(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185912
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】端末装置のためのコンピュータプログラム、端末装置、及び、端末装置によって実行される方法
(51)【国際特許分類】
H04W 76/11 20180101AFI20221208BHJP
H04W 84/10 20090101ALI20221208BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20221208BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20221208BHJP
【FI】
H04W76/11
H04W84/10 110
H04W84/12
H04W88/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093834
(22)【出願日】2021-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阮 竜竜
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA34
5K067DD19
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
【課題】或る通信装置と或るアクセスポイントとの間に無線接続が確立されている状況で、当該或る通信装置とは異なる通信装置と当該或るアクセスポイントとの間に無線接続をさらに確立させること。
【解決手段】端末装置は、通信装置が無線接続を確立しているアクセスポイントを識別するSSIDを含むM個の装置情報をメモリに記憶し、M個の通信装置とは異なる特定の通信装置と、メモリ内のM個の装置情報に含まれるM個のSSIDのうちの対象のSSIDによって識別される対象のアクセスポイントと、の間の無線接続確立のための確立指示が取得される場合に、対象のアクセスポイントによって利用される対象のパスワードを取得し、対象のパスワードが取得される場合に、対象のSSIDと対象のパスワードとを含む接続情報を特定の通信装置に送信する。接続情報は、対象のアクセスポイントとの無線接続確立のために特定の通信装置によって利用される。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、
M個(前記Mは1以上の整数)の通信装置に対応するM個の装置情報をメモリに記憶する記憶制御部であって、前記M個の装置情報のそれぞれは、当該装置情報に対応する通信装置が無線接続を確立しているアクセスポイントを識別するSSID(Service Set Identifierの略)を含む、前記記憶制御部と、
前記M個の通信装置とは異なる特定の通信装置と、前記メモリ内の前記M個の装置情報に含まれるM個のSSIDのうちの対象のSSIDによって識別される対象のアクセスポイントと、の間に無線接続を確立するための確立指示が取得される場合に、前記対象のアクセスポイントによって利用される対象のパスワードを取得するパスワード取得部と、
前記対象のパスワードが取得される場合に、前記対象のSSIDと前記対象のパスワードとを含む接続情報を前記特定の通信装置に送信する接続情報送信部であって、前記接続情報は、前記対象のアクセスポイントとの無線接続を確立するために前記特定の通信装置によって利用される、前記接続情報送信部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
複数個のアクセスポイントの複数個のSSIDを取得するSSID取得部と、
前記複数個のSSIDが取得される場合に、前記複数個のSSIDの中から1個のSSIDを選択するための選択画面を前記端末装置の表示部に表示する表示制御部と、として機能させ、
前記確立指示は、前記選択画面において前記複数個のSSIDの中から前記対象のSSIDを選択する指示を含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記選択画面では、前記複数個のSSIDのうち、前記メモリ内の前記M個の装置情報に含まれる前記M個のSSIDが、前記M個のSSIDとは異なるSSIDよりも優先的に表示される、請求項2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記選択画面では、上下方向に沿って並ぶ前記複数個のSSIDであって、前記M個のSSIDが前記異なるSSIDよりも上方に位置する前記複数個のSSIDが表示される、請求項3に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記M個の装置情報のそれぞれは、さらに、当該装置情報に対応する通信装置に関係する関係情報を含み、
前記選択画面では、前記M個のSSIDのそれぞれについて、当該SSIDに関連付けて、当該SSIDを含む装置情報に含まれる関係情報が表示される、請求項3又は4に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記選択画面では、前記M個のSSIDに含まれる第1のSSIDが、前記複数個のSSIDに含まれる前記第1のSSIDとは異なるSSIDよりも優先的に表示され、
前記第1のSSIDは、前記M個の通信装置のうち、ユーザによって選択されたデフォルトの通信装置に対応する装置情報に含まれるSSIDである、請求項3から5のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記Mは2以上の整数であり、
前記選択画面では、前記M個のSSIDに含まれる第1のSSIDが、前記M個のSSIDに含まれる第2のSSIDよりも優先的に表示され、
前記第1のSSIDは、前記M個の通信装置のうち、ユーザによって選択されたデフォルトの通信装置に対応する装置情報に含まれるSSIDであり、
前記第2のSSIDは、前記M個の通信装置のうち、前記デフォルトの通信装置とは異なる通信装置に対応する装置情報に含まれるSSIDである、請求項3から6のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記Mは2以上の整数であり、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記確立指示が取得される場合に、前記M個の通信装置のそれぞれについて、前記端末装置が無線接続を確立しているアクセスポイントを介して、当該通信装置と通信可能であるのか否かを判断する判断部として機能させ、
前記選択画面では、前記M個のSSIDに含まれる第3のSSIDが、前記M個のSSIDに含まれる第4のSSIDよりも優先的に表示され、
前記第3のSSIDは、前記M個の通信装置のうち、通信可能であると判断された通信装置に対応する装置情報に含まれるSSIDであり、
前記第4のSSIDは、前記M個の通信装置のうち、通信不可能であると判断された通信装置に対応する装置情報に含まれるSSIDである、請求項3から7のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記選択画面では、前記M個のSSIDに含まれる第1のSSIDが、前記複数個のSSIDに含まれる第5のSSIDよりも優先的に表示され、
前記第1のSSIDは、前記M個の通信装置のうち、ユーザによって選択されたデフォルトの通信装置に対応する装置情報に含まれるSSIDであり、
前記第5のSSIDは、前記端末装置が無線接続を確立しているアクセスポイントを識別するSSIDである、請求項3から8のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記確立指示が取得される場合に、前記M個の通信装置のそれぞれについて、前記端末装置が無線接続を確立しているアクセスポイントを介して、当該通信装置と通信可能であるのか否かを判断する判断部として機能させ、
