな補助電源の電力をより有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0033】
100 貯湯式給湯機、 101 貯湯タンクユニット、 102 加熱手段、 103 リモコン、 104a 配管、 104b 配管、 1 貯湯タンク、 2 出湯配管、 3 湯水混合弁、 4 温度センサ、 5 給湯配管、 6 風呂給湯配管、 7 制御基板、 7a 交流回路、 7b 整流回路、 8 制御部、 8a コネクタ部、 8b 変圧回路、 9 漏電遮断器、 10 外部接続電線、 11 ケコミ、 13 風呂機能部品ユニット、 14 補助電源接続口、 14a 保持部、 14b 接続部、 14c 照明部、 14d 照明板、 14e 蓋、 20a、20b 給水配管
図1
図2
図3
図4