ユーザによって選択されたデフォルトの通信装置と通信可能であると判断される場合に、前記選択画面では、第1のSSIDが第5のSSIDよりも優先的に表示され、
前記デフォルトの通信装置と通信不可能であると判断される場合に、前記選択画面では、前記第5のSSIDが前記第1のSSIDよりも優先的に表示され、
前記第1のSSIDは、前記M個の通信装置のうち、前記デフォルトの通信装置に対応する装置情報に含まれるSSIDであり、
前記第5のSSIDは、前記端末装置が無線接続を確立しているアクセスポイントを識別するSSIDである、請求項3から8のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
前記Mは2以上の整数であり、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記確立指示が取得される場合に、前記M個の通信装置のそれぞれについて、前記端末装置が無線接続を確立しているアクセスポイントを介して、当該通信装置と通信可能であるのか否かを判断する判断部として機能させ、
前記選択画面では、前記M個のSSIDに含まれる第3のSSIDの表示態様と、前記M個のSSIDに含まれる第4のSSIDの表示態様と、が異なり、
前記第3のSSIDは、前記M個の通信装置のうち、通信可能であると判断された通信装置に対応する装置情報に含まれるSSIDであり、
前記第4のSSIDは、前記M個の通信装置のうち、通信不可能であると判断された通信装置に対応する装置情報に含まれるSSIDである、請求項3から10のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記Mは2以上の整数であり、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記確立指示が取得される場合に、前記M個の通信装置のそれぞれから、前記端末装置が無線接続を確立しているアクセスポイントを介して、当該通信装置の状態を示す状態情報を受信する受信部として機能させ、
前記選択画面では、前記M個のSSIDに含まれる第6のSSIDが、前記M個のSSIDに含まれる第7のSSIDよりも優先的に表示され、
前記第6のSSIDは、前記M個の通信装置のうち、エラー状態を示さない前記状態情報の送信元の通信装置に対応する装置情報に含まれるSSIDであり、
前記第7のSSIDは、前記M個の通信装置のうち、前記エラー状態を示す前記状態情報の送信元の通信装置に対応する装置情報に含まれるSSIDである、請求項3から11のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
前記SSID取得部は、前記特定の通信装置から前記複数個のSSIDを受信することによって、前記複数個のSSIDを取得する、請求項2から12のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項14】
前記端末装置は、Bluetooth方式に従った無線通信を実行するための無線インターフェースを備え、
前記接続情報送信部は、前記無線インターフェースを介して、前記接続情報を前記特定の通信装置に送信する、請求項1から13のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項15】
前記端末装置は、Wi-Fi方式に従った無線通信を実行するための無線インターフェースを備え、
前記接続情報送信部は、前記無線インターフェースを介して、アクセスポイントを介さずに、前記接続情報を前記特定の通信装置に送信する、請求項1から13のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項16】
端末装置であって、
M個(前記Mは1以上の整数)の通信装置に対応するM個の装置情報をメモリに記憶する記憶制御部であって、前記M個の装置情報のそれぞれは、当該装置情報に対応する通信装置が無線接続を確立しているアクセスポイントを識別するSSID(Service Set Identifierの略)を含む、前記記憶制御部と、
前記M個の通信装置とは異なる特定の通信装置と、前記メモリ内の前記M個の装置情報に含まれるM個のSSIDのうちの対象のSSIDによって識別される対象のアクセスポイントと、の間に無線接続を確立するための確立指示が取得される場合に、前記対象のアクセスポイントによって利用される対象のパスワードを取得するパスワード取得部と、
前記対象のパスワードが取得される場合に、前記対象のSSIDと前記対象のパスワードとを含む接続情報を前記特定の通信装置に送信する接続情報送信部であって、前記接続情報は、前記対象のアクセスポイントとの無線接続を確立するために前記特定の通信装置によって利用される、前記接続情報送信部と、
を備える、端末装置。
【請求項17】
端末装置によって実行される方法であって、
M個(前記Mは1以上の整数)の通信装置に対応するM個の装置情報をメモリに記憶する記憶制御ステップであって、前記M個の装置情報のそれぞれは、当該装置情報に対応する通信装置が無線接続を確立しているアクセスポイントを識別するSSID(Service Set Identifierの略)を含む、前記記憶制御ステップと、
前記M個の通信装置とは異なる特定の通信装置と、前記メモリ内の前記M個の装置情報に含まれるM個のSSIDのうちの対象のSSIDによって識別される対象のアクセスポイントと、の間に無線接続を確立するための確立指示が取得される場合に、前記対象のアクセスポイントによって利用される対象のパスワードを取得するパスワード取得ステップと、
前記対象のパスワードが取得される場合に、前記対象のSSIDと前記対象のパスワードとを含む接続情報を前記特定の通信装置に送信する接続情報送信ステップであって、前記接続情報は、前記対象のアクセスポイントとの無線接続を確立するために前記特定の通信装置によって利用される、前記接続情報送信ステップと、
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、端末装置を利用して、通信装置とアクセスポイントとの間に無線接続を確立させる技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プリンタとアクセスポイント(以下では「AP」と記載する)との間に無線接続を接続させる端末装置が開示されている。APは複数個のSSIDを有し、各SSIDは類似する。端末装置は、プリンタからSSIDのリストを受信する。端末装置は、SSIDのリストが、端末装置が接続している特定のAPのSSIDの一部の文字が置換された特定のSSIDを含む場合に、特定のSSIDが特定のAPのSSIDであると判断する。この場合、端末装置は、特定のSSIDを強調して表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、或るプリンタと或るアクセスポイントとの間に無線接続が確立されている状況において、当該或るプリンタとは異なるプリンタと当該或るアクセスポイントとの間に無線接続をさらに確立させる状況について、何ら考慮されていない。本明細書では、端末装置が、或る通信装置と或るアクセスポイントとの間に無線接続が確立されている状況において、当該或る通信装置とは異なる通信装置と当該或るアクセスポイントとの間に無線接続をさらに確立させるための技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する技術は、端末装置のためのコンピュータプログラムに具現化される。コンピュータプログラムは、前記端末装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、M個(前記Mは1以上の整数)の通信装置に対応するM個の装置情報をメモリに記憶する記憶制御部であって、前記M個の装置情報のそれぞれは、当該装置情報に対応する通信装置が無線接続を確立しているアクセスポイントを識別するSSID(Service Set Identifierの略)を含む、前記記憶制御部と、前記M個の通信装置とは異なる特定の通信装置と、前記メモリ内の前記M個の装置情報に含まれるM個のSSIDのうちの対象のSSIDによって識別される対象のアクセスポイントと、の間に無線接続を確立するための確立指示が取得される場合に、前記対象のアクセスポイントによって利用される対象のパスワードを取得するパスワード取得部と、前記対象のパスワードが取得される場合に、前記対象のSSIDと前記対象のパスワードとを含む接続情報を前記特定の通信装置に送信する接続情報送信部であって、前記接続情報は、前記対象のアクセスポイントとの無線接続を確立するために前記特定の通信装置によって利用される、前記接続情報送信部と、として機能させてもよい。
【0006】
上記の構成によれば、端末装置は、或る通信装置が無線接続を確立している対象のアクセスポイントを識別する対象のSSIDを含む装置情報を記憶する。従って、端末装置は、対象のSSIDと対象のパスワードとを含む接続情報を特定の通信装置に送信することによって、特定の通信装置と対象のアクセスポイントとの間に無線接続を確立させることができる。このように、端末装置は、或る通信装置と対象のアクセスポイントとの間に無線接続が確立されている状況において、当該或る通信装置とは異なる特定の通信装置と対象のアクセスポイントとの間に無線接続をさらに確立させることができる。
【0007】
上記のコンピュータプログラムによって実現される端末装置、当該コンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記憶媒体、及び、端末装置によって実行される方法も新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図11】第2実施例のWFD接続確立処理のシーケンスを示す。
【0009】
(第1実施例)
(通信システム2の構成;
図1)
図1に示されるように、通信システム2は、携帯端末10と、複数個のプリンタ100~500と、複数個のAP(Access Pointの略)61~64,70と、を備える。本実施例の技術は、携帯端末10を利用して、プリンタ(例えば100)とAP(例えば61)との間にWi-Fi規格に従った無線接続(以下では、「Wi-Fi接続」と記載する)を確立させる技術である。
【0010】
(携帯端末10の構成)
携帯端末10は、携帯電話(例えばスマートフォン)、PDA、タブレットPC等の可搬型の端末装置である。変形例では、携帯端末10は、デスクトップPC等の据置型の端末装置であってもよい。以下では、携帯端末10のことを「端末10」と簡単に記載する。端末10は、表示部12と無線LANインターフェース14とBT(Bluetooth(登録商標)の略)インターフェース16と制御部30とを備える。各部12~30は、バス線(符号省略)に接続されている。以下では、インターフェースのことを「I/F」と記載する。
【0011】
表示部12は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部12は、ユーザから指示を受け付けるタッチパネル(即ち操作部)としても機能する。ユーザは、表示部12のタッチパネルを操作することによって、様々な指示を端末10に入力することができる。
【0012】
無線LANI/F14は、Wi-Fi規格に従ったWi-Fi通信を実行するためのI/Fである。Wi-Fi規格は、例えば、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.の略)の802.11の規格、及び、それに準ずる規格(例えば802.11a,11b,11g,11n、11ac等)に従って、無線通信を実行するための無線通信規格である。
【0013】
BTI/F16は、BT規格に従ったBT通信を実行するためのI/Fである。BT規格は、例えば、IEEE802.15.1の規格、及び、それに準ずる規格である。より具体的に言うと、BTI/F16は、BLE(Bluetooth Low Energyの略)をサポートしている。BLEは、BT規格のバージョン4.0以降のバージョンで実現されている。
【0014】
Wi-Fi通信とBT通信との相違点を記述しておく。Wi-Fi通信の通信速度(例えば最大の通信速度が600Mbps)は、BT通信の通信速度(例えば最大の通信速度が24Mbps)よりも速い。Wi-Fi通信における搬送波の周波数は、2.4GHz帯又は5.0GHz帯である。BT通信における搬送波の周波数は、2.4GHz帯である。即ち、Wi-Fi通信における搬送波の周波数として5.0GHz帯が採用される場合には、Wi-Fi通信における搬送波の周波数とBT通信における搬送波の周波数とは異なる。また、Wi-Fi通信を実行可能な最大の距離(例えば約100m)は、BT通信を実行可能な最大の距離(例えば約数十m)よりも大きい。
【0015】
制御部30は、CPU32とメモリ34とを備える。CPU32は、メモリ34に格納されているプログラム42,44に従って、様々な処理を実行するコンピュータである。メモリ34は、不揮発性メモリ、揮発性メモリ等で構成され、OS(Operating Systemの略)プログラム42(以下では単に「OS42」と記載する)と、アプリケーション44(以下では単に「アプリ44」と記載する)と、を記憶する。
【0016】
OS42は、端末10の基本的な動作を制御するためのプログラムであり、例えば、iOS(登録商標)、アンドロイド(登録商標)等である。アプリ44は、BT通信を実行して端末10の周囲に存在するプリンタを検索したり、複数個のAP61~64の情報をプリンタに送信したりするためのアプリケーションである。また、アプリ44は、Wi-Fi通信を実行して印刷データをプリンタに送信するためのアプリケーションである。アプリ44は、例えば、プリンタ100等のベンダによって提供されるインターネット上のサーバから端末10にインストールされてもよいし、プリンタ100等と共に出荷されるメディアから端末10にインストールされてもよい。
【0017】
(プリンタ100の構成)
プリンタ100は、印刷機能を実行可能な周辺装置(例えば、端末10の周辺装置)である。プリンタ100は、モデル名「PR01」を有する。プリンタ100は、表示部112と無線LANI/F114とBTI/F116と印刷実行部118と制御部130とを備える。
【0018】
表示部112は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部112は、ユーザから指示を受け付けるタッチパネル(即ち操作部)としても機能する。無線LANI/F114は、端末10の無線LANI/F14と同様である。BTI/F116は、端末10のBTI/F16と同様である。印刷実行部118は、インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構である。
【0019】
制御部130は、CPU132とメモリ134とを備える。CPU132は、メモリ134に記憶されているプログラム140に従って、様々な処理を実行する。メモリ134は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。
【0020】
プリンタ200は、モデル名「PR02」を有する点を除いて、プリンタ100と同様の構成を備える。同様に、プリンタ300,400,500も、それぞれ、モデル名「PR03」、モデル名「PR04」、モデル名「PR05」を有する点を除いて、プリンタ100と同様の構成を備える。
【0021】
(AP61の構成)
AP61は、無線アクセスポイント又は無線LANルータと呼ばれる通常のアクセスポイントである。AP61は、AP61が親局として動作するWi-Fiネットワークに所属している一対の機器の間の通信を中継する。AP61は、AP61とのWi-Fi接続を確立するための情報として、SSID(Service Set Identifierの略)「ID61」とパスワード「PW61」とを記憶する。
【0022】
AP62,63,64も、AP61と同様に、通常のアクセスポイントである。AP62,63,64は、それぞれ、SSID「ID62」、「ID63」、「ID64」とパスワード「PW62」、「PW63」、「PW64」とを記憶する。本実施例では、各AP61~64は、有線によって互いに接続されており、有線通信を利用して相互に通信可能である。AP70は、有線によって各AP61~64と接続されていない。AP70は、SSID「ID70」とパスワード「PW70」とを記憶する。
【0023】
(各デバイス10,100~500によって実行される処理:
図2~
図10)
続いて、
図2~
図10を参照して、各デバイス10,100~500によって実行される処理を説明する。以下では、各デバイスのCPU(例えばCPU32、132)の代わりに、各デバイス(例えば端末10、プリンタ100等)を主体として処理の内容を説明する。また、以下では、BTI/F16,116等を介して実行される通信が一点鎖線で示され、無線LANI/F14,114等を介して実行される通信が実線で示される。端末10と各プリンタ100~500との間の通信を説明する際に、「BTI/F16(又は116)を介して」及び「無線LANI/F14(又は114)を介して」という説明を省略することがある。
【0024】
(端末10とプリンタ100との間のBT接続の確立:
図2)
まず、
図2を参照して、端末10とプリンタ100との間にBT規格に従った無線接続(以下では「BT接続」と記載することがある)を確立するための処理を説明する。
図2の初期状態では、端末10がAP61とのWi-Fi接続を確立済みである。各プリンタ100~500は、APとのWi-Fi接続をまだ確立していない。
【0025】
T2では、プリンタ100は、ユーザから電源オン操作を受け付ける。この場合、T4において、プリンタ100は、BT規格のAdvertise信号を繰り返し送信することを開始する。当該Advertise信号は、プリンタ100のモデル名「PR01」を含む。
【0026】
T10では、端末10は、ユーザからアプリ44を起動する操作を受け付ける。これにより、端末10は、アプリ44に従って以下の各処理を実行する。端末10は、T12において、トップ画面D2を表示部12に表示する。トップ画面D2は、セットアップボタンB2と、プリンタ登録ボタンB4と、プリンタ変更ボタンB6と、印刷実行ボタンB8と、を含む。本実施例の「セットアップ」とは、端末10とプリンタ(例えば100)との間にBT接続を確立させ、その後、当該プリンタとAPとの間にWi-Fi接続を確立させることを意味する。プリンタ登録ボタンB4は、デフォルトプリンタを登録するためのボタンである。プリンタ変更ボタンB6は、デフォルトプリンタを変更するためのボタンである。印刷実行ボタンB8は、プリンタに印刷を実行させるためのボタンである。
【0027】
T14では、端末10は、ユーザからセットアップボタンB2の選択を受け付ける。この結果、端末10は、T20において、プリンタ100から、モデル名「PR01」を含むAdvertise信号を受信する。この場合、端末10は、T22において、接続確認画面D4を表示部12に表示する。接続確認画面D4は、T20で受信されたAdvertise信号内のモデル名「PR01」を含む。
【0028】
T24では、端末10は、ユーザから、接続確認画面D4に含まれるモデル名「PR01」の選択を受け付ける。この場合、端末10は、T30において、CONNECT_IND信号をプリンタ100に送信する。当該信号は、BT接続(即ちL2CAP Link)の確立を要求する信号である。これにより、T32において、端末10とプリンタ100との間にBT接続が確立される。
【0029】
(プリンタ100のセットアップ処理:
図3)
続いて、
図3を参照して、プリンタ100とAP61との間にWi-Fi接続を確立させる処理を説明する。
図3の処理は、
図2の処理の続きである。
【0030】
T40では、端末10は、BT接続を利用して、SSID検索指示をプリンタ100に送信する。SSID検索指示は、プリンタ100の周囲に存在するアクセスポイントの検索を要求する指示である。
【0031】
プリンタ100は、T40において、端末10からSSID検索指示を受信すると、T50において、無線LANI/F114を介して、Probe要求をブロードキャストによって送信する。その結果、T52では、プリンタ100は、各AP61~64,70から、無線LANI/F114を介して、Probe応答を受信する。Probe応答は、送信元のAPのSSIDを含む。これにより、プリンタ100は、各AP61~64,70の各SSID「ID61」~「ID64」、「ID70」を取得することができる。
【0032】
T60では、端末10は、BT接続を利用して、SSIDリクエストをプリンタ100に送信する。SSIDリクエストは、検索によって見つかったAPのSSIDの送信を要求する指示である。
【0033】
プリンタ100は、T60において、端末10からSSIDリクエストを受信すると、T62において、BT接続を利用して、T52で取得された各SSID「ID61」~「ID64」、「ID70」を端末10に送信する。
【0034】
端末10は、T62において、プリンタ100から各SSID「ID61」~「ID64」、「ID70」を受信すると、T64において、各SSID「ID61」~「ID64」、「ID70」を含むSSID一覧画面D6を表示する。SSID一覧画面D6では、各SSID「ID61」~「ID64」、「ID70」は、上下方向に沿って並ぶ。端末10は、端末10がWi-Fi接続を確立しているアクセスポイント61のSSID「ID61」を最上位に配置する。
【0035】
端末10は、T66において、ユーザからSSID「ID61」の選択を受け付ける。この場合、端末10は、T70において、パスワード入力画面D8を表示する。パスワード入力画面D8は、AP61のSSID「ID61」と、パスワード入力欄と、OKボタンと、を含む。T72では、端末10は、ユーザからパスワード「PW61」の入力とOKボタンの選択とを受け付ける。これにより、端末10は、パスワード「PW61」を取得する。そして、T80では、端末10は、BT接続を利用して、SSID「ID61」とパスワード「PW61」とをプリンタ100に送信する。
【0036】
プリンタ100は、T80において、端末10からSSID「ID61」とパスワード「PW61」とを受信すると、T82において、SSID「ID61」とパスワード「PW61」とを利用して、無線LANI/F114を介して、AP61とのWi-Fi接続を確立する。具体的には、プリンタ100は、無線LANI/F114を介して、様々な通信をAP61と実行する。当該通信は、Probe、Authentication、Association、4-Way Handshake等を含む。当該通信の過程において、SSID「ID61」及びパスワード「PW61」が利用された通信が実行され、AP61においてSSID「ID61」及びパスワード「PW61」の認証が実行される。その結果、プリンタ100とAP61との間にWi-Fi接続が確立される。
【0037】
(各プリンタ200~400のセットアップ処理:
図4)
続いて、
図4を参照して、各プリンタ200~400と各AP62~64との間にWi-Fi接続を確立させる処理を説明する。
図4の処理は、
図3の処理の続きである。
【0038】
端末10及びプリンタ200は、
図3のT40~T64と同様の処理を実行する。その後、端末10は、T166において、ユーザからSSID「ID62」の選択を受け付け、T170において、パスワード入力画面D8を表示する。端末10は、T172において、ユーザからパスワード「PW62」の入力と、OKボタンの選択と、を受け付ける。これにより、端末10は、T180において、BT接続を利用して、SSID「ID62」とパスワード「PW62」とをプリンタ200に送信する。
【0039】
プリンタ200は、T180において、端末10からSSID「ID62」とパスワード「PW62」とを受信すると、T182において、SSID「ID62」とパスワード「PW62」とを利用して、AP62とのWi-Fi接続を確立する。
【0040】
プリンタ200の場合と同様に、端末10は、プリンタ300とAP63との間のWi-Fi接続を確立させ(T266~T282参照)、プリンタ400とAP64との間のWi-Fi接続を確立させる(T366~T382参照)。
【0041】
(プリンタ100の登録処理:
図5及び
図6)
続いて、
図5及び
図6を参照して、各プリンタ100~400と各AP61~64との間にWi-Fi接続が確立された後に、デフォルトプリンタを登録する処理を説明する。ここで、デフォルトプリンタの登録とは、プリンタの装置情報をデフォルトとしてメモリ34に記憶することを意味する。
図5の処理は、
図4の処理の続きである。
図5及び
図6の各通信は、各AP61~64によって形成されるWi-Fiネットワークを介して実行される。
【0042】
まず、
図5を参照して、プリンタ100の装置情報R1を登録する処理を説明する。T90では、端末10は、ユーザからプリンタ登録ボタンB4(
図2参照)の選択を受け付ける。この結果、端末10は、T100において、検索信号をブロードキャストによって送信する。これにより、検索信号は、AP61~AP64を介して各プリンタ100~400によって受信される。
【0043】
プリンタ100は、T100において、端末10から検索信号を受信すると、T102において、モデル名「PR01」を含む応答信号を端末10に送信する。同様に、各プリンタ200~400は、T100において、端末10から検索信号を受信すると、T104~T108において、各モデル名「PR02」~「PR04」を含む各応答信号を端末10に送信する。
【0044】
端末10は、T102~T108において、各プリンタ100~400から各応答信号を受信すると、T110において、プリンタ一覧画面D10を表示部12に表示する。プリンタ一覧画面D10は、各応答信号に含まれる各モデル名「PR01」~「PR04」を含む。
【0045】
T112では、端末10は、ユーザからモデル名「PR01」の選択を受け付ける。この場合、端末10は、T114において、装置情報要求をモデル名「PR01」を有するプリンタ100に送信する。装置情報要求は、装置情報の送信を要求する信号である。
【0046】
プリンタ100は、T114において、装置情報要求を受信すると、T116において、装置情報R1を端末10に送信する。装置情報R1は、モデル名「PR01」と、プリンタ100のファームウェアのバージョン「1.0.0」と、プリンタ100がWi-Fi接続を確立しているAP61のSSID「ID61」と、プリンタ100のIPアドレス「192.168.1.0」と、プリンタ100のインク残量「60%」と、プリンタ100の現在の状態「正常」と、を含む。
【0047】
端末10は、T116において、装置情報R1を受信すると、T118において、装置情報R1を表示する。T120では、端末10は、ユーザから登録ボタンの選択を受け付ける。これにより、端末10は、T122において、装置情報R1をデフォルトとしてメモリ34に記憶する。具体的には、端末10は、デフォルトであることを示すデフォルトフラグに対応付けて装置情報R1をメモリ34に記憶する。
【0048】
(各プリンタ200~400の登録処理:
図6)
続いて、
図6を参照して、各プリンタ200~400の各装置情報R2~R4を登録する処理を説明する。
図6の処理は、
図5の処理の続きである。
【0049】
プリンタ200の装置情報R2を登録する処理は、T212において、ユーザからモデル名「PR02」の選択を受け付ける点と、T222において、装置情報R2をデフォルトとして記憶する点と、を除くと、
図5の処理と同様である。端末10は、T222において、デフォルトフラグを装置情報R1から装置情報R2に付け替えることによって、装置情報R2をデフォルトとして記憶する。
【0050】
プリンタ300の装置情報R3を登録する処理は、T312において、ユーザからモデル名「PR03」の選択を受け付ける点と、T322において、装置情報R3をデフォルトとして記憶する点と、を除くと、
図5の処理と同様である。プリンタ400の装置情報R4を登録する処理は、T412において、ユーザからモデル名「PR04」の選択を受け付ける点と、T422において、装置情報R4をデフォルトとして記憶する点と、を除くと、
図5の処理と同様である。このように、端末10は、複数個の装置情報R1~R4をメモリ34に登録する。
【0051】
その後、デフォルトプリンタが変更される。具体的には、端末10は、T430において、ユーザからプリンタ変更ボタンB6(
図2参照)の選択を受け付ける。この結果、端末10は、T432において、プリンタ一覧画面D12を表示部12に表示する。プリンタ一覧画面D12は、メモリ34に記憶されている複数個の装置情報R1~R4に含まれる複数個のモデル名「PR01」~「PR04」を含む。この時点では、プリンタ400の装置情報R4がデフォルトとして記憶されている(T422参照)。このため、装置情報R4に含まれるモデル名「PR04」には、デフォルトを示すマークM0が付されている。
【0052】
T434では、端末10は、ユーザからモデル名「PR01」の選択を受け付ける。これにより、端末10は、T436において、デフォルトの装置情報を、装置情報R4から、モデル名「PR01」を含む装置情報R1に変更する。具体的には、端末10は、デフォルトフラグを装置情報R4から装置情報R1に付け替える。この結果、装置情報R1に対応するプリンタ100がデフォルトプリンタとして登録されることになる。
【0053】
その後、端末10は、プリンタ100に印刷を実行させる。具体的には、端末10は、T440において、ユーザから印刷実行ボタンB8(
図2参照)の選択を受け付ける。この結果、端末10は、T442において、印刷設定画面D14を表示部12に表示する。印刷設定画面D14は、印刷ボタンと、印刷を実行すべきプリンタのモデル名を示すプリンタ表示部S2と、印刷枚数を示す枚数表示部S4と、印刷の色数を示す色表示部S6と、を含む。現時点では、プリンタ100がデフォルトプリンタであるので(T436)、印刷設定画面D14が表示される際に、プリンタ表示部S2は、プリンタ100のモデル名「PR01」を示す。ユーザは、プリンタ表示部S2の右方のプルダウンボタンを利用して、印刷を実行すべきプリンタを変更することができる。
【0054】
端末10は、ユーザから各部S2~S6の選択を受け付けた後に、T444において、ユーザから印刷ボタンの選択を受け付ける。この結果、端末10は、T446において、プリンタ表示部S2に表示されているモデル名「PR01」を有するプリンタ100に印刷データを送信する。印刷データは、印刷対象の画像を表わす画像データと、印刷設定画面D14で設定された各設定と、を含む。
【0055】
プリンタ100は、T446において、端末10から印刷データを受信すると、T450において、印刷データに含まれる各設定に従って、印刷データに含まれる画像データによって表わされる画像の印刷を実行する。
【0056】
(プリンタ500のセットアップ処理:
図7~
図10)
続いて、
図7~
図10を参照して、プリンタ500とAPとの間にWi-Fi接続を確立させる処理を説明する。
【0057】
(ケースA:
図7及び
図8)
図7及び
図8を参照して、ケースAの処理を説明する。ケースAは、プリンタ100がデフォルトプリンタである状況において、プリンタ500とAPとの間にWi-Fi接続を確立させるケースである。
図7の処理は、
図6の処理の続きである。
図7のT502~T532の処理は、Advertise信号がプリンタ500のモデル名「PR05」を含む点と、T524において、ユーザからモデル名「PR05」の選択を受け付ける点と、を除いて、
図2のT2~T32の処理と同様である。T540~T562の処理は、
図3のT40~T62の処理と同様である。
【0058】
端末10は、T564において、登録済みの各装置情報R1~R4に対応する各プリンタ100~400に装置情報要求を送信し、T566において、各プリンタ100~400から各装置情報R1~R4を受信する。本ケースAでは、プリンタ100の装置情報R1は、プリンタ100がWi-Fi接続を確立しているAP61のSSID「ID61」と、プリンタ100の現在の状態「正常」を示す情報と、を含む。プリンタ200の装置情報R2は、プリンタ200がWi-Fi接続を確立しているAP62のSSID「ID62」と、プリンタ200の現在の状態「正常」を示す情報と、を含む。プリンタ300の装置情報R3は、プリンタ300がWi-Fi接続を確立しているAP63のSSID「ID63」と、プリンタ300の現在の状態「エラー」を示す情報と、を含む。ここで、「エラー」は、例えば、紙詰まり、インク切れ等に起因して、正常に印刷を実行できない状態であることを意味する。また、本ケースAでは、端末10は、プリンタ400との通信を実行不可能である。その原因としては、例えば、AP64の電源がOFFされていること、AP64とプリンタ400との間の通信状態が悪いこと等が考えられる。その結果、端末10は、プリンタ400から装置情報R4を受信しない。
【0059】
(
図7の続き:
図8)
端末10は、
図8のT570において、T566で受信された各装置情報R1~R3に基づいて、T562で受信された各SSID「ID61」~「ID64」、「ID70」をソートする。端末10は、下記の規則に基づいて、各SSID「ID61」~「ID64」、「ID70」をソートする。
【0060】
T570に示されるように、端末10は、(1)デフォルトかつオンラインのSSID、(2)携帯端末接続のSSID、(3)デフォルトかつオフラインのSSID、(4)非デフォルトかつオンラインかつ正常のSSID、(5)非デフォルトかつオンラインかつエラーのSSID、(6)非デフォルトかつオフラインのSSID、(7)その他のSSID、という優先順位に従って、各SSIDをソートする。ここで、「デフォルト」は、デフォルトプリンタがWi-Fi接続を確立しているAPを意味する。「非デフォルト」は、デフォルトプリンタとは異なるプリンタがWi-Fi接続を確立しているAPを意味する。「携帯端末接続」は、端末10がWi-Fi接続を確立しているAPを意味する。「オンライン」は、
図7のT566において、装置情報を送信可能であったプリンタを意味する。「オフライン」は、T566において、装置情報を送信不可能であったプリンタを意味する。「正常」は、T566において、状態「正常」を示す情報を含む装置情報を送信したプリンタを意味する。「エラー」は、T566において、状態「エラー」を示す情報を含む装置情報を送信したプリンタを意味する。
【0061】
端末10は、デフォルトフラグが対応付けられているプリンタ100の装置情報R1に含まれるSSID「ID61」を(1)デフォルトかつオンラインのSSIDとして特定する。端末10は、端末10がWi-Fi接続を確立しているAP61のSSID「ID61」を(2)携帯端末接続のSSIDとして特定する。本ケースAでは、デフォルトプリンタであるプリンタ100が、
図7のT566において、装置情報R1を送信可能であったので、(3)デフォルトかつオフラインのSSIDは存在しない。端末10は、プリンタ200の装置情報R2に含まれるSSID「ID62」を(4)非デフォルトかつオンラインかつ正常のSSIDとして特定する。端末10は、プリンタ300の装置情報R3に含まれるSSID「ID63」を(5)非デフォルトかつオンラインかつエラーのSSIDとして特定する。端末10は、プリンタ400の装置情報R4に含まれるSSID「ID64」を(6)非デフォルトかつオフラインのSSIDとして特定する。また、端末10は、SSID「ID70」を(7)その他のSSIDとして特定する。
【0062】
端末10は、T570において、各SSID「ID61」~「ID64」、「ID70」をソートすると、T572において、選択画面D30を表示部12に表示する。選択画面D30は、各SSID「ID61」~「ID64」、「ID70」の中から1個のSSIDを選択するための画面である。端末10は、T570でソートされた順に、各SSIDを選択画面D30内に配置する。特に、端末10は、優先順位が高いSSID程、上方に配置する。この結果、選択画面D30では、上方から、「ID61」、「ID62」、「ID63」、「ID64」、「ID70」の順で、上下方向に沿って各SSIDが並ぶ。
【0063】
端末10は、さらに、SSID「ID61」に対応付けて、デフォルトのSSIDであることを示すマークM2を配置する。このために、ユーザは、デフォルトプリンタがWi-Fi接続を確立しているAPのSSIDを容易に認識することができる。
【0064】
端末10は、さらに、各SSID「ID61」~「ID63」に対応付けて、オンラインであることを示すマークM4を配置する。このために、ユーザは、端末10との通信を実行可能なプリンタ(即ち、端末10からの指示に従った印刷を実行可能なプリンタ)がWi-Fi接続を確立しているAPのSSIDを容易に認識することができる。
【0065】
上述したように、選択画面D30では、登録済みの各プリンタ100~400がWi-Fi接続を確立している各AP61~64の各SSID「ID61」~「ID64」は、登録済みの各プリンタ100~400がWi-Fi接続を確立していないAP70のSSID「ID70」よりも上方に表示される。このために、ユーザは、登録済みのプリンタがWi-Fi接続を確立しているAPのSSIDを容易に選択することができる。
【0066】
選択画面D30では、デフォルトプリンタであるプリンタ100がWi-Fi接続を確立しているAP61のSSID「ID61」が最上位に表示される。このために、ユーザは、デフォルトプリンタがWi-Fi接続を確立しているAPのSSIDを容易に選択することができる。
【0067】
選択画面D30では、オンラインの各プリンタ100~300がWi-Fi接続を確立している各AP61~63の各SSID「ID61」~「ID63」は、オフラインのプリンタ400がWi-Fi接続を確立しているAP64のSSID「ID64」よりも上方に表示される。このために、ユーザは、オンラインのプリンタがWi-Fi接続を確立しているAPのSSID、即ち、正常に動作していることが推察されるAPのSSIDを容易に選択することができる。
【0068】
選択画面D30では、正常である各プリンタ100,200がWi-Fi接続を確立している各AP61,62の各SSID「ID61」、「ID62」は、エラーであるプリンタ300がWi-Fi接続を確立しているAP63のSSID「ID63」よりも上方に表示される。このために、ユーザは、印刷を実行可能なプリンタがWi-Fi接続を確立しているAPのSSIDを容易に選択することができる。
【0069】
T580では、端末10は、ユーザから、最上位に配置されているSSID「ID61」の選択を受け付ける。この場合、端末10は、T582において、装置情報画面D32を表示部12に表示する。装置情報画面D32は、選択済みのSSID「ID61」を含む装置情報R1と、OKボタンと、を含む。これにより、ユーザは、装置情報R1を参照して、プリンタ500がWi-Fi接続を確立すべきAPを確定することができる。なお、選択済みのSSID「ID61」を含む複数個の装置情報が存在する場合には、装置情報画面D32は、全ての装置情報を含む。
【0070】
T584では、端末10は、装置情報画面D32に含まれるOKボタンの選択を受け付ける。この場合、端末10は、T590において、パスワード入力画面D8(
図3参照)を表示部12に表示する。T592では、端末10は、パスワード「PW61」の入力を受け付ける。これにより、端末10は、パスワード「PW61」を取得する。そして、T594では、端末10は、SSID「ID61」とパスワード「PW61」とをプリンタ500に送信する。
【0071】
プリンタ500は、T594において、端末10からSSID「ID61」とパスワード「PW61」とを受信すると、T596において、SSID「ID61」とパスワード「PW61」とを利用して、AP61とのWi-Fi接続を確立する。
【0072】
(ケースB:
図9)
図9を参照して、ケースBの処理を説明する。ケースBは、プリンタ200がデフォルトプリンタである状況において、プリンタ500とAPとの間にWi-Fi接続を確立させるケースである。
図9の処理は、
図6の処理の続きである。
【0073】
端末10は、
図6のT430,T432と同様に、ユーザからプリンタ変更ボタンB6の選択を受け付けると、プリンタ一覧画面D12を表示部12に表示する。そして、端末10は、T634において、ユーザからモデル名「PR02」の選択を受け付けると、T636において、デフォルトの装置情報を、装置情報R1から、モデル名「PR02」を含む装置情報R2に変更する。具体的には、端末10は、デフォルトフラグを装置情報R1から装置情報R2に付け替える。この結果、装置情報R2に対応するプリンタ200がデフォルトプリンタとして登録されることになる。
【0074】
その後、
図7のT502~T564と同様の処理が実行されると、端末10は、T666において、各プリンタ100~300から各装置情報R1~R3を受信し、プリンタ400から装置情報R4を受信しない。
【0075】
端末10は、T670において、T666で受信された各装置情報R1~R3と、上述の規則と、に基づいて、各SSID「ID61」~「ID64」、「ID70」をソートする。端末10は、デフォルトフラグが対応付けられているプリンタ200の装置情報R2に含まれるSSID「ID62」を(1)デフォルトかつオンラインのSSIDとして特定する。(2)~(7)のSSIDの特定は、(4)のSSIDが特定されないことを除いて、ケースAと同様である。
【0076】
端末10は、T672において、選択画面D40を表示部12に表示する。端末10は、T670でソートされた順に、各SSIDを選択画面D40内に配置する。この結果、選択画面D40では、上方から、「ID62」、「ID61」、「ID63」、「ID64」、「ID70」の順で、上下方向に沿って各SSIDが並ぶ。
【0077】
選択画面D40では、デフォルトプリンタであるプリンタ200がWi-Fi接続を確立しているAP62のSSID「ID62」は、端末10がWi-Fi接続を確立しているAP61のSSID「ID61」よりも上方に表示される。このために、ユーザは、デフォルトプリンタがWi-Fi接続を確立しているAPと、端末10がWi-Fi接続を確立しているAPと、が異なる場合に、デフォルトプリンタがWi-Fi接続を確立しているAPのSSIDを容易に選択することができる。
【0078】
T680では、端末10は、ユーザからSSID「ID62」の選択を受け付ける。この場合、端末10は、T682において、装置情報画面D42を表示部12に表示する。装置情報画面D42は、選択されたSSID「ID62」によって識別されるAP62と接続中のプリンタ200の装置情報R2と、OKボタンと、を含む。T684~T694の処理は、T692において、ユーザからパスワード「PW62」の入力を受け付ける点を除いて、
図8のT584~T594の処理と同様である。
【0079】
プリンタ500は、T694において、端末10からSSID「ID62」とパスワード「PW62」とを受信すると、T696において、SSID「ID62」とパスワード「PW62」とを利用して、AP62とのWi-Fi接続を確立する。
【0080】
(ケースC:
図10)
図10を参照して、ケースCの処理を説明する。ケースCは、プリンタ200がデフォルトプリンタである状況において、プリンタ500とAPとの間にWi-Fi接続を確立させるケースである。特に、プリンタ200がオフラインであるケースである。
図10の処理は、
図6の処理の続きである。
【0081】
T734,T736の処理は、
図9のT634,T636の処理と同様である。端末10は、T766において、各プリンタ100,300から各装置情報R1,R3を受信し、各プリンタ200,400から各装置情報R2,R4を受信しない。
【0082】
端末10は、T770において、T766で受信された各装置情報R1,R3と、上述の規則と、に基づいて、各SSID「ID61」~「ID64」、「ID70」をソートする。本ケースCでは、デフォルトプリンタであるプリンタ200が装置情報R2を送信不可能であったので、(1)デフォルトかつオンラインのSSIDは存在しない。端末10は、SSID「ID62」を(3)デフォルトかつオフラインのSSIDとして特定する。(2)、(4)、(5)~(7)のSSIDの特定は、ケースBと同様である。
【0083】
端末10は、T772において、選択画面D50を表示部12に表示する。端末10は、T770でソートされた順に、各SSIDを選択画面D50内に配置する。この結果、選択画面D40では、上方から、「ID61」、「ID62」、「ID63」、「ID64」、「ID70」の順で、上下方向に沿って各SSIDが並ぶ。
【0084】
図9のケースBの選択画面D40に示されるように、デフォルトプリンタであるプリンタ200が装置情報R2を送信可能である場合には、デフォルトかつオンラインのSSID「ID62」が携帯端末接続のSSID「ID61」よりも上方に表示される。このために、ユーザは、デフォルトプリンタがオンラインである場合に、デフォルトプリンタがWi-Fi接続を確立しているAPのSSIDを容易に選択することができる。一方、本ケースCの選択画面D50に示されるように、デフォルトプリンタであるプリンタ200が装置情報R2を送信不可能である場合には、デフォルトかつオフラインのSSID「ID62」が携帯端末接続のSSID「ID61」よりも下方に表示される。このために、ユーザは、デフォルトプリンタがオフラインである場合に、端末10がWi-Fi接続を確立しているAPのSSIDを容易に選択することができる。
【0085】
T780~T796の処理は、
図8のT580~T596の処理と同様である。この結果、プリンタ500は、AP61とのWi-Fi接続を確立する。
【0086】
(本実施例の効果)
本実施例の端末10は、例えば、プリンタ200がWi-Fi接続を確立しているAP62を識別するSSID「ID62」をメモリ34内に記憶する(
図6のT222)。従って、端末10は、SSID「ID62」とパスワードPW「PW62」とをプリンタ500に送信することによって(
図9のT694)、プリンタ500とAP62との間にWi-Fi続を確立させることができる(T696)。このように、端末10は、プリンタ200とAP62との間にWi-Fi接続が確立されている状況において、プリンタ200とは異なるプリンタ500とAP62との間にWi-Fi接続をさらに確立させることができる。
【0087】
(対応関係)
携帯端末10が、「端末装置」の一例である。BTI/F16が、「無線インターフェース」の一例である。アプリ44が、「コンピュータプログラム」の一例である。CPU32が、「コンピュータ」の一例である。4個のプリンタ100~400、4個の装置情報R1~R4が、それぞれ、「M個の通信装置」、「M個の装置情報」の一例である。プリンタ500が、「特定の通信装置」の一例である。例えば、
図7及び
図8のケースAでは、SSID「ID61」、AP61、パスワード「PW61」が、それぞれ、「対象のSSID」、「対象のアクセスポイント」、「対象のパスワード」の一例である。ケースAのSSID「ID61」及びパスワード「PW61」が、「接続情報」の一例である。例えば、
図7及び
図8のケースAでは、選択画面D30と装置情報画面32との組み合わせが、「選択画面」の一例である。SSID「ID70」が、「M個のSSIDとは異なるSSID」の一例である。装置情報に含まれるモデル名、ファームウェアのバージョン、IPアドレス、及び、インク残量が、「関係情報」の一例である。
【0088】
図7及び
図8のケースAでは、以下の対応関係が得られる。SSID「ID61」が、「第1のSSID」の一例である。SSID「ID62」~SSID「ID64」が、「第2のSSID」の一例である。SSID「ID61」~SSID「ID63」が、「第3のSSID」の一例である。SSID「ID64」が、「第4のSSID」の一例である。SSID「ID61」,「ID62」が、「第6のSSID」の一例である。SSID「ID63」が、「第7のSSID」の一例である。
図9のケースB及び
図10のケースCでは、SSID「ID62」、SSID「ID61」が、それぞれ、「第1のSSID」、「第5のSSID」の一例である。
【0089】
図5のT122、
図6のT222、T322及びT422の処理が、「記憶制御部」によって実行される処理の一例である。例えば、
図7のT524及び
図8のT580のユーザ選択が、「確立指示」の一例である。例えば、
図8のT592の処理が、「取得部」によって実行される処理の一例である。例えば、
図8のT594の処理が、「接続情報送信部」によって実行される処理の一例である。
図7のT562の処理が、「SSID取得部」によって実行される処理の一例である。例えば、
図8のT572の処理が、「表示制御部」によって実行される処理の一例である。例えば、
図8のT570の処理が、「判断部」によって実行される処理の一例である。
【0090】
(第2実施例:
図11)
続いて、第2実施例を説明する。第2実施例の無線LANI/F14は、さらに、Wi-Fi Allianceによって策定されたWFD(Wi-Fi Direct(登録商標)の略)方式をサポートしている。WFD方式の詳細は、Wi-Fi Allianceによって作成された規格書「Wi-Fi Peer-to-Peer (P2P) Technical Specification Version1.1」に記述されている。WFD方式では、Group Owner状態(以下では「G/O状態」と記載する)、及び、クライアント状態(以下では「CL状態」と記載する)が定義されている。G/O状態は、WFD方式に従って確立される無線接続において親局として動作する状態であり、CL状態は、当該無線接続において子局として動作する状態である。以下では、WFD方式に従って確立されるWi-Fi接続のことを「WFD接続」と記載することがある。
【0091】
第2実施例では、
図2の処理に代えて、
図11の処理が実行される。具体的には、第2実施例では、端末10とプリンタ100との間にBT接続ではなくWFD接続が確立される。
【0092】
T800では、プリンタ100は、ユーザから電源オン操作を受け付ける。この場合、T802において、プリンタ100は、WFD方式のG/O状態に移行する。プリンタ100がG/O状態として動作する無線ネットワークでは、SSID「ID50」及びパスワード「PW50」が利用される。
【0093】
T810では、端末10は、ユーザからアプリ44を起動する操作を受け付ける。この結果、端末10は、T812において、トップ画面D2を表示部12に表示する。トップ画面D2は、セットアップボタンB2を含む。本実施例の「セットアップ」とは、端末10とプリンタ(例えば100)との間にWFD接続を確立させ、その後、当該プリンタとAPとの間にWi-Fi接続を確立させることを意味する。また、端末10(即ちアプリ44)は、SSID「ID50」とパスワード「PW50」とを予め記憶している。
【0094】
T814では、端末10は、ユーザからセットアップボタンB2の選択を受け付ける。この場合、端末10は、T820において、予め記憶しているSSID「ID50」とパスワード「PW50」とを利用して、プリンタ100とのWFD接続を確立する。
【0095】
その後、端末10は、T820で確立されたWFD接続を利用して、
図3の各通信をプリンタ100と実行する。同様に、端末10は、各プリンタ200~400とのWFD接続を確立し、当該WFD接続を利用して
図4の各通信を実行する。そして、端末10は、プリンタ500とのWFD接続を確立して、当該WFD接続を利用して、
図7のT540~T562、
図8のT594、
図9のT694、及び、
図10のT794の通信をプリンタ500と実行する。本実施例では、無線LANI/F14が、「無線インターフェース」の一例である。
【0096】
以上、本明細書が開示する技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0097】
(変形例1)
図8のT572及びT580の処理は省略可能である。この場合、端末10は、最も優先順位が高いSSID「61」を自動的に選択して、T582以降の処理を実行してもよい。本変形例では、「表示制御部」を省略可能である。
【0098】
(変形例2)端末10は、
図8のT570において、(7)その他のSSIDの優先順位を最も高くしてもよい。一般的に言うと、「M個のSSID」は、M個のSSIDとは異なるSSIDよりも優先的に表示されなくてもよい。なお、「優先的に表示」は、例えば、文字の色の変更、文字のサイズの変更、文字の字体の変更等によって実現されてもよい。
【0099】
(変形例3)選択画面D30,D40,D50では、複数個のSSIDが左右方向に並んでもよいし別画面に表示されてもよい。一般的に言うと、「複数個のSSID」は、上下方向に沿って並ばなくてもよい。
【0100】
(変形例4)
図8のT582及びT584は省略可能である。一般的に言うと、「選択画面」では、「関係情報」が表示されなくてもよい。
【0101】
(変形例5)
図7のT564及びT566は省略可能である。この場合、
図8のT570では、オンラインとオフラインとは区別されず、エラーと正常とは区別されない。即ち、端末10は、(1)デフォルトのSSID、(2)携帯端末接続のSSID、(3)非デフォルトのSSID、(4)その他のSSID、という優先順位に従って、各SSIDをソートしてもよい。一般的に言うと、「第3のSSID」は、「第4のSSID」よりも優先的に表示されなくてもよい。また、「第6のSSID」は、「第7のSSID」よりも優先的に表示されなくてもよい。本変形例では、「判断部」及び「受信部」を省略可能である。
【0102】
(変形例6)
図8のT570において、(2)携帯端末接続のSSIDの優先順位が、(1)デフォルトかつオンラインのSSIDの優先順位よりも高くてもよい。一般的に言うと、「第1のSSID」は、「第5のSSID」よりも優先的に表示されなくてもよい。
【0103】
(変形例7)端末10は、
図8のT572において、マークM4を表示しなくてもよい。本変形例では、「判断部」を省略可能である。一般的に言うと、「第3のSSID」の表示態様と「第4のSSID」の表示態様とは同じであってもよい。
【0104】
(変形例8)端末10は、
図7のT560及びT562に代えて、以下を実行してもよい。即ち、端末10は、端末10がプリンタ500の近くに位置することを前提として、端末10の周囲に存在する各APを検索する(即ちProbe要求をブロードキャストによって送信する)。これにより、端末10は、端末10の周囲に存在する各APのSSID、即ち、プリンタ500の近くに存在する各APのSSIDを取得することができる。一般的に言うと、「SSID取得部」は、プリンタ500から複数個のSSIDを受信しなくてもよい。
【0105】
(変形例9)
図8のT590及びT592の処理は省略可能である。端末10のメモリ34には、端末10がWi-Fi接続を現在確立しているAP61のパスワード「PW61」が記憶されている。従って、端末10(即ちアプリ44)は、メモリ34からAP61のパスワード「PW61」を取得してもよい。本変形例では、メモリ34からパスワード「PW61」を取得することが、「取得部」によって実行される処理の一例である。
【0106】
(変形例10)「通信装置」は、プリンタに限られず、スキャナ、ファクシミリ、複合機、PC、サーバ、携帯端末等の他のデバイスであってもよい。
【0107】
(変形例11)上記の各実施例では、
図2~
図11の各処理がソフトウェアによって実現されるが、これらの各処理のうちの少なくとも1つが論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0108】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0109】
2:通信システム、10:携帯端末、12,112:表示部、14,114:無線LANI/F、16,116:BTI/F、30,130:制御部、32,132:CPU、34,134:メモリ、42:OS、44:アプリケーション、61,62,63,64,70:アクセスポイント、100,200,300,400,500:プリンタ、118:印刷実行部、146:プログラム、D30,D40,D50:選択画面、R1,R2,R3,R4:装置情報